以下、本発明の好適な実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。
〔第1の実施の形態〕
(1:液晶表示パネルの検査装置の全体構成)
先ず、本発明の特徴である検査領域を移動させるための構成に先立って、液晶表示パネルの検査装置の全体の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態による液晶表示パネルの検査装置1の全体の概略構成を示すブロック図である。
本実施の形態の液晶表示パネルの検査装置1は、液晶表示パネルを製造した後に液晶表示パネルを目視検査するための装置であり、図1に示すように、供給カセット10、第1の回収カセット12、第2の回収カセット14、第3の回収カセット16、ロボット部20、検査部30、制御装置70、記憶部100、表示部120、操作部130を有する。
供給カセット10は、検査部30にて検査される前の液晶表示パネルを複数格納するものである。第1の回収カセット12は、検査部30にて検査された後に、良品(OK)であると判断された液晶表示パネルを複数格納するものである。
第2の回収カセット14は、検査部30にて検査された後に、不良品(NG)であると判断された液晶表示パネルを複数格納するものである。第3の回収カセット16は、検査部30にて検査された後に、修復(リペア)が必要であると判断された液晶表示パネルを複数格納するものである。
ロボット部20は、供給カセット10、第1の回収カセット12、第2の回収カセット14、及び第3の回収カセット16と、検査部30との間で液晶表示パネルの受け渡しを行うための搬送機構及びLCD(Liquid Crystal Display)保持器(図1では不図示)を備えている。
検査部30は、液晶表示パネルを所定位置にセットして液晶表示パネルの検査を行なう装置である。
制御装置70は、ロボット部20に対して制御信号を与えることでロボット部20を制御すると共に、検査部30に対して各種信号を付与することで液晶表示パネルの表示制御や各部の制御を行なう装置(例えばコンピュータ)である。
記憶部100は、検査部30にて検査された液晶表示パネルの検査結果に関する検査結果情報などを格納しておくものである。この他、記憶部100には、検査員が検査時に設定する設定条件情報なども格納されている。ここでいう設定条件情報とは、検査すべき液晶表示パネル上の検査領域の移動に関する各種条件情報(例えば検査領域のサイズ、検査領域の移動速度、検査領域の移動方向、検査領域の移動開始位置、検査モード、検査領域の移動パターンの種別、各種検査表示パターン)をいう。
表示部120は、検査員が検査結果情報を記憶部に格納するための画面や、検査領域の設定条件を設定するための画面などを表示する。操作部130は、ロボット部20や検査部本体30の操作や、表示部120での各種設定入力の操作を支援するものである。例えば、キーボード、マウス、トラックボール、ボタン、レバーなどによって形成されることが好ましい。
次に、上述のような構成からなる液晶表示パネルの検査装置1の動作を説明する。液晶表示パネルは、供給カセット10からロボット部20の各機構により検査部30へと搬送される。検査部30の所定位置に液晶表示パネルがセットされると、プローブコンタクトなどにより液晶表示パネルの表示駆動が可能となる。この際、検査員は、表示部120及び操作部130を用いて設定条件情報を入力する。
制御装置70は、入力された設定条件情報と、予め用意された検査領域移動用の演算プログラムとに基づいて、検査部30内の液晶表示パネルを表示制御する。液晶表示パネル上には、特定の検査領域が白表示(点灯表示)となり、他の非検査領域が黒表示(消灯表示)となるように表示される。特定の検査領域は順次間欠移動し、液晶表示パネルの表面上をくまなく移動する。
検査員は、表示された検査領域を目視し、検査領域の移動に案内されるように目線をずらしていくことで液晶表示パネルの表示検査を行う。
(2:各部の詳細について)
(2―1:検査部30について)
次に、検査部30の詳細について、図2を参照しつつ説明する。図2は、図1における検査部30、制御装置70、記憶部100、表示部120、操作部130の詳細を示す説明図である。
図2に示すように、ロボット部20は、検査される液晶表示パネル32を保持するLCD保持器22と、LCD保持器22をX、Y、Z、θの各方向に各々独立して駆動することができる搬送機構24と、搬送機構24を制御する搬送ロボット制御部62とを有している。
検査部30は、検査すべき液晶表示パネル32を載置するステージ31と、液晶表示パネル32のゲート側端子にコンタクトするプローブ(不図示)を備えたゲート側プローブブロック群35と、液晶表示パネル32のデータ側端子にコンタクトするプローブを備えたデータ側プローブブロック群33と、液晶表示パネル32の裏面側から光を照射するバックライトユニット38と、液晶表示パネル32を撮像するCCDカメラ(撮像素子)39とを有する。
また、データ側プローブブロック群33は、プローブを含む複数のデータ側ドライバ34を備えている。ゲート側プローブブロック群35は、プローブを含む複数のゲート側ドライバ36を備えている。データ側ドライバ34、ゲート側ドライバ35には、実際の製品に使用されるものと同等の駆動回路が設けられている。本実施の形態の検査装置1は、実使用時のものと同等の駆動回路を有しているので、被検査対象の液晶表示パネル32の全端子にプローブ接触させることで、種々の表示パターンで表示検査を実施することが可能であり、微妙な欠陥を検出することができる。
さらに、検査部30は、ステージ31をX、Y、Z、θの各方向に各々独立して駆動することができるステージ駆動機構42と、データ側ブローブブロック群33、ゲート側ブローブブロック群35を各々駆動してデータ側プローブブロック群33、ゲート側プローブブロック群35と液晶表示パネル32との相対位置の位置調整を行うプローブ位置調整機構44とを有する。
また、検査部30は、複数のデータ側ドライバ34と複数のゲート側ドライバ36を制御するコントロール基板54と、各種信号を生成しコントロール基板54に対して供給する信号発生器56と、ステージ駆動機構42及びブローブ位置調整機構44を制御してプローブコンタクト位置を制御する位置調整制御部64と、バックライトユニット38のオンオフないしは光学系を制御するバックライト制御部63と、CCDカメラ39にて取得された画像情報を処理する画像処理部65とを有している。なお、本実施の形態では、コントロール基板54と信号発生器56とにより液晶コントローラ52を構成している。液晶コントローラ52は、液晶表示パネル32側に対し各種の信号を供給し、各ドライバを制御する。なお、液晶コントローラ52には、この他、表示情報処理回路、同調回路などを含んで構成され、表示情報処理回路は、表示情報を処理して出力し、例えば増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路あるいはクランプ回路等を含むことができる。
このような構成からなる検査部30の動作を説明する。LCD保持器22にて保持された液晶表示パネル32は、搬送機構24によりステージ31上の所定位置に載置される。次に、ステージ駆動機構42、プローブ位置調整機構44によりアライメント動作が行われる。そして、液晶表示パネル32上の複数のゲート側端子にはゲート側プローブブロック群35のゲート側ドライバ36の複数のプローブが各々コンタクトされ、液晶表示パネル32上の複数のデータ側端子にはデータ側プローブブロック群33のデータ側ドライバ34の複数のプローブが各々コンタクトされる。このとき、プローブピンを被検査対象の液晶表示パネル32の全端子に接触させる。これらの一連の機械的動作は、位置調整制御部64、搬送ロボット制御部62により制御される。
次に、所定の検査が行われる際には、バックライトユニット38を発光させると共に、検査すべき液晶表示パネル32の表示駆動制御が行われる。信号発生器56から各種信号が生成されると、コントロール基板54を介してゲート側ドライバ36及びデータ側ドライバ34に各々走査信号、階調信号を含む各種信号が供給される。
より詳細には、階調信号がコントロール基板54からデータ側ドライバ34に送られ、データ側ドライバ34がこの階調信号を階調電圧に変換して液晶表示パネル32のデータバスラインに所定のタイミングで階調電圧を供給する。また、コンロール基板54からの走査信号がゲート側ドライバ36に送られ、ゲート側ドライバ36がこの走査信号を走査電圧(ゲートパルス)に変換して液晶表示パネル32のゲートバスラインに供給することができる。
これにより、液晶表示パネル32上には、特定の表示態様が表示される。そして、人間の目視検査により、液晶表示パネル32の表示欠陥を検出して液晶表示パネル32の良否判定を行う。ここで、目視検査を行うには、液晶表示パネル32を直接目視する他、CCDカメラ39を介して表示部120により目視することもできる。さらには、液晶表示パネル32の上方に設置されたCCDカメラ39により液晶表示パネル32に表示される画像を表示部120に表示させた上で検査領域の移動を表示させてもよい。
(2―2:表示部120および設定画面について)
表示部120は、コンピュータなどのディスプレイ上に表示を行うものであり、以下に示す各設定部が表示画面上に表示される。即ち、表示部120は、検査される液晶表示パネル32上に表示される検査領域のサイズを設定するサイズ表示設定部(サイズ設定部)122と、検査領域の移動速度を設定する移動速度表示設定部(移動速度表示設定部)123と、検査領域の移動方向を設定する移動方向表示設定部(移動方向設定部)124と、検査領域の移動開始位置を設定する移動開始位置表示設定部(移動開始位置設定部)125と、検査領域を白表示とする第1のモードないしは検査領域を黒表示とする第2のモードを切り替える設定を行う検査モード表示設定部(モード設定部)126と、検査領域の各種移動パターンを設定するための移動パターン表示設定部(移動パターン設定部)127とを有している。なお、以下の各設定部の説明は図2を用い、各設定部の具体例となる各設定画面の説明は図6乃至図9を用いる。
図2に示すサイズ表示設定部122は、検査すべき液晶表示パネル32上に表示される検査領域のサイズを設定するものであり、表示部120の表示画面上に表示されてUI(ユーザインターフェース)により視覚的に設定可能に形成され、例えば図6に示すような検査領域サイズ設定画面160が挙げられる。
図6に示す検査領域サイズ設定画面160では、X方向の長さ及びY方向の長さを各々入力可能となっており、入力された数値に対応する検査領域が図6中左上方に表示されるようになっている。これにより、検査を行う検査員は、検査領域のサイズを視覚的に認知できる。
また、この他の設定方法としては、矩形状に表示された検査領域に対してポインタを指示してマウス操作でドラックしながら境界を摘むようにして検査領域の面積を拡大または縮小し、ドロップすることで境界位置を決定できる方法が挙げられる。この場合、矩形状の検査領域の境界を操作している間に、X方向の長さおよびY方向の長さの具体的数値も連動して表示されることとなる。これによって、より拡大縮小操作が容易となり、検査員の負担を低減できる。
図2に示す移動速度表示設定部123は、検査すべき液晶表示パネル32上に表示される検査領域の移動速度を設定するものであり、表示部120の表示画面上に表示されてUIにより視覚的に設定可能に形成され、例えば図7に示すような検査領域速度設定画面170が挙げられる。
