JP2006051608A - 合成樹脂製積層体及びその製造方法 - Google Patents

合成樹脂製積層体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
表面に硬化皮膜層を有し、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、経済性に優れ、かつ、可視光には透過性で選択的に熱線遮蔽機能を有し、車輌用の窓ガラス、サンルーフ等の熱線遮蔽性グレージング材に適した合成樹脂製積層体を提供することである。
【解決手段】
射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽材を含有する熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)が形成され、該プライマー塗膜層(B)上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化皮膜層(C)が形成されてなる合成樹脂製積層体(D)である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、合成樹脂製積層体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、表面に硬化皮膜層を有し、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れ、かつ、可視光には透過性で選択的に熱線遮蔽機能を有し、一般の窓ガラス、車両用窓ガラス、サンルーフ等の熱線遮蔽グレージング材、赤外線カットフィルター等の光学材、農業用資材等多くの用途に好適な、熱線遮蔽性合成樹脂積層体及びその製造方法に関する。
ポリカーボネート等の透明合成樹脂は、加工の自由度、軽量性等に優れていることからガラスに代わる構造材料として広く使用されてきており、例えば、窓ガラス、サンルーフ等の車両用途、赤外線カットフィルター等の光学材、採光用屋根材等の建材用途、温室被覆材、農業用フィルム等に幅広く用いられている。しかしながら、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性等の表面特性及び熱線遮蔽性が不十分であることからその用途は制限されており、透明合成樹脂の表面特性と熱線反射性、或いは熱線遮蔽性を改良することが切望されている。
熱線遮蔽材料として、フタロシアニン系等の有機色素の金属錯塩等が知られている(例えば、特許文献1)が、有機色素の金属錯塩は可視光線の透過率が低く、暗褐色から暗青色の濃厚な着色を有している上、耐久性の点でも満足できるものではなかった。また、ポリカーボネート樹脂、フタロシアニン系近赤外線吸収剤、およびホスファイト化合物およびホスホナイト化合物から選択される少なくとも1種のリン化合物0.0005〜0.3重量部からなる樹脂組成物から射出成形により形成された成形品の表面にハードコート層を有するポリカーボネート樹脂成形体が提案されている(例えば、特許文献2)が、フタロシアニン系近赤外線吸収剤のポリカーボネート樹脂に対する熱分解作用などもあり、長期間耐候性の要求されるグレージング材として使用できる樹脂成形体ではなかった。
さらに、近赤外線吸収色素と紫外線吸収剤を含有するエチレン−酢酸ビニル(EVA)系接着性ポリマーをガラス或いは樹脂板と貼り合せた近赤外線吸収板が提案されている(例えば、特許文献3)が、この提案では接着性ポリマーが必要で、さらに接着性ポリマーとガラス或いは樹脂板とを貼り合せて作製されるため、接着工程等繁雑な工程が必要になるという欠点があった。
またさらに、耐擦傷性、耐候性に優れた無機系ハードコート層を有するハードコートフィルムとして基材の一方の面にプライマー層、及び金属酸化物粒子とシラン化合物の硬化体とからなるハードコート層を順次積層し、場合により該ハードコート層上に赤外線遮蔽等の各種機能をもつ被覆層を設けてなるハードコートフィルムが提案されている(例えば、特許文献4)が、赤外線遮蔽機能を付与するには基材上に3層を積層することになり、工程が長過ぎるという欠点があった。また、特許文献4では、該ハードコート層にハードコート機能以外のその他の機能、例えば赤外線遮蔽機能を付与することができるとされているが、赤外線遮蔽剤等の具体的な記載はなく、また、プライマー層に赤外線遮蔽剤を添加分散するという記載も全くなかった。
特開平06−240146号公報 特開2004−27111号公報 特開平07−178861号公報 特開2003−25478号公報
本発明の目的は、従来技術における上記の課題を解決しようとするものであり、工程が短くて生産性に優れ、表面に硬化皮膜層を有し、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れ、かつ、可視光には透過性で選択的に熱線を遮蔽する機能を有し、車両用窓ガラス、サンルーフ等の熱線遮蔽性グレージング材に適した合成樹脂製積層体及びその製造方法を提供することである。
本発明者は上記の課題を解決すべく、プライマー層又は硬化皮膜層に種々の熱線遮蔽材や熱線反射材を配合し、また、硬化皮膜層の耐擦傷性改良等について鋭意研究を重ねた。その結果、プライマー層に特定の熱線遮蔽剤を添加分散させ、さらにプライマー層上に特定組成の硬化皮膜層を形成させることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の要旨は、射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽材を添加分散した熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗膜層(B)を形成し、該プライマー塗膜層(B)上に多官能アルコキシシランからなる硬化皮膜層(C)を形成してなる合成樹脂製積層体(D)及びその製造方法にある。
すなわち、本発明は、(1)射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽材を含有する熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)が形成され、該プライマー塗膜層(B)上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化皮膜層(C)が形成されてなることを特徴とする合成樹脂製積層体(D)に係る。
(2)透明合成樹脂層(A)が、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪族酸0〜2重量部、及び炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル0.01〜1重量部、及びリン系酸化防止剤0.001〜1重量部、及び窒素原子含有紫外線吸収剤0.01〜1重量部を含有してなる合成樹脂層であることを特徴とする上記(1)に記載の合成樹脂製積層体(D)。
(3)透明合成樹脂層(A)が、ポリカーボネート樹脂からなる合成樹脂層であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の合成樹脂製積層体(D)。
(4)プライマー塗膜層(B)が、下記式(1)の関係式を満足するカーボンブラック(a)、平均粒子径100nm〜100000nmの炭素微粒子(b)、および熱線遮蔽性無機化合物(c)の少なくとも1種の熱線遮蔽材を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(数1)
0.333×粒子径+0.083×DBP吸油量≧17 (1)
(式(1)中、粒子径は一次粒子径であり単位はnm、DBP吸油量はml/100gである。)
(5)上記カーボンブラック(a)及び/又は炭素微粒子(b)は、プライマー塗料中の不揮発分100重量部に対して0.05〜50重量部配合されることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(6)上記熱線遮蔽性無機化合物(c)は、In、Ga、Al、及びSbよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する酸化亜鉛微粒子、またはアンチモンドープ酸化錫微粒子、錫ドープ酸化インジウム微粒子の少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の合成樹脂性積層体(D)。
(7)上記熱線遮蔽性無機化合物(c)は、プライマー塗料中の不揮発分100重量部に対して、0.01〜50重量部配合されることを特徴とする上記(1)、(2)、(3)(4)または(6)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(8)プライマー塗膜層(B)が、さらに少なくとも一種の染料及び/又は顔料を含有していることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(9)熱線遮蔽性無機化合物(c)は、下記式(2)で表される分散剤を、下記関係式(3)を満たす量で配合されていることを特徴とする上記(1)、(2)、(3)、(4)、(6)または(7)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(化1)
(RCOO)mX (2)
(式(2)中、Rは炭素数7〜30の飽和脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、mは1〜4の整数であり、Xは水素原子又はアルコール性水酸基を有する炭素数2〜30の多価アルコール残基であり、m個のRは同一でも異なってよい。)
(数2)
0.25≦α/β≦100 (3)
(式(3)中、αは該分散剤の含有量(重量部)であり、βは熱線遮蔽性無機化合物の含有量(重量部)である。)
(10)プライマー塗膜層(B)が、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系紫外線吸収剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して5〜30重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(11)プライマー塗膜層(B)が、更に分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して0.1〜5重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(12)硬化皮膜層(C)は、下記多官能アルコキシシランコーティング組成物からなることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(イ)下記式(4)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化2)
1 nSi(OR24-n (4)
(式(4)中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
(13)オルガノアルコキシシランが、上記式(4)において、n=1、R1は炭素数1〜8の置換基又は非置換の一価の炭化水素基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−1)であることを特徴とする上記(12)記載の合成樹脂製積層体(D)。
(14)オルガノアルコキシシランが、上記式(4)において、n=1、R1がアルキル基であるオルガノアルコキシシラン(d−2)を80〜97重量部と、R1が3,3,3−トリフルオロプロピル基であるオルガノアルコキシシラン(d−3)を20〜3重量部とからなることを特徴とする上記(12)記載の合成樹脂製積層体(D)。
(15)オルガノアルコキシシランが、上記式(4)でn=1のアルキルトリアルコキシシラン(d−4)を99〜97重量部と、n=2のジアルキルジアルコキシシラン(d−5)を1〜3重量部とからなるオルガノアルコキシシランであることを特徴とする上記(12)載の合成樹脂製積層体(D)。
(16)オルガノアルコキシシランが、上記式(4)において、n=1で、R1が炭素数1または2のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)を80〜97重量部と、R1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−7)を20〜3重量部とからなることを特徴とする上記(12)記載の合成樹脂製積層体(D)。
