JP2006049738A - 半導体記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望のタイミングで高速な初期値設定を可能にすると共に、セルの形成面積の増大を抑え、また、初期値決定のためのSRAMセルのパターン変更を容易にする。
【解決手段】SRAMセルは、ソースが接地されたNMOSトランジスタQ7を有する。第1記憶ノードN1、第2記憶ノードN2およびNMOSトランジスタQ7のドレインは、同一の配線層に形成された第1,第2及び第3のアルミ配線21,22,23にそれぞれ接続する。第3のアルミ配線23は、第1及び第2のアルミ配線21,22の一方と一体形成され、且つ、他方に近接して配設される。
【選択図】図3
【解決手段】SRAMセルは、ソースが接地されたNMOSトランジスタQ7を有する。第1記憶ノードN1、第2記憶ノードN2およびNMOSトランジスタQ7のドレインは、同一の配線層に形成された第1,第2及び第3のアルミ配線21,22,23にそれぞれ接続する。第3のアルミ配線23は、第1及び第2のアルミ配線21,22の一方と一体形成され、且つ、他方に近接して配設される。
【選択図】図3
Description
本発明は、半導体記憶装置に関し、特にSRAM(Static Random Access Memory)の初期値設定用回路に関するものである。
一般的に、SRAMは、2つのインバータの入力と出力とを相互に接続して成るフリップフロップ回路と、当該フリップフロップ回路に書き込みおよび読み出し行う2つのアクセストランジスタとから構成される。そのような構成のSRAMセルは、回路が対称であるため、例えば電源投入直後などの初期値は不定になる。
よって、特定の初期値を必要とする用途にSRAMを使用する場合、例えばROM(Read Only Memory)などの外部メモリから初期値を転送して各メモリセルに書き込む必要がある。それにより、SRAMの初期設定動作のための時間が長くなり、システムの高速立上げを阻害していた。
そのため、SRAMセルのそれぞれに特定の初期値を設定するための回路を設けることが提案されている(例えば特許文献1,2)。
特許文献1では、SRAMセルのフリップフロップ回路を構成する2つのインバータの出力端子のうちいずれかに容量素子を設けている。そうすることにより、電源投入時には2つのインバータ間で出力電圧の立ち上がり速度に差が生じ、それに起因してSRAMセルは特定の初期値で安定するようになる。つまり、個々のSRAMセルがとる初期値は、2つのインバータの出力端子のうちのどちらに容量素子を接続したかによって決まり、その接続関係は製造工程時におけるマスク選択によって定められる。
特許文献2では、SRAMセルの2つの記憶ノードのそれぞれに、初期値(イニシャルデータ)を書き込むためのMOSトランジスタが1個ずつ設けられている。それら2個のMOSトランジスタのうち一方のゲートは接地され、他方のゲートには、初期設定動作時にオン状態になるように所定の制御信号が入力される。つまり個々のSRAMセルがとる初期値は、初期設定動作時に2個のトランジスタのうちのどちらがオン状態になるかによって決まる。それは製造工程時における配線間コンタクトの形成時にて決定される。
上記特許文献1では、2つのインバータの電源投入時における立ち上がり速度の差を利用して初期値を設定するため、例えばソフトウェア的にSRAMをリセットする場合など、電源投入時以外のタイミングで初期値設定を行いたい場合に対応できない。
一方、上記特許文献2では、所定の制御信号によって初期値設定が行われるため、所望のタイミングでの初期値設定が可能である。しかし、通常のSRAMセルの構成に加えてさらに2つのトランジスタが設けられるので、セルの形成面積の増大が懸念される。
また特許文献1および2においては、各SRAMセルがとる初期値を製造工程時に行う場合、各セル毎に配線やコンタクトのパターンの変更を行う必要があるので、そのような変更を伴う場合でもパターン設計を容易に行えるようなレイアウトが望まれる。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、SRAMセルを有する半導体記憶装置において、所望のタイミングで高速な初期値設定が可能であり、且つ、セルの形成面積の増大を抑えることを第1の目的とする。また、初期値決定のためのSRAMセルのパターン変更を容易に実行可能にすることを第2の目的とする。
本発明の第1の局面に係る半導体装置は、第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、ソースが接地されたNチャネル型トランジスタとを有するSRAMセルを備え、前記第1ノード、前記第2ノードおよび前記Nチャネル型トランジスタのドレインは、同一の配線層に形成された第1配線、第2配線および第3配線にそれぞれ接続しており、前記第3配線は、前記第1配線と一体形成され、且つ、前記第2配線に近接して配設されているものである。
本発明の第2の局面に係る半導体装置は、第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、ソースが電源に接続されたPチャネル型トランジスタとを有するSRAMセルを備え、前記第1ノード、前記第2ノードおよび前記Pチャネル型トランジスタのドレインは、同一の配線層に形成された第1配線、第2配線および第3配線にそれぞれ接続しており、前記第3配線は、前記第1配線と一体形成され、且つ、第2配線に近接して配設されているものである。
本発明の第3の局面に係る半導体装置は、第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、ソースが接地されたNチャネル型トランジスタとを有するSRAMセルを備え、前記第1ノードおよび前記第2ノードは、第1配線層に形成された第1配線および第2配線にそれぞれ接続しており、前記Nチャネル型トランジスタのドレインは、前記第1配線層の1層上の第2配線層に形成された第3配線に接続しており、前記第3配線は、前記第1および第2配線の両方の上方を通り、且つ、前記第1配線層と第2配線層との間の層間絶縁膜内に形成されたコンタクトによって、前記第1配線に接続しているものである。
本発明の第4の局面に係る半導体装置は、第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、ソースが電源に接続されたPチャネル型トランジスタとを有するSRAMセルを備え、前記第1ノードおよび前記第2ノードは、第1配線層に形成された第1配線および第2配線にそれぞれ接続しており、前記Pチャネル型トランジスタのドレインは、前記第1配線層の1層上の第2配線層に形成された第3配線に接続しており、前記第3配線は、前記第1および第2配線の両方の上方を通り、且つ、前記第1配線層と第2配線層との間の層間絶縁膜内に形成されたコンタクトによって、前記第1配線に接続しているものである。
