JP2006054219A - 電装箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】 メンテナンス等に便利な電装箱を提供する。
【解決手段】 電装箱50は、背面板52と左右の側板53とを有する箱本体51と、正面板61、上面板62及び下面板63とを有する蓋体60とから構成される。蓋体60の正面板61の裏側にリレー85等の電気部品が取り付けられるとともに、下面板63にコネクタが取り付けられ、すなわち全ての電装品が蓋体60側に集約して装着される。蓋体60が箱本体51の前面側に被せられ、上面板62と下面板63とが、箱本体51の上下のフランジ54に重ねられてねじ止めされることで組み付けられる。電装箱50は冷却器室21の前面21Aに取り付けられるが、上面板62の突出縁側の掛止溝97が、同前面21Aの上部に設けられた掛止片46に掛止され、下面板63の突出縁に下向きに形成された取付板98が、同前面21Aの下部に当てられてねじ止めされて固定される。
【選択図】 図4
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものである。
電装品が蓋体側に集約して装着されているから、配線も蓋体側のみに施せば足りる。言い換えると、蓋体と本体との間にわたる配線が不要で、もちろん両者が分離されることを許容する余分の長さも不要であるから、配線を収納しつつ両者を組み付ける作業が簡単となり、コスト低減も図られる。また組み付けられた後は、内部が配線束で埋められることがなくなり、熱の籠もりが緩和される。もって、電装品の耐用寿命を延ばすことができる。
全電装品が蓋体側に装着されており、しかも本体とは完全に分離できるから、メンテナンスは、蓋体側のみで、かつ電装品の装着位置が開放された状態で行うことができ、したがってメンテナンス性を大幅に向上させることができる。
電装箱を機器本体の側面に取り付けるに当たり、重量が大きくなる蓋体側を取り付けるようにしたから、電装箱を安定して取り付けることができる。しかも、蓋体に一体的に設けた取付部を直接に取り付けるようにしたから、別パーツの取付部材を介する場合と比べると、構造も簡単でかつ取付強度も高めることができる。
電装箱の蓋体を機器本体の側面に取り付ける当たり、蓋体の上部側と下部側の少なくいずれか一方では、機器本体の側面に設けられた掛止部に、上面板、下面板に設けられた掛止孔を差し込むことで取り付けられる。取り付け取り外しの作業を簡単に行うことができる。特に、機器本体の側面の掛止部は、その側面を構成する金属板を切り起こして一体に形成されているから、別ピースの掛止部材を設ける場合と比べて構造が簡単となり、また掛止強度も高められる。
蓋体における正面板の裏面に電装品を取り付けるに当たり、その電装品取付部を切り起こしにより裏側に突出して形成したから、別ピースの取付部材を溶接等で設ける場合と比べて構造が簡単となる。また、電装品取付部の突出量によっては、この電装品取付部に電装品をねじで裏側から固定する場合に、ねじが正面板の表面側に突出することを防止できる。しかも正面板の表面にオペレーションラベルが貼られることで、電装品取付部を切り起こしたことに伴って形成される孔が塞がれ、見栄えが良くなるとともに防水上でも優れたものとなる。
電装品取付部が一対備えられ、電装品は、一方の被取付部を一方の電装品取付部の差込溝に差し込み、他方の被取付部を他方の電装品取付部にねじで止めることによって取り付けられる。2箇所の被取付部がある場合に、ねじ止めは1箇所だけで済むから、電装品自体の取り付け取り外しを簡単にかつ迅速に行うことができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。この実施形態では、横型(テーブル型)の冷凍冷蔵庫を例示している。
図1ないし図3において、符号10は冷凍冷蔵庫の本体であって、前面に開口した横長の断熱箱体により構成されている。この断熱箱体は、金属板製の外箱11内に、合成樹脂製の内箱12を嵌めて、その間に発泡樹脂等の断熱材13が充填された構造である。
本体10は、底面の四隅に設けられた脚14によって支持されているとともに、その内部は、後付けされる断熱性の仕切壁15によって左右に仕切られ、左の相対的に狭い側が冷凍室16、右の広い側が冷蔵室17となっている。冷凍室16の前面の開口には揺動式の断熱扉18が、冷蔵室17の前面の開口には観音開き式の断熱扉19がそれぞれ装着されている。
また仕切壁15の冷蔵室17側の面には、ダクト26を張ることで別の冷却器室27が形成されている。この冷却器室27にも、冷却器23Aと冷却ファン24Aとが装備されている。
この冷却ユニット30を共通とし、上記した各冷却器23,23Aとの間で個別に冷凍回路が構成され、それぞれ電磁開閉弁が介設されている。また、各冷却器23,23Aには除霜ヒータ25,25Aが装着されている。
