JP2006054740A - パルス幅変調信号の生成方法、パルス幅変調信号の生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1及び第2変調モードを安易な構成で実現する。
【解決手段】三角波データと被変調波データに基づいて、第1パルス幅変調信号を得る第1変調モードは、鋸波データに基づいて、鋸波の1周期おきに、三角波の下降時の傾きを二値化した三角波下降データを得る第1ステップと、三角波下降データと被変調波データとの一致を求める第2ステップと、三角波下降データを得る周期において、三角波下降データと被変調波データとが一致したときの鋸波データの値を求める第3ステップと、三角波下降データを得ない周期において鋸波データが被変調波データと一致したときの値と、第3ステップで求めた鋸波データの値とに基づいて、第1パルス幅変調信号を生成する第4ステップと、で実行される。
【選択図】 図3
【解決手段】三角波データと被変調波データに基づいて、第1パルス幅変調信号を得る第1変調モードは、鋸波データに基づいて、鋸波の1周期おきに、三角波の下降時の傾きを二値化した三角波下降データを得る第1ステップと、三角波下降データと被変調波データとの一致を求める第2ステップと、三角波下降データを得る周期において、三角波下降データと被変調波データとが一致したときの鋸波データの値を求める第3ステップと、三角波下降データを得ない周期において鋸波データが被変調波データと一致したときの値と、第3ステップで求めた鋸波データの値とに基づいて、第1パルス幅変調信号を生成する第4ステップと、で実行される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えばエアコンのコンプレッサをインバータ制御するのに好適な、パルス幅変調信号の生成方法、パルス幅変調信号の生成装置に関する。
エアコンには、商用交流(50Hzまたは60Hz)でコンプレッサを運転する一定速エアコンと、周波数を自由に変化させることによりコンプレッサの回転数を変化させて運転するインバータ・エアコンとがある。前者の一定速エアコンは、コンプレッサの回転数を変えることができないため、当該コンプレッサの運転と運転停止とを交互に行うことによって、室内温度をコントロールしている。これに対し、後者のインバータ・エアコンは、コンプレッサの回転数を自由に変えることができるため、冷房能力または暖房能力を変化させて、温度変化の少ない室温のコントロールができる。尚、後者のインバータ・エアコンには、ACモータを使用するコンプレッサ、または、DCモータを使用するコンプレッサの何れかが適用される。ここで、インバータ・エアコンにおいて、コンプレッサを構成するACモータの回転数を制御することを「ACインバータ制御」といい、一方、コンプレッサを構成するDCモータの回転数を制御することを「DCインバータ制御」という。
ACモータで構成されるコンプレッサを有するインバータ・エアコンの場合、コンプレッサの前段に設けたインバータ回路に対して、ACモータコイルに現れる電圧がリアクトルに基づくフィルタ特性で正弦波電圧となるようなPWM信号(1周期の中で、正弦波電圧のレベルに応じてPWMデューティが変化するPWM信号)を入力する。特に、ACモータは三相誘導モータであるため、上記のPWM信号は各相ごとに120度の位相差をもってインバータ回路に供給される。上記のPWM信号の周波数を変えることにより、コンプレッサの回転数を制御することができる。
一方、DCモータで構成されるコンプレッサを有するインバータ・エアコンの場合、コンプレッサの前段に設けたインバータ回路に対して、DCモータの回転数に応じたデューティ比のPWM信号を入力する。このPWM信号は、DCモータの回転数が高いほど、オンデューティが広くなり、DCモータの回転数が低いほど、オンデューティが狭くなる信号である。つまり、上記のPWM信号のデューティを変えることにより、コンプレッサの回転数を制御することができる。
特開平11−125454号公報
ACインバータ制御で使用するPWM信号は、一般に、所定の傾きで上昇/下降する一定振幅の三角波を用いて、予め用意された被変調波(例えば正弦波信号)をパルス幅変調することにより得ることができる。一方、DCインバータ制御で使用するPWM信号は、所定の傾きで上昇した後に垂直に下降する鋸波を用いて、予め用意された被変調波(例えば所定レベルの直流信号)をパルス幅変調することにより得ることができる。
ところで、ACインバータ制御やDCインバータ制御は、マイクロコンピュータを用いた演算処理(ソフト処理)によって実行することが可能である。この場合、ACインバータ制御で使用する三角波を二値化した三角波データは、アップダウンカウンタで生成することとなる。即ち、アップダウンカウンタのカウント値(バイナリ値)が三角波の振幅方向のレベルを表し、アップダウンカウンタのカウント速度が三角波の周波数を表す。また、DCインバータ制御で使用する鋸波を二値化した鋸波データは、アップカウンタで生成することとなる。即ち、アップカウンタのカウント値が鋸波の振幅方向のレベルを表し、アップカウンタのカウント速度が鋸波の周波数を表す。
また、ACインバータ制御とDCインバータ制御を、マイクロコンピュータを用いて行う場合、当該マイクロコンピュータがACおよびDCの双方のインバータ制御の機能を備えていれば、汎用性の点からも好ましい。しかしながら、マイクロコンピュータの同一チップ上において、ACインバータ制御用のアップダウンカウンタ(ハードウエア)と、DCインバータ制御用のアップカウンタ(ハードウエア)とを形成した場合、アップダウンカウンタの構成素子数がアップカウンタの構成素子数に比べて多いため、マイクロコンピュータのチップ面積が大きくなってコストアップする問題があった。
