しかしながら、特許文献2に記載されるようなゲーム機では、リール帯上の一定のシンボルを他のシンボルに変更して、ペイアウト率を調整するため、処理が煩雑となる。すなわち、カジノ営業上、ペイアウト率に関して技術的計算の逐次処理を行なわねばならないという煩雑さを伴う。また、リール帯にシンボルを追加する変更や、リール帯上でシンボルの配列をシャッフルする変更は、置換以上に煩雑な処理が必要となり、これまで行なわれていなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、プレイヤーの選択によりリール帯上のシンボルの変更が可能で、かつペイアウト率の調整が容易なゲーム機を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明のビデオリールゲーム機は、ゲーム開始にともない複数のシンボルが絶えず交替する変動状態と、変動状態を経て停止した停止状態とを表示する表示部を備えて前記停止表示されるシンボルの配列がゲーム成果を決定するビデオリールゲーム機であって、前記表示部に表示され前記複数のシンボルがその長さ方向に配列して成るリール帯のシンボル配列データおよび前記表示されたリール帯に対しそのシンボル配列を異にする代替リール帯のシンボル配列データを格納する格納部と、前記表示されたリール帯のうち特定のリール帯を指定する指定部と、前記格納部から代替リール帯の前記シンボル配列データを読込み、これを前記指定部により指定された現に表示されている特定のリール帯のシンボル配列データと置換し前記表示部に出力する置換処理部と、前記置換処理部の処理を実行させるための命令を与える命令部と、をその構成に含み、前記指定部からの指定および前記命令部からの命令があった場合は、前記表示部は、前記置換処理部の出力に基づきシンボル配列を置換した代替リール帯を含んでゲーム用のビデオリール画像を出力することを特徴としている。
このように、本発明のビデオリールゲーム機は、プレイヤーの選択をもとに代替リール帯のシンボル配列データを、現に表示されている特定のリール帯のシンボル配列データと置換する。
これにより、プレイヤーがリール帯上のシンボルを変更することを可能にしている。その結果、1タイトルのゲームコンテンツでありながら、シンボルの追加や置換、配列の変更、またはこれらの組み合わせにより、複数種類のゲームを提供することができ、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、多様なプレイヤーの好みに合ったゲームを提供することで、幅広い層のプレイヤーに対応可能にすることができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、ゲームのバリエーションを継続的に増やすことができる。
また、上記のように、本発明では代替リール帯のシンボル配列データを、現に表示されている特定のリール帯のシンボル配列データと置換する。したがって、予めペイアウト率の調整がなされた代替リール帯のシンボル配列データを格納部に格納しておけば、ペイアウト率に関して、ビデオリールゲーム機の内部で行なう技術的計算の逐次処理を不要とすることができる。また、煩雑なペイアウト率の調整処理を行なうことなく、シンボルの多様な変更を行なうことができる。
(2)また、本発明のビデオリールゲーム機は、前記代替リール帯のシンボル配列は、現に表示されている前記リール帯のシンボル配列に追加用特定シンボルが追加されたものであることを特徴としている。
これにより、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、プレイヤーにより選択された追加用特定シンボルをリール帯に追加することができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、追加用特定シンボルの種類を継続的に増やすことができる。
(3)また、本発明のビデオリールゲーム機は、前記代替リール帯のシンボル配列は、現に表示されている前記リール帯のシンボル配列を構成するシンボルのうち少なくとも1個が置換用特定シンボルに置換されていることを特徴としている。
これにより、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、プレイヤーの選択をもとに所定のシンボルを置換用特定シンボルに置換することができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、置換用特定シンボルの種類を継続的に増やすことができる。
