JP2006050689A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スイッチング周波数制御により二次側直流出力電圧についての安定化を図るスイッチング電源回路において、スイッチング周波数制御の必要制御範囲の縮小化を図り、ワイドレンジ対応の構成を実現する。また、クロスレギュレーションの改善を図る。
【解決手段】 絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1と一次側直列共振コンデンサC1のキャパシタンスとによる一次側直列共振回路と共に、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側直列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによる二次側直列共振回路を形成する。その上で、二次側直列共振回路の共振周波数を一次側直列共振回路の共振周波数よりも低く設定する。また、絶縁コンバータトランスPITの二次側において、三次巻線N3を二次巻線N2の上部側に巻装して、三次巻線N3を二次巻線N2が相互に逆極性となるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器の電源として備えられるスイッチング電源回路に関する。
特開2003−235259号公報
先に本出願人は、一次側に共振形コンバータを備えた電源回路を各種提案している。
図9は、先に本出願人により出願された発明に基づいて構成される、共振形コンバータを備えたスイッチング電源回路の一例を示す回路図である。
この図9に示される電源回路は、他励式による電流共振形のスイッチングコンバータを備えた構成を採る。この場合のスイッチングコンバータとしては、ハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して、半導体スイッチ(スイッチング素子)のターンオフ時にのみ電圧共振する部分電圧共振回路を組み合わせた構成を採る。
そして、この図に示されるスイッチング電源回路は、複数系統の二次側直流出力電圧を出力する仕様とされ、これに応じて、絶縁コンバータトランスの二次側に対しては図のように複数の二次側巻線を巻装するものとされている。
先ず、図9に示す電源回路においては、商用交流電源ACに対して2組のフィルタコンデンサCL、CL及び1組のコモンモードチョークコイルCMCから成るコモンモードノイズフィルタが接続されている。
そして、商用交流電源ACから直流入力電圧を生成する整流平滑回路としては、上記コモンモードノイズフィルタの後段に対して、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiとから成る全波整流回路が備えられる。
ブリッジ整流回路Diの全波整流動作により得られた整流出力は、平滑コンデンサCiに充電され、これによって平滑コンデンサCiの両端には、交流入力電圧VACの等倍のレベルに対応する整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)が得られることになる。
上記直流入力電圧を入力してスイッチングする電流共振形コンバータとしては、図示するようにして、MOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続している。スイッチング素子Q1,Q2の各ドレイン−ソース間に対しては、図示する方向により、それぞれボディダイオードによるダンパーダイオードDD1,DD2が並列に接続される。
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対しては、部分共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1によっては、並列共振回路(部分電圧共振回路)が形成される。そして、これによりスイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
この電源回路においては、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するために、例えば汎用のICによる発振・ドライブ回路2が設けられる。この発振・ドライブ回路2は、発振回路、駆動回路を有して、所要の周波数によるドライブ信号(ゲート電圧)をスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに対して印加する。これにより、スイッチング素子Q1,Q2は、所要のスイッチング周波数により交互にオン/オフするようにしてスイッチング動作を行う。
絶縁コンバータトランスPIT (Power Isolation Transformer)は、スイッチング素子Q1 、Q2 のスイッチング出力を二次側に伝送する。
この絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1 の一端は、スイッチング素子Q1 のソースとスイッチング素子Q2 のドレインの接続点(スイッチング出力点)に接続されることで、スイッチング出力が得られるようにされる。
また、一次巻線N1 の他端は、図示するように一次側アースに接続されている。
この場合、直列共振コンデンサC1 及び一次巻線N1 は直列に接続されているが、この直列共振コンデンサC1 のキャパシタンス、及び絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1(直列共振巻線)の漏洩インダクタンス(リーケージインダクタンス)L1により、スイッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一次側直列共振回路を形成している。
上記説明によると、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、一次側直列共振回路(L1−C1)による電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振回路(Cp//L1)とによる部分電圧共振動作とが得られることになる。
つまり、この図に示す電源回路は、一次側スイッチングコンバータを共振形とするための共振回路に対して、他の共振回路が組み合わされた形式を採っていることになる。ここでは、このようなスイッチングコンバータについて複合共振形コンバータということにする。
ここで、上記した絶縁コンバータトランスPITの構造としては、図10に示すようにして、例えばフェライト材による2つのE型コアCR1とE型コアCR2とを組み合わせたEE型コアを備える。そして、図示するボビンBにより一次側と二次側とで巻装部位を分割したうえで、一次側には一次巻線N1、また二次側には後述する二次巻線N2と三次巻線N3がそれぞれEE型コアの中央磁脚に対して巻装されるようにしている。
また、この場合、絶縁コンバータトランスPITのEE型コアの中央磁脚に対しては1.5mm以下のギャップGを形成するようにしている。これによって、一次巻線N1と二次巻線N2との結合係数k(1)としては、0.75以上となるようにしている。
さらに、この場合の絶縁コンバータトランスPITの二次側において、上記二次巻線N2と上記三次巻線N3とは、先ず三次巻線N3が中央磁脚に対して巻装された上で、この三次巻線N3の上部に対して二次巻線N2が巻装されている。
これによって、この場合の二次巻線N2と三次巻線N3の間の結合係数k(2)としては、0.98程度の密結合とみなしてよい値が得られている。
なお、図9の回路において、上記一次巻線N1としては、その巻数を35T(ターン)に設定している。また、二次巻線N2については50T、三次巻線N3は12T(三次巻線N3A+三次巻線N3B=6T+6T=12T)を設定している。
上記のようにして絶縁コンバータトランスPITの二次側に巻装される二次巻線N2に対しては、図9に示すようにして、整流ダイオードD1〜D4によるブリッジ整流回路と、二次側平滑コンデンサCo1とによる全波整流回路が備えられる。
これにより、二次側平滑コンデンサCo1の両端電圧として二次側直流出力電圧Eo1が得られる。この二次側直流出力電圧Eo1は、図示しない負荷側に供給されるとともに、制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
制御回路1は、二次側直流出力電圧Eo1の変動に対応したレベルの制御信号を発振・ドライブ回路2に出力する。発振・ドライブ回路2では制御回路1から供給された制御信号に基づいて、発振・ドライブ回路2からスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに供給するスイッチング駆動信号の周波数を変化させて、スイッチング周波数を可変するようにしている。このように、二次側直流出力電圧Eo1のレベルに応じてスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変制御されることで、一次側直列共振回路の共振インピーダンスが変化して一次側直列共振回路を形成する一次巻線N1から二次側に伝送されるエネルギーも可変され、二次側直流出力電圧Eo1のレベルも可変制御される。これにより、二次側直流出力電圧Eo1の定電圧制御が図られることになる。
なお、以降では、このようにスイッチング周波数を可変制御することによって直流安定化を図る定電圧制御方式を「スイッチング周波数制御方式」ということにする。
また、絶縁コンバータトランスPITにおいて、上記した三次巻線N3に対しては、図示するようにセンタータップが施され、三次巻線N3Aと三次巻線N3Bとに分割される。
その上で、上記三次巻線N3に対しては、図示するように整流ダイオードD5、整流ダイオードD6、及び二次側平滑コンデンサCo2Aによる両波整流回路が備えられる。これにより、上記二次側平滑コンデンサCo2Aの両端電圧として、上記三次巻線N3A、三次巻線N3Bに励起される交番電圧に応じた整流平滑電圧(直流電圧)E2が生成される。
そして、この場合においては、上記直流電圧E2について安定化を図るための構成として、図示するようにシリーズレギュレータSRが備えられる。このシリーズレギュレータSRでは、上記直流電圧E2を入力し、その入力レベルに応じて内部に備えられた抵抗素子の抵抗値を可変するようにして、図示する二次側平滑コンデンサCo2Bに充電すべき電流レベルを制御する。
これによって、二次側平滑コンデンサCo2Bの両端電圧として得られる二次側直流出力電圧Eo2としては、所定レベルで安定化されたものが得られる。
この二次側直流出力電圧Eo2は、上記した二次側直流出力電圧Eo1よりも低いレベルの出力として、図示されない負荷側に供給される。
ちなみに、先に説明した三次巻線N3=12T(6T+6T)の設定により、この場合は二次側直流出力電圧Eo1の負荷側の負荷電力Poが125Wで、且つ二次側直流出力電圧Eo1=135V時に、上記直流電圧E2としては15Vが得られるようにされている。
そして、シリーズレギュレータSRでは、上記直流電圧E2を入力して、二次側直流出力電圧Eo2=12Vとなるように安定化を行うようにされている。
ここで、図11により、主として、上記三次巻線N3側に形成されて二次側直流出力電圧Eo2を生成する両波整流回路の動作波形を示す。
図11における左側は、メイン出力である二次側直流出力電圧Eo1の負荷電力Po=155W(最大負荷電力)時の動作波形を示し、右側は、二次側直流出力電圧Eo1の負荷電力Po=25W時の動作波形を示している。なお、これらの図では、交流入力電圧VAC=100Vで一定とした場合の実験結果を示している。
また、これらの図に示す実験結果を得るにあたっては、図9に示した回路の各部を以下のように選定した。
・絶縁コンバータトランスPIT
