JP2006056347A - 車両用シート空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱交換部の材質として特に柔軟性の高い材質を用いることなく、乗員着座フィーリングを確保できる車両用シート空調装置を提供する。
【解決手段】 シートクッション部11の内部に配置される柔軟シート部材として、熱交換部18よりも乗員側の部位に配置される第1の柔軟シート部材15と、熱交換部18よりも反乗員側の部位に配置される第2の柔軟シート部材16とを設け、第2の柔軟シート部材16を第1の柔軟シート部材15より柔軟性の高い材質で構成した。
【選択図】 図3
【解決手段】 シートクッション部11の内部に配置される柔軟シート部材として、熱交換部18よりも乗員側の部位に配置される第1の柔軟シート部材15と、熱交換部18よりも反乗員側の部位に配置される第2の柔軟シート部材16とを設け、第2の柔軟シート部材16を第1の柔軟シート部材15より柔軟性の高い材質で構成した。
【選択図】 図3
Description
本発明は、シート内部にシート空調用の熱交換部を配置する車両用シート空調装置に関する。
従来、シート内部にシート空調用の熱交換部を配置する車両用シート空調装置は種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、熱交換部に加熱または冷却用の媒体を循環してシートを加熱または冷却することにより、シートに着座する乗員に対して暖房感または冷房感を直接与えることができる。
これにより、寒冷時に長時間駐車して車室内が極端に低温となっている場合とか、あるいは炎天下に長時間駐車して車室内が極端に高温となっている場合にも、乗員が感じる熱的な不快感を素早く解消して、乗員の快適性を向上できる。
特表2002−509502号公報
ところで、シート内部の熱交換部と乗員との間の熱伝達を促進するには、熱交換部をシート表皮に極力接近して配置することが好ましい。しかし、その反面、熱交換部がシート表皮に接近すると、乗員がシートに着座する際に、乗員の尻部や背中で熱交換部による異物感を感じてしまい、乗員の着座フィーリングが悪化する。
そこで、熱交換部の材質を変形容易な柔軟材で構成することが考えられるが、熱交換部を柔軟材で構成すると乗員着座時の座圧(押圧荷重)により熱交換部の流体通路が閉塞され、熱交換機能を発揮できないという不具合が生じる。
しかるに、上記特許文献1にはこのような製品化のための具体的課題の解決策については全く提案されていない。
本発明は、上記点に鑑み、熱交換部の材質として特に柔軟性の高い材質を用いることなく、乗員着座フィーリングを確保できる車両用シート空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、シート(10)内部に配置された柔軟シート部材(15、16)と、
前記シート(10)内部に前記柔軟シート部材(15、16)と隣接して配置される熱交換部(18、19)とを備え、
前記熱交換部(18、19)は前記柔軟シート部材(15、16)よりも柔軟性が低い管状体(18a、19a)により構成され、前記管状体(18a、19a)には熱源流体が循環するようになっており、
前記柔軟シート部材として、前記熱交換部(18、19)よりも乗員側の部位に配置される第1の柔軟シート部材(15)と、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側の部位に配置される第2の柔軟シート部材(16)とを設け、
前記第2の柔軟シート部材(16)を前記第1の柔軟シート部材(15)より柔軟性の高い構成としたことを特徴としている。
前記シート(10)内部に前記柔軟シート部材(15、16)と隣接して配置される熱交換部(18、19)とを備え、
前記熱交換部(18、19)は前記柔軟シート部材(15、16)よりも柔軟性が低い管状体(18a、19a)により構成され、前記管状体(18a、19a)には熱源流体が循環するようになっており、
前記柔軟シート部材として、前記熱交換部(18、19)よりも乗員側の部位に配置される第1の柔軟シート部材(15)と、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側の部位に配置される第2の柔軟シート部材(16)とを設け、
前記第2の柔軟シート部材(16)を前記第1の柔軟シート部材(15)より柔軟性の高い構成としたことを特徴としている。
これによると、熱交換部(18、19)の管状体(18a、19a)を柔軟シート部材(15、16)よりも柔軟性が低い構成、すなわち、変形しにくい構成にして、乗員着座時の座圧により管状体(18a、19a)の流体通路が閉塞することを防止できる。
しかも、熱交換部(18、19)よりも反乗員側の部位に配置される第2の柔軟シート部材(16)を第1の柔軟シート部材(15)より柔軟性の高い構成にしているから、乗員着座時の座圧により熱交換部(18、19)を反乗員側へ容易に移動させることができる。
このため、管状体(18a、19a)の柔軟性が柔軟シート部材(15、16)より低くても、熱交換部(18、19)による異物感を抑制して、良好な乗員着座フィーリングを確保できる。
請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の車両用シート空調装置において、具体的には、前記第2の柔軟シート部材(16)を前記第1の柔軟シート部材(15)より柔軟性の高い材質で構成すればよい。
また、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の車両用シート空調装置において、前記第1の柔軟シート部材(15)および前記第2の柔軟シート部材(16)をともに樹脂発泡材で構成し、
