JP2006057693A - ボールねじの品質管理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ボールねじ1につき、RFIDタグ等のICタグ5を用い、ボールねじ1に関する所定情報を記録して管理する。ボールねじ1にICタグ5を取付ける過程と、その取付けられたICタグ5に、ボールねじ1についての情報を記録する過程と、出荷後の任意時にICタグ5を読み取って利用する過程とを含む。ICタグ5は、ナット3における外径面の平面部等に取付ける。
【選択図】 図9
Description
ボールねじの品質管理では、材料購入から製造完了までの各製造工程の品質,ロット等の製造履歴が、各ボールねじとロット単位で、場合によっては1対1で分かるようにすることが望まれる。例えば、自動車や産業機械用ボールねじ等のような一般品の場合は、ロット管理となり、ロット単位で抜き取り検査等が行われるため、ロット単位で製造履歴が求められる。航空機用ボールねじ等のような特殊品では、個別に検査がなされており、1対1に対応して製造履歴がわかるようにすることが求められる。製造履歴がわかることで、将来の技術的改善等の対処が容易となり、寿命診断も容易となる。また類似品の混入判別等も容易となる。
また、歯車やその他の各種の機械部品において、ICタグを取付け、IDコードやこれに関連付けた各種の情報を記憶させて製品情報の管理を行うことが提案されている(例えば特許文献2)。
しかし、ボールねじにおいて、ICタグを取付けて管理する例は、未だ提案されていない。ボールねじでは、ICタグの取付場所を何処にするかも問題となる。
そのため、ICタグの適用を考えたが、ボールねじでは、自動車等の物品のような管理を適用することができない。上記特許文献1の提案例では、管理対象となる物品である自動車にICタグを取付け、各工程の情報を記録している。ICタグはフレーム等に取付ける。しかし、ボールねじでは、自動車におけるフレーム等のように完成した基準となる要素品がなく、製造過程では各要素品がプレス加工や熱処理等を経て製造されるため、ボールねじ自体にICタグを取付けることができない。また、ボールねじでは、ねじ軸やナット等のそれぞれが、材料購入、塑性加工(または旋削加工)、ねじ溝加工、熱処理等を経て管理されるため、ICタグを品質管理に適用しようとした場合に、具体的にどのように用いるかが問題であり、効率的なICタグの適用が難しい。
この方法によると、ボールねじにICタグを取付け、このボールねじについての情報を記録しておくため、出荷後の任意時に、ICタグを読み取ることで、ボールねじについての情報を確認することができる。ICタグを用いるため、非接触で記録情報の読み取りが可能である。また、ICタグは小型のもの開発されており、そのような小型のICタグを用いることで、鋼材からなるねじ軸、ナット、およびボールや、循環部品を備えたボールねじにおいても、ICタグの取付けが可能で、この発明の管理方法が実現できる。
駒部材の外面位置は、一般的にナットの外径面よりも凹んでおり、ここにICタグを取付けることで、ICタグがナットから突出しないように取付けることができる。これにより、ICタグが他の物と干渉したり、損傷することが回避される。また、ICタグが突出しないように取付けるための加工を特に施す必要がない。
このような基準平面を利用した場合も、ICタグの取付用の加工を施すことなく、ICタグを非突出状態に取付けることができる。
なお、これらの取付箇所の他に、使用目的の定まったボールねじや、顧客の使用目的等により、ナットの端面を取付や位置決め等に利用しない場合は、その端面にICタグを取付けても良い。また、ねじ軸にICタグを取付けても良い。その場合、例えば軸端面に凹部を設けるか、センタ穴を利用して取付けても良い。
これにより、ねじ軸やナット等の各要素品についての製造工程における測定または確認結果を、後に読み取ることができる。
加工条件情報は、一般的には後に知ることが困難であるが、加工条件情報をICタグに記録して読み取り可能としておくことで、ボールねじの使用過程で支障が生じた場合の原因追求が詳細に行え、改良に役立てることができる。
製品性能、パーツリスト、所定部位の管理寸法、管理項目、製品変更における改訂番号等は、一般的に設計図面に記述され、従来では設計図面を探し出して確認している。ICタグにこれらの情報を記録しておくと、図面を探すことなく、必要な情報を得ることができる。