EER−35型フェライト磁芯、ギャップ長=1.4mm、結合係数k(1)=0.75、
一次巻線N1=35T、二次巻線N2=50T、三次巻線N3=三次巻線N3A+三次巻線N3B=6T+6T=12T
・一次側直列共振コンデンサC1=0.039μF
・部分共振コンデンサCp=330pF
先ず、図11において、矩形波状の電圧V1は、スイッチング素子Q2の両端電圧であり、スイッチング素子Q2のオン/オフタイミングを示す。つまり、この電圧V1の周期により一次側のスイッチング動作のスイッチング周期が示される。この電圧V1のピークレベルは、図示するように整流平滑電圧Eiのレベルでクランプされるものとなる。
なお、これらの図に示した電圧V1の波形を比較してわかるように、この場合は、二次側直流出力電圧Eo1が軽負荷の条件(Eo1:Po=25W時)よりも、重負荷の条件(Eo1:Po=155W時)の方が一次側のスイッチング周波数が低くなるように制御されていることがわかる。すなわち、重負荷となって二次側直流出力電圧Eo1のレベルが低下する場合には、スイッチング周波数を低くし、また軽負荷となって二次側直流出力電圧Eo1のレベルが上昇する場合にはスイッチング周波数を高くするようにして安定化制御が行われている。
このことからも、スイッチング周波数を可変制御して二次側直流出力電圧Eo1についての安定化を図る、スイッチング周波数制御方式による定電圧制御動作が得られていることが理解できる。
そして、上記した三次巻線N3側の両波整流平滑回路において、三次巻線N3Aに励起される交番電圧V3としては、図示するように上記電圧V1に応じた周期による矩形波状の波形が得られる。また、図示は省略したが、他方の三次巻線N3B側に得られる交番電圧としては、この交番電圧V3の位相が180°シフトされた波形として得られる。
この交番電圧V3は、図のように二次側平滑コンデンサCo2Aの両端電圧である直流出力電圧E2の絶対値レベルでクランプされるようにして、1周期ごとに正/負で反転する波形となる。
上記した波形による交番電圧が三次巻線N3A、三次巻線N3Bに得られることで、三次巻線N3に対して設けられた両波整流回路においては、整流ダイオードD5、整流ダイオードD6が交互に導通して整流電流を流すように動作する。
つまり、上記した交番電圧V3が正極性となる半周期には、整流ダイオードD5が導通して整流電流I1を流す。また、上記した交番電圧V3が負極性となる(三次巻線N3Bに生じる交番電圧が正極性となる)半周期には、整流ダイオードD6が導通して整流電流I2を流す。
また、三次巻線N3のセンタータップと二次側アースとの間のラインに得られる整流出力電流I3としては、図示するように上記整流電流I1、I2が合成された波形として得られる。
なお、負荷電力Po=155W時の条件では、上記整流電流I1、整流電流I2のピークレベルとしては、図のように5Apが得られた。
また、図12には、図9に示した電源回路の特性図として、二次側直流出力電圧Eo1の負荷電力Poの変動に対するスイッチング周波数fs及び直流電圧E2の変動特性について示している。
なお、この図では、交流入力電圧VAC=100Vで一定とした場合において、二次側直流出力電圧Eo1の負荷電力Po=125W〜0Wの変動に対する結果を示している。
また、図12においては、各特性について、二次側直流出力電圧Eo2の負荷側の負荷電力Po2=0W時と、負荷電力Po2=30W時での実験結果も示している。
図12において、図9に示した回路におけるスイッチング周波数fsとしては、図示するように負荷電力Po2=0W時、Po2=30W時で共に、負荷電力Poが軽くなっていくのに伴って上昇している。このことによっても、上述したように負荷電力Poが軽くなるのに応じた二次側直流出力電圧Eo1の上昇に応じては、スイッチング周波数を上昇させていくことで二次側直流出力電圧Eo1を低下させるという制御傾向により、定電圧制御を行っていることが理解できる。
また、直流電圧E2は、同じ負荷電力Poの変動に対して負荷電力Po2=0W時とPo2=30W時で共に同様の変化を示すが、同じ負荷電力Poの条件に対しては、負荷電力Po2=0W時の方が高いレベルが得られている。つまり、直流電圧E2としては、二次側直流出力電圧Eo1の負荷電力を固定とした条件では、自身が対応する負荷電力Po2について軽負荷の条件となるのに従って、レベルが上昇する。
上述した図9の電源回路のように、一次側に電流共振形コンバータと部分電圧共振回路とを組み合わせた複合共振形コンバータの構成は、比較的高いAC→DC電力変換効率と低ノイズの特徴を有しており、近年の電子機器に採用されるスイッチング電源システムの多くに適用されている。
しかしながら、このような共振形コンバータの構成を採る場合では、先に説明したようなスイッチング周波数制御方式による定電圧制御動作に伴うスイッチング周波数の可変制御範囲が、比較的広範囲となる傾向にある。特に、電子機器においては、最大負荷から無負荷まで広範に負荷が変動するものがあり、これに対応するとした場合にはスイッチング周波数の可変制御範囲は大幅に拡大されることになる。
このことについて、図13を参照して説明する。図13は、図9に示した電源回路における二次側直流出力電圧Eo1についての定電圧制御特性を、スイッチング周波数fsと二次側直流出力電圧Eo1のレベルとの関係により例示的に示している。
この図において、電位ETGは、定電圧制御により得るべき二次側直流出力電圧Eo1のレベルの目標値を示している。
なお、これまでの定電圧制御に関する説明からも分かるように、図9の電源回路では、スイッチング周波数制御方式として、一次側直列共振回路の共振周波数foよりも高い周波数範囲でスイッチング周波数を可変制御し、これにより生じる共振インピーダンスの変化を利用するようにされた、いわゆるアッパーサイド制御を採用している。
ここで、一般的なこととして、直列共振回路は、共振周波数foで最も共振インピーダンスが小さくなる。これにより、二次側直流出力電圧Eoとスイッチング周波数fsの関係として、二次側直流出力電圧Eo1のレベルは、スイッチング周波数fsが共振周波数foに近づいていくほど上昇し、共振周波数foから離れていくのに従って低下していくものとなる。
従って、図13に示すようにして、二次側直流出力電圧Eo1は、スイッチング周波数fsが一次側直列共振回路の共振周波数fo1と同じときにピークとなって、この共振周波数fo1から離れるのに応じてレベルが低下する二次曲線的な変化を示す。また、同じスイッチング周波数fsに対応する二次側直流出力電圧Eo1のレベルは、最小負荷電力Pomin時よりも最大負荷電力Pomax時のほうが、所定分低下するようにしてシフトする特性が得られる。つまり、スイッチング周波数fsを固定として考えると、重負荷の条件となるのに従って二次側直流出力電圧Eo1のレベルは低下する。
そして、このような特性のもとで、アッパーサイド制御により二次側直流出力電圧Eo1を図示する電位ETGにより安定化しようとした場合、図9に示した電源回路において必要となるスイッチング周波数の可変範囲(必要制御範囲)は、Δfsとして示される範囲となる。
すなわち、最大負荷時のEo1の曲線が電位ETGとなるa点におけるスイッチング周波数fsから、無負荷時のEo1の曲線が電位ETGとなるb点におけるスイッチング周波数fsまでの、図示するΔfsの範囲でスイッチング周波数を可変制御する必要があるものである。
この際、二次側直流出力電圧Eo1のレベルは、当然のことながら交流入力電圧VACのレベルが変化することによっても変動する。すなわち、二次側直流出力電圧Eo1のレベルは、交流入力電圧VACのレベル低下に応じて低下する。
このことを考慮すると、二次側直流出力電圧Eo1のレベルは、実際には上記のように負荷電力Po=155Wの最大負荷となり、且つ交流入力電圧VACが、例えば定格範囲で最低となった場合に最も低下することとなる。逆に、二次側直流出力電圧Eo1のレベルは、負荷電力Po=0Wの無負荷時で、且つ交流入力電圧VACが定格範囲で最高となった場合に最も上昇することとなる。
例えば、AC100V系として想定される交流入力電圧VACが、85V〜120Vであったとすると、二次側直流出力電圧Eo1のレベルは負荷電力Po=155W、交流入力電圧VAC=85V時に最も低下し、また、負荷電力Po=0W、交流入力電圧VAC=120V時に最も上昇することになる。
そして、実験によれば、図9の回路におけるスイッチング周波数fsは、負荷電力Po=155W、交流入力電圧VAC=85V時に80kHz程度、負荷電力Po=0W、交流入力電圧VAC=120V時に200kHz以上となる結果が得られた。
つまり、図9に示す回路の実際の必要制御範囲としては、Δfs=80kHz〜200kHz以上となるものである。
なお、このように比較的広範囲によるスイッチング周波数制御が必要となるのは、先の図12におけるスイッチング周波数fsの特性に示したように、図9の回路の場合では、負荷電力Po=25W未満での軽負荷時にスイッチング周波数が急峻に上昇してしまうこともその理由の1つとして挙げることができる。つまり、図12に示すようにPo=25Wから無負荷(Po=0W)にかけて、スイッチング周波数fsが数十kHz程度から200kHz程度にまで急峻に上昇してしまうことが、このような必要制御範囲の拡大の一因となっているものである。
このようにして、図9に示したような複合共振形コンバータとしての構成を採るスイッチング電源回路においては、二次側直流出力電圧Eo1のレベルを所定レベルで安定化するために、スイッチング周波数の必要制御範囲が広範囲となる傾向にある。
そして、このようにスイッチング周波数の制御範囲が広範となることによる1つの問題点としては、AC100V系とAC200V系とに対応して動作するワイドレンジ対応の構成が非常に困難となることを挙げることができる。
つまり、AC100系からAC200V系までのワイドレンジでの交流入力電圧の変動に対応しては、例えばAC100系のみ、あるいはAC200V系のみの単レンジでの変動に対応する場合より、二次側直流出力電圧Eo1のレベル変動も大きくなる。そして、このように広い二次側直流出力電圧Eo1のレベル変動に対応して定電圧制御動作を行うためには、より広範囲なスイッチング周波数制御範囲が必要となってしまう。例えば、図9に示した回路では、およそ80kHz〜500kHz程度といったさらに広範な制御範囲が必要となるものである。
しかしながら、現状におけるスイッチング素子を駆動するためのIC(発振・ドライブ回路2)としては、対応可能な駆動周波数の上限は200kHz程度が限界である。また、仮に上記のような高い周波数での駆動が可能となるICが開発された場合にも、スイッチング素子が高周波駆動されることによっては電力変換効率が著しく低下し、電源回路として実用することは実質的に不可能となる。
これらのことから、複合共振形コンバータを備えるスイッチング電源回路では、スイッチング周波数制御のみによるワイドレンジ対応の動作の実現が非常に困難なものとされていた。
そこで、このような事情から共振形コンバータを備えたスイッチング電源回路においては、ワイドレンジ対応の動作を実現するとした場合に、例えば以下のような構成を採るようにされていた。
つまり、例えば一次側スイッチングコンバータの構成をハーフブリッジ/フルブリッジで切り換える構成や、商用交流電源ACについての整流動作を行う整流回路の動作を、全波整流/倍電圧整流で切り換える構成等を採るようにされていた。
具体的には、AC100V系の入力に応じて倍電圧整流動作への切り換えを行い、AC200V系の入力に応じては全波整流動作への切り換えを行うように構成する。或いは、AC100V系/200V系の入力に応じてハーフブリッジ/フルブリッジの切り換えを行うように構成するといったものである。
しかしながら、このようにAC100V系とAC200V系とで回路構成の切り換えを行う場合には、以下のような問題点が生じる。
