JP4311961B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化炭素除去システムを固体高分子型燃料電池の上流に備え、前記一酸化炭素除去システムが備える一酸化炭素除去器の出口ガス又はこれに由来するガスをアノードガスとして前記固体高分子型燃料電池に供給する燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の一酸化炭素除去方法を実施するための一酸化炭素除去システムとしては、水素と一酸化炭素とを含む混合ガス(例えば、改質ガス)と酸化剤とを、一酸化炭素除去触媒上で反応させて、前記一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去触媒を内装する一酸化炭素除去器と、前記一酸化炭素除去触媒と接触可能に、前記改質ガスに対して前記酸化剤を添加する酸化剤添加手段とを備えたものが知られていた。前記混合ガスとしては、例えば、天然ガス、ナフサ、灯油等の炭水化物類や、メタノール等のアルコール類等を改質(水蒸気改質、部分燃焼改質等)して得られる改質ガスを用いることができる。
【0003】
前記一酸化炭素除去触媒としては、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等をアルミナ等の担体に担持した一酸化炭素除去触媒が知られていた。これらの一酸化炭素除去触媒は、主として、下記反応式で表わされる酸化反応によって、一酸化炭素を二酸化炭素に変換して除去する。
【0004】
【化1】
CO + 1/2O2 → CO2
【0005】
前記一酸化炭素除去触媒から構成される触媒層に、前記酸化剤添加手段を通じて前記改質ガスに酸化剤(酸素または酸素を含む空気等)を添加したガスを導入して、前記一酸化炭素除去触媒と接触させ、これによって、前記改質ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換していた。前記一酸化炭素除去触媒は、前記触媒層の温度が80〜200℃程度のときに、選択的に一酸化炭素を酸化する反応が進行し易くなるので、温度調整手段(ヒータ、冷却器など)を前記筐体に付設して、前記触媒層がその温度域になるように保持することもあった。
【0006】
この種の一酸化炭素除去システムは、燃料電池システムにおいて、燃料電池の燃料となる改質ガスを供給するために前記燃料電池の上流側に設けられていた。
【0007】
一般に、前記燃料電池システムは、必要に応じて脱硫器、並びに、改質器、一酸化炭素変成器、一酸化炭素除去器、及び、燃料電池を記載順に連接して構成されていた。化石燃料(天然ガス等の炭化水素、又は、ナフサや灯油等)又はアルコール(メタノール等)を含む前記原燃料中の硫黄分は、前記脱硫器で除去される。前記改質器においては、水蒸気改質反応、部分燃焼改質反応、またはこれらの組み合わせによって、前記原燃料から水素を含む改質ガスを生成する。前記一酸化炭素変成器では前記改質ガスに含まれる一酸化炭素を一酸化炭素変性反応によって二酸化炭素に変換していた。この時点で、前記改質ガスは、水素を主成分(70体積%以上)とし、他に二酸化炭素(20体積%程度)と一酸化炭素(0.5〜1体積%)とを含むガスとなる。
【0008】
更に、固体高分子型燃料電池に供する改質ガスを製造する燃料改質システムにあっては、固体高分子型燃料電池が約80℃という低温で作動することから、微量の一酸化炭素によっても電極触媒が被毒されてしまうために、更に前記一酸化炭素を低減する必要があった。そこで、前記一酸化炭素除去システムにおいて、前記酸化剤添加手段を用いて前記酸化剤を前記改質ガスに添加して、一酸化炭素除去触媒の作用で水素と一酸化炭素とを含む混合ガスである前記改質ガスから更に一酸化炭素を除去した改質ガス(例えば、一酸化炭素10ppm以下で水素を40体積%以上含むガス(ドライベース))を得ていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来、上述した一酸化炭素除去システム及びこれを用いた燃料電池システムの運用はまだ試験段階にあり、長期間連続的に運転したときのデータを得るに至っていなかった。従って、非常に長い期間連続して一酸化炭素除去をするための方法は確立されていなかった。
ところが、発明者らは、数千時間にも及ぶ長期に亘る連続運転を行なうことに成功し、前記一酸化炭素除去触媒の長期的な安定性について検討を行なった。ここで、発明者らは、前記一酸化炭素除去器を、前記一酸化炭素除去触媒の作用に適した温度域で長期間に亘って運転すると、徐々に前記一酸化炭素除去器から排出される前記改質ガス中の一酸化炭素濃度が高まって数十ppmに達し、前記一酸化炭素除去触媒を長期間連続使用することによって、その性能が劣化することを見出した。
【0010】
このことは、固体高分子型燃料電池の電極触媒劣化を防止して、高い性能を維持したり、耐久性を確保したりするために、前記固体高分子型燃料電池に供給する前記改質ガス中の一酸化炭素濃度をコンスタントに10ppm以下にまで低減しなければならないという要請に合致しない。