その場合に、ボールねじに製造時または製造完了時にICタグを取付ける過程と、上記ボールねじに取付けられたICタグに、上記データベースに従って、出荷時、または客先納入時までに、そのボールねじについての識別情報を記録し、かつそのボールねじについて前記データベースに記憶された製造情報の一部または全体を記録する過程と、出荷後の任意時に、上記ICタグの記録情報を読み取ってその読み取り情報から、または読み取り情報を上記データベースと照合して製造情報を確認する利用過程とを含む方法としても良い。
この方法の場合、データベースを併用するため、限りあるICタグの記憶容量に頼らずに、多量の情報をデータベースから引き出すことができる。また、ICタグに記録した識別情報からデータベースを検索できるため、容易にデータベースの検索が行える。ICタグの残りの記憶容量は、出荷後や客先納入後の各種の履歴管理に利用することもできる。
この品質管理方法によると、各要素品の工程毎に発生する情報は、工程毎にその工程のロット別に準備したICタグにロット番号と共に記録するため、詳細な履歴情報を管理することができる。したがって、将来の技術的改善等の対処が容易となり、寿命診断や、機械故障につながる事前の交換も容易となる。上記工程毎の情報は、その工程のロット毎に準備したICタグに記録するため、手書き伝票に記録する場合に比べて詳細な情報の記録が行え、また例えば端末からコンピュータに入力する場合と異なり、情報を入力するべき箇所がICタグであるために視覚的に認識できて、入力作業が明確となり、誤りが生じにくい。また、要素品の材料購入から研削工程の各工程にわたる種々雑多な全ての情報をコンピュータに記録するものと異なり、これらの記録情報をICタグで持っておくため、コンピュータの負担が軽く、管理が容易になる。このため、容易に、より詳細な情報の管理することができる。
製造時管理用のデータベース要素品のロット番号と製造情報とを記録しておいても、詳細な履歴情報を管理することができる。
この方法の場合、下流側の工程でロット分かれしても、新たなICタグには、上流の工程での記録情報が引き継がれることになる。そのため、全ての要素品についての製造完了時のロットのICタグは、全ての工程の情報を持つものとなる。
ICタグを容器類に取付けておくことで、ロット毎に準備されるICタグを、常に要素品と共に移動させることができ、ICタグの取扱が容易である。また、要素品の搬送経路でICタグへの情報の記録を行うことができる。
この取付状態で、駒部材6の外面はナット3の外径面に沿う仮想円筒面よりも凹んだ位置になり、この駒部材外面にICタグ5を上記仮想円筒面から突出しないように取付けている。
駒部材6は、従来からある普及品では、このような加締タイプとせずに、ナット外径側から挿入する形式とされているが、このような普及品の場合も、上記と同様に駒部材6の外面にICタグ5を取付け、ナット外径面の仮想円筒面から突出しないようにする。
図5の例は、循環部品として駒部材6を用いた循環形式のものであるが、ナット3の外径面に、加工上で必要とされる基準平面3bを有している。この例では、ICタグ5は、前記基準平面3bに、ナット3の外径面に沿う仮想円筒面から突出しないように取付けている。基準平面3bは、ナットねじ溝の研削仕上げにおける位置決め基準等のために設けられ、製品完成後は不要となる面である。
図2は、ねじ軸2の製造工程例である。コイル材からなる素材を受入れ(A)、この素材を引き抜き(B)により所定径とした後、定寸に切断し(C)、両端にセンタ孔を加工する(D)。両端に段付き加工(E)を施した後、外径面の研削をセンタレス研削で行い(F)、ねじ溝の転造を行う(G)。
ねじ溝の形成されたワークを、高周波焼入し(H)、曲り直し(I)の後、スケール落としを行う(J)。この後、端部研削(K)を行い、ねじ軸2の加工が完了する。加工の完了したねじ軸2は、洗浄(L)の後、ねじ溝有効径を測定する(M)。
このように生産されたねじ軸2およびナット3を組立て、ボール4を入れる。その後、隙間測定、グリースまたは潤滑剤の塗布を行う。
ICタグ5は、非接触で情報の記録および読取りが可能なもの、または読取りのみが可能なものであり、ICチップ(集積回路のチップ)45とアンテナ46とで構成される。これらICチップ45とアンテナ46は、例えば樹脂(図示せず)で一体に包囲される。ICタグは種々の形式,形状,大きさのものがあり、短冊状や板状の物の他、例えば1mm未満の大きさの角状や球状の物などがある。また、対象物に直接に印刷等で形成されるICタグもある。記憶容量も種々異なるものがあるが、用途や取付対象の種類等に応じて適宜選択すればよい。