そこで、本発明は、マイクロコンピュータのチップ面積が大きくなるのを防止すべく、鋸波データを用いてACインバータ制御(第1変調モード)とDCインバータ制御(第2変調モード)をともに実行できる、パルス幅変調信号の生成方法およびパルス幅変調信号の生成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための主たる発明は、上昇時と下降時の傾きの割合が等しい一定振幅の三角波を二値化した三角波データと、被変調波を二値化した被変調波データとに基づいて、第1パルス幅変調信号を得る第1変調モードと、上昇時の傾きの割合が前記三角波の上昇時の傾きの割合であるとともに、下降時の傾きが垂直である一定振幅の鋸波を二値化した鋸波データと、被変調波を二値化した被変調波データとに基づいて、第2パルス幅変調信号を得る第2変調モードと、を選択的に実行可能な装置のためのパルス幅変調信号の生成方法であって、前記第1変調モードは、前記鋸波データに基づいて、前記鋸波の1周期おきに、前記三角波の下降時の傾きを二値化した三角波下降データを得る第1ステップと、前記三角波下降データと前記被変調波データとの一致を求める第2ステップと、前記三角波下降データを得る周期において、前記三角波下降データと前記被変調波データとが一致したときの前記鋸波データの値を求める第3ステップと、前記三角波下降データを得ない周期において前記鋸波データが前記被変調波データと一致したときの値と、前記第3ステップで求めた前記鋸波データの値とに基づいて、前記第1パルス幅変調信号を生成する第4ステップと、で実行されることを特徴とする。
本発明によれば、鋸波データを用いて第1変調モードと第2変調モードをともに実行することが可能となる。例えば、マイクロコンピュータに両モードを実行するための機能を設けた場合、チップ面積が大きくなったり、これに伴ってコストアップする問題を解決することが可能となる。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
図1乃至図6を参照しつつ、本発明のパルス幅変調信号の生成方法およびパルス幅変調信号の生成装置について説明する。尚、本発明で生成されたパルス幅変調信号は、例えばエアコンのコンプレッサを構成するACモータまたはDCモータに対して回転制御用信号として供給されるものとして説明する。
===全体構成===
図1を参照しつつ、本発明を適用する全体構成について説明する。図1は、本発明で生成されたパルス幅変調信号(PWM信号)が適用される全体構成を示す回路ブロック図である。
図1を参照しつつ、本発明を適用する全体構成について説明する。図1は、本発明で生成されたパルス幅変調信号(PWM信号)が適用される全体構成を示す回路ブロック図である。
先ず、U相コイル2、V相コイル4、W相コイル6は、エアコンのコンプレッサ用モータに設けられる三相コイルである。これらのU相コイル2、V相コイル4、W相コイル6は、各一端が共通接続されるとともに、ステータに対して電気角120度の位相差を持って取り付けられている。
インバータ回路12は、U相コイル2、V相コイル4、W相コイル6に対して、PWM信号に基づくパルス電圧を印加するものである。このインバータ回路12は、U相用のソーストランジスタ8Uおよびシンクトランジスタ10Uと、V相用のソーストランジスタ8Vおよびシンクトランジスタ10Vと、W相用のソーストランジスタ8Wおよびシンクトランジスタ10Wとからなるものである。インバータ回路12を構成するトランジスタは、本実施の形態では例えばNPN型のバイポーラトランジスタであることとする。しかし、インバータ回路12を構成するトランジスタは、バイポーラトランジスタに限定されることなく、MOSFET(Metal Oxide Semi- conductor Field Effect Transistor)であってもよい。インバータ回路12の構成を詳述すると、ソーストランジスタ8Uおよびシンクトランジスタ10Uは、電源V1と電源V2との間に直列接続されるとともに、直列接続点はU相コイル2の他端と接続されている。同様に、ソーストランジスタ8Vおよびシンクトランジスタ10Vは、電源V1と電源V2との間に直列接続されるとともに、直列接続点はV相コイル4の他端と接続されている。同様に、ソーストランジスタ8Wおよびシンクトランジスタ10Wは、電源V1と電源V2との間に直列接続されるとともに、直列接続点はW相コイル6の他端と接続されている。そして、ソーストランジスタ8U、8V、8Wのベースおよびシンクトランジスタ10U、10V、10Wのベースには、U相コイル2、V相コイル4、W相コイル6に120度の位相差を持った正弦波電圧が現れるようなPWM信号が、後述するPWM制御ブロックから供給される。尚、ソーストランジスタ8Uおよびシンクトランジスタ10Uが同時にオンして貫通電流が流れることがないように、また、ソーストランジスタ8Vおよびシンクトランジスタ10Vが同時にオンして貫通電流が流れることがないように、更に、ソーストランジスタ8Wおよびシンクトランジスタ10Wが同時にオンして貫通電流が流れることがないように、上記のPWM信号が発生する。
マイクロコンピュータ14は、コンプレッサ用モータを駆動するためのPWM信号を発生するPWM制御ブロック16と、PWM制御ブロック16を制御するためのプログラムデータ、テーブルデータ等が格納されたROM18と、を有する。
<<三角波を用いるACインバータの制御方法>>
図1および図5を参照しつつ、コンプレッサ用モータがACモータである場合のACインバータの制御方法について説明する。図5は、三角波を用いるACインバータ制御を説明するための波形図である。
図1および図5を参照しつつ、コンプレッサ用モータがACモータである場合のACインバータの制御方法について説明する。図5は、三角波を用いるACインバータ制御を説明するための波形図である。