本発明の第5の局面に係る半導体装置は、第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、ソースが接地されたNチャネル型トランジスタと、ソースが電源に接続されたPチャネル型トランジスタとを有するSRAMセルを備え、前記Nチャネル型トランジスタのドレインは、前記第1ノードに接続しており、前記Pチャネル型トランジスタのドレインは、前記第2ノードに接続しているものである。
本発明の第6の局面に係る半導体装置は、第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、前記第1ノードと第1ビット線との間に接続した第1アクセストランジスタと、前記第2ノードと第2ビット線との間に接続した第2アクセストランジスタとを有する複数のSRAMセルを備える半導体記憶装置であって、第1および第2ワード線を備え、前記複数のSRAMセルの各々において、前記第1および第2アクセストランジスタのゲートは共に、前記第1および第2ワード線のうちのいずれかに片方に接続しおり、前記第1および第2ワード線は、当該SRAMセルの初期設定動作時には互いに異なる期間でアクティブになり、通常動作時には互いに同じ期間でアクティブになるよう制御されているものである。
第1の局面に係る半導体装置によれば、Nチャネル型トランジスタのゲートに所定のリセット信号を入力することで初期値設定を実行できるので、電源投入時以外の任意のタイミングでの初期値設定を行うことができる。また、ROMなどの外部メモリから初期値を転送して各メモリセルに書き込む必要がなく、初期設定動作の時間は大幅に短縮される。さらに、従来のSRAMセルに対し、初期値設定のためにNチャネル型トランジスタの1つのみを設ける構成であるので、SRAMセルの形成面積の増大は抑制される。さらに、第3配線が、第1配線と一体形成され、且つ、第2配線に近接して配設されているので、当該SRAMセルに与える初期値を設定するためのパターン変更は最小限で済む。
第2の局面に係る半導体装置によれば、Pチャネル型トランジスタのゲートに所定のリセット信号を入力することで初期値設定を実行できるので、電源投入時以外の任意のタイミングでの初期値設定を行うことができる。また、ROMなどの外部メモリから初期値を転送して各メモリセルに書き込む必要がなく、初期設定動作の時間は大幅に短縮される。さらに、従来のSRAMセルに対し、初期値設定のためにPチャネル型トランジスタの1つのみを設ける構成であるので、SRAMセルの形成面積の増大は抑制される。さらに、第3配線が、第1配線と一体形成され、且つ、第2配線に近接して配設されているので、当該SRAMセルに与える初期値を設定するためのパターン変更は最小限で済む。
第3の局面に係る半導体装置によれば、Nチャネル型トランジスタのゲートに所定のリセット信号を入力することで初期値設定を実行できるので、電源投入時以外の任意のタイミングでの初期値設定を行うことができる。また、ROMなどの外部メモリから初期値を転送して各メモリセルに書き込む必要がなく、初期設定動作の時間は大幅に短縮される。さらに、従来のSRAMセルに対し、初期値設定のためにNチャネル型トランジスタの1つのみを設ける構成であるので、SRAMセルの形成面積の増大は抑制される。さらに、第3配線が、第1および第2配線の両方の上方を通り、且つ、第1配線層と第2配線層との間の層間絶縁膜内に形成されたコンタクトによって、第1配線に接続しているので、当該SRAMセルに与える初期値を設定するためのパターン変更は最小限で済む。
第4の局面に係る半導体装置によれば、Pチャネル型トランジスタのゲートに所定のリセット信号を入力することで初期値設定を実行できるので、電源投入時以外の任意のタイミングでの初期値設定を行うことができる。また、ROMなどの外部メモリから初期値を転送して各メモリセルに書き込む必要がなく、初期設定動作の時間は大幅に短縮される。さらに、従来のSRAMセルに対し、初期値設定のためにPチャネル型トランジスタの1つのみを設ける構成であるので、SRAMセルの形成面積の増大は抑制される。さらに、第3配線が、第1および第2配線の両方の上方を通り、且つ、第1配線層と第2配線層との間の層間絶縁膜内に形成されたコンタクトによって、第1配線に接続しているので、当該SRAMセルに与える初期値を設定するためのパターン変更は最小限で済む。
第5の局面に係る半導体装置によれば、Pチャネル型トランジスタのゲートに所定のリセット信号を入力することで初期値設定を実行できるので、電源投入時以外の任意のタイミングでの初期値設定を行うことができる。また、ROMなどの外部メモリから初期値を転送して各メモリセルに書き込む必要がなく、初期設定動作の時間は大幅に短縮される。また、通常のSRAMセルの構成に対し、第1ノードと第2ノードとに1個ずつのトランジスタが接続されるので、第1および第2ノードにおける容量成分のアンバランスが抑制され、SRAMセルの動作の高速化が可能になる。また、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタとを1個ずつ設けるので、SRAMセル全体でのPチャネル型トランジスタの個数とNチャネル型トランジスタの個数のバランスが保たれ、半導体基板上での効率的なレイアウトが容易であるという利点も得られる。それにより、SRAMセルの形成面積の増大が抑制される効果が得られる。
第6の局面に係る半導体装置によれば、まず第1ワード線をアクティブにしてそれに接続するSRAMセルに初期値を書き込み、続いて第2ワード線をアクティブにしてそれに接続するSRAMセルに初期値を書き込むいう2つのステップにより、全てのSRAMセルに対して初期値の設定を行うことができる。また、ROMなどの外部メモリから初期値を転送して各メモリセルに書き込む必要がなく、初期設定動作の時間は大幅に短縮される。従来構造よりもワード線が多いが、本発明の第1〜第4の局面のように新たにトランジスタを設ける必要が無いので、結果的に半導体基板上のSRAMセルの形成面積の増大は抑制される。