(17)無水ケイ酸を10〜50重量%含有し、かつ平均粒径が4〜7nmのコロイダルシリカ(e)からなるコーティング組成物(C)であることを特徴とする上記(12)〜(16)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(18)射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)とプライマー塗膜層(B)、プライマー塗膜層(B)と硬化皮膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ32×10-5/℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(17)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(19)射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の厚みが、2〜70mmであることを特徴とする上記(1)〜(18)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(20)プライマー塗装層(B)と熱線遮蔽性合成樹脂層(A)との間に、あるいは硬化皮膜層(C)の面に、熱線回路、アンテナ、ブラックアウトの印刷部を有することを特徴とする上記(1)〜(19)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
(21)合成樹脂製積層体の1500nmの光線透過率が成形品3mm厚みで70%以下であり、更にはヘイズが10%以下であることを特徴とする上記(1)〜(20)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
また、本発明は、(22)射出成形により形成された透明樹脂成形体の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽材を含有した熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗膜厚が1〜10μmとなるように塗布し、加熱硬化してプライマー塗膜層を形成し、該プライマー塗膜層に多官能アルコキシシランからなるコーティング組成物を硬化膜厚が1〜10μmとなるように塗布し、硬化させてプライマー塗膜上に硬化皮膜を形成することを特徴とする合成樹脂製積層体の製造方法に係る。
(23)透明合成樹脂層(A)が、射出圧縮成形により形成することを特徴とする上記(22)に記載の合成樹脂製積層体(D)の製造方法。
さらに本発明は、(24)上記(1)〜(21)のいずれかに記載の合成樹脂製積層体からなることを特徴とする車輌用窓ガラス。
に関する。
本発明の合成樹脂製積層体は、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れ、更に外観及び色調にも優れており、計器カバー、グレージング、ランプレンズ等の自動車用途、携帯電話、モバイルの携帯端末のハウジング、表示板等のOA・電気・電子用途、温室被覆材、アーケード、採光用屋根材等の建材用途、歩道の腰板、高速道路のフェンス等の道路資材、銘板等の産業資材用途等の各種用途において有用である。
また、本発明は特定のカーボンブラックまたは炭素微粒子、または特定の元素を含有する熱線遮蔽性無機化合物からなる熱線遮蔽材を使用することにより、合成樹脂製積層体は優れた熱線遮蔽性を発現することができる。
また、特定の分散剤を使用することにより、遮蔽材、特に熱線遮蔽性無機化合物と透明樹脂との混合性を高め均質な混合することができる。
また、硬化皮膜を形成する多官能性アルコキシシランとして特定のコーティング組成物を用いることにより、密着性に優れ、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れた硬化皮膜が形成される。
本発明の合成樹脂製積層体の製造方法は、透明性に優れ、且つ耐摩耗性と耐候性に優れ、更に外観及び色調にも優れる合成樹脂製積層体を工業的に容易に提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に関わる透明合成樹脂層(A)を構成する透明樹脂は、可視領域の光線透過率が高い透明性樹脂であることが好ましく、例えば、3mm厚の板状成形体としたときのJIS R 3106記載による可視光透過率が50%以上で、JIS K7105記載によるヘイズが30%以下のものが挙げられる。具体的には、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。これらの中でも、ポリカーボネートは耐衝撃性に優れるために好ましい。ポリカーボネートとしては、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネートを用いることができるが、芳香族ポリカーボネートが好ましい。
芳香族ポリカーボネートとしては、芳香族ジヒドロキシ化合物、またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって作られる、分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。製造方法については、特に限定されるものでは無く、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。さらに、溶融法で製造された末端のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネートも使用することができる。ポリカーボネートの分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、16,000〜40,000である。より好ましくは18,000〜32,000であり、最も好ましくは20,000〜28,000である。粘度平均分子量が16,000未満では機械的強度が不足し、40,000を越えると流動性が低下し、成形品外観に不良を生じやすく好ましくない。
本発明における透明合成樹脂層(A)を構成する合成樹脂には、顔料、染料、可塑剤、難燃剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を配合することができる。例えば、炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル、リン系酸化防止剤から選ばれる助剤を配合することが好ましい。
炭素数8〜22の飽和脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸があげられ、炭素数8〜22の不飽和脂肪酸としては例えばパルミトレイン酸、オレイン酸、リノレン酸があげられる。特に飽和脂肪酸が好ましく、なかでもステアリン酸、ベヘン酸が好ましい。炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステルは、フルエステルが好ましい。炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのフルエステルとして、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラパルミネート等である。特に好ましくはペンタエリスリトールテトラステアレートである。
リン系酸化防止剤としては、例えば、亜リン酸エステル中の少なくとも1つのエステルがフェノール及び/または炭素数1〜25のアルキル基を少なくとも1つ有するフェノールでエステル化された亜リン酸エステル、亜リン酸あるいはテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイトから選ばれた少なくとも1種である。亜リン酸エステルの具体例としては、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリスノニルフェニルホスファイト、ジノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジターシャリーブチルフェニル)フッ化ホスファイト、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、モノノニルフェノールおよびジノニルフェノールからなる亜リン酸エステル、さらにヒンダードフェノールを有する亜リン酸エステル等を挙げることができる。本発明においては、リン化合物として、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、又はトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、亜リン酸が好ましい。
窒素原子含有紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤がよく、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、具体的には、例えば2−(2H―ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(5−メチルー2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチルー2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2―ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert―ブチル−2−ヒドロキシフェニル)―5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert―アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α―ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、〔メチル−3−〔3−tert―ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)―4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール〕縮合物などが例示される。これらのうち、2−(2H―ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシー5−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチルー2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2―ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールが好適に用いられる。
トリアジン系紫外線吸収剤は、具体的には、トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
ヒンダードアミン系紫外線吸収剤は、アミン系光安定剤であり、通常市販品のものであれば適用できる。通常ポリカーボネート樹脂の加水分解を促進しやすい傾向がありその使用は好まれないが、例えばトリアゾール系あるいはトリアジン系紫外線吸収剤と併用することにより相乗効果を生み出すことができる。
本発明において合成樹脂に配合される添加剤の配合率は、合成樹脂100重量部に対し、炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪族酸を好ましくは0〜2重量部、より好ましくは0.1〜1重量部、炭素数8〜22の飽和又は不飽和酸とペンタエリスリトールとのエステルを好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.02〜0.5重量部、リン系酸化防止剤を好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.005〜0.5重量部、窒素原子含有紫外線吸収剤を好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.02〜0.8重量部である。炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪族酸の配合率が2重量部を超えると合成樹脂の耐加水分解性が低下したり、成形時の金型汚染を引き起こすことがある。炭素数8〜22の飽和又は不飽和酸とペンタエリスリトールとのエステルの配合率が0.01樹脂未満では滑剤としての効果が小さく、1重量部を超えると合成樹脂の耐加水分解性が低下する虞がある。また、リン系酸化防止剤の配合率が0.001重量部未満では、酸化防止効果が小さく、1重量部を超えると合成樹脂の耐加水分解性が低下することがある。窒素原子含有紫外線吸収剤の配合率が0.01重量部未満では耐候性の改良効果が小さく、1重量部を超えると成形時の金型汚染が発生する虞がある。