図7に示す検査領域速度設定画面170では、X方向の移動速度或いはY方向の移動速度を数値により入力可能となっている。なお、移動速度の数値を入力すると、矩形状に表示された検査領域が、入力された数値の移動速度にて移動するシミュレーション表示を行うようにしてもよい。これにより、入力された数値に対応する検査領域の移動速度を視覚的に認知できることとなる。
図2に示す移動方向表示設定部124は、検査すべき液晶表示パネル32上に表示される検査領域の移動方向を設定するものであり、表示部120の表示画面上に表示されてUIにより視覚的に設定可能に形成され、例えば図8に示すような移動方向設定画面180が挙げられる。
図8に示す移動方向設定画面180では、X方向の移動方向又はY方向の移動方向を示す矢印を選択することで、移動スタート時の方向を設定可能になるようになっている。
図2に示す移動開始位置表示設定部125は、検査される液晶表示パネル32上に表示される検査領域の移動開始位置を設定するものであり、表示部120の表示画面上に表示されてUIにより視覚的に設定可能に形成される。
図2に示す検査モード表示設定部126は、検査すべき液晶表示パネル32上に表示される検査領域が所定の輝度(明るさ)で表示される第1のモードとするか、若しくは検査領域が所定の輝度と異なる輝度(例えば所定の輝度より暗い輝度)で表示される第2のモードとするかを切り換え設定するものであり、表示部120の表示画面上に表示されてUIにより視覚的に設定可能に形成され、例えば図9に示すような検査モード設定画面190が挙げられる。
図9に示す検査モード設定画面190では、第1のモードとするか又は第2のモードとするかをチェックボックス等により選択することで、モード設定が可能となっている。第1のモードに設定された場合には、検査領域が白表示となり非検査領域が黒表示となって白表示(点灯)の部分が移動する。第2のモードに設定された場合には、検査領域が黒表示となり非検査領域が白表示となって黒表示(消灯)の部分が移動する。なお、ここで「点灯」としたのは、検査領域を白表示とし非検査領域を黒表示とした場合に、検査領域が明るく表示され視覚的に点灯しているように見えるからである。また、電圧印加(オン)が点灯であるとは限らず、ノーマリブラックタイプでは電圧印加で白表示、ノーマリホワイトタイプでは電圧無印加で白表示となる。本明細書の以下の説明では、「検査領域を白表示とする」場合を「点灯」あるいは「点灯表示」といい、「検査領域を黒表示とする」場合を「消灯」あるいは「消灯表示」という。
図2に示す移動パターン表示設定部127は、検査すべき液晶表示パネル32上に表示される検査領域の移動パターンを設定するものであり、表示部120の表示画面上に表示されてUIにより視覚的に設定可能に形成される。この移動パターンは、予め用意された移動パターンを利用してもよいし、新たに所望の移動パターンを設定してもよいし、予め用意された移動パターンを変更したものでもよい。移動パターンの例としては、図10(A)(B)に示すような第1の移動パターン210、第2の移動パターン220が挙げられる。
図10(A)に示す第1の移動パターン210では、検査領域S1が表示領域F内の水平方向にて順又は逆方向のいずれかの方向に複数回移動した後、検査領域S1が表示領域F内の垂直方向にて順又は逆方向のいずれかの方向に1回移動することを繰り返すパターンである(詳細は後述する)。図10(B)に示す第2の移動パターン220では、検査領域S1が表示領域F内の垂直方向にて順又は逆方向のいずれかの方向に複数回移動した後、検査領域S1が表示領域F内の水平方向にて順又は逆方向のいずれかの方向に1回移動することを繰り返すパターンである(詳細は後述する)。第1の移動パターン210、第2の移動パターン220のいずれも、検査領域S1が表示領域F内の水平方向にて順又は逆方向のいずれかの方向に移動する水平方向移動ステップと、検査領域S1が表示領域F内の垂直方向にて順又は逆方向のいずれかの方向に移動する垂直方向移動ステップとを含む。第1の移動パターン210では、水平方向移動ステップを複数回行った後に、垂直方向移動ステップを1回行うステップを含む。第2の移動パターン220では、垂直方向移動ステップを複数回行った後に、水平方向移動ステップを1回行うステップを含む。
(2―3:記憶部100について)
記憶部100は、検査部30にて検査された液晶表示パネル32の良、不良、要リペアなどの検査結果情報を格納しておく検査結果情報格納部102を有する。検査結果情報は、検査員が目視検査を行った後に、表示部120および操作部130(図1参照)を用いて操作入力を行うと、操作入力制御部86により制御装置70を介して記憶部100内の検査結果情報格納部102に格納される。記憶部100は、例えば液晶表示パネルの識別番号(製造番号)毎に、良なら1、不良なら2、要リペアなら3などの数値を対応させた検査結果に関するテーブルを有する。
さらに、記憶部100には、表示部120および操作部130(図1参照)を通じて設定入力された設定条件情報が制御装置70の設定条件情報処理部71により格納される。設定条件情報には、検査モード設定情報(点灯表示または消灯表示)、サイズ設定情報(X方向の画素数、Y方向の画素数)、移動速度設定情報、移動方向設定情報(移動パターン情報)、移動開始位置設定情報、移動パターン設定情報などがある。これらが、検査モード設定情報格納部104、サイズ設定情報格納部105、移動速度設定情報格納部106、移動方向設定情報格納部107、移動開始位置設定情報格納部108、移動パターン情報格納部109に格納される。
加えて、記憶部100は、表示部120に表示される設定画面に関する設定画面情報などを格納する設定画面情報格納部110を有する。設定画面情報としては、例えば、検査領域サイズ設定画面情報、検査領域速度設定画面情報、移動方向設定画面情報、検査モード設定画面情報、移動パターン設定画面情報などがある。
(2―4:制御装置70について)
次に、制御装置70のソフトウエア構成の詳細について説明する。図2に示すように、制御装置70は、表示部120および操作部130(図1参照)を通じて設定入力された設定条件情報を記憶部100に書き込んで格納すると共に、検査領域を移動する制御を行う際に、設定条件情報を記憶部100から読み出して所定の演算処理を行うための設定条件情報処理部71を有する。
設定条件情報処理部71は、具体的には、サイズ情報処理部72、移動速度情報処理部73、移動方向情報処理部74、移動開始位置情報処理部75、検査モード設定情報処理部76を含む。
サイズ設定情報処理部72は、サイズ表示設定部122により設定されたサイズ設定情報を記憶部100のサイズ設定情報格納部105に書き込んで格納すると共に、検査領域を移動する制御を行う際に、サイズ設定情報を記憶部100のサイズ設定情報格納部105から読み出して所定の演算処理を行うための制御を行う。すなわち、サイズ設定情報処理部72は、情報書込機能と情報読出取得機能とを兼用している。
移動速度情報処理部73は、移動速度表示設定部123により設定された移動速度設定情報を記憶部100の移動速度設定情報格納部106に書き込んで格納すると共に、検査領域を移動する制御を行う際に、移動速度設定情報を記憶部100の移動速度設定情報格納部106から読み出して所定の演算処理を行うための制御を行う。
移動方向情報処理部74は、移動方向表示設定部124により設定された移動方向設定情報を記憶部100の移動方向設定情報格納部107に書き込んで格納すると共に、検査領域を移動する制御を行う際に、移動方向設定情報を記憶部100の移動方向設定情報格納部107から読み出して所定の演算処理を行うための制御を行う。
移動開始位置情報処理部75は、移動開始位置表示設定部125により設定された移動開始位置設定情報を記憶部100の移動開始位置設定情報格納部108に書き込んで格納すると共に、検査領域を移動する制御を行う際に、移動開始位置設定情報を記憶部100の移動開始位置設定情報格納部108から読み出して所定の演算処理を行うための制御を行う。
検査モード設定情報処理部76は、検査モード設定部126により設定された検査モード設定情報を記憶部100の検査モード設定情報格納部104に書き込んで格納すると共に、検査領域を移動する制御を行う際に、検査モード設定情報を記憶部100の検査モード設定情報格納部104から読み出して所定の演算処理を行うための制御を行う。
制御装置70は、さらに、図2に示すように、検査領域生成部81、検査領域移動演算処理部82、検査パネル表示制御部84、設定画面情報処理部85、操作入力制御部86、その他、ロボット部20および検査部30の制御を行うその他の制御部90、およびこれらの各制御を司る中央制御部98を有する。なお、本実施の形態の設定条件情報処理部71、検査領域移動演算処理部82、検査パネル表示制御部84、設定画面情報処理部85、操作入力制御部86、その他の制御部90、中央制御部98とで、本発明にいう「制御部」が形成される。この「制御部」は、検査領域を順次移動させる表示制御を行う機能を有する。さらに、「制御部」は、検査モード表示設定部(モード設定部)126にて設定された第1又は第2のモードにて液晶表示パネル32の表示制御を行う機能と、サイズ表示設定部(サイズ設定部)122にて設定された所定サイズの検査領域を順次移動させる表示制御を行う機能と、移動速度表示設定部(移動速度設定部)123にて設定された所定速度に基づいて、検査領域を移動させる表示制御を行う機能と、移動方向表示設定部(移動方向設定部)124にて設定された所定の移動方向に基づいて、検査領域を移動させる表示制御を行う機能と、移動開始位置表示設定部(移動開始位置設定部)125にて設定された所定の移動開始位置を起点として検査領域を移動させる表示制御を行う機能と、予め用意された所定の移動パターンに基づいて検査領域を移動させる制御を行う機能と、移動パターン表示設定部(移動パターン設定部)127にて設定された移動パターンに基づいて検査領域を移動させる制御を行う機能と、移動前後の検査領域が一部重複する表示制御を行う機能と、検査領域が移動した後の検査済み領域を検査領域(例えば白)未検査領域(例えば黒)と異なる表示態様(例えば灰色)で表示するように表示制御を行う機能とを含む。
検査領域生成部81は、検査すべき液晶表示パネル32の一部に表示される検査領域を生成する機能を有し、サイズ設定情報格納部105からサイズ設定情報を受け取り、特定サイズの検査領域を生成する処理を行う。この際、検査領域生成部81は、サイズ設定情報に基づき、液晶コントローラ52に対してドライバを駆動する信号を制御するよう指示する。
検査領域移動演算処理部82は、検査領域を視覚的に移動させる特定演算アルゴリズムの演算をする処理を行うプログラム等にて形成される。例えば、検査モードが点灯、検査領域の大きさが特定サイズで、移動速度が特定速度で、移動方向がX方向、移動開始位置がX=0、Y=0である場合には、サイズ設定情報処理部72、移動速度情報処理部73、移動方向情報処理部74、移動開始位置情報処理部75、検査モード設定情報処理部76を通じて、検査モード設定情報(点灯表示)、サイズ設定情報(X方向の画素数、Y方向の画素数)、移動速度設定情報、移動方向設定情報、移動開始位置設定情報(X=0、Y=0)を取得して、例えば図10(A)に示す移動パターンを形成する演算処理を行う。
検査パネル表示制御部82は、検査領域移動演算処理部82にて演算される移動パターンに応じた検査領域を液晶表示パネル32上に再現するための制御を信号発生器56に対して行う。例えば、検査領域を点灯表示とし、非検査領域を消灯表示とするような階調情報を送る。この場合、検査員は、検査領域は点灯しているように見え、非検査領域は消灯しているように見える。