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係るSRAMセルの回路図である。ドライバトランジスタと呼ばれるNチャネル型MOSトランジスタ(NMOSトランジスタ)Q2,Q4は、それぞれドライバトランジスタと呼ばれるPチャネル型MOSトランジスタ(PMOSトランジスタ)Q1,Q3と共に、2つのインバータを構成している。第1ロードトランジスタQ1と第1ドライバトランジスタQ2とで構成される第1のインバータの出力は、第2ロードトランジスタQ3と第2ドライバトランジスタQ4とで構成される第2のインバータの入力に第1記憶ノードN1で接続し、且つ、当該第2のインバータの出力は当該第1インバータの入力に第2記憶ノードN2で接続する。つまり、第1および第2のインバータによりフリップフロップ回路を構成している。なお、図1の符号VDDおよびVSSは、それぞれ電源およびグラウンドを示している。
図1は本発明の実施の形態1に係るSRAMセルの回路図である。ドライバトランジスタと呼ばれるNチャネル型MOSトランジスタ(NMOSトランジスタ)Q2,Q4は、それぞれドライバトランジスタと呼ばれるPチャネル型MOSトランジスタ(PMOSトランジスタ)Q1,Q3と共に、2つのインバータを構成している。第1ロードトランジスタQ1と第1ドライバトランジスタQ2とで構成される第1のインバータの出力は、第2ロードトランジスタQ3と第2ドライバトランジスタQ4とで構成される第2のインバータの入力に第1記憶ノードN1で接続し、且つ、当該第2のインバータの出力は当該第1インバータの入力に第2記憶ノードN2で接続する。つまり、第1および第2のインバータによりフリップフロップ回路を構成している。なお、図1の符号VDDおよびVSSは、それぞれ電源およびグラウンドを示している。
また、NMOSトランジスタQ5,Q6は、このフリップフロップ回路に対しデータの書き込みおよび読み出し行うためのものであり、アクセストランジスタと呼ばれる。データの書き込みおよび読み出しは、この第1アクセストランジスタQ5と第2アクセストランジスタQ6を、ワード線WLを高レベル(アクティブ)にすることにより導通させて、第1記憶ノードN1とビット線BL1との間および第2記憶ノードN2とビット線BL2との間で、互いに相補なデータをやりとりすることで行われる。
なお、本明細書においては説明の簡単のため、第1記憶ノードN1がハイレベルで第2記憶ノードN2がローレベルのときを、当該SRAMセルがデータ“1”を記憶していると定義し、逆に第1記憶ノードN1がローレベルで第2記憶ノードN2がハイレベルのときを、データ“0”を記憶していると定義する。
以上の構成は、一般的なSRAMも有しているものであるが、本実施の形態に係るSRAMセルはさらに、NMOSトランジスタQ7を備えている。当該NMOSトランジスタQ7のソースはドライバトランジスタQ2,Q4と同様にグラウンドVSSに接続される。一方、ドレインは図1に示す符号A1の部分において、第1記憶ノードN1および第2記憶ノードN2のうちいずれか片方に接続される。ゲートには、初期設定動作時のみにハイレベルになる所定のリセット信号RSがゲートに入力される。つまり初期設定動作時には、当該リセット信号RSによってNMOSトランジスタQ7は導通状態にされ、そのドレインの電位はローレベルになる。
例えば、NMOSトランジスタQ7のドレインが第1記憶ノードN1側に接続している場合、初期設定動作時に第1記憶ノードN1が強制的にローレベルにされるので、当該SRAMは初期値としてデータ“0”が書き込まれることになる。逆に、NMOSトランジスタQ7のソースが第2記憶ノードN2側に接続してれば、初期設定動作時に第2記憶ノードN2が強制的にローレベルにされるので、当該SRAMは初期値としてデータ“1”が書き込まれることになる。つまり、図1のSRAMセルが、初期値として“1”を記憶するか“0”を記憶するかは、部分A1における接続状態に依存する(以下、当該部分A1のように、初期値を決定するために接続状態が設定される部分を「初期値決定部」と称する)。
よって当該SRAMセルを複数個備える半導体記憶装置において、各セル毎に初期値決定部A1の接続状態を、所望の初期値に対応させて適宜設定しておけば、リセット信号RSを用いて一度に全てのセルに対して当該所望の初期値を与えることができる。従って、SRAMの初期設定動作時間を短くでき、システムの立ち上げを高速で行うことができる。また、電源投入時以外のタイミングでも、リセット信号RSをハイレベルにすることで初期値設定を行うことができる。さらに、上記特許文献2では、初期値設定のために2つのMOSトランジスタを設けていたが、本実施の形態では初期値設定のためにNMOSトランジスタQ7の1つのみを設けるので、SRAMセルの形成面積の増大は抑制されている。
なお、初期設定動作時以外の通常使用時には、リセット信号RSはローレベルになり、その間はMOSトランジスタQ7は非導通状態になるので、通常のSRAMとして動作する。
図2および図3は、本実施の形態に係るSRAMセルの主要部のレイアウトを示す図である。図2には、2つのSRAMセルC1,C2が含まれており、図3はそのうちのSRAMセルC1のみを拡大した図である。これらの図において、図1に示したものに対応する要素には、同一符号を付してある。
なお、ビット線BL1,BL2(図2では不図示)は、それぞれ図2の縦方向に延びるライン状に配設されるため、それとの位置関係により、SRAMセルC1とSRAMセルC2とでは第1インバータと第2インバータとが互いに逆に配設されるが、それ以外は互いに同様の構造を有するものである。但し、それぞれの初期値決定部A1における構造(接続状態)は、設定すべき初期値によって変わるため、SRAMセルC1とSRAMセルC2とで互いに異なっていてもよい(詳細は後述する)。
SRAMセルC1,C2はP型の半導体基板に形成されており、図2のように、SRAMセルC1,C2それぞれのPMOSトランジスタ(ロードトランジスタQ1,Q3)は当該基板内に形成されたNウェル領域に形成され、NMOSトランジスタ(ドライバトランジスタQ2,Q4、ロードトランジスタQ1,Q3、NMOSトランジスタQ7)は、当該基板内のP型領域(「P型基板領域」と称す)に形成される。
図3を用いて、より詳細に説明する。Nウェル領域内にはロードトランジスタQ1,Q3を形成するための活性領域11,12が形成され、P型基板領域内にドライバトランジスタQ2,Q4、アクセストランジスタQ5,Q6およびNMOSトランジスタQ7を形成するための活性領域13,14,15が形成される。