本発明のプライマー塗膜層(B)を構成するプライマー塗料に使用される熱硬化性アクリル樹脂は、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート類、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、アクリルニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、エチレングリコールジメタクリレートで例示されるビニル単量体の少なくとも1種に、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤の少なくとも1種を2〜50重量%含有させたものから誘導されるものであり、上記単量体及びシランカップリング剤を含有する溶液にジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド類またはアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物から選択されるラジカル重合用開始剤を加え加熱下に反応させることにより容易に得られる。
上記プライマー塗料には溶剤が使用される。この溶剤としては、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、キシレン、トルエン等が挙げることができる。このプライマー塗料は、通常、上記溶剤で希釈され、熱硬化性アクリル樹脂の5〜10重量%の溶液として使用される。
上記プライマー塗料には紫外線吸収剤が配合されることが好ましい。プライマー塗料に配合される紫外線吸収剤は、熱硬化性アクリル樹脂と相容性の良好なベンゾフェノン系紫外線吸収剤がよく、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジエトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジプロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−エトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−プロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン等が例示される。更に、紫外線吸収性能、プライマー塗料との相溶性、揮散性の点から2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンが好適に用いられる。
上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の添加量としては、熱硬化性アクリル樹脂塗料中の不揮発分100重量部に対して5〜30重量部、好ましくは8〜20重量部、より好ましくは10〜15重量部である。30重量部よりも多いと塗膜上に析出し外観不良となり、さらに熱硬化性アクリル樹脂の安定性が低下する。また5重量部よりも少ないと所望の耐候性が得られない。しかし、紫外線吸収剤の2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの量が増えると、初期の黄色度が高くなるので、それを改善するためには2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの一部を熱硬化性アクリル樹脂と相溶性の良好な他のベンゾフェノン系紫外線吸収剤に置き換えることが好ましく、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンは、プライマー塗料に添加されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤の10〜100重量%の範囲内で使用される。2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの配合割合が、10重量%未満であると十分な耐候性が得られない虞がある。
更に、上記プライマー塗料に、分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を添加することにより、耐候性が大幅に向上できる。使用される光安定剤としては、プライマー塗料に用いた溶剤に溶解し、かつ熱硬化性アクリル樹脂との相溶性が良く、また低揮散性のものが良い。該環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤の添加量は熱硬化性アクリル塗料中の不揮発分100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部である。0.1重量部未満の場合には添加の効果が発現されず、一方、5重量部を超えて添加すると塗膜の密着性が低下する虞がある。
上記光安定剤の具体例としては、例えば、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:サンドバー3055、クラリアント(株)製)、N−メチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:サンドバー3056、クラリアント(株)製)、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:サンドバー3058、クラリアント(株)製)、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(市販品としては商品名:スミソーブ577、住友化学工業(株)製)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(市販品としては商品名:サノールLS−765、三共(株)製)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(市販品としては商品名:アデカスタブLA−57、旭電化工業(株)製)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(市販品としては商品名:アデカスタブLA−52、旭電化工業(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−67、旭電化工業(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−62、旭電化工業(株)製)、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン(市販品としては商品名:サノールLS−440、三共(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−63または63P、旭電化工業(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−68LD、旭電化工業(株)製)等が挙げられ、これらの光安定剤は2種以上併用しても良い。
本発明のプライマー塗膜層(B)を構成するプライマー塗料中に含有される熱線遮蔽材は、下記式(1)の関係を満足するカーボンブラック、および/または平均粒子径100nm〜100000nmの炭素微粒子および遮蔽性無機化合物から選ばれる少なくとも一種類である。
(数3)
0.333×粒子径+0.083×DBP吸油量≧17 (1)
(式(1)中、粒子径は一次粒子径であり単位はnm、DBP吸油量はml/gである。)
本発明において、該一次粒子径は電子顕微鏡測定による算術平均粒子径であり、単位はnmである。一方、DBP吸油量はJIS K 6221 A法に従い、アブソープトメーターを使用し、カーボンブラックにDBPを添加した時の最大トルクの70%から求めた100gあたりのDBP吸油量(ml/100g)である。
本発明においては、上記特定の性質を有するカーボンブラックであれば、カーボンブラックの原料、製造法はいかなるものであってもかまわないが、具体的には天然ガス、アセチレンを原料としたサーマル法によるアセチレンブラック等、コンタクト法によるチャンネルブラック等、オイル、ガス等のファーネス法によるファーネスブラックなどを使用することができるが、これらのうちファーネス法によるものが好ましい。また、酸化処理、黒鉛化処理、賦活処理、各種グラフト処理等の処理を施したカーボンブラックも使用できる。比表面積は公知の範囲であれば特に制限はないが、具体的にはASTM D3037による測定で、10〜2000m2/gである。該カーボンブラックの一次粒子径は好ましくは20〜400nm、さらに好ましくは35〜100nmである。また、本発明では、上記の式(1)で表される式の左辺の値が17以上であることが必要であり、好ましくは19以上、さらに好ましくは21以上である。該値が17未満では可視領域の吸収が大きく、着色時に熱線吸収性能を高めることができない虞がある。
これは、理論的根拠に基づくものではないが、カーボンブラックの光線透過率はプライマー塗料中に分散しているカーボンブラックの分散粒子の大きさに依存していると考えられ、分散粒径が小さければ可視光の短波長領域を良く散乱し、この領域の光線透過率が低下すると考えられる。従って赤色に着色する。一方、分散粒径が大きいと可視光線の全領域から近赤外光までを散乱するので、可視光線から近赤外線全領域をほぼ一定強度で透過すると考えられる。従って、分散粒子径の大きいカーボンブラックの方が、近赤外域をより多く吸収することになり、熱線遮蔽材として高性能となるものと推定される。さらに分散粒子径の小さいカーボンブラックでは、調色する際、可視光領域の最も透過率の低い波長(380〜400nm)の透過率にあわせて調色を行うことになる。すなわち黄色もしくは赤色を消すために他の部分の透過率を落とすことになり、調色するために、可視光領域の透過率を全体に下げることとなる。このため分散粒径の小さいカーボンブラックでは、調色後の材料の可視光透過率が極端に低下することになり、可視光透過率を一定にしようとすると、分散粒径の細かいカーボンブラックほど添加量を減らす必要がある。以上から、分散粒径が大きいカーボンブラックでは、その透過率の波長依存性から、熱線遮蔽性に優れるのみならず、調色時には添加量を増やすことができるため、熱線遮蔽性能が優れるものと考えられる。
プライマー塗料中におけるカーボンブラックの分散粒径は混練条件にも依存するが、主には一次粒子径とストラクチャーに依存する。ストラクチャーはDBP吸油量と相関が有るので、上記式(1)で特定されるカーボンブラックは、好ましい熱線遮蔽性能を示すことになる。
本発明においては、上記カーボンブラックに替えて、または上記カーボンブラックと併用して、平均粒子径100nm〜100000nmの炭素微粒子も使用することができる。該炭素微粒子は成分中90%以上の炭素元素を含有する微粉末であり、具体的には、天然または合成グラファイト、活性炭、芳香族ポリマーを原料とした球状カーボン微粒子等をあげることができる。該炭素微粒子の好ましい粒子径は100nm〜10000nm、さらに好ましくは100nm〜3000nmである。これらの炭素微粒子には、カーボンブラックの様な一次粒子の凝集体であるストラクチャーが存在しないため、好ましい粒子径はカーボンブラックより大きくなる。該平均粒子径の上限は100000nmであり、これを越えると、熱線遮蔽性能に比べてヘイズの悪化が著しくなり、好ましくない。本発明においては熱線遮蔽性能とヘイズのバランスを考慮すると、炭素微粒子より上記特定のカーボンブラックを使用するのが好ましい。本発明においては、該特定のカーボンブラック、および/または炭素微粒子をプライマー塗料中に均一に分散させるために公知の分散剤を使用しても良い。また、プライマー塗料の一部やプライマー塗料との相溶性を有していたり、プライマー塗料に分散が容易な他の物質に該カーボンブラックおよび/または炭素微粒子を予備分散させる方法をとっても良い。
本発明で使用するカーボンブラック、および/または炭素微粒子の添加量は、プライマー塗料中の不揮発分100重量部に対し、0.05〜50重量部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.1〜30重量部である。カーボンブラック、および/または炭素微粒子の添加量が0.05重量部未満では熱線遮蔽効果が小さく、50重量部を超えると可視光透過率が低くなりすぎ、透明積層体とならない。また、プライマー塗料には、該カーボンブラック以外に所望の色調に調色するために少なくとも一種の染料および/または顔料を配合することもできる。