図5において、Uは、予め用意されるU相コイル2用の正弦波である。Vは、予め用意されるV相コイル4用の正弦波である。Wは、予め用意されるW相コイル6用の正弦波である。これらの正弦波U、V、Wはこの順序で電気角120度の位相差を有している。三角波TRGは、一定振幅(正弦波U、V、Wの振幅)で、所定の傾きを持って上昇および下降を繰り返す信号である。ACインバータ制御では、正弦波U、V、Wを被変調波として、各々三角波TRGで変調する。ここで言う変調とは、正弦波U、V、Wと三角波TRGとのレベルの大小を比較し、比較結果に応じた矩形波のPWM信号を生成することである。例えば、正弦波Uと三角波TRGを比較した場合、正弦波Uのレベルが三角波TRGのレベルより低いときには“L”(ローレベル)を出力し、正弦波Uのレベルが三角波TRGのレベルより高いときには“H”(ハイレベル)を出力し、これによりPWM信号U+が得られる。このPWM信号U+を反転したものがPWM信号U−である。PWM信号U+、U−は互いに反転波形であるため、同時に“H”となることはない。よって、ソーストランジスタ8Uおよびシンクトランジスタ10Uに貫通電流が流れることはない。また、PWM信号U+、U−は、正弦波Uのレベルに応じてデューティが変化する信号となる。同様に、正弦波Vと三角波TRGを比較した場合、正弦波Vのレベルが三角波TRGのレベルより低いときには“L”(ローレベル)を出力し、正弦波Vのレベルが三角波TRGのレベルより高いときには“H”(ハイレベル)を出力し、これによりPWM信号V+が得られる。このPWM信号V+を反転したものがPWM信号V−である。PWM信号V+、V−は互いに反転波形であるため、同時に“H”となることはない。よって、ソーストランジスタ8Vおよびシンクトランジスタ10Vに貫通電流が流れることはない。また、PWM信号V+、V−は、正弦波Vのレベルに応じてデューティが変化する信号となる。同様に、正弦波Wと三角波TRGを比較した場合、正弦波Wのレベルが三角波TRGのレベルより低いときには“L”(ローレベル)を出力し、正弦波Wのレベルが三角波TRGのレベルより高いときには“H”(ハイレベル)を出力し、これによりPWM信号W+が得られる。このPWM信号W+を反転したものがPWM信号W−である。PWM信号W+、W−は互いに反転波形であるため、同時に“H”となることはない。よって、ソーストランジスタ8Wおよびシンクトランジスタ10Wに貫通電流が流れることはない。また、PWM信号W+、W−は、正弦波Wのレベルに応じてデューティが変化する信号となる。
これらのPWM信号U+、U−、V+、V−、W+、W−は、各々、ソーストランジスタ8U、8V、8Wおよびシンクトランジスタ10U、10V、10Wのベースに供給される。そして、ソーストランジスタ8U、8V、8Wおよびシンクトランジスタ10U、10V、10WがPWM信号U+、U−、V+、V−、W+、W−のレベルに応じてオンオフすることにより、U相コイル2、V相コイル4、W相コイル6には電気角120度の位相差を有する正弦波電圧が現れ、ACモータが回転してコンプレッサが駆動されることとなる。
<<鋸波を用いるDCインバータの制御方法>>
図1および図6を参照しつつ、コンプレッサ用モータがDCモータである場合のDCインバータの制御方法について説明する。図6は、鋸波を用いるDCインバータ制御を説明するための波形図である。特に、図6(a)は、鋸波SAWとPWM信号DU+、DU−、DV+、DV−、DW+、DW−との関係を示す波形図である。ここで、縦破線の間隔は電気角60度である。図6(b)は、U相コイル2、V相コイル4、W相コイル6の駆動電圧波形を示している。
図1および図6を参照しつつ、コンプレッサ用モータがDCモータである場合のDCインバータの制御方法について説明する。図6は、鋸波を用いるDCインバータ制御を説明するための波形図である。特に、図6(a)は、鋸波SAWとPWM信号DU+、DU−、DV+、DV−、DW+、DW−との関係を示す波形図である。ここで、縦破線の間隔は電気角60度である。図6(b)は、U相コイル2、V相コイル4、W相コイル6の駆動電圧波形を示している。
図6において、鋸波SAWは、一定振幅で、第1レベルから第2レベル(>第1レベル)へ向かって所定の傾きを持って上昇し、第2レベルから第1レベルへ垂直に下降する信号である。DCインバータ制御では、電気角60度ごとに第1乃至第2レベルの間の任意レベルに設定される、予め用意された直流信号DIRを被変調波として、電気角60度ごとに鋸波SAWで変調する。ここで言う変調とは、電気角60度ごとの直流信号DIRと鋸波SAWとのレベルの大小を比較し、比較結果に応じた矩形波のPWM信号を生成することである。例えば、位相P1において、PWM信号DU+を得るべく、直流信号DIRと鋸波SAWとを比較する場合、直流信号DIRを第2レベル(鋸波SAWの最大値)とする。この場合、直流信号DIRは鋸波SAWの最大値と等しいため、位相P1におけるPWM信号DU+は常に“H”となる。次に、位相P2において、PWM信号DU+を得るべく、直流信号DIRと鋸波SAWとを比較する場合、直流信号DIRを第1レベルと第2レベルの間のレベル(例えば中間レベル)とする。この場合、直流信号DIRが鋸波SAWより低い期間では“H”となり、直流信号DIRが鋸波SAWより高い期間では“L”となる例えばデューティ50%のPWM信号DU+が得られる。位相P3乃至P6において、PWM信号DU+を得るべく、直流信号DIRと鋸波SAWとを比較する場合、直流信号DIRを第1レベル(鋸波の最小値)とする。この場合、直流信号DIRは鋸波SAWの最小値と等しいため、位相P3乃至P6におけるPWM信号DU+は常に“L”となる。以上より、位相P1で“H”、直後の位相P2で所定デューティ(例えば50%)で“H”“L”、その後の位相P3乃至P6で“L”となるPWM信号DU+を得ることができる。尚、図6(a)に示す直流信号DIRは、PWM信号DU+を得る際に必要となるレベルを示したものである。同様の処理を実行することにより、他のPWM信号DU−、DV+、DV−、DW+、DW−を得ることもできる。ここで、PWM信号DU+、DV+、DW+は、電気角120度の位相差を有する。また、PWM信号DU−、DV−、DW−も、電気角120度の位相差を有する。更に、U相コイル2にかかるPWM信号DU+、DU−、V相コイル4にかかるPWM信号DV+、DV−、W相コイル6にかかるPWM信号DW+、DW−は、電気角180度の位相差をもって発生することとなる。
これらのPWM信号DU+、DU−、DV+、DV−、DW+、DW−は、各々、ソーストランジスタ8U、8V、8Wおよびシンクトランジスタ10U、10V、10Wのベースに供給される。そして、ソーストランジスタ8U、8V、8Wおよびシンクトランジスタ10U、10V、10WがPWM信号DU+、DU−、DV+、DV−、DW+、DW−のレベルに応じてオンオフすることにより、U相コイル2、V相コイル4、W相コイル6には電気角120度の位相差を有する図6(b)の駆動電圧波形が現れ、DCモータが回転してコンプレッサが駆動されることとなる。