例えば、このような商用交流電源レベルに応じた切り換えには、入力電圧についての閾値(例えば150V)を設定し、これを上回った場合はAC200V系、下回った場合はAC100V系に対応した回路切換を行うようにされるが、単純にこのような切り換えのみを行っていたのでは、例えばAC200V系の入力時の瞬間停電等による一時的な交流入力電圧の低下に対しても、AC100系に対応した切り換えが行われてしまうおそれがある。つまり、例えば整流動作の切り換え構成を例に挙げれば、AC200V系の入力であるにも関わらず、AC100V系であるとして倍電圧整流回路に切り換えられてしまい、これによってスイッチング素子Q1,Q2などが耐圧オーバーとなって破壊される可能性があるものである。
そこで、実際には、上記のような誤動作が生じないようにするために、メインとなるスイッチングコンバータの直流入力電圧だけではなく、スタンバイ電源側のコンバータ回路の直流入力電圧も検出する構成を採るようにされる。
しかしながら、このようにしてスタンバイ電源側のコンバータ回路を検出するということは、基準電圧と入力電圧との比較を行うための例えばコンパレータIC等を実装することになるが、これにより部品点数が増加して、回路製造コストの増加、及び回路基板サイズの大型化が助長されてしまうことになる。
また、このように誤動作防止を目的としてスタンバイ電源側のコンバータの直流入力電圧を検出するということは、メイン電源の他にスタンバイ電源を備える電子機器でなければ、実際に使用することができないということになる。つまり、電源を実装可能な電子機器の種類が、スタンバイ電源を備えたものに限定されるわけであり、それだけ利用範囲が狭くなっているという問題も生じる。
また、ハーフブリッジ/フルブリッジの切り換えを行う構成では、フルブリッジ構成を可能とするためにスイッチング素子を少なくとも4つ備える必要がある。つまり、切り換えが不要であればハーフブリッジによりスイッチング素子が2つで済むものを、この場合はさらに2つ追加しなくてはならない。
また、整流動作の切換を行う構成としても、倍電圧整流動作を得るために平滑コンデンサCiを2本備えるようにしなければならない。つまり全波整流のみとする構成と比較して、平滑コンデンサCiを1本追加しなければならなくなる。
これらの点でも、上記したような回路切換を伴うワイドレンジ対応の構成では、回路製造コストの増加、及び電源回路基板の大型化を招く。特に、整流動作切り換えの構成において、平滑コンデンサCi等は電源回路を構成する部品のうちでも大型の部類に入ることから、このような基板サイズの大型化はさらに助長される。
また、先に説明したようにしてスイッチング周波数の制御範囲が広範となることによるもう1つの問題点としては、二次側直流出力電圧Eo1についての安定化の高速応答特性が低下してしまうということが挙げられる。
特に、先にも述べたように近年の電子機器では、例えば各種駆動部のオン/オフ等に応じて必要負荷電力が最大負荷と無負荷とで比較的高速にスイッチングすることがある。つまり、これに応じて電源回路側としても、このように高速且つ広範に変動する負荷電力に応じて、二次側直流出力電圧Eo1の定電圧制御を行う必要がある。
しかしながら、上述のようにスイッチング周波数制御範囲が広範であると、このように最大値と最小値とで変化する負荷に対応して定電圧制御に必要な周波数へと変化させるまでに、その分多くの時間を要してしまうことになる。つまり、定電圧制御の応答性が鈍くなる。そして、このような定電圧制御の応答性の遅れにより、二次側直流出力電圧Eo1レベルの変動が助長され、結果的に二次側直流出力電圧Eo1の変動値の拡大を招くことになる。
また、さらに図9に示した電源回路では、二次側の出力電圧として複数系統を出力するように構成されるが、このような構成では、スイッチング周波数制御方式による定電圧化が図られる以外の出力電圧の生成系において、電圧変動が生じてしまうことが知られている。いわゆるクロスレギュレーションである。
つまり、例えば図9の回路において、二次側直流出力電圧Eo1の変動に応じて、この二次側直流出力電圧Eo1を安定化するためにスイッチング周波数が可変されて、二次側への電力伝送量が変化することで、二次巻線N2と同じく絶縁コンバータトランスPITに巻装された三次巻線N3においても、伝送される電力量に変化が生じる。これによって三次巻線N3の系において生成される直流電圧E2のレベルが変動するものである。
このことは、先に図12に示しように、二次側直流出力電圧Eo1の負荷電力Poの変動に対して、直流電圧E2のレベルが変動していることによっても示されている。特にこの場合は、先に述べた軽負荷時におけるスイッチング周波数の急峻な上昇に応じて、直流電圧E2のレベルが大きく変動していることがわかる。
なお、実験によると、図9の回路におけるクロスレギュレーション特性としては、負荷電力Po=125W〜0W、負荷電力Po2=30W〜0Wの変動に対し、直流電圧E2が16.5V〜13.8Vの範囲で変動するものとなった。従って、この場合の直流電圧E2の変動幅ΔE2としては、ΔE2=2.7Vとなる。
このようにして、いわゆるクロスレギュレーションにより直流電圧E2のレベルが変動してしまうことによっては、その分、この直流電圧E2の安定化のために備えられたシリーズレギュレータSRにおける電力損失も増大することになる。
つまり、上記もしたようにシリーズレギュレータSRでは、直流電圧E2のレベルの安定化を抵抗素子を用いて行うようにされるため、直流電圧E2のレベルを低下させる制御のみが可能とされる。このことから、上記のようなクロスレギュレーションにより直流電圧E2のレベルが変動する場合に対応しては、その変動幅における最小値側がシリーズレギュレータSRにて安定化可能な所定値を下回らないように、直流電圧E2の生成レベルを設定する必要がある。
このようにして直流電圧E2の生成レベルが設定されることから、直流電圧E2の変動幅が大きくなるということは、その分、E2の最大値側の値が大きくなるということになる。従って、このように直流電圧E2の変動幅が大きくなることによっては、その分、シリーズレギュレータSRにて生じうる最大の電力損失の値も増大することになるものである。
なお、図9の回路の場合では、負荷電力Po=125W、負荷電力Po2=30W時に直流電圧E2=16.5Vで最大となる結果が得られている。これに対して、シリーズレギュレータSRは直流電圧E2を入力して12Vで安定化した二次側直流出力電圧Eo2を出力するように動作する。
実験によると、上記のようにして直流電圧E2が最大値16.5Vとなるときに対応する、シリーズレギュレータSRにおける最大電力損失は6.5Wとなる。そして、この電力損失分を含んだ場合における電源回路全体での総合的な電力変換効率としては、最大で4%程度低下するという結果が得られている。
そこで本発明は上記した課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のように構成する。
つまり、直流入力電圧を入力してスイッチングを行うスイッチング素子を備えて形成したスイッチング手段と、スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段を備える。
また、少なくとも、スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線を一次側に巻装し、この一次巻線に得られたスイッチング出力により交番電圧が誘起される二次巻線と三次巻線とを二次側に巻装して形成され、三次巻線は二次巻線に対して上部側となる位置に巻装される絶縁コンバータトランスを備える。
また、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路を備える。
少なくとも、絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と、二次巻線に直列接続される第1の二次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、一次側直列共振回路に設定される第1の共振周波数よりも低い所定の第2の共振周波数が設定される第1の二次側直列共振回路を備える。
また、第1の二次側直列共振回路に得られる共振出力を入力して倍電圧半波整流動作を行って、第1の二次側直流出力電圧を生成する第1の二次側直流出力電圧生成手段と、第1の二次側直流出力電圧のレベルに応じてスイッチング駆動手段を制御して、スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、第1の二次側直流出力電圧についての定電圧制御を行う定電圧制御手段を備える。
また、二次巻線とは逆極性となるようにされた三次巻線に誘起される交番電圧を入力して半波整流動作を行って、第2の二次側直流出力電圧を生成する第2の二次側直流出力電圧生成手段とを備えて構成することとした。
上記構成によるスイッチング電源回路では、一次側のスイッチング動作を電流共振形とする一次側直列共振回路が形成されたスイッチングコンバータの構成を採った上で、二次側に対しても直列共振回路を形成するものとしている。その上で、このように二次側に形成された二次側直列共振回路の第2の共振周波数を、一次側直列共振回路の第1の共振周波数よりも低い所定の値に設定するものとしている。
二次側に対しても直列共振回路を形成したことで、この場合の第1の二次側直流出力電圧のレベルは、或るスイッチング周波数の設定に対し、一次側直列共振回路の第1の共振周波数との関係だけでなく、二次側の直列共振回路の第2の共振周波数との関係によっても変化させることができる。
そしてこの際、上記のようにして第2の共振周波数を第1の共振周波数よりも低い所定の値とすることで、一次側にのみ直列共振回路を形成した場合よりも、スイッチング周波数の必要制御範囲を縮小することができる。
また、本発明では、絶縁コンバータトランスの二次側において、スイッチング周波数可変制御により安定化が行われる上記第1の二次側直流出力電圧を生成する第1の二次側直流出力電圧生成手段と共に、第2の二次側直流出力電圧を生成する第2の二次側直流出力電圧生成手段を備えるものとしている。第1の二次側直流出力電圧生成手段は二次巻線側に対して設けられ、第2の二次側直流出力電圧生成手段は三次巻線側に対して設けられる。そして、絶縁コンバータトランスに対して二次巻線と三次巻線を巻装するのにあたっては、二次巻線の上部側に三次巻線を巻装するようにしたうえで、さらに二次巻線に対して三次巻線が逆極性となるようにされている。
本発明による第1の二次側直流出力電圧生成手段は倍電圧半波整流動作を行い、第2の二次側直流出力電圧生成手段は通常の半波整流動作を行うようにされるが、上記のようにして、二次巻線の上部側に三次巻線を巻装し、二次巻線に対して三次巻線が逆極性とされていることで、第1の二次側直流出力電圧生成手段において第1の二次側直流出力電圧を両端電圧として得る平滑コンデンサに充電する半波の期間と、第2の二次側直流出力電圧生成手段において第2の二次側直流出力電圧を両端電圧として得る平滑コンデンサに充電する半波の期間とを、相互に異なるものとすることができる。これにより、第2の二次側直流出力電圧を両端電圧として得る平滑コンデンサに充電するときの充電電流について、第1の二次側直流出力電圧の負荷電力の影響による変動を抑制することが可能になる。
このようにして本発明によれば、定電圧制御に必要なスイッチング周波数の可変制御範囲(必要制御範囲)を従来よりも縮小できるので、スイッチング周波数制御のみによるワイドレンジ対応の構成の実現をより容易にできる。
そして、スイッチング周波数制御によるワイドレンジ対応の構成が実現できることで、従来のような商用交流電源の定格レベルに応じた回路切換を伴う構成を採る必要はなくなる。
このように回路切換のための構成が不要となれば、その分回路構成部品の削減及び基板面積の削減が図られる。