本発明のプライマー塗膜層(B)を構成するプライマー塗料が含有できる熱線遮蔽材は、上記カーボンブラック、および/または炭素微粒子以外の熱線遮蔽性無機化合物(以下、単に熱線遮蔽性無機化合物と略記することがある。)を使用することができる。ここで使用する熱線遮蔽性無機化合物は、透明性を損なわない点で、金属酸化物半導体が選択される。なかでも、下記(a)、(b)、(c)から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
(a)アンチモンドープ酸化錫微粒子(ATO)
(b)In、Ga、Al及びSbよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する酸化亜鉛微粒子
(c)錫ドープ酸化インジウム微粒子(ITO)
ATOは、酸化錫と酸化アンチモンの固溶体であり、ATO中のアンチモン含有量は1〜20重量%であることが好ましい。上記酸化亜鉛微粒子の場合、In、Ga、Al及びSbよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素の含有量は、該微粒子の重量に対し1〜40重量%であることが好ましく、これらの元素の中では、アンチモンが好ましい。また、ITOの場合、ITOに対して錫原子が30重量%以下であることが好ましく、1〜20重量%であることがより好ましい。この他、酸化錫や、インジウム−亜鉛−酸素を構成成分とする非晶質酸化物も挙げられる。
熱線遮蔽性無機化合物は、平均一次粒子径が1μm以下、好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下の微粉末であることが好ましい。平均一次粒子径が1μmより大きいと、成形体のヘイズが増大し好ましくない。また、該熱線遮蔽性無機化合物には、シランカップリング剤処理、ケイ酸コーティング等、公知の表面処理を行うことができる。また、該熱線遮蔽性無機化合物は、プライマー塗料中の不揮発分100重量部に対して、0.01〜50重量部、好ましくは0.05〜40重量部である。0.01重量部未満では熱線遮蔽効果が低く、また50重量部以上ではヘイズが悪化し、分散剤を添加しても十分な透明性が得られない。
本発明における熱線遮蔽性無機化合物には、下記式(2)で表される分散剤を配合することができる。
(化3)
(RCOO)mX (2)
(上記式(2)中、Rは、炭素数7〜30の飽和脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、mは、1〜4の整数であり、Xは、水素原子又はアルコール性水酸基を有する炭素数2〜30の多価アルコール残基である。Rは、同一でも異なってもよい。)
上記式(2)において、好ましくは、Rは、炭素数12〜30の芳香族炭化水素基であり、Xは、水素原子又はアルコール性水酸基を有する炭素数3〜10の多価アルコール残基である。
該分散剤の性状は、常温で固体状態であるのがよく、粉末状、粒状等の性状をもつことが可能であるが、プライマー塗料、熱線遮蔽性無機化合物との分散性、ヘイズ低下効果を考慮すると、粉末状であることが好ましい。液体状態の分散剤では、プライマー塗料と熱線遮蔽性無機化合物微粒子を混合する際、均一に分散し難く、熱線遮蔽性無機化合物の分散を阻害するので好ましくない。本発明に用いられるこれら分散剤の具体例としては、ステアリン酸、ベヘニン酸等のカルボン酸類;グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル類;ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等のペンタエリスリトール脂肪酸エステル類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類が挙げられる。これらの中で、グリセリンモノステアレートが好ましい。
これら分散剤の含有量(α)は、プライマー塗料中の熱線遮蔽性無機化合物の含有量(β)によって決定され、すなわち、下記式(3)によって示される範囲内から選択される。
(数4)
0. 25≦α/β≦100 (3)
上記式(3)中、αは、該分散剤の含有量(重量部)であり、βは、熱線遮蔽性無機化合物の含有量(重量部)である。また、重量部は、いずれもプライマー塗料中の不揮発分100重量部に対する値である。すなわち、α/βは、0.25以上、好ましくは0.5以上である。0.25未満では、分散剤の効果が十分でなく、成形体のヘイズが増加し、赤外線遮蔽性能の改良効果は殆ど認められない。また、α/βが100を超えると、ヘイズ改良及び赤外線遮蔽性能改善効果はあるものの、分散剤の含有量がプライマー塗料中の不揮発分に対して過剰となり、積層体の機械強度等の品質に悪影響を与える虞がある。
本発明におけるプライマー塗料には、本発明の目的を損なわない配合範囲で他の有機系熱線遮蔽剤を配合することができる。有機系熱線遮蔽剤としては、例えば、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、Niジチオール系、2価の銅イオン系、フェニレンジアミン誘導体等があげられる。また、着色剤として例えば、アゾ系の他、フタロシアニン系、キノリン系、ペリレン系、ペリノン系、アンスラキノン系、複素環系などの多環系等の有機系の他、酸化チタン系、群青、酸化鉄系、クロム系、カドミウム系、カーボンブラック等の無機系等の染料、顔料が使用できる。
本発明において、上記遮蔽材をプライマー塗料中に分散させるには、それ自体公知の方法、例えば、ミキサー、ロール混練、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散機、高速衝撃ミル、超音波分散機などにより容易に分散させることができる。
本発明において上記プライマー塗膜層(B)の上に形成させる硬化皮膜層(C)は、下記多官能アルコキシシランコーティング組成物からなる。
(イ)下記式(4)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化4)
1 nSi(OR24-n (4)
(式(4)中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
本発明における上記式(4)で表されるオルガノアルコキシシラン(d)は、具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等を挙げることができ、好ましくはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランである。これらのオルガノシランは、1種類単独、もしくは2種以上を併用して使用することができる。
本発明において、オルガノアルコキシシラン(d)は、以下のような組み合わせで使用することが特に好ましい。すなわち、上記式(4)において、n=1、R1が炭素数1〜8の非置換アルキル基であるオルガノアルコキシシラン(d−1)が80〜97重量%と、R1が3,3,3−トリフルオロプロピル基のオルガノアルコキシシラン(d−2)が20〜3重量%からなるオルガノアルコキシシランが好ましく使用され、耐候性及び耐摩耗性をより向上させることができる。この場合、オルガノアルコキシシラン(d−2)が3重量%未満では、コーティング組成物の耐候性及び耐摩耗性に対する改良効果が小さく、20重量%を超えると密着性が不十分となる傾向がある。
オルガノアルコキシシラン(d−1)の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシランなどである。これらのオルガノトリアルコキシシランは、1種類単独、もしくは2種類以上を併用して使用することができる。
オルガノアルコキシシラン(d−2)の具体例としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシランがある。
また、上記式(4)において、n=1のアルキルトリアルコキシシラン(d−3)99〜97重量%と、n=2のジアルキルジアルコキシシラン(d−4)1〜3重量%とからなるオルガノアルコキシシランが好ましく使用され、硬化膜の伸びを向上し耐クラック性および耐候性を向上させることができる。ジアルキルジアルコキシシラン(d−4)の配合率が1重量%未満ではコーティング組成物の耐クラック性および耐候性の改良効果が小さく、3重量%を超えると架橋密度が低下し、耐候性が低下する傾向がある。
本発明におけるアルキルトリアルコキシシラン(d−3) の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等を挙げることができる。これらのアルキルトリアルコキシシランは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に関わるジアルキルジアルコキシシラン(d−4)としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン等が挙げられる。これらのジアルキルジアルコキシシランは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、上記式(4)において、n=1で、R1が炭素数1または2のアルキル基、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−5)80〜97重量%と、R1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)20〜3重量%からなるオルガノアルコキシシランが好ましく使用される。このオルガノトリアルコキシシランは耐候性が向上する。(d−5)及び(d−6)の比率が前記範囲より外れるとコーティング組成物の耐候性改良効果が十分に発現されない虞がある。
オルガノトリアルコキシシラン(d−5)としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン等が例示でき、それらは単独又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)としては、例えば、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン等があり、それらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明における上記オルガノアルコキシシラン(d)は加水分解物であるポリオルガノシロキサンとしてコーティング組成物に使用することができる。加水分解は、公知の方法、例えば酸触媒存在下、該アルコキシシランの低級アルコール溶液に水を添加して行われる。低級アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等が例示される。また、上記加水分解の際にコロイダルシリカの水性分散液を酸触媒とともに添加しても良い。このようにして得られるポリオルガノシロキサンは、1〜2量体成分が実質的に存在せず、6量体以上が65重量%以上であって、数平均重合度が8〜30であることが好ましい。
本発明におけるコーティング組成物を構成するのコロイダルシリカ(e)には無水ケイ酸が10〜50重量%含有されており、コロイダルシリカの平均粒径は4〜20nmが好ましく、4〜7nmであることが特に好ましい。このようなコロイダルシリカ(e)の分散剤は、水または有機溶媒、さらに親水性有機溶媒、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;ジアセトンアルコール等、の少なくとも1種と水との混合溶媒を用いることができる。これらの水系溶媒の中でも、水または水−メタノール混合溶媒が、分散安定性と、塗布後の分散媒の乾燥性の点で好ましい。
コロイダルシリカを塩基性水溶液中に分散させた商品として日産化学工業(株)のスノーテックス30、スノーテックス40、触媒化成工業(株)のカタロイドS30、カタロイドS40、酸性水溶液中に分散させた商品として日産化学工業(株)のスノーテックスO、有機溶剤に分散させた商品として日産化学工業(株)のMA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、NPC−ST、DMAC−ST等がある。