基板上の最下層配線である第1配線層はポリシリコンにより形成される。当該第1配線層には、ポリシリコン配線16,17、ワード線WL、並びにリセット信号RSを伝達するためのリセット信号線RSLが形成される。ポリシリコン配線16は、ゲート酸化膜(不図示)を介して活性領域11および活性領域13上に配設されて、第1ロードトランジスタQ1および第1ドライバトランジスタQ2のゲート電極として機能する。ポリシリコン配線17は、ゲート酸化膜(不図示)を介して活性領域12および活性領域14上に配設されて、第2ロードトランジスタQ3および第2ドライバトランジスタQ4のゲート電極として機能する。ワード線WLは、ゲート酸化膜(不図示)を介して活性領域13および活性領域14上に配設されて、第1アクセストランジスタQ5,第2アクセストランジスタQ6のゲート電極として機能する。またリセット信号線RSLは、ゲート酸化膜(不図示)を介して活性領域15上に配設され、NMOSトランジスタQ7のゲート電極として機能する。
ロードトランジスタQ1,Q3のソース領域上には、電源VDDの配線(不図示)に接続するコンタクト111およびコンタクト121がそれぞれ形成される。ドライバトランジスタQ2,Q4およびNMOSトランジスタQ7のソース領域上には、グラウンドVSSの配線(不図示)に接続するコンタクト131,141,151がそれぞれ形成される。また、アクセストランジスタQ5のソース/ドレイン領域のうちドライバトランジスタQ2に接続してない方に、ビット線BL1(不図示)に接続するコンタクト133が形成され、アクセストランジスタQ6のソース/ドレイン領域のうちドライバトランジスタQ4に接続していない方に、ビット線BL2(不図示)に接続するコンタクト143が形成される。
また、第1配線層の1層上の第2配線層はアルミニウムにより形成される。当該第2配線層には、アルミ配線21,22,23が形成される。アルミ配線21は、コンタクト112を通して第1ロードトランジスタQ1のドレイン領域に接続すると共に、コンタクト171を通してポリシリコン配線17(第2ロードトランジスタQ3および第2ドライバトランジスタQ4のゲート電極)に接続し、且つコンタクト132を通して第1ドライバトランジスタQ2のドレイン領域に接続する。アルミ配線22は、コンタクト122を通して第2ロードトランジスタQ3のドレイン領域に接続すると共に、コンタクト161を通してポリシリコン配線16(第1ロードトランジスタQ1および第1ドライバトランジスタQ2のゲート電極)に接続し、且つコンタクト142を通して第2ドライバトランジスタQ4のドレイン領域に接続する。アルミ配線23はコンタクト152を通してNMOSトランジスタQ7のドレイン領域に接続している。
つまりアルミ配線21は、第1ロードトランジスタQ1および第1ドライバトランジスタQ2から成る第1インバータの出力と、第2ロードトランジスタQ3および第2ドライバトランジスタQ4から成る第2インバータの入力とに接続しており、図1の回路の第1記憶ノードN1に相当する。また、アルミ配線22は、該第2インバータの出力と、該第1インバータの入力とに接続しており、図1の回路の第2記憶ノードN2に相当する。
本実施の形態においては、アルミ配線23は、アルミ配線21およびアルミ配線22のいずれか一方と一体的に形成され、且つ、他方に近接して配設される。図3の例では、アルミ配線23をアルミ配線22と一体的に形成し、且つ、アルミ配線21に近接して配設している。つまり、初期値決定部A1において、NMOSトランジスタQ7のドレインが第2記憶ノードN2に接続する。よってこのSRAMセルは、初期設定動作時のリセット信号RSにより初期値としてデータ“1”を記憶することになる。
また逆に、図3に点線で示しているように、アルミ配線23をアルミ配線21と一体的に形成し、且つ、アルミ配線22に近接して配設させてもよい。この場合、初期値決定部A1において、NMOSトランジスタQ7のドレインが第1記憶ノードN1に接続する。よってこのSRAMセルは、初期設定動作時のリセット信号RSにより、初期値としてデータ“0”を記憶することになる。
つまり図3に示しているように、初期設定動作時にSRAMセルが“1”を記憶するか“0”を記憶するかを決める初期値決定部A1は、第2配線層におけるアルミ配線23とアルミ配線21との間の部分および、アルミ配線23とアルミ配線21との間の部分に相当する。
例えば図2の如く、セルC1のNMOSトランジスタQ7のドレインに接続するアルミ配線を第2記憶ノードN2と一体にし、且つ、セルC2のNMOSトランジスタQ7のドレインに接続するアルミ配線を第1記憶ノードN1と一体にするよう第2配線層のパターンをレイアウトすると、初期設定動作時にSRAMセルC1は“1”を記憶し、SRAMセルC2は“0”を記憶するようになる。逆に、初期設定動作時にSRAMセルC1に“0”を記憶させ、SRAMセルC2に“1”を記憶させたければ、図4のように、セルC1のNMOSトランジスタQ7のドレインに接続するアルミ配線を第1記憶ノードN1と一体にし、且つ、セルC1においてNMOSトランジスタQ7のドレインに接続するアルミ配線を第2記憶ノードN2と一体にするよう、第2配線層のパターンを変更すればよい。
このパターン変更は、製造工程におけるのマスク選択により決定される。アルミ配線21,22,23は全て同じ第2配線層に形成されているので、SRAMセルに与える初期値を“1”にする場合と“0”にする場合とでは、第2配線層のパターン変更のみでよい。また、アルミ配線23は、アルミ配線21およびアルミ配線22のいずれか一方と一体的に形成され、且つ、他方に近接して配設されるので、そのパターン変更は最小限で済む。このことは、図2と図4とのレイアウトが殆ど同じであることから明らかである。
以上のように、本実施の形態に係るSRAMセルによれば、NMOSトランジスタQ7のゲートにリセット信号RSを入力することで初期値設定を実行できるので、電源投入時以外の任意のタイミングでの初期値設定を行うことができる。また、ROMなどの外部メモリから初期値を転送して各メモリセルに書き込む必要がなく、初期設定動作の時間は大幅に短縮される。よって、システム立ち上げの高速化に寄与できる。さらに、上記特許文献2と異なり、初期値設定のためにNMOSトランジスタQ7の1つのみを設ける構成であるので、SRAMセルの形成面積の増大は抑制される。さらに、第1記憶ノードN1であるアルミ配線21と、第2記憶ノードN2であるアルミ配線22と、NMOSトランジスタQ7のドレインに接続するアルミ配線23は同一の配線層に形成され、アルミ配線23はアルミ配線21およびアルミ配線22のいずれか一方と一体的に形成され、且つ、他方に近接して配設されるので、SRAMセルに与える初期値を設定するためのパターン変更は最小限で済む。よって、SRAMセルを有する半導体装置のパターン設計の容易化に寄与できる。
<実施の形態2>