(4)また、本発明のビデオリールゲーム機は、前記代替リール帯のシンボル配列は、さらに追加用特定シンボルが追加されたものであることを特徴としている。
これにより、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、プレイヤーの選択をもとに追加用特定シンボルを追加し、さらに所定のシンボルが置換用特定シンボルに置換することができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、追加用特定シンボルまたは置換用特定シンボルの種類を継続的に増やすことができる。
(5)また、本発明のビデオリールゲーム機は、前記代替リール帯のシンボル配列は、現に表示されている前記リール帯とそのシンボル配列を構成する個々のシンボルのリール帯における位置が異なるものであることを特徴としている。
これにより、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、表示されているシンボル配列をシャッフルすることができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、シャッフルされたシンボル配列の種類を継続的に増やすことができる。
(6)また、本発明のビデオリールゲーム機は、前記代替リール帯のシンボル配列は、さらに追加用特定シンボルが追加されたものであることを特徴としている。
これにより、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、表示されているシンボル配列をシャッフルし、かつプレイヤーにより選択された追加用特定シンボルをリール帯に追加することができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、追加用のシンボルの種類またはシャッフルされたシンボル配列の種類を継続的に増やすことができる。
(7)また、本発明のビデオリールゲーム機は、前記代替リール帯のシンボル配列は、さらに前記シンボルのうち少なくとも1個が置換用特定シンボルに置換されていることを特徴としている。
これにより、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、表示されているシンボル配列をシャッフルし、かつプレイヤーの選択をもとに所定のシンボルが置換用特定シンボルに置換することができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、置換用特定シンボルの種類またはシャッフルされたシンボル配列の種類を継続的に増やすことができる。
(8)また、本発明のビデオリールゲーム機は、前記表示部には前記追加用特定シンボルまたは置換用特定シンボルを表示する特定シンボル表示領域がさらに付帯することを特徴としている。
これにより、選択された追加用特定シンボルまたは置換用特定シンボルを確認しやすくすることができる。また、誤った選択をしたときに、プレイヤーに容易に気付かせることができる。
(9)また、本発明のビデオリールゲーム機は、前記特定シンボル表示領域に表示された前記追加用特定シンボルまたは置換用特定シンボルを選択する選択部をさらに備えることを特徴としている。
これにより、プレイヤーの好みのシンボルを追加または好みのシンボルに置換したゲームを選択可能にすることができる。その結果、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、多様なプレイヤーの好みに合ったゲームを提供することで、幅広い層のプレイヤーに対し対応可能にすることができる
(10)また、本発明のビデオリールゲーム機は、前記代替リール帯のシンボル配列には、前記ゲーム成果のうち賞として定義されたシンボルの配列に寄与しない無効シンボルを含み、前記追加用特定シンボルまたは置換用特定シンボルには、前記無効シンボルを含むことを特徴としている。
これにより、無効シンボルを含んだリール帯で行なうゲームを、プレイヤーが選択できるようにして、さらにゲームの選択肢を増やすことができる。また、ペイアウト率の調整を不要にし、シンボルを無効化したゲームを容易に行なうことができる。
(11)また、本発明のビデオリールゲーム機は、前記命令入力用の操作ボタンをさらに備え、前記命令部は、前記操作ボタンからの入力信号によって起動することを特徴としている。