本発明では、安定性に優れた分散体を得るとともに特に耐候性に優れた硬化皮膜層(C)を得るために、平均粒径が4〜20nm、特に好ましくは4〜7nmの範囲にあるコロイダルシリカを使用することが好ましい。また、コロイダルシリカ(e)は、前記オルガノアルコキシシラン(d)100重量部に対して50〜200重量部の範囲で使用するのが好ましい。
本発明において上記プライマー塗料を透明合成樹脂層(A)に塗布する方法は、スプレー、浸漬、カーテンフロー、ロールコーティング等公知の方法を適宜用いれば良く、プライマー塗膜層(B)の厚みとしては、硬化塗膜として1〜10μm、好ましくは2〜8μmが良い。その後、硬化条件100〜120℃にて30〜60分間加熱硬化することにより硬化皮膜が得られる。
本発明におけるコーティング組成物を構成する50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/またはビニル系単量体とこれら単量体と共重合可能な他の単量体との有機共重合体(f)は、アルコキシシリル基により熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗膜層(B)との接着性が向上し、耐熱性や耐久性も向上する。但し、アルコキシシリル基を含有する単量体の含有量が50重量%を越えると接着性が低下する。
アルコキシシリル基を含有するアクリル系単量体としては、例えば、3−メタクロリキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルトリブトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルトリイソプロペノキシシラン、メタクロリキシメチルトリメトキシシラン、メタクロリキシメチルトリエトキシシラン、メタクロリキシメチルトリブトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリブトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジブトキシシラン、メタクロリキシメチルメチルジメメトキシシラン、メタクロリキシメチルメチルジエトキシシラン、メタクロリキシメチルメチルジブトキシシラン、3−アクロリキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクロリキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクロリキシプロピルメチルジブトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジブトキシシランなどがあり、作業性、反応性、架橋性の点から3−メタクロリキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
アルコキシシリル基を含有するビニル系単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニルメチルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−ビニロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ビニロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−ビニロキシプロピルメチルジエトキシシランなどがあり、作業性や反応性の点からビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
アルコキシシランと共重合可能な他の単量体としては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレングリコール、ジメタクリレートなどがある。
該有機共重合体(f)は、前記アルコキシシリル基を含有する単量体とこれと共重合し得る他の単量体との共重合体であり、共重合はこれらの単量体を含有する溶液にベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのパーオキサイド類やアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物から選択されるラジカル重合用触媒を加え、加熱して、反応させることによって得られる。有機共重合体(f)は、前記オルガノアルコキシシラン(d)とコロイダルシリカ(e)からなる組成物100重量部に対し、0〜20重量部、好ましくは2〜18重量部が配合される。有機共重合体(f)の配合量が20重量部を超えると、耐煮沸性試験で白化し、密着性も低下し、さらに耐候性試験においても白化し、塗膜が剥離する。
本発明におけるコーティング組成物を構成するアミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)として、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート、ジメチルアニリンホルメート、テトラエチルアンモニウムベンゾエート、トリメチルベンジルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムアセテート、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムアセテートなどをあげることができる。
このアミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)は、
アルコキシシラン(d)、コロイダルシリカ(e)及び有機共重合体(f)からなる組成物100重量部に対し1.0〜5.0重量部、好ましくは1.5〜4.0重量部の範囲で使用される。アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)の使用量が1.0重量部より少ないと皮膜の耐摩耗性が低く、5.0重量部を超えると皮膜の透明性が低下するので好ましくない。
本発明におけるコーティング組成物を構成するもう一つの成分であるシリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)は、特開2001−139924号公報開示の紫外線吸収剤であり、すなわち下記式(5)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収モノマー(h1)、及び下記式(6)で示されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマー(h2)から選択された少なくとも一種の紫外線吸収モノマー(h1h2)と、下記式(7)で示されるシリコーンマクロマー(h3)と、官能基含有共重合性ビニルモノマー(h4)と、官能基非含有共重合性ビニル化合物(h5)からなる重量平均分子量が10,000〜100,000の重合物である。
Figure 2006051608
(5)
(式(5)中、R11は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシル基を示す。R12は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m1は0又は1を示す。R13は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X1はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
Figure 2006051608
(6)
(式(6)中、R21 は水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基を示す。R22は水素原子、
又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R23は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素
数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m21は0又は1を示す。R24は炭素数1〜8の
アルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアルキレン基を示し、m22は0又は1を示す。R25は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X2はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
Figure 2006051608
(7)
(式(7)中、R31は水素原子、又はメチル基を示す。R32は炭素数1〜6のアルキレン基、又は炭素数1〜6のオキシアルキレン基を示し、m31は0又は1を示す。R33は炭素数1〜6のアルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜6のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜6のアルキレン基を示し、m32は0又は1を示す。nは1〜200の整数を示し、X3はエステル結合又はアミド結合を示す。)
シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)を構成する前記各成分の比率は、h1h2/h3/h4/h5=5〜50/5〜60/50〜80/5〜20(重量%)である。また、シリコーンマクロマー(h3)の重量平均分子量は200〜10,000であることが好ましい。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)は、オルガノトリアルコキシシラン(d)、コロイダルシリカ(e)、アルコキシシリル基を含有する有機共重合体(f)、アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)の合計100重量部に対し、0〜35重量部配合される。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(g)は所望に応じて添加され、その配合量が35重量部より多いと硬化皮膜層(C)の線膨張係数が大きくなり好ましくない。
上記のアルコキシシラン(d)、コロイダルシリカ(e)、有機共重合体(f)、アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)、及びシリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなる硬化皮膜層(C)用のコーティング組成物の分散溶媒は、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができ、分散溶媒としてはゾルの安定性や入手のし易さの観点から、水、或いは低級アルコールであるメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ケトン類であるメチルエチルケトン、ジアセチルアセトンなどを用いることが好ましい。又、本発明において前記溶媒効果を発現させるためには、組成物中の水分含有量が15%以下とすることが好ましい。15%を超えると水がシラノール基に選択的に配位するため、シラノール基の安定性が損なわれる。
上記コーティング組成物の保存温度は、通常25℃以下、好ましくは15℃以下、更に好ましくは5℃以下である。25℃を超えると、保存期間が長い場合、加水分解・縮合反応が徐々に進行するので好ましくない。コーティング組成物を硬化させて硬化膜を形成させる際、硬化膜の硬度や耐擦傷性の向上、又は高屈折率化などの光学的機能性を付与させるために、公知の硬化触媒や金属酸化物及びその他の添加物を適宜加えても良い。
硬化触媒の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、n−ヘキシルアミン、プロピオン酸カリウム、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセンのごとき塩基性化合物、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アルミニウムアセチルアセトナート、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、コバルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、錫アセチルアセトナート、ジブトキシ錫オクチレートの如き金属化合物類、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸の如き酸性化合物類が挙げられる。硬化触媒の添加量は、コーティング組成物100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましい。