本発明は、ACインバータ制御に変調波として用いる三角波TRGと、DCインバータ制御に変調波として用いる鋸波SAWとを、二値化することによってPWM信号を得るものである。特に、本発明は、三角波TRGを二値化した三角波データを、鋸波SAWを二値化した鋸波データを用いて擬似的に発生させるものである。詳しくは、三角波TRGが上昇するときの三角波データは、鋸波SAWが上昇するときの鋸波データとなる。また、三角波TRGが下降するときの三角波データ(三角波下降データ)は、鋸波SAWが上昇するときの鋸波データの極性を反転させたものとなる。マイクロコンピュータ14は、鋸波データから三角波下降データを生成する機能を有している。
===ACインバータ制御のためのPWM信号を生成する原理===
図3を参照しつつ、鋸波SAWを用いて、ACインバータ制御のためのPWM信号を生成する原理について説明する。図3は、本発明のパルス幅変調信号の生成方法を説明するための波形図およびタイミング図である。特に、図3(A)には、鋸波SAW(上昇時および下降時ともに実線)、三角波TRG(上昇時が実線、下降時が一点鎖線)、正弦波(本説明では説明の便宜上例えばU)が関連性を持って示されている。
図3を参照しつつ、鋸波SAWを用いて、ACインバータ制御のためのPWM信号を生成する原理について説明する。図3は、本発明のパルス幅変調信号の生成方法を説明するための波形図およびタイミング図である。特に、図3(A)には、鋸波SAW(上昇時および下降時ともに実線)、三角波TRG(上昇時が実線、下降時が一点鎖線)、正弦波(本説明では説明の便宜上例えばU)が関連性を持って示されている。
鋸波SAWを二値化した鋸波データは、後述するアップカウンタを用いて生成される。この鋸波SAWは、所定の傾きを持って第1レベルから第2レベルまで上昇し(一定振幅P)、当該第2レベルまで上昇した後に第1レベルへ垂直に下降する信号である。鋸波SAWは、周期Tで上記の上昇および下降を繰り返すこととなる。三角波TRGは、鋸波SAWの上昇時の傾きと同一の傾きで第1レベルから第2レベルへ上昇し、当該第2レベルまで上昇した後、鋸波SAWの上昇時の傾きを負とした傾きで、第2レベルから第1レベルへ下降する信号である。つまり、三角波TRGは、周期2Tで上昇および下降を繰り返すこととなる。この三角波TRGは、鋸波SAWの上昇時の傾きを用いて生成されるものであり、上昇時と下降時の傾きは鋸波SAWの垂直の下降線を中心として線対称である。一部が開示されている正弦波Uは、三角波TRGで変調される被変調信号である。
例えば、ACインバータ制御において、三角波TRGが生成される期間TA、TBについて考える。先ず期間TAは、三角波TRGが上昇する期間であり、鋸波SAWが上昇する傾きと一致する。この期間TAでは、正弦波Uと三角波TRGの上昇時の傾き(=鋸波SAWの上昇時の傾き)との交差位置は、三角波TRGが第1レベルからaだけ上昇した位置となる。次に、期間TBでは、正弦波Uと三角波TRGの下降時の傾き(一転鎖線)との交差位置は、第1レベルからbだけ上昇した位置となる。ここで、期間TBにおいて、三角波TRGの下降時の傾きは、鋸波SAWの上昇時の正の傾きを負としたものであり、両者の絶対値は等しい。よって、期間TBの時刻T0で、正弦波Uと三角波TRGとが交差したときの第2レベルからの距離はp−bとなるが、これは、正弦波Uと鋸波SAWとが第1レベルからp−bだけ上昇した位置で交差したことと等価となる。同様に、期間TDでは、正弦波Uと三角波TRGは第1レベルからdだけ上昇した位置で交差しているが、これは、正弦波Uと鋸波SAWとが第1レベルからp−dだけ上昇した位置で交差したことと等価となる。よって、三角波TRGが上昇する期間における正弦波Uとの交差を求める方法としては、正弦波Uが鋸波SAWと交差する際の第1レベルからの実際の上昇距離の情報を使用する。一方、三角波TRGが下降する期間における正弦波Uとの交差を求める方法としては、一定振幅Pから、正弦波Uが三角波TRGの下降時の傾きと交差する際の第1レベルからの上昇距離を差し引いた情報を使用する。これにより、ACインバータ制御のためのPWM信号を求める場合、三角波TRG自体をわざわざ用意することなく、鋸波SAWから三角波TRGを擬似的に作成することによって可能となる。
===PWM制御ブロックの構成===
図2を参照しつつ、図1におけるマイクロコンピュータ14の構成について説明する。図2は、本発明で適用するマイクロコンピュータ14(パルス幅変調信号生成部)の構成、特に、PWM制御ブロックの構成を示すブロック図である。
図2を参照しつつ、図1におけるマイクロコンピュータ14の構成について説明する。図2は、本発明で適用するマイクロコンピュータ14(パルス幅変調信号生成部)の構成、特に、PWM制御ブロックの構成を示すブロック図である。
制御部102は、ROM18に記憶されているプログラムデータを読み出して解読し、その解読結果に従ってPWM制御ブロック16内部の動作を制御するものである。特に、制御部102は、PWM制御ブロック16の処理に必要とされるデータについては、ROM18のテーブルデータから適宜読み出す。
アップカウンタ104は、制御部102から供給される所定周波数のクロックCLKによってアップカウントし、そのカウント値を制御部102に出力する。制御部102は、アップカウンタ104のカウント値を監視しており、アップカウンタ104のカウント値が、第2レベル値(上記の第2レベルに相当するバイナリ値)に達したことを検出したとき、アップカウンタ104に対してリセット信号RSTを出力する。このとき、アップカウンタ104の値は第1レベル値(オールゼロ:上記の第1レベルに相当するバイナリ値)となる。つまり、アップカウンタ104は、クロックCLKの周波数で定まる周期Tで第1レベル値から第2レベル値に向かってアップカウントし、第2レベル値となったときにリセットされて第1レベル値になり、再びアップカウントを行うという動作を繰り返すものである。アップカウンタ104が第1レベル値から第2レベル値までカウントした値は、鋸波SAWの第1および第2レベル間の振幅pを示すものである。本発明は、アナログの鋸波SAWを直接用意するのではなく、アップカウンタ104がカウントして得られるカウント値(二値化したデータ)を鋸波SAWと見立ててPWM信号を作成するものである。制御部102は、フラグ106を有している。制御部102では、ACインバータ制御を行うモードにおいて、アップカウンタ104のカウント値が第2レベル値となるごとに論理値“1”と“0”とが交互に設定される。例えば、制御部102は、フラグ106が論理値“1”に設定された状態で、アップカウンタ104がアップカウントしている周期は、三角波信号TRGが下降する期間であると判別する。一方、制御部102は、フラグ106が論理値“0”に設定された状態で、アップカウンタ104がアップカウントしている周期は、三角波信号TRGが上昇する期間であると判別する。