図5および図6は、実施の形態2に係るSRAMセルの主要部のレイアウトを示す図である。図5には、2つのSRAMセルC1およびC2が含まれており、図6はそのうちのSRAMセルC1のみを拡大した図である。これらの図において、図1〜図3に示したものと同様の機能を有する要素には、同一符号を付してある。図5,図6において、図2,図3と異なる点は、初期値決定部A1の構造のみである。
図5および図6は、実施の形態2に係るSRAMセルの主要部のレイアウトを示す図である。図5には、2つのSRAMセルC1およびC2が含まれており、図6はそのうちのSRAMセルC1のみを拡大した図である。これらの図において、図1〜図3に示したものと同様の機能を有する要素には、同一符号を付してある。図5,図6において、図2,図3と異なる点は、初期値決定部A1の構造のみである。
なお、図5においても、SRAMセルC1とSRAMセルC2とでは、ビット線BL1,BL2(図5では不図示)との位置関係により、第1インバータと第2インバータとが互いに逆に配設されるが、それ以外は互いに同じ構造を有するものである。但し、本実施の形態においても、初期値決定部A1における構造(接続状態)は、設定すべき初期値によって変わるため、SRAMセルC1とSRAMセルC2とで互いに異なっていてもよい。
図5,図6に示すように、本実施の形態では、アルミ配線23は、アルミ配線21,22のどちらとも一体形成されていない。一方、第1配線層のポリシリコン配線16およびポリシリコン配線17は、第2配線層に形成されたアルミ配線23の下方にまで延びている。言い換えれば、アルミ配線23はポリシリコン配線16,17両方の上方を通っている。そして第1配線層と第2配線層との間の層間絶縁膜(不図示)には、ポリシリコン配線16とアルミ配線23とを接続するコンタクト162、および、ポリシリコン配線17とアルミ配線23とを接続するコンタクト172のうちいずれか片方が形成される。図6の例では、コンタクト162を形成しており、コンタクト172(図6に点線で示している)は形成していない。この場合、NMOSトランジスタQ7のドレインがポリシリコン配線16を介して第2記憶ノードN2(アルミ配線22)に接続するので、初期設定動作時のリセット信号RSにより、このSRAMセルは初期値としてデータ“1”を記憶することになる。
また初期値としてデータ“0”を記憶させたい場合は、逆に、図6に点線で示しているコンタクト172を形成し、コンタクト162を形成しないようにすればよい。この場合、NMOSトランジスタQ7のドレインはポリシリコン配線17を介して第1記憶ノードN1に接続するので、初期設定動作時のリセット信号RSにより、このSRAMセルは初期値としてデータ“0”を記憶する。
つまり、初期設定動作時にSRAMセルが“1”を記憶するか“0”を記憶するかを決める初期値決定部A1は、ポリシリコン配線16,17とアルミ配線23との間におけるコンタクト162,172の部分に相当する。よって、本実施の形態のSRAMセルの回路図は、初期値決定部A1における接続関係を具体的に表現すると図7のようになるが、機能的には図1と全く同じである。
例えば図5のように、セルC1のNMOSトランジスタQ7のドレインに接続するアルミ配線と第2記憶ノードN2に繋がるポリシリコン配線との間を接続し、且つ、セルC2のNMOSトランジスタQ7のドレインに接続するアルミ配線と第1記憶ノードN1に繋がるポリシリコン配線との間を接続するようコンタクトをレイアウトすると、初期設定動作時にSRAMセルC1は“1”を記憶し、SRAMセルC2は“0”を記憶するようになる。逆に、初期設定動作時にSRAMセルC1に“0”を記憶させ、SRAMセルC2に“1”を記憶させたければ、図8のように、セルC1のNMOSトランジスタQ7のドレインに接続するアルミ配線と第1記憶ノードN1に繋がるポリシリコン配線との間を接続し、且つ、セルC2のNMOSトランジスタQ7のドレインに接続するアルミ配線と第2記憶ノードN2に繋がるポリシリコン配線との間を接続するようコンタクトをレイアウトすればよい。
このパターン変更は、製造工程におけるのマスク選択により決定される。本実施の形態では、アルミ配線23がポリシリコン配線16,17の両方の上方を通るように配設されているので、SRAMセルに与える初期値を“1”にする場合と“0”にする場合とでの変更は、第1配線層と第2配線層との間のコンタクトのパターン変更のみでよく最小限で済む。このことは、図5と図8との間で第1配線層および第2配線層のパターンが同一であることからも分かる。よって、SRAMセルを有する半導体装置のパターン設計の容易化に寄与できる。
本実施の形態においても、リセット信号RSを用いて電源投入時以外の任意のタイミングでの初期値設定を行うことができる。また、初期値設定のためにNMOSトランジスタQ7の1つのみを設ける構成であるので、SRAMセルの形成面積の増大は抑制される。
<実施の形態3>
図9は本発明の実施の形態3に係るSRAMセルの回路図である。同図において、図1と同様の機能を有する要素には同一符号を付してある。
図9は本発明の実施の形態3に係るSRAMセルの回路図である。同図において、図1と同様の機能を有する要素には同一符号を付してある。
本実施の形態においては、実施の形態1,2のSRAMセルに対し、NMOSトランジスタQ7に代えて、PMOSトランジスタQ8を設けた構成となっている。当該PMOSトランジスタQ8のソースはロードトランジスタQ1,Q3と同様に電源VDDに接続される。一方、ドレインは図9に示す初期値決定部A2において、第1記憶ノードN1および第2記憶ノードN2のうちいずれか片方に接続される。ゲートには、初期設定動作時のみにハイレベルリセット信号RSがNOTゲート30を介してゲートに入力される。つまり、リセット信号RSによって、PMOSトランジスタQ8のゲートは初期設定動作時にローレベルになるよう制御される。従って、初期設定動作時には、PMOSトランジスタQ8は導通状態になり、そのドレインの電位はハイレベルになる。
例えば、初期値決定部A2において、NMOSトランジスタQ7のドレインが第2記憶ノードN2側に接続していれば、初期設定動作時に第2記憶ノードN2が強制的にハイレベルにされるので、当該SRAMは初期値としてデータ“0”を記憶することになる。逆に、NMOSトランジスタQ7のソースが第1記憶ノードN1側に接続してれば、初期設定動作時に第1記憶ノードN1が強制的にハイレベルにされるので、当該SRAMは初期値としてデータ“1”を記憶することになる。つまり、初期設定動作時のリセット信号RSによって、SRAMセルが“1”を記憶するか“0”を記憶するかは、初期値決定部A2における接続状態により決定される。初期値決定部A2の接続状態は、実施の形態1,2と同様に、製造工程におけるのマスク選択による配線やコンタクトのパターン選択により決定される。