さらに、前面パネル40における上部の右側領域には窓孔44が開口されており、以下に詳述する電装箱50の正面が臨むことができるようになっている。
この電装箱50は、図4に示すように、箱本体51と、蓋体60とから構成され、箱本体51に対して蓋体60が着脱可能に組み付けられるようになっている。箱本体51は、亜鉛鋼板等の金属板を素材として形成され、縦長の背面板52と左右の側板53とを有し、言い換えると、正面と上下の面が開口している。背面板52の上下両縁と、側板53の下縁における開放端側の所定域を除いた部分には、比較的幅広のフランジ54が内側に直角曲げされて形成されている。
背面板52の上下両縁に形成されたフランジ54には、幅方向の中央部の裏面側において、図7に示すようにシート55が溶接等に固着されており、フランジ54からシート55にわたってねじ孔56が切られている。
各リレー85の取付位置には、取付座70Bと差込板75Bとが対をなして設けられている。取付座70Bは、上記したと同様に、切り起こしによって裏面側に所定寸法浮き上がって形成され、バーリング加工が施されてねじ孔71が切られている。取付座70Bには、リレー85の一方の取付脚85Aが当てられるようになっていて、取付座70Bの浮き上がり量は、取付脚85Aがねじ72で止められた場合に、ねじ72の先端が正面板61の表面側に突出しない程度に設定されている。
一方、差込板75Bは、同じく切り起こしにより裏面側に直角曲げされて形成されており、この差込板75Bには、上記した取付座70Bの上面と対応する高さ位置に、リレー85のもう一方の取付脚85Aが差し込まれる差込溝76が切られている。
なお、一部の取付座70Bでは、ねじ孔71が2個切られて、隣り合うリレー85に兼用されている。
また、大型のリレー82についても、同様に一対の取付座70Cと差込板75Cとが切り起こしによって形成され、一方の取付脚82Aの片脚が差込板75Cの差込溝76に差し込まれるとともに、他方の取付脚82Aが取付座70Cに当てられてねじ72を締め込むことで固定されている。
ブレーカ81は、図7に示すように、長さ方向の両端面の底部側に、ねじ孔81Bが切られた取付脚81Aが一対突設されているとともに、表面側に、操作ボタンを備えた操作部81Cが段差状に突設された形状であり、表面側を覆う透明な樹脂カバー81Dが備えられている。一方、ブレーカ81の取付領域には、長方形をなす窓孔77が形成され、その左右両側縁に、ねじ72の挿通溝78が切り欠き形成されている。
そしてブレーカ81は、表面側に樹脂カバー81Dが被せられて、操作部81Cを窓孔77から突出させた状態で正面板61の裏面に当てられ、表面側から挿通溝78にねじ72を通し、取付脚81Aのねじ孔81Bに螺合して締め付けることで固定されている。このとき、ブレーカ81の段差部81Eと窓孔77の裏側の口縁との間で樹脂カバー81Dが挟み込まれ、言い換えると樹脂カバー81Dがシール材の機能を果たし、ブレーカ81の装着位置における防水が図られる。
また、蓋体60の下面板63には、複数個のコネクタ取付孔95が開口され、各取付孔95にコネクタ(図示せず)が取り付けられている。
一方、蓋体60の下面板63の突出縁からは、取付板98が下向きに直角曲げされて形成され、取付板98の下縁には、ねじ100の挿通溝99が切り欠き形成されている。
まず、蓋体60の正面板61の裏面に、制御ボード80、ブレーカ81、リレー82,85及びトランス83等の電気部品が既述した要領で取り付けられる。それとともに、下面板63のコネクタ取付孔95にコネクタが取り付けられる。所定の電気部品間が接続線で接続されるとともに、電気部品側から引き出された接続線が所定のコネクタに接続される。
一方、正面板61の表面にオペレーションラベル90が貼り付けられる。オペレーションラベル90は、下部側の開口93からブレーカ81の操作部81Cとブレーカ81を固定したねじ72を逃がしているだけで、他の領域は全て覆い、したがって取付座70や差込板75を切り起こすことに伴って形成された孔等は、すべてオペレーションラベル90で塞がれた状態となる。
冷却運転中では、冷凍室16と冷蔵室17において、それぞれ庫内サーミスタで庫内温度が検知され、庫内温度が個別に設定された設定温度よりも高くなると、対応する冷却器23,23Aに冷媒が供給されるとともに冷却ファン24,24Aが駆動されることで庫内が冷却され、一方庫内温度が設定温度よりも低くなると、冷却器23,23Aへの冷媒の供給が停止するとともに冷却ファン24,24Aが停止することで冷却動作が停止され、その繰り返しによって、各室16,17内がほぼ設定温度に維持される。
電装箱50を機械室20の外に取り出したら、蓋体60の上面板62と下面板63にねじ込まれているねじ67を緩めて外すと、箱本体51との結合が外れるから、図4に示すように、箱本体51と蓋体60とが完全に分離される。特に、蓋体60には側板が設けられていないために、蓋体60の裏面側に装着された電気部品やコネクタからなる電装品の装着位置が、広く開放された状態となる。