尚、ROM18には、ACインバータ制御においてPWM信号を得る際の被変調波である正弦波U、V、Wを示す正弦波データと、DCインバータ制御においてPWM信号を得る際の被変調波である電気角60度ごとの直流信号DIRを示す直流データとが、テーブルデータとして予め記憶されている。
アップカウンタ104を用いてACインバータ制御を行う場合、制御部102は、ROM18から正弦波データを読み出す。つまり、アップカウンタ104が周期性をもってカウント動作するため、アップカウンタ104のどのアップカウントタイミングで正弦波データがどういったバイナリ値を取り得るのかについては、制御部102は容易に認識することができる。そこで、比較値バッファ108には、制御部102の認識結果に応じて、実際にアップカウンタ104がアップカウントしている周期の直前周期において、アップカウントする直後の実際の周期で必要とされるアップカウント値AP(鋸波データとの一致データ)が設定される。尚、このアップカウント値APは、ROM18に予め記憶されている。そして、制御部102は、フラグ106の値の変更回数を計数等した結果を用いることによって、比較値バッファ108に対して適切なアップカウント値APをROM18から読み出して設定する(図3(D))。
比較値レジスタ110は、アップカウンタ104がアップカウントする実際の周期で必要とされるアップカウント値APが、当該アップカウント値APが直前周期で設定されている比較値バッファ108から読み出されて設定されるものである(図3(C))。
コンパレータ112は、アップカウンタ104のアップカウント値が比較値レジスタ110に設定されているアップカウント値APと一致したかどうかを比較し、一致比較出力を制御部102に供給するものである。制御部102では、コンパレータ112からの一致比較出力が供給されるごとに“H”または“L”に変化するPWM信号U+、V+、W+、U−、V−、W−を出力することとなる(図3(B))。
===PWM制御ブロックの動作===
図2乃至図4を参照しつつ、PWM制御ブロックの動作について説明する。図4は、PWM制御ブロックの動作を示すフローチャートである。尚、エアコンのコンプレッサに使用されるモータは、本フローチャートにおいてはACモータであるものとする。この場合、制御部102は、例えばマイクロコンピュータ14外部からの設定入力により、ACインバータ制御を実行すべく動作することとなる。尚、被変調波となる正弦波としては、説明の便宜上、U相を取り上げて説明し、V相およびW相の正弦波については説明を省略する。また、アップカウンタ104がアップカウントを行う最初の周期をTA、以後の周期をTB、TC、TD、TE、・・・として説明する。
図2乃至図4を参照しつつ、PWM制御ブロックの動作について説明する。図4は、PWM制御ブロックの動作を示すフローチャートである。尚、エアコンのコンプレッサに使用されるモータは、本フローチャートにおいてはACモータであるものとする。この場合、制御部102は、例えばマイクロコンピュータ14外部からの設定入力により、ACインバータ制御を実行すべく動作することとなる。尚、被変調波となる正弦波としては、説明の便宜上、U相を取り上げて説明し、V相およびW相の正弦波については説明を省略する。また、アップカウンタ104がアップカウントを行う最初の周期をTA、以後の周期をTB、TC、TD、TE、・・・として説明する。
先ず、制御部102は、ROM18から読み出されたACインバータ制御を実行するためのプログラムデータを解読し、当該解読結果に従って、フラグ106の値を論理値“0”に初期化し、アップカウンタ104にリセット信号RSTを供給して当該アップカウンタ104をリセットする。また、制御部102は、ROM18から、三角波TRGの上昇(=鋸波SAWの上昇)を示す鋸波データが正弦波Uの正弦波データと一致するときのアップカウンタ104の初期アップカウント値AP(周期TAのaを示す値)を読み出して、当該初期アップカウント値APを比較値バッファ108に設定する。その後、制御部102は、比較値レジスタ110に対して比較値バッファ108に設定されている初期アップカウント値APを設定する。これにより、初期化動作が終了したこととなる(S100)。
そして、ステップS100の初期化動作終了後、制御部102は、アップカウンタ104に対してクロックCLKを供給する。これにより、アップカウンタ104は、クロックCLKの周波数に従ってアップカウントを継続して行う。このアップカウンタ104のカウント値は、コンパレータ112によって、比較値レジスタ110に設定されたアップカウント値APと比較される。周期TAがアップカウンタ104の最初のアップカウント周期であるため、アップカウンタ104がaに相当する値までアップカウントしたとき、コンパレータ112は、アップカウンタ104のカウント値が比較値レジスタ110の設定値と一致したことを示す一致比較出力(例えば“H”)を制御部102に供給することとなる(S102)。
一方で、制御部102は、アップカウンタ104のカウント値が供給されており、当該カウント値が第2レベル値に達したかどうかを判別する。尚、制御部102は、第2レベル値を当該制御部102内部に予め有している。(S104)。
ここで、制御部102において、アップカウンタ104のカウント値が第2レベル値まで達していないものと判別した場合(S104:NO)、アップカウンタ104は第1レベル値(リセット値)から第2レベル値までアップカウントを行う途中ということになるが、このアップカウントする過程において、フラグ106に設定されている値が論理値“0” または論理値“1”の何れであるのかを更に判別する(S106)。