このボールねじの品質管理方法は、次のICタグ取付過程R1、製造情報の記録過程R2、および記録情報の読取り利用過程R3を含む。
この過程では、ボールねじ1の製造時または製造完了時にICタグ5をボールねじ1に取付ける。ICタグ5は、例えば前述のようにナット3に取付ける。
この過程では、このボールねじ1に取付けられたICタグ5に、出荷時または客先納入時までに、そのボールねじ1についての各要素品の素材受入から、ボールねじ1の組立完了,検査に至る所定の製造情報を記録する。例えば、ボールねじ1における要素品のうちのねじ軸2およびナット3については、材料受入(S1)から、形状加工(ねじ溝加工を含む)(S2)、熱処理(S3)、表面処理(S4)および検査に関する情報を記録する。ナット3については、表面処理(S4)を行わない場合もある。駒部材6およびボール4については、受入時の検査情報や受入元から得た製造情報をICタグ5に記録する。また、ボールねじ1の組立工程および組立後の検査についての情報を記録する。したがって、各種測定結果,検査結果には各要素品(2〜4,6)毎の検査結果と、完成品としての検査結果とが含まれる。
この過程は、出荷後の任意時に、上記ICタグ5の記録情報を読み取ってその読み取り情報から、上記加工条件情報等の確認を行う過程である。
ボールねじ1の完成から廃棄までの一般的な流れとしては、図1のように、ボールねじ1の組立完成から、完成品検査、出荷、倉庫での保管、営業所での保管、客先納入(顧客による購入、機械設備へのボールねじ1の組み込み)、顧客での使用、廃棄、という流れとなる。特注品の場合は、出荷後に直接に客先に納入されることもある。
すなわち、データベース20として、ボールねじ1の識別情報に関連付けてそのボールねじ1に関する材料受入から、形状加工(ねじ溝加工を含む)、熱処理、表面処理、および検査に至る所定の製造情報を記憶し、記憶内容を上記識別情報により抽出可能なものを準備しておく。このデータベース20と、ボールねじ1に取付けられたICタグ5とを用いて品質管理を行う。この場合、上記各過程R1〜R3では次の処理を行う。
この過程R1は、上記提案形態と同じである。
(製造情報の記録過程R2)
この過程では、ボールねじ1に取付けられたICタグ5に、上記データベース20に従い、出荷時、または客先納入時までに、そのボールねじ1についての製造番号またはロット番号等の識別情報を記録し、かつそのボールねじ1についての製造情報を記録する。この記録する製造情報には、各要素品(ねじ軸2およびナット3)の塑性状加工、ねじ溝加工、および熱処理のうちの少なくとも一つの工程における加工条件情報を含ませる。データベース20を併用するため、ICタグ5へ記録する製造情報は、ICタグ5から直接に読取ることが便利な情報だけに限っても良い。例えば、ボールねじ1についての製造年月日、製造場所、封入グリース銘柄、要素品間隙間、品質保証期間、取扱いに関する注意事項などは、ICタグ5に記録しておくことが好ましい。
この過程では、上記出荷後の任意時に、ICタグ5の記録情報を読み取って、その読み取り情報から、または読み取られた識別情報を上記データベース20と照合してその照合により得られた情報から、受入材料の確認、製造工程の確認、その加工条件情報の確認、および検査成績の確認等のいずれかを行う。ICタグ5やデータベース20に記録されているその他の各種の利用を行っても良い。
この管理方法およびデータベース20の詳細は、後に、図10以降の各図と共に説明する。
製造時管理用のデータベース24に記録しておく方法では、ボールねじ1の要素品(ねじ軸2、ナット3)の材料受入から、形状加工(ねじ溝加工を含む)、熱処理、表面処理、および検査に至る所定の製造情報を、製造時管理用のデータベース24に要素品のロット番号または要素品個別の識別番号に関連付けて記録する過程と、この記録した情報を、上記ボールねじ1に取付けられたICタグ5に記録する過程とを含む。なお、製造時管理用のデータベース24は、例えばコンピュータネットワークにおける1台または複数台のコンピュータ(図示せず)に設けられる。
(1) .材料受入(S1)時の管理過程。
各要素品2の材料受入時に、材料ロット25別に準備されたICタグ51に、対応する材料ロット25についての材料ロット番号、および購入材料に関する情報を記録する。