また、回路切換の構成が不要となれば、切り換えによる誤動作防止のために特別な構成を備えるような必要もなくなり、このための構成部品の増加とコストアップが抑制されると同時に、電源回路の適用範囲を広げることができる。
また、このような本発明の構成を実現するためには、従来の一次側にのみ直列共振回路を形成する構成に対して、少なくとも追加部品は二次側直列共振コンデンサの1点のみとすることができる。
つまり、本発明によれば、従来の回路切換方式による構成よりもはるかに少ない追加構成で、ワイドレンジ対応の構成を実現することができるものである。
また、上記のようにしてスイッチング周波数の必要制御範囲が縮小されれば、例えば負荷電力が最大/無負荷で高速に変動する場合にも、定電圧制御の応答性の遅れが改善れ、二次側直流出力電圧の変動を有効に抑制することができる。
さらに、二次巻線の上部側に三次巻線を巻装して相互が逆極性となるようにして、第2の二次側直流出力電圧生成手段が平滑コンデンサに充電するときの、第1の二次側直流出力電圧の負荷電力変動の影響を抑制することで、第2の二次側直流出力電圧についてのクロスレギュレーションが改善される。クロスレギュレーションが改善されれば、例えば、第2の二次側直流出力電圧の安定化のために、シリーズレギュレータを設けるような構成とした場合に、このシリーズレギュレータにおける電力損失を大幅に低減することができ、電源回路全体としての電力変換効率も大幅に向上される。
図1は、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)としてのスイッチング電源回路の構成を示した回路図である。この図に示す電源回路は、一次側の基本構成として、ハーフブリッジ結合方式による他励式の電流共振形コンバータに対して部分電圧共振回路が組み合わされた構成を採る。
また、この図1に示される電源回路としては、AC100V系とAC200V系の双方の商用交流電源入力に対応して動作可能な、いわゆるワイドレンジ対応の構成を採るものとされる。
この図1に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源ACに対して、フィルタコンデンサCL、CL、及びコモンモードチョークコイルCMCにより形成されるコモンモードノイズフィルタを設けている。
そして、上記ノイズフィルタの後段における商用交流電源ACに対しては、ブリッジ整流回路による整流回路部Di及び1本の平滑コンデンサCiから成る全波整流平滑回路が接続される。
この全波整流平滑回路が商用交流電源ACを入力して全波整流動作を行うことによって、平滑コンデンサCiの両端には整流回路部(ブリッジ整流回路)Diの整流出力を平滑化した整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)が得られる。整流平滑電圧Eiとしては、交流入力電圧VACの等倍に対応したレベルが得られる。
上記直流入力電圧を入力してスイッチング(断続)する電流共振形コンバータとしては、図示するようにして、MOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続したスイッチング回路を備える。スイッチング素子Q1,Q2の各ドレイン−ソース間に対しては、ダンパーダイオードDD1,DD2が並列に接続される。ダンパーダイオードDD1のアノード、カソードは、それぞれスイッチング素子Q1のソース、ドレインと接続される。同様にして、ダンパーダイオードDD2のアノード、カソードは、それぞれスイッチング素子Q2のソース、ドレインと接続される。ダンパーダイオードDD1,DD2は、それぞれスイッチング素子Q1,Q2が備えるボディダイオードとされる。
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対しては、一次側部分共振コンデンサCpが並列に接続される。この一次側部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
また、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するために、発振・ドライブ回路2が設けられる。この発振・ドライブ回路2は、発振回路、駆動回路を有しており、例えば汎用のICを用いることができる。そして、この発振・ドライブ回路2内の発振回路及び駆動回路によって、所要の周波数によるドライブ信号(ゲート電圧)をスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに対して印加する。これにより、スイッチング素子Q1,Q2は、所要のスイッチング周波数により交互にオン/オフするようにしてスイッチング動作を行う。
絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1 、Q2のスイッチング出力を二次側に伝送するために設けられる。
この場合、絶縁トランスPITの一次巻線N1の巻き始め端部が、一次側アースに接続される。また、一次巻線N1の巻き終わり端部が、一次側直列共振コンデンサC1の直列接続を介して、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点(スイッチング出力点)に接続されることで、この一次巻線N1にスイッチング出力が伝達されるようになっている。
ここで、絶縁コンバータトランスPITは、図2の断面図に示すような構造を有する。
図2に示されるように、絶縁コンバータトランスPITは、フェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア(EE字形コア)を備える。
そして、一次側と二次側の巻装部について相互に独立するようにして分割した形状により、例えば樹脂などによって形成される、ボビンBが備えられる。このボビンBの一方の巻装部に対して一次巻線N1を巻装する。また、他方の巻装部に対して、後述する二次巻線N2及び三次巻線N3を巻装する。このようにして一次側巻線(N1)及び二次側巻線(N2,N3)が巻装されたボビンBを上記EE型コア(CR1,CR2)に取り付けることで、一次側巻線及び二次側巻線とがそれぞれ異なる巻装領域により、EE型コアの中央磁脚に巻装される状態となる。このようにして絶縁コンバータトランスPIT全体としての構造が得られる。
そのうえで、EE型コアの中央磁脚に対しては、図のようにしてギャップGを形成する。この場合のギャップGとしては、例えばギャップ長2.8mm程度を設定し、これによって一次側と二次側との結合係数k(1)としては、例えばk(1)=0.65以下による疎結合の状態を得るようにしている。なお、実際の結合係数k(1)としては、k(1)=0.63を設定した。また、ギャップGは、E型コアCR1,CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くすることで形成することができる。
このような絶縁コンバータトランスPITの構造によれば、一次側と二次側の結合度は、先の図9に示した電源回路の場合よりも低下する。つまり、図9に示した従来の回路の場合の絶縁コンバータトランスPITとしては、EE型コアのギャップについては1.5mm以下、結合係数k(1)=0.75以上であったものを、この場合は、より疎結合の状態を得ているものである。
さらに、本実施の形態では、前述したようにボビンBの二次側の巻装領域に対しては、二次巻線N2及び三次巻線N3を巻装することになるのであるが、これら二次巻線N2及び三次巻線N3については、図示するようにして、二次巻線N2の上部側に対して三次巻線N3を巻装することとしている。つまり、ボビンBの二次側の巻装領域において、先に所定巻数による二次巻線N2を巻装し、この後に、三次巻線N3を巻装するようにされる。
このようにして二次巻線N2と三次巻線N3を巻装することで、従来の電源回路のようにして二次巻線N2を三次巻線N3の上部に巻装した場合(図10参照)と比較して、二次巻線N2と三次巻線N3との結合係数k(2)は低下する。
つまり、図2のようにして二次巻線N2と三次巻線N3を巻装した場合、三次巻線N3の長さは、従来の場合よりも長くなる。これにより、三次巻線N3の自己インダクタンスが増加することになるが、これは等価的に三次巻線N3のリーケージインダクタンスを増加させることになる。この結果、二次巻線N2と三次巻線N3の結合係数k(2)としては、従来の電源回路よりも低下する。
実際における絶縁コンバータトランスPITの結合係数k(2)としては、従来の電源回路についてはk(2)=0.98であったのに対して、本実施の形態では、k(2)=0.94が設定される。
説明を図1に戻す。
絶縁コンバータトランスPITは、上記図2により説明した構造によって一次巻線N1に所要のリーケージインダクタンスL1を生じさせる。そして、一次側直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、上記リーケージインダクタンスL1によっては一次側直列共振回路を形成する。
さらに、上記した接続態様によれば、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力はこの一次側直列共振回路に伝達されることとなる。この一次側直列共振回路が、伝達されたスイッチング出力により共振動作を行うことで、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とする。
ここで、これまでの説明によると、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、一次側直列共振回路(L1−C1)による電流共振形としての動作と、前述した一次側部分電圧共振回路(Cp//L1)とによる部分電圧共振動作とが得られることになる。
つまり、この図に示す電源回路の一次側においては、一次側スイッチングコンバータを共振形とするための共振回路に対して、他の共振回路とが組み合わされた、複合共振形コンバータとしての構成を採っている。
絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2には、一次巻線N1に伝達されたスイッチング出力に応じた交番電圧が励起(誘起)される。
この場合の絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2に対しては、整流ダイオードDo1(第2の整流素子),Do2(第1の整流素子)、及び平滑コンデンサ(二次側平滑コンデンサ)Coによる倍圧半波整流平滑回路を接続している。
つまり、この場合には、二次巻線N2の巻き終わり端部を、後述する二次側直列共振コンデンサC2の直列接続を介して上記整流ダイオードDo1のアノードに対して接続している。そして、整流ダイオードDo1のカソードを平滑コンデンサCoの正極端子に接続している。
また、二次巻線N2の巻き始め端部は二次側アース(平滑コンデンサCoの負極端子)に対して接続している。
さらに、整流ダイオードDo2については、上記二次巻線N2の巻き始め端部と二次側アースとの接続点に対してアノードを接続し、また、上記した整流ダイオードDo1のアノードにカソードを接続することで、二次巻線N2−二次側直列共振コンデンサC2の直列接続回路に対して並列に接続している。
上記接続形態によれば、二次巻線N2に励起される交番電圧が正極性となる半周期には、二次巻線N2と並列に接続された整流ダイオードDo2が導通することで、整流電流が整流ダイオードDo2→二次側直列共振コンデンサC2を介して流れる。つまり、この期間には二次側の整流電流を二次側直列共振コンデンサC2に対して充電するようにされ、これによって二次側直列共振コンデンサC2の両端には、二次巻線N2に励起される交番電圧レベルの等倍に対応したレベルの電圧が得られる。