設定画面情報処理部85は、操作部130(図1参照)での操作入力に基づき、表示部120に対して各種設定画面を特定の画面展開パターンに応じて表示を行うように制御する。具体的には、設定画面情報処理部85は、検査領域サイズ設定画面160(図6)を表示部120に表示するよう操作部130から指令があると、設定画面情報格納部109より、移動領域サイズ設定画面情報を取得して、表示部120に対して表示するように表示制御する。
また、設定画面情報処理部85は、検査領域速度設定画面170(図7)を表示部120に表示するよう操作部130から指令があると、設定画面情報格納部109より移動領域速度設定画面情報を取得して、表示部120に対して表示するように表示制御する。同様にして、設定画面情報処理部85は、移動方向設定画面180(図8)を表示部120に表示するよう操作部130から指令があると、設定画面情報格納部109より、移動方向設定画面情報を取得して、表示部120に対して表示するように表示制御する。さらに、設定画面情報処理部85は、検査モード設定画面190(図9)を表示部120に表示するよう操作部130から指令があると、設定画面情報格納部109より、検査モード設定画面情報を取得して、表示部120に対して表示するように表示制御する。
操作入力制御部86は、操作部130からの例えばキー操作入力に基づいて、各部にキー操作に基づく指令を出すように制御するものである。すなわち、キー操作入力に基づくキー制御信号を、各制御部を動作させるための特定の命令に変換して、各制御部に出力する。
その他の制御部90としては、例えば、ロボット制御部、ステージ制御部、プローブ制御部、バックライト制御部、画像処理制御部などが挙げられる。
上記のような構成からなる制御装置70の動作を説明する。先ず、操作部130からの操作入力が行われると、操作入力制御部86は設定画面情報処理部85に対して指令を行う。設定画面情報処理部85は、例えば設定画面情報格納部109から検査領域サイズ設定画面情報を取得して、表示部120に対して表示するように制御する。操作部130から特定のサイズが入力されると、サイズ情報処理部72は、入力されたサイズ設定情報をサイズ設定情報格納部105に格納する。他の設定画面に対しても同様の処理が行われる。
設定処理の終了後、操作入力に基づき、検査を開始する旨の指示が行われると、検査領域生成部81は、サイズ設定情報格納部105からサイズ設定情報を受け取り、特定サイズの検査領域を生成する処理を行う。そして、検査領域移動演算処理部82は、例えば、検査モードが点灯、検査領域の大きさが特定サイズで、移動速度が特定速度で、移動方向がX方向、移動開始位置がX=0、Y=0である場合には、検査領域生成部81、サイズ情報処理部72、移動速度情報処理部73、移動方向情報処理部74、移動開始位置情報処理部75、検査モード設定情報処理部76を通じて、検査モード設定情報(点灯表示)、サイズ設定情報(X方向の画素数、Y方向の画素数)、移動速度設定情報、移動方向設定情報、移動開始位置設定情報(X=0、Y=0)を取得して、例えば図10(A)に示す移動パターンを形成する演算処理を行う。さらに、検査領域移動演算処理部82は、移動前の一方の検査領域と移動後の他方の検査領域とを一部重複する表示制御を行い、この際、検査領域の移動後の検査済み領域を検査領域と異なる表示態様で表示するための演算処理を行う。
そして、検査パネル表示制御部82は、検査領域移動演算処理部82にて演算される移動パターンに応じた検査領域を液晶表示パネル32上に再現するための各種信号を生成するように信号発生器56に対して行う。
(2―5:液晶表示パネルの表示態様について:第1のモード)
ここで、本実施の形態の特徴、すなわち、液晶表示パネル32の表示画面上に表示される検査領域の移動パターンの具体例について図3〜図5を用いて説明する。図3は、液晶表示パネル32上の検査領域の一例を示す説明図である。なお、以下の説明では、「検査領域を白表示とする」場合は「点灯」といい、「検査領域を黒表示とする」場合は「消灯」という。
先ず、第1のモードの表示例について、図3および図4を参照して説明する。先ず、液晶表示パネル32を全面消灯した状態にする。検査開始で、検査を行う領域のある一部分だけ分割表示させ、その検査領域を目視検査する。具体的には、液晶表示パネル32の表示画面上には、図3に示すように、検査スタート時には略矩形状の点灯する検査領域AX1が表示される。このとき、検査領域AX1以外の非検査領域は、全て消灯表示となる。この際、検査を行う検査員は、目線を移動させて点灯している検査領域内の画素の検査を行う。例えば、(点灯)検査領域内に黒点のある部分に異常があることとなる。
次に、検査領域AX1は所定の方向に移動し、重複領域ΔAXが形成されるように検査領域AX2が点灯表示される。同様にして、重複領域ΔAXを形成しながら、時間が経つ毎に矢印M1方向(+X方向)に順次検査領域が移動していく。検査領域AX7が液晶表示パネルの他端側に至ると、矢印M2方向(+Y方向)に1段下がる。この際、Y方向にも重複領域ΔAYが表示形成される。
同様にして、2段目に至ると、図4に示すように、1段目とは逆の矢印M3方向(−X方向)に順次移動することとなる。2段目にて液晶表示パネル32の一端側に検査領域AX14が至ると、矢印M4方向(+Y方向)に検査領域AX15は1段下がる。3段目は1段目と同様の移動(+X方向)を行う。このように、検査が終わると、検査領域が任意の方向に移動し、次の検査領域を目視検査する。これを繰り返し行ない液晶表示パネル32の表示領域F中の全面検査を行なう。なお、検査が終了した検査済み領域Bでは、異なる表示態様(輝度、色、模様など)で表示するように形成される。
このような検査領域の移動奇跡を全体としてみると図10(A)のような第1の移動パターン210が形成される。図10(A)に示す第1の移動パターン210では、先ず、検査領域が表示領域F内の水平方向にて順方向(図中+X方向)に複数回順次移動する。次に、表示領域F内の垂直方向にて順方向(図中+Y方向)に1回移動する。さらに、水平方向にて逆方向(図中−X方向)に複数回順次移動する。次に、垂直方向にて順方向(図中+Y方向)に1回移動する。そして、表示領域Fの全面にわたって検査が終了するまで、以上の+X方向移動、+Y方向移動、−X方向移動、+Y方向移動を繰り返す。繰り返す回数は、検査領域のサイズによる。検査領域のサイズが大きい場合には、繰り返す回数は少ない。検査領域のサイズが小さい場合には、繰り返す回数は多い。
なお、移動パターンの例としては、図10(A)に示すような第1の移動パターン210に限らず、図10(B)に示すような第2の移動パターン220であってもよい。具体的には、図10(B)に示す第2の移動パターン220では、先ず、検査領域が表示領域F内の垂直方向にて順方向(図中+Y方向)に複数回順次移動する。次に、表示領域F内の水平方向にて順方向(図中+X方向)に1回移動する。さらに、垂直方向にて逆方向(図中−Y方向)に複数回順次移動する。次に、水平方向にて順方向(+X方向)に1回移動する。そして、表示領域Fの全面にわたって検査が終了するまで、以上の+Y方向移動、+X方向移動、−Y方向移動、+X方向移動を繰り返す。なお、図10(A)の第1の移動パターン210、図10(B)の第2の移動パターン220の例では、検査領域の移動開始位置をU1(図中左上)としたが、これに限らず、移動開始位置をU2(図中右上)、U3(図中右下)、U4(図中左下)としてもよい。
従来のように液晶表示パネル32を全面点灯した状態で目視検査を行なった場合には、検査員の視線を移動させる距離が長くなる。これに対し本実施の形態では、検査領域を狭めた状態で目視検査を行なうので、検査員の視線を移動させる距離が短くなるため表示欠陥等の不具合の検出率を向上させることができる。なお、検査領域が移動する際に一部重複表示させるのは、検査領域の境界近傍では欠陥が検出しづらく、境界近傍での検出漏れを防ぐためである。
(2―6:液晶表示パネルの表示態様について:第2のモード)
次に、第2のモードの表示例について、図5を参照して説明する。液晶表示パネル32を全面点灯した状態にする。検査開始で、図5に示すように、スポットライトの様な小さな(消灯)検査領域Dが現われ、検査領域Dが、検査員の視線を誘導する様に一定速度で移動し、液晶表示パネル32の全面検査を行なう。この際、他の非検査領域Eは点灯状態となる。
従来のように、液晶表示パネル32の検査領域を全面点灯した状態で目視検査する場合、検査員による個人差で検査領域に違いが生じる。これに対し本実施の形態では、検査員の視線を誘導するように、小さな消灯検査領域Dが移動することで検査員の視線を一定させることができる。従って、スポットライトが検査員の視線を誘導するように移動することで、検査精度が向上する。
また、本実施の形態では、点灯表示、消灯表示の各モードの検査機能を有し、いずれかのモードを選択設定できるように形成されている。このような、2モードの検査機能を持つことで、極小範囲ごとに重点的な検査を行なえる機能と全画面を一度に検査する機能を有し、不具合の検出率を向上させることができる。
さらに、移動する検査領域の大きさや移動速度などを可変に設定可能としている。また、移動する検査領域の開始位置及び移動方向も幾つか用意したパターンの中から選択できるようになっている。これにより、検査員の検査能力に合わせた設定が可能となり、検査能力に応じた検査を行うことで、検査員による不良検出率の差を解消できる。
(3―1:検査装置を用いた全体の工程について)
次に、上述のような構成を有する液晶表示パネルの検査装置を用いた液晶表示パネルの検査工程の具体例について、図11を参照しつつ説明する。
先ず、検査対象となる液晶表示パネル(検査基板)32を供給カセット10にセットする(ステップ<以下単に「S」という>101)。そして、検査部30を起動する起動ボタンを押下することにより、液晶表示パネル32の検査動作が開始される(S102)。
次に、液晶表示パネル32は供給カセット32より検査部32に向けて搬送機構により搬送される(S103)。搬送された液晶表示パネル32は、挟持機構によりステージ(検査台)31上にセットされる(S104)。
次いで、ステージ31上にセットされた液晶表示パネル32の端部に対して、プローブによりプローブコンタクトを行う。この際に検査装置1の表示部120には、初期画面が表示される(S105)。
S105において表示部120に初期画面が表示されると、検査員が所定の操作入力を行うことで、検査モード選択画面190(図9)が表示されることとなるが、この際に各種設定を行うこととなる。これにより、検査モードの選択処理が行われる(S106)。
選択された特定の検査モードにより、液晶表示パネル32に対してする表示駆動動作が行われる。この間に、検査員は、液晶表示パネル32上に表示され、順次移動する分割検査領域に案内されるようにして液晶表示パネル32の検査を行う。ここで行われる検査とは、表示欠陥、表示むらなど見ることとなる。
そして、検査装置1では、液晶表示パネル32の検査結果の是非、すなわち、検査結果が正常であるか、若しくは、検査結果が異常であるかの判断処理が行われる(S107)。S107の判断処理において、検査結果が異常であると判断された場合、すなわち、液晶表示パネル32の液晶セルに表示欠陥や表示むらなどが発見された場合には、S109に進む。一方、S107の判断処理において、検査結果が異常であると判断された場合には、S108に進む。