前記第1の柔軟シート部材(15)の発泡率よりも前記第2の柔軟シート部材(16)の発泡率を高くすることを特徴とする。
前記第1の柔軟シート部材(15)の発泡率よりも前記第2の柔軟シート部材(16)の発泡率を高くすることを特徴とする。
これによると、第2の柔軟シート部材(16)の発泡率を高くすることにより第2の柔軟シート部材(16)の柔軟性を高くすると同時に、第2の柔軟シート部材(16)の空気層(すなわち、断熱層)の比率を高かめて断熱効果を向上できる。このため、熱交換部(18、19)からシートの反乗員側部位への熱伝達を抑えて、熱交換部(18、19)からシートの乗員側部位への熱伝達を効率よく行うことができる。
請求項4に記載の発明のように、請求項1に記載の車両用シート空調装置において、前記第2の柔軟シート部材(16)に柔軟化手段を形成して、前記第2の柔軟シート部材(16)の柔軟性を前記第1の柔軟シート部材(15)の柔軟性より構造的に高くしてもよい。 つまり、第1、第2の柔軟シート部材(15、16)が同一材質であっても、第2の柔軟シート部材(16)だけに柔軟化手段を形成することにより、第2の柔軟シート部材(16)の柔軟性を構造的に高くすることができる。ここで、柔軟化手段として具体的には、多数の切り込み等を第2の柔軟シート部材(16)に形成すればよい。
請求項5に記載の発明では、シート(10)内部に配置された柔軟シート部材(50)と、
前記シート(10)内部に前記柔軟シート部材(50)と隣接して配置される熱交換部(18、19)とを備え、
前記熱交換部(18、19)は前記柔軟シート部材(50)よりも柔軟性が低い管状体(18a、19a)により構成され、前記管状体(18a、19a)には熱源流体が循環するようになっており、
前記柔軟シート部材(50)のうち、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側部分に柔軟性を高くする柔軟化手段(51、52、53)を形成したことを特徴としている。
前記シート(10)内部に前記柔軟シート部材(50)と隣接して配置される熱交換部(18、19)とを備え、
前記熱交換部(18、19)は前記柔軟シート部材(50)よりも柔軟性が低い管状体(18a、19a)により構成され、前記管状体(18a、19a)には熱源流体が循環するようになっており、
前記柔軟シート部材(50)のうち、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側部分に柔軟性を高くする柔軟化手段(51、52、53)を形成したことを特徴としている。
これによると、熱交換部(18、19)の管状体(18a、19a)が柔軟シート部材(15、16)よりも柔軟性が低いため、、乗員着座時の座圧により管状体(18a、19a)の流体通路が閉塞することを防止できる。
しかも、柔軟シート部材(50)のうち、熱交換部(18、19)よりも反乗員側部分に柔軟化手段(51、52、53)を形成して柔軟性を高くするから、乗員着座時の座圧により熱交換部(18、19)を反乗員側へ容易に移動させることができる。
このため、管状体(18a、19a)の柔軟性が柔軟シート部材(15、16)より低くても、熱交換部(18、19)による異物感を抑制して、良好な乗員着座フィーリングを確保できる。
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の車両用シート空調装置において、前記柔軟化手段は、前記柔軟シート部材(15、16、50)のうち、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側部分に形成された空間部(51)であることを特徴とする。
これによると、柔軟シート部材(50)のうち反乗員側部分の柔軟性を、空間部(51)の形成により高くすることができると同時に、空間部(51)の存在により熱交換部(18、19)の反乗員側への移動をより一層容易にできる。
更に、着座状態においても、熱交換部(18、19)の反乗員側部位に空間部(51)が残存することにより、熱交換部(18、19)を空間部(51)中に浮いた状態で保持できる。これらのことが相俟って、熱交換部(18、19)による異物感を良好に解消できる。
請求項7に記載の発明のように、請求項5に記載の車両用シート空調装置において、前記柔軟化手段は、前記柔軟シート部材(15、16、50)のうち、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側部分に形成された空間部(51)と、前記空間部(51)内に充填され、前記柔軟シート部材(15、16、50)よりも柔軟性の高い局所柔軟材(52)とにより構成してもよい。
請求項8に記載の発明のように、請求項5に記載の車両用シート空調装置において、前記柔軟化手段は、前記柔軟シート部材(15、16、50)のうち、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側部分に形成された切り込み(53)で構成してもよい。
請求項9に記載の発明では、シート(10)内部に配置された柔軟シート部材(50)と、
前記シート(10)の表面部に設けられた表皮部材(13)と、
前記柔軟シート部材(50)に形成された空気通路(54、58、59)と、
前記空気通路(54、58、59)内部に配置される熱交換部(18、19)と、
前記空気通路(54、58、59)を通して前記熱交換部(18、19)に向けて空気を送風する送風機(57)とを備え、
前記熱交換部(18、19)は前記柔軟シート部材(50)よりも柔軟性が低い管状体(18a、19a)により構成され、前記管状体(18a、19a)には熱源流体が循環するようになっており、