一方の二次巻線N2に励起される交番電圧が負極性となる半周期には、整流ダイオードDo1が導通し、整流電流が整流ダイオードDo1→平滑コンデンサCoを介して流れ、平滑コンデンサCoに対する充電が行われる。つまり、この期間においては、二次巻線N2の交番電圧レベルに対して二次側直列共振コンデンサC2の両端電圧が重畳された電圧が印加された状態で平滑コンデンサCoに対する充電が行われ、これによって平滑コンデンサCoの両端電圧として、二次巻線N2に生じる交番電圧レベルの2倍に対応したレベルの二次直流出力電圧Eo1が得られる。
このようにして図1に示す電源回路の二次側では、二次巻線N2に励起される交番電圧の一方の半周期にのみ平滑コンデンサCoに充電を行い、平滑コンデンサCoの両端電圧として、二次巻線N2の交番電圧レベルの2倍に対応するレベルの整流平滑電圧を得るようにされる。つまり、倍圧半波整流動作を行う。
この倍圧半波整流動作により平滑コンデンサCoの両端電圧として得られた二次側直流出力電圧Eo1(第1の二次側直流出力電圧)は、図示しない負荷側に供給されるとともに、後述する制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
そして、実施の形態では、上記もしているように二次巻線N2と直列に、二次側直列共振コンデンサC2を接続している。
この二次側直列共振コンデンサC2の接続によれば、そのキャパシタンスと、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2とによって、絶縁コンバータトランスPITの二次側においても直列共振回路が形成される。
このようにして形成された直列共振回路によって、上記した倍圧半波整流平滑回路による二次側の整流動作が電流共振形となる。
また、図1に示す電源回路の二次側においては、二次巻線N2と二次側直列共振コンデンサC2を直列接続して成る二次側直列共振回路に対して並列に二次側部分共振コンデンサCp2を接続している。
この二次側部分共振コンデンサCp2のキャパシタンスと二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2によっては、並列共振回路(部分電圧共振回路)が形成される。そして、この並列共振回路によっては、整流ダイオードDo1、整流ダイオードDo2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
この部分電圧共振回路の部分共振動作により、整流ダイオードDo1とDo2のターンオフ時に生じる逆方向電流を二次側部分共振コンデンサCp2に流す経路が形成される。これにより、整流ダイオードDo1、Do2において生じる電力損失の低減が図られる。
これまでの説明によれば、実施の形態のスイッチング電源回路としては、一次側には一次側直列共振回路(L1−C1)及び一次側部分共振回路(L1//Cp1)を備え、二次側には二次側直列共振回路(L2−C2)及び二次側部分共振回路(L2//Cp2)を備えることになる。
先にも述べたように、一次側におけるような直列共振回路と部分共振回路とによる2つの共振回路の組み合わせに対しては、複合共振形コンバータと呼ぶものとしたが、このように3つ以上の共振回路が組み合わされたスイッチングコンバータを、ここでは多重共振形コンバータと呼ぶことにする。
制御回路1は、二次側直流出力電圧Eo1のレベル変化に応じた検出出力を発振・ドライブ回路2に供給する。発振・ドライブ回路2では、入力された制御回路1の検出出力に応じてスイッチング周波数が可変されるようにして、スイッチング素子Q1,Q2を駆動する。スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変されることで、一次側直列共振回路と二次側直列共振回路の共振インピーダンスが変化し、二次側直流出力電圧Eo1のレベルも変化する。つまり、これによって二次側直流出力電圧Eo1のレベルを安定化させるように動作する。
具体的に、図1に示す本実施の形態の電源回路におけるスイッチング周波数制御方式としては、詳細は後述するが、一次側直列共振回路と二次側直列共振回路の各共振周波数よりも高い周波数範囲をスイッチング周波数の可変範囲として設定する、いわゆるアッパーサイド制御の方式を採る。アッパーサイド制御では、重負荷の傾向となって二次側直流出力電圧Eo1が低下するのに応じてスイッチング周波数を低下させるように制御するが、これは共振インピーダンスを小さくすることとなり、このために二次側直流出力電圧Eo1を上昇させる。これに対して、軽負荷の傾向となって二次側直流出力電圧Eo1が上昇するのに応じては、上記スイッチング周波数を高くするように制御することで、共振インピーダンスを大きくし、二次側直流出力電圧Eo1を低下させる。これにより、二次側直流出力電圧Eo1の安定化が図られる。
また、絶縁コンバータトランスPITの二次側においては、上記した二次巻線N2と共に、三次巻線N3が巻装される。本実施の形態における、絶縁コンバータトランスPITに対する二次巻線N2及び三次巻線N3の巻装の仕方は、先に図2により説明したとおりである。
この三次巻線N3の巻き終わり端部は二次側アースと接続され、巻始め端部は整流ダイオードDo3のアノードと接続される。整流ダイオードDo3のカソードは平滑コンデンサCo2Aの正極端子と接続される。つまり、この場合においては、三次巻線N3に対しては、整流ダイオードDo3及び平滑コンデンサCo2Aから成る半波整流回路が接続される。
この半波整流回路によっては、上記三次巻線N3に生じる交番電圧が正極性となる半周期において整流ダイオードDo3が導通して、三次巻線N3の交番電圧について整流動作を行うようにされ、その整流出力としての整流電流を平滑コンデンサCo2Aに充電するようにされる。これにより、二次側平滑コンデンサCo2Aの両端電圧として、三次巻線N3に得られる交番電圧レベルの等倍に対応したレベルの整流平滑電圧である直流電圧E2(第2の二次側直流出力電圧)が生成される。
なお、上記三次巻線N3に対応して設けられた半波整流回路の整流動作によると、直流電圧E2を生成するために平滑コンデンサCo2Aに充電する期間は、三次巻線N3に誘起される交番電圧が「正極性」となる半波の期間となっている。
これに対して、メイン負荷に対応する二次側直流出力電圧Eo1を生成するために、二次巻線N2に対して設けられた倍電圧半波整流回路が平滑コンデンサCo1に充電する期間は、二次巻線N2に誘起される交番電圧が「負極性」となる半波の期間となっている。
このことは、二次巻線N2と三次巻線N3とについて相互に逆極性となるようにして巻装していることを意味している。
そして、この場合においては、上記二次側平滑コンデンサCo2Aに生成された直流電圧E2について安定化を図るための構成として、図示するようにシリーズレギュレータSRが備えられる。このシリーズレギュレータSRでは、上記直流電圧E2を入力し、そのレベルに応じて内部に備えられた抵抗素子の抵抗値を可変するようにして、二次側平滑コンデンサCo2Bに流すべき充電電流量を可変制御するようにされる。
これによって、二次側平滑コンデンサCo2Bの両端電圧として得られる二次側直流出力電圧Eo2としては、所定レベルにより安定化されたものが得られる。
このようにして、本実施の形態では、先に説明した二次側直流出力電圧Eo1と上記二次側直流出力電圧Eo2との、2つの複数の二次側直流出力電圧を生成して出力するようにされている。なお、二次側直流出力電圧Eo1は、メインとなる負荷に供給されるべき電源電圧となる。これに対して、二次側直流出力電圧Eo2は、メイン以外の所要の負荷に供給されるべき電源電圧となるもので、二次側直流出力電圧Eo1よりも低い所定レベルを有する。
ここで、先にも説明したように、図1に示す実施の形態の電源回路としては、一次側に一次側直列共振回路を形成し、さらに二次側に対しても二次側直列共振回路を形成するものとしている。
そして、実施の形態では、これら一次側と二次側とに形成される各直列共振回路について、少なくとも二次側直列共振回路に設定される共振周波数fo2を、一次側直列共振回路に設定される共振周波数fo1よりも小さい値となるように設定するものとしている。
そして、このような各直列共振回路の共振周波数foの設定により、ワイドレンジ対応の構成を実現するものとしている。以下、このことについて次の図3を参照して説明する。
図3は、二次側直流出力電圧Eo1についての定電圧制御特性をスイッチング周波数と二次側直流出力電圧Eo1のレベルとの関係により例示的に示している。
この図では、一次側直列共振回路の共振周波数fo1とスイッチング周波数との差に対応する二次側直流出力電圧Eo1のレベル変化(fo1対応変動曲線)を実線により示し、二次側直列共振回路の共振周波数fo2とスイッチング周波数との差に対応する二次側直流出力電圧Eo1のレベル変化(fo2対応変動曲線)を破線により示している。
なお、この図においては、図示するETG(V)は、定電圧制御により収束すべき二次側直流出力電圧Eo1のレベルの目標値を示している。また、先に説明したように、図1の電源回路のスイッチング周波数制御方式としては、上記一次側直列共振回路及び二次側直列共振回路の各共振周波数fo1,fo2よりも高い周波数領域でスイッチング周波数を可変する、アッパーサイド制御を採用している。
ここで、一般的なこととして、直列共振回路は、共振周波数で最も共振インピーダンスが小さくなる。これにより、二次側直流出力電圧Eo1とスイッチング周波数の関係として、二次側直流出力電圧Eo1のレベルは、スイッチング周波数が共振周波数と同じときに最も高くなり、共振周波数から離れていくのに従って低下していくものとなる。
従って、二次側直流出力電圧Eo1のレベルは、一次側直列共振回路の共振周波数fo1との関係では、図3における実線のfo1対応変動曲線として示すようにして、スイッチング周波数fsが共振周波数fo1と等しいときにピークとなり、スイッチング周波数fsが共振周波数fo1から離れていくのに従って低下していく二次曲線的な変化を示す。
同様にして、二次側直列共振回路の共振周波数fo2との関係についても、図3における破線のfo2対応変動曲線として示すように、スイッチング周波数fsが共振周波数fo2と等しいときにピークとなり、スイッチング周波数fsが共振周波数fo2から離れていくのに従って低下していく二次曲線的な変化となる。
また、fo1対応変動曲線と、fo2対応変動曲線とについて共通にいえることであるが、同じスイッチング周波数fsに対応する二次側直流出力電圧Eo1のレベルは、この場合の最小負荷電力となるPo=0時よりも、最大電力(Pomax)時のほうが、所定レベル分低下するようにしてシフトしている。これは、スイッチング周波数fsを固定として考えると、重負荷の条件となるのに応じて二次側直流出力電圧Eo1のレベルは低下することを示している。
そして、本実施の形態においては、前述したように、一次側直列共振回路の共振周波数fo1に対して、二次側直列共振回路の共振周波数fo2を低く設定している。
実際において、図1に示す電源回路においては、例えば共振周波数fo1については70kHz程度を設定し、共振周波数fo2については、共振周波数fo1の約1/2となる35kHz程度を設定するものとしている。
このように共振周波数fo2を、共振周波数fo1よりも低い所定値に設定することによっては、図3のfo1対応変動曲線とfo2対応変動曲線とを比較して分かるように、二次側直流出力電圧Eo1のレベルがピークとなるスイッチング周波数fs、つまり、共振周波数と同じとなるスイッチング周波数fsは、fo1対応変動曲線のほうが高くなる。このことは、fo1対応変動曲線とfo2対応変動曲線とは、同じ負荷条件の下で、同じ二次側直流出力電圧Eo1のレベルとなるように制御するのにあたって、fo2対応変動曲線のほうが、共振周波数fo1とfo2の周波数差分だけスイッチング周波数が低くなるという関係を有していることになる。
