JP2006055166A - 偽陽性結果を低下させる方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出に必要な試薬を生物学的分子から汚染除去し、および/または生物学的分子を含まない試薬を維持する、試料中の生物学的分子の検出のための方法および化合物を提供すること。
【解決手段】試料中の生物学的分子を検出するために必要な試薬中に潜在的に存在する生物学的分子の検出は回避する、試料中の生物学的分子の検出方法であって、
a)生物学的分子を潜在的に含む試料を提供する工程、
b)固相の表面にカップリングされた結合部を提供する工程、
c)生物学的分子を検出するために必要な試薬を提供する工程、
d)試料へ試薬を添加する工程、
e)試料中の生物学的分子を検出する工程、
を含み、工程c)において、又は工程d)において、又は工程c)及びd)において、試薬中に潜在的に存在する生物学的分子が固相の表面にカップリングされた結合部へ結合する条件下で試薬が結合部と物理的に接触している、方法。
【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、液体をある種の分子から汚染除去するための方法および化合物を提供する。特に、本発明は、試薬を該分子を含まないように維持する方法および化合物に指向される。さらに詳しくは、本発明は、試料中の標的分子の核酸増幅反応を確実とし、偽陽性結果を回避する方法および化合物に指向される。
先行技術背景
核酸分析に基づく診断または研究用の微生物学的テストは、依然として重要性を増している。一方において、核酸はしばしば非常に低い濃度で存在し、他方において、核酸は、例えば細胞の溶解の後に、多くの他の固体および溶解した物質の存在下に見出されるので、核酸は、特に、特異的分析物の検出を行う生物特異的アッセイにおいては単離しまたは測定するのが困難である。従って、大部分の場合には、その微生物学的テストは、検出すべき特徴的なDNA分子の少なくとも1つの増幅工程を含む。2つのオリゴヌクレオチドプライマーの選択的結合を含むよく知られたアッセイは、特許文献1に記載されているポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。この方法は、数サイクルにおいて、デオキシヌクレオチド三リン酸の存在下で熱安定性ポリメラーゼによる特異的核酸領域の検出可能なレベルまでの選択的増幅を可能とする。他の可能な増幅反応はリガーゼ連鎖反応(LCR,非特許文献1および非特許文献2); ポリメラーゼリガーゼ連鎖反応(非特許文献3); Gap-LCR(特許文献2); 修復連鎖反応(特許文献3)、3SR(非特許文献4; 非特許文献5; 特許文献4)、およびNASBA(特許文献5)である。さらに、ストランド置換増幅(SDA)、転写媒介増幅(TMA)、およびQβ−増幅がある(レビューについては、例えば、非特許文献6; 非特許文献7参照)。
これらの技術は核酸分子の劇的な増幅をもたらすので、該増幅に必要な試薬からの望まない核酸分子での試料の軽微な汚染でさえ、例えば偽陽性診断と同義の、かなりの偽増幅産物をもたらしかねない。そのような現象の顕著な例は、微生物学的テストで起こり得る。この微生物学的テストでは、試料中の細菌の存在がテストされるべきであり、用いた試薬のいくらかがこの細菌で、または同様にこの細菌に由来する核酸で、汚染される。この場合、調査中の試料からの標的核酸分子は、汚染された試薬からの望まない分子と同一である。
従って、核酸増幅反応の汚染のない環境への要求は、最も重要である。
科学文献において、および特許出願において、核酸からの溶液の汚染除去のためのいくつかの手順が記載されている。これらの手順は、例えば、Clorox (非特許文献8)、界面活性剤または酸化剤(特許文献6)での化学的処理を含む。他の戦略は消化酵素での処理(特許文献7; 非特許文献9) またはUV照射(非特許文献10)を利用する。前記戦略に関しては、いくつかのレビュー論文が文献で見出すことができる(非特許文献11; 非特許文献12); 非特許文献13)。
例えば、複合生物学的流体からのDNAの分離または単離のために通常適用される他のアプローチはDNA結合材料の使用である。DNA結合材料の最も顕著な例は、カオトロピック剤の存在下で可逆的にDNAを結合するその能力によるガラス表面である(非特許文献14)。しかしながら、このプロセスは一本鎖および二本鎖DNAの間を区別しない。特許文献8は、多数の固体基材結合ユニットへ核酸を結合させる方法を記載する。
より一般的には、カチオン性表面を用いて荷電DNA分子を結合させることができ、それにより、例えば、特許文献9は核酸単離用のポリカチオン性支持体を記載しており、特許文献10は荷電膜を記載し、または特許文献11はpH依存性イオン交換マトリックスを記載する。特許文献12は、DNAの可逆的結合のための、固体支持体上の切替え可能な電荷を持つポリマーを開示する。カチオン性表面と同様に、ポリカチオン体もまたある種のDNA−結合親和性を有する非特許文献15は、増大するカチオン性電荷を持つDNAへの結合用の、溶液中におけるポリアミンの親和性の増加を報告している。非特許文献16は、二本鎖および一本鎖核酸の間のカチオン性化合物の選択性を記載する。
さらに一本鎖および二本鎖DNAの間を区別することができる二本鎖(ds)DNA結合分子は当該分野で知られている。ここに、特に、副溝バインダー(MGB)、抗−ds DNA抗体およびインターカレーター(intercalator)に言及すべきである。
ピロールアミジン抗生物質であるジスタマイシンまたはネトロプシンのようなMGBは、水素結合によって副溝に結合し、インターカレーションによっては相互作用しない(非特許文献17)。非特許文献18は、マイクロタイタープレートに固定化された二本鎖DNAへのジスタマイシン、ネトロプシンおよび4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)の結合を調べた。特許文献13は、1以上の医学的兆候の原因を決定するための、標的DNAに結合させるためのアミドまたはチオール結合を介する固体支持体に固定されたプローブとしてのMGBの使用を記載する。非特許文献19は、表面のアミノ基へのアミド共有結合によって結合することができるDAPI誘導体を記載する。
抗−ds DNA抗体は、一本鎖および二本鎖DNAの間を区別する能力を有することが知られており、従って、それは例えば固体支持体に固定されたDNAハイブリッドに対するプローブとして用いられ、それにより、抗体の存在は比色検出によって確認された(非特許文献20)。特許文献14は、活性化されたチオール単層を用いて、抗−DNA抗体を金被覆ガラススライドに固定化する方法を記載する。特許文献15は、核酸増幅反応の分野に関し、ビオチン−ストレプトアビジン結合を介する表面への抗−ハイブリッド抗体の固定化を開示する。
当該技術水準において、固定化抗体はまた、細胞又は細胞の集合体、例えば細菌を可逆的に結合するために使用される。食品病原体の分離に関して、抗体を有する機能化されたビーズに基づく市販製品(DYNAL Biotech又はMATRIX Microscience Ltd)が既にある。特許文献16は、表面上の抗体を用いて汚染を検出する方法を開示する。PROFOS GmbHは、細菌(特許文献17、特許文献18)又はエンドトキシン(特許文献19)を結合するための担体にカップリングされたバクテリオファージ尾部タンパク質の使用を開示する。Koepsel及びRussellは、細菌を捕捉するためのバイオプラスチックフィルム上の抗体を開示する(非特許文献21)。細菌の非特異的蓄積に関して、特許文献20は電荷を有するポリマーを用いた方法を記述する。
二本鎖DNAのスタックされた塩基対の間に結合するいくつかの小さな有機分子のインターカレーティング特性は過去に広く調べられている(非特許文献22)。特許文献21は、固体支持体上の二本鎖DNAの存在を検出するための、インターカレーターおよびシグナリング分子の複合体化を記載する。一本鎖および二本鎖DNAを分離するための支持体に結合されたインターカレーターの使用は特許文献22に記載されている。特許文献23は、アミノ官能性およびフルオロフォアー(fluorophore)を担う第二のインターカレーターを介して表面に結合したインターカレーターを用いる核酸ハイブリダイゼーションアッセイ組成物を開示する。
特許文献24は、核酸に結合するために固相に組み込まれ得るインターカレーターとしての、例えば、アクチノマイシンDまたは臭化エチジウムの使用を開示する。
米国特許第4,683,195号明細書 国際公開第90/01069号パンフレット 欧州特許出願公開第439 182号明細書 国際公開第92/0880A号パンフレット 米国特許第5,130,238号明細書 国際公開第2002/060539号パンフレット 欧州特許第0 585 660号明細書 米国特許出願公開第04/121336号明細書 欧州特許第0 281390号明細書 国際公開第01/94573号パンフレット 国際公開第00/69872号パンフレット 国際公開第02/48164号パンフレット 米国特許出願公開第2002/0095073号明細書 国際公開第2002/074993号パンフレット 欧州特許第0 792 376号明細書 国際公開第91/19003号パンフレット 国際公開第01/09370号パンフレット 国際公開第02/06117号パンフレット 国際公開第04/01418号パンフレット 国際公開第03/33698号パンフレット 国際公開第2002/82078号パンフレット 米国特許出願公開第2002/0006617号明細書 米国特許出願公開第2001/0026921号明細書 米国特許出願公開第2003/0130499号明細書 Wu, D.Y.およびWallace, R.B., Genomics 4 (1989) 560-569 Barany, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88 (1991) 189-193 Barany, PCR Methods and Applic. 1 (1991) 5-16 Kwoh, D.Y.ら., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 (1989) 1173-1177 Guatelli, J.C.ら., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87 (1990) 1874-1878 Whelen, A.C.およびPersing,D.H., Annu. Rev. Microbiol. 50 (1996) 349-373 Abramson, R.D.およびMyers, T.W., Current Opinion in Biotechnology 4 (1993) 41-47 Prince, A.M.およびAndrus, L., Biotechniques 12 (1992) 358-360 Hilali, F.ら, Mol. Biotechnol. 7 (1997) 207-216 Fox, J.C.ら, J. Virol. Meth. 33 (1991) 375-3823 Abravaya, K.ら, Nucleic Acid Ampl. Technol. Chapter 9 (1997) 125-133 Corless, C.E.ら, J. Clin. Microbiol. 38 (2000) 1747-1752 Klaschik, S.ら, Mol. Biotechnol. 22 (2002) 231-242 Vogelstein, B.,およびGillespie, D., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76 (1979) 615-619 Stewart,ら., J. Phys. Org. Chem. 5 (1992) 461-466 Doreら JACS 126 (2004) 4240-4244 Fish, E.L.ら, Biochemistry 27 (1988) 6026-6032 Boger, D.L.ら., J. Am. Chem. Soc. 123 (2001) 5878-5891 Li, M.ら Bioorg. Med. Chem. Letters 12 (2003) 4351-4354 Mantero, G.ら, Clin. Chem. 37 (1991) 422-429 Koepsel, R.R.およびRussell, A.J., Biomacromolecules 4 (2003) 850-855 Brana, M.F.ら, Curr. Pharm. Design 7 (2001) 1745-1780
固体支持体の表面への、溶液からの例えば核酸のような生物学的分子の結合のための多くの代替法が、当業者に知られているが、これらの代替法はいずれも特殊な適用のための汚染除去方法として適用することはできない。
従って、本発明は、検出に必要な試薬を生物学的分子から汚染除去し、および/または生物学的分子を含まない試薬を維持する、試料中の生物学的分子の検出のための方法および化合物に指向される。さらに詳しくは、本発明は、現実の核酸増幅までは恒久的に存在する核酸結合化合物を介して、試薬中に潜在的に存在する非標的核酸分子および/または標的核酸分子を増幅することなく核酸増幅実行を確実に行う改良された方法および化合物に指向される。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである:
[1] 試料中の生物学的分子を検出するために必要な試薬中に潜在的に存在する生物学的分子の検出は回避する、試料中の生物学的分子の検出方法であって、
a)生物学的分子を潜在的に含む試料を提供する工程、
b)固相の表面にカップリングされた結合部を提供する工程、
c)生物学的分子を検出するために必要な試薬を提供する工程、
d)試料へ試薬を添加する工程、
e)試料中の生物学的分子を検出する工程、