一方で、このような前記一酸化炭素除去触媒の劣化をもって寿命が尽きたと判断して前記一酸化炭素除去触媒を交換することによって、前記改質ガスの一酸化炭素濃度を低減させることも考えられる。しかしながら、このような対処法では、前記一酸化炭素除去触媒は高価なものであるので、前記一酸化炭素除去触媒の交換に伴って、コストの増加するという問題点があった。又、前記一酸化炭素除去触媒の交換及び前記一酸化炭素除去システムや燃料電池システムの運転が安定化するまでの間、前記燃料電池システムからの電力供給が妨げられるという問題点があった。
【0011】
従って、本発明の目的は、上記問題点に鑑み、前記混合ガス中の一酸化炭素濃度を長期間に亘って非常に低い濃度に保ちながら、前記一酸化炭素除去触媒の寿命を延長することができる一酸化炭素除去システムを固体高分子型燃料電池の上流に備える燃料電池システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明の燃料電池システムの特徴構成は、一酸化炭素除去システムを固体高分子型燃料電池の上流に備え、前記一酸化炭素除去システムが備える一酸化炭素除去器の出口ガス又はこれに由来するガスをアノードガスとして前記固体高分子型燃料電池に供給する燃料電池システムであって、前記一酸化炭素除去システムは、水素と一酸化炭素とを含む混合ガスと酸化剤とを、一酸化炭素除去触媒上で反応させて、前記一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去触媒を内装する前記一酸化炭素除去器と、前記一酸化炭素除去触媒と接触可能に、前記混合ガスに対して前記酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、前記固体高分子燃料電池の出力情報を前記一酸化炭素除去触媒の性能情報として検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記性能情報が所定の基準を満たすか否かを判定し、前記所定の基準を満たさないと判定した場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに対する前記酸化剤の添加比率を増加させる制御手段と、を備える点にある。
【0013】
本発明において提案する燃料改質システムは一酸化炭素除去器に収容した一酸化炭素除去触媒が、触媒のシンタリングによる劣化に加えて、鉄又は鉄化合物によって被毒(鉄被毒)されるという新知見に基づくものである。
発明者らは、前記一酸化炭素除去器による一酸化炭素除去率が徐々に低下する(劣化する)原因を解明すべく、鋭意研究を進めた結果、活性が大幅に低下した触媒の表面の状態を電子プローブ微量分析(EPMA)及び誘導結合高周波プラズマ発光分光分析(ICP発光分光分析)により解析することによって、その表面に何らかの形態で鉄原子が存在していることを確認した。又、発明者らは、ある程度シンタリングが進行した触媒でも、鉄による被毒が少なければ、充分な触媒活性を維持していることも同時に確認しており、前記触媒の活性低下には、シンタリングの影響だけでなく、前記鉄又は鉄化合物、或いは前記鉄及び鉄化合物双方の存在が深く関与していると考えた。
【0014】
そこで、更に、活性が低下した触媒に存在する鉄又は鉄化合物の由来について検討した結果、前記燃料改質システムを構成する部品(例えば、ステンレス鋼製の反応器や配管、熱交換器など)に含まれる鉄又は鉄化合物が、前記改質ガスに混入して、前記一酸化炭素除去器に内装した前記触媒に付着して活性点を塞いで、活性が低下する虞れがあることが分かった。
【0015】
これまで、一酸化炭素除去器を通常の条件で使用するにあたって、一酸化炭素除去触媒が鉄被毒を受けるとは考えられていなかったが、鉄や鉄化合物が前記改質ガスに混入し、一酸化炭素除去触媒が鉄被毒され得る原因について考察してみると、可能性の一つとして、以下の様なプロセスが推測される。
【0016】
先ず、前記一酸化炭素変成器を通過して一酸化炭素濃度を低減した改質ガス(例えば、代表的な組成としては、水素65%、二酸化炭素19%、一酸化炭素0.5%、水蒸気15.5%)は、前記一酸化炭素変成器の出口温度(約200℃程度)と同程度の温度で、前記一酸化炭素変成器から排出されるわけであるが、後続する前記一酸化炭素除去器の運転温度は、これより低い(80〜200℃程度)ため、前記一酸化炭素除去器に導入する前に、前記一酸化炭素変成器と前記一酸化炭素除去器とを接続する反応器や配管、熱交換器中などで放熱して、その温度が下がる。このとき、前記改質ガスは、水素の濃度が高く、又、前記配管や熱交換器などを構成するステンレス鋼材等には鉄、ニッケルが存在しているので、鉄と一酸化炭素とが結合することによって鉄カルボニル(Fe(CO)5)のような形態を取って遊離し易い条件となっている。従って、鉄が前記改質ガスと共に移動して、前記一酸化炭素除去器に流入して、前記一酸化炭素除去触媒に付着することによって、被毒するものと考えられる。
又、前記一酸化炭素変成器と前記一酸化炭素除去器との間で一酸化炭素を除去するために添加する酸化剤や、前記一酸化炭素変成器と前記一酸化炭素除去器との間で結露する水等も前記鉄被毒のプロセスに関与している可能性がある。
【0017】