そして、これら実線、破線により示されるfo1対応変動曲線、fo2対応変動曲線の特性を前提として、図1に示した電源回路では、上記もしているようにアッパーサイド制御による定電圧制御動作が行われる。従って、この場合には、共振周波数fo1と共振周波数fo2とでは、共振周波数fo1の方が高いのであるから、スイッチング素子Q1、Q2について共振周波数fo1よりも高い周波数領域をスイッチング周波数の可変範囲としてスイッチング駆動するということになる。
上記した本実施の形態のアッパーサイド制御による定電圧制御について、先ず、最大負荷電力(Pomax)時の動作を考えてみる。最小負荷電力から最大負荷電力までの負荷変動範囲において、二次側直流出力電圧Eo1は、最大負荷電力時において最もレベルが低下する。
この最大負荷電力(Pomax)時のfo1対応変動曲線とfo2対応変動曲線とで、比較すると、共振周波数fo1よりも高いスイッチング周波数fsの範囲で、二次側直流出力電圧Eo1=ETG(V)に制御することができるのは、fo1対応変動曲線であることになる。
つまり、図3に示す最大負荷電力(Pomax)時のfo1対応変動曲線とfo2対応変動曲線と、Eo1=ETGとなる横軸に沿った線との交差した座標のスイッチング周波数fsを見ると、fo2対応変動曲線については共振周波数fo1より低くなっているために、このスイッチング周波数fsを本実施の形態のアッパーサイド制御に使用することはできない。これに対して、fo1対応変動曲線と、Eo1=ETGとなる横軸に沿った線とが交差するa点のスイッチング周波数fsは、共振周波数fo1より高くなっており、従って、本実施の形態のアッパーサイド制御により、二次側直流出力電圧Eo1をETGのレベルで制御することが可能であることになる。
また、最小負荷電力(Po=0W)時におけるアッパーサイド制御の定電圧制御動作について考えてみる。
この場合において、図9に示した従来の電源回路のように、二次側直列共振回路を備えないものとした場合は、アッパーサイド制御による定電圧制御は、スイッチング周波数fsと一次側直列共振回路の共振周波数fo1のみとの周波数差による共振インピーダンスに基づいたものとなる。つまり、図3の場合であれば、実線のfo1対応変動曲線のみを使用する。この場合において、二次側直流出力電圧Eo1について、ETGのレベルとなるように制御しようとすれば、図3に示すように、最小負荷電力(Po=0W)時のfo1対応変動曲線のb点となるスイッチング周波数fsとなるように制御することになる。
このことは、図9に示した電源回路は、最小負荷電力から最大負荷電力までの負荷変動に対応して定電圧制御を実行しようとした場合、スイッチング周波数についてa点からb点の範囲で可変する必要があるということを意味する。
これに対して本実施の形態においては、二次側直列共振回路が設けられることにより、電源回路における共振インピーダンス要因が、二次側直流共振回路の共振周波数fo2に対するスイッチング周波数fsの差によっても得られることになる。つまり、図3におけるfo2対応変動曲線による二次側直流出力電圧Eo1の変化特性も得られることになる。そして、
そこで、最小負荷電力(Po=0W)時のfo2対応変動曲線について、二次側直流出力電圧Eo1=ETGとなる点を見てみると、これは図3に示すc点となることがわかる。二次側直列共振回路の共振周波数fo2については、前述したように、一次側直列共振回路の共振周波数fo1よりも低く設定している。従って、このc点は、先に説明した、最小負荷電力(Po=0W)時のfo1対応変動曲線について二次側直流出力電圧Eo1=ETGとなるb点と比較すると、よりスイッチング周波数fsとなっている。
そして、本実施の形態の電源回路における負荷変動に対する定電圧制御としては、定電圧化に必要なスイッチング周波数fsの必要制御範囲Δfsについて、最低周波数は、a点のスイッチング周波数となるが、最高周波数については、b点とc点とでa点に近いほうの、c点のスイッチング周波数をとるようにして動作する。
これに対して、図9に示したような二次側直列共振回路を備えない電流共振形コンバータでは、必要制御範囲Δfsとしては、a点からb点までのスイッチング周波数fsの範囲となるものであり、従って、本実施の形態としては、従来と比較して必要制御範囲Δfsが縮小されることとなる。
なお、この図3の説明からも理解されるように、実施の形態では、一次側直列共振回路の共振周波数fo1に対し、二次側の直列共振回路の共振周波数fo2を約1/2程度の値に設定することで、Po=0時の二次側直列共振回路の場合の変動曲線とETGのラインとが交わるc点をスイッチング周波数fsが低くなる方向に所定分シフトでき、これによってスイッチング周波数の必要制御範囲Δfsをa点からb点までの範囲より狭いa点からc点までの範囲とすることができる。
しかしながら、例えば共振周波数fo1に対し、共振周波数fo2が過剰に低く設定される場合では、上記のような二次側共振回路の場合の変動曲線とETGのラインが交わるc点の周波数は、a点を下回ってしまうこととなる。そして、このようにc点がa点を下回ってしまった場合は、スイッチング周波数の必要制御範囲Δfsとしては、結局は一次側直列共振回路の場合の変動曲線に基づくa点からb点までとなってしまい、必要制御範囲Δfsの縮小を図ることができないものとなる。
このことを踏まえ実施の形態では、共振周波数fo1よりも低い所定の共振周波数fo2の値として、図中c点の周波数がa点の周波数以下とならないようにすることができる値を設定するものとしている。
このようにして実施の形態では、二次側に対しても直列共振回路を形成し、且つ一次側よりも二次側の共振周波数を低く設定したことにより、二次側直流出力電圧Eo1についての定電圧化のために必要となるスイッチング周波数の可変制御範囲(必要制御範囲)を、従来よりも縮小することが可能となる。
そして、このように二次側直流出力電圧Eo1の安定化のための必要制御範囲の縮小が図られれば、交流入力電圧VACの変動に伴うEo1の変動に対しても、従来よりも狭い制御範囲で対応することが可能となる。
すなわち、従来の構成のようにワイドレンジ対応とするにあたっての必要制御範囲Δfsが広範囲とされて、スイッチング素子を駆動するICが対応できないといった事態を解消できるものである。
またこの場合は、図3での説明からも理解されるように、スイッチング周波数の上限が低下されるようにして必要制御範囲Δfsの縮小が図られるので、ワイドレンジ対応のために制御範囲が拡大される場合にも、従来のようにスイッチング周波数が高周波化してしまうといったことは回避できる。
つまり、これによって、従来のようにワイドレンジ対応のためにスイッチング周波数が高周波化して、実用困難となる程度にまで電力変換効率が低下するといった事態を防止できる。
これらのことから、実施の形態によれば、従来の複合共振形コンバータの構成においてスイッチング周波数制御のみでワイドレンジ対応の構成を実現する上で問題となっていた障害をクリアすることができる。すなわち、スイッチング周波数制御のみでワイドレンジ対応とする構成を、実用に充分耐えうるものとして実現できるものである。
そして、このようにスイッチング周波数の可変制御のみによってワイドレンジ対応の構成を実現することができれば、従来のように商用交流電源の定格レベルに応じて回路切り換えを行う構成を採る必要はなくなる。
そして、このような回路切り換えのための構成が不要となれば、例えば平滑コンデンサCiは1つのみとすることができ、またスイッチング素子としては少なくともハーフブリッジ結合に必要な2つのみとすることができることとなって、その分回路構成部品の削減及び基板面積の削減が図られる。
また、回路切換の構成が不要となれば、切り換えによる誤動作防止のために特別な構成を備えるような必要もなくなり、この点でも構成部品の増加とコストアップの抑制が図られる。
さらに、実施の形態の電源回路によれば、誤動作防止のためにスタンバイ電源を必須としないので、電源回路の適用範囲を広げることができる。
また、このような実施の形態としての構成を実現するためには、従来の一次側にのみ直列共振回路を形成する構成に対して、少なくとも追加部品は二次側直列共振コンデンサの1点のみとすることができる。つまり、従来の回路切換方式による構成を採る場合よりもはるかに少ない追加構成で、ワイドレンジ対応を実現することができる。
また、上記のようにして必要制御範囲Δfsが大幅に縮小されることによっては、定電圧制御の応答性も大幅に改善されるものとなる。
つまり、電子機器においては、負荷電力Poについて、いわゆるスイッチング負荷といわれる、最大負荷と無負荷とで比較的高速にスイッチングする(切り替わる)ようにして変動させるような動作を行うものがある。このようなスイッチング負荷としての動作を行う機器として、例えば、パーソナルコンピュータの周辺機器であるプリンタを挙げることができる。
そして、このようなスイッチング負荷を持つ機器に搭載される電源回路が従来のように広範囲な必要制御範囲Δfsを有するものである場合は、このような負荷変動に伴う二次側直流出力電圧Eo1の定電圧化のためにスイッチング周波数fsをその分多く変化させなければならないため、定電圧制御の応答性が鈍くなるものであった。
これに対し実施の形態では、このように負荷電力Poが最大と無負荷とで高速に変動する場合も、必要制御範囲Δfsが大幅に縮小されるため、定電圧制御の応答性を大幅に改善することができる。
このように定電圧制御の応答性が向上することで、上記のような最大負荷/無負荷の高速変動に伴う二次側直流出力電圧Eo1の変動を従来よりも抑制することができる。
また、図1に示す本実施の形態の電源回路では、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2と三次巻線N3について、先ずは、図2に示したようにして、物理的には、二次巻線N2の上部側に対して三次巻線N3が巻装される。そのうえで、三次巻線N3を二次巻線N2に対して逆極性となるようにして巻装しているが、これにより、三次巻線N3側にて生成される直流電圧E2のレベル変動を抑制して、クロスレギュレーションを改善している。この点について、図4を参照して説明する。
図4は、スイッチング素子Q2の両端電圧V1、スイッチング素子Q2に流れるスイッチング電流IQ2、三次巻線N3に得られる交番電圧V3、及び三次巻線N3に接続される半波整流回路において整流ダイオードDo3を介して平滑コンデンサCo2Aに流れる整流電流I3の波形を示している。
また、図4の左側には、図1に示す電源回路の構成の下で、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2と三次巻線N3について同極性となるように巻装した場合の上記各波形を示し、図4の右側には、図1に示す実施の形態の電源回路の構成である、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2と三次巻線N3について逆極性となるように巻装した場合の上記各波形を示している。
また、図4は、交流入力電圧VAC=100V、二次側直流出力電圧Eo1の負荷電力Po=155W(最大負荷電力)、直流電圧Eo2の負荷電力=30W(最小負荷電力)の条件での波形を示しているものとされる。
図4の左側の各波形を参照して、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2と三次巻線N3について同極性となるように巻装した場合の動作について説明する。
スイッチング素子Q2の両端電圧V1は、図示するようにして整流平滑電圧Eiのレベルでクランプされる期間と0レベルとなる期間とが交互に現れる矩形波とされ、スイッチング素子Q2のオン/オフタイミングに対応する。つまり、スイッチング素子Q2は、両端電圧V1が整流平滑電圧Eiのレベルでクランプされる期間においてオンとなり、0レベルとなる期間においてオフとなるようにしてスイッチング動作を行う。