を含み、工程c)において、又は工程d)において、又は工程c)及びd)において、試薬中に潜在的に存在する生物学的分子が固相の表面にカップリングされた結合部へ結合する条件下で試薬が結合部と物理的に接触している、方法、
[2] 固相の表面が、容器の内側表面又はピペット先端の内側表面である前記[1]記載の方法、
[3] 固相の表面が、ビーズの表面又は多孔性材料の表面である前記[1]記載の方法、
[4] 結合部の結合親和性が、少なくとも10のファクターで、好ましくは少なくとも10のファクターで、試薬中における生物学的分子の含有量の減少を実現する前記[1]〜[3]いずれか記載の方法、
[5] 結合部が、二本鎖核酸分子を結合することができる部分である前記[1]〜[4]いずれか記載の方法、
[6] 結合部が、生物学的区画を結合することができる部分である前記[1]〜[4]いずれか記載の方法、
[7] 結合部が、二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合することができる部分である前記[1]〜[4]いずれか記載の方法、
[8] a)標的核酸分子を潜在的に含む試料を提供する工程、
b)固相の表面にカップリングされた核酸結合部を提供する工程、
c)標的核酸分子を増幅するために必要な試薬を提供する工程、
d)試料へ試薬を添加する工程、
e)試料中の標的核酸分子を増幅する工程、
を含む、標的核酸分子の増幅方法であって、工程c)において、又は工程d)において、又は工程c)及びd)において、試薬中に潜在的に存在する核酸分子が固相の表面にカップリングされた核酸結合部へ結合する条件下で試薬が核酸結合部と物理的に接触している、方法、
[9] 固相の表面が、容器の内側表面又はピペット先端の内側表面である前記[8]記載の方法、
[10] 固相の表面が、ビーズの表面又は多孔性材料の表面である前記[8]記載の方法、
[11] 核酸結合部が、二本鎖核酸結合部である前記[8]〜[10]いずれか記載の方法、
[12] 二本鎖核酸結合部が、ポリカチオン体、副溝バインダー、インターカレーター、又は抗二本鎖核酸抗体である前記[11]記載の方法、
[13] ビオチン化二本鎖核酸結合部が、固相のストレプトアビジン被覆表面に結合される前記[11]〜[12]記載の方法、
[14] 標的核酸分子の増幅が、試料の微生物学的感染についての試験における核酸増幅である前記[8]〜[13]いずれか記載の方法、
[15] 固相材料であって、二本鎖核酸結合部が該固相材料の表面にカップリングされ、容器、ビーズ、又はピペット先端である固相材料、
[16] 二本鎖核酸結合部が、ポリカチオン体、副溝バインダー、インターカレーター、又は抗二本鎖核酸抗体である前記[15]記載の固相材料、
[17] 固相材料であって、ポリカチオン体、又はインターカレーターが二本鎖核酸結合部として該固相材料の表面にカップリングされた固相材料、
[18] 固相材料であって、生物学的区間を結合することができる結合部が、該固相材料の表面にカップリングされ、容器、又はピペット先端である固相材料、
[19] 結合部が、副溝バインダー、抗体、色素、両親媒性体、又はポリカチオン体である前記[18]記載の固相材料、
[20] 固相材料であって、色素、両親媒性体、ポリカチオン体、又は副溝バインダーが、生物学的区画のための結合部として該固相材料の表面にカップリングされた固相材料、
[21] 固相材料であって、二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合することができる結合部が、該固相材料の表面にカップリングされた固相材料、
[22] ビーズ、多孔性材料、容器、又はピペット先端である前記[21]記載の固相材料、
[23] 2種以上の結合部が該固相材料の表面にカップリングされた、前記[21]又は[22]記載の固相材料、
[24] 2種以上の結合部が、副溝バインダー、インターカレーター、抗体、色素、両親媒性体、およびポリカチオン体からなる群より選択される前記[23]記載の固相材料、
[25] 試料中の標的核酸分子を増幅するために必要な試薬中に潜在的に存在する核酸分子の増幅は回避する、試料中における標的核酸増幅のための前記[15]〜[24]いずれか記載の固相材料の使用、
[26] 標的核酸増幅が、試料の微生物学的感染についての試験の一部である前記[25]記載の使用、ならびに
[27] 標的核酸増幅を行うために必要な試薬及び前記[15]〜[24]いずれか記載の固相材料を含むキット。
本発明によれば、検出に必要な試薬を生物学的分子から汚染除去し、および/または生物学的分子を含まない試薬を維持する、試料中の生物学的分子の検出のための方法および化合物が提供され得、それにより、汚染除去プロセスはある実験のバックグラウンドにおいては恒久的に活性である。さらに詳しくは、現実の核酸増幅までは恒久的に存在する核酸結合化合物を介して、試薬中に潜在的に存在する非標的核酸分子および/または標的核酸分子を増幅することなく核酸増幅実行を確実に行う改良された方法および化合物が提供され得る。
発明の簡単な説明
固体支持体の表面への、溶液からの例えば核酸のような生物学的分子の結合のための多くの代替法が、当業者に知られているが、これらの代替法はいずれも特殊な適用のための汚染除去方法として適用することはできない。
従って、本発明は、検出に必要な試薬を生物学的分子から汚染除去し、および/または生物学的分子を含まない試薬を維持する、試料中の生物学的分子の検出のための方法および化合物に指向され、それにより、汚染除去プロセスはある実験のバックグラウンドにおいては恒久的に活性である。さらに詳しくは、本発明は、現実の核酸増幅までは恒久的に存在する核酸結合化合物を介して、試薬中に潜在的に存在する非標的核酸分子および/または標的核酸分子を増幅することなく核酸増幅実行を確実に行う改良された方法および化合物に指向される。
本発明の1つの主題は、
試料中の生物学的分子を検出するために必要な試薬中に潜在的に存在する生物学的分子の検出は回避する、試料中の生物学的分子の検出方法であって、
a)生物学的分子を潜在的に含む試料を提供する工程、
b)固相の表面にカップリングされた結合部を提供する工程、
c)生物学的分子を検出するために必要な試薬を提供する工程、
d)試料へ試薬を添加する工程、
e)試料中の生物学的分子を検出する工程、
を含み、工程c)において、又は工程d)において、又は工程c)及びd)において、試薬中に潜在的に存在する生物学的分子が固相の表面にカップリングされた結合部へ結合する条件下で試薬が結合部と物理的に接触している、方法である。
また、本発明は、
a)標的核酸分子を潜在的に含む試料を提供する工程、
b)固相の表面にカップリングされた核酸結合部を提供する工程、
c)標的核酸分子を増幅するために必要な試薬を提供する工程、
d)試料へ試薬を添加する工程、
e)試料中の標的核酸分子を増幅する工程、
を含む、標的核酸分子の増幅方法であって、工程c)において、又は工程d)において、又は工程c)及びd)において、試薬中に潜在的に存在する核酸分子が固相の表面にカップリングされた核酸結合部へ結合する条件下で試薬が核酸結合部と物理的に接触している、方法に関する。
本発明の別の態様において、工程a)〜c)は、これらの工程のいずれかの他の可能な順番で行われる。
本発明を通じて「結合部」は、生物学的分子または生物学的区画に可逆的に結合することができる分子複合体である。もしそれらが核酸に結合できるなら、それらは核酸結合部と言われる。もしそれらが一本鎖核酸よりも高い親和性でもって二本鎖核酸に結合するならば、それらは二本鎖核酸結合部と言われる。二本鎖核酸結合部または「ds-NAバインダー」というフレーズは、本発明を通じて同等なものとして用いられる。本発明の意味においては、核酸(NA)というフレーズは、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)ならびにペプチド核酸(PNA)またはロックされた核酸(LNA)のような核酸アナログを総称する。
生物学的区画は細胞または細胞の集合である。細胞はその細胞膜内にある種の蛋白質またはポリマーを有するので、結合部は、細胞または細胞の集合に可逆的に結合するためにこれらの分子構造に対する親和性を有することができる。加えて、カチオン性結合部と負に荷電した細胞膜との静電気的相互作用を利用して、生物学的区画に可逆的に結合され得る。
本発明を通じて、結合部は固相の表面にカップリングされる。この固相の表面は任意の形状であってよく、従って、例えばカバースライドなどの平面状の表面、例えば試験管、容器またはピペット先端などの曲面状の表面、例えば磁性ビーズのような小さな粒子の表面、または例えばガラスフリースのような多孔性材料の表面を含む。本発明を通じて、容器は例えばエッペンドルフキャップまたは遠心管のような単一反応容器である。固相材料としては、この固相材料の表面が該結合部用のカップリング基を含む限り、あるいはこの固相材料の表面が該結合部用のカップリング基で機能性化され得る限り、全ての材料が本発明の範囲内であることが可能である。ある場合には、結合部をカップリングできる前に、該表面に機能性コーティングを施す必要がある。そのような機能性コーティングは例えばポリマー層である。
本発明の意味では、固相の表面への結合部のカップリングは、例えばシランカップリング、アミド結合またはエポキシドカップリングのような共有結合、例えばHis-タグおよびキレーターの間のような配位結合、例えばビオチン−ストレプトアビジン結合のような生物親和性結合を含む。
「試料中の生物学的分子」は、該試料内に潜在的に存在する検出されるべき標的分子であり、従って、それらは「試料中の標的分子」とも言われる。加えて、標的分子の検出を乱しかねないある種の非標的分子が該試料に存在し得る。
試料に最初に存在するこれらの非標的分子は、本発明によって避けることができない。もし標的分子および非標的分子が核酸分子であれば、そららは、各々、標的核酸分子および非−標的核酸分子と呼ばれる。非−標的核酸分子は、標的核酸分子とは異なる配列を持つ分子である。
さらに、該標的分子を検出するのに必要な試薬は非標的分子または標的分子または双方を含有してもよい溶液であり、双方の分子は、もしそれらが汚染物として該試料に導入されたならば、例えば診断テスト内で試料中の標的分子の検出を乱しかねない。本発明の範囲内では、試薬中に潜在的に存在する非標的分子はまた、標的および/または非標的核酸分子を含有する細胞をも含む。試薬中に潜在的に存在する非標的分子および/または標的分子は、本発明を通じて、フレーズ「試薬中に潜在的に存在する生物学的分子」によって総称される。
核酸に関しては、試薬中に潜在的に存在する標的分子は、核酸分子それ自体ならびに対応するアンプリコンおよび細胞中の核酸を含む。フレーズ「試薬中に潜在的に存在する核酸分子」は本発明を通じて用いられ、試薬中に潜在的に存在する核酸分子の全ての可能な組合せ、すなわち、標的核酸分子だけの組合せ、非標的核酸分子だけの組合せ、または標的および非標的の双方の組合せを総称する。
試薬は試料中の標的分子を検出するのに必要な全ての物質、すなわち、例えば、緩衝液、酵素、抗体、プライマー、プローブ、標識、ヌクレオチドおよび/またはオリゴヌクレオチドを含む。
該試薬の汚染物は、例えば非標的分子および/または標的分子として最初に存在し得るか、あるいはそれらは検出手順の1以上の工程の間に、例えば、汚染された試薬を添加することによって、あるいは試薬と周囲の環境との単純な接触によって導入され得る。試薬の汚染は該試料に非標的分子ならびに標的分子を導入しかねず、偽陽性結果を招く。
本発明内では、該試薬の可能な汚染は細胞または同様に細胞の集合を含み、従って、細胞または細胞の集合もまた、本発明の範囲内の非標的分子と理解される。顕著な例として、PCR試薬の細菌汚染をここで挙げるべきである。というのは、試薬のこれらの細菌汚染は同様に二本鎖(ds)DNAを溶液に加えかねないからである。もし試薬内の汚染細菌が、試料内の特異的標的分子を検出することによって確認されるべきものと同一であるならば、これは、標的核酸のPCR増幅に基づく診断テストにおいて偽陽性結果を生じるかもしれない。この場合には、調査中の試料には由来しない標的核酸分子がPCRの増幅結果に寄与するであろう。
非標的分子および/または標的分子が結合部に可逆的に結合する条件下で、結合部が試薬と物理的に接触している場合、非標的分子および/または標的分子からの試薬の汚染除去が起こる。
本発明を通じて、物理的接触というフレーズは、緩衝液、圧力、温度、照射または機械的に応力のある条件下での該結合部および該試薬の間のあらゆる接触とも理解されるべきである。当業者に知られているように、有機分子の間の結合は、一般には可逆的であり、周囲の緩衝溶液の条件に依存する。従って、結合部への非標的分子および/または標的分子の結合を保証するためにはある種の条件を提供しなければならない。本発明を通じて、物理的接触は、試薬へのスライドまたは粒子の浸漬、試薬による例えば試験管の充填、または例えばピペット先端を通る流動を含む。
本発明の範囲では、有機分子の検出が可能である限り、標的分子の検出に全ての検出フォーマットが可能である。
DNAの場合には、適当な検出方法は当業者に知られており、Sambrook et al.,Molecular Cloning, A Laboratory Manual (第2版、Cold Spring Harbour Laboratory Press, Cold Spring Harbour, NY)またはAusubel et al.; Current Protocols in Molecular Biology (1987)( J. Wiley and Sons, NY)のような標準的なテキストに記載されている。
蛋白質の場合には、適当なアッセイはTijssen; Practice and theory of enzyme immunoassays (1985, Elsevier, Amsterdam, Netherlands)およびAslam & Dent; Bioconjugation (2000, Macmillian Reference, London, GB)のテキストに記載されている。
