JP2006054171A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

固体酸化物形燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2006054171A
JP2006054171A JP2005201635A JP2005201635A JP2006054171A JP 2006054171 A JP2006054171 A JP 2006054171A JP 2005201635 A JP2005201635 A JP 2005201635A JP 2005201635 A JP2005201635 A JP 2005201635A JP 2006054171 A JP2006054171 A JP 2006054171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel gas
fuel cell
solid oxide
reformer
desulfurizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005201635A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4911927B2 (ja
Inventor
Minoru Suzuki
稔 鈴木
Tadayuki Sogi
忠幸 曽木
Hiroichi Sasaki
博一 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2005201635A priority Critical patent/JP4911927B2/ja
Publication of JP2006054171A publication Critical patent/JP2006054171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4911927B2 publication Critical patent/JP4911927B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 脱硫剤の長寿命化のために脱硫器に水素を簡易に且つ安価に送給することができる固体酸化物形燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】 炭化水素からなる原燃料ガスに含まれる硫黄成分を除去するための脱硫器4と、原燃料ガスを昇圧するための昇圧器17と、脱硫処理された燃料ガスに水を混合するための混合器20と、混合器20の下流側に配設され、燃料ガスを改質するための燃料改質触媒を備えた改質器6と、改質反応後に燃料極12側に送給される燃料ガスと空気極14側に送給される空気との間で燃料電池発電反応を行って発電する固体酸化物形燃料電池2と、を備えた固体酸化物形燃料電池システム。混合器20と改質器6との間には、燃料ガスの一部を脱硫器4の上流側に導くための分岐戻し流路42が設けられ、分岐戻し流路42には炭化水素を改質するための炭化水素改質触媒が配設されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化水素からなる原燃料ガスを用いて燃料電池発電反応を行う固体酸化物形燃料電池を備えた固体酸化物形燃料電池システムに関する。
酸化物イオンを伝導する膜として固体電解質を用いた固体酸化物形燃料電池が知られている。このような固体酸化物形燃料電池では、一般的に、固体電解質としイットリアをドープしたジルコニアが用いられており、このような固体電解質の片側に燃料ガスを酸化するための燃料極が設けられ、その他側に空気中の酸素を還元するための空気極が設けられている。この固体酸化物形燃料電池では、作動温度が700〜1000℃と高く、このような高温下で、燃料ガス中の水素、一酸化炭素、炭化水素と空気中の酸素とが電気化学反応して発電が行われる。
燃料ガスとして炭化水素を用いる燃料電池システムにおいては、燃料ガスを改質するために水蒸気が用いられ、このような水蒸気改質は、りん酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池においても広く用いられている。例えば、燃料ガスがメタンで、水蒸気を用いて改質する場合、その改質反応は、次の反応式(1)で示すようになる。
CH+HO → 3H+CO ・・・(1)
また、燃料電池システムでは、上述した水蒸気改質を促進させるために、水蒸気改質触媒が用いられるが、原燃料ガス中には付臭剤や不純物としての硫黄化合物が含まれており、これら付臭剤及び硫黄化合物が水蒸気改質触媒を劣化させるおそれがある。このようなことから、水蒸気改質触媒の劣化を防止するために、原燃料ガス中に含まれる付臭剤及び硫黄化合物を低濃度まで低減させる脱硫技術が提案されている。この脱硫技術の代表的な一つは、ニッケル(Ni)−モリブデン(Mo)系触媒の存在下で350〜400℃の温度範囲にて原燃料ガス中に含まれる有機硫黄を水素を添加して分解(水添分解)し、この分解により生成される硫化水素(HS)を350〜400℃の温度範囲にて酸化亜鉛(ZnO)に吸着させて除去するものであり、一般に水添脱硫法と呼ばれている。
また、脱硫剤として酸化銅−酸化亜鉛−酸化アルミニウムの混合物を水素還元して得られる脱硫剤を用いて脱硫する脱硫方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、原炭化水素中に含まれた硫黄濃度を5vol.ppb以下に脱硫することができ、水蒸気改質によるプレリフォーミングを長期間にわたって安定させて運転できることが示されている。
このような脱硫剤は、水素がない状態においても炭化水素ガスに含まれた硫黄化合物を吸着除去することができるが、水素を加えることによりより長寿命化することができ(例えば、特許文献2参照)、この特許文献2には、また、脱硫剤として銅及び亜鉛にニッケル、鉄などを添加してもよく、ニッケル、鉄を添加することによって、脱硫剤の必要量を少なくできることが示されている。
特開平2−302301号公報 特開2003−17109号公報
このように水素を加えることにより脱硫剤の長寿命化を図ることができるが、原燃料ガスには通常水素が含まれていないので、水素を脱硫器に加える方法として、一般に、改質器から燃料電池に送給される燃料ガス(水素を含むガスであって、粗水素と呼ばれている)の一部をリサイクルして脱硫器に戻す方法が採用されている。りん酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池では、改質器及び一酸化炭素変成器が独立して設置され、水素を含む燃料ガスが燃料電池に送給される構成であるので、水素を含む燃料ガス、即ち粗水素は比較的低温(例えば、250℃以下)の流路を通してリサイクルされ、このことに関連して、粗水素をリサイクルして脱硫器に戻す構造を容易に付加することができる。これに対して、固体酸化物形燃料電池では、燃料ガスの改質が高温部で行われ、高温の燃料ガスがそのまま燃料電池の燃料極側に送給される構成であるので、水素を含む燃料ガスは比較的高温(例えば、500℃以上)の流路を通してリサイクルされ、このことに関連して、水素を含む燃料ガスを取り出すための分岐配管が長期に高温に晒され、分岐配管及びこれに関連する構成要素の信頼性、分岐配管の配置に起因する熱漏れなどの問題がある。特に、小型(例えば、家庭用、小規模事業所用)の固体酸化物形燃料電池システムでは、熱漏れを最小にすることが難しく、また高温部の構造をコンパクトにすることが優先されるために、高温部からの新たな粗水素の取出しが必要となる長寿命の脱硫剤の適用が難しかった。
