JP2006053331A - フォトニック結晶光ファイバ - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のフォトニック結晶光ファイバより大きい実効断面積Aeffを有し、かつ広帯域に亘って波長分散が低く、かつ低損失であるフォトニック結晶光ファイバを提供する。
【解決手段】 コア部1と、コア部1を包囲する内層クラッド部2と、内層クラッド部2から間隔lを空けて包囲する外層クラッド部3とを有し、内層クラッド部2および外層クラッド部3に複数の空孔5,6をそれぞれ形成し、かつ間隔Lには空孔を形成せず、コア部1の屈折率ncと、内層クラッド部2の実効屈折率ncl1と、外層クラッド部3の実効屈折率ncl2がnc>ncl2>ncl1なる関係として、外層クラッド部3の内周a2で囲まれる領域に光を伝送させるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フォトニック結晶光ファイバに関し、特に大容量光通信に用いて好適なものである。
フォトニック結晶光ファイバ(PCF:Photonic Crystal Fiber)は、長手方向に伸びる複数の空孔を有する構造の光ファイバである。図7に最も一般的な構造のフォトニック結晶光ファイバを示す。図7に示すように、石英ガラスからなる円柱状のフォトニック結晶光ファイバ20の内部には、当該フォトニック結晶光ファイバ20の軸心に沿って管状の空孔21が当該フォトニック結晶光ファイバ20の軸心部分のコア22を包囲するクラッド23に複数形成されており、当該空孔21は、その直径dが波長オーダであると共に、隣接する間隔Λが均等となっている。このようなフォトニック結晶光ファイバ20においては、空孔21がクラッド23の屈折率を下げるため、コア22とクラッド23の間に光の導波構造を形成する。ここで、空孔21と石英ガラスとの屈折率差が大きいため、空孔21の位置や大きさを制御することによって、比屈折率差やコア径をフレキシブルに制御することができ、設計の自由度を非常に高くしている。
これまでに、フォトニック結晶光ファイバの広帯域にわたる波長分散の制御性に着目して、分散フラットファイバや分散補償ファイバへの応用に向けた検討がなされている。たとえば、上述したフォトニック結晶光ファイバ20において、空孔の間隔、および空孔の大きさを最適化することによって、広帯域にわたって零分散付近でフラットな分散特性を有するフォトニック結晶光ファイバが報告されている(下記非特許文献1参照)。また、コア領域を複数の小さな空孔から構成することによって、広帯域にわたってフラットな波長分散特性または負分散特性を有すると共に、従来の単一モード光ファイバ並みの実効断面積Aeffを有する分散フラット光ファイバ及び分散補償光ファイバが開示されている(下記特許文献1参照)。
特開2003−255152号公報 W.H.Leeves et al.,"Demonstration of ultra-flattened dispersion in photonic crystal fibers", Optics Express,vol.10,No.14,2002年7月,p.609-613 Niels Asger Mortensen et al,"Modal cutoff and the V parameter in photonic crystal fibers",Optics Letters,Vol.28,No.20,2003年10月,p.1879-1881
しかしながら、上記非特許文献1に記載のフォトニック結晶光ファイバ、上記特許文献1に記載の分散フラット光ファイバ及び分散補償光ファイバではコア領域と、当該コア領域を囲むクラッド領域との実効的な屈折率差が小さくなり、閉じ込め損失が増大してしまう可能性がある、といった課題がある。
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、従来のフォトニック結晶光ファイバより大きい実効断面積Aeffを有し、かつ広帯域にわたって波長分散が低く、かつ低損失であるフォトニック結晶光ファイバを提供することを目的とする。
上述した課題を解決する第1の発明に係るフォトニック結晶光ファイバは、コア部と、前記コア部を包囲する内層クラッド部と、前記内層クラッド部から間隔を空けて包囲する外層クラッド部とを有し、前記内層クラッド部および前記外層クラッド部に複数の空孔をそれぞれ形成し、かつ前記間隔には空孔を形成しないことを特徴とする。
上述した課題を解決する第2の発明に係るフォトニック結晶光ファイバは、第1の発明に記載されたフォトニック結晶光ファイバであって、前記コア部の屈折率ncと、前記内層クラッド部の実効屈折率ncl1と、前記外層クラッド部の実効屈折率ncl2がnc>ncl2>ncl1なる関係であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第3の発明に係るフォトニック結晶光ファイバは、第2の発明に記載されたフォトニック結晶光ファイバであって、前記ncl2の前記ncl1に対する変化分Rn