また、上記したタイミングでスイッチング素子Q2がスイッチング動作を行うことで、スイッチング素子Q2に流れるスイッチング電流IQ2は、スイッチング素子Q2がオンとなる期間において、図示する波形により流れるようにされる。なお、スイッチング素子Q2と交互にオン/オフするスイッチング素子Q1の両端電圧及びスイッチング電流は、上記電圧V1、スイッチング電流IQ2に対して180°移相された波形となる。
また、三次巻線N3に誘起される交番電圧V3は、スイッチング周期に応じて、直流電圧E2の絶対値レベルでクランプされるようにして正/負で反転する波形となるが、二次巻線N2と三次巻線N3について同極性とした場合においては、図4の左側に示すように、交番電圧V3が正極性となる期間は、スイッチング素子Q2がオンとなる期間との重複が多い状態となる。
整流ダイオードDo3を介して平滑コンデンサCo2Aに流れる整流電流I3は、三次巻線N3が正極性となる期間に対して図示するタイミングで流れるものとなる。ここでは図示していないが、この整流電流I3が流れるスイッチング周期の半波の期間は、二次巻線N2側の倍電圧半波整流回路の平滑コンデンサCo1に対して整流電流が充電される期間と同じとなっている。つまり、同じスイッチング周期の半波の期間において、二次巻線N2側の倍電圧半波整流回路における平滑コンデンサCo1に対する充電と、三次巻線N3側の半波整流回路における平滑コンデンサCo2Aに対する充電とがほぼ同時に行われる状態となる。
これにより、三次巻線N3側の半波整流回路の整流動作は、二次巻線N2側の二次側直流出力電圧Eo1の負荷条件の影響を大きく受けることになる。これに伴って、電源回路内において流れる電流が増加するために、例えば図4において具体的に示しているように、スイッチング電流IQ2としては4.7Ap、整流電流I3は16.0Apとなって、後述する右側のスイッチング電流IQ2及び整流電流I3よりも増加している。
このような動作となることで、特に二次側直流出力電圧Eo1側の負荷Poの変動に応じた直流電圧E2の変動量は増加することになる。直流電圧E2の変動量が増加することによっては、シリーズレギュレータSRによる定電圧動作として、入力される直流電圧E2に対するレベル可変(低減)量が減少するので、シリーズレギュレータSRにおける最大電力損失も増加することになる。
これに対して、本実施の形態のようにして、二次巻線N2と三次巻線N3とについて逆極性により接続(巻装)した場合には、図4の右側の波形に示される動作となる。
つまり、三次巻線N3の交番電圧V3は、同極性の場合の交番電圧V3(図4左側)に対して180°移相したものとなる。これに応じて、整流電流I3が流れるタイミングとしても、同極性の場合の整流電流I3(図4左側)に対して180°移相したものとなる。このようにして、整流電流I3の流れるタイミングがスイッチング周期の半周期分ずれることで、整流電流I3が流れる期間と、二次巻線N2側の倍電圧半波整流回路において平滑コンデンサCo1に充電電流が流れる期間とは、スイッチング周期において、それぞれ異なる反周期の期間となって、両者が同時に流れることが無くなる。
これにより、三次巻線N3側の半波整流回路に及ぶ二次巻線N2側の二次側直流出力電圧Eo1の負荷条件の影響が弱まることとなる。このことは、このことは、図4においては、同極性の場合のスイッチング電流IQ2が4.7Ap、整流電流I3が16.0Apであるのに対して、逆極性の場合のスイッチング電流IQ2は4.4Ap、整流電流I3は14.5Apにまで低減していることにより示されている。
また、前述もしたように、絶縁コンバータトランスPITにおいて二次巻線N2の上部側に三次巻線N3を巻装することによっては、三次巻線N3の上部に二次巻線N2を巻装した場合よりも、二次巻線N2と三次巻線N3の結合係数k(2)は低下して、より疎結合の状態となる。このことによっても、三次巻線N3側の半波整流回路に対する、二次巻線N2側の二次側直流出力電圧Eo1の負荷条件の影響を抑える作用が得られる。
上記した動作、作用が得られる結果、本実施の形態としては、交流入力電圧VAC=100V時における、直流電圧E2の負荷電力Po=155W〜0W、及び負荷電力Po2=30W〜0Wの負荷変動に対する変動(クロスレギュレーション)は、E2=16.7V〜15.0Vとなり、変動量ΔE2=1.7Vとなることが測定された。また、交流入力電圧VAC=220V時における、直流電圧E2の負荷電力Po=155W〜0W、及び負荷電力Po2=30W〜0Wの負荷変動に対する変動(クロスレギュレーション)は、E2=17.5V〜15.0Vとなり、変動量ΔE2=2.5Vとなることが測定された。この測定結果は、例えば図9に示した従来の電源回路よりもクロスレギュレーションが改善されていることを示している。
そして、このようにして直流電圧E2のクロスレギュレーションが改善されたことにより、例えば、直流電圧E2のレベル仕様について最大で1.2V低下させることも可能となる。具体的には、図9に示した従来の回路では、シリーズレギュレータSRについて直流電圧E2を入力して、二次側直流出力電圧Eo2=12Vで定電圧化するように構成したうえで、負荷電力Po=125W、二次側直流出力電圧Eo1=135V時に、直流電圧E2=15Vとなるようにしていた。これに対して、本実施の形態では、シリーズレギュレータSRとしては、上記と同様に二次側直流出力電圧Eo2=12Vで安定化させることとしたうえで、負荷電力Po=125W、二次側直流出力電圧Eo1=135V時において、直流電圧E2=13.8Vとなるように設定することができる。なお、このような直流電圧E2のレベル設定の変更は、例えば、三次巻線N3の巻線数(ターン数)の変更により行える。そして、このようにして、直流電圧E2のレベルがこれまでより低く設定されれば、直流電圧E2の変動による最大レベルも低下することとなるために、シリーズレギュレータSRにおける電圧レベルの低減量も少なくなる。つまり、シリーズレギュレータSRにおける最大電力損失が低下することとなって、総合的な電力変換効率の向上につながることとなる。実験結果では、本実施の形態のシリーズレギュレータSRにおける最大電力損失は、4.0Wであり、図7に示す電源回路と比較して2.5Wの低減が図られた。
図5は、図1に示した電源回路の特性として、負荷変動に対するスイッチング周波数及び直流電圧E2の変化特性を示している。
なお、この図では、上記各特性について、負荷電力Po=125W〜0Wの変動範囲において、交流入力電圧VAC=100V時と、交流入力電圧VAC=220V時の場合とで分けて示し、さらに直流電圧Eo2の負荷電力Po2=30W(最大負荷電力)時と、Po2=0W(最小負荷電力)時の場合とで分けて示している。
先ず、スイッチング周波数fsについては、交流入力電圧VAC=100V時では、負荷電力Po2=0W時、負荷電力Po2=30W時の何れにおいても、負荷電力Poが軽負荷の条件となるのに従って高くなる傾向ではあるが、負荷変動に対する必要制御範囲Δfsは大幅に縮小されていることが分かる。
また、交流入力電圧VAC=220V時では、同じ負荷電力Poの変動に対して、VAC=100V時との比較では負荷電力Po2=0W時、負荷電力Po2=30W時で共にやや大きな変化とはなるものの、負荷変動に対する必要制御範囲Δfsは大幅に縮小されているものである。
そして、実施の形態におけるワイドレンジ対応の構成とするにあたっての必要制御範囲Δfsとしては、この図にも示されているように、およそ80kHz程度〜120kHz程度となっている。これは、先に述べた現状のスイッチング駆動IC(発振・ドライブ回路2)の周波数可変範囲(50kHz〜200kHz程度)に充分収まるものとなっており、このことから実施の形態のワイドレンジ対応の構成の実現には現状のICをそのまま流用できることが理解できる。
また、図9に示した従来の電源回路の構成の場合、負荷電力Po=25W〜0Wあたりの軽負荷の範囲では、スイッチング周波数fsが急峻に上昇する特性となっていた。これに対し実施の形態においては、図5に示されるようにして、上記負荷電力Po=25W〜0W付近での変動に対してもスイッチング周波数fsが急峻に変化することなく、ほぼリニアな変化となる特性が得られている。これは、先に図2により説明したように、絶縁コンバータトランスPITのギャップの拡大を図り、従来よりも一次側と二次側とを疎結合の状態となるようにしたことによる。
つまり、実施の形態では、従来のギャップG=1.5mm程度に対して、ギャップG=2.8mmとほぼ倍となるギャップ長を設定したことにより、このようなPo=25W〜0Wの間のスイッチング周波数fsの上昇を抑制している。このことも、必要制御範囲Δfsを大幅に縮小できたことの要因である。
但し、一般的に一次側と二次側とを疎結合の状態とすることによっては、絶縁コンバータトランスPITでの電力伝送時の電力損失が増加する傾向となり、電力変換効率の低下を招くことになる。
しかしながら、実施の形態では二次側に対しても直列共振回路を形成するようにしたことにより、その共振動作によって得られるエネルギーからも二次側直流出力電圧Eo1を供給することができ、その分疎結合とされたことによる効率の低下を補うことができる。そして、これによっ絶縁コンバータトランスPITでの電力伝送における損失も従来と同等とすることができるものである。
また、図5に示される直流電圧E2の特性としては、前述した直流電圧E2のクロスレギュレーションについての実験結果のとおりの特性が得られていることが分かる。
また、この本実施の形態の電源回路の特性である図5と、従来の電源回路の特性である図12とを比較してわかるように、本実施の形態では、図12において示される、負荷電力Poの軽負荷時において直流電圧E2が低下する傾向の変動が、交流入力電圧VAC=100V時、VAC=220V時の何れにおいても、大幅に抑制されている。これは、先にも説明したように、実施の形態では軽負荷時(Po=25W程度〜0W)に生じるとされていたスイッチング周波数fsの急峻な上昇が抑制されることで、これに伴う直流電圧E2の変動としても抑制が図られた結果による。
続いて、本実施の形態の電源回路についての二次側の構成の変形例について、図6〜図8により3例を挙げて説明する。
図6には、本実施の形態の電源回路の二次側の変形例の第1例としての回路構成が示される。
なお、一次側の構成は、図1により説明したのと同様でよい。図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。この点については、後述する図7及び図8についても同様である。
図6に示す回路においては、三次巻線N3の巻き終わり端部に対して二次側直列共振コンデンサC2aが直列に接続されている。これにより、三次巻線N3のリーケージインダクタンスL3と、二次側直列共振コンデンサC2aのキャパシタンスとによって、二次側直列共振回路が形成される。つまり、図6に示す回路では、二次巻線N2側の二次側直列共振回路(L2−C2)と、上記三次巻線N3側の二次側直列共振回路(L3−C2a)との複数の二次側直列共振回路を備えていることになる。そのうえで、三次巻線N3側においては、二次側直列共振回路(L3−C2a)に対して、図示するようにして、二次側直列共振回路(L2−C2)に対する整流ダイオードDo1,Do2及び平滑コンデンサCo1と同様の接続態様によって整流ダイオードDo3,Do4及び平滑コンデンサCo2Aを接続することで、倍電圧半波整流回路を形成して、直流電圧E2を得るようにしている。例えば、この直流電圧E2に対してシリーズレギュレータSR及び平滑コンデンサCo2Aを、図1と同様に接続すれば、安定化された所定レベルの二次側直流出力電圧Eo2が得られることになる。
また、この図6の回路としても、絶縁コンバータトランスPITについては図2と同様の構造を採ったうえで、二次巻線N2と三次巻線N3とは相互に逆極性となるようにしているものであり、これにより、直流電圧E2のクロスレギュレーションの改善を図っている。