本発明の目的は、脱硫剤の長寿命化のために脱硫器に水素を簡易に且つ安価に送給することができる固体酸化物形燃料電池システムを提供することである。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムは、炭化水素からなる原燃料ガスに含まれる硫黄成分を除去するための脱硫器と、前記脱硫器に送給される原燃料ガスを昇圧するための昇圧器と、脱硫処理された燃料ガスに水、水蒸気及び空気の少なくとも一つを混合するための混合器と、前記混合器の下流側に配設され、燃料ガスを改質するための燃料改質触媒を備えた改質器と、燃料極及び空気極を有し、改質反応後に前記燃料極側に送給される燃料ガスと前記空気極側に送給される空気との間で燃料電池発電反応を行って発電する固体酸化物形燃料電池と、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記脱硫器には、銅及び亜鉛を含む脱硫剤が充填されており、前記混合器と前記改質器との間には、前記混合器から前記改質器に送給される燃料ガスの一部を前記脱硫器の上流側に導くための分岐戻し流路が設けられ、前記分岐戻し流路の一部は前記固体酸化物形燃料電池の排熱を利用して500℃以上に加熱される高温部位に配置されており、前記分岐戻し流路には炭化水素を改質するための炭化水素改質触媒が配設されており、前記混合器から前記改質器に送給される燃料ガスの全送給量のうち1/200〜1/20の量が、前記分岐戻し流路を通して前記脱硫器の上流側に戻されることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記炭化水素改質触媒が、ルテニウム、パラジウム、ロジウム及びニッケルの少なくとも一つを含んでいることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記分岐戻し流路の一部は二重管構造により規定され、前記二重管構造は、内管と前記内管を覆う外管から構成され、前記二重管構造の端部に前記炭化水素改質触媒が配設されるとともに、この端部が前記固体酸化物形燃料電池の前記高温部位に配設され、前記高温部位に配設される前記二重管構造の前記混合器からの燃料ガスの一部が、前記内管内を流れた後に前記内管と前記外管との間の環状空間を通して前記脱硫器の上流側に戻されることを特徴とする。
更に、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムは、炭化水素からなる原燃料ガスに含まれる硫黄成分を除去するための脱硫器と、前記脱硫器にて脱硫処理された燃料ガスに水又は水蒸気を混合するための混合器と、前記混合器の下流側に配設され、燃料ガスを改質するための燃料改質触媒を備えた改質器と、燃料極及び空気極を有し、改質反応後に前記燃料極側に送給される燃料ガスと前記空気極側に送給される空気との間で燃料電池発電反応を行って発電する固体酸化物形燃料電池と、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記脱硫器には、銅及び亜鉛を含む脱硫剤が充填されており、前記改質器の上流側には、炭化水素を改質するための炭化水素改質触媒を備えた上流側改質器が設けられ、前記上流側改質器は固体酸化物形燃料電池の排熱を利用して400℃以上となる高温部位に配設され、前記改質器に送給される水又は水蒸気の1/10以下の量が前記上流側改質器に送給されることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、混合器は脱硫器にて脱硫処理された燃料ガスに水、水蒸気及び空気の少なくとも一つを混合し、改質器は水、水蒸気及び空気の少なくとも一つが混合された燃料ガスを改質し、改質された燃料ガスが固体酸化物形燃料電池の燃料極に送給される。混合器において水又は水蒸気が混合された場合、燃料ガスは改質器において水蒸気改質が行われ、また混合器において空気が混合された場合、燃料ガスは改質器において部分酸化改質が行われ、また混合器において水又は水蒸気と空気が混合された場合、燃焼ガスは改質器において水蒸気改質及び部分酸化改質が行われる。炭化水素からなる原燃料ガスとは、例えば、メタンを主成分とするもの(例えば、天然ガス)である。
また、燃料ガスの一部を脱硫器の上流側に戻すための分岐戻し流路が設けられ、この分岐戻し流路に炭化水素改質触媒が配設されているので、混合器からの燃料ガスの一部は分岐戻し流路を通して脱硫器の上流側に戻され、分岐戻し流路を通して流れる際に炭化水素改質触媒によって燃料ガスの改質が促進され、この改質により生成された水素を含む燃料ガスが脱硫器に送給され、これによって、脱硫器の脱硫剤の寿命を延ばすことができる。また、昇圧器が設けられているので、分岐戻し流路の下流側を昇圧器より上流に接続することによって、混合器の下流側と昇圧器上流側の圧力差を利用して燃料ガスの一部を戻すことができ、比較的簡単な構成でもって戻すことができる。この炭化水素改質触媒による改質も、水又は水蒸気を混合した場合には水蒸気改質が行われ、空気を混合した場合には部分酸化改質が行われ、水又は水蒸気と空気を混合した場合には水蒸気改質及び部分酸化改質が行われる。
分岐戻し流路の一部は固体酸化物形燃料電池の排熱を利用して500℃以上に加熱される高温部位に配置されるので、この燃料電池の排熱を利用して脱硫器の上流側に戻される燃料ガスを加温して炭化水素改質触媒による改質を促進することができる。また、混合器から改質器に送給される燃料ガスの全送給量の1/200〜1/20の量が分岐戻し流路を通して脱硫器の上流側に戻されるので、脱硫器の脱硫剤の長寿命化に必要な水素を脱硫器に送給することができる。燃料ガスの分岐戻し量が1/200より少ないと、充分な量の水素を脱硫器に送給することができず、脱硫剤の長寿命化が図れないおそれがあり、またその戻し量が1/20より多くなると、燃料ガスを無駄に戻すようになり、昇圧器の動力、熱の損失が大きくなり、また稼動停止時に脱硫器にて結露が発生するおそれがある。尚、この燃料ガスの戻し量は、炭化水素改質触媒による改質反応の進行程度などを考慮すると、その全送給量の1/100〜1/20程度とするのが望ましい。
更に、脱硫剤として銅及び亜鉛を含むものを用いているので、原燃料ガス中に含まれる硫黄成分をppbレベルまで下げることができ、これによって、固体酸化物形燃料電池の発電状態を長時間にわたって安定させることができる。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、炭化水素改質触媒がルテニウム、パラジウム、ロジウム及びニッケルの少なくとも一つを含んでいるので、脱硫器の上流側に戻される燃料ガスの改質を促進することができ、このような改質に適した触媒となる。また、改質後に脱硫器の上流側に戻す燃料ガスに含まれた一酸化炭素を除去して水素の濃度を高めるために一酸化炭素変成反応(CO+HO→CO+H)を促進するようにしてもよく、この場合、ルテニウム、パラジウム、ロジウム及びニッケルの少なくとも一つを含む触媒に加えて、銅及び/又はクロムを含む触媒を用いるようにしてもよく、銅及び/又はクロムを含む触媒は例えば分岐戻し流路を規定する配管などの内面にコーティングすることができる。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、分岐戻し流路の一部が二重管構造により規定されているので、固体酸化物形燃料電池の高温部位に配置する際に、この二重管構造の端部をこの高温部位に挿入すればよく、比較的簡単な構造で配置することができる。また、このように構成することによって、高温部位への出入り口が一つとなり、高温部からの熱漏れを少なくすることができる。