金属酸化物の具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化鉄などが挙げられる。特に、耐擦傷性を目的とした硬化剤とする場合には、コロイダルシリカ(シリカゾル)が好適である。硬化剤として使用する場合の金属酸化物の添加量は、コーティング組成物100重量部に対して5〜500重量部、特に10〜200重量部であることが好ましい。これらの金属酸化物の存在下に縮合反応を行っても良く、また縮合反応後に加えても良い。
本発明におけるコーティング組成物を熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗膜層(B)上に塗装する方法は、塗装される成形品の形状や塗装目的に応じて、刷毛、ロール、ディッピング、流し塗り、スプレー、ロールコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーター、スクリーンプロセス、電着塗装、蒸着塗装等がある。
プライマー塗膜層(B)上にコーティング組成物を塗布後、硬化して形成される硬化皮膜層(C)の厚さは、好ましくは1〜10μmである。皮膜層の厚さが1μm未満であると表面硬化の効果が不十分になりやすく、10μmを超えても表面硬化の効果は更には向上し難く、コスト的に不利である。皮膜層(C)の厚さは、より好ましくは2〜8μmである。
本発明では、透明合成樹脂層(A)とプライマー塗膜層(B)、プライマー塗膜層(B)と硬化皮膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ32×10-5/℃以下であることが好ましい。それぞれの線膨張係数の差が32×10-5/℃以下であると、長期間にわたり各層間の密着性が保たれ、耐擦傷性や耐候性に優れた合成樹脂積層体を得ることができる。
本発明に係る合成樹脂製積層体は、射出成形により形成された透明樹脂成形体の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽材を含有した熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗膜厚が1〜10μmとなるように塗布し、加熱硬化してプライマー塗膜層を形成し、該プライマー塗膜層に多官能アルコキシシランからなるコーティング組成物を硬化膜厚が1〜10μmとなるように塗布し、硬化させてプライマー塗膜上に硬化皮膜を形成することにより製造することができる。
射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)は、厚みが2〜70mmであることか好ましい。特に、本発明の合成樹脂製積層体(D)が自動車用窓ガラスに用いられる場合の透明合成樹脂層(A)の厚みは、剛性、重量、透明性等の点より、好ましくは2〜10mmであり、より好ましくは2.5〜8mmである。透明合成樹脂層(A)の厚みが70mmを超えると外観が低下したり、成形時間が長くなるので好ましくない。また、透明合成樹脂層(A)の成形法としては、厚肉成形品のヒケを小さくでき、成形歪みや反りを低減でき、さらに、高度な面精度を出しやすい射出圧縮成形により形成することが特に好ましい。
本発明の合成樹脂製積層体(D)は、近赤外光領域の波長1500nmにおける光線透過率が成形品3mm厚みで70%以下、好ましくは60%以下である。波長1500nmにおける光線透過率が70%を越えると熱線遮蔽効果が低下するので好ましくない。さらに、合成樹脂製積層体(D)のヘイズは、10%以下、好ましくは8%以下である。ヘイズが10%を超えると合成樹脂製積層体(D)の透明感が低下するので好ましくない。
本発明の合成樹脂製積層体(D)の透明合成樹脂層(A)の面、すなわちプライマー塗装層(B)と透明合成樹脂層(A)との間に、あるいは硬化皮膜層(C)の面には、グラビヤ印刷、平板印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、パット印刷およびスクリーン印刷等の通常の印刷工法により、熱線回路、アンテナ、文字、マーク、ブラックアウトなどの印刷を行い、合成樹脂製積層体(D)の機能性、装飾性を高めることができる。
印刷部に熱線回路が形成される場合、通常、印刷ペーストを用いて印刷する。印刷ペーストとしては、好ましくは、銀、カーボン、銅、ニッケル、クロムまたは金を含むペーストが用いられ、低抵抗性、コスト、印刷性の点から、より好ましくは、銀を含むペーストあるいは銀とカーボンを含むペーストが好ましい。印刷インキの密着性を向上させるためには、印刷インキに不飽和ポリエステル樹脂を溶剤で溶かした溶液を混入したインキを回路印刷の上に再度印刷することも可能である。印刷インキとしては、例えば、十條化工(株)製、商品名:HIPETインキ#9390が挙げられ、不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、東洋紡績(株)製、商品名:バイロン200が挙げられ、溶剤としては、例えば、メチルエチルケトンが挙げられる。印刷インキと溶液の混合比率は、例えば、重量比で3:1である。また印刷回路の酸化防止性を向上させるために、カーボン等の印刷インキを回路印刷の上に印刷することもできる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、特に断らない限り、以下に記す「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。また本実施例で用いた評価、試験方法はつぎの通りである。
(1)熱線遮蔽効果:第3図に示す測定装置を用いて以下の要領で行った。即ち、熱がこもらないように側壁に通気孔を有するボックス11の上壁開口部12を覆うように試験片13(サンルーフ成形品切り出し片)を置き、その上方約35cmに125Wの赤外線ランプ14によって試験片13を照明し、試験片から16cmの間隔をあけてボックス内に設置された熱吸収板(両面黒色の鉄板)15によって試験片を透過した熱線を吸収させ、この熱吸収板の温度を熱電対16によって経時的に測定し、温度が変化しない平衡点を求めたものである。
(2)硬化皮膜層の密着性:JIS K5400に準拠し、サンプルをカミソリの刃で2mm間隔に6本ずつ切れ目をいれて25個の碁盤目をつくり、市販のセロテープ(登録商標)をよく密着させた後、90°手前方向に急激に剥がした時、塗膜が全く剥離しないものを「○」、1個以上の碁盤目の剥離したものを「×」で表示した。
(3)ヘイズ:日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH−2000にてヘイズ(%)を測定した。
(4)テーバー摩耗性:ASTM−D1044に準拠し、テーバー摩耗性試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で500回転後のヘイズ(%)を測定し、試験前のヘイズを引いた値ΔH(%)を示した。なお、ヘイズは日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH−2000にて測定した。
(5)落錘衝撃強度:試験は、筒の中にある重量5kgの錘を所定の高さまでワイヤで持ち上げた後、サンルーフ積層体から切り出して固定してある150mm×150mm(厚み5mm)のサンプル上に落下させ、破壊するまでの高さを評価した。尚、錘は、評価サンプルの硬化皮膜層(C)側に落下させた。
(6)耐煮沸性:評価サンプルを100℃の沸騰水に2時間浸漬した後の外観変化、密着性を評価し、変化のないものを「○」とした。
(7)耐熱性:評価サンプルを130℃の熱風循環乾燥機中に1時間放置下の外観変化、密着性を評価し、変化のないものを「○」とした。
(8)耐候性:JIS K5400に準拠し、カーボンアーク式サンシャインウェザーメーターにて促進試験を行い、密着性で剥離する迄の時間を求めた。
(9)熱暑感試験:黒色に塗装された100mm×100mmのSUS金属板上に熱電対を張り付け、該金属板を300mm立方体のブラックパネル箱の底面に固定し、天面には300mm×300mm(厚み5mm)の成形品(サンルーフ成形品の切り出し片)を密閉固定し、屋外温度24℃の雰囲気下に1時間放置した時のブラックパネル温度を測定した。40℃以上を不合格とした。
製造例1
(透明合成樹脂層(A)の製造)
芳香族ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ユーピロンS−3000、粘度平均分子量22,000)100部に対し、ペンタエリスリトールテトラステアレート(日本油脂(株)製、ユニスターH476)0.1部、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(旭電化(株)製、アデカスタブ2112)を0.02部、窒素原子含有紫外線吸収剤として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(シプロ化成(株)製、シーソーブ709)を0.3部配合した樹脂組成物(a−1)、及び芳香族ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ユーピロンS−3000、粘度平均分子量22,000)100部に対し、ペンタエリスリトールテトラステアレート0.1部、ステアリン酸0.02部、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.02部、窒素原子含有紫外線吸収剤として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールを0.3部配合した樹脂組成物(a−2)各々を、一軸のベント式押出機で押し出し、ペレット化した樹脂組成物(a−1)及び(a−2)を得た。(a−1)及び(a−2)のペレットを120℃の熱風乾燥機中で5時間以上乾燥した後、射出圧縮成形機(三菱重工(株)製、1600MMIIIW、240オンス)にサンルーフ形状(600mm×400mm、厚み5mm)のモデル型を装備し、可動金型部を操作して型締めし、そして、溶融樹脂の温度を300℃、金型温度を70゜C、金型の保持圧力を50MPaに設定した後、射出速度200mm/secにてキャビティ内に溶融樹脂を射出した。そして、キャビティ内の樹脂を冷却、固化させ、次いで、型開きを行って透明合成樹脂層(A)となる成形品を取り出した。ここで、樹脂組成物(a−1)から成形された透明合成樹脂層をAA−1(以下、単に(AA−1)と略記することがある)、樹脂組成物(a−2)から成形された透明合成樹脂層をAA−2(以下、単に(AA−2)と略記することがある)とする。
製造例2
(プライマー塗膜層(B)用プライマー塗料の製造)
ジムロート型コンデンサー付き500mlセパラブルフラスコに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部、メチルメタクリレート40部、エチルアクリレート5部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部及び重合触媒としてアゾビスイソブチルニトリルを0.5部ならびに溶剤としてジアセトンアルコール20部、エチレングリコールモノメチルエーテルを80部仕込み窒素気流下にて80〜90℃で5時間攪拌した。得られた熱硬化型アクリル樹脂溶液の粘度は38500cst、また該共重合体中のアルコキシシリル基含有量は40重量%であった。次に、得られた樹脂溶液を不揮発分10%になる様、ジアセトンアルコールとエチレングリコールモノメチルエーテルの比率を20/80とした混合溶剤にて調整した。得られたプライマー塗料(B−1)の粘度は20〜40cstであった。このプライマー塗料(B−1)に、塗料中の不揮発成分100部に対し、紫外線吸収剤として2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを15部、熱線遮蔽材として球状炭素微粒子のカーボンビーズ 3−1000、又は10−1000(商品名、三井鉱山(株)製、表中「CB3−1000、CB10−1000」と標記)、または種々のカーボンブラック[三菱化学(株)製、商品名:三菱カーボンブラック#20、#3050、CF9、#50、#1000(表中「CB#20、CB#3050,CB#50,CB#1000,CF9」として標記)]またはケッチェンブラック EC(商品名、表中「KB EC」と標記)(ライオン(株)製品)を各々6.25重量部配合し、表1のプライマー塗料を得た。