(2) .形状加工(S2)の管理過程。
材料ロット25別のICタグ51、またはこの材料ロット25別のICタグ51の記録情報を引き継いだICタグ51を形状加工ロット26別に準備し、これらICタグ51に、対応する形状加工ロット26についての形状加工ロット番号、および形状加工で得られる情報を記録する。
形状加工ロット26別のICタグ51、またはこの形状加工ロット26別のICタグ51の記録情報を引き継いだICタグ51を熱処理ロット27別に準備し、これらのICタグ51に、対応する熱処理ロット27についての熱処理ロット番号、およびねじ溝加工で得られる情報を記録する。
表面処理工程(S4)の後の検査工程で、熱処理ロット27別のICタグ51、またはこの熱処理ロット27別のICタグ51の記録情報を引き継いだICタグ51を、表面処理ロット28別に準備し、これらのICタグ51に、対応する表面処理ロット28についての表面処理ロット番号および検査工程で得られる情報を記録する。表面処理工程(S4)は、ロット別検査品も個別検査品も同じである。この管理過程(4) で記録する情報は表面処理ロット28別の検査結果の情報であるが、検査項目はロット別検査品も個別検査品も同じであり、それらの検査結果を記録する。検査項目をロット別検査品と個別検査品とで異ならせても良いが、それらの検査結果のICタグ51への記録は、検査項目にかかわらずに同様に行う。
各要素品2を組み立てた各ボールねじ1に、組立前から組立後に至る間にICタグ5を取付け、このボールねじ1に取付けられたICタグ5に、製造ロット番号、および上記ボールねじ1に用いられた各要素品(2,3)の上記検査工程後のICタグ51の記録情報のうち、少なくとも製造ロット番号を記録し、データベース20に上記製造ロット番号と対応して、上記ボールねじ1に用いられた各要素品(2,3)の上記検査工程後のICタグ51の記録情報、およびボールねじ1の完成後の検査情報を記録する。
各工程(S1)〜(S4)において、ICタグ51に記録される各ロット番号および各工程の情報は、図12のように工程毎に追加されることになる。
(1) .材料受入(S1)時の管理過程。
図2に示したように、ねじ軸2については、材料はコイル材の形態で購入等により受入れられ、図3に示したようにナット3については定寸切断されたパイプ材、または長尺のパイプ材状態で受入れられる。受入れた材料は、例えば材料ロット単位で各種の品質検査を行う。この管理過程でICタグ51に記録する受入材料の情報は、材料の出所情報と品質情報とに分けられる。出所情報としては、販売元の会社名や、その会社の工場所在地等である。品質情報は、組織硬さ、非金属介在物の情報など、材料,化学分析の成績表である。品質情報は、材料受入後に行った材料検査の結果をICタグに記録するが、販売元から得た情報を記録しても、両方を記録しても良い。この過程でのICタグ51への情報の記録方法は、例えば購入管理コンピュータ(図示せず)等から得た情報を記録用の端末を介して行う。
形状加工(S2)は、ねじ軸2の場合は、定寸切断、センタ穴加工、段付加工、外径面のセンタレス加工等を含む。
これらの過程でのICタグ51への情報の記録方法は、例えばこれらの形状加工(S2)等の各工程毎に用いられる工程管理用または検査管理用等の製造時管理用のデータベース24により、端末35を介して行うようにする。オペレータによる手入力が必要な情報については、図13に示すようにキーボード等の入力手段36により、製造時管理用のデータベース24を介して、または直接に端末35から記録する。
前工程の材料ロット25よりも鍛造ロット26の方が多くなる場合は、新たなICタグ51を準備し、これにICタグ複製手段37を用いて材料ロット5のICタグ51の記録情報を転記し、この転記よって情報を受け継いだICタグ51に対して形状加工の情報を記録する。以下の各工程においても、ロット数が増える場合は、上記と同様にして新たなICタグ51に転記する。
この過程では、加工条件情報や、表面硬度、焼入深さ、組織等を管理する。
表面処理を行ったときは後に検査を行う。表面処理工程でICタグ51に記録する情報は、加工条件の情報と、検査結果である。
表面処理後の検査では、ねじ溝有効径の測定を行い、ICタグ51に記録する。
各ボールねじ1は、組立が完了すると、完成品検査として各種の検査を行う。この検査は、例えば上記ICタグ5の取付後に行うが、取付形態によっては取付前に行っても良い。組立時の検査事項として、ボールねじ1では、隙間測定等があり、その検査結果がICタグ5に記録される。