更に、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、炭化水素改質触媒を充填した上流側改質器が脱硫器の上流側に設けられ、改質器に送給される水又は水蒸気の1/10以下の量が上流側改質器に供給されるので、この上流側改質器において水又は水蒸気によって原燃料ガスの水蒸気改質が行われ、かかる改質によって水素を発生させることができる。水又は水蒸気の送給量は改質器に送給される量の1/10以下であるので、脱硫器には0.05〜数 vol%程度の水素が送給されるようになり、これによって、脱硫剤の寿命を延ばすことができる。上流側改質器に送給される水又は水蒸気の送給量は、改質器に送給される送給量の1/200〜1/20であるのが好ましい。
この上流側改質器は固体酸化物形燃料電池の排熱を利用して400℃以上となる部位に設けられ、このような高温部位に設けることによって、固体酸化物形燃料電池の排熱を有効利用して上流側改質器における水蒸気改質を行うことができる。尚、温度が高すぎると、炭化水素の熱分解による炭素の析出が起こるために、例えばメタンを主成分とする天然ガスである場合、600℃以下の部位に設置するのが好ましい。
上流側改質器に水を送給する場合、この送給流路の一部を高温部位を通して送給するようにするのが望ましく、このように高温部位を経由することによって水蒸気の状態で上流側改質器に送給することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの一実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムを簡略的に示すシステム図であり、図2は、図1の固体酸化物形燃料電池システムにおける二重管構造を示す断面図である。
図1において、図示の固体酸化物形燃料電池システムは、固体酸化物形燃料電池2、脱硫器4、改質器6及び燃焼部8を備えている。固体酸化物形燃料電池2は固体電解質10を備え、この固体電解質10として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。固体電解質10の片側(図1において左側)には燃料極12が設けられ、その他側(図1において右側)には空気極14が設けられている。燃料極12は改質された燃料ガスを酸化し、空気極14は空気中の酸素を還元し、燃料極12側の酸化及び空気極14側の還元による燃料電池発電反応により発電が行われる。
脱硫器4は硫黄成分を除去するためのものであり、炭化水素からなる原燃料ガス、例えばメタンを主成分とするもの(例えば、天然ガス)は、燃料供給流路16を通して脱硫器4に送給され、原燃料ガスに含まれた硫黄成分は脱硫器4において除去される。燃料ガス供給流路16には、例えば昇圧ブロア17から構成される昇圧器が設けられ、脱硫器4に供給される原燃料ガスは昇圧されて脱硫器4に供給される。
この脱硫器4においては、銅及び亜鉛を含む脱硫剤を用いることが重要である。この脱硫剤は200〜300℃の温度範囲において脱硫能力が最大限に発揮され、従って、固体酸化物形燃料電池システムにおけるこような温度範囲となる部位に脱硫器4を配設するのが望ましく、かく配置することによって、固体酸化物燃料電池システムの排熱を利用して脱硫器4を所定の温度範囲に保つことができる。銅及び亜鉛を含む脱硫剤を用いることによって、燃料ガス中の硫黄成分をppbレベルまで脱硫することができ、その結果、固体酸化物形燃料電池システムの発電状態を長期にわたって安定させることができる。尚、このような脱硫剤については、特開平2−302303号公報を参照されたい。
改質器6は脱硫処理された燃料ガスを改質反応するためのものであり、この実施形態では水蒸気改質反応触媒(図示せず)下において燃料ガスの水蒸気改質が行われる。脱硫された燃料ガスを改質器6に送給する燃料ガス送給流路18には、混合器として機能する純水混合部20が設けられ、純水ポンプ22からの純水は純水供給流路24を通して純水混合部20に供給され、この純水混合部20にて燃料ガス送給流路18を通して流れる燃料ガスに混合される。また、純水混合部20の下流側には、蒸発器26が配設され、この蒸発器26において燃料ガスに混合された純水が蒸発され、水蒸気を含む燃料ガスが燃料ガス送給流路18を通して改質器6に送給される。尚、燃料ガス送給流路18を流れる燃料ガスに水蒸気を供給する水蒸気供給手段を設け、この水蒸気供給手段からの水蒸気を供給するようにしてもよく、この場合、純水ポンプ22及び蒸発器26を省略することができる。
この改質器6には、脱硫処理された水蒸気を含む燃料ガスが送給され、上述した燃料改質触媒下において水蒸気によって燃料ガスの一部が水蒸気改質され、かく水蒸気改質された改質燃料ガスが改質燃料ガス送給流路28を通して固体酸化物形燃料電池2の燃料極12側に送給される。
燃焼部8は固体酸化物形燃料電池2の下流側に配設され、燃料電池2の燃料極12側から排出される反応燃料ガスとその空気極14側から排出された空気が送給され、反応ガス中に残留する水素ガスが空気中の酸素により燃焼され、燃焼排ガスが排気ガス排出流路30を通して外部に排出される。尚、この形態では、固体酸化物形燃料電池2、改質器6及び燃焼部8が500〜1000℃の高温断熱部32内に設置され、これらが高温状態に保たれるように構成されている。
排気ガス排出流路30には再生器34が配設され、この再生器34は、固体酸化物形燃料電池2の空気極14側に供給される空気を加温する。即ち、空気供給手段としての送給ブロア36からの空気は、空気供給流路38を通して再生器34に送給され、再生器34において、この空気と排気ガス排出流路30を流れる燃焼排ガスとの間で熱交換が行われ、熱交換により加温された空気が空気送給流路40を通して固体酸化物形燃料電池2の空気極14側に供給される。
この固体酸化物形燃料電池システムにおいては、更に、改質器6に送給される燃料ガス(水蒸気を含んでいる燃料ガス)の一部が脱硫器4の上流側に戻されるように構成されている。図1及び図2を参照して、この実施形態では、燃料ガス送給流路18における蒸発器26の下流側部位と燃料ガス供給流路16における昇圧ブロア17の上流側部位とが分岐戻し流路42を介して接続されている。燃料ガス送給流路18を流れる燃料ガスは昇圧ブロア17により昇圧されているので、燃料ガス送給流路18の流体圧力は燃料ガス供給流路16の流体圧力よりも高く、従って、分岐戻し流路42を介して上述した如く接続することによって、蒸発器26から改質器6に送給される燃料ガスの一部がこの分岐戻し流路42を通して昇圧ブロア17の上流側、即ち脱硫器4の上流側に戻される。