前記送風機(57)の送風空気を前記熱交換部(18、19)と熱交換した後に前記表皮部材(13)から吹き出すようになっており、
更に、前記空気通路(54、58、59)の一部(59)が、前記熱交換部(18、19)の反乗員側部分に位置する空間部として作用することを特徴としている。
前記シート(10)の表面部に設けられた表皮部材(13)と、
前記柔軟シート部材(50)に形成された空気通路(54、58、59)と、
前記空気通路(54、58、59)内部に配置される熱交換部(18、19)と、
前記空気通路(54、58、59)を通して前記熱交換部(18、19)に向けて空気を送風する送風機(57)とを備え、
前記熱交換部(18、19)は前記柔軟シート部材(50)よりも柔軟性が低い管状体(18a、19a)により構成され、前記管状体(18a、19a)には熱源流体が循環するようになっており、
前記送風機(57)の送風空気を前記熱交換部(18、19)と熱交換した後に前記表皮部材(13)から吹き出すようになっており、
更に、前記空気通路(54、58、59)の一部(59)が、前記熱交換部(18、19)の反乗員側部分に位置する空間部として作用することを特徴としている。
これによると、熱交換部(18、19)と表皮部材(13)との間の熱伝達により表皮部材(13)を冷却または加熱して、乗員に直接冷熱感あるいは温熱感を与えると同時に、表皮部材(13)から冷風あるいは温風を吹き出すことができる。従って、この2つの作用の組み合わせで乗員に対する空調フィーリングを向上できる。
また、乗員着座時には、柔軟シート部材(50)に形成した空気通路(54、58、59)の一部(59)が、熱交換部(18、19)の反乗員側部分に位置する空間部として作用するため、この一部の空気通路(59)が請求項6の空間部(51)と同等の役割を果たして、熱交換部(18、19)による異物感を良好に解消できる。
請求項10に記載の発明のように、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用シート空調装置において、前記管状体(18a、19a)に前記熱源流体として車載の加熱源(26)で加熱された高温ブラインまたは車載の冷却源(40)で冷却された低温ブラインを循環すればよい。
請求項11に記載の発明は、乗員の尻部を支持するシートクッション部(11)と、乗員の背中部を支持するシートバック部(12)とを有する車両用シートであって、
前記シートクッション部(11)およびシートバック部(12)の少なくとも一方に請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用シート空調装置を構成している。
前記シートクッション部(11)およびシートバック部(12)の少なくとも一方に請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用シート空調装置を構成している。
これにより、各請求項の作用効果を発揮する車両用シートを提供できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1〜図4は、本発明の第1実施形態を示すもので、図1、図2は第1実施形態による車両用シート10の概要を示すもので、この車両用シート10は具体的には運転席あるいは助手席のシートとして使用されるものである。
図1〜図4は、本発明の第1実施形態を示すもので、図1、図2は第1実施形態による車両用シート10の概要を示すもので、この車両用シート10は具体的には運転席あるいは助手席のシートとして使用されるものである。
車両用シート10には、乗員の尻部を支持するシートクッション部11と、乗員の背中部を支持するシートバック部(シート背もたれ部)12が備えられている。
図3(a)(b)は図1のA−A断面図で、図3(a)は乗員非着座時におけるシートクッション部11の断面構造を示し、図3(b)は乗員着座時におけるシートクッション部11の断面構造を示す。
シートクッション部11のうち、最も乗員側(上方部)に位置する表皮部材13は通常、シート意匠を考慮して革またはファブリック(編織物の総称)等の材質で構成され、容易に変形可能な柔軟な部材である。
表皮部材13の内側(下側)には一般にスラブと称される柔軟通気部材14が配置されている。この柔軟通気部材14は、樹脂製のスポンジ状の材質で構成され、柔軟性および通気性が非常に高い部材である。
柔軟通気部材14の下側には、一般にシートパッドと称される第1、第2柔軟シート部材15、16が配置されている。第1柔軟シート部材15が乗員側寄りの上側部材で、第2柔軟シート部材16は反乗員側の下側部材である。
第2柔軟シート部材16の下方部に金属製または樹脂製の剛体からなる支持部材17が配置されている。この支持部材17はフレーム状(枠体状)あるいは板形状に形成され、第1、第2柔軟シート部材15、16を支持する強度部材の役割を果たす。なお、支持部材17は図1に示すように、シートクッション部11全体の上下方向に対して中間位置に配置される。
そして、上側の第1柔軟シート部材15と下側の第2柔軟シート部材16との間にシート空調用熱交換部18が配置される。この熱交換部18は管状体18aにより構成される。この管状体18aは熱源流体をなす低温または高温のブラインが循環するブライン流路を構成する。
管状体18aは図2に示すように、シートクッション部11の乗員当たり面に蛇行状に配置されてシートクッション部11の広い面積に対して効率的に熱伝達できるようにしてある。