ボールねじ1に上記のように取付けられたICタグ5には、少なくとも上記の製造ロット番号を記録する。このICタグ5には、製造ロット番号の他に、各要素品(2,3)のICタグ51の記録情報や、完成品検査の結果等を記録しても良い。ボールねじ1に取付けられたICタグ5に、完成品検査の結果を記録する場合、検査工程でICタグ5に検査結果を記録し、このICタグ5からデータベース20に情報を転記しても良い。また、ボールねじ1だけでなく、ボールねじ1の梱包1A(図9)にもこのICタグ5を取付け、製造ロット番号等を記録しても良い。
データベース20は、ネットワーク38を介して、ボールねじ製造工場内の各情報処理機器の他に、技術部門や、倉庫、営業所、顧客企業の事業所の情報処理機器60、および携帯端末等に接続されたものである。
すなわちボールねじ1は、図9と共に前述したように、組立完成、検査、出荷の後、一般的に倉庫に配送され、営業所から顧客へ納品される。特注品の場合は、出荷の後、直接に顧客に納品されることもある。顧客では、ボールねじ1を機器に組み込んで使用し、耐久年数等で廃棄することになる。このような各過程で、ボールねじ1に取付けられたICタグ5の製造番号を読み取って履歴情報を知る他に、ICタグ5の残りの記憶領域を利用した各種の利用が図れる。
(1) .材料受入(S1)時の管理過程。
(2) .形状加工(S2)の管理過程。
(3) .熱処理工程(S3)の管理過程。
(4) ′.表面処理工程(S4)およびその後の検査工程時の管理過程。
熱処理ロット27別のICタグ51、またはこの熱処理ロット27別のICタグ51の記録情報を引き継いだICタグ51を、表面処理ロット28別に準備し、これらのICタグ51に、対応する表面処理ロット28についての加工条件の記録を行う。また、表面処理ロット28別のICタグ51、またはこの表面処理ロット28別のICタグ51の記録情報を引き継いだICタグ51を、ねじ軸2毎に準備し、これらICタグ51に、対応する研削ロット番号、および検査工程で得られる情報を記録する。
なお、個別検査品の管理は、特に説明した事項の他は、ロット別検査品について説明した内容と同じ管理である。
2…ねじ軸
3…ナット
3b…基準平面
3c…平面部
4…ボール
5…ICタグ
6…駒部材
25…材料ロット
26…形状加工ロット
27…熱処理ロット
28…表面処理研削ロット
20…データベース
31…容器類
24…製造時管理用のデータベース
35…端末
42…タグリーダ
51…ICタグ
Claims (13)
- ボールねじに、非接触で交信可能なICタグを用い、ボールねじに関する所定情報を記録して管理するボールねじの品質管理方法であって、ボールねじにICタグを取付ける過程と、このボールねじに取付けられたICタグに、このボールねじについての情報を記録する過程と、出荷後の任意時に、上記ICタグの記録情報を読み取って所定情報の確認を行う利用過程とを含むボールねじの品質管理方法。
- 請求項1において、前記ボールねじは、循環部材としてナットの駒部材取付孔に嵌合する駒部材を有するものであり、前記ICタグは駒部材の外面に、ナットの外径面に沿う仮想円筒面から突出しないように、取付けたボールねじの品質管理方法。
- 請求項1において、前記ボールねじは、ナットの外径面に加工上で必要とされる基準平面を有するものであり、前記ICタグは前記基準平面に、ナットの外径面に沿う仮想円筒面から突出しないように、取付けたボールねじの品質管理方法。
- 請求項1において、前記ボールねじは、循環部材としてチューブを用い、ナットの外径面に設けた平面部に、前記チューブを固定したものであり、前記ICタグは、ナットの前記平面部に取付けたボールねじの品質管理方法。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記ボールねじに取付けられたICタグに、出荷時または客先納入時までに記録する情報として、ねじ軸およびナットの各製造工程における検査結果を記録する過程を含むボールねじの品質管理方法。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記ボールねじに取付けられたICタグに、出荷時または客先納入時までに記録する情報として、ねじ軸およびナットの各製造工程における加工条件情報を記録する過程を含むボールねじの品質管理方法。