電気部品並びにコネクタの全電装品が、蓋体60の裏側に集約して装着されている。特に制御ボード80やブレーカ81については、電装箱50の前面からの操作等を伴うことから蓋体60側に装着することが必須であるため、蓋体60側に集約することが効率的である。このように全電装品が蓋体60の裏側に集約して装着されていることにより、配線も蓋体60の裏側のみに施せば足りる。言い換えると、蓋体60と箱本体51との間にわたる配線が不要で、もちろん両者51,60が分離されることを許容するための余分の長さも不要であるから、配線を収納しつつ両者51,60を組み付ける作業が簡単となり、また電線が短寸で済む分、コスト低減も図られる。箱本体51と蓋体60とが組み付けられた後は、内部が配線束で埋められることがなくなり、熱の籠もりが緩和される。そのため、電装品の耐用寿命を延ばすことができる。
全電装品が蓋体60側に装着されており、しかも箱本体51とは完全に分離できるから、メンテナンスは蓋体60側のみで行える。特に、蓋体60には左右の側板が設けられておらず、電装品の装着位置が広く開放された状態となるから、メンテナンス作業を簡単に能率良く行うことができる。
図13は本発明の実施形態2を示し、電装箱110の形状並びに取付構造は、以下のようなものであってもよい。なお、上記実施形態1と同一機能を有する部位については、同一符号を付している。
箱本体111は、背面板52のみを有し、その全周縁に小幅のフランジ112が形成されており、上下のフランジ112にねじ孔56が切られている。
一方、蓋体115は、正面板61、上面板62、下面板63及び左右の側板116を有する、背面のみが開口された箱形形状であって、上面板62と下面板63とにはねじの挿通孔68が形成されている。また、左右の側板116の開口縁には、それぞれ外側に直角曲げされた取付板117が形成されている。各取付板117の上下2位置には、ねじ100の挿通孔118が形成されている。
電装箱110は、箱本体111のフランジ112の外側に蓋体115を被せ、上面板62と下面板63とを上下のフランジ112にねじ止めすることで組み付けられる。また電装箱110は、蓋体115の左右の側板116の開口縁に設けられた取付板117を冷却器室21の前面21Aに当て、それぞれの上下2箇所をねじ100で止めることによって固定される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)実施形態1において、電装箱を冷却器室に取り付ける際して掛止構造とするのは、電装箱の下部側としてもよく、また上部側と下部側の両方としてもよい。
(2)逆に実施形態1の電装箱において、蓋本体の上下両側をねじ止めして固定するようにしてもよい。
(3)箱本体と蓋体の形状に関する他の変形例として、例えば実施形態1と実施形態2との中間のような、左右の側板を箱本体と蓋体とで1枚ずつ持たせるようにしたものであってもよい。
(5)蓋体側に装着される電装品の種類並びにその配置については、上記実施形態に例示したものに限らず、適宜に選択変更できるものである。
(6)本発明は、上記実施形態に例示した横型の冷凍冷蔵庫に限らず、他の形式の冷却貯蔵庫やさらに他の機器にわたり、要は各種の電装品を収納して機器本体の側面に装着される電装箱全般に広く適用することができる。
Claims (4)
- 各種の電装品を収納して機器本体の側面に装着される電装箱であって、
少なくとも背面板を有する本体と、正面板と前記本体における開口された周面を覆う周面板とを有する蓋体とが着脱可能に結合されて形成され、前記蓋体側に前記電装品が集約して装着されるとともに、前記蓋体における前記周面板の開口縁側に、前記機器本体の側面に取り付けられる取付部が形成されていることを特徴とする電装箱。 - 前記機器本体の側面には、この側面を構成する金属板を切り起こすことで掛止部が一体に形成されているとともに、前記蓋体の上面板と下面板の少なくともいずれか一方の開口縁に、前記掛止部が差し込まれる掛止孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電装箱。
- 前記蓋体の正面板には、前記電装品を取り付けるための電装品取付部が、切り起こしにより裏側に突出して形成され、前記正面板の表面には、オペレーションラベルが貼着されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電装箱。
- 前記電装品取付部が電装品に対して一対備えられ、一方の電装品取付部には、電装品に設けられた一方の被取付部が差し込まれる差込溝が形成されているとともに、他方の電装品取付部には、前記電装品の他方の被取付部が当てられてねじ止め可能となっていることを特徴とする請求項3記載の電装箱。
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