この分岐戻し流路42を通して戻される燃料ガスの戻し量は、改質器6に送給される全送給量の1/200〜1/20の量であり、このような量を戻すことによって、後述する如く所望量の水素を脱硫器4に送給することができ、これによって、脱硫剤の寿命を長くすることができる。そして、このような戻り量とするために、分岐戻り流路42の分岐部に、戻り流量を制限するための絞り部材(所謂、オリフィス)が設けられる。
この分岐戻し流路42の一部は、二重管構造44により規定されている。二重管構造44は、細長い内管46と、この内管46の外周側を覆う外管48とから構成され、内管46の一端側が外管48の一端壁50を貫通してその他端壁52近傍まで延び、内管46の内周側の空間が内側流路54を規定し、内管46の外周側と外管48の内周側との間の空間が外側流路56を規定している。この二重管構造44では、内管46の他端側が燃料ガス送給流路18に連通され、外管48の一端壁50近傍に設けられた接続部58が燃料ガス供給流路16に連通され、燃料ガス送給流路18からの燃料ガスは、図2に矢印で示すように、内側流路54及び外側流路56を通して燃料ガス供給流路16に戻される。
この形態では、二重管構造44の内側流路54及び外側流路56に、燃料ガスを改質反応させるための炭化水素改質触媒60が設けられている。この炭化水素改質触媒60は、パラジウム、ロジウム及びニッケルの少なくとも一つを含んでおり、このような炭化水素改質触媒60を用いることによって、二重管構造44の内側流路54及び外側流路56を通して流れる際に、水蒸気を含む燃料ガスが水蒸気改質され、この水蒸気改質による水素を含む改質燃料ガスが燃料ガス供給流路16に戻される。
炭化水素改質された燃料ガスの一酸化炭素変成反応を促進するために、一酸化炭素変成触媒(図示せず)が更に設けられる。この一酸化炭素変成触媒は、例えば銅やクロムを含むものでよく、上述した炭化水素改質触媒60にこの一酸化炭素変成触媒を充填するようにしてもよく、或いは分岐戻し流路42を規定する配管の内周面にコーティングするようにしてもよい。水蒸気改質された燃料ガスを更に一酸化炭素変成触媒を用いて一酸化炭素変成することにより、燃料ガス中の水素濃度を高めることができ、少ない戻し量でもって所望の水素量を脱硫器4に送給することができる。
この実施形態では、上述した二重管構造44の一部、具体的には外管48の他側部(図2において右部)が固体酸化物形燃料電池システムの高温断熱部32内に配置される。高温断熱部32を規定するための高温断熱プレート62が設けられ、固体酸化物形燃料電池2はこの高温断熱プレート62の内側の高温断熱部32(500〜1000℃程度に保たれる)に配置される。高温断熱プレート62の所定部位には取付開口64が設けられ、この取付開口64を通して外管48の他端部が挿入され、このように挿入することによって、二重管構造44の一部、即ち外管48の他側部が固体酸化物形燃料電池2の排熱を利用して500℃以上に加熱され、このようにして水蒸気改質触媒60により水蒸気改質を行う部位を500℃以上の高温状態に保つことによって、この水蒸気改質反応をより促進することができる。また、二重管構造44とすることにより高温断熱プレート62の取付開口64を一つにすることができ、これによって、高温断熱部32からの熱漏れを少なく抑えることができる。
上述した燃料電池システムの作動を説明すると、次の通りである。炭化水素からなる原燃料ガス(例えば、天然ガス)は、昇圧ブロア17により昇圧された後に燃料ガス供給流路16を通して脱硫器4に供給される。このとき、改質器6に送給される燃料ガスの一部が分岐戻し流路42を通して燃料ガス供給流路16に戻されるので、戻された燃料ガス(水蒸気改質が行われている)がこの原燃料ガスに混合して送給され、戻された燃料ガス中の水素の作用によって脱硫器4の脱硫剤の寿命を長く保つことができる。
脱硫された燃料ガスは燃料ガス送給流路18を通して改質器6に送給されるが、この送給の際に、純水混合部20において純水ポンプ22からの純水が供給され、蒸発器26において供給された純水が水蒸気化され、水蒸気を含む燃料ガスが燃料ガス送給流路18を通して送給される。
燃料ガス送給流路18を流れる燃料ガスの一部(例えば、1/100程度の量)は分岐戻し流路42を通して燃料ガス供給流路16に戻され、かく戻される際に、炭化水素改質触媒60によって水蒸気改質が行われ、水素を含む燃料ガスが燃料ガス供給流路16に戻される。また、燃料ガスの残部は改質器6に送給され、この改質器6にて水蒸気改質された改質燃料ガスは固体酸化物形燃料電池2の燃料極12側に送給され、また送給ブロア36からの空気は再生器34で加温された後にその空気極14側に送給される。固体酸化物形燃料電池2においては、改質燃料ガスと空気中の酸素を利用して燃料電池発電反応が行われる。燃料極12側で発電反応に用いられた反応燃料ガスは、固体酸化物形燃料電池2の下流の燃焼部8に送給され、また固体酸化物形燃料電池2の空気極14側からの空気も燃焼部8に送給され、これら反応燃料ガスと空気とが混合され燃焼する。
燃焼部8にて燃焼された燃焼排ガスは排気ガス排出流路30を通して外部に排出され、外部に排出される前にその排熱が、再生器34において固体酸化物形燃料電池2の空気極14側に供給される空気を加温するために利用される。
この固体酸化物形燃料電池システムは、特許文献2に開示された固体高分子形燃料電池システムにおける燃料ガス戻し構造を固体酸化物形燃料電池システムに適用したものに比して、次の通りの特徴を有する。第1に、従来技術から想定される燃料電池システムでは、改質器の下流側から燃料ガスの一部を戻すようになるので、この改質器の下流側の流体圧力を昇圧器の上流側の流体圧力よりも高くする必要があり、そのために、改質器自体及び固体酸化物形燃料電池への流路(燃料ガス送給流路及び改質燃料ガス送給流路)の圧力損失を小さくする必要が生じる。これに対して、上述した燃料電池システムでは、改質器6の上流側にて燃料ガスの一部を戻しているので、改質器6及び改質燃料ガス送給流路28の圧力損失は関係がなく、小さい能力の昇圧ブロア17でもって燃料ガスの一部を燃料ガス供給流路16に戻すことができる。
第2に、従来技術から想定される燃料電池システムでは、上述したことに関連して、燃料ガスの分岐部位、即ち分岐戻し流路の接続部位は500〜800℃程度の高温部位となり、そのために、分岐戻し流路を規定するための配管に充分な耐久性を確保しようとすると、充分な耐熱性を有する高価な材料を用いる必要がある。これに対して、上述した燃料電池では、燃料ガスの分岐部位が改質器6の上流側であるので、分岐戻し流路42の接続部位の温度は約350℃程度であり、充分な耐久性を確保しようとしてもそれほど高価な材料を必要とせず、製作コストを低く抑えることができる。
上述した実施形態では、分岐戻し流路42の一部を二重管構造44から構成しているが、このような二重管構造44に代えて、図3に示すようなU字管構造にするようにしてもよい。図3において、図示のU字管構造72はU字状配管74を備え、その一端側(図3において上側)が燃料ガス送給流路に連通され、その他端側(図3において下側)が燃料ガス供給流路に接続され、改質器に送給される燃料ガスの一部は矢印で示すように昇圧ブロアの上流側に戻される。このU字状配管74のU字状部76が高温断熱プレート62を通して燃料電池システムの高温断熱部32内に配置され、このU字状部76の内周面に炭化水素改質触媒60が設けられる。このようなU字状配管74を用いた場合においても、炭化水素改質触媒60が設けられたU字状部76が高温断熱部32内に配置されるので、500℃以上の高温により炭化水素改質触媒60による改質反応を促進することができ、分岐戻し流路42を通して戻す燃料ガスを水蒸気改質して燃料ガス供給流路に戻すことができる。