S108においては、検査が終了したか否かの判断処理が行われる。液晶表示パネル32の検査工程では、複数種類例えば7種類の検査項目があり、これら全ての検査項目毎に、順次検査モードを切り換えて各検査を行わなければならないからである。この判断処理は、それらの各検査モードの終了毎に判断処理が行われることとなる。S108の判断処理において、全検査項目、すなわち、全ての検査が終了したと判断された場合には、S109に進む。
一方、S108の判断処理において、全検査項目の検査が終了せずに、いずれかの検査項目しか終了していないと判断された場合には、S106に戻って、次の検査モードを選択処理を行う。この際、検査員は、各検査モードにて表示される各検査画面にて、各検査項目に対応する検査結果情報を操作入力することとなる。例えば、第1検査項目に対しては良、第2検査項目に対しては否、第3検査項目に対しては良、という具合に順次入力する。さらには、ゲートバスラインなどの修復(リペア)が必要か否かの検査結果情報も入力されることとなる。
次に、全ての検査項目に対する各々の検査結果情報は、コンピュータ等の制御装置70にネットワークを介して接続されたデータベース(DB)等の記憶部100に書込むような処理が行われる(S109)。また、このS109においては、これらの検査結果情報(液晶表示パネル32が良品か或いは不良品か若しくはリペアすべきものか)に基づいて、搬送機構によりそれぞれに対応した各カセットに個別に格納されることとなる。具体的には、良品の液晶表示パネル32は、第1の回収カセット12に搬送されて格納され、不良品の液晶表示パネル32は、第2の回収カセット14に搬送されて収納され、リペアが必要な液晶表示パネル32は、第3の回収カセット16に搬送されて格納される。
1つの液晶表示パネル32に対する検査が終了し、各種カセットに格納されたことが不図示のセンサー等で検出されると、次に検査すべき液晶表示パネル32があるか否かの判断処理が行われる(S110)。
S110の判断処理において、次に検査すべき液晶表示パネル32があると判断された場合には、S103に戻って、次の液晶表示パネル32がステージ31に向けて搬送機構により搬送される処理を行う。一方、S110の判断処理において、次に検査すべき液晶表示パネル32がないと判断された場合には、検査を終了する処理が行われる(S111)。
(3―2:検査時の設定処理の詳細について)
以上、検査工程の全体の処理について説明したが、以下には、検査モードを選択した後のより詳細な処理手順について、図12のフローチャートを参照しつつ説明する。図12は、設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図11に示すS106において検査モードの選択など各種の設定を検査員が行う場合には、以下に示す処理が行われる。すなわち、図12に示すように、先ず、メニュー画面の表示処理が行われる(S121)。
次に、画面展開によって検査モード設定画面190(図9)の表示処理が行われる(S122)。そして、検査モードを選択したか否かを判断する処理が行われる(S123)。S123では、検査領域を点灯表示とする第1のモードか、或いは検査領域を消灯表示とする第2のモードかのいずれかのモードが検査員によって選択されるまで待機処理が行われることとなる。いずれかのモードの選択設定が行われるまでS123からS122が繰り返される。
検査モードの設定が行われ、表示部120からのモード設定情報が制御装置70に受信されると、S123では、検査モードの選択が行われたものと判断される。そして、検査モード設定処理が行われる(S124)。例えば、検査モード設定画面190(図9)にて点灯表示のモードが選択された場合には、第1のモードを「1」、第2のモードを「2」とすると、モード設定情報としては1が検査モード設定情報格納部104(図2)にセットされる。
同様にして、他の設定項目の選択待機処理並びに設定処理についても同様に行われる。すなわち、検査領域サイズ設定画面160(図6)の表示処理が行われる(S125)。そして、検査領域のサイズ設定が行われたか否かの判断処理が行われる(S126)。S126にてサイズ設定が行われたものと、すなわち、設定されたサイズ設定情報を受け取ると判断されると、検査領域のサイズ設定処理が行われる(S127)。例えば、検査領域サイズ設定画面160(図6)にてX=80画素、Y=50画素と設定入力された場合には、サイズ設定情報としてX=80、Y=50がサイズ設定情報格納部105(図2)に格納される。なお、S126の判断処理において検査領域のサイズ設定が未だ行われていないものと判断された場合には、S125からS126が繰り返される。
次に、検査領域の速度設定画面の表示処理が行われる(S128)。そして、検査領域の速度設定が行われたか否かの判断処理が行われる(S129)。S129にて速度設定が行われたものと、すなわち、設定された速度設定情報を受け取ると判断されると、検査領域の速度設定処理が行われる(S130)。例えば、検査領域速度設定画面170(図7)にて10[mm/s](約5秒間に50画素)と設定入力された場合には、速度設定情報として50が速度設定情報格納部106(図2)に格納される。なお、S129の判断処理において検査領域の速度設定が未だ行われていないものと判断された場合には、S128からS129が繰り返される。
さらに、検査領域の移動方向設定画面180(図8)の表示処理が行われる(S131)。そして、検査領域の移動方向設定が行われたか否かの判断処理が行われる(S132)。S132にて移動方向設定が行われたものと、すなわち、設定された移動方向設定情報を受け取ると判断されると、検査領域の移動方向設定処理が行われる(S133)。例えば、移動方向設定画面にてX方向と設定入力された場合には、移動方向設定情報としてX方向を1、Y方向を2とすると1が移動方向設定情報格納部107(図2)にセットされる。なお、S132の判断処理において検査領域の移動方向設定が未だ行われていないものと判断された場合には、S131からS132が繰り返される。
また、検査領域の移動開始位置設定画面(不図示)の表示処理が行われる(S134)。そして、検査領域の開始位置設定が行われたか否かの判断処理が行われる(S135)。S135にて開始位置設定が行われたものと、すなわち、設定された開始位置設定情報を受け取ると判断されると、検査領域の開始位置設定処理が行われる(S136)。例えば、移動開始位置設定画面にて開始位置が指定された場合には、開始位置設定情報としてX、Y座標値(X、Y)=(0、0)が移動開始位置設定情報格納部108(図2)に格納される。なお、S135の判断処理において検査領域の開始位置設定が未だ行われていないものと判断された場合には、S134からS135が繰り返される。
次いで、全ての検査設定項目についての設定処理が終了したか否かの判断処理が行われる(S137)。S137において、設定処理が未だ終了していないものと判断されるとS122に戻る。各種設定項目のチェックを行うためである。一方、S137において、全ての設定項目について設定処理が行われたものと判断されると、S138に進む。そして、各設定情報に基づいて、検査領域を移動させるための演算処理を行いつつ、パネルの表示制御を行うよう信号発生器56(図2)に対して指令を行う処理を行う(S138)。
(3―3:演算処理の詳細)
次に、S138での検査領域を移動させる演算処理の詳細について、図13のフローチャートを参照しつつ説明する。図13は、演算処理の詳細を示すフローチャートである。この演算処理は、主として、図2における検査領域移動演算処理部82にて行われる演算処理を示している。なお、以下には、図10(A)に示すような第1の移動パターン210を検査すべき液晶表示パネル上に表示させるための演算処理の場合の例を示している。また、図15では、XY座標系を検査領域が移動する様子を示している。
具体的には、演算処理を行うために前提条件として必要な情報を取得することから開始される。すなわち、先ず、各設定情報を取得する処理が行われる(S201)。ここでいう設定情報とは、検査モード設定情報、サイズ設定情報、移動速度設定情報、移動方向設定情報、移動開始位置設定情報などをいう。例えば検査モード設定情報に基づき、移動すべき検査領域が点灯表示とするように処理される。
次に、各設定情報に基づき、特定の移動パターンを生成する処理を行う(S202)。具体的には、移動開始位置設定情報と移動方向設定情報とから移動パターンを生成するか、予め用意された移動パターン情報を抽出するなどの処理を行うこととなる。
さらに、サイズ設定情報と、移動パターン情報とに基づいて、各移動パターン情報とに基づいて、各移動位置での検査領域に関する座標情報を演算する処理を行う(S203)。
この処理の過程では、以下のような演算が行われることが好ましい。先ず、座標情報を移動開始位置設定情報格納部108(図2)より取得し特定の演算を行う処理を行う。例えば、図15に示すように、移動開始位置における検査領域S1の4点の座標値をP1、P2、P3、P4とする。移動開始位置設定情報格納部108(図2)には、P1に相当する開始位置の座標値(X、Y)=(0、0)が格納されている。P1の座標値と、サイズ設定情報格納部105のサイズ設定情報とに基づいて、P2の座標値、P3の座標値、P4の座標値を各々演算する。
さらに、移動方向情報を移動方向設定情報格納部107(図2)より取得する。これにより、移動方向が+X方向で、重畳領域の幅ΔXを規定する。また、移動速度設定情報から最初の検査領域から次の検査領域までに+X方向にどれだけ移動させればよいか(何フィールドで次の検査領域の出力をするか)が規定される。
次に、具体的な移動演算処理を行う。図15に示すように、開始位置での検査領域をS1とし、移動された次の検査領域をS2とし、検査領域S1、S2のX方向のサイズをX、移動前の検査領域S1と移動後の検査領域S2とが重なる重畳領域のX方向の幅をΔXとすると、移動すべき距離はX−ΔXとなる。従って、一般に、移動後の検査領域Sn+1は、移動前の検査領域Snを用いて、Sn+1=Sn+(X−ΔX)と表すことができ、Sn+1の演算処理を行う。
例えば、移動前の検査領域S1の4点の座標値P1(X、Y)、P2(X、Y)、P3(X、Y)、P4(X、Y)と移動すべき距離(X−ΔX)から移動後の4点の座標値Q1(X、Y)、Q2(X、Y)、Q3(X、Y)、Q4(X、Y)を各々算出することとなる。
次に、Sn+1のうちQ2又はQ4に相当する端点のX座標値が、液晶表示パネル32の画素数XGより小さいか否かの判断処理を行い、検査領域Snが液晶表示パネル32の他端側に移動するまで検査領域Snを+X方向へ移動させた場合の各々の検査領域Snにおける各々の座標位置の演算をする。
そして、図15に示すように、検査領域Snが液晶表示パネルの他端側に到達すると、重畳領域ΔYを形成しつつ+Y方向へ移動させた場合の座標位置の演算を行う。一般的には、Sn+1をSn+(Y−ΔY)により算出する。
次いで、図15に示すように、検査領域Snが2段目を−X方向に移動するような演算処理を行う。一般的には、Sn+1をSn―(X―ΔX)により算出する。そして、Sn+1のうちQ1又はQ3に相当する端点のX座標値が、0より大きいか否かの判断処理を行ないつつ、各検査領域Snの各座標位置の演算を行う。
さらに、Sn+1のうちQ2又はQ4に相当する端点のY座標値が、液晶表示パネル32のY方向の画素数YGより小さいか否かの判断処理を行いつつ、YGよりも小さいと判断された場合には、再び+X方向移動、+Y方向移動、−X方向移動、+Y方向移動の順でパターンを繰り返す演算(パターンA)を行う。一方、YGより等しい若しくは大きいと判断された場合には、次に進む。