なお、初期設定動作時以外の通常使用時には、リセット信号RSはローレベルになり、その間はMOSトランジスタQ8は非導通状態になるので、通常のSRAMとして動作する。
よって、当該SRAMセルを複数個備える半導体記憶装置において、各セル毎に、初期値決定部A2の接続状態を適宜設定しておけば、リセット信号RSを用いて一度に全てのセルに対して所望の初期値を与えることができる。また、電源投入時以外のタイミングでも、リセット信号RSをアクティブにすることで初期値設定を行うことができる。さらに、初期値設定のために第1ロードトランジスタQ1の1つのみを設けるので、SRAMセルの形成面積の増大は抑制されている。
また図示は省略するが、実施の形態1のように、第1記憶ノードN1(第1インバータの出力および第2インバータの入力)に接続する第1のアルミ配線と、第2記憶ノードN2(第2インバータの出力および第1インバータの入力)に接続する第2のアルミ配線と、PMOSトランジスタQ8のドレインに接続する第3のアルミ配線とを、同じ第2配線層に形成すると共に、当該第3のアルミ配線を、第1のアルミ配線および第2のアルミ配線のうちの一方と一体的に形成し、且つ他方に近接して配設するようにレイアウトすれば、SRAMセルに与える初期値を“1”にする場合と“0”にする場合とでのパターン変更は最小限で済む。それにより、実施の形態1と同様に、SRAMセルを有する半導体装置のパターン設計の容易化に寄与できる。
あるいは実施の形態2のように、PMOSトランジスタQ8のドレインに接続する第2配線層のアルミ配線を、第1記憶ノードN1に接続する第1のポリシリコン配線および第2記憶ノードN2に接続する第2のポリシリコン配線の両方の上方を通るよう配設し、当該アルミ配線が当該第1および第2のポリシリコン配線のいずれか片方のみに接続するようコンタクトを配設するようにレイアウトすれば、SRAMセルに与える初期値を“1”にする場合と“0”にする場合とでのパターン変更は最小限で済む。それにより、実施の形態2と同様に、SRAMセルを有する半導体装置のパターン設計の容易化に寄与できる。
<実施の形態4>
図10は本発明の実施の形態4に係るSRAMセルの回路図である。同図において、図1と同様の機能を有する要素には同一符号を付してある。
図10は本発明の実施の形態4に係るSRAMセルの回路図である。同図において、図1と同様の機能を有する要素には同一符号を付してある。
本実施の形態においては、SRAMセルに実施の形態1,2で説明したNMOSトランジスタQ7と、実施の形態3で説明したPMOSトランジスタQ8の両方を設ける。その場合、NMOSトランジスタQ7のドレインとPMOSトランジスタQ8のドレインとは、第1および第2記憶ノードN1,N2のそれぞれ異なる側に接続させる。
つまり、初期値決定部A1において、NMOSトランジスタQ7のドレインを第1記憶ノードN1側に接続させる場合は、初期値決定部A2においては、PMOSトランジスタQ8のドレインを第2記憶ノードN2側に接続させる。その場合、初期設定動作時に第1記憶ノードN1が強制的にローレベルにされると共に、第2記憶ノードN2が強制的にハイレベルにされるので、当該SRAMは初期値としてデータ“0”を記憶することになる。
逆に、初期値決定部A1において、NMOSトランジスタQ7のドレインを第2記憶ノードN2側に接続させる場合は、初期値決定部A2においては、PMOSトランジスタQ8のドレインを第1記憶ノードN1側に接続させる。その場合、初期設定動作時に第2記憶ノードN2が強制的にローレベルにされると共に、第2記憶ノードN2が強制的にハイレベルにされるので、当該SRAMは初期値としてデータ“1”を記憶することになる。
このように、本実施の形態に係るSRAMセルの動作は、実質的に実施の形態1〜3と同様である。
実施の形態1〜3の構成では、第1記憶ノードN1に接続するトランジスタの個数と、第2記憶ノードN2に接続するトランジスタの個数とが異なっていた。その場合、各トランジスタが有する寄生容量の影響により、第1記憶ノードN1が有する容量成分と第2記憶ノードN2が有する容量成分とがアンバランスになり、フリップフロップ回路を構成する第1および第2インバータの出力電圧の立ち上がり速度に差が生じてしまう。そのことは、SRAMセルの動作の高速化を妨げる原因となる。
それに対し本実施の形態では、対称な構造の通常のSRAMセルの構成に対し、第1記憶ノードN1と第2記憶ノードN2とに1個ずつのトランジスタが接続されるので、第1記憶ノードN1と第2記憶ノードN2とで接続するトランジスタの個数が同じになる。よって、第1および第2記憶ノードN1,N2における容量成分のアンバランスが抑制され、SRAMセルの動作の高速化が可能になる。
また、図10から分かるように本実施の形態では、フリップフロップ回路が、3個のPMOSトランジスタ(第1ロードトランジスタQ1、第2ロードトランジスタQ3、PMOSトランジスタQ8)と、同じく3個のPMOSトランジスタ(第1ロードトランジスタQ1、第2ロードトランジスタQ3、PMOSトランジスタQ8)とを有する構成になる。つまり、フリップフロップ回路が、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとを同じ数だけ有することになるので、SRAMセルの設計時にレイアウトし易くなり、容易に効率的なレイアウトが可能になるという利点もある。NMOSトランジスタの個数がPMOSトランジスタよりも多い場合は、例えば図2のようにうまくレイアウトしなければ、Nウェル領域に無駄なスペースが生じやすい。実施の形態1〜3に比較すると、トランジスタの個数が増えるため形成領域は増えるであろうが、本実施の形態によれば効率的なレイアウトが容易であるため、結果的にSRAMセルの小型化にも寄与できる。
<実施の形態5>
図11は、実施の形態5に係るSRAMセルを示す回路図である。当該SRAMセルは、実施の形態4のSRAMセル(図10)に対し、PMOSトランジスタQ8のゲートが電源VDDに接続される点で異なっている。つまり、本実施の形態では、PMOSトランジスタQ8は常に非導通状態であるダミーのトランジスタである。なお、本実施の形態においても、NMOSトランジスタQ7のドレインとPMOSトランジスタQ8のドレインとは、第1および第2記憶ノードN1,N2のそれぞれ異なる側に接続させる。
図11は、実施の形態5に係るSRAMセルを示す回路図である。当該SRAMセルは、実施の形態4のSRAMセル(図10)に対し、PMOSトランジスタQ8のゲートが電源VDDに接続される点で異なっている。つまり、本実施の形態では、PMOSトランジスタQ8は常に非導通状態であるダミーのトランジスタである。なお、本実施の形態においても、NMOSトランジスタQ7のドレインとPMOSトランジスタQ8のドレインとは、第1および第2記憶ノードN1,N2のそれぞれ異なる側に接続させる。