標的核酸分子の増幅では、例えばPCR、LCRまたはレプリカーゼ増幅のような、当業者に知られている全ての増幅技術は本発明の範囲内で可能である。
本発明のもう1つの局面は固相材料に関し、ここに、二本鎖核酸結合部は該固相材料の表面にカップリングされる。固相材料およびその表面にカップリングされるある数の結合部の複合体は、本発明による固相材料および結合部のいずれの組合せであってもよい。
本発明のもう1つの主題は、試料中での標的核酸増幅のための該固相材料の使用であり、該試料中の該標的核酸分子を増幅するのに必要な試薬中に潜在的に存在する核酸分子の増幅は回避する。標的核酸分子の増幅は、試料内の核酸分子の数を増大させるいずれの可能性も含む。その例は、サイクル数に対して核酸コピー数の指数関数的増殖を提供するPCRまたはLCR増幅、または反応時間に対する核酸コピー数の直線的増殖を提供するレプリカーゼ増幅である。
また、本発明は、標的核酸増幅を行うのに必要な試薬および本発明による該固相材料を含むキットに関する。
発明の詳細な説明
本発明の1つの主題は、
試料中の生物学的分子を検出するために必要な試薬中に潜在的に存在する生物学的分子の検出は回避する、試料中の生物学的分子の検出方法であって、
a)生物学的分子を潜在的に含む試料を提供する工程、
b)固相の表面にカップリングされた結合部を提供する工程、
c)生物学的分子を検出するために必要な試薬を提供する工程、
d)試料へ試薬を添加する工程、
e)試料中の生物学的分子を検出する工程、
を含み、工程c)において、又は工程d)において、又は工程c)及びd)において、試薬中に潜在的に存在する生物学的分子が固相の表面にカップリングされた結合部へ結合する条件下で試薬が結合部と物理的に接触している、方法である。
本発明のもう1つの主題は、
a)固相の表面にカップリングされた結合部を提供する工程、
b)生物学的分子を検出するのに必要な試薬を提供する工程、
c)標的分子を潜在的に含む試料に該試薬を添加する工程、
d)該試料中の生物学的分子を検出する工程;
を含み、ここに、工程b)においてまたは、工程c)において、または工程b)およびc)において、試薬中に潜在的に存在する該生物学的分子が固相の該表面にカップリングされた該結合部に結合する条件下で、該試薬が、該結合部と物理的に接触している、試料中の生物学的分子を検出するのに必要な試薬中に潜在的に存在する生物学的分子の検出は回避する、試料中の生物学的分子を検出する方法である。
本発明を通じて試薬は、該標的分子を検出するのに必要な全ての試薬であり、例えば、緩衝溶液、酵素、抗体、プライマー、プローブ、標識、ヌクレオチドおよび/またはオリゴヌクレオチドのような物質を含む。これらの試薬が試料に添加されるので、試料内の標的分子を検出する偽陽性結果を回避するためには、用いる試薬が非標的分子ならびに標的分子での汚染がないことを確認することが重要である。
該試薬中に潜在的に存在する生物学的分子の検出は回避する、試料中の標的分子を検出する前記検出方法は、汚染による偽陽性結果の危険性を低下させる。
該試薬中に潜在的に存在する生物学的分子は標的分子、非標的分子、ならびに標的および非標的分子を一緒にしたものよりなる群から選択される。該結合部への非標的分子および/または標的分子の結合は好ましくは可逆的であり、従って、結合はある条件下で起こり、該条件を変化させることによって開放することができる。非標的分子および/または標的分子の結合および開放は、緩衝液濃度、温度または機械的応力の項目について条件を変化させることによって切替えさせることができるのが好ましい。最も好ましくは、非標的分子および/または標的分子の結合は中程度の塩濃度にて室温で起こる。
結合のための条件、および有機分子の間の相互作用の種類は当業者に知られている。蛋白質の場合には、相互作用はTijssen; Practice and theory of enzyme immunoassays (1985, Elsevier, Amsterdam, Netherlands)およびAslam & Dent; Bioconjugation (2000, Macmillian Reference, London, GB)のテキストに記載されている。DNAと他の有機分子との相互作用はSambrook et al.; Molecular Cloning, A Laboratory Manual (第2版、Cold Spring Harbour Laboratory Press, Cold Spring Harbour, NY)またはAusubel et al.; Current Protocols in Molecular Biology (1987, J. Wiley and Sons, NY)のような標準的なテキストに記載されている。
ds DNAの、副溝バインダーまたはインターカレーターのようなds-NAバインダーへの結合は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムまたはトリス緩衝液のような塩含有溶液中で行うことができ、ここに、結合親和性はより低い塩濃度で高く、好ましくは10〜100mMの塩濃度を用いる。さらに、結合工程は、好ましくは非−変性pHにて、好ましくはpH6〜8にて室温で行われる(Zimmer, G. et al., Prog. Biophys. Molec. Biol. 47(1986)37-112; Pauluhn, J. et al., Ber. Bunsenges. Phys. Chem. 82(1978)1265-1278)。
ds DNAのds-DNA結合抗体への結合には、TBS緩衝液、好ましくはpH7.4および室温における25mMトリスおよび150mM塩化ナトリウムを用いることができる(Di Pietro, S.M. et al., Biochemistry 42 (2003)6218-6227)。蛋白質−DNA結合の親和性は塩濃度が増加するにつれて低下する(Record, M.T.et al., J.Mol.Biol. 107(1976) 145-158)。
加えて、二本鎖DNAを異なるds-DNAバインダーに結合させるのに適した条件は、「先行技術背景」の章で引用された論文ならびに特許、および本発明の実施例で見出すことができる。
本発明による好ましい方法において、固相の表面にカップリングした結合部に、該試薬中に潜在的に存在する該生物学的分子を結合させるための該条件は、10〜200mM、最も好ましくは10〜50mMの塩濃度、非−変性pH、最も好ましくはpH6〜pH8、5分〜90分、最も好ましくは60分のインキュベーション時間、および室温を含む。
本発明によるもう1つの好ましい方法においては、試薬中の該生物学的分子を検出するのに必要な該試薬は添加工程に先立って混合し、それにより、該試薬中に潜在的に存在する該生物学的分子が固相の該表面にカップリングされた該結合部に結合する条件下で、該試薬は該結合部に物理的に接触している。
一般に、標的分子の検出を行うには、2以上の試薬がある比率で必要であるので試料への添加に先立って該試薬を混合し、それにより、好ましくは常時、試薬が該結合部に物理的に接触しているのが有利であろう。本発明のもう1つの態様において、試薬は適当な量にて試料に順次添加され、それにより、好ましくは常時、各試薬は該結合部と物理的に接触している。
本発明の好ましい方法においては、固相の該表面は容器またはピペット先端の内部表面である。
本発明のこの態様においては、該標的分子を検出するのに必要な試薬を、試料への添加に先立ってその表面にカップリングされた結合部を有する容器中に供し、維持しおよび/または混合する。もし試薬を1つの容器からもう1つの容器に移す場合、あるいはもし試薬を最終的に試料に添加する場合、本発明の1つの態様においては、その表面にカップリングされた結合部を有するピペット先端を用いる。本発明による結合部で機能性化された固相は、好ましくは、例えば、試験管またはピペット先端のようなプラスチックデバイス、または例えば反応容器のようなガラスデバイスである。
本発明のもう1つの好ましい方法において、固相の該表面はビーズの表面または多孔性材料の表面である。
本発明のこの態様においては、該ビーズの表面にカップリングされた結合体を含むビーズを、ある試薬を含有する容器に添加する。一定のインキュベーション時間の間、適当な条件を与えることによって、非標的分子および/または標的分子は結合部に結合し、そして上清は、好ましくは非標的分子および標的分子を含まない試薬を含む。最も好ましくは、これらのビーズは市販の磁性Dynabeads(登録商標)(Dynal Biotech S.A., Oslo, Norway)のような磁性ビーズである。
本発明のもう1つの態様において、該多孔性材料の表面にカップリングした結合部を含む多孔性材料を用いて、試薬内の非標的分子および/または標的分子を除く。好ましくは、多孔性材料はフィルターとして形成され、ここに、該フィルターは例えばシリンジと組み合わせて、1つの容器からもう1つの容器への、または試料への移動の間に、試薬から非標的分子および/または標的分子を除去することができる。本発明による結合部をカップリングさせることができる多孔性固相は、好ましくは、ガラスフリース、または制御された−ポア−ガラスのような多孔性無機材料である。代替物はポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAT)、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)またはポリスチレンのような多孔性プラスチックである。本発明のもう1つの代替態様において、例えば、多孔性ポリマーまたはコポリマー材料のような多孔性有機材料を用いる。
該方法の好ましい態様においては、本発明による結合部は、共有結合を介して、または生体親和性結合、好ましくは、ビオチン/ストレプトアビジン結合を介して固相の表面にカップリングされる。
該固相の表面への該結合部のカップリングは、例えば、ヒドロキシ表面へのシランカップリングまたはエポキシドへのアミノカップリング、金のような金属へのチオールカップリングのような共有結合、例えばHis-タグおよびキレーターの間のような配位結合、例えば、ビオチン/ストレプトアビシンまたはビオチン/アビジン結合のような生体親和性結合を含む。本発明のもう1つの態様においては、該固相の表面は、結合部用のカップリング部位を含むポリマー層によって被覆される。
本発明の好ましい態様において、該結合部の結合親和性は、少なくとも102のファクター、好ましくは少なくとも103のファクターだけ試薬中の生物学的分子含有量の低下を実現する。
試薬中の生物学的分子含有量は、該試薬に存在する核酸分子のタイプに応じて、試薬中の標的分子含有量および/または非標的分子の含有量を含む。
フレーズ「結合親和性」は、非標的分子および/または標的分子に結合する能力についての定量的尺度として本発明を通じて用いられる。非標的分子および/または標的分子の含有量を低下させるためのある種の結合部についての能力は、環境の条件、すなわち、例えば、緩衝液の組成または温度に依存し得る。本発明の範囲内では、結合部および環境条件の組合せは、少なくとも102のファクターだけ、より好ましくは少なくとも103のファクターだけ、試薬内の非標的分子含有量および/または標的分子含有量の低下を実現するように調製される。
もう1つの好ましい態様においては、本発明による方法は、さらに、以下の工程:
f)該結合部に会合した生物学的分子を溶出させる工程、及び、
g)該溶出された生物学的分子を検出する工程:
を含む。
本発明による結合部への非標的分子および/または標的分子の結合は可逆的であるので、汚染除去の後に結合された分子を検出して、用いた試薬内の汚染物、または調製工程の間に導入された汚染物について知ることが可能である。もし緩衝液濃度、温度、pH、変性試薬または機械的応力の項目についての結合条件が変化すれば、該溶出は起こる。該結合部からの非標的分子および/または標的分子の放出は、アルカリ性pHにおける中程度の温度および塩濃度で行うのが好ましい。結合部と、非標的分子および/または標的分子との間の静電気的相互作用の場合には、該放出は、塩濃度の増大およびスクリーニング効果の対応する増強によって得ることができる。一般に、結合部への非標的分子および/または標的分子のカップリングは、温度を上昇させることによって破壊することができる。
本発明によるさらにもう1つの好ましい方法において該標的分子および該非標的分子は核酸分子であり、最も好ましくは、試薬中の該標的分子および該非標的分子は二本鎖核酸分子である。
本発明の好ましい態様において、結合部は二本鎖核酸分子に結合できる部分である。
もし結合部が二本鎖核酸分子に結合すれば、それらは二本鎖核酸結合部と呼ばれる。二本鎖核酸結合部または「ds-NAバインダー」というフレーズは、本発明を通じて同等なものとして用いられる。
本発明のより好ましい態様においては、結合部はポリカチオン体、副溝バインダー、インターカレーターまたは抗二本鎖核酸抗体である。
ポリカチオン体は、複数電荷を有する巨大分子である。ポリマーまたはペプチドの場合には、このポリカチオン体はある量のモノマーを含み、各モノマーは正電荷または負電荷を有するか、または中性である。従って、そのようなポリカチオン体は、全てのモノマー電荷の総和であるその正味の電荷によって特徴付けられる。その例はペプチドまたはポリアミド誘導体である。例えば、ジスタマイシンまたはメチル‐イミダゾール‐ポリアミド誘導体のような副溝バインダー(MGB)は、二本鎖核酸の副溝に結合する分子である。例えばアクチノマイシンDまたは臭化エチジウムのようなインターカレーターは、二本鎖核酸のスタックされた塩基対の間に結合する分子である。抗-ds DNA抗体は二本鎖DNAのみに選択的に結合し、一本鎖DNAには結合しないことが知られている。ds-NAバインダーのこれらの種類は当業者に知られており、さらなる情報は「先行技術背景」の章に含まれている。
本発明によるもう1つの態様において、試料中の標的分子の該検出は、核酸増幅反応に基づいている。