そこで、発明者らは、前記一酸化炭素触媒を用いた前記混合ガスからの一酸化炭素の除去方法について鋭意研究の結果、シンタリングによる劣化のみならず、鉄によって前記酸化炭素除去触媒が大幅に被毒されても前記混合ガス中の一酸化炭素を充分に除去することができる方法があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
即ち、一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去触媒を内装する一酸化炭素除去器において、水素と一酸化炭素とを含む混合ガスと酸化剤とを一酸化炭素除去触媒上で反応させる際に、前記酸化剤は酸化剤添加手段によって、前記一酸化炭素除去触媒と接触可能に前記一酸化炭素除去器に対して添加される。ここで、検出手段が前記一酸化炭素除去触媒の前記性能情報を検出することによって、前記一酸化炭素除去触媒の状態を把握することができる。そして、制御手段が、前記検出手段によって検出された前記性能情報が所定の基準を満たすか否かを判定し、前記所定の基準を満たさないと判定した場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに対する前記酸化剤の添加比率を増加させると、前記一酸化炭素除去触媒の性能が低下した場合でも、前記一酸化炭素除去触媒の寿命を延長しつつ、一酸化炭素濃度が非常に低い前記混合ガス(例えば、一酸化炭素濃度が10ppm以下)を長期間に亘って安定して供給することができる。
そして、上述のような一酸化炭素除去器を備える一酸化炭素除去器システムを固体高分子型燃料電池の上流に備えることによって、非常に一酸化炭素濃度が低い(例えば、10ppm以下の)前記一酸化炭素除去器の出口ガスが、非常に長期に亘って得られる。従って、出口ガス又はこれに由来するガスをアノードガスとして前記固体高分子型燃料電池に供給することによって、前記固体高分子型燃料電池を構成する電極触媒の被毒を防止し、長期間に亘って安定運転することができる。又、実施例において詳述するように、前記アノードガス中の一酸化炭素濃度を低減することによって前記固体高分子型燃料電池の出力電圧を上げることができるので、利用効率を向上させることができる。
更に、前記性能情報が前記固体高分子燃料電池の出力情報であると、従来から設けられている電圧計や電流計等を前記検出手段として利用することができる。
【0019】
又、この目的を達成するための本発明の燃料電池システムの別の特徴構成は、前記検出手段が、前記固体高分子型燃料電池の出力電圧を前記出力情報として検出し、前記制御手段が、検出された前記出力電圧が所定の基準値を下回った場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに対する前記酸化剤の添加比率を増加させる点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、前記検出手段が、前記固体高分子型燃料電池の出力電圧を前記出力情報として検出し、前記制御手段が、検出された前記出力電圧が所定の基準値を下回った場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに対する前記酸化剤の添加比率を増加させる。
【0021】
又、この目的を達成するための本発明の燃料電池システムの更に別の特徴構成は、一酸化炭素除去システムを固体高分子型燃料電池の上流に備え、前記一酸化炭素除去システムが備える一酸化炭素除去器の出口ガス又はこれに由来するガスをアノードガスとして前記固体高分子型燃料電池に供給する燃料電池システムであって、前記一酸化炭素除去システムは、水素と一酸化炭素とを含む混合ガスと酸化剤とを、一酸化炭素除去触媒上で反応させて、前記一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去触媒を内装する前記一酸化炭素除去器と、前記一酸化炭素除去触媒と接触可能に、前記混合ガスに対して前記酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、前記固体高分子燃料電池の出力情報を前記一酸化炭素除去触媒の性能情報として検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記性能情報が所定の基準を満たすか否かを判定し、前記所定の基準を満たさないと判定した場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに含まれる一酸化炭素に対する前記酸化剤の添加比率を増加させる制御手段と、を備える点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去触媒を内装する一酸化炭素除去器において、水素と一酸化炭素とを含む混合ガスと酸化剤とを一酸化炭素除去触媒上で反応させる際に、前記酸化剤は酸化剤添加手段によって、前記一酸化炭素除去触媒と接触可能に前記一酸化炭素除去器に対して添加される。ここで、検出手段が前記一酸化炭素除去触媒の前記性能情報を検出することによって、前記一酸化炭素除去触媒の状態を把握することができる。そして、制御手段が、前記検出手段によって検出された前記性能情報が所定の基準を満たすか否かを判定し、前記所定の基準を満たさないと判定した場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに含まれる一酸化炭素に対する前記酸化剤の添加比率を増加させると、前記一酸化炭素除去触媒の性能が低下した場合でも、前記一酸化炭素除去触媒の寿命を延長しつつ、一酸化炭素濃度が非常に低い前記混合ガス(例えば、一酸化炭素濃度が10ppm以下)を長期間に亘って安定して供給することができる。一酸化炭素に対する前記酸化剤の添加比率を増加させるためには、具体的には実施例に記載されているように、一酸化炭素に対する酸化剤の添加比率を指標にして、混合ガスに対する酸化剤の添加比率を上昇させればよい。