製造例3
(プライマー塗膜層(B)用プライマー塗料の製造)
上記で得たプライマー塗料(B−1)に、塗料中の不揮発成分100部に対し、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを10部、ヒンダードアミン構造を有する光安定剤としてアデカスタブLA−62(旭電化工業(株))を10部、熱線遮蔽性無機化合物として、アンチモンドープ酸化錫微粒子(ATO)(平均一次粒子径0.01μm以下、触媒化成工業(株)商品、ELCOM TL30。)、アンチモン酸亜鉛微粒子(SZO)(平均一次粒子径0.02μm。)、錫ドープ酸化インジウム微粒子(ITO)(平均一次粒子径0.1μm以下。)、分散剤としてステアリン酸モノグリセリド(SMG)、ペンタエリスリトールジステアレート(PDS)、ステアリン酸(SA)、フタル酸ジエチルへキシル(PDEH)、ステアリン酸亜鉛(ZS)を表2に示した比率で配合し、プライマー塗料を得た。
合成例1
(有機共重合体(f−1)の合成)
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部に、これと共重合可能な単量体としてメチルメタクリレート58部、エチルアクリレート6部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート11部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部及び重合触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル0.5部、ジアセトンアルコール100部を配合し、窒素気流下に80〜90℃で5時間加熱撹拌し、粘度42,200cpsで、アルコキシシリル基20重量%を含有する有機共重合体(f−1)を得た。
参考例1
(コーティング組成物1〜4の製造)
表3に示すようにメチルトリメトキシシラン(d−1)と3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)の配合率を変化させ、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO230wt%、平均粒径10〜20nm)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。
次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合しコーティング組成物を調製した。調製後、高分子タイプの紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製XL−183 50wt%)を該組成物中の樹脂分100部に対して10部添加しコーティング組成物を製造した。
参考例2
(コーティング組成物5〜8の製造)
参考例1の13,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)をジメチルジメトキシシラン(d−4)に替えて配合率を表4のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物を製造した。
参考例3
(コーティング組成物9〜12の製造)
参考例1の3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)に替えてプロピルトリメトキシシラン(d−6)を使用し配合率を表5のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物を製造した。
参考例4
(コーティング組成物13〜15の製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)100重量部に、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いで表6に示した平均粒径のコロイダルシリカ(e)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にコロイダルシリカ(e)84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。以後、参考例1と同一条件でコーティング組成物を製造した。
参考例5
(コーティング組成物16〜20の製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)100重量部と酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO230wt%、平均粒径10〜20nm)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。その後、上記合成例1の有機共重合体(f−1)を、表7に示した比率で配合し、次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合しコーティング組成物を調製した。調製後、高分子タイプの紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製XL−183 50wt%)を該組成物中の樹脂分100部に対して10部添加しコーティング組成物を製造した。
参考例6
(コーティング組成物21の製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)100重量部に、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO230wt% 平均粒径10〜20nm)10部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)10部を滴下し、20℃で50時間攪拌を行い熟成を行った。
次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合しコーティング組成物を調製した。調製後、紫外線吸収剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンを該組成物中の樹脂分100部に対して10部添加し比較例用コーティング組成物を製造した。
実施例1〜6及び比較例1〜2
製造例1の透明合成樹脂層(A)の製造で得られた成形品(AA−1)に、製造例2のプライマー塗膜層(B)用プライマー塗料の製造で得られたプライマー塗料を、乾燥塗膜厚が2〜5μmになる様フローコーティング方法により塗布し、120℃にて30分間硬化させた後、メチルトリメトキシシラン(d−1)95部と3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)5部の配合率で構成されたコーティング組成物を塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、130℃、1時間硬化させて硬化皮膜層を有する合成樹脂製積層体(D)を得た。評価結果を表1に示した。熱暑感試験(ブラックパネル温度)を併せて表1に示した。
実施例7
製造例1の透明合成樹脂層(A)の製造で得られた成形品(AA−2)に、製造例2において熱線遮蔽材としてカーボンブラック「#20」を6.25部配合したプライマー塗料を用いた以外は、実施例1と同様に合成樹脂製積層体(D)を得た。評価結果を表1に示した。その他の初期密着性、耐候性等の性能については、実施例3の結果と同等であった。熱暑感試験(ブラックパネル温度)を併せて表1に示した。
実施例8
製造例2において熱線遮蔽材としてカーボンブラック「#20」 4.25部に加えて、市販の樹脂用染料としてアンスラキノン系染料(バイエル社製、商品名:マクロレックス−ブルーRR)、及び複素環系染料(バイエル社製、マクロレックス−イエロー6G)をそれぞれ1.88部、0.25部を使用して調色した以外は、製造例2と同様にしてプライマー塗料を製造し、実施例1と同様に合成樹脂製積層体(D)を得た。評価結果を表1に示した。熱暑感試験(ブラックパネル温度)を併せて表1に示した。
比較例3
製造例2において熱線遮蔽材としてカーボンブラック「#1000」 3.5部に加えて、市販の樹脂用染料としてアンスラキノン系染料(バイエル社製、商品名:マクロレックス−ブルーRR)、及び複素環系染料(バイエル社製、マクロレックス−イエロー6G)及びペリノン系染料(三菱化学(株)製、商品名:ダイアレンジン(登録商標)−レッド−HS)をそれぞれ3.5部、0.138部及び0.875部を使用した以外は、製造例2と同様にしてプライマー塗料を製造し、実施例1と同様に合成樹脂製積層体(D)を得た。評価結果を表1に示した。熱暑感試験(ブラックパネル温度)を併せて表1に示した。
比較例4
製造例2のプライマー塗膜層(B)用プライマー塗料の製造において、カーボンブラックに代えてチオール系有機系熱線遮蔽材(三井化学(株)製、商品名:SIR132)を8.75部使用し、市販の樹脂用染料としてアンスラキノン系染料(バイエル社製、商品名:マクロレックス−ブルーRR)、及び複素環系染料(バイエル社製、マクロレックス−イエロー6G)及びペリノン系染料(三菱化学(株)製、商品名:ダイアレンジン(登録商標)−レッド−HS)をそれぞれ9.6部、0.125部及び8.25部を使用した以外は、製造例2と同様にしてプライマー塗料を製造し、実施例1と同様に合成樹脂製積層体(D)を得た。評価結果を表1に示した。熱暑感試験(ブラックパネル温度)を併せて表1に示した。
(表1)

Figure 2006051608
実施例9〜20及び比較例5〜10
製造例1の透明合成樹脂層(A)の製造で得られた成形品(AA−1)に、製造例3のプライマー塗膜層(B)用プライマー塗料の製造で得られたプライマー塗料を、乾燥塗膜厚2〜5μmになる様フロー方法により塗布し、120℃にて30分間硬化させた後、実施例1に使用したと同様のコーティング組成物を塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、130℃、1時間硬化させて硬化皮膜層を有する合成樹脂製積層体(D)を得た。評価結果を表2に示した。熱暑感試験(ブラックパネル温度)を併せて表2に示した。
(表2)
Figure 2006051608
ATO:アンチモンドープ酸化錫微粒子(平均一次粒子径0.01μm以下、触媒化成
工業(株)、商品名:ELCOM TL30)。
SZO:アンチモン酸亜鉛微粒子(平均一次粒子径0.02μm)。
SMG:ステアリン酸モノグリセリド。
PDS:ペンタエリスリトールジステアレート。
SA:ステアリン酸。
PDEH:フタル酸ジエチルヘキシル。
ITO:錫ドープ酸化インジウム微粒子(平均一次粒子径0.1μm)。
ZS:ステアリン酸亜鉛。
実施例21〜24
製造例1の透明合成樹脂層(A)の製造で得られた成形品(AA−1)に、熱線遮蔽材としてカーボンブラック「#20」を6.25部配合したプライマー塗料を、乾燥塗膜厚2〜5μmになる様フローコーティング方法により塗布し、120℃にて30分間硬化させた後、プライマー塗膜層(B)上に前記参考例1で調製したコーティング組成物を硬化塗膜として3〜6μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、130℃、1時間硬化させて硬化皮膜層(C)を積層し、合成樹脂積層体(D)を得た。評価結果を表3に示した。
(表3)
Figure 2006051608
実施例25〜28
コーティング組成物として、参考例2で調製したコーティング組成物を用いた以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表4に示した。
(表4)
Figure 2006051608
実施例29〜32
コーティング組成物として、参考例3で調製したコーティング組成物を用いた以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表5に示した。
(表5)
Figure 2006051608
実施例33〜35
コーティング組成物として、参考例4で調製したコーティング組成物を用いた以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表6に示した。
(表6)
Figure 2006051608
実施例36〜39
コーティング組成物として、参考例5で調製したコーティング組成物16〜19を用いた以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