これにより、好みのゲームを選択可能にすることができる。その結果、複数種類のゲームを選択可能にし、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、多様なプレイヤーの好みに合ったゲームを提供することで、幅広い層のプレイヤーに対応可能にすることができる
本発明のビデオリールゲーム機によれば、プレイヤーがリール帯上のシンボルを変更することを可能にしている。その結果、1タイトルのゲームコンテンツでありながら、シンボルの追加や置換、配列の変更、またはこれらの組み合わせにより、複数種類のゲームを提供することができ、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、多様なプレイヤーの好みに合ったゲームを提供することで、幅広い層のプレイヤーに対応可能にすることができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、ゲームのバリエーションを継続的に増やすことができる。
また、予めペイアウト率の調整がなされた代替リール帯のシンボル配列データを格納部に格納しておけば、ペイアウト率に関して、ビデオリールゲーム機の内部で行なう技術的計算の逐次処理を不要とすることができる。また、煩雑なペイアウト率の調整処理を行なうことなく、シンボルの多様な変更を行なうことができる。
また、本発明のビデオリールゲーム機によれば、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、プレイヤーにより選択された追加用特定シンボルをリール帯に追加することができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、追加用特定シンボルの種類を継続的に増やすことができる。
また、本発明のビデオリールゲーム機によれば、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、プレイヤーの選択をもとに所定のシンボルを置換用特定シンボルに置換することができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、置換用特定シンボルの種類を継続的に増やすことができる。
また、本発明のビデオリールゲーム機によれば、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、プレイヤーの選択をもとに追加用特定シンボルを追加し、さらに所定のシンボルが置換用特定シンボルに置換することができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、追加用特定シンボルまたは置換用特定シンボルの種類を継続的に増やすことができる。
また、本発明のビデオリールゲーム機によれば、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、表示されているシンボル配列をシャッフルすることができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、シャッフルされたシンボル配列の種類を継続的に増やすことができる。
また、本発明のビデオリールゲーム機によれば、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、表示されているシンボル配列をシャッフルし、かつプレイヤーにより選択された追加用特定シンボルをリール帯に追加することができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、追加用のシンボルの種類またはシャッフルされたシンボル配列の種類を継続的に増やすことができる。
また、本発明のビデオリールゲーム機によれば、煩雑なペイアウト率の調整処理なしに、表示されているシンボル配列をシャッフルし、かつプレイヤーの選択をもとに所定のシンボルが置換用特定シンボルに置換することができる。その結果、ゲームが多様になり、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、プレイヤーが選択可能なゲームの数を増やすことができ、プレイヤーの好みに対応することができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、置換用特定シンボルの種類またはシャッフルされたシンボル配列の種類を継続的に増やすことができる。
また、本発明のビデオリールゲーム機によれば、選択された追加用特定シンボルまたは置換用特定シンボルを確認しやすくすることができる。また、誤った選択をしたときに、プレイヤーに容易に気付かせることができる。