制御部102が、フラグ106の値が論理値“0”であるものと判別した場合(S106:YES)、該当する周期の最初(この場合、周期TAの最初)において、フラグ106に論理値“0”が初期設定されていたことを検出できることとなる。換言すれば、制御部102は、周期TAにおいて、三角波下降データを得ない周期(三角波TRGが上昇する期間)であると判別する。従って、制御部102は、次の周期TBは三角波下降データを得る周期(三角波TRGが下降する期間)であるものと判別できる(S108)。そこで、制御部102は、次の周期TBにおいて、三角波TRGの下降を示す三角波下降データが正弦波データと一致したことと等価となる、アップカウンタ104のアップカウント値AP(周期TBのp−bを示す値)を周期TA期間中に読み出して、当該アップカウント値APを比較値バッファ108に設定する(S110)。そして、上記のステップS104以降を更に実行する。
上記のステップS110に引き続くステップS104において、アップカウンタ104のカウント値が第2レベルに達したものと、制御部102が判別した場合(S104:YES)、アップカウンタ104が第1レベル値から第2レベル値までのアップカウントを一度終了したため、上記のステップS106におけるフラグ106の値の判別をすることなく、フラグ106に設定されている値が論理値“0”または論理値“1”の何れであるのかを別途判別する(S112)。尚、アップカウンタ104のカウント値が第2カウント値に達した場合、アップカウンタ104はハード的にリセットされ、再び第1カウント値からアップカウントを開始できる状態となる。更に、アップカウンタ104が第2カウント値までアップカウントしたことに伴って、比較値バッファ108に設定されているアップカウント値AP(周期TBのp−bを示す値)は、ハード的に比較値レジスタ110に設定される。
上記のステップS112において、フラグ106に論理値“0”が設定されているものと制御部102が判別した場合(S112:YES)、制御部102は、フラグ106の値を論理値“0”から論理値“1”に変更する(S114)。そして、上記のステップS104を再度実行することとなる。
上記のステップS114に引き続くステップS104において、アップカウンタ104のカウント値が比較値レジスタ110に設定されたアップカウント値AP(p−b)と一致した場合、コンパレータ112は一致比較出力(例えば“H”)を制御部102に供給することとなる。
そして、上記のステップS114に引き続くステップS104において、アップカウンタ104のカウント値が第2レベル値まで達していないものと制御部102が判別した場合(S104:NO)、アップカウンタ104は第1レベル値(リセット値)から第2レベル値までアップカウントを行う途中において、フラグ106に設定されている値が論理値“0” または論理値“1”の何れであるのかを更に判別する(S106)。
制御部102が、フラグ106の値が論理値“1”であるものと判別した場合(S106:NO)、該当する周期の最初(この場合、周期TBの最初)において、フラグ106に論理値“1”が設定されていたことを検出できることとなる。換言すれば、制御部102は、周期TBにおいて、三角波下降データを得る周期(三角波TRGが下降する期間)であると判別する。従って、制御部102は、次の周期TCは三角波下降データを得ない周期(三角波TRGが上昇する期間)であるものと判別できる(S116)。そこで、制御部102は、次の周期TCにおいて三角波TRGの上昇を示す鋸波データが正弦波データと一致する、アップカウンタ104のアップカウント値AP(周期TCのcを示す値)を周期TB期間中に読み出して、当該アップカウント値APを比較値バッファ108に設定する(S118)。そして、上記のステップS104を更に実行する。
上記のステップS118に引き続くステップS104において、アップカウンタ104のカウント値が第2レベルに達したものと、制御部102が判別した場合(S104:YES)、アップカウンタ104が第1レベル値から第2レベル値までのアップカウントを一度終了したため、上記のステップS106におけるフラグ106の値の判別をすることなく、フラグ106に設定されている値が論理値“0”または論理値“1”の何れであるのかを別途判別する(S112)。尚、アップカウンタ104のカウント値が第2カウント値に達した場合、アップカウンタ104はハード的にリセットされ、再び第1カウント値からアップカウントを開始できる状態となる。更に、アップカウンタ104が第2カウント値までアップカウントしたことに伴って、比較値バッファ108に設定されているアップカウント値AP(周期TCのcを示す値)は、ハード的に比較値レジスタ110に設定される。
上記のステップS112において、フラグ106に論理値“1”が設定されているものと制御部102が判別した場合(S112:YES)、制御部102は、フラグ106の値を論理値“1”から論理値“0”に変更する(S120)。そして、上記のステップS104を再度実行することとなる。
上記の動作を以降の周期TC、TD、TE・・・においても同様に繰り返し実行することとなる。同様の処理は、正弦波V、Wについても行われることとなる。
このようにして、各周期TA、TB、TC、TD、TE、・・・におけるコンパレータ112の一致比較出力が制御部102に供給される。これにより、制御部102は、コンパレータ112から一致比較出力が供給されるごとに変化するPWM信号U+、U−、V+、V−、W+、W−を出力する(図3(B))。そして、三相モータがACインバータ制御され駆動されることとなる。尚、PWM信号U+、V+、W+と、PWM信号U−、V−、W−とは各々位相が反転したものである。
また、マイクロコンピュータ14は、外部からの設定入力により、DCインバータ制御を実行すべく動作することも可能である。この場合、比較値バッファ108には、制御部102の制御によって、鋸波データが電気角60度単位の直流信号DIRを二値化した直流データと一致するときのアップカウント値APが、コンパレータ112の比較動作を行う直前の周期において連続的に設定されることとなる。