そして、上述のような一酸化炭素除去器を備える一酸化炭素除去器システムを固体高分子型燃料電池の上流に備えることによって、非常に一酸化炭素濃度が低い(例えば、10ppm以下の)前記一酸化炭素除去器の出口ガスが、非常に長期に亘って得られる。従って、出口ガス又はこれに由来するガスをアノードガスとして前記固体高分子型燃料電池に供給することによって、前記固体高分子型燃料電池を構成する電極触媒の被毒を防止し、長期間に亘って安定運転することができる。又、実施例において詳述するように、前記アノードガス中の一酸化炭素濃度を低減することによって前記固体高分子型燃料電池の出力電圧を上げることができるので、利用効率を向上させることができる。
更に、前記性能情報が前記固体高分子燃料電池の出力情報であると、従来から設けられている電圧計や電流計等を前記検出手段として利用することができる。
【0023】
又、この目的を達成するための本発明の燃料電池システムの更に別の特徴構成は、前記検出手段が、前記固体高分子型燃料電池の出力電圧を前記出力情報として検出し、前記制御手段が、検出された前記出力電圧が所定の基準値を下回った場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに含まれる一酸化炭素に対する前記酸化剤の添加比率を増加させる点にある。
【0024】
上記特徴構成によれば、前記検出手段が、前記固体高分子型燃料電池の出力電圧を前記出力情報として検出し、前記制御手段が、検出された前記出力電圧が所定の基準値を下回った場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに含まれる一酸化炭素に対する前記酸化剤の添加比率を増加させる。
【0025】
又、この目的を達成するための本発明の燃料電池システムの更に別の特徴構成は、前記混合ガスが、炭化水素類やアルコール類を改質して得られる改質ガスである点にある。
【0026】
上記特徴構成によれば、前記混合ガスが、炭化水素類やアルコール類を改質して得られる改質ガスである場合、一酸化炭素の混入が制限される用途(例えば、燃料電池のアノードガス製造等)に用いられることが多い。従って、本発明に係る燃料電池システムが備える一酸化炭素除去システムによって、一酸化炭素濃度を非常に低くすることができることは好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る一酸化炭素除去システム1を備え燃料電池システムを示す。この燃料電池システムは、大別すると、天然ガス(都市ガス)、ナフサ、灯油等の炭化水素類を原燃料として、固体高分子型燃料電池5にアノードガスとして供する水素を主成分とする改質ガスを製造する燃料改質システムと、前記燃料改質システムから供給される前記改質ガスをアノードガスとし、空気(酸素)をカソードガスとして供給されることによって発電する固体高分子型燃料電池5とを有する。
【0028】
前記燃料改質システムは、改質器2、一酸化炭素変成器3、及び前記一酸化炭素除去システム1を構成する一酸化炭素除去器4が配管を通じて連設されている。これらを通過して改質された改質ガスは、固体高分子型燃料電池5のアノード極に供給される。
以下に、各構成要素について説明する。
【0029】
前記改質器2は、改質触媒を内装し、前記改質触媒を加熱するためのバーナが設けられる。前記改質器2内では、前記原燃料と別途供給される水蒸気とを混合して前記改質触媒と接触させる。前記改質触媒の作用によって、前記原燃料中のメタン等の炭化水素類が主に水素に改質され、副生物としての一酸化炭素、二酸化炭素が生成する。
【0030】
このようにして得られた改質ガスは、水素に富むものの、副生成物としての一酸化炭素を十数%含むので、前記固体高分子型燃料電池5に直接供給すると電極触媒が著しく被毒する。そこで、前記一酸化炭素変成器3において、出口温度を約200℃の条件下で、銅−亜鉛系触媒等の一酸化炭素変成触媒と接触させて一酸化炭素を二酸化炭素に変成させる。前記一酸化炭素変成器3の出口ガスでは、0.3〜1%にまで一酸化炭素濃度が低減される。しかし、前記固体高分子型燃料電池5を長期間に亘って安定運転するためには、10ppm程度にまで一酸化炭素濃度を削減する必要があるので、前記一酸化炭素変成器3の出口ガス(改質ガス)を、更に、下流に設けた前記一酸化炭素除去器4に導入する。
【0031】