また、本発明のビデオリールゲーム機によれば、プレイヤーの好みのシンボルを追加または好みのシンボルに置換したゲームを選択可能にすることができる。その結果、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、多様なプレイヤーの好みに合ったゲームを提供することで、幅広い層のプレイヤーに対し対応可能にすることができる
また、本発明のビデオリールゲーム機によれば、無効シンボルを含んだリール帯で行なうゲームを、プレイヤーが選択できるようにして、さらにゲームの選択肢を増やすことができる。また、ペイアウト率の調整を不要にし、シンボルを無効化したゲームを容易に行なうことができる。
また、本発明のビデオリールゲーム機によれば、好みのゲームを選択可能にすることができる。その結果、複数種類のゲームを選択可能にし、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、多様なプレイヤーの好みに合ったゲームを提供することで、幅広い層のプレイヤーに対応可能にすることができる
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、ビデオリールゲーム機1の正面図である。図1では、ビデオリールゲーム機1のディスプレイ10およびコントロールパネル30以外の部分は省略している。
ビデオリールゲーム機1による遊技は、プレイヤーがベット操作によって有効な入賞ラインを特定することによって開始される。入賞ラインとしては、複数のラインを設定することが可能である。また、ベット操作は、コイン投入口(図示せず)にコインを投入するか、貯留しているコイン(クレジット)を賭けることによって行われる。クレジットは、貯留しているコインを指し、ベットは、賭金の単位を指す。ビデオリールゲーム機1では、1クレジット=1ベットであるが、必ずしもこのような関係になくてもよい。
プレイヤーによるベット操作によって入賞ラインが特定され、プレイヤーによりリールのスピンが開始されると、シンボルは変動表示される。そして、予め定められた時間が経過すると、順次変動表示されているシンボルを停止表示する。この停止時にいずれかの入賞ライン上に所定のシンボルの組み合わせ(シンボルの配列)が表示されると、そのシンボルの組み合わせに応じた入賞が得られる(ゲーム成果が、賞として定義付けられた態様に相当)。すなわち、ここでは停止表示におけるシンボルの配列が「入賞」という特定のゲーム成果を決定したことになる。入賞とは、内部抽選により当選が確定した後、実際にプレイヤーが賞を獲得することをいう。ビデオリールゲーム機1は、プレイヤーの選択により追加特定シンボルを追加したリール帯で遊技が可能となっている。追加特定シンボルの追加には、入賞ラインへのベットとは別にベット(エクストラベット)が必要となる。
ディスプレイ10は、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)である。その他、エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイ(ELD)を用いてもよい。ディスプレイ10は、5つのリール11〜15を表示して列方向(ビデオリールゲーム機1の上下方向)にシンボルを変動表示および停止表示する。すなわち、ディスプレイ10は、表示部としてゲーム開始にともない複数のシンボルが絶えず交替する変動状態と、変動状態を経て停止した停止状態とを表示する。また、ディスプレイ10は、各リールごとに種々のシンボルを変動表示または停止表示することが可能となっている。ディスプレイ10は、横中央ライン17(line1)、横上ライン18(line2)、横下ライン19(line3)の入賞ラインを表示する。プレイヤーにより、特定され有効にされた入賞ラインは明るく色を変えて表示される。
また、ディスプレイ10は、追加シンボル表示領域21〜24を有している。追加シンボル表示領域21〜24はプレイヤーが追加シンボル(追加用特定シンボル)を選択したときに、追加シンボルの種類を表示する機能を有している。追加シンボルとは、プレイヤーにより選択された場合にリール帯に追加されるシンボルをいう。図1に示すように、追加シンボルの種類にはたとえば、「2×WILD」、「2nd Top Symbol」、「ALL WINS 2× Symbol」、「SCA」がある。「2×WILD」のシンボルは、入賞ライン上に停止表示されたとき、他のシンボルの代用となり、さらにその入賞ラインの配当を2倍にする。「2×WILD」を示す追加シンボル表示領域21は、「2×WILD」のシンボルが追加シンボルとして選択されたときに明るく色が変わる。