比較例11
コーティング組成物として、参考例5で調製した表7に示すコーティング組成物20において有機共重合体(f−1)を表7に示す添加量を用いた以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
Figure 2006051608
比較例12
コーティング組成物として、参考例6で調製したーティング組成物21を用いた以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価した結果、初期密着性と耐煮沸性、耐熱性は○、ヘイズは3.9%、テーバー摩耗性ΔHは3.0%、落錘衝撃高さは92mm、耐候性は2300時間であった。
実施例40
コーティング組成物として、参考例4で調製したコーティング組成物14を用いた以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
比較例13
プライマー塗膜層(B)を設けず、コーティング組成物としては、参考例4で調製したコーティング組成物14を用いた以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
比較例14
プライマー塗膜層(B)の膜厚を20μmに設定し、コーティング組成物としては、参考例4で調製したコーティング組成物14を用いた以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
比較例15
硬化皮膜層(C)を設けず、プライマー塗膜層(B)のみを設けた以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
比較例16
コーティング組成物としては、参考例4で調製したコーティング組成物14を用い、該膜厚を15μmに設定した以外は、実施例21と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
Figure 2006051608
本発明による合成樹脂製積層体からなる自動車用サンルーフの成形品の概要を示す平面図である。 図1のA−A切断断面の説明図である。 熱線遮蔽試験片(サンルーフ成形品の切り出し片)の熱線遮蔽効果の測定に用いた装置の概略図である。
符号の説明
1 透明合成樹脂層
2 熱線遮蔽材含有プライマー塗膜層
3 硬化皮膜層
4 ブラックアウト印刷部
11 ボックス
12 上壁開口
13 試験片
14 125W赤外線ランプ
15 熱線吸収板
16 熱電対
17 記録計

Claims (24)

  1. 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽材を含有する熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)が形成され、該プライマー塗膜層(B)上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化皮膜層(C)が形成されてなる合成樹脂製積層体(D)。
  2. 透明合成樹脂層(A)が、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪族酸0〜2重量部、及び炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル0.01〜1重量部、及びリン系酸化防止剤0.001〜1重量部、及び窒素原子含有紫外線吸収剤0.01〜1重量部を含有してなる合成樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製積層体(D)。
  3. 透明合成樹脂層(A)が、ポリカーボネート樹脂からなる合成樹脂層であることを特徴とする請求項1または2に記載の合成樹脂製積層体(D)。
  4. プライマー塗膜層(B)が、下記式(1)の関係式を満足するカーボンブラック(a)、平均粒子径100nm〜100000nmの炭素微粒子(b)、および熱線遮蔽性無機化合物(c)の少なくとも1種の熱線遮蔽材を含有する熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
    (数1)
    0.333×粒子径+0.083×DBP吸油量≧17 (1)
    (式(1)中、粒子径は一次粒子径であり単位はnm、DBP吸油量はml/100gである。)
  5. 上記カーボンブラック(a)及び/又は炭素微粒子(b)は、プライマー塗料中の不揮発分100重量部に対して0.05〜50重量部配合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  6. 上記熱線遮蔽性無機化合物(c)は、In、Ga、Al、及びSbよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する酸化亜鉛微粒子、またはアンチモンドープ酸化錫微粒子、錫ドープ酸化インジウム微粒子の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂性積層体(D)。
  7. 上記熱線遮蔽性無機化合物(c)は、プライマー塗料中の不揮発分100重量部に対して、0.01〜50重量部配合されることを特徴とする請求項1、2、3、4または6のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  8. プライマー塗膜層(B)が、さらに少なくとも一種の染料及び/又は顔料を含有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  9. 熱線遮蔽性無機化合物(c)は、下記式(2)で表される分散剤を、下記関係式(3)を満たす量で配合されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、6または7のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
    (化1)
    (RCOO)mX (2)
    (式(2)中、Rは炭素数7〜30の飽和脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、mは1〜4の整数であり、Xは水素原子又はアルコール性水酸基を有する炭素数2〜30の多価アルコール残基であり、m個のRは同一でも異なってよい。)
    (数2)
    0.25≦α/β≦100 (3)
    (式(3)中、αは該分散剤の含有量(重量部)であり、βは熱線遮蔽性無機化合物の含有量(重量部)である。)
  10. プライマー塗膜層(B)が、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系紫外線吸収剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して5〜30重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  11. プライマー塗膜層(B)が、更に、分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤をプライマー塗料中の不揮発分100重量部に対して0.1〜5重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  12. 硬化皮膜層(C)は、下記多官能アルコキシシランコーティング組成物からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
    (イ)下記式(4)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
    (化2)
    1 nSi(OR24-n (4)
    (式(4)中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
    (ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
    (ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
    (二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
    および
    (ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
  13. オルガノアルコキシシランが、上記式(4)において、n=1、R1は炭素数1〜8の置換基又は非置換の一価の炭化水素基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−1)であることを特徴とする請求項12記載の合成樹脂製積層体(D)。
  14. オルガノアルコキシシランが、上記式(4)において、n=1、R1がアルキル基であるオルガノアルコキシシラン(d−2)を80〜97重量部と、R1が3,3,3−トリフルオロプロピル基であるオルガノアルコキシシラン(d−3)を20〜3重量部とからなることを特徴とする請求項12記載の合成樹脂製積層体(D)。
  15. オルガノアルコキシシランが、上記式(4)でn=1のアルキルトリアルコキシシラン(d−4)を99〜97重量部と、n=2のジアルキルジアルコキシシラン(d−5)を1〜3重量部とからなるオルガノアルコキシシランであることを特徴とする請求項12載の合成樹脂製積層体(D)。
  16. オルガノアルコキシシランが、上記式(4)において、n=1で、R1が炭素数1または2のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)を80〜97重量部と、R1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−7)を20〜3重量部とからなることを特徴とする請求項12記載の合成樹脂製積層体(D)。
  17. 無水ケイ酸を10〜50重量%含有し、かつ平均粒径が4〜7nmのコロイダルシリカ(e)からなるコーティング組成物(C)であることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  18. 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)とプライマー塗膜層(B)、プライマー塗膜層(B)と硬化皮膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ32×10-5/℃以下であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  19. 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の厚みが、2〜70mmであることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  20. プライマー塗装層(B)と熱線遮蔽性合成樹脂層(A)との間に、あるいは硬化皮膜層(C)の面に、熱線回路、アンテナ、ブラックアウトの印刷部を有することを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  21. 合成樹脂製積層体の1500nmの光線透過率が成形品3mm厚みで70%以下であり、更にはヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
  22. 射出成形により形成された透明樹脂成形体の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽材を含有した熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗膜厚が1〜10μmとなるように塗布し、加熱硬化してプライマー塗膜層を形成し、該プライマー塗膜層に多官能アルコキシシランからなるコーティング組成物を硬化膜厚が1〜10μmとなるように塗布し、硬化させてプライマー塗膜上に硬化皮膜を形成することを特徴とする合成樹脂製積層体の製造方法。
  23. 透明合成樹脂層(A)が、射出圧縮成形により形成されることを特徴とする請求項22に記載の合成樹脂製積層体(D)の製造方法。
  24. 請求項1〜21のいずれかに記載された合成樹脂製積層体からなることを特徴とする車輌用窓ガラス。
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