前記一酸化炭素除去器4は、前記一酸化炭素除去触媒と接触可能に、前記混合ガスに対して前記酸化剤を添加する酸化剤添加手段6と、前記一酸化炭素除去触媒の性能情報を検出する検出手段7と、前記検出手段7によって検出された前記性能情報に基づいて前記酸化剤添加手段6を制御する制御手段8と共に記一酸化炭素除去システム1を構成し、前記一酸化炭素変成器3の出口ガスから一酸化炭素を除去する。
【0032】
前記一酸化炭素除去器4には、一酸化炭素変成器3の出口ガス中に含まれる一酸化炭素を除去可能な一酸化炭素除去触媒が内装してある。このような触媒は、例えば、ルテニウム(或いは、白金、ロジウム、パラジウム等の貴金属)をアルミナ球等の担体に担持したものを使用することができる。例えば、本法に使用する一酸化炭素除去としては、アルミナ担体に0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%のルテニウムを担持した触媒を使用することができる。前記反応ガス中の一酸化炭素は、主として、前記一酸化炭素除去触媒が促進する酸化除去反応によって、酸素と結合して二酸化炭素となる。同時に、メタン化反応によって一酸化炭素を除去することもできる。これらの作用によって、非常に一酸化炭素濃度の低い前記改質ガスが得られる。
【0033】
尚、前記一酸化炭素除去触媒の反応温度は、前記一酸化炭素除去が進行する温度域であればよいが、好ましくは、二酸化炭素のメタン化反応を抑制することができる80〜180℃で行なうことが好ましい。
【0034】
前記検出手段7が検出する前記一酸化炭素除去触媒の性能情報とは、例えば、前記一酸化炭素除去触媒と接触する前の前記改質ガス中の一酸化炭素濃度、前記一酸化炭素除去触媒と接触した後の前記改質ガス中の一酸化炭素濃度、又は、前記一酸化炭素除去触媒と接触した後の前記改質ガス中の一酸化炭素濃度が反映される要因に関する情報である。具体的には、前記一酸化炭素除去触媒と接触する前、又は接触した後の前記改質ガス中の一酸化炭素濃度そのものの情報、前記燃料電池の出力に関する情報(出力情報)等がある。前記検出手段7には、例えば一酸化炭素ガス検知センサが挙げられる。前記一酸化炭素ガス検知センサは、改質ガスの流路中に設けられてリアルタイムでデータを取得するように構成されてもよいし、前記一酸化炭素ガス検知センサにより予め取得したデータから履歴を作成しておいて、その履歴を性能情報として用いてもよい。前記燃料電池の制御方法には、出力電力一定方式、出力電流一定方式、出力電圧一定方式等の種々の方式が有り、これらの方式に応じて得られる電圧値、電流値等の前記出力情報を利用することができる。
【0035】
前記検出手段7は、前記性能情報を取得可能な手段であればよく、例えば、前記性能情報が出力情報である出力電圧の場合、図1に示すように電圧計を採用することができる。或いは、前記性能情報が一酸化炭素濃度であれば、公知の一酸化炭素センサ、水素炎イオン化検出器(FID)、熱伝導度検出計(TCD)等を用いることができる。これらの検出手段7は、予め前記一酸化炭素除去システム1又は前記燃料電池システムに配備されていたものを利用することもできる。
【0036】
前記制御手段8はマイコン、前記燃料電池システム全体の各種制御を司る制御装置等で構成することができる。前記制御手段8は、前記検出手段7から送られてくる前記性能情報信号を受け、この性能情報に基づいて演算処理を行う演算部と、前記演算部による演算処理の結果に基づいて、前記酸化剤添加手段6に対して前記酸化剤の添加量を制御する信号を発する制御部を有する。
尚、前記制御手段8による前記酸化剤添加手段6の制御例については、後述する。
【0037】
前記酸化剤添加手段6としてはブロワやポンプ等の公知の構成を採用することができ、前記ブロワやポンプ等で空気を搬送する。前記酸化剤の搬送先は、前記改質ガスの存在下で前記一酸化炭素除去触媒と前記酸化剤とが接触可能である場所であればよく、例えば、図1に示すように、前記一酸化炭素除去器4の上流側の前記配管から前記酸化剤を導入することができる。又は、前記一酸化炭素除去器4内に、前記酸化剤を導入するように構成してあってもよい。
【0038】
前記一酸化炭素除去器4から排出された前記改質ガスは、前記固体高分子型燃料電池5にアノードガスとして導入される。前記固体高分子型燃料電池5は、燃料極(アノード極)と空気極(カソード極)との間に、電解質としての固体高分子膜を介装してある。前記アノードガスを前記燃料極に供給し、カソードガス(空気)を前記空気極に供給すると、前記アノードガス中の水素と前記カソードガス中の酸素が結合して前記空気極側で水が生成し電気が発生する。発電後の前記カソードガスのオフガスは大気中に放出される。前記アノードガスのオフガスは未反応の水素と残存するメタンを燃料として利用するために、前記改質器2に返送することができる。
【0039】
このような燃料電池システムにおける前記演算処理の例として、前記性能情報が前記固体高分子型燃料電池の出力電圧である場合を説明する。