管状体18aも、表皮部材13、柔軟通気部材14および第1、第2柔軟シート部材15、16と同様に柔軟性を有する材質で構成されるが、乗員着座時の座圧(押圧荷重)によって管状体18aの内部流路が閉塞しないようにするため、管状体18aは第1、第2柔軟シート部材15、16よりも柔軟性が低い(変形しくい)材質で構成される。管状体18aの材質は具体的にはポリウレタンやシリコンゴム等である。
第1、第2柔軟シート部材15、16は本例ではいずれも発泡ウレタンのような樹脂発泡材(多孔質材)で構成され、上記のごとく管状体18aよりも高い柔軟性を有しているが、柔軟通気部材14と比較すると柔軟性が低い。
そして、上側の第1柔軟シート部材15の発泡率よりも下側の第2柔軟シート部材16の発泡率を高くして、上側の第1柔軟シート部材15の柔軟性よりも下側の第2柔軟シート部材16の柔軟性を高くしている。なお、「柔軟性」という用語は外力が加わったときの変形のしやすさの程度を表す意味で用いている。
図1、図2に示すように、シートバック部12にも、管状体19aからなるシート空調用熱交換部19が配置される。シートバック部12においても、上記の表皮部材13、柔軟通気部材14、第1、第2柔軟シート部材15、16および支持部材17に相当する部材が同様に設けられる。
但し、シートバック部12では、第1、第2柔軟シート部材15、16が車両前後方向に設けられるので、乗員側寄り(前方側)の柔軟シート部材を柔軟性が低い第1柔軟シート部材15とし、反乗員側(後方側)の柔軟シート部材を柔軟性が高い第2柔軟シート部材16とし、そして、この第1、第2柔軟シート部材15、16の間に、管状体19aからなるシート空調用熱交換部19が配置される。
本実施形態では、シートクッション部11の管状体18aとシートバック部12の管状体19aを図1に示す通りブライン循環回路に対して直列接続しているが、シートクッション部11の管状体18aとシートバック部12の管状体19aをブライン循環回路に対して並列接続してもよい。
シート空調用熱交換部19の管状体18a、19a内部を循環するブラインは、水またはエチレングリコールのような凍結温度を下げる不凍液成分等を添加した水溶液であって、車載冷却源により冷却された低温ブラインまたは車載加熱源により加熱された高温ブラインが熱交換部18、19の管状体18a、19a内部を循環する。
図4はこの車載冷却源および車載加熱源を含むブライン循環回路の具定例を示すもので、車両用空調装置全体の冷凍サイクル20、冷水回路21および温水回路22を組み合わせた構成になっている。冷凍サイクル20の水−冷媒熱交換器40がブライン冷却源を構成し、温水回路22の車両走行用エンジン26がブライン加熱源を構成する。
図4の仕切り線23は車両の車室内領域24と車室外領域25との仕切り部を示す。温水回路22には、温水(ブライン)を加熱する役割を果たす水冷式の車両走行用エンジン26、エンジン駆動式の水ポンプ27、ラジエータ28、水温に応答してラジエータ28への通路を開閉するサーモスタット29等の機器が備えられている。
冷凍サイクル20には、エンジン26により回転駆動される圧縮機30、凝縮器31、受液器32、第1、第2膨張弁33、34、第1、第2蒸発器35、36等の機器が備えられている。
第1蒸発器35は主空調ユニット37の空調ケース38内に配置される。この空調ケース35内の空気通路において第1蒸発器35の下流側に温水式のヒータコア39が配置されている。この主空調ユニット37は車室内前部に位置する車両計器盤(図示せず)の内側に配置され、図示しない送風機ユニットの送風空気を第1蒸発器35および温水式ヒータコア39と熱交換した後に車室内へ吹き出して、車室内を空調する。
冷凍サイクル20において、第2蒸発器36は車室外領域25に配置される水−冷媒熱交換器40内に設けられる。この水−冷媒熱交換器40は第2蒸発器36の低圧冷媒と水側通路部41を流れる水(ブライン)との間で熱交換を行って水側通路部41の水を冷却する。ここで冷却された冷水が電動水ポンプ42により冷水回路21を循環する。
図4では、運転席側シート10Aと助手席側シート10Bの両方に、前述のシート空調用熱交換部18、19を設ける例を示している。運転席側シート10Aのシート空調用熱交換部18、19と助手席側シート10Bのシート空調用熱交換部18、19は冷水回路21および温水回路22においてそれぞれ並列接続されている。
また、温水回路22では、主空調ユニット37のヒータコア39が上記両シート10A、10Bのシート空調用熱交換部18、19に対して更に並列接続されるようになっている。
この運転席側シート10Aのシート空調用熱交換部18、19と助手席側シート10Bのシート空調用熱交換部18、19にそれぞれ対応して冷温水切替弁43、44が設けられ、この冷温水切替弁43、44を介して冷水回路21の冷水または温水回路22の温水が運転席側シート10Aのシート空調用熱交換部18、19と助手席側シート10Bのシート空調用熱交換部18、19に並列に循環するようになっている。
この冷温水切替弁43、44は、モータのような電気的アクチュエータ(図示せず)により弁体(図示せず)を回転駆動する三方弁タイプの弁である。ここで、冷温水切替弁43、44の弁体の回転位置の調整により冷水と温水の混合割合を調整できる弁構成とすることにより、シート空調用熱交換部18、19に供給される冷水または温水の温度を所望温度に調整できる。
次に、上記構成において第1実施形態の作動を説明する。夏期の冷房時には、冷凍サイクル20の圧縮機30を車両エンジン26により回転駆動して、冷凍サイクル20を作動させる。これにより、水−冷媒熱交換器40において冷水回路21の冷水が冷却され、この冷水を電動水ポンプ42により冷温水切替弁43、44を通過してシート10A、10B内の熱交換部18、19に循環する。