次に、図4を参照して、第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。図4は、第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムを簡略的に示すシステム図であり、第2の実施形態において、上述した第1実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図4において、第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムは、上述したと同様に、固体酸化物形燃料電池2、脱硫器4、改質器6及び燃焼部8を備え、燃料ガス供給流路16に上流側改質器82が設けられ、燃料ガス供給流路16を流れる原燃料ガスは上流側改質器82を通して脱硫器4に流れ、この脱硫器4にて脱硫処理された燃料ガスが燃料ガス送給流路18を通して改質器6に送給される。
また、純水ポンプ22は純水供給流路24を介して蒸発器84に接続され、この蒸発器84の排出側が第1水蒸気流路86を介して燃料ガス送給流路18の第1水蒸気混合部88に接続されるとともに、第2水蒸気流路90を介して燃料ガス供給流路16の第2水蒸気混合部92に接続されている。従って、純水ポンプ22からの純水は蒸発器84にて水蒸気となり、この水蒸気が第1水蒸気流路86を通して燃料ガス送給流路18に送給されるとともに、第2水蒸気流路90を通して燃料ガス供給流路16に送給される。
この実施形態では、蒸発器84から改質器6に送給される水蒸気の1/10以下の量が第2水蒸気送給流路90を通して上流側改質器82の上流側に送給されるように構成され、このような水蒸気量を送給することによって、脱硫器4に0.05〜数vol%程度の水素を供給することができ、これによって、炭化水素改質触媒の長寿命化を図ることができる。蒸発器84から上流側改質器82に送給される水蒸気量は、蒸発器84から改質器6に送給される水蒸気量の1/200〜1/20程度であるのが好ましい。
また、上流側改質器82においては、原燃料ガスの一部が水蒸気を利用して改質されて水素に変換する。この上流側改質器82は固体酸化物形燃料電池2の発生する熱により400℃以上に保たれる高温断熱部32に配設するのが好ましい。このような高温部位に設けることによって、触媒による改質反応を進行させることができる。脱硫器4に送給する水素濃度は0.05vol%程度あればよく、それ故に、水蒸気改質活性の高いルテニウムや白金などの貴金属触媒を使う必要はなく、むしろ水蒸気改質が高くなくても硫黄化合物の存在化で炭素析出を起こしにくい触媒が適しており、貴金属よりも安価な金属酸化物触媒、金属硫化物触媒を用いることができる。
この固体酸化物形燃料電池システムのその他の構成は、図1及び図2に示す燃料電池システム(分岐戻し流路及びこれに関連する構成を省略したもの)と実質上同一であり、その説明については省略する。
上述した燃料電池システムの作動を概説すると、炭化水素からなる原燃料ガスは燃料ガス供給流路16を通して流れ、また純水ポンプ22から蒸発器84に送給された純水は水蒸気となって第2水蒸気送給流路90を通して燃料ガス供給流路16に送給され、水蒸気を含む原燃料ガスが上流側改質器82に供給される。かく上流側改質器82に流れると、水蒸気を利用して原燃料ガスの一部が水蒸気改質され、水蒸気改質によって水素を含む燃料ガスが脱硫器4に供給され、この脱硫器4にて脱硫処理が行われる。このとき、燃料ガス中に水素が含まれ、この水素の作用によって脱硫器4の脱硫剤の寿命を長く保つことができる。
脱硫された燃料ガスは燃料ガス送給流路18を通して流れ、また蒸発器84にて蒸発された水蒸気は第1水蒸気送給流路86を通して流れ、水蒸気を含む燃料ガスが改質器6に送給され、この改質器6において水蒸気を利用して水蒸気改質が行われ、水蒸気改質された改質燃料ガスが改質燃料ガス送給流路28を通して固体酸化物形燃料電池2の燃料極12側に送給され、また送給ブロア36からの空気は再生器34で加温された後にその空気極14側に送給される。固体酸化物形燃料電池2においては、上述したように、改質燃料ガスと空気中の酸素を利用して燃料電池発電反応が行われ、上述したと同様に発電することができる。
この第2の実施形態では、蒸発器84にて発生させた水蒸気を第1水蒸気送給流路86を通して燃料ガス送給流路18に送給するとともに、この水蒸気を第2水蒸気送給流路90を通して燃料ガス供給流路16に送給しているが、このような構成に代えて、第1水蒸気送給流路86に蒸発器84を配設し、純水ポンプ22からの純水の一部を蒸発器26に送給し、この蒸発器84にて蒸発させた水蒸気を第1水蒸気送給流路86を通して燃料ガス送給流路18に送給するとともに、純水ポンプ22からの純水の残部を第2水蒸気送給流路90を通して流し、この第2水蒸気送給流路90を流れる間に蒸発させて水蒸気として燃料ガス供給流路16に送給するようにしてもよい。かかる場合、図3に示すように、第2水蒸気送給流路90の一部を固体酸化物形燃料電池2の高温断熱部32内に配置し、固体酸化物形燃料電池2の排熱を利用して第2水蒸気送給流路90を流れる純水を蒸発させて水蒸気にすることができる。
また、この実施形態では、燃料ガス供給流路16からの原燃料ガスを全て上流側改質器82を通して脱硫器4に送給しているが、このような構成に代えて、燃料ガス供給流路16を流れる原燃料ガスの一部を上流側改質器82を通して脱硫器4に流すとともに、燃料ガス供給流路16を流れる燃料ガスの残部を上流側改質器82を通すことなく脱硫器4に送給するようにしてもよい。
以上、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
例えば、上述した第1の実施形態では、脱硫処理した後の燃料ガスに純水を供給して改質器6で水蒸気改質を行っているが、純水(又は水蒸気)に代えて、又はこれに加えて空気を供給するようにしてもよい。純水(水蒸気)に代えて空気を加えた場合には、空気を含む燃料ガスに対して、改質器6における燃料改質触媒及び分岐戻し流路42における炭化水素改質触媒60により部分酸化改質が行われ、純水(水蒸気)に加えて空気を供給した場合には、水蒸気及び空気を含む燃料ガスに対して、改質器6における燃料改質触媒及び分岐戻し流路42における炭化水素改質触媒60により水蒸気改質及び部分酸化改質が行われる。
本発明による第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システムにおける脱硫効果を確認するために、次の通りの試験を行った。実施例1では、図1に示す固体酸化物形燃料電池システムを用い、原燃料ガスとして表1に示す組成の都市ガスを3.5リットル/minで供給し、供給する都市ガスを昇圧ブロアで昇圧して供給した。
Figure 2006054171
そして、この都市ガスに純水を供給し、改質器の入口におけるスチーム/カーボン比を2.0とした。脱硫器については約230℃の高温部に設置し、脱硫剤として銅及び亜鉛を含むものを350ml用いた。また、改質器及び燃焼器については700〜900℃の高温部に設置し、改質器にはアルミナ担体にルテニウムを担持した触媒を用い、改質器において水蒸気改質した改質燃料ガスを固体酸化物形燃料電池の燃料極に供給し、空気をその空気極に供給して燃料電池反応を行った。