適当なDNA検出方法は当業者に知られており、Sambrook et al.: Molecular Cloning, A Laboratory Manual (第2版, Cold Spring Harbour Laboratory Press Cold Spring Harbour, NY)またはAusubel et al.: Current Protocols in Molecular Biology (1987) J. Wiley and Sons, NY)などの標準的なテキストに記載されている。検出方法は、限定されるものではないが、二本鎖DNAにインターカレートし、しかる後その蛍光を変化させる臭化エチジウムのような特異的な色素の結合またはインターカレーティングを含むことができる。精製されたDNAは、所望により制限消化後に電気泳動方法によって分離し、しかる後可視化することもできる。特異的配列へのオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、引き続いてのハイブリッドの検出を利用するプローブ‐ベースのアッセイもある。また、当業者に知られたさらなる工程後にDNAを配列決定することもできる。他の方法は、特異的プローブが結合するシリコンチップに多様なDNA配列を適用し、相補的な配列が結合する場合にシグナルを生じる。
標的核酸分子の増幅は、試料内の核酸分子のコピー数を増加させるいずれの可能性も含む。その例は、サイクル数に対する核酸コピー数の指数関数的増加を供するPCRまたはLCR増幅、あるいは反応時間に対する核酸コピー数の直線的増加を供するレプリカーゼ増幅である。他の可能な増幅反応は「先行技術背景」の章で既に記載した。
例えば、緩衝溶液の調製、ストック溶液の希釈、酵素、ヌクレオチド、プライマーおよびプローブの提供、成分の混合および/または増幅用の反応容器へ試薬をピペットで入れることのような該核酸増幅に先立っての全ての調製工程は、試料を汚染させるある危険性を含む。従って、該核酸増幅に先立ってできる限り多くのこれらの調製工程を、固相の表面にカップリングされた結合部の助けを借りて行うべきである。
DNAについての特に好ましい検出方法は、いわゆる「均一」アッセイで行うことかできる。「均一」アッセイシステムは、標的配列が増幅される間にシグナルを生じるレポーター分子または標識を含む。「均一」アッセイシステムの例は、米国特許第5,210,015号、米国特許第5,804,375号および米国特許第5,487,972号に詳細に記載されているTaqMan(登録商標)システムである。簡単に述べると、該方法は二重‐標識プローブおよびTaq DNAポリメラーゼの5’-3’エキソヌクレアーゼ活性に基づく。該プローブはPCRプロセスによって増幅すべき標的配列に相補的であり、各重合サイクル工程の間に2つのPCRプライマーの間に位置する。プローブはそれに付着した2つの蛍光標識を有する。1つは、第二の蛍光色素、6‐カルボキシ‐テトラメチル‐ローダミン(TAMRA)の空間的な接近のためエネルギー移動によってクエンチされたその発光スペクトルを有する、6‐カルボキシフルオレセイン(FAM)のようなレポーター色素である。各増幅サイクルの間に、プライムされたDNA鎖を延長するプロセスにおいて、Taq DNAポリメラーゼは、該ポリメセラーゼの固有の5’-3’エキソヌクレアーゼの活性による後者であるアニールされたプローブを外し、分解する。該メカニズムはまた、TAMRAのクエンチング活性からレポーター色素を解放する。その結果、プローブの切断の増大と共に蛍光活性は増大し、これは、形成されたPCR産物の量に比例する。従って、増幅された標的配列は、開放された蛍光標識の強度を検出することによって測定される。
蛍光色素分子の間のエネルギー移動の同様な原理は、いわゆる「分子ビーコン」を用いる「均一」アッセイに適用される(米国特許第6,103,476号)。これらは、その蛍光が、それが標的核酸に結合すると回復される内部でクエンチされたフルオロフォアを持つヘアピン-形状核酸分子である(米国特許第6,103,476号)。それらは、分子のループ部分が、PCRプロセスの標的配列内の領域に相補的なプローブ配列となるように設計される。ステムは、相補的アーム配列のプローブ配列の端部へのアニーリングによって形成される。蛍光部は1つのアームの端部に付着され、クエンチング部は他のアームの端部に付着される。ステムはこれらの2つの部分を相互に近接させて維持し、エネルギー移動によってクエンチされるべきフルオロフォアの蛍光を引き起こす。クエンチャー部は非−蛍光クロモフォアであって、フルオロフォアから熱としてそれが受け取るエネルギーを放出するので、プローブは蛍光を発することができない。プローブが標的分子に遭遇すると、それはハイブリッドを形成し、該ハイブリッドは、ステムハイブリッドよりも長く、より安定であり、その剛直性および長さはステムハイブリッドの同時存在を排除する。かくして、分子ビーコンは、ステムを離れさせる自然発生的立体配座再組織化を受け、フルオロフォアおよびクエンチャーを相互から離して移動させ、検出することができる蛍光の回復に至る。
「均一」アッセイシステムについてのより多くの例がLightCycler(登録商標)機器(例えば、米国特許第6,174,670号参照)で用いられるフォーマットによって提供され、そのいくつかは時々、「キシングプローブ」フォーマットと呼ばれる。再度、その原理は2つの相互作用する色素に基づいており、しかしながら、これは、蛍光共鳴エネルギー移動によってドナー‐色素がアクセプター‐色素を励起することを特徴とする。例示される方法は、PCRプロセスの標的配列の隣接内部配列にハイブリダイズするハイブリダイゼーションプローブとして2つの修飾されたオリゴヌクレオチドを用いる。5’に位置する修飾されたオリゴヌクレオチドは標識としてのドナー‐色素をその3’末端に有する。3’に位置する修飾されたオリゴヌクレオチドはアクセプター‐色素をその5’末端に有する。増幅サイクルの間における標的配列に対する2つの修飾されたオリゴヌクレオチドのヘッド‐ツー‐テール‐向き(head-to-tail-oriented)のアニーリングに続き、ドナーおよびアクセプター色素は接近する。単色光パルスによるドナー色素の特異的励起に際して、アクセプター色素蛍光が検出され、形成されたPCR産物の量についての尺度を提供する。
もう1つのアッセイフォーマットはいわゆる「アレイ」フォーマットである。「アレイ」はデバイス上のアドレス可能な位置の配置である(例えば、米国特許第5,143,854号、米国特許第6,022,963号、米国特許第6,156,501号、WO 90/15070、WO 92/10092参照)。位置の数は数個から少なくとも数10万の範囲とすることができる。最も重要なことには、各位置は全く独立した反応部位を表す。各位置は、例えば、第2の核酸、特に標的核酸に対する結合パートナーとして働くことができる「オリゴマー化合物」として核酸を担う。その製造方法はEP-A-0 476 014, Hoheisel, J.D., TIBTECH 15 (1997) 465-469、WO 89/10977、WO 89/11548、米国特許第5,202,231号、米国特許第5,002,867号、WO 93/17126に記載されている。さらなる開発は、非常に小さな領域においてオリゴヌクレオチドプローブの非常に大きなアレイを作成するための方法を提供した(米国特許第5,143,854号、WO 90/15070、WO 92/10092)。「DNAチップ」と呼ばれる多数のオリゴヌクレオチドプローブの微小製造アレイは、広く種々の適用について大きな期待を与える(例えば、米国特許第6,156,501号および米国特許第6,022,963号)。該方法の基本的な工程は、対照および処理試料からの核酸を単離し、増幅プロセスの間に取り込まれた異なる蛍光色素で標識することである。より詳細には、これは米国特許第5,545,522号:米国特許第5,716,785号:米国特許第5,891,636号および米国特許第6,291,170号に記載された方法に従って行われ、それにより、細菌T7-プロモーターを含むプライマーで二本鎖cDNAが合成され、標識されたRNAはリボヌクレオシド三リン酸の存在下で転写され、それにより、標識はヌクレオシド三リン酸のいくつかに付着される。次いで、これらの標識された核酸は所望によりフラグメント化され、混合され、整列されたオリゴマー化合物にハイブリダイズされる。
次いで、光学デバイスを用いて、各個々のスポットに対する各色素の相対強度を測定する。2つのプローブの間の蛍光レベルの比率は、試料の間の相対的遺伝子発現を示す。これらのプロセスによって、研究者は、一度に1つの単一遺伝子の効果を見るよりはむしろ同時に遺伝子の完全な組を評価することができる。次いで、特異的遺伝子の高い異なる発現を、ノーザンブロッドまたは定量的リアルタイムPCRのような慣用的手段によって追跡することができる。複数実験からのデータを組み合わせて、機能的情報を他の未知の機能の遺伝子に帰属させることができる。異なる状態にわたる同様な発現プロフィールを示す遺伝子は、共通の生理学的または代謝的経路に参加するようである。クラスター分析プログラムが開発されており、これは、機能についての情報を反映させる遺伝子の共発現群の検出を可能とする。本発明によるさらにもう1つの態様において、該結合部は、生物学的区画に結合することができる部分である。
本発明の別の態様において、試薬内の汚染は生物学的区画であり、結合部はこれらの生物学的区画に結合することができる。生物学的区画は細胞または細胞の集合である。試薬に潜在的に存在し、標的および/または非−標的核酸分子を含む細胞または細胞の集合は、本発明の範囲内の非標的分子である。細胞はその細胞膜内にある種の蛋白質またはポリマーを有するので、本発明のこの態様の結合部が、細胞または細胞の集合に可逆的に結合するための、これらの分子構造に対するある種の親和性を有する。本発明のこの態様についての可能な結合部は、膜化合物または細胞結合蛋白質、好ましくはフィブロネクチンまたは結合蛋白質の機能的部分に対する抗体を含む。
もう1つの態様において、細胞または細胞の集合体に結合するための結合部は、膜構造と一体化する結合部、好ましくは色素分子または両親媒性分子である。さらに、副溝バインダー(MGB)が、細胞または細胞の集合体を結合するための結合部として適用可能である。色素についての例は固体表面にカップリングさせるために機能性化されたクリスタルバイオレット、メチレンブルーおよびサフラニンOを含む。細胞膜に結合することができる両親媒性分子の例は、例えば、やはり固体表面にカップリングさせるために機能性化された、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、コレステロールまたはラウロイル-リジンを含む。適切なMGBは、例えばジスタマイシン又はメチル−イミダゾール−ポリアミド誘導体である。
さらにもう1つの態様において、細胞または細胞の集合に結合するための結合部はポリカチオン体である。これらのポリカチオン体、好ましくはポリカチオン性ペプチドまたはポリマーは、細胞膜の複数負電荷との静電的相互作用によって細胞に結合する。これらのポリカチオン体は、やはり、固体表面にカップリングするために機能性化されている。
本発明のもう1つの好ましい態様において、前記結合部は二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合することができる部分である。本発明のこの態様の可能なバリアントは、二本鎖核酸分子に特異的な結合部と、細胞または細胞の集合に特異的な結合部の組合せである。従って、本発明のこの態様は、2以上の異なる結合部により、または二本鎖核酸分子と生物学的区画との両方を結合することができる結合部の1つのタイプにより実現され得る。本発明のこの態様による方法は、単一調製工程において、細胞または細胞の集合、および該試薬中に潜在的に存在する二本鎖核酸分子に基づく汚染物に結合することができる。
本発明のもう1つの局面は、
a)標的核酸分子を潜在的に含む試料を提供する工程、
b)固相の表面にカップリングされた核酸結合部を提供する工程、
c)標的核酸分子を増幅するために必要な試薬を提供する工程、
d)試料へ試薬を添加する工程、
e)試料中の標的核酸分子を増幅する工程、
を含む、標的核酸分子の増幅方法であって、工程c)において、又は工程d)において、又は工程c)及びd)において、試薬中に潜在的に存在する核酸分子が固相の表面にカップリングされた核酸結合部へ結合する条件下で試薬が核酸結合部と物理的に接触している、方法に関する。
本発明のもう1つの局面は、
a)標的核酸分子を潜在的に含む試料を提供する工程、
b)固相の表面にカップリングされた核酸結合部を提供する工程、
c)該標的核酸分子を増幅するのに必要な試薬を提供する工程、
d)該試薬を該試料に添加する工程、
e)該試料中の該標的核酸分子を増幅する工程;
を含み、ここに、工程c)において、または工程d)において、または工程c)およびd)において、該試薬中に潜在的に存在する該核酸分子が固相の該表面にカップリングされた該核酸結合部に結合する条件下で、該試薬が、該核酸結合部と物理的に接触している、試料中の該標的核酸分子を増幅するのに必要な該試薬中に潜在的に存在する核酸分子の増幅は回避する、標的核酸分子を増幅する方法に関する。
本発明のさらにもう1つの局面は、
a)固相の表面にカップリングした核酸結合部を提供する工程、
b)該標的核酸分子を増幅するのに必要な試薬を提供する工程、
c)標的核酸分子を潜在的に含む試料に該試薬を添加する工程、
d)該試料中の該標的核酸分子を増幅する工程;
を含み、ここに工程b)において、または工程c)において、または工程b)および工程c)において、該試薬中に潜在的に存在する該核酸分子が固相の該表面にカップリングした該核酸結合部に結合する条件下で、該試薬が、該核酸結合部と物理的に接触している、試料中の標的核酸分子を増幅する方法に関する。
本発明のさらにもう1つの局面は、
a)固相の表面にカップリングされた核酸結合部を提供する工程、