「RED7」または「Blue7」のシンボルは、「7」のシンボルに次ぎ2番目に高配当のシンボルである。「2nd Top Symbol」を示す追加シンボル表示領域22は、「RED7」または「Blue7」のシンボルが追加シンボルとして選択されたときに、明るく色が変わる。「ALL WINS 2×」のシンボルは、出現すると全配当を2倍にする。「ALL WINS 2× Symbol」を示す追加シンボル表示領域23は、「ALL WINS 2×」のシンボルが追加シンボルとして選択されたときに、明るく色が変わる。スキャターシンボル「SCA」は、決められた数だけ出現すると、特別な配当がつく。「SCATTER」を示す追加シンボル表示領域24は、「SCA」が追加シンボルとして選択されたときに、明るく色が変わる。追加シンボル表示領域21〜24は、特定シンボル表示領域として追加用特定シンボルを表示する。これにより、選択された追加シンボルを確認しやすくすることができる。また、誤った選択をしたときに、プレイヤーに容易に気付かせることができる。
ベット表示部26は、現在行なわれているゲームに賭けている総ベット数を表示する。払い出し枚数表示部27は、コイン払い出し枚数の合計を表示する。ライン数表示部28は、選択されたラインの数を表示する。
コントロールパネル30は、ベットボタン群40、追加シンボル選択ボタン群50、スピンボタン56および払出しボタン57から構成されている。ベットボタン群40は、ベットパーラインボタン41〜43と、ライン選択ボタン45〜47とを有している。ベットボタン群40は、図示しないコイン貯留装置に貯留(クレジット)されているコインを所定の枚数だけ使用するためのボタンである。
ベットパーラインボタン41〜43は、ラインあたりのベット数を選択可能にするボタンである。ビデオリールゲーム機1では、ラインあたり1ベットから3ベットまでのそれぞれに対応するボタンが設けられている。これらのボタンの他に、上限のクレジットが賭けられるMAXベットボタンを設けてもよい。
また、ライン選択ボタン45〜47は、各入賞ラインを選択するためのボタンである。ライン選択ボタン45は、横中央ライン17(line1)を選択するためのボタンである。ライン選択ボタン46は、横中央ライン17(line1)および横上ライン18(line2)を選択するためのボタンである。ライン選択ボタン47は、横中央ライン17(line1)、横上ライン18(line2)、および横下ライン19(line3)を選択するためのボタンである。スピンボタン56は、押されるとディスプレイ10がシンボルの変動表示を開始するボタンである。払出しボタン57は、クレジットをコインとして清算するためのボタンである。
追加シンボル選択ボタン群50は、追加シンボルの種類のそれぞれに対応する追加シンボル選択ボタン51〜54から構成されている。追加シンボル選択ボタン51は、「2×WILD」のシンボルを追加する。追加シンボル選択ボタン52は、「RED7」または「Blue7」のシンボルを追加する。追加シンボル選択ボタン53は、「ALL WINS 2×」のシンボルを追加する。シンボル選択ボタン54は、スキャターシンボル「SCA」を追加する。
追加シンボル選択ボタン群50は、選択部として特定シンボル表示領域に表示された追加用特定シンボルの選択に用いられるこれにより、プレイヤーの好みのシンボルを追加可能にすることができる。その結果、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、多様なプレイヤーの好みに合ったゲームを提供することで、幅広い層のプレイヤーに対し対応可能にすることができる
各追加シンボル選択ボタン51〜54は、命令入力用の操作ボタンとしてCPU60へ入力信号を伝え、CPU60にリール代替の命令を行なわせる。
なお、ビデオリールゲーム機1に、表示されているシンボルと置換用特定シンボルとを置換する機能をもたせて、置換用特定シンボルを選択するためのボタンを設けてもよい。また、表示されているシンボルの配列をシャッフルする機能をもたせて、シンボル配列をシャッフルするためのボタンを設けてもよい。表示されているシンボルの一部を無効化する機能をビデオリールゲーム機1に持たせて、無効化シンボルを選択するためのボタンを設けてもよい。
図2は、ビデオリールゲーム機1の主要部分の電気的構成を示す図である。図2に示すように、CPU60は、ROM62およびRAM63のより構成されるメモリ61を備え、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行なう。CPU60は、指定部として表示されたリール帯のうち特定のリール帯を指定する。また、置換処理部としてメモリ61から代替リール帯のシンボル配列データを読込み、これを仮想領域へ転送する。そして、これを、現に表示されており、指定部により指定された特定のリール帯のシンボル配列データと置換し、ゲームの画面データを生成した上で、ディスプレイ10に出力する。また、命令部として上記処理を実行させるための命令を与える。シンボルの画像データは、それぞれコードを割り振られ、識別可能となっている。これらの機能はプログラムを実行することにより果たされる。その他、CPU60は、抽選を行なうランダム・ナンバー・ジェネレータ(RNG)等としても機能する。
メモリ61には、ビデオリールゲーム機1の動作を制御する制御プログラムの他、追加シンボル選択ボタン51〜54の入力に対応するシンボル配列のリール帯を呼び出すプログラム、各リール帯のシンボル配列データ、賞群の事前決定(内部抽選)を行なうために使用する賞群抽選テーブル、シンボルの画像データなどが格納されている。このように、メモリ61は、格納部として機能する。ビデオリールゲーム機1では、上記のように4つの追加シンボルが選択可能となっているため、各追加シンボル、その組み合わせ、および初期状態につき、それぞれ全リール11〜15のリール帯のシンボル配列のデータをメモリ61に格納している。組み合わせの数から、全リール11〜15のデータを16通り格納していることになる。代替リール帯のシンボル配列は、全リールに選択した追加シンボルが入ったものである。だだし、所定のリールにのみ追加シンボルが入ったものであってもよい。
なお、代替リール帯のシンボル配列データは、各払い出し率または追加シンボルの各組み合わせにつき、選択可能なすべてのシンボル配列データを含む。メモリ61については、その一部をゲーム・データ・ストレージとして、組み込んだり、取り外したりできるようにしてもよい。その場合には、端末型としてビデオリールゲーム機1自体に組み込んでもよいし、配信型として外部コントローラに組み込んでもよい。
CPU60は、I/Oポート70を介してベットボタン群40、追加シンボル選択ボタン群50、スピンボタン56、払出しボタン57およびスピーカ59に接続されている。ベットボタン群40、追加シンボル選択ボタン群50、スピンボタン56または払出しボタン57から出力された信号は、I/Oポート70を介してCPU60に入力される。
画像に関するデータは、CPU60から画像処理等を行なうグラフィックコントローラ71を介してディスプレイ10に出力される。ディスプレイ10は、表示部として文字、静止画、動画等を表示する。また、サウンドデータは、CPU60からI/Oポート70を介してスピーカ59に出力される。また、CPU60は、ホッパー等を含む周辺機器72と接続されており、制御信号により、コインの払い出しの制御を行なう。
なお、ビデオリールゲーム機1は、5本のリール11〜15をディスプレイ10に表示するが、リールの数により本発明が限定されることはない。たとえば、1本のリールが表示されるビデオリールゲーム機であっても本発明の適用は可能である。
次に、以上のように構成されたビデオリールゲーム機1の動作について説明する。図3は、ビデオリールゲーム機1の特徴的な動作を示すフローチャートである。
まず、ビデオリールゲーム機1は、プレイヤーからベット操作等のゲーム開始操作を受け付ける開始操作受付状態に入る(ステップS1)。この状態において、ビデオリールゲーム機1は、ベットパーラインボタン41〜43およびライン選択ボタン45〜47だけでなく、追加シンボル選択ボタン51〜54の入力も可能となる。
次に、追加シンボル選択ボタン51〜54が押されたか否かの判定を行なう(ステップS2)。追加シンボルの選択がない場合には、ステップS6に進む。追加シンボルの選択があった場合には、選択された追加シンボルをリール帯に追加するために必要な一定数以上のベットがあるか否かを判断する(ステップS3)。貯留クレジットから計算されるベット数が、追加シンボルをリール帯に追加するために必要な一定数に満たない場合には、開始操作受付状態に戻る。ベット数が追加シンボルをリール帯に追加するために必要な一定数以上である場合には、CPU60は、選択された追加シンボルを含む代替リール帯の配列シンボルのデータをメモリ61から読み込む(ステップS4)。このとき、メモリ61は、プレイヤーによる追加シンボルの選択履歴を保存する。これにより、追加シンボルの選択履歴を監査やマーケティングリサーチに利用することができる。