また、改質器に送給される燃料ガスの全送給量の約1/100の量を分岐戻し流路を通して昇圧ブロアの上流側に戻した。分岐戻し流路の一部を図2に示す二重管構造で構成し、この二重管構造の端部を約690℃の高温断熱部に設置した。炭化水素改質触媒としてアルミナにルテニウムを1.0重量%担持したものを用い、この改質触媒を二重管内に充填し、充填した触媒層の長さは220mmであった。
上述した固体酸化物形燃料電池システムを稼働させたときの分岐戻し流路の出口部(即ち、燃料ガス供給流路との接続部)の燃料ガスの組成は、表2に示す通りであり、水蒸気を含む燃料ガスが水蒸気改質されて多量の水素を含んでいることが確認できた。
Figure 2006054171
この稼働状態において、脱硫器の出口部における硫黄量を、検出下限10ppbの分析装置を用いて分析したが、5000時間経過後においても硫黄を検出することができなかった。この実験結果から、炭化水素改質触媒を備えた分岐戻し流路を設けるという簡単な構成でもって、長時間にわたって安定して脱硫を行うことが確認できた。燃料ガスに含まれた硫黄が改質器や固体酸化物形燃料電池の燃料極側にスリップすると、スリップした硫黄が改質器や固体酸化物形燃料電池に用いられているニッケルやルテニウムの表面を覆い、それらの性能が低下するが、燃料ガス中の硫黄成分を脱硫することによって、このような性能低下が起こらず、固体酸化物形燃料電池システムを安定して稼働させることが可能となる。
本発明による第2実施形態の固体酸化物形燃料電池システムにおける脱硫効果を確認するために、更に、次の通りの試験を行った。実施例2では、図4に示す固体酸化物形燃料電池システムを用い、原燃料ガスとして実施例1と同様の都市ガスを3.5リットル/minで供給し、供給する都市ガスを昇圧ブロアで昇圧して供給した。脱硫器の上流側に上流側改質器を配設し、この上流側改質器に、改質触媒を30ml充填した。この上流側改質器を固体酸化物形燃料電池の高温部位に断熱材を介して配設した。この高温部位は固体酸化物形燃料電池の定格発電時に約460℃になった。
脱硫器は実施例と同様のものであり、約230℃の高温部に設置し、脱硫剤として銅及び亜鉛を含むものを350ml用いた。また、改質器及び燃焼器については700〜900℃の高温部に設置し、改質器にはアルミナ担体にルテニウムを担持した触媒を用い、改質器において水蒸気改質した改質燃料ガスを固体酸化物形燃料電池の燃料極に供給し、空気をその空気極に供給して燃料電池反応を行った。
固体酸化物形燃料電池システムの発電の際に純水ポンプから純水を供給し、純水ポンプから供給された純水のうち、約49/50の水が水蒸気として第1水蒸気流路を通して燃料ガス雄給流路に送給され、また約1/50の水が水蒸気として第2水蒸気流路を通して燃料ガス供給流路に送給され、この燃料ガス供給流路を通して上流側改質器に送給されるようにした。
上述した稼働条件で固体酸化物形燃料電池システムを5000時間連続稼働させ、5000時間経過後に脱硫器の出口部における硫黄量を検出したが、硫黄を検出することができなかった。尚、5000時間経過後においても、脱硫器に送給された原燃料ガスには0.8vol%の水素が含まれていた。
この実施例2の結果から、脱硫器の上流側に上流側改質器を設けるという簡単な構成でもって、新たなポンプ、流量計、制御などを必要とせず、簡単に且つ安価に脱硫器の脱硫剤の寿命を延ばすことができることが確認できた。
本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第1の実施形態を簡略的に示すシステム図。 図1の固体酸化物形燃料電池システムにおける二重管構造を示す断面図。 U字状配管を適用した例を示す断面図。 本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第2の実施形態を簡略的に示すシステム図。
符号の説明
2 固体酸化物形燃料電池
4 脱硫器
6 改質器
8 燃焼部
12 燃料極
14 空気極
16 燃料ガス供給流路
17 昇圧ブロア
18 燃料ガス送給流路
20 純水混合部
28 改質燃料ガス送給流路
32 高温断熱部
36 送給ブロア
38 空気供給流路
40 空気送給流路
42 分岐戻し流路
44 二重管構造
46 内管
48 外管
60 炭化水素改質触媒
82 上流側改質器
86 第1水蒸気流路
90 第2水蒸気流路

Claims (4)

  1. 炭化水素からなる原燃料ガスに含まれる硫黄成分を除去するための脱硫器と、前記脱硫器に送給される原燃料ガスを昇圧するための昇圧器と、脱硫処理された燃料ガスに水、水蒸気及び空気の少なくとも一つを混合するための混合器と、前記混合器の下流側に配設され、燃料ガスを改質するための燃料改質触媒を備えた改質器と、燃料極及び空気極を有し、改質反応後に前記燃料極側に送給される燃料ガスと前記空気極側に送給される空気との間で燃料電池発電反応を行って発電する固体酸化物形燃料電池と、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
    前記脱硫器には、銅及び亜鉛を含む脱硫剤が充填されており、前記混合器と前記改質器との間には、前記混合器から前記改質器に送給される燃料ガスの一部を前記脱硫器の上流側に導くための分岐戻し流路が設けられ、前記分岐戻し流路の一部は前記固体酸化物形燃料電池の排熱を利用して500℃以上に加熱される高温部位に配置されており、前記分岐戻し流路には炭化水素を改質するための炭化水素改質触媒が配設されており、前記混合器から前記改質器に送給される燃料ガスの全送給量のうち1/200〜1/20の量が、前記分岐戻し流路を通して前記脱硫器の上流側に戻されることを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
  2. 前記炭化水素改質触媒が、ルテニウム、パラジウム、ロジウム及びニッケルの少なくとも一つを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  3. 前記分岐戻し流路の一部は二重管構造により規定され、前記二重管構造は、内管と前記内管を覆う外管から構成され、前記二重管構造の端部に前記炭化水素改質触媒が配設されるとともに、この端部が前記固体酸化物形燃料電池の前記高温部位に配設され、前記高温部位に配設される前記二重管構造の前記混合器からの燃料ガスの一部が、前記内管内を流れた後に前記内管と前記外管との間の環状空間を通して前記脱硫器の上流側に戻されることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  4. 炭化水素からなる原燃料ガスに含まれる硫黄成分を除去するための脱硫器と、前記脱硫器にて脱硫処理された燃料ガスに水又は水蒸気を混合するための混合器と、前記混合器の下流側に配設され、燃料ガスを改質するための燃料改質触媒を備えた改質器と、燃料極及び空気極を有し、改質反応後に前記燃料極側に送給される燃料ガスと前記空気極側に送給される空気との間で燃料電池発電反応を行って発電する固体酸化物形燃料電池と、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