b)該標的核酸分子を増幅するのに必要な試薬を提供する工程、
c)標的核酸分子を潜在的に含む試料に該試薬を添加する工程、
d)該試料中の該標的核酸分子を増幅する工程;
を含み、ここに、工程b)において、または工程c)において、または工程b)および工程c)において、該試薬中に潜在的に存在する該核酸分子が固相の該表面にカップリングされた該核酸結合部に結合する条件下で、該試薬が、該核酸結合部に物理的に接触している、試料中の該標的核酸分子を増幅するのに必要な該試薬中に潜在的に存在する核酸分子の増幅は回避する、試料中の標的核酸分子を増幅する方法に関する。
核酸分子を増幅するためには、緩衝溶液、酵素、プライマー、プローブ、標識および/またはヌクレオチドを含むいくつかの試薬は必要である。これらの試薬が試料に添加されるので、用いられる試薬は、試料内の標的分子を検出する偽陽性結果を回避するために、非‐標的核酸分子ならびに核酸標的分子での汚染がないことを確認するのが重要である。
該試薬中に潜在的に存在する核酸分子は、標的核酸分子のみ、非−標的核酸分子のみ、および標的および非‐標的核酸分子双方よりなる群から選択される。該試薬中に潜在的に存在する非−標的核酸分子およびまたは標的核酸分子の増幅は回避する、試料中の標的核酸増幅のための前記した増幅方法は、汚染による偽陽性結果の危険性を低下させる。
非‐標的核酸分子および/または標的核酸分子の結合は、前記したように室温および中程度の塩濃度を含む条件にて起こるのが好ましい。
本発明による標的核酸分子を増幅するためのもう1つの好ましい方法において、添加工程d)に先立って該標的核酸分子を増幅するのに必要な該試薬を混合し、それにより、該試薬中に潜在的に存在する核酸分子が固相の該表面にカップリングした該核酸結合部に結合する条件下で、該試薬は該核酸結合部と物理的に接触している。
標的分子の検出に関して前記したように、標的核酸を増幅するのに1を超える試薬が必要であり、従って、試料への添加に先立って該試薬を混合するのが有利であり得、それにより、好ましくは常時、試薬は該結合部と物理的に接触する。増幅された標的核酸の検出は、増幅の間に、例えば、リアル−タイムPCRにおいて、または増幅の後に行うことができる。
本発明による標的核酸分子を増幅するための好ましい方法において、固相の該表面は容器の内側表面またはピペット先端の内側表面である。
本発明による標的核酸分子を増幅するためのもう1つの好ましい方法において、該固相の該表面はビーズの表面または多孔性材料の表面である。
標的分子の検出に関して前記したように、該標的核酸分子を増幅するのに必要な試薬を、好ましくは、試料への添加に先立って、結合部がその表面にカップリングした容器中に提供し、維持し、および/または混合する。もし試薬を1つの容器からもう1つの容器に移動する場合、あるいは試薬を最終的に試料に添加する場合、本発明の1つの態様においては、その表面に結合部がカップリングされたピペット先端を用いる。ビーズの表面に結合部がカップリングした該ビーズを、例えば、ある種の試薬を含有する容器に添加して、非標的核酸分子および/または標的核酸分子に結合し、好ましくは汚染がない上清を得ることができる。多孔性材料の表面に結合部がカップリングした該多孔性材料を用いても、試薬内の汚染を除去することができる。好ましくは、多孔性材料はフィルターとして形成され、ここで、該フィルターをシリンジと組み合わせ、1つの容器からもう1つの容器への、あるいは最終的な試料への移動の間に、試薬から非標的核酸分子および/または標的核酸分子を除去することができる。
本発明による標的核酸分子を増幅するための好ましい方法において、試薬中の該非標的核酸分子および該標的核酸分子は二本鎖核酸分子、好ましくは二本鎖DNA分子である。
本発明による標的核酸分子を増幅するためのもう1つの好ましい方法において、該核酸結合部は二本鎖核酸結合部である。
可能な二本鎖核酸結合部は、標的分子の検出に関して既に前記している。ds‐NAバインダーへの二本鎖核酸分子の結合を可能とするためには、温度はハイブリッドの融解温度未満に維持しなければならない。
本発明による標的核酸分子を増幅するためのより好ましい方法において、一本鎖核酸分子に対する該二本鎖核酸結合部の該結合親和性は、二本鎖核酸分子に対するよりも低い。
前記したように、結合親和性は、本発明を通じて非標的分子および/または標的分子に結合する結合部の能力についての定量的な尺度である。結合親和性は周囲条件、すなわち、例えば、緩衝液の組成または温度に依存し得ることに注意されたい。二本鎖核酸および一本鎖核酸の間を識別すべきds−NAバインダーの場合には、これらの2つの分子のタイプに対する結合親和性は異ならなければならない。従って、本発明の範囲内では、ds−NAバインダーおよび周囲条件の組合せを、そのような親和性の差を実現するように調整する。
定量的にds−DNAバインダーのこの親和性の差を測定する方法は、各々、同量の一本鎖および二本鎖DNA分子を含む2つの試料を提供することである。等しい反応条件下での同数のds−DNAバインダーと共に双方の試料を一定時間インキュベーションした後、試料中の一本鎖および二本鎖両DNA分子の残りの量を定量する。試料中の残りの量の比率は、一本鎖および二本鎖DNAに対するds−DNAバインダーの親和性の差である。
より一般的には、ds−DNAバインダーの親和性の差は、多数の短い一本鎖プライマー分子を含有する試薬に存在する少数の長い二本鎖核酸分子に効果的に結合する能力を供するのに十分に長くなければならない。もしds−DNAバインダーの親和性の差が十分でなければ、短い一本鎖プライマー分子は、全ての結合部を占め、長い二本鎖核酸分子は試薬中に残るであろう(実施例8参照)。
本発明による標的核酸分子を増幅するためのもう1つの好ましい方法において、該二本鎖核酸結合部の該結合親和性は、少なくとも102のファクターだけ、より好ましくは少なくとも103のファクターだけ、試薬内の二本鎖核酸含有量の低下を実現する。
二本鎖核酸含有量は、試薬中に存在する核酸分子のタイプに応じて、試薬中の二本鎖標的核酸分子の含有量および/または二本鎖非標的核酸分子の含有量を含む。
標的核酸分子を増幅するための方法のもう1つの態様によると、該二本鎖核酸結合部はポリカチオン体、副溝バインダー、インターカレーターまたは抗二本鎖核酸抗体である。
標的核酸分子を増幅するための方法の好ましい態様によると、該ポリカチオン体は核酸結合ポリアミド誘導体である。
標的核酸分子を増幅するための方法のより好ましい態様によると、該核酸結合ポリアミド誘導体は正の正味の電荷、好ましくは、モノマー当たり少なくとも0.1の正の正味の電荷、より好ましくはモノマー当たり少なくとも0.2の正の正味の電荷を有する。
前記したように、ポリカチオン体は多数の電荷を有する巨大分子である。ポリマーまたはペプチドの場合には、このポリカチオン体はある量のモノマー類を含み、各モノマーは正の電荷、負の電荷を有し、または中性である。従って、そのようなポリカチオン体は、全てのモノマー電荷の総和であるその正味の電荷によって特徴付けられる。ポリカチオン体を異なる量のモノマーユニットと比較するためには、正味の電荷をこの数のモノマーユニットに対して正規化し、量「モノマー当たりの正の正味の電荷」を供する。これらのポリカチオン体は、二本鎖および一本鎖核酸の間のある選択性を提供し、すなわち、ポリカチオン体は一本鎖核酸と比較して二本鎖核酸に対してより高い親和性を有する。理論に拘束されるものではないが、この効果は、二本鎖および一本鎖核酸の分子電荷の差に由来し得る。本発明の好ましい態様において、長い二本鎖核酸(例えば、細菌DNA)が短い一本鎖核酸(例えば、プライマー)を含有する試薬中に存在する場合、試薬中の二本鎖および一本鎖核酸の間の電荷の差に基づく選択性はより顕著でさえある。
標的核酸分子を増幅するための方法の好ましい態様によると、該副溝バインダーはジスタマイシン、ネトロプシン、メチル−イミダゾール−ポリアミド誘導体または4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)誘導体である。
標的核酸分子を増幅するための方法のもう1つの好ましい態様によると、該インターカレーターはアクリジン誘導体、好ましくはアクリフラビン誘導体またはフェナントリジニウム化合物、好ましくは臭化エチジウム誘導体である。
本発明で用いることができる前記した副溝バインダーおよびインターカレーターならびに他の分子はまた、例えば、Demeunynckら(編):DNA and RNA binders(第1&2巻,2003,Wiley-VCH,Weinheim)のテキストに記載されている。
本発明による標的核酸分子を増幅するもう1つの好ましい方法において、該二本鎖核酸結合部を共有結合を介して、または生体親和性結合、好ましくはビオチン/ストレプトアビジン結合を介して固相の該表面にカップリングさせる。
本発明による標的核酸分子を増幅するためのもう1つの好ましい方法において、ビオチン化二本鎖核酸結合部を固相のストレプトアビジンをコートした表面に結合させる。
生体親和性結合のこの標準的なシステムの使用は、ストレプトアビジンで既に機能性化したいくつかの固相材料が商業的に入手可能であるという利点を有する。例えば、ストレプトアビジン被覆Dynabeads(登録商標)M-280(Dynal Biotech S.A.,Prod. No.112.06,Oslo, Norway)またはストレプトアビジン−被覆PCRチューブ(Roche Cat.No.1741772, Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)。加えて、ビオチン基での異なる有機分子の修飾は当該分野で広く用いられている(Kessler(編):Nonradioactive Labeling and detection of biomolecules, 1992, Springer Verlag, Heidelbergのテキスト参照)。
本発明による標的核酸分子を増幅するもう1つの好ましい方法において、該方法は、さらに、以下:
f)該核酸結合部と会合した核酸分子を溶出させる工程;および
g)該溶出した核酸分子を検出する工程
を含む。
本発明によるこの好ましい方法は、汚染除去後に結合した非標的核酸分子および/または標的核酸分子を検出して、使用される試薬中の汚染、または検出手順の間に導入された汚染について知る機会を提供する。溶出された核酸分子の検出は当業者に知られた技術、例えば、PCR増幅またはある種のアレイ技術で行うことができる。
本発明による標的核酸分子を増幅するより好ましい方法において、工程f)における溶出は温度処理、イオン強度の変化、pH修正または変性試薬を含む。
結合した非標的核酸分子および/または標的核酸分子の該溶出は、温度処理、イオン強度の変化、pH修正および/または変性試薬によって行うことができる。結合部としてのds−NAバインダー、および結果としての結合した分子としての二本鎖DNAの場合には、溶出はDNAハイブリッドの変性と等しく、ここで、融解温度を超えて温度を上昇させること、またはアルカリ性pH条件が好ましい。
本発明による標的核酸分子を増幅するためのさらにもう1つの好ましい方法において、該標的核酸の増幅はPCR増幅である。
本発明による標的核酸分子を増幅するためのやはり好ましい方法において、該試薬はオリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、酵素および緩衝溶液を含む。
本発明による標的核酸分子を増幅するためのより好ましい方法において、該オリゴヌクレオチドはプライマーおよびプローブを含み、該酵素はDNA−ポリメラーゼおよびウラシル−N−グリコシラーゼ(UNG)を含む。
本発明による標的核酸分子を増幅するための方法のもう1つの態様において、該標的核酸分子の増幅は、試料の微生物学的感染についてのテストにおける核酸増幅である。
試料の微生物学的感染テストについての例は、例えば、Staphylococcus aureusまたはStreptococcus pneumoniaeのようなグラム陽性菌、および例えば、E.choliまたはEnterobacter aerogenesのようなグラム陰性菌を検出するための敗血症テストである。そのようなテストは当業者に知られており、細菌細胞を潜在的に含有する生物学的試料を得ることで出発し、細胞を溶解し、最後に増幅用に遺伝子材料を単離するいくつかの工程を含む。
本発明の他の局面は固相材料に関し、ここで、二本鎖核酸結合部は該固相材料の表面にカップリングされる。
固相材料、およびその表面にカップリングされるある数のds−NAバインダーの複合体は、本発明による固相材料および結合部の任意の組合せでもあり得る。この固相の表面は任意の形状とすることができ、従って、例えばカバースライドなどの平面状表面、例えば試験管、容器またはピペット先端などの曲面状表面、例えば磁性ビーズのような小粒子の表面、または例えばガラスフリースのような多孔性材料の表面を含む。本発明を通じて、容器は、例えばエッペンドルフキャップまたは遠心管のような単一反応容器である。固相材料としては、この固相材料の表面が該結合部に対するカップリング基を含む限り、あるいはこの固相材料の表面が該結合部のためのカップリング基で機能性化できる限り、全ての材料は本発明の範囲内であることが可能である。いくつかの場合には、結合部をカップリングすることができる前に、機能性コーティングを施した該表面を供するのが必要である。そのような機能性コーティングは、例えば、ポリマー層である。
本発明のさらにもう1つの局面は固相材料に関し、ここで、二本鎖核酸結合部は該固相材料の表面にカップリングされており、ここで、該固相材料は、容器、ビーズまたはピペット先端である。
本発明のもう1つの好ましい態様によると、該固相材料はビーズまたは多孔性材料である。
本発明による固相材料の好ましい態様において、一本鎖核酸分子への該二本鎖核酸結合部の結合親和性は、二本鎖核酸分子と比較してより低い。
本発明による固相材料のもう1つの好ましい態様において、該二本鎖核酸結合部の結合親和性は、少なくとも102のファクターだけ、好ましくは少なくとも103のファクターだけ、試薬内の二本鎖核酸含有量の低下を実現する。