次に、検査領域S1の移動開始位置の端点がP1(0、0)であるか否かの判断処理が行われる。この判断処理において、P1(0、0)でないと判断された場合には、開始位置の座標値まで(パターンA)を繰り返す演算を行う。この際には、各検査領域Snでの各座標値が算出されることになる。一方、判断処理において、P1(0、0)でないと判断された場合には、検査領域を移動させる処理を終了する。移動開始位置がP1(0、0)でない場合には、移動開始位置に戻るまで、パターンAを繰り返す必要があるからである。
なお、予め用意された移動パターンを用いる場合であっても、検査領域S1の大きさによって4点の座標値は異なるから以上述べた演算は必要となる。
次いで、移動速度情報と、各検査領域Snでの各座標情報とに基づいて、ドライバに供給する信号を制御する処理を行う(S204)。このようにして算出された座標値をもとに、信号生成器56(図2)は、液晶表示パネル32に特定の信号を出力し、検査領域Snの表示が行われる。
(3―4:検査工程の詳細について)
次に、上述した設定処理の後に、演算処理に従って検査領域が移動しながら具体的検査を行う検査工程の詳細について、図14に示すフローチャートを参照しつつ説明する。図14は、図12に示すS138の後の処理を示している。先ず、図14に示すように、液晶表示パネルに信号を供給し、検査領域内の全画素を点灯させる(S210)。
S210では、例えば図15に示すように検査領域S1内の全画素を点灯させる。この点灯させた状態で、人間の目により、またはCCDカメラで画像を撮り込み画像解析により検査領域S1内の検査を行う(S211)。この点灯表示検査では、検査領域S1内の点灯してない画素の有無を検査する。
次に、検査領域S1内の全画素が消灯し(S212)、同じ検査領域S1の枠内で検査のすべてが完了すると、予め設定された移動速度に基づき、特定期間が過ぎ、次の検査領域S2に移動する(S213)。S213では、移動前の検査領域S1と重畳領域を形成しつつ、次の位置に検査領域S2を+X方向に移動させる。
次に、同様にして、次の検査領域S2内においても、S210〜S212の処理を行う(S214)。すなわち、液晶表示パネル32に信号を供給し、次の検査領域S2内の全画素を点灯させる。この点灯させた状態で、人間の目により、またはCCDカメラで画像を撮り込み画像解析により次の検査領域S2内の検査を行う。この点灯表示検査では、検査領域S2内の点灯してない画素の有無を検査する。そして、次の検査領域S2内の全画素が消灯する。
このようにして、X=XG(X方向の画素数)となるまで検査領域Snを+X方向に移動させる(S215)。検査領域Snが液晶表示パネル32の長手方向に沿って液晶表示パネル32の一端側から他端側に向けて順次移動する。
次に、移動前の検査領域Snと重畳領域を形成しつつ、検査領域Snを+Y方向に1ブロック移動させる(S216)。検査領域Snが他端側に至ると、液晶表示パネル32の短手方向に沿って一段移動する。そして、S210〜S212の処理を行う(S217)。
さらに、移動前の検査領域Snと重畳領域を形成しつつ、次の位置に検査領域Snを−X方向に移動させる(S218)。そして、S210〜S212の処理を行う(S219)。このようにして、X=0となるまで検査領域Snを−X方向に移動させる(S220)。前記移動経路と異なる段にて、検査領域Snが他端側から一端側に向けて長手方向に沿って順次移動する。
次に、移動前の検査領域Snと重畳領域を形成しつつ、検査領域Snを−Y方向に1ブロック移動させる(S221)。検査領域Snが一端側に至ると、液晶表示パネル32の短手方向に沿って1段移動する。そして、S210〜S212の処理を行う(S222)。
また、S210〜S214までを繰り返しながら、X=XG(X方向の画素数)となるまで検査領域Snを+X方向に移動させる(S223)。そして、液晶表示パネル32全面の画素の検査を終了するまでS210からS223までを繰り返す(S224)。
以上のように本実施の形態によれば、検査領域Snを狭めた状態で目視検査を行なった場合、検査員の視線を可動させる距離が短くなるため不具合の検出率が向上する。
また、検査領域Snを一部に形成することで、検査領域Sn枠内のみを検査員は検査すればよく、液晶表示パネル32の表示欠陥が検出しやすくなる。加えて、検査員の目線を誘導するように検査領域Snが順次移動することから、検査員は目線を合わせる位置を気にすることなく液晶表示パネル32の欠陥を発見することに集中しやすくなり、検査員の個人差による検出率に差が生じ得ず、不良品の検出率が向上する。
また、検査領域Snが移動する際、各検査領域の境界周辺は不具合が検出しづらいので、一部重複するように表示させることで、検出漏れを防ぐことができる。さらに、2モードの検査方式を持つことで、極小範囲ごとに重点的な検査を行なえる機能と全画面を一度に検査する機能を有し、不具合の検出率を向上させることができる。また、移動する領域の大きさや移動速度を可変に設定可能とすることで、検査員の検査能力に合わせた設定が可能となる。
なお、本実施の形態の検査工程の詳細説明では、図10(A)に示す第1の移動パターン210の例を図14のフローチャートを用いて説明したが、図10(B)に示す第2の移動パターン220の例では、以下に示すようにすればよい。すなわち、図14のフローチャートにおいて、S213を+Y方向移動の処理とし、S215をY=YGとなるまで+Y方向移動の処理とし、S216を+X方向移動の処理とし、S218を−Y方向移動の処理とし、S220をY=0となるまで+Y方向移動の処理とし、S221を+X方向移動の処理とし、S223をY=YGとなるまで+Y方向移動の処理とすればよい。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明にかかる第2の実施の形態について、図16乃至図21に基づいて説明する。なお、以下には、第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図16は、本発明の検査装置を利用した本実施の形態において検査される液晶表示パネルの表示態様の一例を示す図である。
上述の第1の実施の形態では、検査領域枠内の画素を全て点灯(白表示)とする方式としたが、本実施の形態では、検査領域枠内にてRGBに対応する各画素を個別に点灯とする方式としている。すなわち、RGBの各々の色について検査する際に、検査領域枠内でRGBの各検査を行った後に、他の検査領域内でRGBの各検査を行うものである。
本実施の形態の液晶表示パネルでは、水平方向に並んだ画素には、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)、R、G、B、…の順番でカラーフィルタが配置されており、垂直方向に並んだ画素には同色のカラーフィルタが配置されているものとする。水平方向に並んだR画素、G画素及びB画素の3個の画素が1組になって、1つのピクセルが構成される。
(表示態様について)
図16に示すように、液晶表示パネル300上の検査領域S1の枠内では、R画素のみが点灯表示されている。検査領域S1内のR検査を行い、R検査が終了すると、次の検査領域S2に移動して同様にR画素のみを点灯するようにして順次R検査を行っていく。
液晶表示パネル300の全画面についてR検査が終了すると、同様にして次にG検査を行う。すなわち、検査領域は、最初の位置に戻って、液晶表示パネル300上の検査領域S1の枠内にて、G画素のみを点灯表示する。検査領域S1内のG検査を行い、G検査が終了すると、次の検査領域S2に移動して同様にG画素のみを点灯するようにして順次G検査を行っていく。
液晶表示パネル300の全画面についてG検査が終了すると、同様にして次にB検査を行う。すなわち、検査領域は最初の位置に戻って、液晶表示パネル300上の検査領域S1の枠内にてB画素のみを点灯表示する。検査領域S1内のB検査を行い、B検査が終了すると、次の検査領域S2に移動して同様にB画素のみを点灯するようにして順次B検査を行っていく。液晶表示パネル300の全画面についてB検査が終了する。
(検査装置の構成について)
次に、上述のようなRGB画素を個別に点灯させる検査装置の構成について、図17を参照して説明する。図17は、本実施の形態の検査装置を示す機能ブロック図である。検査装置400は、図17に示すように、第1の実施の形態同様、制御装置70に含まれる検査領域移動演算処理部82、検査パネル表示制御部84を備えている。この他、検査装置400は、第1の実施の形態同様の構成を有するが、図17においては本実施の形態を説明する上で関係する構成要件のみ記載し、他の構成要件については図示を省略する。
さらに加えて、検査装置400は、図17に示すように、表示色表示設定部(表示色設定部)128、図2に示す記憶部100に含まれる表示色設定情報格納部110、制御装置70に含まれる色設定情報処理部78、移動パターン情報格納部111を備えている。
表示色表示設定部128は、検査領域の枠内にて検査すべきR画素、G画素、B画素を点灯させることを個別に設定するものであり、検査領域の表示色を各色に対応する画素の検査(例えばR画素の検査、G画素の検査、B画素の検査)毎に個別に設定する機能を有し、UIを用いて設定可能となっている。例えば、図18に示す表示色設定画面190が挙げられる。
図18に示す表示色設定画面190では、チェックボックス191R、191G、191Bにより色検査(R検査、G検査、B検査)の選択を個別に選択できるとともに、検査順序設定入力部192R、192G、192Bにより、色検査(R検査、G検査、B検査)の順番をも設定可能に形成されている。また、表示色設定画面190では、検査領域内のみを先に検査する場合(検査領域内の全てのR画素、G画素、B画素を検査した後に次の検査領域に移動する場合)のチェックボックス193により、検査領域内を先に検査する場合と、検査領域内の特定色の画素(R画素)のみについて検査をして次の検査領域に移動する場合とで選択的に設定できるようになっている。さらに、移動パターン選択設定部194により予め用意された複数種類の移動パターンの中から一つの移動パターンを選択設定できるようになっている。なお、チェックボックス195により任意に移動パターンを設定可能に形成されている。この場合、不図示の移動パターン任意設定画面に移行する。
図17に説明を戻すと、表示色設定情報格納部110は、表示色表示設定部128にて表示された色設定情報を色設定情報処理部78を通じて格納する。移動パターン情報格納部111は、各種移動パターンの一部を部品化して設定条件に応じて利用できる部品移動パターン情報を格納している。
色設定情報処理部78は、表示色表示設定部128により設定された表示色設定情報を表示色設定情報格納部110に書き込んで格納すると共に、検査領域を移動する制御を行う際に、表示色設定情報を記憶部に含まれる表示色設定情報格納部110から読み出して所定の演算処理を行うための制御を行う。すなわち、情報書込機能と情報読出取得機能とを兼用している。
また、色設定情報処理部78は、色検査のR検査、G検査、B検査あるいはそれらの組み合わせの色が指定された場合に、対応する色の画素のみを選択するような信号を生成するよう、信号発生器56(図2)に対して指令を行う。
検査領域移動演算処理部84は、検査領域を視覚的に移動させる特定演算アルゴリズムの演算をする処理を行うプログラム等にて形成される。例えば、本実施の形態の場合には、検査モードが点灯、検査領域の大きさが特定サイズで、移動速度が特定速度で、移動方向がX方向、移動開始位置がX=0、Y=0、R検査のみを行う場合には、サイズ情報処理部72、移動速度情報処理部73、移動方向情報処理部74、移動開始位置情報処理部75、検査モード設定情報処理部76(いずれも第1の実施の形態の図2を参照、本実施の形態では構成要件を省略)、色設定情報処理部78を通じて、検査モード設定情報(点灯表示)、サイズ設定情報(X方向の画素数、Y方向の画素数)、移動速度設定情報、移動方向設定情報、移動開始位置設定情報(X=0、Y=0)、表示色設定情報(R)を取得して、例えば図16に示すR画素の点灯表示での検査領域S1の移動パターンを形成する演算処理を行う。