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記ボールねじに取付けられたICタグに、出荷時または客先納入時までに記録する情報として、定格荷重,許容回転数等の製品性能、パーツリスト、所定部位の管理寸法、管理項目、製品変更における改訂番号、および品質に関する情報のうちの少なくとも一つの情報を記録する過程を含むボールねじの品質管理方法。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、ボールねじの識別情報に関連付けてそのボールねじに関する材料受入から各製造工程および検査工程に至る所定の製造情報を記憶し、記憶内容を上記識別情報により抽出可能なデータベースと、前記ボールねじに取付けられたICタグとを用いて管理するボールねじの品質管理方法であって、
ボールねじに製造時または製造完了時にICタグを取付ける過程と、
上記ボールねじに取付けられたICタグに、上記データベースに従い、出荷時、または客先納入時までに、そのボールねじについての識別情報を記録し、かつそのボールねじについて前記データベースに記憶された製造情報の一部または全体を記録する過程と、
出荷後の任意時に、上記ICタグの記録情報を読み取ってその読み取り情報から、または読み取り情報を上記データベースと照合して製造情報を確認する利用過程とを含む、
ボールねじの品質管理方法。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、ボールねじにつき、ボールねじの識別情報に関連付けてそのボールねじに関する材料受入から各製造工程および検査工程に至る所定の製造情報を記憶し、記憶内容を上記識別情報により抽出可能なデータベースと、前記ボールねじに取付けられたICタグとを用いて管理するボールねじの品質管理方法であって、
ボールねじにその製造時または製造完了時にICタグを取付ける過程と、
上記ボールねじに取付けられたICタグに、上記データベースに従い出荷時、または客先納入時までに、そのボールねじについての識別情報を書き込み、かつそのボールねじについての製造年月日、製造場所、封入グリース銘柄、品質保証期間、取扱いに関する注意事項のうち、少なくとも一つの情報を記録する過程と、
上記出荷後の任意時に、上記ICタグの記録情報を読み取ってその読み取り情報から、または読み取り情報を上記データベースと照合して得られた情報から、ボールねじに関する情報の確認を行う利用過程とを含む、
ボールねじの品質管理方法。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、上記ボールねじを構成するねじ軸およびナット等の要素品について、材料受入から完成,検査に至る所定の製造情報を、要素品のロット番号別に準備された製造過程用のICタグに各工程毎に記録する過程と、この記録した情報を読み取ってその読み取り情報の一部または全体を上記ボールねじに取付けられたICタグに記録する過程とを含むボールねじの品質管理方法。
- 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、上記ボールねじを構成するねじ軸およびナット等の要素品について、材料受入から完成,検査に至る所定の製造情報を、製造時管理用のデータベースに要素品のロット番号または要素品個別の識別番号に関連付けて記録する過程と、この記録した情報を、上記ボールねじに取付けられたICタグに記録する過程とを含むボールねじの品質管理方法。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、上記ボールねじを構成するねじ軸およびナット等の要素品について、材料受入時から完成,検査完了までの一連の各工程につき、その工程のロット毎にICタグを準備し、この各工程のロット毎に準備されるICタグは、一つ上流側の工程の対応するロットと同じICタグ、または一つ上流側の工程の対応するロットのICタグの記録情報を引き継いだICタグとし、上記各工程のロット毎に準備されたICタグに、その工程のロット番号およびその工程における情報を記録するボールねじの品質管理方法。
- 請求項12において、上記各工程のロット毎に準備されるICタグは、同じロットの材料ないし製造過程の要素品を複数入れた容器類にそれぞれ取付けるボールねじの品質管理方法。
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