図1に示すように、前記固体高分子型燃料電池5で生成した電力は送電線9を伝って外部に供給される。この送電線9又は前記固体高分子型燃料電池5の内部配線には検出手段7としての電圧計7が接続されている。この電圧計7によって検出された前記固体高分子型燃料電池5の電圧は、先に説明したように、前記一酸化炭素除去触媒の一酸化炭素除去能の影響を受ける。即ち、前記一酸化炭素除去触媒の性能が低下して前記一酸化炭素除去器4の出口ガスにおける一酸化炭素濃度が上昇すると、前記固体高分子型燃料電池5の出力電圧が低下する。この電圧計7によって検出された電圧のデータは前記性能情報として記録され、前記制御手段8に送られる。前記制御手段8は、前記演算部において、前記性能情報(電圧データ)が所定の電圧値を超えているか否かを判定する。前記判定の結果、前記電圧データが所定の電圧値を下回る場合、前記制御部はこの判定を受けて、前記酸化剤添加手段6に対して、前記酸化剤の添加量を増加させる命令信号を発する。この命令信号を受けた前記酸化剤添加手段6は、前記酸化剤の添加量を増加させる。この結果、前記一酸化炭素除去器4内の[O2]/[CO]が上がって、前記一酸化炭素除去触媒による一酸化炭素の酸化反応が亢進し、前記一酸化炭素除去器4の出口ガスの一酸化炭素濃度を低減することができる。
【0040】
ここで、前記酸化剤の添加比率は、前記一酸化炭素の酸化反応の理論的下限である[O2]/[CO]が0.5以上であることが必要である。又、前記混合ガス中に含まれる水素の燃焼を抑制するために、酸素の添加率を可及的に低減することが好ましい。よって、[O2]/[CO]が3.0以下となるように添加することが好ましい。尚、上述した前記燃料電池システムの発電効率よりも、長期の安定運転を重視する場合には、水素の爆発限界以下(例えば、前記一酸化炭素除去器4の入口の一酸化炭素濃度が1%のとき、[O2]/[CO]が5.0以下)となるように、前記酸化剤を添加することが好ましい。
【0041】
従って、前記一酸化炭素除去システム1は、可能であれば先に提示した[O2]/[CO]の範囲内の低い[O2]/[CO]から運転を開始し、前記電圧値の下降に伴って[O2]/[CO]が上昇するように制御する。
【0042】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
〔実施例1〕
一酸化炭素除去器の出口ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を前記一酸化炭素除去触媒の性能情報として、酸化剤添加量を制御した例を以下に説明する。
アルミナ担体にルテニウム(Ru)を1重量%担持したRu/アルミナ触媒を8mlとり、これを、内部に熱電対挿入用鞘管を有するステンレス鋼製の反応管(筐体)に充填して一酸化炭素除去器を作製した。この一酸化炭素除去器は、前記熱電対挿入用鞘管に挿入した熱電対によって前記一酸化炭素除去触媒の温度をモニタリングして、前記反応管を外部に備えたヒータを操作し、前記反応管の温度を制御可能に構成した。
【0043】
この一酸化炭素除去器に、H26%、N294%の組成を有するガスを、1,000ml/分の速度で導入しながら反応管温度を250℃に上昇させて250℃のまま2時間保持した(前処理)。この前処理は、前記Ru/アルミナ触媒の低温における初期活性を高めるための処理である。
【0044】
この後、前記反応管の温度を低下させた後、一酸化炭素変成器の出口ガスに空気を添加したガス([O2]/[CO]=1.5)に相当する反応模擬ガス(一酸化炭素0.5%、メタン0.5%、二酸化炭素20.9%、酸素0.75%、窒素3.0%、残部が水素である混合ガスに湿りガス中の水蒸気濃度が5%となるように水蒸気を添加したガス)を、空間速度(GHSV)7,500/時間(ドライベース)で前記一酸化炭素除去器に導入し、前記一酸化炭素除去触媒により形成される触媒層の最高温度が140℃となるように制御しながら一酸化炭素の除去を行なった。
【0045】
尚、前記反応ガス中の酸素濃度は手動で変更可能に構成した。
又、前記一酸化炭素除去器から排出された出口ガスに含まれる一酸化炭素の濃度は、水素炎イオン化検出器(FID)で検出した。このFIDの検出限界(下限)は1ppmであった。
又、前記一酸化炭素除去器に導入する前記反応ガス中の酸素濃度は、前記FIDによる一酸化炭素濃度の検出データを操作者がチェックして、10ppm又はそれ以上になった時点で酸素添加量を増加させることとした。
【0046】
上記条件で、前記一酸化炭素除去器を約2,600時間連続運転した結果を、図2に示す。
前記一酸化炭素除去器の運転を開始してから約900時間経過するまでは、出口ガス中の一酸化炭素濃度は検出限界以下(1ppm未満)であった。しかし、この後、出口ガス中の一酸化炭素濃度は上昇し始め、1793時間後に10ppmまで達した。そこで、前記反応ガス中の酸素濃度を[O2]/[CO]=3.0になるまで増加させると、前記出口ガス中の一酸化炭素濃度は検出限界以下にまで減少した。以後、[O2]/[CO]=3.0で運転を続け、2,500時間以上、この状態を保つことができた。
【0047】
更に、前記一酸化炭素除去器の運転を継続し、6000時間後の前記一酸化炭素除去触媒の活性(出口ガス中の一酸化炭素濃度)を測定した。触媒層の最高温度が120℃の条件で、一時的に[O2]/[CO]を1.5に変動させると、出口ガス中の一酸化炭素濃度は212ppmにまで上昇した。この後、[O2]/[CO]=3.0に上昇させると、前記一酸化炭素除去器1の出口ガス中の一酸化炭素濃度は検出限界以下(1ppm未満)に戻った。