検査パネル表示制御部84は、検査領域移動演算処理部82にて演算される移動パターンに応じた検査領域内での特定色(R)画素の点灯表示を液晶表示パネル32上に再現するための各種駆動信号を生成する制御を信号発生器56(図2)に対して行う。
なお、本発明にいう「制御部」は、本実施の形態の色設定情報処理部78、検査領域移動演算処理部82、検査パネル表示制御部84を含む。この制御部は、検査領域内にて表示色表示設定部(表示色設定部)128で設定された所定の表示色を表示する制御を行う機能を含む。
次に、検査装置440のうち本実施の形態に関係する部分の動作を説明する。表示色設定部128から特定の色が設定入力されると、表示色設定情報処理部78は、入力された表示色設定情報を表示色設定情報格納部110に格納する。
設定処理の終了後、操作入力に基づき、検査を開始する旨の指示が行われると、検査領域移動演算処理82は、例えば、検査モードが点灯、検査領域の大きさが特定サイズで、移動速度が特定速度で、移動方向がX方向、移動開始位置がX=0、Y=0、表示色がR検査である場合には、サイズ情報処理部72、移動速度情報処理部73、移動方向情報処理部74、移動開始位置情報処理部75、検査モード設定情報処理部76(いずれも第1の実施の形態の図2を参照、本実施の形態では構成要件を省略)、色設定情報処理部78を通じて、検査モード設定情報(点灯表示)、サイズ設定情報(X方向の画素数、Y方向の画素数)、移動速度設定情報、移動方向設定情報、移動開始位置設定情報(X=0、Y=0)、表示色設定情報(R)を取得して、例えば図16に示す検査領域内のR画素の表示パターンを形成する演算処理を行う。
そして、検査パネル表示制御部84は、検査領域移動演算処理部82にて演算される移動パターンに応じた検査領域内の特定色画素(R画素)の点灯表示を液晶表示パネル32上に再現するための各種駆動信号を生成するように信号発生器56に対して行う。
(検査工程について)
次に、本実施の形態の検査装置を用いた特定色画素の検査工程を図19乃至図21を参照しつつ説明する。図19は、本実施の形態の検査装置を用いた点灯表示検査でのR検査の手順の一例を示すフローチャートである。
先ず、図19に示すように、液晶表示パネルに信号を供給し、検査領域内でR画素のみを点灯させる(S301)。例えば図16に示す検査領域S1内のR画素(R1、R2、R3)のみを全て点灯表示させる。この点灯させた状態で、人間の目により、またはCCDカメラで画像を撮り込み画像解析により検査領域内のR検査を行う(S302)。点灯表示検査では、点灯してないR画素の有無を検査する。
予め設定された移動速度に基づき、所定期間が過ぎると、検査領域S1内のR画素が消灯し(S303)、次の検査領域に移動する(S304)。液晶表示パネル300全面のR画素の検査を終了するまでS301からS304までを繰り返す(S305)。ただし、S305において、R画素の最終検査の工程(検査領域が最後の位置に到達した場合)では、S301からS303までを繰り返し、S304は実施する必要はない。
次に、図20に示すように、液晶表示パネルに信号を供給し、検査領域内でG画素のみを点灯させる(S311)。例えば図16に示す検査領域S1内のG画素(G1、G2、G3)のみを全て点灯表示させる。この点灯させた状態で、人間の目により、またはCCDカメラで画像を撮り込み画像解析により検査領域内のG検査を行う(S312)。点灯表示検査では、点灯してないG画素の有無を検査する。
予め設定された移動速度に基づき、特定期間が過ぎると、検査領域S1内のG画素が消灯し(S313)、次の検査領域に移動する(S314)。液晶表示パネル全面のG画素の検査を終了するまでS311からS314までを繰り返す(S315)。ただし、S315において、G画素の最終検査の工程(検査領域が最後の位置に到達した場合)では、S311からS313までを繰り返し、S314は実施する必要はない。
次に、図21に示すように、液晶表示パネルに信号を供給し、検査領域内でB画素のみを点灯させる(S321)。例えば図16に示す検査領域S1内のB画素(B1、B2、B3)のみを全て点灯表示させる。この点灯させた状態で、人間の目により、またはCCDカメラで画像を撮り込み画像解析により検査領域内のB検査を行う(S322)。点灯表示検査では、点灯してないB画素の有無を検査する。
予め設定された移動速度に基づき、特定期間が過ぎると、検査領域内のB画素が消灯し(S323)、次の検査領域に移動する(S324)。液晶表示パネル全面のB画素の検査を終了するまでS321からS324までを繰り返す(S325)。ただし、S325において、B画素の最終検査の工程(検査領域が最後の位置に到達した場合)では、S321からS323までを繰り返し、S324は実施する必要はない。
以上のように本実施の形態によれば、RGBの各画素を個別に点灯表示検査できるので、検査を行うものが目視すべき画素を特定しやすくしているので、点灯していない画素の検出を効率良く行うことができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明にかかる第3の実施の形態について、図22に基づいて説明する。なお、以下には、第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図22は、本発明の検査装置を利用した本実施の形態での点灯検査の手順の一例を示すフローチャートである。
上述の第2の実施の形態では、検査領域内の特定色の画素(R画素)のみについて検査をして次の検査領域に移動する場合の検査手順を示したが、本実施の形態では、検査領域内のみを先に検査する場合(検査領域内の全てのR画素、G画素、B画素を検査した後に次の検査領域に移動する場合)の検査手順を示している。
先ず、図22に示すように、液晶表示パネルに信号を供給し、検査領域内でR画素のみを点灯させる(S401)。例えば図16に示す検査領域S1内のR画素(R1、R2、R3)のみを全て点灯表示させる。この点灯させた状態で、人間の目により、またはCCDカメラで画像を撮り込み画像解析により検査領域内のR検査を行う(S402)。点灯表示検査では、点灯してないR画素の有無を検査する。
次に、検査領域内のR画素が消灯し(S403)、液晶表示パネルに信号を供給し、同じ検査領域内においてG画素のみを点灯させる(S404)。この点灯させた状態で、人間の目により、またはCCDカメラで画像を撮り込み画像解析により同じ検査領域内の点灯してないG画素を探す検査を行う(S405)。
さらに、検査領域内のG画素が消灯し(S406)、液晶表示パネルに信号を供給し、同じ検査領域内においてB画素のみを点灯させる(S407)。この点灯させた状態で、人間の目により、またはCCDカメラで画像を撮り込み画像解析により同じ検査領域内の点灯してないB画素を探す検査を行う(S408)。
そして、検査領域内のB画素が消灯し(S409)、同じ検査領域S1の枠内でR検査、G検査、B検査のすべてが完了すると、予め設定された移動速度に基づき、特定期間が過ぎ、次の検査領域に移動する(S410)。同様にして、次の検査領域内においてもS401からS409を繰り返して、液晶表示パネルに信号を供給し、次の検査領域内でR検査、G検査、B検査を順次行う。このようにして、液晶表示パネル全面の検査を終了するまでS401からS410までを繰り返す(S411)。ただし、S411において、最終検査の工程(検査領域が最後の位置に到達した場合)では、S401からS409までを繰り返し、S410は実施する必要はない。
以上のように本実施の形態によれば、一つの検査領域の枠内でR検査、G検査、B検査を個別に実施でき、検査するものの負担を低減できる。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明にかかる第4の実施の形態について、図23乃至図24に基づいて説明する。なお、以下には、第2の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図23は、本発明の検査装置を利用した本実施の形態において検査される液晶表示パネルの表示態様の一例を示す図である。
上述の第2の実施の形態では、検査領域枠内のR画素を全て点灯する方式としたが、本実施の形態では、検査領域枠内において点灯させるR画素と点灯させないR画素を形成する方式としている。
具体的には、図23に示すように、検査領域S1の枠内にて、奇数番目の走査線に対応するR画素のみを点灯表示させ、奇数番目の走査線に対応するR画素の点灯表示検査を行う。次に、図24に示すように、検査領域S2の枠内にて、偶数番目の走査線に対応するR画素のみを点灯表示させ、偶数番目の走査線に対応するR画素の点灯表示検査を行う。
R画素の検査が終了すると、図23に示すように、同じ検査領域S1の枠内にて、奇数番目の走査線に対応するG画素のみを点灯表示させ、奇数番目の走査線に対応するG画素の点灯表示検査を行う。次に、図24に示すように、検査領域S2の枠内にて、偶数番目の走査線に対応するG画素のみを点灯表示させ、偶数番目の走査線に対応するG画素の点灯表示検査を行う。
G画素の検査が終了すると、図23に示すように、同じ検査領域S1の枠内にて、奇数番目の走査線に対応するB画素のみを点灯表示させ、奇数番目の走査線に対応するB画素の点灯表示検査を行う。次に、図24に示すように、検査領域S2の枠内にて、偶数番目の走査線に対応するB画素のみを点灯表示させ、偶数番目の走査線に対応するB画素の点灯表示検査を行う。
以上のように本実施の形態によれば、種々の検査表示パターンを形成することができ、また、検査領域内を細部にわたり検査できる。なお、第1乃至第4の実施の形態及び本実施の形態では、カラーフィルタのRGB配列をストライプ配列にて形成したが、この他、モダイク配列やクワッド配列の場合でも、各種移動パターンを用意しておくことによって容易に検出を行うことができる。例えば、図25に示すように、RGB配列をモザイク配列にて形成する場合、繰り返しステップは、モザイク配列に応じた移動パターンにて移動されることが好ましい。さらに、図26に示すように、RGB配列をクワッド配列にて形成する場合、繰り返しステップは、モザイク配列に応じた移動パターンにて移動されることが好ましい。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明にかかる第5の実施の形態について、図27に基づいて説明する。なお、以下には、第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図27は、本発明の検査装置を示す本実施の形態の一例を示す機能ブロック図である。
上述の第1の実施の形態では、各種設定を表示部上にて行うソフトウエア設定部を利用する方式としたが、本実施の形態では操作部を用いた専用のハードウエア設定部を利用する場合を示している。
図27には、検査装置500の主な構成要件が示されている。検査装置500は、第1の実施の形態同様の構成を有するが、図27においては本実施の形態を説明する上で関係する構成要件のみ記載し、他の構成要件については図示を省略する。