これにより、シート10A、10B内の第1柔軟シート部材15と柔軟通気部材14を介して表皮部材13が熱交換部18、19の冷水により冷却されるので、表皮部材13に接している乗員の体に直接冷熱感を与えて、乗員の冷房感を向上できる。
このとき、主空調ユニット37の第1蒸発器35により冷却された冷風を車室内へ吹き出すことにより、車室内全体を冷房できる。
一方、冬期の暖房時には、車両エンジン26により加熱された温水をエンジン駆動式の水ポンプ27により冷温水切替弁43、44を通過してシート10A、10B内の熱交換部18、19に循環する。
これにより、シート10A、10B内の第1柔軟シート部材15と柔軟通気部材14を介して表皮部材13が熱交換部18、19の温水により加熱されるので、表皮部材13に接している乗員の体に直接温熱感を与えて、乗員の暖房感を向上できる。
このとき、主空調ユニット37の温水式ヒータコア39により加熱された温風を車室内へ吹き出すことにより、車室内全体を暖房できる。
次に、本実施形態のシート空調装置の作用効果を説明する。図3(b)に示す乗員着座状態では、シートクッション部11の各部材13、14、15、16、18aは柔軟性を有しているので、乗員着座時の座圧(押圧荷重)によって下方へ変形する。
ここで、上側の第1柔軟シート部材15の発泡率よりも下側の第2柔軟シート部材16の発泡率を高くして、上側の第1柔軟シート部材15の柔軟性よりも下側の第2柔軟シート部材16の柔軟性をより高くしているので、乗員座圧によって第1、第2柔軟シート部材15、16が圧縮変形するとき、下側の第2柔軟シート部材16の圧縮変形量が上側の第1柔軟シート部材15の圧縮変形量より大きくなる。この結果、乗員着座時に熱交換部18が下方へ容易に移動することができる。
因みに、図5は本実施形態の比較例であり、第1、第2柔軟シート部材15、16を同一材質(同一発泡率の樹脂発泡材)で構成している。この比較例であると、乗員着座時における第1、第2柔軟シート部材15、16の圧縮変形量が同一になるので、熱交換部18の下方への移動量が図3の本実施形態による移動量より少ない。このため、図5の比較例では、乗員着座時に熱交換部18による異物感を感じやすい。
これに対し、本実施形態では下側の第2柔軟シート部材16の圧縮変形量が上側の第1柔軟シート部材15の圧縮変形量より大きくなって、熱交換部18、19が下方へ移動しやすい。従って、熱交換部18の材質として第1、第2柔軟シート部材15、16よりも柔軟性の低い材質(変形しにくい材質)を使用しても、熱交換部18による異物感を抑えて、乗員着座フィーリングを改善できる。
そして、熱交換部18の材質を第1、第2柔軟シート部材15、16よりも柔軟性の低い材質(変形しにくい材質)を使用すことにより、乗員着座時に熱交換部18の管状体18a、19aが座圧により閉塞することを防止できる。
更に、上側の第1柔軟シート部材15の発泡率よりも下側の第2柔軟シート部材16の発泡率を高くしているから、下側の第2柔軟シート部材16は上側の第1柔軟シート部材15に比較して空気層、すなわち、断熱層の比率が高い。
このため、下側の第2柔軟シート部材16は上側の第1柔軟シート部材15に比較して断熱効果を高めることができる。一方、上側の第1柔軟シート部材15は断熱空気層の比率の低下により熱伝導性を向上できる。この結果、熱交換部18の冷熱または温熱を表皮部材13側へ効率よく伝達することができる。
なお、乗員着座時における表皮部材13と熱交換部18との間隔が大きくなると、表皮部材13と熱交換部18との間の熱伝達を悪化させるから、第1柔軟シート部材15の厚さは、乗員着座時の異物感抑制に支障がない範囲内で極力小さく設計することが好ましい。
以上の説明は、シートクッション部11側の説明であるが、シートバック部12側においても同様の第1、第2柔軟シート部材により熱交換部19を挟み込む構成を採用しているので、同様の作用効果を発揮できる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、上側の第1柔軟シート部材15と下側の第2柔軟シート部材16との間に熱交換部18を挟み込むようにしているが、第2実施形態では図6に示すように第1実施形態の両柔軟シート部材15、16に相当する1つの柔軟シート部材50をシートクッション部11の内部に配置し、この柔軟シート部材50のうち、反乗員側部分に空間部51を形成している。
第1実施形態では、上側の第1柔軟シート部材15と下側の第2柔軟シート部材16との間に熱交換部18を挟み込むようにしているが、第2実施形態では図6に示すように第1実施形態の両柔軟シート部材15、16に相当する1つの柔軟シート部材50をシートクッション部11の内部に配置し、この柔軟シート部材50のうち、反乗員側部分に空間部51を形成している。
この空間部51は、熱交換部18の蛇行配置形状(図2参照)に対応した部位に形成され、この空間部51内に熱交換部18の管状体18aを配置している。
より具体的に述べると、空間部51は柔軟シート部材50の下端面に開口する断面凹形状になっている。従って、熱交換部18の管状体18aは空間部51の下端開口部から空間部51内へ組み込むようになっている。熱交換部18の管状体18aは空間部51内の天井壁面に接するまで空間部51内に挿入し、空間部51内の天井壁面に接着固定する。
ここで、断面凹形状の形状からなる空間部51の高さは、図6(b)に示す乗員着座時にも管状体18aの下側に空間部51が所定量残存するように設定してある。なお、柔軟シート部材50のうち空間部51の上側領域、すなわち、乗員側領域50aは第1実施形態の上側の第1柔軟シート部材15に相当する部分である。