上述したように運転した後に、前記一酸化炭素除去触媒を前記一酸化炭素除去器から取り出して、前記一酸化炭素除去触媒への鉄付着量をICP発光分光分析によって測定した。この結果、一酸化炭素除去触媒1gあたりで約0.64mgの鉄が増加していることがわかった。又、このときの前記一酸化炭素除去触媒の一酸化炭素吸着量は運転開始前より46%減少していた。
このように、本法によって制御した一酸化炭素除去システムは、劣化した一酸化炭素除去触媒を用いた場合であっても、高い一酸化炭素除去能を長期間に亘って維持した。
【0048】
〔実施例2〕
一酸化炭素除去器の出口ガス(改質ガス)を利用する燃料電池の出力電圧を前記一酸化炭素除去触媒の性能情報として、酸化剤添加量を制御する例を以下に説明する。
アノードガス(改質ガス)に含まれる一酸化炭素濃度が固体高分子型燃料電池(E−Tek社製MEA使用)のセル性能に与える影響を試験した。尚、前記燃料電池の運転温度は70℃、電流密度は300mA/cm2、燃料利用率は60%であった。
この結果を、図3に示す。
【0049】
前記アノードガス中の一酸化炭素濃度が1ppm未満(図中では0ppmと表示)の場合、単セル電圧は634mVであった。ところが、前記アノードガス中の一酸化炭素濃度が10ppmになると546mV、20ppmのときには約430mVにまで低下した。従って、前記燃料電池の出力電圧が、前記アノードガス、即ち、一酸化炭素除去器の出口ガスに含まれる一酸化炭素濃度と反比例の関係にあった。
従って、前記一酸化炭素除去触媒の性能情報として前記燃料電池の出力電圧に関する情報を利用することができる。
【0050】
〔別実施形態〕
以下に別実施形態を説明する。
(イ) 本発明に係る一酸化炭素除去システムでは、例えば、一酸化炭素変成器を上流側に設けた場合には、その出口ガスの組成が一酸化炭素除去触媒の性能に影響するといえる。そこで、原燃料の品質に依存する一酸化炭素変成器の入口ガス中の一酸化炭素濃度、又は一酸化炭素変成触媒の経時的な劣化による一酸化炭素変成器の出口ガス中の一酸化炭素濃度の上昇を考慮して、一酸化炭素除去触媒の性能情報を決定することも可能である。この場合、前記性能情報は、例えば一酸化炭素ガス検知センサにより取得することができる。前記一酸化炭素ガス検知センサは、各ガスの流路中に設けられてリアルタイムでデータを取得するように構成されてもよいし、前記一酸化炭素ガス検知センサにより予め取得したデータから履歴を作成しておいて、その履歴を性能情報として用いてもよい。また、前記一酸化炭素除去触媒の性能情報として燃料電池の出力情報を採用した場合には、燃料電池の状態が一酸化炭素除去触媒の性能に影響するといえる。そこで、燃料電池の経時的な劣化による電圧低下などを考慮して、一酸化炭素除去触媒の性能情報を決定することも可能である。
(ロ) 前記燃料電池システムにおいては、前記検出手段によってリアルタイムに取得した前記性能情報に基づいて、前記一酸化炭素除去システムをフィードバック制御したが、前記性能情報の取得方法はこのような方法に限定されない。例えば、同一の一酸化炭素除去システム、同種の一酸化炭素除去システム、同一燃料電池システム、同種の燃料電池システム、同一の一酸化炭素除去触媒、又は、同種の一酸化炭素除去触媒等を以前に使用したときの前記性能情報を前記一酸化炭素除去システム又は前記燃料電池システムの運転時間に対応づけて蓄積しておいて、この予め取得した性能情報に基づいて、前記制御手段に演算処理を行なわせて前記酸化剤添加手段を制御することができる。尚、前記性能情報の蓄積は、手動で行なってもよく、又は、前記制御手段が自動的に情報を収集・蓄積するように設定してあってもよい。
【0051】
例えば、前記実施例1によって得られた前記出口ガス中の一酸化炭素濃度の履歴を利用して、前記一酸化炭素除去器の運転を開始してから1793時間後に、前記反応ガス中の[O2]/[CO]を1.5から3.0に上昇させるように、酸素ガスを添加する装置をマイコン等の制御手段で制御する一酸化炭素除去システムを構築することができた。
【0052】
また、前記一酸化炭素除去システムが部分負荷の出力で運転している場合には、それぞれの運転状態について予め取得した性能情報に基づいて、それらの運転状態に応じた量の酸化剤を添加するように制御すればよい。
例えば、前記混合ガス(一酸化炭素変成器の出口ガス)の量や前記混合ガスに含まれる一酸化炭素の量(濃度)に関して、それぞれの運転状態(定格または部分負荷等)について予め取得した情報を使用し、それらの運転状態に応じた量の酸化剤を添加することができる。
【0053】
(ハ) 本発明に係る一酸化炭素除去システムの用途は、燃料電池システムの構成要素としての使用に限定されない。本発明に係る一酸化炭素除去システムは、水素と一酸化炭素とを含む混合ガス中の一酸化炭素を除去する他の用途に使用可能であり、例えば、本システム単独、又は、工業的な水素ガス製造における精製工程において使用することができる。
【0054】
(ニ) 本発明に係る一酸化炭素除去システムに導入される混合ガスの由来(原燃料)は、メタノールなどのアルコール類でもよい。この場合、改質触媒は前記アルコールを改質するのに適した種類の公知の改質一酸化炭素除去触媒を使用することができる。
【0055】