    前記脱硫器には、銅及び亜鉛を含む脱硫剤が充填されており、前記改質器の上流側には、炭化水素を改質するための炭化水素改質触媒を備えた上流側改質器が設けられ、前記上流側改質器は固体酸化物形燃料電池の排熱を利用して400℃以上となる高温部位に配設され、前記改質器に送給される水又は水蒸気の1/10以下の量が前記上流側改質器に送給されることを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
JP2005201635A 2004-07-12 2005-07-11 固体酸化物形燃料電池システム Expired - Fee Related JP4911927B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005201635A JP4911927B2 (ja) 2004-07-12 2005-07-11 固体酸化物形燃料電池システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004204735 2004-07-12
JP2004204735 2004-07-12
JP2005201635A JP4911927B2 (ja) 2004-07-12 2005-07-11 固体酸化物形燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006054171A true JP2006054171A (ja) 2006-02-23
JP4911927B2 JP4911927B2 (ja) 2012-04-04

Family

ID=36031488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005201635A Expired - Fee Related JP4911927B2 (ja) 2004-07-12 2005-07-11 固体酸化物形燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4911927B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008251493A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Toho Gas Co Ltd 燃料電池モジュール
JP2008251495A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Toho Gas Co Ltd 燃料電池モジュール
JP2008287959A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Nippon Oil Corp 間接内部改質型高温型燃料電池
JP2009059657A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Nippon Oil Corp 間接内部改質型固体酸化物形燃料電池
JP2009199985A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Casio Comput Co Ltd 発電装置及び電子機器
JP2010027579A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Osaka Gas Co Ltd 燃料電池システム
JP2010272333A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Jx Nippon Oil & Energy Corp 燃料電池システム
JP2011159485A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Osaka Gas Co Ltd 固体酸化物形燃料電池
JP2011181268A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Jx Nippon Oil & Energy Corp 燃料電池用脱硫器の加熱方法及び燃料電池システム
JP2011216308A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Osaka Gas Co Ltd 固体酸化物形燃料電池システム
JP2013191280A (ja) * 2012-03-12 2013-09-26 Aisin Seiki Co Ltd 燃料電池装置
WO2014083794A1 (ja) * 2012-11-29 2014-06-05 パナソニック株式会社 燃料電池システム
US9312555B2 (en) 2012-12-27 2016-04-12 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Hydrogen generator and fuel cell system
JP2017183128A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 Toto株式会社 固体酸化物形燃料電池装置
US10461341B2 (en) 2013-12-19 2019-10-29 Panasonic Corporation Fuel cell system

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6195123B2 (ja) * 2012-10-25 2017-09-13 パナソニックIpマネジメント株式会社 燃料電池システム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03275501A (ja) * 1990-03-26 1991-12-06 Fuji Electric Co Ltd 燃料改質器
JPH09320622A (ja) * 1996-05-30 1997-12-12 Toshiba Corp 燃料電池発電システム
JPH1125997A (ja) * 1997-07-02 1999-01-29 Yoyu Tansanengata Nenryo Denchi Hatsuden Syst Gijutsu Kenkyu Kumiai 燃料電池発電装置
JPH11139803A (ja) * 1998-08-28 1999-05-25 Osaka Gas Co Ltd 燃料電池発電システム
JP2002518820A (ja) * 1998-06-24 2002-06-25 インターナショナル フューエル セルズ 燃料電池電力設備に使用するための燃料脱硫装置
WO2003063282A1 (en) * 2002-01-25 2003-07-31 Ceramic Fuel Cells Limited Desulfurisation of fuel

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03275501A (ja) * 1990-03-26 1991-12-06 Fuji Electric Co Ltd 燃料改質器
JPH09320622A (ja) * 1996-05-30 1997-12-12 Toshiba Corp 燃料電池発電システム