本発明のもう1つの好ましい態様によると、該二本鎖核酸結合部はポリカチオン体、副溝バインダー、インターカレーターまたは抗二本鎖核酸抗体である。
本発明による固相材料のより好ましい態様によると、該ポリカチオン体は核酸結合ポリアミド誘導体である。
本発明による固相材料のなおより好ましい態様によると、該核酸結合ポリアミド誘導体は正の正味の電荷、好ましくはモノマー当たり少なくとも0.1の正の正味の電荷、より好ましくはモノマー当たり少なくとも0.2の正の正味の電荷を有する。
本発明のさらにもう1つの好ましい態様によると、該副溝バインダーはジスタマイシン、ネトロプシン、メチル−イミダゾール−ポリアミド誘導体または4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)誘導体である。
本発明のさらにもう1つの好ましい態様によると、該インターカレーターはアクリジン誘導体、好ましくはアクリフラビン誘導体またはフェナントリジニウム化合物、好ましくは臭化エチジウム誘導体である。
本発明による固相材料のもう1つの好ましい態様において、該二本鎖核酸結合部は共有結合を介して、または生体親和性結合、好ましくはビオチン/ストレプトアビジン結合を介して固相の該表面にカップリングされる。
本発明による固相材料のより好ましい態様において、ビオチン化二本鎖核酸結合部は固相のストレプトアビジン被覆表面に結合される。
本発明の他の局面は固相材料であり、ここで、ポリカチオン体またはインターカレーターは、二本鎖核酸結合部としての該固相材料の表面にカップリングされる。
本発明による固相材料の好ましい態様において、ビオチン化ポリカチオン体またはビオチン化インターカレーターは、二本鎖核酸結合部としての固相のストレプトアビジン被覆表面に結合される。
本発明のさらに別の局面は固相材料であり、ここで、生物学的区画を結合することができる結合部が該固相材料の表面にカップリングされ、該固相材料は容器又はピペット先端である。
前述の通り、生物学的区画は細胞又は細胞の集合である。細胞は、細胞膜内に一定のタンパク質又はポリマーを有するので、本発明のこの態様の結合部は、細胞又は細胞の集合を可逆的に結合するために、これらの分子構造に対して一定の親和性を有する。
本発明の生物学的区画を結合するための固相材料の好ましい態様において、前記結合部は、副溝バインダー、抗体、色素、両親媒性体又はポリカチオン体である。
本発明のこの態様について可能な結合部は、膜化合物に対する抗体又は細胞結合タンパク質、好ましくはフィブロネクチン又はそれらの結合タンパク質の機能部分を含む。膜構造と共に集合する結合部、好ましくは色素分子又は両親媒性分子もまた、可能である。さらには、副溝バインダー(MGB)が、細胞又は細胞の集合を結合するための結合部として適用可能である。色素の例は、固体表面にカップリングするために機能化されるクリスタルバイオレッド、メチレンブルー及びサフラニンOを含む。細胞膜に結合することができる両親媒性分子の例は、例えば、これもまた固体表面にカップリングするために機能化されるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、コレステロール又はラウロイル−リジンを含む。適切なMGBは、例えば、ジスタマイシン又はメチル−イミダゾール−ポリアミド誘導体である。さらに、ポリカチオン体が、細胞又は細胞の集合を結合するための結合部として使用され得る。これらのポリカチオン体、好ましくはポリカチオン性ペプチド又はポリマーは、細胞膜の複数の負電荷との静電気的相互作用により細胞を結合する。これらのポリカチオン体もまた、固体表面にカップリングするために機能化される。
本発明の生物学的区画を結合するための固相材料の別の好ましい態様において、ビオチン化結合部は、固相のストレプトアビジン被覆表面に結合される。
本発明のさらなる局面は固相材料であり、ここで、色素、両親媒性体、ポリカチオン体又は副溝バインダーが、生物学的区画に対する結合部として、該固相材料の表面にカップリングされる。該結合部がビオチン化されていること、及び該ビオチン化結合部が固相のストレプトアビジン被覆表面に結合されることが好ましい。
本発明の別の局面は固相材料に関し、ここで、二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合することができる該固相材料の表面に結合部がカップリングされる。
本発明のこの態様において、前記結合部は、二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合することができる部分である。本発明のこの態様の可能なバリアントは、細胞又は細胞の集合に特異的な結合部と二本鎖核酸分子に特異的な結合部との組合せである。従って、本発明のこの態様は、2種以上の異なる結合部と共に、または二本鎖核酸分子と生物学的区画との両方を結合することができる結合部の1つのタイプにより実現され得る。本発明のこの態様による固相材料は、細胞又は細胞の集合に、及び単一調製工程における前記試薬中に潜在的に存在する二本鎖核酸分子に基づく汚染を結合することができる。
二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合するための固相材料の好ましい態様において、該固相材料は、ビーズ、多孔性材料、容器又はピペット先端である。
二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合するための固相材料の別の好ましい態様において、2種以上の結合部が該固相材料の表面にカップリングされる。
二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合するための固相材料のさらに好ましい態様において、前記の2種以上の結合部は、副溝バインダー、インターカレーター、抗体、色素、両親媒性体又はポリカチオン体からなる群より選択される。
二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合するための固相材料のさらに別の好ましい態様において、ビオチン化結合部は、固相のストレプトアビジン被覆表面に結合される。
本発明のさらに他の局面は、試料中の標的核酸分子を増幅するのに必要な試薬中に潜在的に存在する核酸分子の増幅は回避する、試料中の標的核酸増幅のための本発明による固相材料の使用に関する。
このように、該試薬中に潜在的に存在する非標的および/または標的核酸分子の増幅を回避する、試料中の標的核酸増幅のための本発明による固相材料を用いることによって、汚染による偽陽性結果の危険性を低下させることができる。
本発明による好ましい使用において、該標的核酸増幅はPCR増幅である。
本発明によるもう1つの好ましい使用において、該標的核酸増幅は、試料の微生物学的感染についてのテストの一部である。
本発明のさらに他の局面は、標的核酸増幅を行うのに必要な試薬、および本発明による固相材料を含むキットに関する。
本発明による好ましいキットにおいて、該試薬はオリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、酵素および緩衝溶液を含む。
本発明によるより好ましいキットにおいて、該オリゴヌクレオチドはプライマーおよびプローブを含み、該酵素はDNA−ポリメラーゼおよびウラシル−N−グリコシラーゼ(UNG)を含む。
本発明によるもう1つの好ましいキットにおいて、該固相材料はピペット先端および容器を含む。
実施例1:
副溝バインダー(MGB)、ペプチドおよびインターカレーターの合成
材料
rinkアミド樹脂およびFmoc−Glu(ビオチニル−PEG)−OHはNovabiochem (Merck Biosciences AG, Laufelfingen,Switzerland)から購入した。4(Fmoc−アミノ)−1−メチルピロール−2−カルボン酸(Fmoc−Amp−OH)および4−(Fmoc−アミノ)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(Fmoc−Im−OH)はFlukaから購入し、Fmoc−Orn−OHおよびFmoc−Nva−OHはBachem(Bubendorf,Switzerland)から購入した。全ての他のアミノ酸はApplied Biosystems (Foster City, USA)から入手した。HBTUおよびHOBtはIris Biotech(Marktredwitz, Germany)からのものであった。ペプチド合成溶媒(DMF、NMP)はMerck AG(Darmstadt, Germany)から入手し、同様の全ての他の溶媒は商業的に入手可能な最高の生化学グレードのものであった。
一般的合成手順
全ての化合物は手動、あるいはFastMoc Chemistryを用いるApplied Biosystes Inc.433ペプチドシンセサイザーで組立てた。通常のカップリング反応は、特に断りのない限り、HOBt/HBTUおよびDIPEAで活性化されたFmocアミノ酸(1ミリモル)を用いて1時間で行った。Fmocの除去は、DMF中の20%ピペリジンで樹脂を2×5分処理することによって行った。三官能性アミノ酸の側鎖は以下のように保護した:Arg(Pmc)、Asn(Trt)、Asp(OtBu)、Gln(Trt)、Glu(OtBu)、Lys(Boc)、Ser(tBu)、Thr(tBu)、Trp(Boc)、Tyr(tBu)。
1. 副溝バインダー:
MGB 1
Bi−PEG−ジスタマイシン
H−Glu(ビオチニル−PEG)−Nva−Orn−Nva−Amp−Amp−Amp−Arg−NH2
0.25ミリモルのrinkアミド樹脂(0.43ミリモル/g)への最初のアルギニンへの慣用的なアンカリングおよび引き続いてのそのFmoc基の除去の後に、樹脂を順次NMP、イソプロパノールおよびNMPで洗浄した。DIPEA(DMF中2M)をFmoc−Amp−OH(2ミリモル)およびHOBt/HBTU(1:1;2ミリモル)の溶液に添加した。2分間の活性化の後、この混合物を樹脂に添加した。懸濁液を3時間震盪し、樹脂をDMFおよびイソプロパノールで徹底的に洗浄した。全ての3つのAmp−残基が配列に取り込まれるまで、この手順を3回反復した。Fmoc−基を前記したように切断し、二重カップリングを使用する通常のカップリング条件下でNva、Orn、NvaおよびGlu(ビオチニル−PEG)によってペプチド鎖を伸長させた。N−末端Fmoc−基を切断し、樹脂をDMFで洗浄した後、樹脂を、TFA、トリエチルシランおよびエタンジチオール(0.8/0.5/1.5)を含有する(100mgの樹脂当たり)2.8mlの混合物で切断した。樹脂を濾去し、溶出物に対して300mlの冷ジイソプロピルエーテルによってペプチドを沈殿させた。沈殿をエーテルで洗浄し、真空中で乾燥し、vydac polygosilでの分取用HPLC精製のために酢酸/水(1/5)に溶解させた。
LC−ESI−MS: m/z=1410.12[M+H]+; C64H104N20O14Sの計算値Mr=1409.59Da
MGB 2
Bi−PEG−ジスタマイシン(Argを含まず)
H−Glu(ビオチニル−PEG)−Nva−Orn−Nva‐Amp−Amp−Amp−NH2
この物質は、Fmoc−Arg(Pmc)を最初のアミノ酸として樹脂にカップリングしなかった以外はMGB 1につき記載したように手順に従って合成した。
LC−ESI−MS:m/z=1253,74[M+H]+; C58H92N16O13Sの計算値、Mr=1253,51Da。
MGB 3
Bi−PEG−イミダゾール−誘導体
H−Glu(ビオチニル−PEG)−Nva−Orn−Nva−Im−Im−Im−Arg−NH2
この物質は、Fmoc−Amp−OHを4−(Fmoc−アミノ)―1−メチル−1H −イミダゾール−2−カルボン酸(Fmoc−Im−OH)によって置き換える以外は、Bi−PEG−ジスタマイシンにつき記載した手順に従って合成した。
樹脂からの切断は、TFA、水、チオアニソール、エタンジチオール(1/0.05/0.05/0.1)を含有する(100mgの樹脂当たり)1.2mlの混合物で達成した。仕上げ処理および精製は前記したように行った。
LC−ESI−MS: m/z=1412.86[M+H]+; C61H101N23O14Sの計算値、Mr=1411.9Da
MGB 4
Bi−PEG−イミダゾール−誘導体(短)
H−Glu(ビオチニル−PEG)−Im−Im−Im−Arg−NH2
この物質は、Fmoc−Glu(ビオチミル−PEG)−OHを直接Imにカップリングさせた以外はMGB 3につき記載した手順に従って合成した。
LC−ESI−MS: m/z=1100,5[M+H]+; C46H73N19O11Sの計算値、Mr=1100.20Da
2.ペプチド:
合成は前記した一般的な手順に従って行った。樹脂からの切断はイミダゾールジスタマイシン化合物について記載したように達成し、物質は分取用HPLCによって精製した。
ペプチド1
H−Glu(ビオチニル−PEG)−QGRVEVLYRGSWGTVA−NH2
LC−ESI−MS: m/z=1168.06[M+2H]2+; C104H168N30O29Sの計算値、Mr=2334.1Da
ペプチド2
H−Glu(ビオチニル−PEG)−IGAVLKVLTTGLPALISWIKRKRQQ−NH2
LC−ESI−MS: m/z=1116.58[M+3H]3+; C154H269N43O37Sの計算値、Mr=3346.7Da
ペプチド3
Bi−ZU−KKNKRNTNRRPQDVKFPGGGQIVGGVYLLPRRGPRLGVRA−NH2
LC−ESI−MS: m/z=696.6[M+7H]7+; Mr=4869.2Da
ペプチド4
Bi−XUZU−KKNKRNTNRPPQDVKFPGGGQIVGGVYLLPRRGPRLGVRATRKTS−NH2
Mr=5639.8Da
ペプチド5
Bi−XUZU−PWPLYGNEGLGWAGWLLSPRGSRPSWGPTDPRRRSR−NH2
Mr=4728.8Da
ペプチド6
Bi−XUUUU−QPGPPSEKAWQPGWT−NH2
Mr=2303.6Da
ペプチド7
BXUZU−GGGGDDLGANDELISFKDEGEQEEK(Amid)
Mr=3219.44g/mol
ペプチド8
H−Glu(ビオチニル−PEG)−(Arg−Gly)5−NH2
LC−ESI−MS: m/z=411.39[M+4H]4+; C65H121N31O17Sの計算値、Mr=1640.9Da
ペプチド9
H−Glu(ビオチニル−PEG)−(Arg−Gly)15−NH2
LC−ESI−MS: m/z=755.8[M+5H]5+; C145H271N81O37Sの計算値、Mr=3773.3Da
ペプチド10
H−Glu(ビオチニル−PEG)−(Lys−Gly)5−NH2
LC−ESI−MS: m/z=501.51[M+3H]3+; C65H121N21O17Sの計算値、Mr=1501.4Da
ペプチド11
H−Glu(ビオチニル−PEG)−(Lys−Gly)15−NH2
LC−ESI−MS: m/z=839.43[M+4H]4+; C145H271N51O37Sの計算値、Mr=3354.6Da
ペプチド12
H−Glu(ビオチニル−PEG)−(Arg)20−NH2
LC−ESI−MS: m/z=617.61[M+6H]6+; C145H286N86O27Sの計算値、Mr=3699.5Da
-略語
アミノ酸およびペプチドの命名法はIUPAC−IBU生化学命名委員会(Europ.J.Biochem.138(1984)9−37)の提唱に従う。
ABI Applied Biosystems
Amp アミノメチルピロール−2−カルボン酸
Boc tert−ブチルオキシカルボニル
Da ダルトン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
ESI−MS 電子スプレイイオン化質量分析
Fmoc フルオレニル−9−メチルオキシカルボニル
HBTU 2(1H−ベンゾトリアゾール−1イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
Im アミノメチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸
MS 質量分析
NMP N−メチルピロリジン
OtBu O−tert−ブチル
PEG ポリエチレングリコール
Pmc 2,2,5,7,8−ペンチルメチルクロマン−6−スルフォニル
TFA トリフルオロ酢酸
Trt トリフェニルメチル(トリチル)
3.インターカレーター:
アクリフラビン−ビオチンコンジュゲート:2,7−ビス(アミノ)−9−(ビオチニルアミドエチルアミノ)アクリジン
Figure 2006055166
Toront Reseach Chemicals, North York, Canada; Cat.Nr.:A191100; Mr=493.64 Da(C25H31N7O2S)
実施例2:
数個のビオチニル化ds DNA−バインダー(実施例1)を、以下の手順に従って、ストレプトアビジン被覆Dynabeads(登録商標)M−280 (Dynal Biotech S.A., Prod. No.112.06, Oslo, Norway;ビオチンに対する結合能:650ピコモル/mg; これらの実施例を通じてSA−磁性ビーズ)に固定化した。
200μl(2mg)の再懸濁化Dynabeads(登録商標)M-280をPPチューブに移した。該チューブを1〜2分間磁石上に置いた。上清を除去した後、ビーズを500μlの洗浄&結合緩衝液(5mMトリス−HCl pH7.5;0.5mM EDTA;1.0M NaCl)で2回洗浄した。然る後、200μlの洗浄&結合緩衝液および2μl(2000ピコモル)のビオチニル化dsDNA−バインダー(c=1000ピコモル/μl)を添加し、エッペンドルフサーモミキサーコンフォートにて室温で60分間インキュベートした。磁石を供することによって、上清を誘導体化ビーズから除去し、次いで、ビーズを500μlの洗浄&結合緩衝液で5回洗浄した。誘導体化ビーズを使用するまで洗浄&結合緩衝液中で保存した(最終濃度:1mg誘導体化ビーズ/100μlの洗浄&結合緩衝液)。
実施例3:
以下の手順に従って、副溝バインダーMGB1、MGB3およびペプチド3(実施例1)をストレプトアビジン被覆Dynabeads(登録商標)M−280(Dynal Prod.No.112.06, Oslo, Norway; ビオチンに対する結合能:650ピコモル/mg;これらの実施例を通じてSA−磁性ビーズ)に固定化した。
200μlの再懸濁したDynabeads(登録商標)M−280をPPチューブに移した。該チューブを1〜2分間磁石上に置いた。上清を除去した後、ビーズを200μlの洗浄&結合緩衝液(5mMトリス−HCl pH7.5;0.5mMEDTA;1.0M NaCl)で2回洗浄した。しかる後、200μlの洗浄&結合緩衝液および20μl(20マイクロモル)のビオチニル化ds DNA−バインダーを添加し、エッペンドルフサーモミキサーにて室温で60分間インキュベートした。磁石を供することによって、上清を誘導体化ビーズから除去し、次いで、ビーズを200μlの洗浄&結合緩衝液で3〜4回洗浄した。誘導体化ビーズを使用するまで洗浄&結合緩衝液中に保存した(最終濃度:1mg誘導体化ビーズ/100μlの洗浄&結合緩衝液)。
実施例4:
副溝バインダーMGB1、MGB 3 およびペプチド3(図1および図2)を、以下の手順に従って、ストレプトアビジン−被覆PCRチューブ(Roche Cat. No.1741772、Roche Diagnostics GmbH, Mannheim;ビオチンに対する結合能: 61.5ピコモル/200μlチューブ)に固定化した。
該チューブを緩衝液(50mMトリス−HCl pH8.1; LC敗血症キット、Id.nr.04493613, Roche Diagnostics GmbH, Germany)で2回洗浄し、次いで、195μlの緩衝液および5μlのビオチニル化ds−NAバインダー(10mMトリス中、pH8.0; c=1000ピコモル/μl)を添加した。37℃にて20分間インキュベートした後(水浴)、上清をピペットで注意深く除去し、チューブを緩衝液で3〜4回洗浄した。
実施例5:
この実験では、数個の副溝バインダー/SA-磁性ビーズ複合体での細菌DNA(Staphylococcus epidermidis)からの汚染除去を行った。
各実験では、50μl(0.5mg)のMGB/SA−磁性ビーズ複合体(実施例2参照)を滅菌したシリコーン処理したチューブに移し、250μlの緩衝液(10mMトリス−HCl pH8.0)で約4回洗浄し、上清を完全に除去した。しかる後、40μlのStaphylococcus epidermidis DNA希釈物(LC敗血症テストからのDNA標準、Roche Identnr.:04493613)を各チューブに加えた。室温でのインキュベーションの間、チューブを60分間混合した。上清をLight Cycler 1.2でのPCRによって分析した。標準曲線は、50mMトリス−HCl緩衝液pH8.1中の細菌DNA(Staphyloccocus epidermidisストック溶液; c=105cp/10μl)の1:10希釈系列によって得られた。
以下のサイクル条件:10分間の95℃における変性、蛍光測定での15秒間の50℃、10秒間の72℃および10秒間の95℃のプロフィールを含む45サイクルにて、Light Cycler StaphylococcusキットMgrade(Roche Cat.No.3 376 419, Roche Diagnostic GmbH, Mannheim)を用い、定量反応をLight Cyclerバージョン1.2で行った。サイクルに続き、40℃まで迅速に冷却し、次いで、連続蛍光測定を用いて0.1℃/分の勾配速度にて温度を95℃まで上昇させることによって、融解分析を直ちに行った。
この実験の結果を図3にまとめる。実験においては、1.7×104cpが汚染除去された。結論として、汚染除去効率はペプチド6および7を除いて全てのバインダーについて103〜104の範囲にある。
実施例6:
数個のds DNA−バインダー分子の汚染除去効率をLight Cycler Control Kit DNA(Roche Cat.No.2158833, Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)、Light Cycler DNA Master Hybridization Probes(Roche Cat.No.2 015 102, Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)およびLightCycler 1.2 装置(Roche Cat.No 2 011 468; ソフトウエアバージョンLC 3.5)を用いて評価した。
各汚染除去実験では、60μlのhg DNA(Light Cycler Control Kit DNAからの対照反応についての鋳型(β−グロビン遺伝子の110bp断片))含有溶液を、0.5mgのds DNAバインダー/SA-磁性ビーズ複合体(実施例2におけるのと同一の調製物)で汚染除去した。10mMトリスpH8.0中のキットからのhg DNA鋳型の1:10希釈系列によって標準曲線を得た。
エッペンドルフサーモミキサーコンフォートでの室温における60分間のインキュベーションの後、キット取扱説明書に従って上清をPCRによって分析した。
定量はLight Cycler装置で行い、アッセイは、キット取扱説明書の手順に従い、以下のサイクル条件:30秒間の95℃における変性、次いで、蛍光測定を伴う10秒間の55℃、5秒間の72℃、および0秒間の95℃のプロフィールを含む45サイクル、および20℃/秒の勾配速度での40℃までの最終冷却を用いて行った。標準曲線はキットからのhg DNAの希釈系列で見積もった。
本実験の結果を図4にまとめる。実験においては、1.2×104cpを汚染除去した。結論として、汚染除去効率は、ペプチド6および7を除き、全てのバインダーにつき102〜104の範囲である。
実施例7:
3つのds−NA(MGB1、MGB3およびペプチド3)バインダーの汚染除去効率は、Parvovirus B19 Quantification Kit (Roche Cat.No.3 246 809, Roche Diagnostics GmbH, Germany)およびLightCycler 1.2装置(Roche Cat.No.2011468, Roche Diagnostics GmbH, Germany; ソフトウェアバージョンLC 3.5)を用いて評価した。
各汚染除去実験では、10μl(0.1mg)の実施例3からのds−NAバインダー/SA−磁性ビーズ複合体をPPチューブに移し、10mMトリス、pH8.0で2回洗浄した。上清の除去の後、20μlのプラスミドDNA(Parvovirus B19 Quantification Kit Roche Cat.No.3 246 809からのパルボウイルスDNA標準,Roche Diagnostics GmbH, Germany)含有溶液を添加した。ミキサー(Thermomixer Comfort, Cat.no. 5350000.013, Eppendorf, Germany)での室温における60分間のインキュベーションの後、キット取扱説明書に従い、上清をPCRによって分析した。
定量はLight Cycler装置で行い、アッセイは、内部対照なしでキット取扱説明書の手順に従い、以下のサイクル条件:10分間の95℃における変性、次いで、蛍光測定を伴う15秒間の60℃、10秒間の72℃および10秒間の95℃のプロフィールを含む45サイクル、および20℃/秒の勾配速度での40℃までの最終冷却を用いて行った。標準曲線は、キットからのDNA標準で見積もった。
これらの汚染除去実験の増幅曲線を図5にまとめる。結論として以下の汚染除去効率が得られた:(MGB1については)4×102、(MGB3については)2.6×102および(ペプチド3については)1.6×103
Figure 2006055166
実施例8:
以下の実験を行って、二本鎖および一本鎖オリゴヌクレオチドに対する3つの異なるds−NAバインダー(MGB1、MGB3およびペプチド3)の選択性を時間依存的に評価した。
2つの一本鎖オリゴヌクレオチド溶液(5’−CCC ATC CCC AAA AAC ACA AAC CAC A PO4-3’; 10mMトリスpH8.0中、c=14,189 OD/ml[49.9mμM])、1つはプラスミドDNA(Light Cycler Parvovirus B19 Quantification Kit, Roche Cat.No.3 246 809からのパルボウイルスDNA標準, Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)を含み、1つはそれを含まないもの、の双方を、ds−NAバインダー/SA−磁性ビーズ複合体(実施例3からのもの)で時間依存的に汚染除去した。UV−吸収(UVIKON 931分光光度計、Kontron, Germany)によって、上清中のオリゴヌクレオチド濃度を1、6および48時間後に測定し、加えて、プラスミドDNAを含有する溶液の場合には、汚染除去効率は先の実施例に記載したようにPCRによって評価した。比較のため、緩衝液(TBE緩衝液:10mMトリス−HCl pH8.0)中のプラスミドDNAのみの溶液を汚染除去し、同様にPCRによって定量した。
パルボウイルスB19プラスミド標準DNA(c=5×105cp/μl)を、一本鎖オリゴヌクレオチド溶液の1つに添加した(比率:1:4(v/v))。図6および7の各実験では、洗浄&結合緩衝液中の100μl(1mg)のBi−PEG−ジスタマイシン/SA−磁性ビーズ複合体を、シリコーン処理した滅菌PPチューブに移し、10mMトリス、pH8.0で2回洗浄し、上清を完全に除去した。しかる後、200μlの双方のオリゴヌクレオチド溶液を、ビーズを含有する2つの異なるチューブに添加し、1、6および48時間後にオリゴ溶液の吸光度を測定して(λ=260nm)、上清中の濃度を決定した。加えて、一本鎖オリゴヌクレオチドを含むおよび含まないプラスミドDNA含有溶液を、全ての3つのds−NAバインダーを用いて、先の実験に記載したようにLight Cycler 1.2にてPCRによって分析した(図7)。