Figure 2006053331
と定義したとき、Rnが−0.12%以上0%未満であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第4の発明に係るフォトニック結晶光ファイバは、第3の発明に記載されたフォトニック結晶光ファイバであって、前記内層クラッド部の外周半径a1に対する前記外層クラッド部の内周半径a2の比Raが1.30から1.37の範囲内であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第5の発明に係るフォトニック結晶光ファイバは、第4の発明に記載されたフォトニック結晶光ファイバであって、前記内層クラッドの空孔間隔Λ1が5.5μm以下であり、かつ前記空孔間隔Λ1に対する空孔直径d1の比d1/Λ1が0.2から0.5の範囲内であることを特徴とする。
第1の発明に係るフォトニック結晶光ファイバによれば、コア部と、前記コア部を包囲する内層クラッド部と、前記内層クラッド部から間隔を空けて包囲する外層クラッド部とを有し、前記内層クラッド部および前記外層クラッド部に複数の空孔をそれぞれ形成し、かつ前記間隔には空孔を形成しないことにより、前記内層クラッド部における光の閉じ込め効果が弱くなり、前記コア部から前記内層クラッド部内へ光がしみだすようになる。このように前記内層クラッド部内へしみだした光は前記内層クラッド部と前記外層クラッド部との間の前記間隔にて反射し、前記光は前記外層クラッド部の内周で囲まれる領域内を伝搬することになるので、従来のフォトニック結晶光ファイバと比べて大きな実効断面積Aeffとなる。さらに、広帯域にわたって波長分散は低くなる。そのうえ、従来のフォトニック結晶光ファイバと比べて閉じ込め損失は低くなる。
第2の発明に係るフォトニック結晶光ファイバによれば、第1の発明に記載されたフォトニック結晶光ファイバであって、前記コア部の屈折率ncと、前記内層クラッド部の実効屈折率ncl1と、前記外層クラッド部の実効屈折率ncl2がnc>ncl2>ncl1なる関係であることにより、第1の発明と同様な効果を奏する他、高次モードの動作を抑圧して、単一モードの動作を得ることができる。
第3の発明に係るフォトニック結晶光ファイバによれば、第2の発明に記載されたフォトニック結晶光ファイバであって、前記ncl2の前記ncl1に対する変化分Rn
Figure 2006053331
と定義したとき、Rnが−0.12%以上0%未満であることにより、第2の発明と同様な効果を奏する他、閉じ込め損失を0.01dB/km以下とすることができる。
第4の発明に係るフォトニック結晶光ファイバによれば、第3の発明に記載されたフォトニック結晶光ファイバであって、前記内層クラッド部の外周半径a1に対する前記外層クラッド部の内周半径a2の比Raが1.30から1.37の範囲内であることにより、第3の発明と同様な効果を奏する他、従来のフォトニック結晶光ファイバと比べて大きな実効断面積を有する。
第5の発明に係るフォトニック結晶光ファイバによれば、第4の発明に記載されたフォトニック結晶光ファイバであって、前記内層クラッドの空孔間隔Λ1が5.5μm以下であり、かつ前記空孔間隔Λ1に対する空孔直径d1の比d1/Λ1が0.2から0.5の範囲内であることにより、第1の発明と同様な効果を奏する他、波長分散を広帯域の波長にわたって低くすることができる。
以下に、本発明に係るフォトニック結晶光ファイバを実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバを示し、(a)はその概略断面図であり、(b)はその屈折率分布を示す図である。
本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバは、図1に示すように、フォトニック結晶光ファイバ10の軸心部分のコア部1と、コア部1を包囲する外周半径a1の内層クラッド部2と内層クラッド部2から間隔Lを空けて包囲する内周半径a2の外層クラッド部3とを含むクラッド部4とを有する。
内層クラッド部2には、断面円形であり、空孔直径d1の空孔5が複数形成され、隣接する空孔5同士の空孔間隔がΛ1となるように配置されている。具体的には、これら空孔5は、六角形の頂点からなる六角形の格子状に周期的に配置されている。同様に、外層クラッド部3には、断面円形であり、空孔直径d1より大きい空孔直径d2の空孔6が複数形成され、隣接する空孔6同士の空孔間隔がΛ2となるように配置されている。具体的には、これら空孔6は、六角形の頂点からなる六角形の格子状に周期的に配置されている。空孔間隔Λ2は空孔間隔Λ1よりも大きくなっている。間隔Lには、空孔が形成されていない。このフォトニック結晶光ファイバ10では、内層クラッド2の空孔5の層、即ちフォトニック結晶光ファイバ10の軸心からその外周10aに向かって周期的に配置される空孔5の数は、3つである。このように、内層クラッド部2における空孔5の層数を少なくし、かつこの空孔5の空孔直径d1を小さくすることにより、内層クラッド部2における光の閉じ込め効果が弱くなり、前記コア部1から前記内層クラッド部2内へ光がしみだす(透過する)ようになる。外層クラッド3における空孔6の層は、即ちフォトニック結晶光ファイバ10の軸心からその外周10aに向かって周期的に配置される空孔6の数は、5つである。
