JP2006057309A - 地盤側方流動対策構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 地下水位より上方の非液状化層2中に構造物4が構築され、液状化層1中に打設された複数の杭3…によって支持されている。構造物4の周囲は掘削され、構造物4を囲繞するトレンチ5が設けられている。トレンチ5の外形は平面視矩形状であり、トレンチ5内にはアスファルトやベントナイトモルタルなどからなる粘度の高い粘性流体6が充填されている。また、側方流動が生じる上流側には、トレンチ5を挟んで構造物4と対向する位置に矢板7が打設されている。矢板7と構造物4間のトレンチ幅は、想定される地盤流動変位量以上であることが望ましく、その他の方向のトレンチ幅は数cm〜十数cm程度あれば十分である。
【選択図】 図1
Description
他方、側方流動に対する従来設計では、図4に示すように、液状化層1内にある杭3には流動圧qLを作用させ、液状化層1上の非液状化層2中にある構造物4には受動土圧qNLを作用させてその安全性を検討しているが、受動土圧qNLの影響のほうが流動圧qLの影響よりもかなり大きい場合が多い。従って、受動土圧qNLを小さくすることができれば、側方流動による構造物への影響を最小限に抑えることができる。
本発明では、このような粘性流体の特性を利用したものであり、構造物を囲繞するトレンチ(掘削溝)を非液状化層に設け、当該トレンチ内に粘性流体を充填することにより、地震後の地盤の側方流動に対して受動土圧qNLを低減する効果を維持しつつ、震動中も構造物の応答を低減する。
本発明では、側方流動が生じる上流側に矢板を打設することにより、土留め機能とともに震動時には防振壁として機能し、構造物の応答を低減することができる。
本発明では、矢板と構造物間のトレンチ幅を、想定される地盤流動変位量以上とすることにより、側方流動による地盤変形をトレンチ内で吸収し、側方流動の影響が構造物に及ばないようにすることができる。
図1は、本発明に係る地盤側方流動対策構造を適用した構造物の一例を示す立断面図と平面図である。
対象とする構造物は、護岸近傍や傾斜地などの軟弱地盤上に構築される構造物である。
本実施形態では、地下水位より上方の非液状化層2中に構造物4が構築され、液状化層1中に打設され、先端部が支持層10に達する複数の杭3…によって支持されている。
また、側方流動が生じる上流側には、トレンチ5を挟んで構造物4と対向する位置に矢板7が打設されており、土留め機能とともに震動時には防振壁として機能する。
矢板7と構造物4間のトレンチ幅L1は、側方流動による地盤変形をトレンチ5内で吸収するために、想定される地盤流動変位量以上とする。一方、その他の方向のトレンチ幅L2は、地震時における構造物4の応答変位以上であればよく、数cm〜十数cm程度あれば十分である。
本実施形態では、地下水位より上方の非液状化層2上に構造物14が構築され、非液状化層2および液状化層1中に打設され、先端部が支持層10に達する複数の杭13…によって支持されている。
逆に、杭本数が少ない場合は、図2(c)に示すように、側方流動の方向Sに沿って一列ごとに杭13…を囲繞する細長いトレンチ15を複数並列に形成して粘性流体16を充填する。
なお、側方流動が生じる上流側には、トレンチ15を挟んで構造物14と対向する位置に矢板17を打設する。
地表の地形が複雑な場合や液状化が不均一に存在する場合など地形条件によって側方流動の方向Sをはっきりと設定できない場合は、側方流動が生じる上流側について、構造物4から離れるにつれてトレンチ5の短辺方向に漸増する平面視三角形状の拡幅トレンチ8を、トレンチ5の長辺側の両側部にそれぞれ形成すればよい。こうすることで、側方流動の方向Sが不確実な場合にも、側方流動による地盤変形をトレンチ5、8内で吸収し、側方流動の影響が構造物4に及ばないようにすることができる。
しかも、本実施形態による地盤側方流動対策構造によれば、側方流動に対する従来の対策工法に比べて工費および工期を大幅に削減することができる。
また、本実施形態による地盤側方流動対策構造は、新設構造物、既設構造物のいずれにも適用することができるものである。
2 非液状化層
3、13 杭
4、14 構造物
5、15 トレンチ
6、16 粘性流体
7、17 矢板
8 拡幅トレンチ
10 支持層
S 側方流動の方向
L1、L2 トレンチ幅
Claims (3)
- 地震等による地盤の液状化に伴う側方流動対策として、前記地盤の地下水位より上方の非液状化層に、前記地盤に構築された構造物を囲繞するトレンチが設けられ、且つ当該トレンチ内には粘性流体が充填されていることを特徴とする地盤側方流動対策構造。
- 側方流動が生じる上流側に設けられた前記トレンチを挟んで、前記構造物と対向する位置に矢板が打設されていることを特徴とする請求項1に記載の地盤側方流動対策構造。
- 前記矢板と前記構造物間のトレンチ幅が、想定される地盤流動変位量以上であることを特徴とする請求項2に記載の地盤側方流動対策構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004239696A JP2006057309A (ja) | 2004-08-19 | 2004-08-19 | 地盤側方流動対策構造 |
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JP2004239696A JP2006057309A (ja) | 2004-08-19 | 2004-08-19 | 地盤側方流動対策構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006057309A true JP2006057309A (ja) | 2006-03-02 |
Family
ID=36105011
Family Applications (1)
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JP2004239696A Pending JP2006057309A (ja) | 2004-08-19 | 2004-08-19 | 地盤側方流動対策構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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2004
- 2004-08-19 JP JP2004239696A patent/JP2006057309A/ja active Pending
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