JPH1125997A (ja) * 1997-07-02 1999-01-29 Yoyu Tansanengata Nenryo Denchi Hatsuden Syst Gijutsu Kenkyu Kumiai 燃料電池発電装置
JP2002518820A (ja) * 1998-06-24 2002-06-25 インターナショナル フューエル セルズ 燃料電池電力設備に使用するための燃料脱硫装置
JPH11139803A (ja) * 1998-08-28 1999-05-25 Osaka Gas Co Ltd 燃料電池発電システム
WO2003063282A1 (en) * 2002-01-25 2003-07-31 Ceramic Fuel Cells Limited Desulfurisation of fuel

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008251493A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Toho Gas Co Ltd 燃料電池モジュール
JP2008251495A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Toho Gas Co Ltd 燃料電池モジュール
JP2008287959A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Nippon Oil Corp 間接内部改質型高温型燃料電池
JP2009059657A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Nippon Oil Corp 間接内部改質型固体酸化物形燃料電池
JP2009199985A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Casio Comput Co Ltd 発電装置及び電子機器
JP2010027579A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Osaka Gas Co Ltd 燃料電池システム
JP2010272333A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Jx Nippon Oil & Energy Corp 燃料電池システム
JP2011159485A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Osaka Gas Co Ltd 固体酸化物形燃料電池
JP2011181268A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Jx Nippon Oil & Energy Corp 燃料電池用脱硫器の加熱方法及び燃料電池システム
JP2011216308A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Osaka Gas Co Ltd 固体酸化物形燃料電池システム
JP2013191280A (ja) * 2012-03-12 2013-09-26 Aisin Seiki Co Ltd 燃料電池装置
WO2014083794A1 (ja) * 2012-11-29 2014-06-05 パナソニック株式会社 燃料電池システム
US9478817B2 (en) 2012-11-29 2016-10-25 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Fuel cell system
US9312555B2 (en) 2012-12-27 2016-04-12 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Hydrogen generator and fuel cell system
US9472823B2 (en) 2012-12-27 2016-10-18 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Hydrogen generator and fuel cell system
US10461341B2 (en) 2013-12-19 2019-10-29 Panasonic Corporation Fuel cell system
JP2017183128A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 Toto株式会社 固体酸化物形燃料電池装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4911927B2 (ja) 2012-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4911927B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池システム
JP4741231B2 (ja) 燃料電池の運転方法
EP1557897A1 (en) Fuel cell power generation system
JP2008532920A (ja) 燃料電池装置用の燃料処理装置及び燃料電池装置用の燃料処理装置の動作方法
EP2172420A1 (en) Hydrogen generation system, fuel cell system, and method for operation of hydrogen generation system
JP2003306309A (ja) 水素含有ガス生成装置の運転方法
JP5272183B2 (ja) 燃料電池用改質装置
JP2003002605A (ja) 水蒸気改質器の起動方法及び停止方法
JP2007331985A (ja) 水素生成装置、およびそれを用いた燃料電池発電装置
JP3857022B2 (ja) 固体高分子型燃料電池の起動及び停止方法
JP5347330B2 (ja) 水素生成装置
JP4882215B2 (ja) 脱硫用改質リサイクルガスの供給システムを備えた燃料電池発電装置
JP5161621B2 (ja) 燃料電池用改質装置
JP5383667B2 (ja) 水素生成装置、およびそれを備える燃料電池システム
JP2013101822A (ja) 燃料電池システム
JP2009026510A (ja) 燃料電池発電システムおよび燃料電池発電システムの燃料改質方法
JP2006076839A (ja) 水素精製装置およびそれを用いた燃料電池システム
JP4311961B2 (ja) 燃料電池システム
JP2009256120A (ja) 改質装置
JP2002020103A (ja) 水素製造装置の起動方法およびその停止方法
JP2006104003A (ja) 燃料改質システム
JP2005089255A (ja) 水素発生装置および方法
JP5466871B2 (ja) 燃料電池用改質装置
JP2008105892A (ja) 燃料改質装置の停止方法
JP2015185507A (ja) 燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4911927

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees