JP2013123660A - 撥水性コーティング膜の製造方法、それに用いる下地膜形成用組成物及び撥水性コーティング膜を備えた機能性材料 - Google Patents

撥水性コーティング膜の製造方法、それに用いる下地膜形成用組成物及び撥水性コーティング膜を備えた機能性材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 様々な表面構造を有する様々な材質の基材表面に、優れた防霜性、防氷性、防雪性を有する撥水性コーティング膜を形成することが可能な撥水性コーティング膜の製造方法、それに用いる下地膜形成用組成物及びその製造方法により得られる撥水性コーティング膜を備えた機能性材料を提供すること。
【解決手段】 平均粒子径が1〜1000μmの炭素質微粒子(A)、バインダー樹脂組成物(B)及び揮発性溶媒(C)を含有する下地膜形成用組成物を、基材の少なくとも一方の面上に塗布して下地膜を形成する第一の工程と、
平均一次粒子径が5〜500nmの疎水性微粒子(a)、バインダー樹脂組成物(b)及び揮発性溶媒(c)を含有する仕上げ膜形成用組成物を、前記下地膜の前記基材と反対側の面上に塗布した後に乾燥させて撥水性仕上げ膜を形成する第二の工程と、
を含むことを特徴とする撥水性コーティング膜の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、撥水性コーティング膜の製造方法、それに用いる下地膜形成用組成物及び撥水性コーティング膜を備えた機能性材料に関する。
冷凍設備、送電設備、通信設備、道路周辺設備等には、ガラス、金属、紙類、セラミックス、セメント材、合成樹脂、繊維、塗装面等の様々な材質からなる部品が用いられているが、このような部品においては、水、氷、霜、雪等の付着によって破損や腐食、機能低下等が起こりやすいという問題を有していた。また、例えば、冷暖房兼用タイプのルームエアコン、輸送用機器等には、一般的にアルミニウム等からなる熱交換器用の金属フィンが用いられるが、このような熱交換機用フィンは着氷や着霜によって熱交換率の低下がひきおこされるという問題を有していた。そこで、これらの部品への着水、着氷、着霜、着雪を防止・抑制する技術の開発がなされており、例えば、金属等からなる部品の基材表面を撥水性にして水、氷、霜、雪等の付着を防止・抑制する技術が開発されている。
特開平5−117637号公報(特許文献1)には、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等の有機系樹脂溶液、及び前記溶液中の固形分に対する構成比率が5〜60重量%である無機又は有機微粒子を主成分とする撥水性コーティング用組成物が開示されている。また、特開平5−222339号公報(特許文献2)には、シリコーン系樹脂溶液と、分子中に少なくとも2種以上の反応基を持つ樹脂改質剤と、粒径が4μm以下であり、前記溶液中の固形分に対し5〜60重量%である無機微粒子を添加した撥水性コーティング用組成物が開示されている。
さらに、特開平8−323285号公報(特許文献3)には、金属板材の表面上に形成され微粒子を添加した有機系塗料からなる粗面状皮膜と、この粗面状皮膜の上に形成された撥水性皮膜と、を有する撥水性及び着霜防止性が優れた部材が開示されている。また、特開平9−279056号公報(特許文献4)には、固形物体上に構築された有機塗膜であって、該有機塗膜がフィラーを2種類以上分散して得られるフラクタル次元が2.4以上の層と該層表面にパーフルオロポリオキシアルキル系化合物又はパーフルオロポリオキシアルキレン系化合物からなる層とからなるものである超撥水塗膜が開示されている。
特開平5−117637号公報 特開平5−222339号公報 特開平8−323285号公報 特開平9−279056号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載されているように単に基材表面の撥水性を向上せしめるだけでは、基材表面への水、霜、氷、雪等の付着を十分に抑制することができないことを本発明者は見出した。また、水、霜、氷、雪等がいったん基材、特に金属材料からなる基材表面に付着してしまうと、これらを完全に脱落させることは非常に困難であり、表面に付着した水等が核となって着霜、着氷、着雪を促進することを本発明者は見出した。すなわち、例えば、外気温が低い条件でエアコンを暖房として使用する際においては、室外機のアルミニウムフィン表面で水分が凝集し、氷結して霜となるため、一般的には、この霜を取り除くためにアルミニウムフィンを加熱して霜を溶かす操作が行われる。しかしながら、霜が溶けて生じた水滴は完全には脱落せず、一部がアルミニウムフィン表面に付着したまま残るため、残存した水滴がその後再度低温に曝されたときに核となって着霜、着氷、着雪を促進するという問題が生じることを本発明者は見出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、様々な表面構造を有する様々な材質の基材表面に、優れた防霜性、防氷性、防雪性を有する撥水性コーティング膜を形成することが可能な撥水性コーティング膜の製造方法、それに用いる下地膜形成用組成物及びその製造方法により得られる撥水性コーティング膜を備えた機能性材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、先ず、粒子径が特定範囲内にある炭素質微粒子を用いて下地膜を形成し、次いで、前記下地膜の表面に、粒子径が特定範囲内にある疎水性微粒子を用いて微細な凹凸構造を有する撥水性の仕上げ膜を形成することによって、特殊な処理を要することなく、防霜性、防氷性、防雪性に優れた撥水性コーティング膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の撥水性コーティング膜の製造方法は、
平均粒子径が1〜1000μmの炭素質微粒子(A)、バインダー樹脂組成物(B)及び揮発性溶媒(C)を含有する下地膜形成用組成物を、基材の少なくとも一方の面上に塗布して下地膜を形成する第一の工程と、
平均一次粒子径が5〜500nmの疎水性微粒子(a)、バインダー樹脂組成物(b)及び揮発性溶媒(c)を含有する仕上げ膜形成用組成物を、前記下地膜の前記基材と反対側の面上に塗布した後に乾燥させて撥水性仕上げ膜を形成する第二の工程と、
を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の撥水性コーティング膜の製造方法においては、前記炭素質微粒子(A)が、活性炭、カーボンブラック、黒鉛粒子、カーボンナノ粒子及び煤からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらに、前記疎水性微粒子(a)が、オルガノシロキサン骨格を導入した疎水性シリカ化合物からなる微粒子であることが好ましい。
また、本発明の撥水性コーティング膜の製造方法においては、前記下地膜における炭素質微粒子(A)とバインダー樹脂組成物(B)との単位面積当たりの総担持量(I)が0.05〜80g/mであり、前記撥水性仕上げ膜における疎水性微粒子(a)とバインダー樹脂組成物(b)との単位面積当たりの総担持量(II)が0.005〜5g/mであることが好ましい。
さらに、本発明の下地膜形成用組成物は、本発明の撥水性コーティング膜の製造方法に用いる下地膜形成用組成物であって、平均粒子径が1〜1000μmの炭素質微粒子(A)、バインダー樹脂組成物(B)及び揮発性溶媒(C)を含有することを特徴とするものである。また、本発明の機能性材料は、前記本発明の撥水性コーティング膜の製造方法により得られる撥水性コーティング膜を備えることを特徴とするものである。
なお、本発明によって上記目的が達成されるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者は以下のように推察する。すなわち、本発明の撥水性コーティング膜の製造方法においては、炭素質微粒子を含む下地膜形成用組成物を使用して下地膜を形成することにより、周囲の熱が撥水性仕上げ膜に効率よく伝えられ、仕上げ膜表面に付着した霜、氷、雪を効果的に溶解させ、脱落させることが可能となると本発明者らは推察する。
また、本発明の撥水性コーティング膜の製造方法においては、下地膜形成用組成物及び仕上げ膜形成用組成物の2剤を使用して2層構造の膜を形成することにより、耐溶剤性が低い基材表面に撥水性コーティング膜を形成する場合においても、下地膜が撥水性仕上げ膜の土台として機能するため、仕上げ膜において、基材表面からの溶出物による撥水性の低下が十分に抑制されると本発明者らは推察する。
さらに、本発明の撥水性コーティング膜の製造方法においては、先ず、疎水性微粒子の粒子径に比べて粒子径が大きい炭素質微粒子を用いて凹凸表面を形成し、次いで、その表面を前記疎水性微粒子で均一に覆うため、得られた撥水性コーティング膜を摩擦した場合においても、疎水性微粒子は炭素質微粒子が形成する凹部に残留して剥がれることがなく、高撥水性を維持することが可能となると本発明者は推察する。
本発明によれば、様々な表面構造を有する様々な材質の基材表面に、優れた防霜性、防氷性、防雪性を有する撥水性コーティング膜を形成することが可能な撥水性コーティング膜の製造方法、それに用いる下地膜形成用組成物及びその製造方法により得られる撥水性コーティング膜を備えた機能性材料を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の撥水性コーティング膜の製造方法について説明する。本発明の撥水性コーティング膜の製造方法は、
平均粒子径が1〜1000μmの炭素質微粒子(A)、バインダー樹脂組成物(B)及び揮発性溶媒(C)を含有する下地膜形成用組成物を、基材の少なくとも一方の面上に塗布して下地膜を形成する第一の工程と、
平均一次粒子径が5〜500nmの疎水性微粒子(a)、バインダー樹脂組成物(b)及び揮発性溶媒(c)を含有する仕上げ膜形成用組成物を、前記下地膜の前記基材と反対側の面上に塗布した後に乾燥させて撥水性仕上げ膜を形成する第二の工程と、
を含むことを特徴とするものである。以下、本発明の撥水性コーティング膜の製造方法を第一の工程と第二の工程とに分けて説明する。
(第一の工程:下地膜形成工程)
本発明に係る第一の工程は、平均粒子径が1〜1000μmの炭素質微粒子(A)と、バインダー樹脂組成物(B)と、揮発性溶媒(C)と、を含有する下地膜形成用組成物を基材の少なくとも一方の面上に塗布して下地膜を形成する工程である。
本発明に係る炭素質微粒子(A)としては、平均粒子径が1〜1000μmの範囲にあることが必要である。また、前記平均粒子径としては、1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましい。前記平均粒子径が前記下限未満である場合には、下地膜の形成が不十分となり、得られる撥水性コーティング膜における霜溶解水滴の転落性が低下する傾向にある。他方、前記上限を超える場合には、バインダー樹脂組成物(B)によって固定せしめることが困難となる傾向にある。
なお、本発明において、前記炭素質微粒子の平均粒子径は、炭素質微粒子の分散物、例えば、炭素質微粒子を本発明に係るバインダー樹脂組成物(B)及び揮発性溶媒(C)の混合物に分散せしめたものについて、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(製品名「LA−920」、(株)堀場製作所製)を用いて得られる積算体積粒度分布における積算体積が小粒子径側から50%となるときの粒子径(メジアン粒子径)を意味する。
本発明に係る炭素質微粒子(A)としては、炭素質材料からなる粒子であればよく、例えば、活性炭;カーボンブラック;黒鉛粒子;フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノコーン等からなるカーボンナノ粒子;煤等が挙げられる。本発明に係る炭素質微粒子(A)としては、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、前記炭素質微粒子(A)としては、より優れた防霜性、防氷性、防雪性を有する撥水性コーティング膜が得られる傾向にあるという観点から、活性炭、カーボンブラック、黒鉛粒子、カーボンナノチューブからなるカーボンナノ粒子、煤が好ましく、コストと、撥水性コーティング膜に優れた防霜性、防氷性、防雪性を付与するという性能とのバランスの観点から、活性炭、カーボンブラック、黒鉛粒子がより好ましく、カーボンブラックがさらに好ましい。
さらに、このような炭素質微粒子(A)としては、分散剤を用いて水や有機溶媒等の溶媒に分散させ、コロイダル状炭素質微粒子(例えば墨汁等)として用いてもよい。また、前記炭素質微粒子(A)は、市販品としても入手可能であり、例えば、カルボラフィンシリーズ(活性炭、日本エンバイロケミカルズ(株)製);シーストシリーズ(カーボンブラック、東海カーボン(株)製);Z−5F、CP−2、XD150(黒鉛粒子、伊藤黒鉛工業(株)製);金属型カーボンナノチューブ(カーボンナノチューブ、(株)名城ナノカーボン製);活性炭WA−3(活性炭、(株)キャタラー製)等が挙げられる。
本発明に係るバインダー樹脂組成物(B)は、基材の表面に対して前記炭素質微粒子(A)を担持せしめるためのバインダーとして機能する、樹脂からなる組成物である。このようなバインダー樹脂組成物(B)としては、樹脂成分のみからなるものであっても、必要に応じて、樹脂成分と添加成分とからなるものであってもよい。
前記樹脂成分としては、基材の表面に対して前記炭素質微粒子(A)を担持せしめることが可能な樹脂であれば特に制限されず、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂が挙げられる。前記樹脂成分としては、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、前記樹脂成分としては、得られる撥水性コーティング膜の撥水性がより向上し、また、特に、撥水性コーティング膜と基材との付着性がより向上する傾向にあるという観点から、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
前記添加成分としては、硬化剤、触媒等が挙げられる。本発明に係るバインダー樹脂組成物(B)にこのような添加成分が含有される場合、その含有量としては、より優れた防霜性、防氷性、防雪性及び耐摩擦性を有する撥水性コーティング膜が得られる傾向にあるという観点から、バインダー樹脂組成物(B)に含まれる前記樹脂成分100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
また、本発明に係るバインダー樹脂組成物(B)としては、水や有機溶媒等の溶媒に溶解又は乳化分散させ、溶液又は乳化分散液(以下、場合によりバインダー樹脂液(B’)という。)として用いてもよい。前記有機溶媒としては、揮発性溶媒であることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の炭素数1〜8の脂肪族アルコール類;n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、n−デカン、ミネラルターペン、テレピン油、イソパラフィン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、メチルターシャリーブチルエーテル、ブチルカルビトール等のエーテル類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル,3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエステル類が挙げられる。前記溶媒としては、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明に係るバインダー樹脂組成物(B)を溶液又は乳化分散液として用いる場合、バインダー樹脂液(B’)中のバインダー樹脂組成物(B)の濃度としては、バインダー樹脂液(B’)の取り扱いが容易となり、使用効率が向上する傾向にあるという観点から、30質量%以上であることが好ましい。
このようなバインダー樹脂組成物(B)及び、バインダー樹脂液(B’)は、市販品としても入手可能であり、例えば、KR−400(信越化学(株)製、シリコーン樹脂)、X−7096(日華化学(株)製、ウレタン樹脂エマルジョン)、ネオステッカー1700(日華化学(株)製、ポリウレタン樹脂エマルジョン)、Terrific GC−100B((株)グローケミカル製、エポキシ樹脂溶液)、UNIKA RESIN 380−K(ユニオン化学工業(株)製、メラミン樹脂溶液)、GM−435(ダイキン工業(株)製、フルオロアルキルメタクリレートコポリマー溶液)、タマノル100S(荒川化学(株)製、アルキルフェノール樹脂)等が挙げられる。
なお、本発明において、バインダー樹脂組成物(B)をその溶液又は乳化分散液(バインダー樹脂液(B’))として用いる場合には、前記バインダー樹脂組成物(B)の質量は、前記バインダー樹脂液(B’)の不揮発分、すなわち、得られる撥水性コーティング膜において揮発せずに残存する成分の質量に相当する。また、このようなバインダー樹脂液中の不揮発分の含有量は、オーブン(製品名「パーフェクトオーブンSPH−201」、エスペック(株)製)を用いてバインダー樹脂液5gを105℃において3時間加熱した後の残存質量を測定し、バインダー樹脂液の質量に対する前記残存質量の割合を算出することにより求めることができる。
本発明に係る揮発性溶媒(C)は、前記炭素質微粒子(A)及び前記バインダー樹脂組成物(B)を分散させるための分散媒として機能するものである。このような揮発性溶媒(C)としては特に制限されないが、実質的に不活性なものが好ましく、例えば、前記バインダー樹脂組成物(B)を溶液又は乳化分散液として用いる際の溶媒として挙げた溶媒と同様のものが挙げられ、前記バインダー樹脂組成物(B)をその溶液又は乳化分散液(バインダー樹脂液(B’))として用いる場合には、前記バインダー樹脂液(B’)に用いた溶媒を本発明に係る揮発性溶媒(C)としてもよい。前記揮発性溶媒(C)としては、基材及び前記バインダー樹脂組成物(B)の種類に応じて適宜選択することができ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る下地膜形成用組成物は、前記炭素質微粒子(A)、前記バインダー樹脂組成物(B)及び前記揮発性溶媒(C)を含有する。前記下地膜形成用組成物において、前記炭素質微粒子(A)の含有量としては、前記下地膜形成用組成物中に0.1〜50質量%であることが好ましく、0.1〜40質量%であることがより好ましい。前記炭素質微粒子(A)の含有量が前記下限未満である場合には、下地膜の形成が不十分となり、得られる撥水性コーティング膜における霜溶解水滴の転落性が低下する傾向にある。他方、前記上限を超える場合には、前記バインダー樹脂組成物(B)により固定せしめることが困難となる傾向にある。
また、本発明に係る下地膜形成用組成物としては、前記炭素質微粒子(A)と前記バインダー樹脂組成物(B)との質量比(A:B)が、0.1:99.9〜90:10であることが好ましく、1:99〜90:10であることがより好ましく、5:95〜60:40であることがさらに好ましく、5:95〜30:70であることが特に好ましい。前記バインダー樹脂組成物(B)に対する前記炭素質微粒子(A)の割合が前記下限未満である場合には、得られる撥水性コーティング膜における霜溶解水滴の転落性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、バインダー樹脂組成物(B)により炭素質微粒子(A)を固定せしめることが困難となる傾向にある。
さらに、本発明に係る下地膜形成用組成物において、前記揮発性溶媒(C)の含有量は特に制限されず、採用する塗布方法等に応じて適宜選択することができる。本発明においては、例えば、前記揮発性溶媒(C)の含有量(前記バインダー樹脂組成物(B)をその溶液又は乳化分散液として用いる場合にはその溶媒質量を含めた総含有量)が前記下地膜形成用組成物中に10〜95質量%であることが好ましい。
また、本発明に係る下地膜形成用組成物としては、前記炭素質微粒子(A)、前記バインダー樹脂組成物(B)及び前記揮発性溶媒(C)の他に、さらに目的に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内において、酸やアルカリ等のpH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防カビ剤等の添加剤がさらに含有されていてもよい。このような添加剤が含有される場合、その含有量としては、前記下地膜形成用組成物中に3質量%以下であることが好ましい。
本発明に係る下地膜形成用組成物を得る方法としては特に制限されないが、均一な下地膜を形成することができる傾向にあるという観点から、前記炭素質微粒子(A)及び前記バインダー樹脂組成物(B)が、前記揮発性溶媒(C)中に均一分散物として含有されるように混合可能な方法であることが好ましく、例えば、前記炭素質微粒子(A)、前記バインダー樹脂組成物(B)及び前記揮発性溶媒(C)を混合後にホモミキサー等を用いて分散せしめる方法が好ましい。
本発明に係る第一の工程においては、前記下地膜形成用組成物を、基材の少なくとも一方の面上に塗布して下地膜を形成する。このような下地膜を形成せしめる基材としては、特に制限されず、例えば、ガラス、金属、紙類、セラミックス、セメント材、合成樹脂、繊維、塗装面等の様々な材質からなる基材及び様々な表面構造を有する基材を挙げることができる。また、撥水性コーティング膜と基材との付着性がより向上し、得られる撥水性コーティング膜の撥水性、防霜性、防氷性、防雪性及び耐摩擦性がより向上するという観点から、前記基材としては、表面が清浄化され、有機物等の汚染物が実質的に除去されたものであることが好ましい。前記清浄化の方法としては、特に制限されず、基材の材質に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトンやエタノール等の有機溶媒により洗浄する方法が挙げられる。
前記下地膜形成用組成物を、前記基材の少なくとも一方の面上に塗布する方法としては、特に制限されず、公知の塗布方法を適宜採用することができる。このような塗布方法としては、例えば、刷毛塗り、エアガン若しくはエアレスガン塗装機によるコーティング;エアゾールスプレー若しくはトリガースプレー形態によるスプレーコーティング;ディップコーティング;フローコーティング;スピンコーティング;バーコーティング;ロールコーティング等の方法が挙げられる。
本発明に係る第一の工程において、前記下地膜形成用組成物の塗布量としては、本発明により得られる下地膜において、炭素質微粒子(A)とバインダー樹脂組成物(B)との単位面積当たりの総担持量(I)が0.05〜80g/mとなる塗布量であることが好ましく、5〜50g/mとなる塗布量であることがより好ましい。前記総担持量(I)が前記下限未満である場合には、得られる撥水性コーティング膜における霜溶解水滴の転落性が低下する傾向にある。他方、前記上限を超えて下地膜形成用組成物を塗布しても、前記水滴転落性のさらなる向上が見込めないために経済的ではなく、また、厚塗りによって得られる下地膜にひびが発生する場合がある。
また、前記第一の工程においては、得られる下地膜の表面に疎水性微粒子(a)を付着させやすくなる傾向にあるという観点から、前記下地膜形成用組成物を塗布後、第二の工程の前に、塗布した前記下地膜形成用組成物を乾燥させることが好ましい。このような乾燥方法としては特に制限されず、本発明においては加熱せずに乾燥させることも可能である。すなわち、従来のコーティング膜の製造方法においては一般的に加熱が必要であったのに対して、本発明に係る下地膜形成用組成物を用いた場合には、常温(20〜25℃程度)での乾燥で加熱乾燥させた場合と同様の効果を得ることができる。なお、下地膜を形成させる時間をより短縮することができるという観点からは、60〜180℃程度において5〜60分間程度乾燥させることが好ましい。
(第二の工程:撥水性仕上げ膜形成工程)
本発明に係る第二の工程は、平均一次粒子径が5〜500nmの疎水性微粒子(a)、バインダー樹脂組成物(b)及び揮発性溶媒(c)を含有する仕上げ膜形成用組成物を、前記下地膜の前記基材と反対側の面上に塗布した後に乾燥させて撥水性仕上げ膜を形成する工程である。
本発明に係る疎水性微粒子(a)としては、平均一次粒子径が5〜500nmの範囲にあることが必要である。また、前記平均一次粒子径としては、5〜300nmであることが好ましく、5〜200nmであることがより好ましい。前記平均一次粒子径が前記下限未満である場合には、微粒子が細かくなりすぎて撥水性を発現させるための適正な凹凸構造が形成できず得られる撥水性コーティング膜の撥水性が低下する傾向にある。他方、前記上限を超える場合には、均一な仕上げ膜が形成されず、得られる撥水性コーティング膜の撥水性が低下する傾向にある。なお、本発明において、前記疎水性微粒子の平均一次粒子径とは、単一粒子の状態で存在している粒子の粒子直径のうちの最も頻度が高い粒子直径を示す。このような平均一次粒子径は、粒度分布計等により求めることができるが、市販の疎水性微粒子を用いる場合にはカタログ値を採用することができる。
本発明に係る疎水性微粒子(a)は、疎水性の微粒子であり、本発明の撥水性コーティング膜の表面に形成される下地膜の最表面に撥水性の微細な凹凸構造を形成させるためのものである。このような疎水性微粒子(a)の材料としては、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の疎水性又は疎水化された有機材料;疎水性シリカ化合物、アルミナ等の疎水性又は疎水化された無機材料;及びこれらの有機材料と無機材料とからなる複合材料が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、得られる撥水性コーティング膜の撥水性がより向上する傾向にあるという観点から、特にオルガノシロキサン骨格を導入した疎水性シリカ化合物が好ましく、具体的には、ヘキサメチルジシラザンやジメチルジクロロシラン等で疎水化表面処理されたシリカが挙げられる。
さらに、このような疎水性微粒子(a)は、市販品としても入手可能であり、例えば、前記ヘキサメチルジシラザンで疎水化表面処理されたシリカからなる微粒子としては、アエロジルRX−50、アエロジルRX−200、アエロジルRX−300(日本アエロジル(株)製)やレオロシールZD−30ST、レオロシールHM−20L、レオロシールHM−30S((株)トクヤマ製)が挙げられる。前記ジメチルジクロロシランで疎水化表面処理されたシリカからなる微粒子としては、アエロジルR974、アエロジルR976(日本アエロジル(株)製)が挙げられる。
本発明に係るバインダー樹脂組成物(b)は、前記下地膜の表面に対して前記疎水性微粒子(a)を担持せしめるためのバインダーとして機能する、樹脂からなる組成物である。このようなバインダー樹脂組成物(b)としては、樹脂成分のみからなるものであっても、必要に応じて、樹脂成分と添加成分とからなるものであってもよい。
前記樹脂成分としては、前記下地膜の表面に対して前記疎水性微粒子(a)を担持せしめることが可能な樹脂であれば特に制限されず、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、前記樹脂成分としては、得られる撥水性コーティング膜と基材との付着性がより向上し、また、特に、撥水性コーティング膜の撥水性がより向上する傾向にあるという観点から、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂が好ましい。
前記添加成分としては、硬化剤、触媒等が挙げられる。本発明に係るバインダー樹脂組成物(b)にこのような添加成分が含有される場合、その含有量としては、より優れた防霜性、防氷性、防雪性及び耐摩擦性を有する撥水性コーティング膜が得られる傾向にあるという観点から、バインダー樹脂組成物(b)に含まれる前記樹脂成分100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
また、本発明に係るバインダー樹脂組成物(b)としては、水や有機溶媒等の溶媒に溶解又は乳化分散させ、溶液又は乳化分散液(以下、場合によりバインダー樹脂液(b’)という。)として用いてもよい。このような溶媒としては特に制限されないが、実質的に不活性なものが好ましく、例えば、前記バインダー樹脂組成物(B)を溶液又は乳化分散液として用いる際の溶媒として挙げた溶媒と同様のものが挙げられる。本発明に係るバインダー樹脂組成物(b)を溶液又は乳化分散液として用いる場合、バインダー樹脂液(b’)中のバインダー樹脂組成物(b)の濃度としては、バインダー樹脂液(b’)の取り扱いが容易となり、使用効率が向上する傾向にあるという観点から、30質量%以上であることが好ましい。
このようなバインダー樹脂組成物(b)及び、バインダー樹脂液(b’)は、市販品としても入手可能であり、例えば、SH8011(東レ・ダウコーニング(株)製、シリコーン樹脂溶液)、アキュゾール820(ロームアンドハース(株)製、アクリル樹脂溶液)、タマノル100S(荒川化学工業(株)製、アルキルフェノール樹脂)、ペンセルD−125(荒川化学工業(株)製、ロジンエステル樹脂)等が挙げられる。なお、本発明において、バインダー樹脂組成物(b)をその溶液又は乳化分散液として用いる場合において、前記バインダー樹脂組成物(b)の質量及びバインダー樹脂液中の不揮発分の含有量は、前述と同様の測定方法により求めることができる。
本発明に係る揮発性溶媒(c)は、前記疎水性微粒子(a)及び前記バインダー樹脂組成物(b)を分散させるための分散媒として機能するものである。このような揮発性溶媒(c)としては特に制限されないが、実質的に不活性なものが好ましく、例えば、前記バインダー樹脂組成物(B)を溶液又は乳化分散液として用いる際の溶媒として挙げた溶媒と同様のものが挙げられ、前記バインダー樹脂組成物(b)をその溶液又は乳化分散液(バインダー樹脂液(b’))として用いる場合には、前記バインダー樹脂液(b’)に用いた溶媒を本発明に係る揮発性溶媒(c)としてもよい。前記揮発性溶媒(c)としては、基材及び前記バインダー樹脂組成物(b)の種類に応じて適宜選択することができ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る仕上げ膜形成用組成物は、前記疎水性微粒子(a)、前記バインダー樹脂組成物(b)及び前記揮発性溶媒(c)を含有する。前記仕上げ膜形成用組成物において、前記疎水性微粒子(a)の含有量としては、前記仕上げ膜形成用組成物中に1〜50質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることが特に好ましい。前記疎水性微粒子(a)の含有量が前記下限未満である場合には、得られる撥水性仕上げ膜表面の凹凸構造の形成が不十分となり、撥水性が低下する傾向にある。他方、前記上限を超えて含有せしめても前記撥水性のさらなる向上が見込めないために経済的ではない。
また、本発明に係る仕上げ膜形成用組成物としては、前記疎水性微粒子(a)と前記バインダー樹脂組成物(b)との質量比(a:b)が、15:85〜99:1であることが好ましく、50:50〜99:1であることがより好ましく、60:40〜99:1であることがさらに好ましい。前記疎水性微粒子(a)の前記バインダー樹脂組成物(b)に対する質量比が前記下限未満である場合には、得られる撥水性コーティング膜の撥水性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、バインダー樹脂組成物(b)により疎水性微粒子(a)を固定せしめることが困難となる傾向にある。
さらに、本発明に係る仕上げ膜形成用組成物において、前記揮発性溶媒(c)の含有量は特に制限されず、採用する塗布方法等に応じて適宜選択することができる。本発明においては、例えば、前記揮発性溶媒(c)の含有量(前記バインダー樹脂組成物(b)をその溶液又は乳化分散液として用いる場合にはその溶媒質量を含めた総含有量)が前記下地膜形成用組成物中に10〜99質量%であることが好ましい。
また、本発明に係る仕上げ膜形成用組成物としては、前記疎水性微粒子(a)、前記バインダー樹脂組成物(b)及び前記揮発性溶媒(c)の他に、さらに目的に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内において、前記下地膜形成用組成物において挙げた添加剤と同様の添加剤がさらに含有されていてもよい。このような添加剤が含有される場合、その含有量としては、前記仕上げ膜形成用組成物中に3質量%以下であることが好ましい。
本発明に係る仕上げ膜形成用組成物を得る方法としては特に制限されないが、均一な仕上げ膜を形成することができる傾向にあるという観点から、前記疎水性微粒子(a)及び前記バインダー樹脂組成物(b)が、前記揮発性溶媒(c)中に均一分散物として含有されるように混合可能な方法であることが好ましい。さらに、前記疎水性微粒子(a)の分散不良により凝集微粒子が混在すると、得られる撥水性仕上げ膜の撥水性が低下する傾向にあるという観点から、例えば、先ず、前記疎水性微粒子(a)、前記バインダー樹脂組成物(b)及び前記揮発性溶媒(c)を混合し、次いで、微粒子化処理によって前記疎水性微粒子(a)を微粒子化分散させる方法が好ましい。前記微粒子化処理としては、特に制限されず、ホモジナイザー、アルチマイザー、ナノマイザー、コロイドミル、ビーズミル、サンドミル、ホモミキサー、超音波等を用いて微粒子を分散させる方法;及びこれらの方法のうちの2種以上を組み合わせた方法が挙げられる。
本発明に係る第二の工程においては、前記仕上げ膜形成用組成物を、前記下地膜の前記基材と反対側の面上に塗布した後に乾燥させて撥水性仕上げ膜を形成する。このような塗布方法としては特に制限されず、公知の塗布方法を適宜採用することができ、例えば、前記下地膜形成用組成物の塗布方法として挙げた方法と同様の方法が挙げられる。
本発明に係る第二の工程において、前記仕上げ膜形成用組成物の塗布量としては、本発明により得られる撥水性仕上げ膜において、疎水性微粒子(a)とバインダー樹脂組成物(b)との単位面積当たりの総担持量(II)が0.005〜5g/mであることが好ましく、0.01〜1.0g/mであることがより好ましい。前記総担持量(II)が前記下限未満である場合には、塗布量が少なすぎるために十分な撥水性を有する撥水性コーティング膜を得ることが困難となる傾向にある。他方、前記上限を超えて仕上げ膜形成用組成物を塗布しても、前記撥水性のさらなる向上が見込めないために経済的ではなく、また、厚塗りによって得られる撥水性仕上げ膜が剥がれやすくなる傾向にある。
また、本発明においては、前記下地膜における炭素質微粒子(A)とバインダー樹脂組成物(B)との単位面積当たりの総担持量(I)と、前記撥水性仕上げ膜における疎水性微粒子(a)とバインダー樹脂組成物(b)との単位面積当たりの総担持量(II)との質量比(I:II)が、100:0.01〜100:10であることであることが好ましい。前記担持量(I)に対する前記担持量(II)の割合が前記下限未満である場合には、得られる撥水性仕上げ膜の撥水性が不十分となる傾向にあり、他方、前記担持量(I)が前記上限を超えても前記撥水性の向上が少なく経済的ではない。
本発明に係る第二の工程における乾燥方法としては、特に制限されず、前記揮発性溶媒(C)及び前記揮発性溶媒(c)を揮発させることができればよく、前記第一の工程において挙げた乾燥方法と同様に、加熱せずに乾燥させる方法を採用することもできる。なお、撥水仕上げ膜を形成させる時間をより短縮することができるという観点からは、60〜180℃程度において5〜60分間程度乾燥させることが好ましい。
このような本発明の撥水性コーティング膜の製造方法により、前記下地膜形成用組成物の不揮発分として得られ、前記炭素質微粒子(A)及びバインダー樹脂組成物(B)を含有する下地膜と、前記仕上げ膜形成用組成物の不揮発分として得られ、前記疎水性微粒子(a)及び前記バインダー樹脂組成物(b)を含有する撥水性仕上げ膜と、を備える撥水性コーティング膜を得ることができる。また、本発明の下地膜形成用組成物は、本発明の撥水性コーティング膜の製造方法において挙げた下地膜形成用組成物であり、このような本発明の撥水性コーティング膜の製造方法に好適に用いることができる組成物である。
次いで、本発明の機能性材料について説明する。本発明の機能性材料は、前記本発明の撥水性コーティング膜の製造方法により得られる撥水性コーティング膜を備えることを特徴とするものである。
本発明の機能性材料の製造方法は特に制限されないが、例えば、前述の本発明の撥水性コーティング膜の製造方法において挙げたものと同様の基材の表面に前述の本発明の製造方法により得られる撥水性コーティング膜を形成することによって得ることができる。本発明の撥水性コーティング膜は、上記のように様々な基材に対して優れた撥水性及び霜溶解水滴の転落性を付与することができるため、特に、超撥水、防霜性、防氷性、防雪性等の機能を奏する各種の本発明の機能性材料を得ることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例に用いた各微粒子の粒子径の測定、各樹脂液中の樹脂組成物(不揮発分)の含有量の測定、並びに、各実施例及び比較例で得られたコーティング膜における水接触角及び水滴転落角の測定、霜溶解水滴の転落性評価はそれぞれ以下に示す方法により行った。
(粒子径の測定)
微粒子(A)の平均粒子径は、各実施例及び比較例で得られた得られた下地形成用組成物について、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(製品名「LA−920」、(株)堀場製作所製)を用いて積算体積粒度分布を求め、この粒度分布における積算体積が小粒子径側から50%となるときの粒子径(メジアン粒子径)を微粒子(A)の平均粒子径とした。
(樹脂組成物(不揮発分)の含有量の測定)
先ず、樹脂組成物(B)又は樹脂組成物(b)を含有する溶液又は乳化分散液(樹脂液)をそれぞれ5g秤量し、オーブン(製品名「パーフェクトオーブンSPH−201」、エスペック(株)製)を用いて105℃で3時間加熱した。各樹脂液における樹脂組成物の含有量は、加熱後に揮発せずに残存した組成物の質量(g)を測定し、これを樹脂液に対する含有量(質量%)に換算して求めた。
(水接触角)
各実施例及び比較例で得られたコーティング膜の表面に蒸留水2.5μLを滴下し、携帯式接触角計(製品名「PG−X」、(株)マツボー製)を用いてコーティング膜表面の水の静的接触角(°)を計測し、これを水接触角(°)とした。なお、水接触角が大きいほど撥水性が優れることを示す。
(水滴転落角)
先ず、各実施例及び比較例で得られたコーティング膜表面が水平となるように設置し、その表面に4μLの水滴を置いた。次いで、コーティング膜を傾けていき、水滴が転がる角度(°)を計測し、これを水滴転落角(°)とした。なお、水滴転落角が小さいほど撥水性が優れることを示す。
(霜溶解水滴の転落性評価)
先ず、各実施例及び比較例で得られたコーティング膜を熱伝導用アルミ板に固定した。次いで、室温20℃、相対湿度60%の雰囲気下において、前記熱伝導用アルミ板のアルミ板部分を−23℃の冷媒に30分間浸漬し、コーティング膜表面に霜を発生させた。次いで、前記熱伝導用アルミ板を冷媒から外し、アルミ板に固定したコーティング膜表面と床面との角度が90°となるように設置し、5分後にコーティング膜表面の霜が溶解して水滴が転落する状況を観察し、下記の基準:
優:水滴のほとんどが転落する
良:水滴の半分程度が転落する
可:水滴の2割程度が転落する
劣る:水滴の転落は見られず付着したままである
に従って評価した。
また、各実施例及び比較例に用いた各微粒子及び樹脂組成物(樹脂液)はそれぞれ下記のとおりである。なお、微粒子(a)の平均一次粒子径はカタログ値を示す。
<微粒子(A)>
(A)−1:シースト9H(東海カーボン(株)製、カーボンブラック、不揮発分:100質量%)
(A)−2:シーストKH(東海カーボン(株)製、カーボンブラック、不揮発分:100質量%)
(A)−3:カルボラフィン−1(日本エンバイロケミカルズ(株)製、活性炭、不揮発分:100質量%)
(A)−4:Z−5F(伊藤黒鉛工業(株)製、黒鉛粒子、不揮発分:100質量%)
(A)−5:CP−2(伊藤黒鉛工業(株)製、黒鉛粒子、不揮発分:100質量%)
(A)−6:XD150(伊藤黒鉛工業(株)製、黒鉛粒子、不揮発分:100質量%)
(A)−7:金属型カーボンナノチューブ((株)名城ナノカーボン製、カーボンナノチューブ、不揮発分:100質量%)
(A)−8:活性炭WA−3((株)キャタラー製、活性炭、不揮発分:100質量%)
(A)−9:LPS−300C(リグナイト(株)製、フェノール樹脂、不揮発分:100質量%)
(A)−10:トレフィルR−900(東レ・ダウコーニング(株)製、シリコーン樹脂、不揮発分:100質量%)。
<樹脂組成物(B)>
(B)−1:X−7096(日華化学(株)製、ウレタン樹脂エマルジョン、不揮発分:38質量%)
(B)−2:GM−435(ダイキン工業(株)製、フルオロアルキルメタクリレートコポリマー溶液、不揮発分:25質量%)
(B)−3:タマノル100S(荒川化学(株)製、アルキルフェノール樹脂、不揮発分:100質量%)
(B)−4:KR−400(信越化学(株)製、シリコーン樹脂、不揮発分:100質量%)。
<微粒子(a)>
(a)−1:レオロシールZD−30ST((株)トクヤマ製、オルガノシロキサン改質シリカ、不揮発分:100質量%、平均一次粒子径:7nm)
(a)−2:アエロジルRX200(日本アエロジル(株)製、オルガノシロキサン改質シリカ、不揮発分:100質量%、平均一次粒子径:12nm)
(a)−3:アエロジルR974(日本アエロジル(株)製、オルガノシロキサン改質シリカ、不揮発分:100質量%、平均一次粒子径:12nm)
(a)−4:レオロシールQS−40((株)トクヤマ製、ヒュームドシリカ、平均一次粒子径:7nm)に対して、常法に従い、MM−AS(ダイキン(株)製、トリアセトキシフルオロシラン)を用いて疎水化表面処理を施したシリカ(不揮発分:100質量%)
(a)−5:MP−2040(日産化学工業(株)製、コロイダルシリカ、平均一次粒子径:200nm)に対して、常法に従い、HMDS3(信越化学工業(株)製、ヘキサメチルジシラザン)を用いて疎水化表面処理を施したシリカ(不揮発分:100質量%)
(a)−6:sicastar43−00−602(コアフロント(株)製、平均一次粒子径:600nm)に対して、常法に従い、HMDS3(信越化学工業(株)製、ヘキサメチルジシラザン)を用いて疎水化表面処理を施したシリカ(不揮発分:100質量%)。
<樹脂組成物(b)>
(b)−1:SH8011(東レ・ダウコーニング(株)製、シリコーン樹脂溶液、不揮発分:50質量%)
(b)−2:タマノル100S(荒川化学工業(株)製、アルキルフェノール樹脂、不揮発分:100質量%)
(b)−3:ペンセルD−125(荒川化学工業(株)製、ロジンエステル系樹脂、不揮発分:100質量%)。
(実施例1)
微粒子(A)−1(0.01質量部)、樹脂液(B)−1(26.64質量部、不揮発分:9.99質量部)、イソプロピルアルコール(45質量部)、イオン交換水(28.35質量部)を予備混合した後、ホモミキサー(製品名「T.K.HOMODISPER」、特殊機化工業(株)製)を用いて10分間攪拌し、不揮発分が10.0質量%である白色液状の下地膜形成用組成物を得た。得られた下地膜形成用組成物において、微粒子(A)−1の平均粒子径は4μmであった。次いで、微粒子(a)−1(1質量部)、樹脂液(b)−1(1.0質量部、不揮発分:0.5質量部)、イソプロピルアルコール(98質量部)を予備混合した後、超音波ホモジナイザー(製品名「US−600T」、(株)日本精機製作所製)を用いて微粒子化処理を1分間行い、不揮発分が1.5質量%である半透明液状の仕上げ膜形成用組成物を得た。
表面をアセトンで洗浄して残留物を除去した市販のガラス板(12cm×12cm)の一方の面上に、前記下地膜形成用組成物をオートフィルムアプリケーター(製品名「PI−1210」、テスター産業(株)製)を用いて、コーティング膜形成後の下地膜における微粒子(A)−1と樹脂液(B)−1の不揮発分との単位面積当たりの総担持量が40g/mとなるように塗布し、105℃において10分間乾燥させ、下地膜を形成させた。次いで、得られた下地膜の前記ガラス板とは反対の面上に、前記仕上げ膜形成用組成物をトリガースプレー(製品名「TS800−1」、椿本興業(株)製)を用いて、コーティング膜形成後の仕上げ膜における微粒子(a)−1と樹脂液(b)−1の不揮発分との単位面積当たりの総担持量が0.15g/mとなるように塗布し、室温(20〜25℃)において20分間乾燥させて仕上げ膜を形成させ、前記下地膜上に前記仕上げ膜が形成されたコーティング膜を得た。得られたコーティング膜について水接触角及び水滴転落角の測定、霜溶解水滴の転落性評価を行った結果を下地膜及び仕上げ膜の組成と共に表1に示す。
(実施例2〜32、比較例1〜6、9、10)
下地膜及び仕上げ膜の組成をそれぞれ表1〜8に記載の組み合わせに代えたこと以外は、実施例1と同様にして、コーティング膜をそれぞれ得た。得られた下地膜形成用組成物における微粒子(A)の平均粒子径、並びに、得られたコーティング膜について水接触角及び水滴転落角の測定、霜溶解水滴の転落性評価を行った結果を各下地膜及び仕上げ膜の組成と共に表1〜8にそれぞれ示す。なお、樹脂組成物(B)又は樹脂組成物(b)として樹脂液を用いた場合には、表1〜8に記載の各樹脂組成物の質量はそれぞれ各樹脂液の不揮発分の質量を示す。
(比較例7)
先ず、樹脂液(B)−1を用いなかったこと以外は実施例4と同様にして、下地膜形成用組成物を得た。また、実施例4と同様にして、仕上げ膜形成用組成物を得た。次いで、得られた下地膜形成用組成物及び仕上げ膜形成用組成物をホモミキサー(製品名「T.K.HOMODISPER」、特殊機化工業(株)製)を用いて10分間攪拌し、得られた混合物を、表面をアセトンで洗浄して残留物を除去した市販のガラス板(12cm×12cm)の一方の面上に、オートフィルムアプリケーター(製品名「PI−1210」、テスター産業(株)製)を用いて塗布し、105℃において10分間乾燥させて1層構造のコーティング膜を得た。得られた下地膜形成用組成物における微粒子(A)−1の平均粒子径、並びに、得られたコーティング膜について水接触角及び水滴転落角の測定、霜溶解水滴の転落性評価を行った結果を下地膜形成用組成物及び仕上げ膜形成用組成物の組成と共に表8に示す。
(比較例8)
下地膜形成用組成物及び仕上げ膜形成用組成物の組成をそれぞれ表8に記載の組み合わせに代えたこと以外は、比較例7と同様にしてコーティング膜を得た。得られた下地膜形成用組成物における微粒子(A)−1の平均粒子径、並びに、得られたコーティング膜について水接触角及び水滴転落角の測定、霜溶解水滴の転落性評価を行った結果を下地膜形成用組成物及び仕上げ膜形成用組成物の組成と共に表8に示す。
Figure 2013123660
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表1〜6に示した結果から明らかなように、本発明の製造方法によって得られたコーティング膜は、いずれも撥水性及び霜溶解水滴の転落性が優れており、本発明の製造方法により、優れた防霜性、防氷性、防雪性を有する撥水性コーティング膜を基材表面に形成することが可能であることが確認された。他方、表7〜8に示した結果から明らかなように、下地膜単独の場合、仕上げ膜単独の場合、各微粒子の平均粒子径が本発明に係る該範囲から外れる場合、本発明に係る炭素質微粒子を用いない場合、あるいは1液型の製造方法により得られたコーティング膜である場合には、ある程度優れた撥水性が発揮される場合もあるものの、霜溶解水滴の転落性はいずれも劣っており、本発明の効果は奏されないことが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、様々な表面構造を有する様々な材質の基材表面に、優れた防霜性、防氷性、防雪性を有する撥水性コーティング膜を形成することが可能な撥水性コーティング膜の製造方法、及び、それに用いる下地膜形成用組成物を提供することが可能となる。よって、このような本発明の製造方法により得られた撥水性コーティング膜及びこれを備える機能性材料は、冷凍設備、送電設備、通信設備、道路周辺設備等に特に好適に使用することが可能であり、非常に有用である。

Claims (6)

  1. 平均粒子径が1〜1000μmの炭素質微粒子(A)、バインダー樹脂組成物(B)及び揮発性溶媒(C)を含有する下地膜形成用組成物を、基材の少なくとも一方の面上に塗布して下地膜を形成する第一の工程と、
    平均一次粒子径が5〜500nmの疎水性微粒子(a)、バインダー樹脂組成物(b)及び揮発性溶媒(c)を含有する仕上げ膜形成用組成物を、前記下地膜の前記基材と反対側の面上に塗布した後に乾燥させて撥水性仕上げ膜を形成する第二の工程と、
    を含むことを特徴とする撥水性コーティング膜の製造方法。
  2. 前記炭素質微粒子(A)が、活性炭、カーボンブラック、黒鉛粒子、カーボンナノ粒子及び煤からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の撥水性コーティング膜の製造方法。
  3. 前記疎水性微粒子(a)が、オルガノシロキサン骨格を導入した疎水性シリカ化合物からなる微粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撥水性コーティング膜の製造方法。
  4. 前記下地膜における炭素質微粒子(A)とバインダー樹脂組成物(B)との単位面積当たりの総担持量(I)が0.05〜80g/mであり、
    前記撥水性仕上げ膜における疎水性微粒子(a)とバインダー樹脂組成物(b)との単位面積当たりの総担持量(II)が0.005〜5g/mであること、
    を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の撥水性コーティング膜の製造方法。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の撥水性コーティング膜の製造方法に用いる下地膜形成用組成物であって、
    平均粒子径が1〜1000μmの炭素質微粒子(A)、バインダー樹脂組成物(B)及び揮発性溶媒(C)を含有することを特徴とする下地膜形成用組成物。
  6. 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の撥水性コーティング膜の製造方法により得られる撥水性コーティング膜を備えることを特徴とする機能性材料。
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