この実験の結果を図6および7にまとめる。吸収実験(図6)から、ssオリゴヌクレオチドの存在下におけるBi−PEG−ジスタマイチン/SA−磁性ビーズのds DNA結合選択性が供されるのが理解できる。大量の一本鎖オリゴヌクレオチドの存在下においてさえ、ds DNA分子は試料から効果的に除去される。該LightCycler定量(図7)は、ビオチニル化ペプチド3をds−NAバインダーとして用いる場合、ssオリゴヌクレオチドの存在下におけるds DNAの時間依存的選択的結合が最良であることを示す。
実施例9:
本実験においては、Bi−PEG−ジスタマイシン/SA−磁性ビーズ複合体での細菌DNA(LC敗血症キット、Id.nr.04493613, Roche Diagnostics GmbH, GermanyからのStreptoccocus pneumonia DNA)からの汚染除去を行い、引き続いて、結合したDNAをビーズから溶出させた。
各実験では、(実施例3からの)10μl(0.1mg)のBi−PEG−ジスタマイシン/SA−磁性ビーズ複合体を、滅菌されたシリコーン処理チューブに移し、緩衝液(50mMトリス−HCl pH8.1)で二回洗浄し、20μlの同一緩衝液に再懸濁させた。標準曲線は、50mMトリス−HCl緩衝液pH8.1中の細菌DNA(Streptoccocus pneumoniaストック溶液;c=106cp/μl)の1:10希釈系列によって得られた。
然る後、20μlのStreptoccocus pneumonia DNA希釈を各チューブに添加した。室温でのインキュベーションの間に、チューブを60分間混合した。上清をLight Cycler 1.2でのPCRによって分析した。定量反応は、以下のサイクル条件:10分間の95℃における変性、次いで、蛍光測定を伴う25秒間の60℃、40秒間の72℃、および20秒間の90℃のプロフィールを含む45サイクルにて、Light Cycler Sepsis Kit(Id.nr.04493613, Roche Diagnostics GmbH, Germany)を用いてLight Cycler バージョン1:2(Cat.No.2011468, Roche Diagnostics GmbH, Germany; ソフトウェアバージョンLC 3.5)で行った。サイクルに続き、40℃へ迅速冷却し、次いで、連続的蛍光測定を用いて0.1℃/分の勾配速度にて95℃まで温度を上昇させることによって、融解分析を直ちに行った。
上清の除去の後、(Bi−PEG−ジスタマイシン/SA−磁性ビーズ複合体を含有する)各チューブを(敗血症キットからの)PCR−水で二回洗浄した。次いで、40μlの10mMのNaOHを添加し、チューブをミキサー(Thermomixer Comfort,Cat.no. 5350000.013,Eppendorf Germany)にて室温で60分間インキュベートした。ビーズから溶出したDNAを含有する上清をPCRによって分析した。
本実験の増幅曲線を図8にまとめるが、これは、細菌DNAに向けての汚染除去効率を示す。汚染除去の後、上清は17cp/μlを含有し、他方、ビーズからの結合した分子の引き続いての溶出の後、上清は340cp/μlと多くを含有した。
Figure 2006055166
実施例10:
本実験では、Bi−PEG−ジスタマイシン/SA−被覆チューブ中の細菌DNA(LC敗血症キット、Id.nr04493613, Roche Diagnostics GmbH, GermanyからのStreptoccocus pneumonia DNA)の汚染除去を行い、引き続いて、結合したDNAをチューブから溶出させた。
緩衝液(TBE緩衝液:50mMトリス−HCl pH8.1)中のStreptoccocus pneumonia DNA(Streptoccocus pneumoniaストック溶液;c=106cp/μl)の溶液を調製した(比率1:1(v/v)。標準曲線を、50mMトリス−HCl緩衝液pH8.1中の細菌DNAの1:10希釈系列によって得た。
40μlの調製された溶液を各チューブ(実施例4からのBi−PEG−ジスタマイシン/SA−被覆チューブ複合体)に添加し、ミキサー(Thermomixer Comfort, Cat.no.5350000.013, Eppendorf, Germany)にて室温で60分間インキュベートした。上清は、Light Cycler Sepsis Kitを用い、Light Cycler 1.2(Cat.No.2011468, Roche Diagnostics GmbH, Germany; ソフトウェアバージョンLC 3.5)にてPCRによって分析し、他方、定量反応は以下のサイクル条件:10分間の95℃における変性、次いで、蛍光測定を伴う25秒間の60℃、40秒間の72℃、および20秒間の95℃のプロフィールを含む45サイクルにて行った。サイクルに続き、40℃まで迅速に冷却し、次いで、連続蛍光測定を用いて0.1℃/分の勾配速度にて95℃まで温度を上昇させることによって、融解分析を直ちに行った。
上清の除去の後、各チューブを(敗血症キットからの)PCR−水で二回洗浄した。次いで、40μlの10mM NaOHを添加し、チューブをミキサーにて室温で60分間インキュベートした。チューブから溶出したDNAを含有する上清を、PCRによって適宜分析した。
本実験の増幅曲線を図9にまとめるが、これは、細菌DNAに向けてのチューブの汚染除去効率を示す。汚染除去の後、上清は検出可能な分子を全く含まず、他方、チューブからの結合した分子の引き続いての溶出の後、上清は38cp/μlと多くを含んでいた。
Figure 2006055166
実施例11:
本実験において、複数の細菌バインダー/SA-磁性ビーズ複合体を用いた細菌(Staphylococcus epidermidis)からの汚染除去を行った。
各実験について、50μl(0.5mg)の細菌バインダー/SA-磁性ビーズ複合体(ストレプトアビジン被覆Dynabeads(登録商標)上のビオチン化バインダーの固定については実施例2を参照)を滅菌及びシリコーン処理されたチューブ内に移し、250μlのバッファー(10mM Tris-HCl pH8.0)で約4回洗浄し、上清を完全に除去した。その後、40μlのStaphylococcus epidermidis細菌希釈液を各チューブへ添加した。室温でのインキュベーションの間、チューブを60分間混合した。上清をLight Cycler 1.2(Roche Diagnostics GmbH, Germany;ソフトウェア バージョンLC 3.5)上でPCRにより解析した。10mM Tris-HClバッファーpH8.0中の細菌ストック溶液(Staphylococcus epidermidisストック溶液;c=9・103DNA当量コピー/10μl)の1:10希釈系列により標準曲線を得た。
Light Cycler Version 1.2上で、Light Cycler Staphylococcus Kit Mgrade(Roche Cat.No.3 376 419, Roche Diagnostics GmbH, Germany)を用い、以下の条件で定量反応を行った:95℃で10分間変性、次に以下のプロフィールでそれぞれ45サイクルの増幅:蛍光測定したまま50℃で15秒間、72℃で10秒間および95℃で10秒間。増幅反応の後、40℃まで急冷し、次に0.1℃/minの勾配速度で95℃まで温度を上昇させることにより、連続蛍光測定を用いて即時溶解解析を行った。
本実験の結果を図10にまとめる。実験において、約3.4・103及び4.5・104コピーの細菌が除去された。結論として、103の範囲までの汚染除去効率によりインタクトな細菌を激減させることができ、他方、副溝バインダー及びプラスに荷電したペプチドが最も好ましく働き、マイナスに荷電したペプチドは全く機能しなかった。
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ビオチニル化ds−NAバインダー(MGB)。 ds−NAバインダー(MGB、ペプチド&インターカレーター)の特徴付け。 PCR増幅によって測定された、Dynabeads(登録商標)にカップリングしたds−NAバインダーを用いる細菌DNAからの汚染除去効率。 PCR増幅によって測定されたDynabeads(登録商標)にカップリングしたds−NAバインダーを用いるhg DNAからの汚染除去効率。 PCR増幅によって測定されたDynabeads(登録商標)にカップリングした3つのds−NAバインダーを用いるプラスミドDNAからの汚染除去効率。 UV−吸収を用いる時間依存的な二本鎖および一本鎖オリゴヌクレオチドに対するBi−PEG−ジスタマイシン/SA−磁性ビーズ複合体の選択性評価。 PCR増幅を用いる時間依存的な二本鎖および一本鎖オリゴヌクレオチドに対する3つのds−NAバインダーの選択性評価。 Bi−PEG−ジスタマイシン/SA−磁性ビーズ複合体を用いる細菌DNAからの溶液の汚染除去およびPCR増幅による定量。 Bi−PEG−ジスタマイシン/SA−被覆チューブを用いる細菌DNAからの溶液の汚染除去およびPCR増幅による定量。 PCR増幅により決定された、複数の細菌バインダー/SA-磁性ビーズ複合体を用いた二つの細菌濃度に関する汚染除去効率。

Claims (23)

  1. 試料中の生物学的分子を検出するために必要な試薬中に潜在的に存在する生物学的分子の検出は回避する、試料中の生物学的分子の検出方法であって、
    a)生物学的分子を潜在的に含む試料を提供する工程、
    b)固相の表面にカップリングされた結合部を提供する工程、
    c)生物学的分子を検出するために必要な試薬を提供する工程、
    d)試料へ試薬を添加する工程、
    e)試料中の生物学的分子を検出する工程、
    を含み、工程c)において、又は工程d)において、又は工程c)及びd)において、試薬中に潜在的に存在する生物学的分子が固相の表面にカップリングされた結合部へ結合する条件下で試薬が結合部と物理的に接触している、方法。
  2. 固相の表面が、容器の内側表面又はピペット先端の内側表面である請求項1記載の方法。
  3. 固相の表面が、ビーズの表面又は多孔性材料の表面である請求項1記載の方法。
  4. 結合部の結合親和性が、少なくとも10のファクターで、試薬中における生物学的分子の含有量の減少を実現する請求項1〜3いずれか記載の方法。
  5. 結合部が、二本鎖核酸分子を結合することができる部分である請求項1〜4いずれか記載の方法。
  6. 結合部が、生物学的区画を結合することができる部分である請求項1〜4いずれか記載の方法。
  7. 結合部が、二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合することができる部分である請求項1〜4いずれか記載の方法。
  8. a)標的核酸分子を潜在的に含む試料を提供する工程、
    b)固相の表面にカップリングされた核酸結合部を提供する工程、
    c)標的核酸分子を増幅するために必要な試薬を提供する工程、
    d)試料へ試薬を添加する工程、
    e)試料中の標的核酸分子を増幅する工程、
    を含む、標的核酸分子の増幅方法であって、工程c)において、又は工程d)において、又は工程c)及びd)において、試薬中に潜在的に存在する核酸分子が固相の表面にカップリングされた核酸結合部へ結合する条件下で試薬が核酸結合部と物理的に接触している、方法。
  9. 固相の表面が、容器の内側表面又はピペット先端の内側表面である請求項8記載の方法。
  10. 固相の表面が、ビーズの表面又は多孔性材料の表面である請求項8記載の方法。
  11. 核酸結合部が、二本鎖核酸結合部である請求項8〜10いずれか記載の方法。
  12. 標的核酸分子の増幅が、試料の微生物学的感染についての試験における核酸増幅である請求項8〜11いずれか記載の方法。
  13. 固相材料であって、二本鎖核酸結合部が該固相材料の表面にカップリングされ、容器、ビーズ、又はピペット先端である固相材料。
  14. 固相材料であって、ポリカチオン体、又はインターカレーターが二本鎖核酸結合部として該固相材料の表面にカップリングされた固相材料。
  15. 固相材料であって、生物学的区間を結合することができる結合部が、該固相材料の表面にカップリングされ、容器、又はピペット先端である固相材料。
  16. 結合部が、副溝バインダー、抗体、色素、両親媒性体、又はポリカチオン体である請求項15記載の固相材料。
  17. 固相材料であって、色素、両親媒性体、ポリカチオン体、又は副溝バインダーが、生物学的区画のための結合部として該固相材料の表面にカップリングされた固相材料。
  18. 固相材料であって、二本鎖核酸分子及び生物学的区画を結合することができる結合部が、該固相材料の表面にカップリングされた固相材料。
  19. ビーズ、多孔性材料、容器、又はピペット先端である請求項18記載の固相材料。
  20. 2種以上の結合部が該固相材料の表面にカップリングされた、請求項18又は19記載の固相材料。
  21. 試料中の標的核酸分子を増幅するために必要な試薬中に潜在的に存在する核酸分子の増幅は回避する、試料中における標的核酸増幅のための請求項13〜20いずれか記載の固相材料の使用。
  22. 標的核酸増幅が、試料の微生物学的感染についての試験の一部である請求項21記載の使用。
  23. 標的核酸増幅を行うために必要な試薬及び請求項13〜20いずれか記載の固相材料を含むキット。
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