検査装置500は、操作部530を備えている。操作部530は、ハードウエアキーなどの各種操作ボタンやキーボードあるいはマウスなどにより形成されるものである。操作部530は、サイズ操作設定部532、移動速度操作設定部533、移動方向操作設定部534、移動開始位置操作設定部535、検査モード操作設定部536、表示色操作設定部536、停止操作部539や不図示の移動開始操作部などを備えている。なお、これらの全ての機能を例えばマウス操作だけでできるように形成してもよい。また、これらの各部は、いずれも第1の実施の形態の表示設定部と同様の機能を備え、各々「設定部」として形成できる。
サイズ操作設定部532は、検査される液晶表示パネル32上に表示される点灯検査領域(移動領域)のサイズを設定するものであり、X方向の長さ及びY方向の長さを各々調整可能なスライダなどによって形成される。
移動速度操作設定部533は、検査される液晶表示パネル32上に表示される点灯検査領域の移動速度を設定するものであり、予め目盛りに用意された移動速度に対応する位置に移動調整可能な位置調整機構を備えたスライダ等によって形成される。もちろん、X方向の移動速度或いはY方向の移動速度を各々調整可能に形成してよい。
なお、移動速度を設定すると、矩形状に表示された検査領域が、入力された数値の移動速度にて移動するシミュレーション表示を行う他の専用のボタンを形成してもよい。これにより、入力された数値に対応する点灯検査領域の移動速度を視角的に認知できることとなる。また、検査領域が移動する途中に検査員が任意で移動速度を変更可能に形成してもい。
移動方向操作設定部534は、検査される液晶表示パネル32上に表示される点灯検査領域の移動方向を設定するものである。例えばX方向の移動方向やY方向の移動方向など360度のいずれにも移動可能なジョイスティックやトラックボール等にて形成されることが好ましい。
移動開始位置操作設定部535は、点灯検査領域の移動開始位置を設定するものであり、上下方向および左右方向を含む全方向に移動可能であって、昇降可能なボタンを搭載したジョイスティックなどにて形成されることが好ましい。ジョイスティックを上下左右に動作させることで所望の移動開始位置にまでポインタを移動させ、指定したい位置にてボタンを押下することで移動開始位置を設定できるようになっている。
検査モード操作設定部536は、表示される検査領域を点灯表示とする点灯表示モードないしは消灯表示モードを切り替える設定を行うものである。
表示色操作設定部538は、白ないしはR検査、G検査、B検査の検査内容に応じて表示色を切り替え設定し、検査領域の枠内にて検査すべきR画素、G画素、B画素を点灯させることを個別に設定できる。例えば、色検査(R検査、G検査、B検査)の選択を個別に選択できるスイッチや、色検査色検査(R検査、G検査、B検査)の順番をも設定可能なダイヤルなどにて形成されることが好ましい。
また、検査領域内のみを先に検査する場合(検査領域内の全てのR画素、G画素、B画素を検査した後に次の検査領域に移動する場合)や、検査領域内の特定色の画素(R画素)のみについて検査をして次の検査領域に移動する場合とで選択的に設定できる各種ボタンを形成してもよい。さらに、予め用意された複数種類の移動パターンの中から一つの移動パターンを選択設定できるスイッチを備えてよい。なお、マウス等により任意に移動パターンを設定可能に形成してもよい。
停止操作部539は、特定の検査領域の移動パターンにて移動している最中に、途中で検査領域の移動を停止させる機能を有する。これにより、検査最中に、移動パターンやサイズなどを途中で変更することができるように構成することができる。
なお、検査装置500は、上述の第1の実施の形態同様の制御装置70を備えている。制御装置70には、図25に示すように、操作入力制御部86と、検査領域移動演算処理部82を含む。
操作入力制御部86は、サイズ操作設定部532、移動速度操作設定部533、移動方向操作設定部534、移動開始位置操作設定部535、検査モード操作設定部536、表示色操作設定部536、停止操作部539での各々の操作入力にに基づいて、検査領域に関する設定を行う制御処理を行うとともに、検査領域の移動の際には、検査領域移動演算処理部82に対して演算処理を行うよう制御する。
上記のような構成からなる検査装置500の作用を説明する。サイズ操作設定部532、移動速度操作設定部533、移動方向操作設定部534、移動開始位置操作設定部535、検査モード操作設定部536、表示色操作設定部536、停止操作部539にて操作入力が行われると、操作入力制御部86は、設定条件情報を各情報格納部に格納する。
検査領域の移動を開始する旨の指示が入力されると、操作入力制御部86は、検査領域移動演算処理部82に対して特定の移動パターンに基づいて、演算処理を行うよう指示する。これに基づき、検査領域移動演算処理部82での演算処理により液晶コントローラに対して情報が供給される。
なお、操作部としては、この他、検査領域の移動と連動して動作できるように構成することが好ましい。すなわち、移動する検査領域の移動速度、方向及びパターンなどをリアルタイムに任意に設定できる機能(リアルタイム設定操作部)を有してよい。この際、検査領域を間欠的に移動させる他、検査領域を滑らかに移動する場合であってもよい(検査領域円滑移動操作部)。あるいは、検査領域を間欠的に移動させる場合と滑らかに移動させる場合とで任意に切り換えたりする切り換え操作部を設けてもよい。
以上のように本実施の形態によれば、ハードウエア操作部を構成したことにより、表示部のように表示画面を見て設定する必要がないので、被検査パネル(液晶表示パネル)から目線をはずすことなく、移動する検査領域の大きさ、移動速度、移動方向などをリアルタイムに任意に設定でき、操作性が向上し、製品検査の検出率も向上する。
(各種変形例)
なお、検査装置、検査方法に関し、いくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく前記各実施の形態に対して種々の変形が可能である。例えば、上述の各実施の形態では、検査領域の移動パターンとして、図10(A)(B)に示すような移動パターンを説明したが、図28(A)(B)に示すような各移動パターンにて表示するように形成してもよい。
図28(A)では、最上段を+X方向に移動した後、X=0となる位置に戻り2段目以降も+X方向に順次移動していく移動パターン601を示している。より詳細には、図28(A)の移動パターン601では、先ず、検査領域S1が表示領域F内の水平方向にて順方向(図中+X方向)に複数回順次移動する。移動する際には、移動前後の検査領域が一部重複する重畳領域を形成しながら移動する。次に、X=0の位置に戻り垂直方向にて順方向(図中+Y方向)に1段下がった状態でX=XGまで水平走査を行う。このようにして表示領域Fの全面にわたって検査が終了するまで、+X方向移動の水平走査を繰り返す。
図28(B)では、1列目において+Y方向に移動した後、Y=0となる位置に戻り2段目以降も+Y方向に順次移動していく移動パターン602を示している。より詳細には、図28(A)の移動パターン602では、先ず、検査領域S1が表示領域F内の垂直方向にて順方向(図中+Y方向)に複数回順次移動する。移動する際には、移動前後の検査領域が一部重複する重畳領域を形成しながら移動する。次に、Y=0の位置に戻り水平方向にて順方向(図中+X方向)に1行右に移動した状態でY=YGまで水平走査を行う。このようにして表示領域Fの全面にわたって検査が終了するまで、+Y方向移動の垂直走査を繰り返す。
なお、図28(A)、図28(B)の場合においても、検査領域の移動開始位置は、液晶表示パネルの図28(A)、図28(B)中右上方端U1、図中左上方端U2、図中左下方端U3、図中右下方端U4のいずれから開始するように形成してもよいことは言うまでもない。
加えて、図29(A)(B)に示すような移動パターン603、604を形成してもよく、さらには、図30(A)(B)に示すような移動パターン605.606を形成してもよい。
より詳細には、図29(A)の移動パターン603では、検査領域が2つの移動経路Z1、Z2を有する。一方の移動経路Z1では、検査領域S1が表示領域F内の水平方向にて順方向(図中+X方向)にX=XG/2の位置まで複数回順次移動する。移動する際には、移動前後の検査領域が一部重複する重畳領域を形成しながら移動する。さらに、検査領域S1が移動した後の検査済み領域を検査領域S1と異なる表示態様(例えば第3の階調情報)で表示することが好ましい。次に、X=XG/2の位置にて表示領域F内の垂直方向にて順方向(図中+Y方向)に1回移動する。さらに、水平方向にて逆方向(図中−X方向)に複数回X=XG/2の位置よりX=0の位置まで順次移動する。次に、X=0の位置にて垂直方向にて順方向(図中+Y方向)に1回移動する。そして、表示領域Fの1/2の領域にわたって検査が終了するまで、以上の+X方向移動、+Y方向移動、−X方向移動、+Y方向移動を繰り返す。
次に、他方の移動経路Z2では、検査領域S1が表示領域F内の水平方向にて順方向(図中+X方向)にX=XG/2の位置よりX=XGの位置まで複数回順次移動する。移動する際には、移動前後の検査領域が一部重複する重畳領域を形成しながら移動する。次に、X=XGの位置にて表示領域F内の垂直方向にて順方向(図中+Y方向)に1回移動する。さらに、水平方向にて逆方向(図中−X方向)に複数回X=XGの位置よりX=XG/2の位置まで順次移動する。次に、X=XG/2の位置にて垂直方向にて順方向(図中+Y方向)に1回移動する。そして、表示領域Fの残りの1/2の領域にわたって検査が終了するまで、以上の+X方向移動、+Y方向移動、−X方向移動、+Y方向移動を繰り返す。このようにして表示領域Fの全面の検査を行う。
図29(B)の移動パターン604では、検査領域が2つの移動経路Z3、Z4を有する。一方の移動経路Z1では、検査領域S1が表示領域F内の垂直方向にて順方向(図中+Y方向)にY=YG/2の位置まで複数回順次移動する。移動する際には、移動前後の検査領域が一部重複する重畳領域を形成しながら移動する。さらに、検査領域S1が移動した後の検査済み領域を検査領域S1と異なる表示態様(例えば第3の階調情報)で表示することが好ましい。次に、Y=YG/2の位置にて表示領域F内の水平方向にて順方向(図中+X方向)に1回移動する。さらに、垂直方向にて逆方向(図中−Y方向)に複数回Y=YG/2の位置よりY=0の位置まで順次移動する。次に、Y=0の位置にて水平方向にて順方向(図中+X方向)に1回移動する。そして、表示領域Fの1/2の領域にわたって検査が終了するまで、以上の+Y方向移動、+X方向移動、−Y方向移動、+X方向移動を繰り返す。
次に、他方の移動経路Z3では、検査領域S1が表示領域F内の垂直方向にて順方向(図中+Y方向)にY=YG/2の位置よりY=YGの位置まで複数回順次移動する。移動する際には、移動前後の検査領域が一部重複する重畳領域を形成しながら移動する。次に、Y=YGの位置にて表示領域F内の水平方向にて順方向(図中+X方向)に1回移動する。さらに、垂直方向にて逆方向(図中−Y方向)に複数回Y=YGの位置よりY=YG/2の位置まで順次移動する。次に、Y=YG/2の位置にて水平方向にて順方向(図中+X方向)に1回移動する。そして、表示領域Fの残りの1/2の領域にわたって検査が終了するまで、以上の+Y方向移動、+X方向移動、−Y方向移動、+X方向移動を繰り返す。このようにして表示領域Fの全面の検査を行う。