第2実施形態によると、柔軟シート部材50のうち、熱交換部18よりも反乗員側(下側)の領域50bに空間部51が形成されているので、この反乗員側領域50bは空間部51の形成により剛性が低下する。これにより、柔軟シート部材50のうち反乗員側領域50bが乗員側領域50aよりも柔軟性が高くなるので、反乗員側領域50bは乗員の座圧により変形しやすい。
しかも、熱交換部18の反乗員側(下側)の部位に空間部51が形成されているので、熱交換部18自体が反乗員側方向(下側方向)へ移動することが容易となる。このため、乗員の着座時には図6(b)に示すように乗員の座圧によって柔軟シート部材50のうち反乗員側領域50bが容易に圧縮変形して熱交換部18が反乗員側方向(下側方向)に容易に移動できる。
このとき、着座状態においても熱交換部18の管状体18aの下側に空間部51が所定量残存するように空間部51の高さを設定してあるから、着座時に熱交換部18が空間部51中に浮いた状態で保持される。このため、熱交換部18側から柔軟シート部材50の乗員側領域50aに対して上方への反力が作用しない。これにより、着座時における熱交換部18による異物感の発生を効果的に抑制できる。
更に、第2実施形態によると、断面凹形状の空間部51内に熱交換部18の管状体18aを組み込むようになっているので、第1実施形態の2つの柔軟シート部材15、16の役割を1つの柔軟シート部材50に兼務させることができる。従って、第2実施形態は第1実施形態に比較して部品点数および組付工数を低減でき、製品コストを効果的に低減できる。
なお、乗員の着座時に熱交換部18が空間部51内に落ち込むと、熱交換部18と柔軟シート部材50との間の熱伝達が悪化することになるが、本実施形態では熱交換部18は空間部51内の天井壁面に接着固定してあるから、乗員の着座時に熱交換部18が空間部51内に落ち込むことを防止できる。よって、熱交換部18と柔軟シート部材50との間の熱伝達の悪化を防止できる。
(第3実施形態)
第3実施形態は第2実施形態の変形であり、図7に示すように、第2実施形態の空間部51内の天井壁面に熱交換部18の管状体18を接着固定した後に、空間部51内に柔軟シート部材50よりも一段と柔軟性が高い局所柔軟材52を充填する構成になっている。
第3実施形態は第2実施形態の変形であり、図7に示すように、第2実施形態の空間部51内の天井壁面に熱交換部18の管状体18を接着固定した後に、空間部51内に柔軟シート部材50よりも一段と柔軟性が高い局所柔軟材52を充填する構成になっている。
(第4実施形態)
第4実施形態も第2実施形態の変形であり、図8に示すように、第2実施形態の空間部51の代わりに切り込み53を形成したものである。第4実施形態では、切り込み53を押し広げながら熱交換部18の管状体18を切り込み53内に挿入し、切り込み53の天井壁面部に熱交換部18の管状体18を接着固定している。
第4実施形態も第2実施形態の変形であり、図8に示すように、第2実施形態の空間部51の代わりに切り込み53を形成したものである。第4実施形態では、切り込み53を押し広げながら熱交換部18の管状体18を切り込み53内に挿入し、切り込み53の天井壁面部に熱交換部18の管状体18を接着固定している。
第3、第4実施形態の構成においても、柔軟シート部材50のうち反乗員側領域50bの柔軟性が乗員側領域50aの柔軟性よりも高くなるとともに、熱交換部18が反乗員側方向(下側方向)へ移動することが容易となるから、第2実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
なお、第2〜第4実施形態では、シートクッション部11側の熱交換部18の支持構造について説明したが、シートバック部12側の熱交換部19においても第2〜第4実施形態の構成を同様に適用できることはもちろんである。
(第5実施形態)
第1〜第4実施形態はいずれも熱交換部18、19とシート表皮部材13との間での熱伝達により乗員に冷熱感または温熱感を与えるようにしているが、第5実施形態はこれに加えてシート表皮部材13から冷風または温風を吹き出す機能を発揮するものである。
第1〜第4実施形態はいずれも熱交換部18、19とシート表皮部材13との間での熱伝達により乗員に冷熱感または温熱感を与えるようにしているが、第5実施形態はこれに加えてシート表皮部材13から冷風または温風を吹き出す機能を発揮するものである。
図9、図10は第5実施形態であり、図9(a)はシートクッション部11の非着座時の断面図で、図9(b)はシートクッション部11の着座時の断面図である。図10は第5実施形態によるシート10全体の概略断面図である。
図9に示すように柔軟通気部材14と支持部材17との間には1つの柔軟シート部材50のみを配置している。この柔軟シート部材50のうち下側領域(反乗員側領域)の中央部に空気通路54が上下方向に延びるように形成されている。この空気通路54の下端部は支持部材17の通路穴17aに連通している。この通路穴17aは図10に示す送風機55の出口通路56に連通している。
送風機55は遠心式送風ファン55aをモータ55bにより回転駆動する電動送風機により構成されている。送風機55はシートクッション部11の内部において支持部材17の下側空間に配置され、シートクッション部11の最下部に設けた吸入口57から車室内空気を吸入して出口通路56側へ送風する。
空気通路54の上端部は、柔軟シート部材50の上下方向の中間位置にて車両左右方向(水平方向)に延びる空気通路58に連通している。更に、この空気通路58は車両左右方向に並列に形成された多数の分岐通路59に連通している。
この多数の分岐通路59は、柔軟シート部材50の上側領域(乗員側領域)において上下方向に延びて柔軟シート部材50の上側端面(乗員側端面)に開口している。この分岐通路59は図9の紙面垂直方向(車両前後方向)にも延びる形状になっており、そして、多数の分岐通路59の車両前後方向の両端部に図示しない車両左右方向の通路を設けて、多数の分岐通路59の両端部相互を連通している。