PMOSトランジスタQ8は常に非導通状態であるので、本実施の形態のSRAMセルは、実質的に実施の形態1のSRAMセル(図1)と等価である。よって、その動作は実施の形態1のSRAMセルと同じであるので、ここでの説明は省略する。
本実施の形態では、第1記憶ノードN1と第2記憶ノードN2とで接続するトランジスタの個数が同じになるので、実施の形態4と同様の効果が得られる。さらに、PMOSトランジスタQ8のゲート配線を簡略化できるので、実施の形態4よりもレイアウトしやすくなるという利点があり、SRAMセルの小型化に寄与できる。
なお、図11では、NMOSトランジスタQ7およびPMOSトランジスタQ8のうち、PMOSトランジスタQ8をダミーのトランジスタとした例を示したが、図12の如く反対にNMOSトランジスタQ7のゲートをグラウンドVSSに接続してダミーのトランジスタにしてもよい。その場合も、上記と同様の効果が得られる。なお、そのとき当該SRAMセルは実質的に実施の形態3のSRAMセル(図9)と等価になり、その動作は実施の形態3のSRAMセルと同じである。
<実施の形態6>
図13は、実施の形態6に係る半導体記憶装置を説明するための図である。同図において、図1と同様に機能する要素には同一符号を付してある。本実施の形態では、半導体記憶装置は、図13に示すSRAMセルを複数個有している。
図13は、実施の形態6に係る半導体記憶装置を説明するための図である。同図において、図1と同様に機能する要素には同一符号を付してある。本実施の形態では、半導体記憶装置は、図13に示すSRAMセルを複数個有している。
従来の半導体記憶装置では1つのSRAMセルには1本のワード線が提供されていたが、本実施の形態では1つのSRAMセルに対し2本のワード線が提供される。より具体的には、SRAMセルに初期値としてデータ“1”を記憶させるための第1ワード線WL1と、初期値としてデータ“0”を記憶させるための第2ワード線WL2とが提供される。
そして各SRAMセル毎に、設定したい初期値に対応させて初期値決定部A3,A4の接続状態を決定し、アクセストランジスタQ5,Q6のゲートを第1ワード線WL1または第2ワード線WL2に接続させる。このとき、アクセストランジスタQ5,Q6のゲートは、第1ワード線WL1および第2ワード線WL2の同じ側に接続させる。即ち、初期値“1”を記憶させたいSRAMセルでは、初期値決定部A3にて第1アクセストランジスタQ5のゲートを第1ワード線WL1に接続させると共に、初期値決定部A4にて第2アクセストランジスタQ6のゲートも第1ワード線WL1に接続させる。また逆に、初期値“0”を記憶させたいSRAMセルでは、初期値決定部A3,A4にてアクセストランジスタQ5,Q6のゲートを共に第2ワード線WL2に接続させる。この接続状態の決定は、製造工程におけるのマスク選択により行われる。
第1ワード線WL1および第2ワード線WL2は、初期設定動作時においては、互いに異なる期間にアクティブになるように制御される。即ち、第1ワード線WL1がアクティブ(アサート)になる期間では第2ワード線WL2が非アクティブ(ネゲート)になり、第2ワード線WL2がアサートになる期間では第1ワード線WL1がネゲートになる。
また、通常動作時においては、第1ワード線WL1と第2ワード線WL2とは、同じ期間にアサートになるように制御される。つまり通常動作時では、見かけ上、従来の記憶装置と同様に各SRAMセルに1本のワード線が提供されたのと等価になる。
一方、初期設定動作時のビット線BL1、BL2は、第1ワード線WL1がアサートの期間にはビット線BL1がハイレベル且つビット線BL2がローレベルになるよう制御され、第2ワード線WL2がアサートの期間にはビット線BL1がローレベル且つビット線BL2がハイレベルになるように制御される。また、ビット線BL1、BL2の通常動作時の振舞いは、一般的なSRAMのビット線と同様である。
本実施の形態に係る半導体記憶装置の初期設定動作を説明する。上述のとおり、初期設定動作時においては、第1ワード線WL1および第2ワード線WL2は、互いに異なる期間にアサートになる。本実施の形態では、初期設定動作が開始されると最初に第1ワード線WL1がアサート、第2ワード線WL2がネゲートになり、その後第2ワード線WL2がアサート、第1ワード線WL1がネゲートになるとする。
初期設定動作が開始され、第1ワード線WL1がアサートになると、ビット線BL1がハイレベル、ビット線BL2がローレベルになる。それにより、第1ワード線WL1に接続した全てのSRAMセルに対し、初期値“1”が書き込まれる。
その後第2ワード線WL2がアサートになると、今度はビット線BL1がローレベル、ビット線BL2がハイレベルになる。それにより、第2ワード線WL2に接続した全てのSRAMセルに対し、初期値“0”が書き込まれる。このとき第1ワード線WL1はネゲートであるので、第1ワード線WL1に接続した各SRAMセルの記憶内容は変化せず、先に記憶した初期値“1”を維持する。
以上の初期設定動作により、当該半導体装置が有する複数のSRAMセルのうち、第1ワード線WL1に接続したものに初期値“1”が設定され、第2ワード線WL2に接続したものに初期値“0”が設定されることになる。
また、通常動作時には、第1ワード線WL1と第2ワード線WL2とは同じように振舞うので、各SRAMセルに1本のワード線が提供されたのと等価になる。従って、当該半導体記憶装置は、通常動作時には従来のSRAMと同様に動作する。
本実施の形態によれば、第1ワード線WL1をアサートにし、続いて第2ワード線WL2をアサートにするという2つのステップにより、全てのSRAMセルに対して初期値の設定を行うことができる。また、ROMなどの外部メモリから初期値を転送して各メモリセルに書き込む必要がなく、初期設定動作の時間は大幅に短縮される。よって、システム立ち上げの高速化に寄与できる。ワード線が従来構造よりも多く必要になるが、上記の各実施の形態のように、新たにトランジスタを設ける必要が無いので、結果的に半導体基板上のSRAMセルの形成面積の増大は抑制される。
Q1,Q3 ロードトランジスタ、Q2,Q4 ドライバトランジスタ、Q5,Q6 アクセストランジスタ、Q7 NMOSトランジスタ、Q8 PMOSトランジスタ、VDD 電源、VSS グラウンド、A1〜A4 初期値決定部、WL,WL1,WL2 ワード線、BL1,BL2 ビット線、N1,N2 記憶ノード、RS リセット信号、RLS リセット信号線。
Claims (15)