(ホ) 前記燃料電池システムにおいて、前記原燃料が硫黄分を含むものである場合、公知の脱硫触媒を内装した脱硫器を前記改質器2の前に設けることができる。前記脱硫器を設けることによって、前記改質触媒、前記一酸化炭素変性触媒、前記一酸化炭素除去触媒等の被毒を防止することができる。
(へ) 前記燃料改質システムで用いる脱硫触媒、改質触媒、一酸化炭素変成触媒は、その種類を限定する必要はなく、公知のものを使用することができる。又、前記燃料電池として固体高分子型燃料電池を例示したが、他種の燃料電池、例えば、前記リン酸型燃料電池を用いた燃料電池システムにも、本発明を適用することができる。
(ト) 本発明に係る一酸化炭素除去システム及び燃料電池システムは、前記一酸化炭素除去触媒の鉄による被毒が抑制される使用条件下において、前記一酸化炭素除去触媒のシンタリングによる劣化が生じている場合にも、水素と一酸化炭素とを含む混合ガス中の一酸化炭素濃度を長期間に亘って非常に低い濃度に保ちながら、前記一酸化炭素除去触媒の寿命を延長することができると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る燃料電池システムの概略図
【図2】 燃料電池に供給されるアノードガス中の一酸化炭素濃度と前記燃料電池を構成する単セルの出力電圧との関係を表わすグラフ
【図3】 酸化炭素除去システムの出口ガスにおける一酸化炭素濃度を表わすグラフ
【符号の説明】
1 一酸化炭素除去システム
2 改質器
3 一酸化炭素変成器
4 一酸化炭素除去器
5 燃料電池
6 酸化剤添加手段
7 検出手段
8 制御手段

Claims (5)

  1. 一酸化炭素除去システムを固体高分子型燃料電池の上流に備え、前記一酸化炭素除去システムが備える一酸化炭素除去器の出口ガス又はこれに由来するガスをアノードガスとして前記固体高分子型燃料電池に供給する燃料電池システムであって、
    前記一酸化炭素除去システムは、
    水素と一酸化炭素とを含む混合ガスと酸化剤とを、一酸化炭素除去触媒上で反応させて、前記一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去触媒を内装する前記一酸化炭素除去器と、
    前記一酸化炭素除去触媒と接触可能に、前記混合ガスに対して前記酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、
    前記固体高分子燃料電池の出力情報を前記一酸化炭素除去触媒の性能情報として検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記性能情報が所定の基準を満たすか否かを判定し、前記所定の基準を満たさないと判定した場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに対する前記酸化剤の添加比率を増加させる制御手段と、を備える燃料電池システム。
  2. 前記検出手段が、前記固体高分子型燃料電池の出力電圧を前記出力情報として検出し、
    前記制御手段が、検出された前記出力電圧が所定の基準値を下回った場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに対する前記酸化剤の添加比率を増加させる請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 一酸化炭素除去システムを固体高分子型燃料電池の上流に備え、前記一酸化炭素除去システムが備える一酸化炭素除去器の出口ガス又はこれに由来するガスをアノードガスとして前記固体高分子型燃料電池に供給する燃料電池システムであって、
    前記一酸化炭素除去システムは、
    水素と一酸化炭素とを含む混合ガスと酸化剤とを、一酸化炭素除去触媒上で反応させて、前記一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去触媒を内装する前記一酸化炭素除去器と、
    前記一酸化炭素除去触媒と接触可能に、前記混合ガスに対して前記酸化剤を添加する酸化剤添加手段と、
    前記固体高分子燃料電池の出力情報を前記一酸化炭素除去触媒の性能情報として検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記性能情報が所定の基準を満たすか否かを判定し、前記所定の基準を満たさないと判定した場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに含まれる一酸化炭素に対する前記酸化剤の添加比率を増加させる制御手段と、を備える燃料電池システム。
  4. 前記検出手段が、前記固体高分子型燃料電池の出力電圧を前記出力情報として検出し、
    前記制御手段が、検出された前記出力電圧が所定の基準値を下回った場合に、前記酸化剤添加手段を制御して、前記混合ガスに含まれる一酸化炭素に対する前記酸化剤の添加比率を増加させる請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記混合ガスが、炭化水素類やアルコール類を改質して得られる改質ガスである請求項1〜4の何れか一項に記載の燃料電池システム。
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