分岐通路59の上端開口部は、柔軟通気部材14の空隙部を通して表皮部材13に設けられた多数の小穴13aに連通する。これにより、分岐通路59の空気を表皮部材13の多数の小穴13aから吹き出すことができる。なお、表皮部材13をファブリック(編織物の総称)で構成する場合は、小穴13aを特に開ける必要がなく、ファブリックの空隙部自体を空気吹出用の小穴13aとして使用できる。
次に、熱交換部18について説明すると、多数の分岐通路59は柔軟シート部材50の上側端面(乗員側端面)に開口するとともに、多数の分岐通路59の車両前後方向の両端部相互を図示しない車両左右方向の通路により連通しているので、熱交換部18の蛇行状の管状体18a(図2)を多数の分岐通路59の上端開口部から分岐通路59内に組み込むことができる。
そして、多数の分岐通路59の上端開口部付近に位置するリブ60を柔軟シート部材50に一体に形成し、このリブ60に管状体18aを接着固定している。このリブ60は図9の紙面垂直方向(車両前後方向)において所定間隔毎に部分的に形成してある。このため、リブ60によって分岐通路59の空気流れが遮断されることはない。
図10において、2点差線部61は、上記した空気通路58、59、熱交換部18等を包含する、シートクッション部11の熱交換空気通路部を示す。2点差線部62は、シートバック部12の熱交換空気通路部であり、図9と同様の構成になっている。但し、 シートバック部12の熱交換空気通路部62においては、図9の上方側が車両前方側となり、図9の下方側が車両後方側となる。
第5実施形態によると、送風機55のモータ55bに通電して送風ファン55aを回転駆動すると、車室内空気が吸入口57から吸入されて出口通路56側へ送風される。この出口通路56の送風空気は、シートクッション部11側とシートバック部12側とに分岐される。
そして、シートクッション部11側に流入した空気は分岐通路59において熱交換部18の管状体18a内を流通する低温または高温のブラインと熱交換して冷風または温風となる。この冷風または温風は表皮部材13の多数の小穴13aから乗員の尻部や大腿部の周辺に吹き出す。
また、シートバック部12に流入した空気もシートバック部12の熱交換空気通路部62内の分岐通路(図示せず)において熱交換部19の管状体19a内を流通する低温または高温のブラインと熱交換して冷風または温風となる。この冷風または温風はシートバック部12の表皮部材13の多数の小穴13aから乗員の背中部の周辺に吹き出す。
なお、第5実施形態においても、熱交換部18、19と表皮部材13との間の熱伝達により表皮部材13を冷却または加熱して、乗員に冷熱感または温熱感を直接与える機能は同様に発揮できる。
従って、第5実施形態によると、表皮部材13を冷却または加熱して乗員に冷熱感または温熱感を直接与えると同時に、表皮部材13から冷風または温風を吹き出すことにより、乗員に対する空調フィーリングを向上できる。
また、柔軟シート部材50のうち上側の乗員側領域は多数の分岐通路59を形成しているので、下側の反乗員側領域に比較して、剛性が低下して柔軟性が高くなっている。しかも、熱交換部18の管状体18aの下方部は分岐通路59の空間部になっており、第2実施形態の空間部51と同様の役割を果たすので、管状体18aを座圧により下方側へ容易に移動できる。
更に、図9(b)に示すように着座状態においても管状体18aの下方側に分岐通路59の空間部が残存するようにしてあるから、熱交換部18側から柔軟通気部材14に対して上方への反力が作用しない。これにより、着座時における熱交換部18による異物感の発生を効果的に抑制できる。
(他の実施形態)
(1)第1実施形態では、第1柔軟シート材15に対して第2柔軟シート材16を柔軟性の高い材質で構成しているが、第1、第2柔軟シート材15、16を同一材質で構成し、その代わりに第2柔軟シート材16に柔軟化手段を形成して第2柔軟シート材16の柔軟性を第1柔軟シート材15の柔軟性より構造的に高くするようにしてもよい。
(1)第1実施形態では、第1柔軟シート材15に対して第2柔軟シート材16を柔軟性の高い材質で構成しているが、第1、第2柔軟シート材15、16を同一材質で構成し、その代わりに第2柔軟シート材16に柔軟化手段を形成して第2柔軟シート材16の柔軟性を第1柔軟シート材15の柔軟性より構造的に高くするようにしてもよい。
この柔軟化手段とは、具体的には多数の切り込み等を第2柔軟シート材16に形成して、第2柔軟シート材16の剛性を構造的に低下させ、それにより、第2柔軟シート材16のの柔軟性を第1柔軟シート材15の柔軟性より高くしてもよい。
(2)第2実施形態では、熱交換部18の管状体18aを空間部51の天井部に接着固定しているが、接着の代わりに糸状の固定部材を用いて管状体18aを空間部51の天井部に固定してもよい。もちろん、接着固定と糸状の固定部材を併用して管状体18aの固定を行ってもよい。
(3)第5実施形態では、熱交換部18の管状体18aを分岐通路59の上端部付近に形成されたリブ60に接着固定しているが、このリブ60を廃止して、糸状の固定部材を用いて管状体18aを分岐通路59の上端部付近に固定してもよい。
(4)上述の各実施形態では、いずれも、乗員の尻部を支持するシートクッション部11と、乗員の背中部を支持するシートバック部12の両方にシート空調用の熱交換部18、19を配置する例について説明したが、シートクッション部11とシートバック部12のうち、いずれか一方だけにシート空調用の熱交換部18、19を配置する場合に本発明を適用してもよい。