ここで、コア部1の屈折率をnc、内層クラッド部2の実効屈折率をncl1、外層クラッド部3の実効屈折率をncl2とする。内層クラッド部2の実効屈折率ncl1は、空孔5の存在により実効的に屈折率が下げられるため、コア部1の屈折率ncよりも小さくなっている。即ち、nc>ncl1となっている。
同様に、外層クラッド部3の実効屈折率ncl2は、空孔6の存在により実効的に屈折率が下げられるため、コア部1の屈折率ncよりも小さくなっている。即ち、nc>ncl2となっている。
さらに、外層クラッド部3の実効屈折率ncl2が内層クラッド部2の実効屈折率ncl1よりも小さいと、内層クラッド部2と外層クラッド部3との屈折率差が大きくなり、高次モードへの閉じ込め効果も大きくなってしまうので、多モード構造となる可能性がある。
したがって、下記式(1)を満たすことにより、高次モードの動作を抑圧して、単一モードの動作を得ることができる。
c>ncl2>ncl1 (1)
また、上記非特許文献2によれば、フォトニック結晶光ファイバを単一モードで動作させるためには、下記式(2)を満たす必要がある。ここで、νeffが実効的な規格化周波数であり、λが光の波長であり、neffが実効屈折率(伝搬する光が実際に感じる屈折率)である。
Figure 2006053331
上記非特許文献2では、ルート部分の係数が2πΛ/λとなっているが、上述したフォトニック結晶光ファイバ10では、外層クラッド部3の内側、即ち内周半径a2で囲まれる範囲をコアとみなし、外側クラッド部3における第1層の空孔6の中心までの距離(a2+d2/2)が2πΛ/λのΛに相当するとして計算した。
以下、上述したフォトニック結晶光ファイバ10と、比較例のフォトニック結晶光ファイバとして、図7に示したフォトニック結晶光ファイバ20において、隣接する空孔21同士の間隔Λを2.4μm、d/Λを0.28、空孔21の層を8層としたものとを用いて、数値計算を行った。ここでは、比較例のフォトニック結晶光ファイバのコアは、上述したフォトニック結晶光ファイバ10の内層クラッド部2に対応するものとする。
図2は、本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバ10におけるRnと閉じ込め損失との関係を示す図である。ここでは、光の波長λは1550nmである。ここで、Rnとは、内層クラッド部2における実効屈折率ncl1の外層クラッド部3における実効屈折率ncl2に対する変化分であり、下記式(3)と定義される。
Figure 2006053331
内層クラッド部2の外周半径a1に対する外層クラッド部3の内周半径a2の比a2/a1をRaとする。
図2において、直線(a)は、フォトニック結晶光ファイバ10におけるRa=1.30を示し、直線(b)は、フォトニック結晶光ファイバ10におけるRa=1.35を示し、破線は比較例のフォトニック結晶光ファイバを示す。また、直線(a),(b)では、実線が単一モードで動作する領域であり、点線がマルチモードで動作する領域である。ここでは、Λ1=2.4μm、d1/Λ1=0.28として計算した。
図2から分かるように、Raが1.30のとき単一モードで動作するRnの範囲は、−0.006%以下となる。さらに、Raの範囲が−0.006%〜−0.068%のときの閉じ込め損失は、0.01dB/km以下となる。Raが1.30のとき、Rnが−0.006%で閉じ込め損失が約10-3dB/kmとなる。Raが1.35のとき単一モードで動作するRnの範囲は、−0.05%以下となる。さらに、Raの範囲が−0.052%〜−0.087ときの閉じ込め損失は、0.01dB/km以下となる。Raが1.35のとき、Rnが0.052%で閉じ込め損失が約10-3dB/kmとなる。よって、Raが1.30、または1.35のときには、フォトニック結晶光ファイバ10の閉じ込め損失を、0.01dB/km以下とすることができる。このように閉じ込め損失を0.01dB/km以下とすると、その損失を光伝送において無視できるようになる。比較例のフォトニック結晶光ファイバの閉じ込め損失は、約103dB/kmである。したがって、本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバ10の閉じ込め損失は、比較例のフォトニック結晶光ファイバの閉じ込め損失と比べて、低くなっている、即ち、10の4乗以上改善している。