そのうえで、さらに図6に示す回路においては、二次巻線N2側の二次側直列共振回路(L2−C2)の直列共振周波数fo2と、三次巻線N3側の二次側直列共振回路(L3−C2a)の直列共振周波数fo3とについて同等となるように設定するようにされる。
このようにすると、二次側直列共振回路(L2−C2)と、二次側直列共振回路(L3−C2a)とで、スイッチング周波数fsの変化に対する共振インピーダンスの変化傾向が同じとなるが、これにより、直流電圧E2のクロスレギュレーション(ΔE2)をほぼ0とすることができる。
図7には、本実施の形態の電源回路の二次側の変形例の第2例としての回路構成が示される。
この場合には、三次巻線N3の所要の巻線位置に対してタップを設けて、巻線部N3a,N3bに分割する。そして、三次巻線N3の巻始め端部となる巻線部N3aの端部に対して、図示するようにして、整流ダイオードDo3及び平滑コンデンサCo2Aから成る半波整流回路を接続する。同様にして、三次巻線N3のタップ位置となる巻線部N3bの端部に対しても、図示するようにして整流ダイオードDo4及び平滑コンデンサCo3Aから成る半波整流回路を接続する。この場合、三次巻線N3の巻き終わり端部は二次側アースと接続する。
このような回路構成では、三次巻線N3側において、2つの半波整流回路が形成されることになり、これら半波整流回路により、平滑コンデンサCo2A,Co3Aの各両端電圧として、複数の直流電圧E2,E3を得るようにされる。なお、直流電圧E2は、三次巻線N3の両端に得られる交番電圧を半波整流して生成され、直流電圧E3は、巻線部N3bの両端に得られる交番電圧を半波整流して生成されるので、直流電圧E3は直流電圧E2に対して低いレベルとなる。
また、これら直流電圧E2,E3について安定化を図りたいのであれば、例えば図1の直流電圧E2と同様にして、シリーズレギュレータSR及び平滑コンデンサを接続することとすればよい。
また、この図7の回路としても、絶縁コンバータトランスPITについて図2の構造として、二次巻線N2と三次巻線N3とについて相互に逆極性となるようにすれば、直流電圧E2(及びE3)のクロスレギュレーションが改善される。
図8は、本実施の形態の電源回路の二次側の変形例の第3例としての回路構成を示している。
この図においては、1組の二次側巻線の所要の巻線位置に対してタップを設けて二次側アースに接地することで、二次側巻線の巻始め側を三次巻線N3とし、残るタップから二次側巻線の巻き終わり端部までの巻線部を二次巻線N2とするようにされる。この点では、図2に示した絶縁コンバータトランスPITの二次側巻線の構造は異なるものとなる。
そして、二次巻線N2側については、図1と同様にして、二次側直列共振回路(L2−C2)及び整流ダイオードDo1,Do2及び平滑コンデンサCo1から成る倍電圧半波整流回路を形成して、平滑コンデンサCo1の両端電圧として二次側直流出力電圧Eo1を得るようにされる。
また、三次巻線N3に対しては、整流ダイオードDo3及び平滑コンデンサCo2Aから成る半波整流回路を接続して、平滑コンデンサCo2Aの両端電圧として直流電圧E2を得るようにされる。直流電圧E2を安定化するには、図1と同様にして、シリーズレギュレータSR及び平滑コンデンサCo2を接続することとすればよい。
また、このような回路構成では、二次巻線N2側の倍電圧半波整流回路が平滑コンデンサCo1に対して充電する動作と、三次巻線N3側の半波整流回路が平滑コンデンサCo2Aに対して整流電流を充電する動作は、スイッチング周期としてそれぞれ異なる半周期ごとのタイミングとなる。つまり、二次巻線N2と三次巻線N3とは、相互に逆極性の関係となっているものであり、従って、図8の回路構成によっても、直流電圧E2のクロスレギュレーションが改善されるものである。
なお、本発明はこれまで説明した実施の形態に限定されるべきものではない。
例えば、絶縁コンバータトランスPITについては、コア形式などをはじめとして、その構造については適宜変更されて構わない。但しこのとき、絶縁コンバータトランスPITについて、実施の形態で説明したように例えば結合係数k=0.65程度となる構造とすれば、従来において軽負荷時に生じていたスイッチング周波数の急峻な上昇傾向を抑制することができる。
また、実施の形態で例示したスイッチングコンバータは、他励式による電流共振形コンバータを基としているが、例えば自励式による電流共振形コンバータを備えて構成することも可能である。この場合には、スイッチング素子として例えばバイポーラトランジスタを選定することができる。また、例えばスイッチングコンバータの一次側のスイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、他励式に使用可能な素子であれば、MOS−FET以外の素子が採用されて構わない。
また、先に説明した各部品素子の定数なども、実際の条件等に応じて適宜変更されて構わないものである。
また、絶縁コンバータトランスの二次側に対しては、二次巻線と三次巻線の2つを巻装したが、三次巻線相当の巻線を2以上巻装する構成も可能である。
また、1つの三次巻線からは最大で2つの出力を取り出す例を挙げたが、例えばさらにタップを設けるなどして3つ以上の出力を取り出すように構成してもよい。
本発明の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。 実施の形態のスイッチング電源回路が備える絶縁コンバータトランスの構造を示す断面図である。 実施の形態のスイッチング電源回路における二次側直流出力電圧についての定電圧制御特性を、スイッチング周波数と二次側直流出力電圧のレベルとの関係により示す図である。 三次巻線側の半波整流回路の整流動作を説明するための波形図である。 実施の形態のスイッチング電源回路における、負荷変動に対するスイッチング周波数の変動特性と、第2の二次側直流出力電圧の変動特性を示す図である。 実施の形態のスイッチング電源回路の変形例(第1例)を示す回路図である。 実施の形態のスイッチング電源回路の変形例(第2例)を示す回路図である。 実施の形態のスイッチング電源回路の変形例(第3例)を示す回路図である。 従来例としてのスイッチング電源回路の構成を示した回路図である。 図9に示すスイッチング電源回路が備える絶縁コンバータトランスの構造を示す断面図である。 図9に示すスイッチング電源回路における各部の動作波形を示した波形図である。 図9に示すスイッチング電源回路の負荷変動に対するスイッチング周波数の変動特性と、第2の二次側直流出力電圧の変動特性を示す図である。 図9に示すスイッチング電源回路における二次側直流出力電圧についての定電圧制御特性を、スイッチング周波数と二次側直流出力電圧のレベルとの関係により例示的に示した図である。
符号の説明
1 制御回路、2 発振・ドライブ回路、Di 整流回路部、Ci 平滑コンデンサ、Q1,Q2 スイッチング素子、PIT 絶縁コンバータトランス、C1 一次側直列共振コンデンサ、C2,C2a 二次側直列共振コンデンサ、Cp1 一次側部分共振コンデンサ、Cp2 二次側部分共振コンデンサ、N1 一次巻線、N2、N2A、N2B 二次巻線、N3 三次巻線、Do1,Do2,Do3,Do4 整流ダイオード、Co1,Co2A,Co2B 二次側平滑コンデンサ、SR シリーズレギュレータ

Claims (6)

  1. 直流入力電圧を入力してスイッチングを行うスイッチング素子を備えて形成したスイッチング手段と、
    上記スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段と、
    少なくとも、上記スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線を一次側に巻装し、上記一次巻線に得られたスイッチング出力により交番電圧が誘起される二次巻線と三次巻線とを二次側に巻装して形成され、上記三次巻線は上記二次巻線に対して上部側となる位置に巻装される、絶縁コンバータトランスと、
    少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路と、
    少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記二次巻線に直列接続される第1の二次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記一次側直列共振回路に設定される第1の共振周波数よりも低い所定の第2の共振周波数が設定される第1の二次側直列共振回路と、
    上記第1の二次側直列共振回路に得られる共振出力を入力して倍電圧半波整流動作を行って、第1の二次側直流出力電圧を生成する第1の二次側直流出力電圧生成手段と、
    上記第1の二次側直流出力電圧のレベルに応じて上記スイッチング駆動手段を制御して、上記スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、上記第1の二次側直流出力電圧についての定電圧制御を行う定電圧制御手段と、
    上記二次巻線とは逆極性となるようにされた上記三次巻線に誘起される交番電圧を入力して半波整流動作を行って、第2の二次側直流出力電圧を生成する第2の二次側直流出力電圧生成手段と、
    を備えることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 上記第1の二次側直流出力電圧生成手段は、
    この第1の二次側直流出力電圧生成手段を形成する整流素子のターンオフのタイミングでのみ共振動作を行う部分共振回路を形成するようにして接続される二次側部分共振コンデンサを備えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 上記第2の二次側直流出力電圧生成手段は、上記三次巻線に対して半波整流回路を接続して形成される、ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  4. 上記第2の二次側直流出力電圧生成手段は、
    上記三次巻線の漏洩インダクタンス成分と、この三次巻線に直列接続される第2の二次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記第2の共振周波数と同じ共振周波数が設定される第2の二次側直列共振回路と、
    上記第2の二次側直列共振回路の共振出力を入力して倍電圧半波整流動作を行って上記第2の二次側直流出力を生成する倍電圧半波整流回路とを備えて形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  5. 上記第2の二次側直流出力電圧生成手段は、
    1つの上記三次巻線全体に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行って直流電圧を出力する1つの半波整流回路と、
    上記三次巻線にタップを形成することにより形成される巻線部に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行って直流電圧を出力する1以上の半波整流回路と、
    を備えて形成されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  6. 上記絶縁コンバータトランスにおいて、上記三次巻線を上記二次巻線の上部に巻装するのに代えて、
    絶縁コンバータトランスの二次側に対して巻装される1つの二次側巻線に1つのタップを施して形成される2つの二次巻線部のうち、巻始め側となる一方の二次巻線部を三次巻線として、他方の二次巻線部を二次巻線とするようにされている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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