さらには、図30(A)に示す移動パターン605では、1段目の水平走査と2段目の水平走査とで、異なる検査領域のサイズを構成するパターンを示している。また、図30(B)に示す移動パターン606では、検査領域の移動方向を斜めにして移動させる移動パターンを示している。以上説明した各移動パターンは、後述する各種の検査表示パターン(斜め縞表示、上半分白下半分黒表示など)において有効となる場合があるからである。さらには、これらの各移動パターンを予め用意しておき、検査員は、必要に応じて選択できるように形成してもよい。
また、第1の実施の形態では、撮像素子としてのCCDカメラを搭載する構成としたが、CCDカメラを搭載せずに、目視検査のための種々の顕微鏡などの光学系を備えた構成としても構わない。この際、光学系は液晶表示パネルの全体を見ることができるように形成されている。これにより、光学系を介して目視検査を行うことができる。一方、CCDカメラを搭載する場合にも、CCDカメラを介して表示部に表示される画像を目視する目視検査を行う場合であっても一向に構わない。
また、各実施の形態では、液晶表示パネル製造後において、接続端子にプローブが接続(コンタクト)されて表示検査を行う場合の検査装置の例を示したが、駆動用ICが搭載されたTAB基板が接合された後の液晶表示パネル、あるいはCOGの場合の液晶表示パネルを検査する検査装置においても、同様の構成を採用するができる。すなわち、モジュール工程後に検査装置にて検査を実施する場合であっても、検査領域の移動パターンを用いることができる。種々の異なる機種の検査装置においても、検査領域の移動パターンを用いることができる。
さらに、第1の実施の形態では、「検査領域を白表示とする」場合を第1のモード、「検査領域を黒表示とする」場合を第2のモードとしたが、これに限らず、第1及び第2のモードにてそれぞれ設定される階調は、種々の階調であってよい。例えば、透過率の高い(光量の多い)第1の階調(輝度又は明るさ)となる場合を「第1のモード」、第1の階調より透過率の低い(光量の少ない)第2の階調となる場合を「第2のモード」としてもよい。また、第1のモードの第1の階調、第2のモードの第2の階調をそれぞれ設定できるようにしてもよい(第1、第2の階調設定部)。加えて、第1のモードの第1の色、第2のモードの第2の色をそれぞれ設定できるようにしてもよい(第1、第2のモード色設定部)。また、ノーマリブラックタイプ、ノーマリホワイトタイプのいずれの液晶表示パネルにおいても、移動する検査領域を採用できることは言うまでもない。
さらに、以下に示すような検査表示パターンにおいても、移動する(点灯又は消灯の分割)検査領域を採用することができる。すなわち、(1)全画素を白表示(透過率100%)とする。(2)全画素を中間階調表示(透過率100%〜0%の間のT−V特性において、電圧値を例えば16分割し、100%と0%の電圧以外の電圧を順次印加する)とする。(3)全画素を黒表示(透過率0%)とする。(4)全画素の中央部に黒のウインドウ表示、その周りを白表示とする。(5)横縞表示(黒表示ラインと白表示ラインを繰り返した表示、次に黒表示ラインと白表示ラインを入れ替え)とする。この場合、例えば奇数番目を白表示、偶数番目を黒表示とするか、奇数番目を黒表示、偶数番目を白表示とするか、また、先に偶数番目を白表示とし、その後に奇数番目を黒表示とするかは任意である。これにより、上下の画素の画素電極同士が短絡した場合の欠陥を検出できる。(6)縦縞表示(黒表示ラインと白表示ラインを繰り返した表示、次に黒表示ラインと白表示ラインを入れ替え)とする。(7)斜め縞表示(黒表示の斜めラインと白表示の斜めラインを繰り返した表示、次に黒表示ラインと白表示ラインを入れ替え)とする。これらの各検査表示パターンにおいて、各々各実施の形態の検査領域の移動パターンを利用することができる。
加えて、液晶表示パネルの上半分を黒表示及び下半分を白表示、並びに上半分を白表示及び下半分を黒表示にした検査表示パターン(8)において利用してもよい。すなわち、液晶表示パネルの上半分を白表示及び下半分を黒表示とした後、上半分を黒表示及び下半分を白表示させることにより、液晶表示パネルの表示部全体の欠陥種に係る欠陥検査を行う。
また、表示パネルとしては、ELD(Electroluminescence display、エレクトロルミネセンスディスプレイ)、プラズマ発光体(PDP)等の自己発光物体や、背面から照射される照明光を選択的に透過させて像を表示する液晶ディスプレイ(LCD,Liquid crystal display)パネル等を含む。
また、制御装置は、情報処理装置として、検査部及びロボット部とからなる検査装置本体とネットワークを介して独立して形成してもよい。この際、情報処理装置は、複数の検査装置本体を管理する管理装置(ホストコンピュータ)として形成してもよく、各検査装置本体は、各々異なる種類のタイプ(工程別に応じた各種検査装置)であってもよい。さらに、表示部および操作部を情報端末として構成し、記憶部および制御装置を管理装置として構成してもよい。これら情報処理装置、情報端末、管理装置は、デスクトップ、ラップトップコンピュータ、その他無線・有線通信機能を有する情報機器、またはこれに類するコンピュータなどいかなるコンピュータでもよく、移動式・固定式を問わない。
加えて、管理装置で複数台の検査部の各液晶表示パネルに対して、検査領域の設定を各々設定できるように構成してもよい。この場合、管理装置は、図示しないが、表示部側に検査用のメニュー画面等の各種画面が表示されるように促す例えばCGIプログラム等により形成された表示処理手段、検査部、ロボット部との間で例えば各種制御情報などの各種データの送受信を行う送受信手段、管理者用の表示部及び操作部、各種制御プログラム、演算実行プログラムなどを記憶しておく記憶部などを含んで構成してもよい。これらの各部の構成は、種々のハードウエア及びソフトウエアによって実現できるよう構成される。ハードウエア構成の具体例としては、図示しないが、通信機能の制御を行う通信用インターフェース、ハードディスク等の記憶装置、端末からのデータ入出力を行う入出力インターフェース、及びそれらの制御を司る中央演算処理装置(CPU)等が挙げられる。
なお、ネットワークとしては、例えばTCP・IPプロトコルを用いた通信態様や、他の種々の通信プロトコルを用いたネットワーク、無線(衛星通信等を含む)ネットワークであっても構わず、他のネットワークと接続されたシステムであってもよい。
加えて、上述の実施の形態の制御装置、データベースなどにおいて処理される処理プログラム、説明された処理(各図の処理手順及び本明細書で全般的に記述される手順)、データ(例えば、移動パターン情報、各種マスタ、設定画面情報等)の全体もしくは各部を情報記録媒体に記録した構成であってもよい。さらに、上述の処理プログラムを、一般のパソコンや情報処理端末に組み込まれる情報記録媒体も含む。この情報記録媒体としては、例えばROM、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ並びに集積回路、光ディスク、光磁気ディスク、磁気記録媒体等を用いてよい。
また、情報記録媒体を上記各実施の形態による検査装置以外の他の情報処理装置で用い、その装置が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し、実行することによっても、上記各実施の形態と同等の機能を実現できると共に、同等の効果を得ることができる。
なお、情報処理装置としては、例えばパーソナルコンピュータに限らず、各種サーバー、EWS(エンジニアリングワークステーション)、中型コンピュータなどが挙げられ、サーバとして利用する際にはこれらをアクセス可能な情報端末としても利用できる構成としても構わない。あるいは、これらの情報端末に表示されるアプリケーションとして改良されたものも含めることができる。さらに、制御装置などは、サーバーのみならず、データベースやその他のサーバなどの各種サーバを含んで構成され、これらを含むシステムの総称として機能してもよい。
さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも含むことは言うまでもない。この場合において、本実施形態において特に記載しなくとも、各実施の形態及び変形例に開示した各構成から自明な作用効果については、当然のことながら本例においても当該作用効果を奏することができる。また、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除された構成であってもよい。
そして、これまでの記述は、本発明の実施の形態の一例のみを開示しており、所定の範囲内で適宜変形及び/又は変更が可能であるが、各実施の形態は例証するものであり、制限するものではない。
以上説明した本発明の第1乃至第5の実施の形態による表示パネルの検査装置及び表示パネルの検査方法は、以下のようにまとめられる。
(付記1)
検査すべき表示パネルの一部に表示される検査領域を生成する検査領域生成部と、
前記検査領域を順次移動させる表示制御を行う制御部と、
を含むことを特徴とする表示パネルの検査装置。
(付記2)
付記1記載の表示パネルの検査装置において、
前記検査領域を所定の輝度で表示する第1のモードと、前記検査領域を前記所定の輝度より暗い輝度で表示する第2のモードとを切り換え設定を行うモード設定部を有し、
前記制御部は、前記モード設定部にて設定された前記第1又は第2のモードにて前記表示パネルの表示制御を行うことを特徴とする表示パネルの検査装置。
(付記3)
付記1又は2に記載の表示パネルの検査装置において、
前記検査領域のサイズを設定するサイズ設定部をさらに有し、
前記制御部は、前記サイズ設定部にて設定された所定サイズの検査領域を順次移動させる表示制御を行うことを特徴とする表示パネルの検査装置。
(付記4)
付記1乃至3のいずれか1項に記載の表示パネルの検査装置において、
前記検査領域の移動速度を設定する移動速度設定部をさらに有し、
前記制御部は、前記移動速度設定部にて設定された所定速度に基づいて、前記検査領域を移動させる表示制御を行うことを特徴とする表示パネルの検査装置。
(付記5)
付記1乃至4のいずれか1項に記載の表示パネルの検査装置において、
前記検査領域の移動方向を設定する移動方向設定部をさらに有し、
前記制御部は、前記移動方向設定部にて設定された所定の移動方向に基づいて、前記検査領域を移動させる表示制御を行うことを特徴とする表示パネルの検査装置。
(付記6)
付記1乃至5のいずれか1項に記載の表示パネルの検査装置において、
前記検査領域の移動開始位置を設定する移動開始位置設定部をさらに有し、
前記制御部は、前記移動開始位置設定部にて設定された所定の移動開始位置を起点として前記検査領域を移動させる表示制御を行うことを特徴とする表示パネルの検査装置。
(付記7)
検査すべき表示パネルの一部に検査領域を表示する表示ステップと、
表示された前記検査領域を移動させる移動ステップと、
を含むことを特徴とする表示パネルの検査方法。
(付記8)
付記7記載の表示パネルの検査方法において、
前記移動ステップは、
前記検査領域が表示領域内の水平方向にて順又は逆方向のいずれかの方向に移動する水平方向移動ステップと、
前記検査領域が前記表示領域内の垂直方向にて順又は逆方向のいずれかの方向に移動する垂直方向移動ステップと、
を含むことを特徴とする表示パネルの検査方法。
(付記9)
付記8記載の表示パネルの検査方法において、
前記移動ステップは、
前記水平方向移動ステップを複数回行った後に、前記垂直方向移動ステップを1回行うステップを含むことを特徴とする表示パネルの検査方法。
(付記10)
付記8記載の表示パネルの検査方法において、
前記移動ステップは、
前記垂直方向移動ステップを複数回行った後に、前記水平方向移動ステップを1回行うステップを含むことを特徴とする表示パネルの検査方法。