これにより、アップダウンカウンタを使用することなく、アップカウンタ104を使用することで、ACインバータ制御およびDCインバータ制御をともに行うことが可能となる。従って、マイクロコンピュータ14にACインバータ制御およびDCインバータ制御を実行するための機能を設けた場合、チップ面積が大きくなることなく、コストアップすることのない汎用性の高いマイクロコンピュータを提供することが可能となる。
以上説明したように、上昇時と下降時の傾きの割合が等しい一定振幅の三角波TRGを二値化した三角波データと、正弦波U、V、Wを二値化した正弦波データとに基づいて、PWM信号を得るACインバータ制御のモードと、上昇時の傾きの割合が三角波TRGの上昇時の傾きの割合であるとともに、下降時の傾きが垂直である一定振幅の鋸波SAWを二値化した鋸波データと、直流信号DIRを二値化した直流データとに基づいて、PWM信号を得るDCインバータ制御のモードと、を選択的に実行可能なマイクロコンピュータ14のためのPWM信号の生成方法であって、ACインバータ制御のモードは、鋸波データに基づいて、鋸波SAWの1周期おきに、三角波TRGの下降時の傾きを二値化した三角波下降データを得る第1ステップと、三角波下降データと正弦波データとの一致を求める第2ステップと、三角波下降データを得る周期において、三角波下降データと正弦波データとが一致したときの鋸波データの値を求める第3ステップと、三角波下降データを得ない周期において鋸波データが正弦波データと一致したときの値と、上記の第3ステップで求めた鋸波データの値とに基づいて、PWM信号を生成する第4ステップと、で実行されることを特徴とする。この方法によれば、鋸波データを用いて三角波データを生成するため、三角波データを生成するためのアップダウンカウンタは不要となる。そのため、ACインバータ制御とDCインバータ制御の機能をマイクロコンピュータ14で実行する場合において、アップダウンカウンタのハードウエア構成が不要となり、チップ面積を従来に比べて小さくすることが可能となる。更に、マイクロコンピュータがAC、DCの両インバータ制御機能を有するため、汎用性が高いマイクロコンピュータを提供することが可能となる。
また、かかるパルス幅変調信号の生成方法において、被変調波である正弦波データや直流データは、メモリに予め記憶されて用意されており、ACインバータ制御またはDCインバータ制御のモードを実行するときにROM18から読み出されるものである。これによれば、ACインバータ制御を行う場合、鋸波データから生成される擬似的な三角波データ(鋸波SAWの上昇を示す部分の鋸波データと三角波下降データ)と正弦波データとが一致するときの鋸波データの値を容易に推定することが可能となる。また、DCインバータ制御を行う場合、鋸波データと直流データとが一致するときの鋸波データの値を容易に推定することが可能となる。よって、ACインバータ制御用またはDCインバータ制御用のPWM信号を確実に得ることが可能となる。
また、かかるパルス幅変調信号の生成方法において、鋸波データは、第1レベル値(オールゼロ)と第2レベル値(>前記第1レベル値:最大バイナリ値)との間を変化するデータであり、三角波下降データと正弦波データが一致したときの値と、第2レベル値との差分値D1(p−b、p−d等)を求め、三角波下降データと正弦波データが一致したとき、第1レベル値から差分値D1だけ大きい値を、上記の第3ステップで求める鋸波データの値とする。ここで、差分値D1は、三角波下降データを得る周期の直前の、三角波下降データを得ない周期において比較値バッファ108に保持され、三角波下降データを得る当該周期において、PWM信号を生成すべく、比較値バッファ108から読み出されて用いられる。また、三角波下降データを得ない周期において、鋸波データが正弦波データと一致したときの値と、第1レベル値との差分値D2は、三角波下降データを得る周期において比較値バッファ108に保持され、三角波下降データを得た周期の直後の三角波下降データを得ない周期において、PWM信号を生成すべく、比較値バッファ108から読み出されて用いられる。更に、かかるパルス幅変調信号の生成方法において、鋸波データが第2レベル値となる度に、比較値バッファ108は、差分値D1と差分値D2を、交互に保持する。これによれば、マイクロコンピュータ14の比較的容易な演算処理によって、PWM信号を確実に得ることが可能となる。
また、かかるパルス幅変調信号の生成方法において、鋸波データが第2レベル値となる度に、設定値を交互に変更するフラグ106を備え、比較値バッファ108は、フラグ106の設定値に応じて、差分値D1または差分値D2をの何れかを保持する。これにより、PWM信号を確実に得ることが可能となる。
また、かかるパルス幅変調信号の生成方法において、鋸波データを発生するためのアップカウンタ104と、比較値バッファ108から読み出された差分値D1または差分値D2が設定される比較値レジスタ110と、アップカウンタ104のカウント値と比較値レジスタ110の設定値とを比較するコンパレータ112と、を備え、アップカウンタ104のカウント値が比較値レジスタ110の設定値と一致したときのコンパレータ110の比較結果に基づいて、PWM信号を生成する。これにより、PWM信号を確実に得ることが可能となる。
尚、パルス幅変調信号の生成装置を提供することも可能である。この場合、マイクロコンピュータ14は、パルス幅変調信号生成部となる。
以上、本発明にかかるパルス幅変調信号の生成方法および生成装置について説明したが、上記の説明は、本発明の理解を容易とするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
2 U相コイル
4 V相コイル
6 W相コイル
12 インバータ回路
14 マイクロコンピュータ
16 PWM制御ブロック
18 ROM
102 制御部
104 アップカウンタ
106 フラグ
108 比較値バッファ
110 比較値レジスタ
112 コンパレータ
4 V相コイル
6 W相コイル
12 インバータ回路
14 マイクロコンピュータ
16 PWM制御ブロック
18 ROM
102 制御部
104 アップカウンタ
106 フラグ
108 比較値バッファ
110 比較値レジスタ
112 コンパレータ
Claims (9)