次に、CPU60は、ディスプレイ10に現在表示されているリール11〜15のすべてを指定する。一方で、読み込んだ配列シンボルのデータを用いて、代替リール帯のデータを構成する。CPU60は、指定したリール帯のシンボル配列データと代替リール帯のシンボル配列データを置換することを命令し、その処理を行なう。そして、代替リール帯のシンボル配列をディスプレイ10に表示する(ステップS5)。
指定部としてのCPUが指定するのはすべてのリール11〜15であるが、一部のリールを指定して、そのリールのみに代替リールを表示してもよい。なお、追加シンボルの選択操作は、入賞ラインへのベット数が最大であることを条件として追加シンボルの選択を可能とするようにしてもよい。
次にスピンボタンの入力があったか否かの判断を行なう(ステップS6)。スピンボタンの入力がなかった場合には、開始操作受付状態に戻る。スピンボタンの入力があった場合には、通常ゲームの開始処理を行なう(ステップS7)。ゲームが開始されると、CPU30により抽選が行なわれる(ステップS8)。この抽選は、乱数抽選であり内部抽選と呼ばれる。当選とは、内部抽選の結果、CPU30がビデオリールゲーム機1において定義された賞を抽選することをいう。抽選の結果は、シンボルの配列に対応した当選またはハズレであり、これをゲーム成果と呼ぶ。
次に、ディスプレイ10では、シンボルの変動表示した後、停止表示をする。(ステップS9)。停止順序は、たとえば、ディスプレイ10に向かって左から順に所定の時期に停止する。この所定の時期は、ゲーム開始から一定時間後であってもよいし、ゲーム毎に変わってもよい。画面表示は、CPU60により、プログラムからの命令に応じ、シンボルやその他の画像データをメモリ61内のストレージ(図示せず)から読込み、メモリ61内の仮想領域(図示せず)へ転送し、リールその他のゲーム画面を生成しディスプレイ10へ転送して行なう。CPU60は、メモリ61からシンボルの画像データを読み込んで全体の画像データを構成し、ディスプレイ10に転送している。
次に、CPU30によりボーナスが発生したかを判断する(ステップS10)。ボーナスとは、所定のシンボルあるいはその配列が成立の条件を構成しているときに与えられる特典をいう。特典とは、たとえば通常のゲームより入賞の確率が高いなどのプレイヤーにとっては有利な条件で一定回数フリーゲームを行なうことができ、所定のシンボルが入賞ライン上に揃うと、通常のゲームで入賞する場合より大きい配当が得られることをいう。特典は、ビデオリールゲーム機1によりあらかじめルールとして設定されている。ボーナスが発生していなければ、ゲームを終了する。なおフリーゲームとは、新たなベット操作を要することなくプレイができるゲームのことである。
ボーナスが発生していない場合には、通常ゲーム処理を行なう(ステップS11)。通常ゲーム処理では、入賞が発生しているか否かを判断し、入賞が発生していれば配当を行なう。そして、通常ゲーム終了処理を行い(ステップS12)、次ゲームの待機処理が行なわれる(ステップS15)。
ボーナスが発生している場合には、所定回数のフリーゲームの実行等のボーナスゲーム処理を行なう(ステップS13)。フリーゲームの回数は、たとえば、成立したボーナスの役により決定される。X回のフリーゲームを行なう場合には、1回フリーゲームが終了するごとにXを減少させて、X=0まで繰り返すことにより行なう。フリーゲームの終了後、ボーナスゲーム終了処理を行い(ステップS14)、次のゲームの待機状態へ移行する(ステップS15)。
このように、ビデオリールゲーム機1は、プレイヤーの選択により代替リール帯のシンボル配列データを、現に表示されている特定のリール帯のシンボル配列データと置換する。これにより、プレイヤーの選択に従いリール帯上のシンボルの変更を可能にしている。その結果、1タイトルのゲームコンテンツでありながら、複数種類のゲームを提供することができ、プレイヤーを長期間惹きつけることができる。また、多様なプレイヤーの好みに合ったゲームを提供することで、幅広い層のプレイヤーに対応可能にすることができる。また、格納された代替リール帯のデータを更新することで、ゲームのバリエーションを継続的に増やすことができる。