また、上述したように、内層クラッド部2の実効屈折率ncl1および外層クラッド部3の実効屈折率ncl2は上記式(1)の条件を満たすので、Rn>0では単一モードの動作を保証できない。よって、Ra>1.3の範囲にて単一モードで動作させるためには、Rn<−0.006%≒0%とする必要がある。
図3は、本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバ10におけるRaと実効断面積Aeffとの関係を示す図である。ここでは、光の波長λは1550nmである。同図において、直線(a)は、フォトニック結晶光ファイバ10におけるRn=−0.02%を示し、実線(b)は、フォトニック結晶光ファイバ10におけるRn=−0.05%を示し、破線は比較例のフォトニック結晶光ファイバを示す。直線(a),(b)では、実線が単一モードで動作する領域であり、点線がマルチモードで動作する領域である。ここでは、Λ1=2.4μm、d1/Λ1=0.28として計算した。
図3から分かるように、Rnが−0.05%のとき単一モードで動作するRaの範囲は、1.30から1.346となり、このときの実効断面積Aeffは、比較例のフォトニック結晶光ファイバの実効断面積Aeffである23μm2よりも大きくなる。また、Rnが−0.05%のとき、Raが1.30で実効断面積Aeffは28μm2となり、Raが1.346で実効断面積Aeffは125μm2となる。Rnが−0.02%のとき単一モードで動作するRaの範囲は、1.30から1.338となり、このときの実効断面積Aeffは、比較例のフォトニック結晶光ファイバの実効断面積Aeffである23μm2よりも大きくなる。また、Rnが−0.02%のとき、Raが1.30で実効断面積Aeffは28μm2となり、Raが1.338で実効断面積Aeffは87μm2となる。よって、フォトニック結晶光ファイバ10の実効断面積Aeffは、Raが1.30以上のとき、比較例のフォトニック結晶光ファイバの実効断面積Aeffと比べて大きくなる。また、Raが1.30未満では、フォトニック結晶光ファイバ10の実効断面積Aeffが収束しているため、前記実効断面積Aeffの拡大にはRa>1.3とする必要がある。
図4は本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバ10におけるRaとRnとの関係を示す図である。ここでは、光の波長λは1550nmである。同図において、実線(a)は実効断面積Aeffを拡大するための条件によるものであり、実線(b)は閉じ込め損失を0.01dB/km以下とするための条件によるものであり、実線(c)は単一モードで動作するための条件によるものである。
図4から分かるように、実線(a)と実線(b)とはRaが1.30、Rnが−0.68で交わり、実線(b)と実線(c)とはRaが1.37、Rnが−0.12で交わり、実線(c)と実線(a)とはRaが1.30、Rnが−0.006で交わる。即ち、実効断面積Aeffが拡大する条件、閉じ込め損失が0.01dB/km以下となる条件、および単一モードで動作する条件を満たすには、Raは1.30から1.37の範囲内であり、Rnは−0.12%以上0%未満である必要がある。
図5は本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバ10における波長分散特性を示す図である。同図において、Ra=1.34とすると共に、実線(a)ではΛ1=2.4μm、d1/Λ1=0.28とし、実線(b)ではΛ1=2.2μm、d1/Λ1=0.30とし、実線(c)ではΛ1=2.4μm、d1/Λ1=0.24とし、実線(d)ではΛ1=2.2μm、d1/Λ1=0.28として計算した。
図5から分かるように、実線(a)のとき、広帯域にわたって波長分散が5ps/nm・km付近でフラットとなっている。実線(d)のとき、広帯域にわたって波長分散が約−6.5ps/nm・km付近でフラットとなっている。本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバ10では光が導波する実効断面積Aeffが内層クラッド部2の全体に広がるため、その波長分散特性は内層クラッド部2の構造に大きく依存している。したがって、図7で示したようなフォトニック結晶光ファイバ20で波長分散を制御できる構造を、本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバ10における内層クラッド部2の構造に対応させることができると考えられる。
図6は本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバ10における空孔間隔と、波長分散との関係を示す図である。ここでは、光波長λは1550nmである。同図において、実線(a)はd1/Λ1=0.5を示し、実線(b)はd1/Λ1=0.4を示し、実線(c)はd1/Λ1=0.3を示し、実線(d)はd1/Λ1=0.2を示し、点線は材料分散を示す。破線は単一モード構造とマルチモード構造となる領域の境界を示す。前記破線より右側の領域では、波長分散が材料分散へ収束し、波長分散の制御性が低くなる。