- 上昇時と下降時の傾きの割合が等しい一定振幅の三角波を二値化した三角波データと、被変調波を二値化した被変調波データとに基づいて、第1パルス幅変調信号を得る第1変調モードと、
上昇時の傾きの割合が前記三角波の上昇時の傾きの割合であるとともに、下降時の傾きが垂直である一定振幅の鋸波を二値化した鋸波データと、被変調波を二値化した被変調波データとに基づいて、第2パルス幅変調信号を得る第2変調モードと、
を選択的に実行可能な装置のためのパルス幅変調信号の生成方法であって、
前記第1変調モードは、
前記鋸波データに基づいて、前記鋸波の1周期おきに、前記三角波の下降時の傾きを二値化した三角波下降データを得る第1ステップと、
前記三角波下降データと前記被変調波データとの一致を求める第2ステップと、
前記三角波下降データを得る周期において、前記三角波下降データと前記被変調波データとが一致したときの前記鋸波データの値を求める第3ステップと、
前記三角波下降データを得ない周期において前記鋸波データが前記被変調波データと一致したときの値と、前記第3ステップで求めた前記鋸波データの値とに基づいて、前記第1パルス幅変調信号を生成する第4ステップと、
で実行されることを特徴とするパルス幅変調信号の生成方法。 - 前記被変調波データは、メモリに予め記憶され、前記第1変調モードまたは前記第2変調モードを実行するときに前記メモリから読み出されること、を特徴とする請求項1に記載のパルス幅変調信号の生成方法。
- 前記鋸波データは、第1レベル値と第2レベル値(>前記第1レベル値)との間を変化するデータであり、
前記三角波下降データと前記被変調波データが一致したときの値と、前記第2レベル値との差分値D1を求め、
前記三角波下降データと前記被変調波データが一致したとき、前記第1レベル値から前記差分値D1だけ大きい値を、前記第3ステップで求める前記鋸波データの値とする、ことを特徴とする請求項1または2に記載のパルス幅変調信号の生成方法。 - 前記差分値D1は、
前記三角波下降データを得る直前の前記三角波下降データを得ない周期において保持部に保持され、
前記三角波下降データを得る周期において、前記第1パルス幅変調信号を生成すべく、前記保持部から読み出されて用いられることを特徴とする請求項3に記載のパルス幅変調信号の生成方法。 - 前記三角波下降データを得ない周期において、前記鋸波データが前記被変調波データと一致したときの値と、前記第1レベル値との差分値D2は、
前記三角波下降データを得る周期において前記保持部に保持され、
前記三角波下降データを得た直後の前記三角波下降データを得ない周期において、前記第1パルス幅変調信号を生成すべく、前記保持部から読み出されて用いられることを特徴とする請求項4に記載のパルス幅変調信号の生成方法。 - 前記鋸波データが前記第2レベル値となる度に、前記保持部は、前記差分値D1と前記差分値D2を、交互に保持することを特徴とする請求項5に記載のパルス幅変調信号の生成方法。
- 前記鋸波データが前記第2レベル値となる度に、設定値を交互に変更するフラグを備え、
前記保持部は、前記フラグの設定値に応じて、前記差分値D1または前記差分値D2をの何れかを保持すること、を特徴とする請求項6に記載のパルス幅変調信号の生成方法。 - 前記鋸波データを発生するためのアップカウンタと、
前記保持部から読み出された前記差分値D1または前記差分値D2が設定されるレジスタと、
前記アップカウンタのカウント値と前記レジスタの設定値とを比較するコンパレータと、を備え、
前記アップカウンタのカウント値が前記レジスタの設定値と一致したときの前記コンパレータの比較結果に基づいて、前記第1パルス幅変調信号を生成すること、を特徴とする請求項6または7に記載のパルス幅変調信号の生成方法。 - 上昇時と下降時の傾きの割合が等しい一定振幅の三角波を二値化した三角波データと、被変調波を二値化した被変調波データとに基づいて、第1パルス幅変調信号を得る第1変調モードと、
上昇時の傾きの割合が前記三角波の上昇時の傾きの割合であるとともに、下降時の傾きが垂直である一定振幅の鋸波を二値化した鋸波データと、被変調波を二値化した被変調波データとに基づいて、第2パルス幅変調信号を得る第2変調モードと、
を選択的に実行可能な装置のためのパルス幅変調信号の生成方法であって、
前記第1変調モードを実行する場合、
前記鋸波データに基づいて、前記鋸波の1周期おきに、前記三角波の下降時の傾きを二値化した三角波下降データを得、
前記三角波下降データと前記被変調波データとの一致を求め、
前記三角波下降データを得る周期において、前記三角波下降データと前記被変調波データとが一致したときの前記鋸波データの値を求め、
前記三角波下降データを得ない周期において前記鋸波データが前記被変調波データと一致したときの値と、前記第3ステップで求めた前記鋸波データの値とに基づいて、前記第1パルス幅変調信号を生成する、パルス幅変調信号生成部、
を備えたことを特徴とするパルス幅変調信号の生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004235769A JP2006054740A (ja) | 2004-08-13 | 2004-08-13 | パルス幅変調信号の生成方法、パルス幅変調信号の生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004235769A JP2006054740A (ja) | 2004-08-13 | 2004-08-13 | パルス幅変調信号の生成方法、パルス幅変調信号の生成装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102148581A (zh) * | 2011-04-20 | 2011-08-10 | 黑龙江科技学院 | 一种基于锯齿波的位置反相交叉的多载波tpwm调制方法 |
JP2013254564A (ja) * | 2012-06-05 | 2013-12-19 | Aisin Seiki Co Ltd | 燃料電池システム |
-
2004
- 2004-08-13 JP JP2004235769A patent/JP2006054740A/ja active Pending
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