- 第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、
ソースが接地されたNチャネル型トランジスタとを有するSRAMセルを備え、
前記第1ノード、前記第2ノードおよび前記Nチャネル型トランジスタのドレインは、同一の配線層に形成された第1配線、第2配線および第3配線にそれぞれ接続しており、
前記第3配線は、前記第1配線と一体形成され、且つ、前記第2配線に近接して配設されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項1記載の半導体記憶装置であって、
前記SRAMセルは、ソースが電源に接続されたPチャネル型のトランジスタをさらに備え、
前記Pチャネル型トランジスタのドレインは、前記同一の配線層に形成された第4配線に接続しており、
前記第4配線は、前記第2配線と一体形成されており、且つ、前記第1配線に近接して配設されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項2記載の半導体記憶装置であって、
前記Pチャネル型トランジスタのゲートは、前記電源に接続している
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項2記載の半導体記憶装置であって、
前記Nチャネル型トランジスタのゲートは、接地されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、
ソースが電源に接続されたPチャネル型トランジスタとを有するSRAMセルを備え、
前記第1ノード、前記第2ノードおよび前記Pチャネル型トランジスタのドレインは、同一の配線層に形成された第1配線、第2配線および第3配線にそれぞれ接続しており、
前記第3配線は、前記第1配線と一体形成され、且つ、第2配線に近接して配設されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、
ソースが接地されたNチャネル型トランジスタとを有するSRAMセルを備え、
前記第1ノードおよび前記第2ノードは、第1配線層に形成された第1配線および第2配線にそれぞれ接続しており、
前記Nチャネル型トランジスタのドレインは、前記第1配線層の1層上の第2配線層に形成された第3配線に接続しており、
前記第3配線は、前記第1および第2配線の両方の上方を通り、且つ、前記第1配線層と第2配線層との間の層間絶縁膜内に形成されたコンタクトによって、前記第1配線に接続している
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項6記載の半導体記憶装置であって、
前記SRAMセルは、ソースが電源に接続されたPチャネル型のトランジスタをさらに備え、
前記Pチャネル型トランジスタのドレインは、前記第2配線層に形成された第4配線に接続しており、
前記第4配線は、前記第1および第2配線の両方の上方を通り、且つ、前記第1配線層と第2配線層との間の層間絶縁膜内に形成されたコンタクトによって、前記第2配線に接続している
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項7記載の半導体記憶装置であって、
前記Pチャネル型トランジスタのゲートは、前記電源に接続している
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項7記載の半導体記憶装置であって、
前記Nチャネル型トランジスタのゲートは、接地されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、
ソースが電源に接続されたPチャネル型トランジスタとを有するSRAMセルを備え、
前記第1ノードおよび前記第2ノードは、第1配線層に形成された第1配線および第2配線にそれぞれ接続しており、
前記Pチャネル型トランジスタのドレインは、前記第1配線層の1層上の第2配線層に形成された第3配線に接続しており、
前記第3配線は、前記第1および第2配線の両方の上方を通り、且つ、前記第1配線層と第2配線層との間の層間絶縁膜内に形成されたコンタクトによって、前記第1配線に接続している
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、
ソースが接地されたNチャネル型トランジスタと、
ソースが電源に接続されたPチャネル型トランジスタとを有するSRAMセルを備え、
前記Nチャネル型トランジスタのドレインは、前記第1ノードに接続しており、
前記Pチャネル型トランジスタのドレインは、前記第2ノードに接続している
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項11記載の半導体記憶装置であって、
前記Pチャネル型トランジスタのゲートは、前記電源に接続している
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項11記載の半導体記憶装置であって、
前記Nチャネル型トランジスタのゲートは、接地されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 第1インバータの出力と第2インバータの入力とが第1ノードで接続し、前記第2インバータの出力と前記第1インバータの入力とが第2ノードで接続して成るフリップフロップ回路と、
前記第1ノードと第1ビット線との間に接続した第1アクセストランジスタと、
前記第2ノードと第2ビット線との間に接続した第2アクセストランジスタとを有する複数のSRAMセルを備える半導体記憶装置であって、
第1および第2ワード線を備え、
前記複数のSRAMセルの各々において、前記第1および第2アクセストランジスタのゲートは共に、前記第1および第2ワード線のうちのいずれかに片方に接続しおり、
前記第1および第2ワード線は、当該SRAMセルの初期設定動作時には互いに異なる期間でアクティブになり、通常動作時には互いに同じ期間でアクティブになるよう制御されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項14記載の半導体記憶装置であって、
前記初期設定動作時には、
前記第1ワード線がアクティブになる期間には、前記第1ビット線がハイレベル且つ前記第2ビット線がローレベルになり、
前記第2ワード線がアクティブになる期間には、前記第2ビット線がハイレベル且つ前記第1ビット線がローレベルになる
ことを特徴とする半導体記憶装置。
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