図6から分かるように、波長分散をフレキシブルに制御するためには、空孔間隔Λ1を実線(d)と破線とが交わる5.5μm以下とする必要がある。また、d1/Λ1を0.5以上とすると、フォトニック結晶光ファイバがマルチモードで動作する可能性がある。さらに、空孔間隔Λ1が1μm以下、またはd1/Λ1が0.2以下のような微細構造のフォトニック結晶光ファイバを製造することは困難であり、空孔の形状を保つことが難しい。よって、波長分散をフレキシブルに制御するためには、内層クラッド部2において、空孔間隔Λ1が5.5μm以下であり、かつd1/Λ1が0.2から0.5の範囲内であることが望ましい。したがって、本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶ファイバ10によれば、内層クラッド部2における光の閉じ込め効果が弱くなり、コア部1から内層クラッド部2内へ光がしみだすようになる。このように内層クラッド部2内へしみだした光は内層クラッド部2と外層クラッド部3との間の間隔Lにて反射し、前記光は外層クラッド部3の内周a2で囲まれる領域内を伝搬することになるので、従来のフォトニック結晶光ファイバと比べて大きな実効断面積Aeffとなる。さらに、広帯域にわたって波長分散は低くなる。そのうえ、従来のフォトニック結晶光ファイバと比べて閉じ込め損失は低くなる。
なお、上述したフォトニック結晶光ファイバ10では、内層クラッド部2の空孔5、および外層クラッド部3の空孔6をそれぞれ六角形の頂点からなる六角形の格子状に周期的に配置して説明したが、内層クラッド部の空孔、および外層クラッド部の空孔をそれぞれ三角形の頂点からなる三角形の格子状に配置したり、円の円周上に所定の間隔で、かつ前記円が同心円となるように複数配置したりするなど、周期的に配置すれば良い。また、内層クラッド部2の空孔5、および外層クラッド部3の空孔6には空気の代わりに、石英ガラスよりも低い屈折率のガスや液体や固体などを入れても良い。
大容量光通信に用いて好適なフォトニック結晶光ファイバを供するものである。
本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバを示し、(a)はその概略断面図であり、(b)はその屈折率分布を示す図である。 本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバにおけるRnと閉じ込め損失との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバにおけるRaと実効断面積Aeffとの関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバにおけるRaとRnとの関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバにおける波長分散特性を示す図である。 本発明の一実施形態に係るフォトニック結晶光ファイバにおける空孔間隔と波長分散との関係を示す図である。 従来のフォトニック結晶光ファイバを示し、(a)はその概略断面図であり、(b)はその屈折率分布を示す図である。
符号の説明
1 コア部
2 内層クラッド部
3 外層クラッド部
4 クラッド部
5,6 空孔

Claims (5)

  1. コア部と、前記コア部を包囲する内層クラッド部と、前記内層クラッド部から間隔を空けて包囲する外層クラッド部とを有し、前記内層クラッド部および前記外層クラッド部に複数の空孔をそれぞれ形成し、かつ前記間隔には空孔を形成しないことを特徴とするフォトニック結晶光ファイバ。
  2. 前記コア部の屈折率ncと、前記内層クラッド部の実効屈折率ncl1と、前記外層クラッド部の実効屈折率ncl2
    c>ncl2>ncl1
    なる関係であることを特徴とする請求項1に記載されたフォトニック結晶光ファイバ。
  3. 前記ncl2の前記ncl1に対する変化分Rn
    Figure 2006053331
    と定義したとき、Rnが−0.12%以上0%未満であることを特徴とする請求項2に記載されたフォトニック結晶光ファイバ。
  4. 前記内層クラッド部の外周半径a1に対する前記外層クラッド部の内周半径a2の比Raが1.30から1.37の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載されたフォトニック結晶光ファイバ。
  5. 前記内層クラッド部の空孔間隔Λ1が5.5μm以下であり、かつ前記空孔間隔Λ1に対する空孔直径d1の比d1/Λ1が0.2から0.5の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載されたフォトニック結晶光ファイバ。
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