10…シート、11…シートクッション部、12…シートバック部、13…表皮部材、15…第1の柔軟シート部材、16…第2の柔軟シート部材、18、19…熱交換部、
18a、19a…管状体、50…柔軟シート部材、51…空間部、57…送風機、
54、58、59…空気通路。
18a、19a…管状体、50…柔軟シート部材、51…空間部、57…送風機、
54、58、59…空気通路。
Claims (11)
- シート(10)内部に配置された柔軟シート部材(15、16)と、
前記シート(10)内部に前記柔軟シート部材(15、16)と隣接して配置される熱交換部(18、19)とを備え、
前記熱交換部(18、19)は前記柔軟シート部材(15、16)よりも柔軟性が低い管状体(18a、19a)により構成され、前記管状体(18a、19a)には熱源流体が循環するようになっており、
前記柔軟シート部材として、前記熱交換部(18、19)よりも乗員側の部位に配置される第1の柔軟シート部材(15)と、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側の部位に配置される第2の柔軟シート部材(16)とを設け、
前記第2の柔軟シート部材(16)を前記第1の柔軟シート部材(15)より柔軟性の高い構成としたことを特徴とする車両用シート空調装置。 - 前記第2の柔軟シート部材(16)を前記第1の柔軟シート部材(15)より柔軟性の高い材質で構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート空調装置。
- 前記第1の柔軟シート部材(15)および前記第2の柔軟シート部材(16)をともに樹脂発泡材で構成し、
前記第1の柔軟シート部材(15)の発泡率よりも前記第2の柔軟シート部材(16)の発泡率を高くしたことを特徴とする請求項2に記載の車両用シート空調装置。 - 前記第2の柔軟シート部材(16)に柔軟化手段を形成して、前記第2の柔軟シート部材(16)の柔軟性を前記第1の柔軟シート部材(15)の柔軟性より構造的に高くしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート空調装置。
- シート(10)内部に配置された柔軟シート部材(50)と、
前記シート(10)内部に前記柔軟シート部材(50)と隣接して配置される熱交換部(18、19)とを備え、
前記熱交換部(18、19)は前記柔軟シート部材(50)よりも柔軟性が低い管状体(18a、19a)により構成され、前記管状体(18a、19a)には熱源流体が循環するようになっており、
前記柔軟シート部材(50)のうち、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側部分に柔軟性を高くする柔軟化手段(51、52、53)を形成したことを特徴とする車両用シート空調装置。 - 前記柔軟化手段は、前記柔軟シート部材(15、16、50)のうち、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側部分に形成された空間部(51)であることを特徴とする請求項5に記載の車両用シート空調装置。
- 前記柔軟化手段は、前記柔軟シート部材(15、16、50)のうち、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側部分に形成された空間部(51)と、前記空間部(51)内に充填され、前記柔軟シート部材(15、16、50)よりも柔軟性の高い局所柔軟材(52)とで構成されることを特徴とする請求項5に記載の車両用シート空調装置。
- 前記柔軟化手段は、前記柔軟シート部材(15、16、50)のうち、前記熱交換部(18、19)よりも反乗員側部分に形成された切り込み(53)であることを特徴とする請求項5に記載の車両用シート空調装置。
- シート(10)内部に配置された柔軟シート部材(50)と、
前記シート(10)の表面部に設けられた表皮部材(13)と、
前記柔軟シート部材(50)に形成された空気通路(54、58、59)と、
前記空気通路(54、58、59)内部に配置される熱交換部(18、19)と、
前記空気通路(54、58、59)を通して前記熱交換部(18、19)に向けて空気を送風する送風機(57)とを備え、
前記熱交換部(18、19)は前記柔軟シート部材(50)よりも柔軟性が低い管状体(18a、19a)により構成され、前記管状体(18a、19a)には熱源流体が循環するようになっており、
前記送風機(57)の送風空気を前記熱交換部(18、19)と熱交換した後に前記表皮部材(13)から吹き出すようになっており、
更に、前記空気通路(54、58、59)の一部(59)が、前記熱交換部(18、19)の反乗員側部分に位置する空間部として作用することを特徴とする車両用シート空調装置。 - 前記管状体(18a、19a)には前記熱源流体として車載の加熱源(26)で加熱された高温ブラインまたは車載の冷却源(40)で冷却された低温ブラインが循環することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用シート空調装置。
- 乗員の尻部を支持するシートクッション部(11)と、乗員の背中部を支持するシートバック部(12)とを有する車両用シートであって、
前記シートクッション部(11)およびシートバック部(12)の少なくとも一方に請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用シート空調装置を構成したことを特徴とする車両用シート。
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