また、代替リール帯のシンボル配列データを、現に表示されている特定のリール帯のシンボル配列データと置換するため、予めペイアウト率の調整がなされた代替リール帯のシンボル配列データを格納部に格納しておけば、ペイアウト率に関して、CPU60で行なう技術的計算の逐次処理を不要とすることができる。また、CPU60は、煩雑なペイアウト率の調整処理を行なうことなく、シンボルの多様な変更を行なうことができる。
図4は、追加シンボルがリール帯に追加されたビデオリールゲーム機1の動作を示す図である。斜線でハッチングされている領域は、その領域にかかる項目が選択され、明るく色が変わって表示されていることを示している。図4に示すビデオリールゲーム機1は、開始操作の受付状態にある。図4では、ベットパーラインボタン43が押されている。入賞ライン1本につき3ベットの割合で、賭けられている。また、ライン選択ボタン47(LINE3)がプレイヤーにより選択されている。この場合に有効とされている入賞ラインは、横中央ライン17、横上ライン18および横下ライン19である。また、それらのラインは、ディスプレイ10上で明るく色を変えて表示されている。入賞ラインあたり3ベットで、3ラインに賭けられているため、3×3=9ベットがラインに賭けられている。ライン数表示部28は、選択されたライン数の3を表示している。
一方、追加シンボル選択ボタン51および52が選択されている。ディスプレイ10は「2×WILD」のシンボル71および「SCA」のシンボル72が追加され、リール帯の配列に組み込まれた状態を示している。同時に、追加シンボル表示領域21および24は、明るく色を変えて表示している。「2×WILD」のシンボル71の追加には、2ベットが必要であり、「SCA」のシンボル72の追加には、1ベットが必要である。したがって、追加シンボルをリール帯に追加するのに、3ベットを賭けていることになる。この場合の総ベット数は上記のラインに賭けられた9ベットを足して、12ベットである。ベット表示部26は、この総ベット数の12を表示している。
また、図5も、図4と同様に、追加シンボルがリール帯に追加されたビデオリールゲーム機1の動作を示す図である。図5に示すビデオリールゲーム機1は、開始操作の受付状態にある。図5では、ベットパーラインボタン41が押され、入賞ライン1本につき1ベットの割合で、賭けられている。また、ライン選択ボタン45(LINE1)がプレイヤーにより選択されている。この場合に有効とされている入賞ラインは、横中央ライン17のみである。このラインは、ディスプレイ10上で明るく色を変えて表示されている。入賞ラインあたり1ベットで、1ラインに賭けられているため、1×1=1ベットがラインに賭けられている。ライン数表示部28は、選択されたライン数の1を表示している。
一方、追加シンボル選択ボタン群50にいては、追加シンボル選択ボタン51〜54のすべてが選択されている。ディスプレイ10は、「2×WILD」のシンボル71、「RED7」のシンボル73、「BLUE7」のシンボル74、「ALL WIN 2×」のシンボル75および「SCA」のシンボル72が追加され、リール帯の配列に組み込まれた状態を示している。同時に、追加シンボル表示領域21〜24は、明るく色を変えて表示されている。「2×WILD」のシンボル71の追加には、2ベット、「RED7」のシンボル73または「BLUE7」のシンボル74の追加には1ベット、「ALL WIN 2×」のシンボル75の追加には3ベット、「SCA」のシンボル72の追加には1ベットが、必要である。したがって、追加シンボルをリール帯に追加するのに、7ベットを賭けていることになる。この場合の総ベット数は上記のラインに賭けられた1ベットを足して、8ベットである。ベット表示部26は、この総ベット数の8を表示している。
ビデオリールゲーム機1は、表示されているシンボルと置換用特定シンボルとを置換する機能、表示されているシンボルの配列をシャッフルする機能または特定のシンボルを無効化する機能を有するものであってもよい。その場合であっても、シンボルの置換等を行なって作成された代替リールのデータをメモリ61に格納しておき、表示されているリールのデータと置換する。これにより、追加シンボルをリール帯に追加する場合と同様の効果を得ることができる。
なお、無効化とは、シンボルを、ゲーム成果のうち賞として定義されたシンボルの配列に寄与しない状態にすることをいう。なお、上記の表示されているシンボルと置換用特定シンボルとを置換する場合には、当然に置換用特定シンボルが置換前の表示されているシンボルとまったく同一である場合は含まない。
また、ビデオリールゲーム機1は、特定のシンボルの追加、シンボルの置換、配列のシャッフルおよびシンボルの無効化の機能を組み合わせた機能を有していてもよい。