JP2006049585A - チャンバーのクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】地球温暖化能(GWP)の高いガスの使用量を削減し、クリーニング効果を損なうことなく、ガスコストの低減も図れるチャンバーのクリーニング方法を提供する。
【解決手段】六フッ化プロペン、三フッ化窒素及び酸素を含み、前記三フッ化窒素量に対する前記六フッ化プロペン量を三フッ化窒素の1に対して0.25〜2の範囲とし、前記六フッ化プロペン量に対する前記酸素量を六フッ化プロペンの1に対して3〜6の範囲とした混合ガスをチャンバー11内に導入し、該チャンバー11内でプラズマ化させる。
【選択図】図1
【解決手段】六フッ化プロペン、三フッ化窒素及び酸素を含み、前記三フッ化窒素量に対する前記六フッ化プロペン量を三フッ化窒素の1に対して0.25〜2の範囲とし、前記六フッ化プロペン量に対する前記酸素量を六フッ化プロペンの1に対して3〜6の範囲とした混合ガスをチャンバー11内に導入し、該チャンバー11内でプラズマ化させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、チャンバーのクリーニング方法に関し、詳しくは、シリコン酸化膜等を製造する半導体製造装置のチャンバー内に付着した堆積物を除去する方法に関する。
従来から、フッ素化ガスを主とするガスをチャンバー内に導入してプラズマ化させることにより、チャンバー内に付着した堆積物を除去するクリーニング処理が行われている。前記フッ素化ガスとしては、六フッ化エタンや三フッ化窒素が広く用いられており、これらのフッ素化ガスに希ガスや酸素を混合した混合ガスが多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第2904723号公報
前記六フッ化エタンは、地球温暖化能(GWP)が極めて高く、使用量を削減することや、消費工程において分解除去して使用することが必要とされている。一方、三フッ化窒素は、クリーニング工程において四フッ化メタン等の高GWPを有する副生成物を生成しないため、最終的に排出される温暖化物質の総量は、六フッ化エタンによるクリーニングよりも低減できる。
しかしながら、三フッ化窒素自身が非常に高いGWPを有しており、クリーニング工程において未分解の三フッ化窒素ガスが多量に排出されるため、より一層の温暖化物質排出量削減をしなくてはならない。さらに、三フッ化窒素は、ガスのコストが高く、ガス消費量の極めて多いクリーニング工程用途としては、コスト削減も課題となっている。
そこで本発明は、GWPの高いガスの使用量を削減し、クリーニング効果を損なうことなく、ガスコストの低減も図れるチャンバーのクリーニング方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のチャンバーのクリーニング方法は、六フッ化プロペン、三フッ化窒素及び酸素を含み、前記三フッ化窒素量に対する前記六フッ化プロペン量を三フッ化窒素の1に対して0.25〜2の範囲とし、前記六フッ化プロペン量に対する前記酸素量を六フッ化プロペンの1に対して3〜6の範囲とした混合ガスをチャンバー内に導入し、該チャンバー内でプラズマ化させることを特徴としている。
さらに、前記混合ガスが、窒素、ヘリウム、アルゴンの少なくともいずれか一種を含み、その含有量が前記酸素量に対して8%以下であることを特徴としている。
本発明のチャンバーのクリーニング方法によれば、GWPが極めて低く、四フッ化メタン等の高GWP化合物の生成も少ない六フッ化プロペンを使用するとともに、六フッ化プロペンを活性化させる酸素を混合することにより、三フッ化窒素の使用量を削減しながら同等のクリーニング効果を得ることができる。
図1は本発明方法を実施するための半導体薄膜形成装置の一例を示す概略系統図である。この半導体薄膜形成装置は、高周波やマイクロ波を印加するプラズマ発生手段を備えたチャンバー11に、原料ガス導入管12と、クリーニングガスとして使用する三フッ化窒素、六フッ化プロペン、酸素等を導入するための複数のクリーニングガス導入管13,14と、真空ポンプ15を備えた排気管16とを有している。
薄膜の形成は、チャンバー11内に基板を配置し、原料ガス導入管12から原料ガスをチャンバー11内に導入するとともに、プラズマ発生手段を作動させてチャンバー11内にプラズマを発生することにより行われる。チャンバー11内のガスは、真空ポンプ15に吸引されて排気管16から排出される。
チャンバー11内のクリーニングを行う際には、クリーニングガス導入管13,14から所定流量で三フッ化窒素、六フッ化プロペン及び酸素、更に必要に応じて窒素、ヘリウム、アルゴンのいずれか1種のガス又は複数種を混合した混合ガスからなる第4成分をそれぞれ導入し、所定の混合状態でチャンバー11内に導入するとともに、プラズマ発生手段を作動させてチャンバー11内にプラズマを発生することにより行われる。なお、プラズマの発生条件は従来と同様に設定できる。
このときのチャンバー11内のガスも、真空ポンプ15に吸引されて排気管16から排出される。なお、クリーニングガスとなる三フッ化窒素、六フッ化プロペン、酸素及び第4成分のガスの混合比は、各クリーニングガス導入管13,14にそれぞれ設けた流量調節器13F,14Fにより流量調節を行って所定の混合比としてもよく、あらかじめ設定された混合比で混合した状態の混合ガスを容器内に充填しておき、これをチャンバー11内に導入するようにしてもよい。
クリーニングガスとなる混合ガス中の各成分の混合比は、まず、三フッ化窒素量に対する六フッ化プロペン量は、三フッ化窒素が1に対して0.25〜2の範囲が適当であり、0.2≦六フッ化プロペン/(六フッ化プロペン+三フッ化窒素)≦0.67を満足する範囲が最適である。六フッ化プロペンの量が少なすぎると、GWPの高い三フッ化窒素の使用量を削減する効果、すなわち、温暖化物質の排出量を削減するという効果が十分に得られず、六フッ化プロペンの量が多すぎると、三フッ化窒素が持つ高いクリーニング効果が十分に得られなくなり、クリーニング処理に長時間を要することになる。
また、六フッ化プロペンは、酸素と反応して活性種のフッ素(Fラジカル)を生成する。
C3F6+3O2 → 3CO2+6F
したがって、六フッ化プロペン量に対する酸素量は、六フッ化プロペンが1に対して3〜6の範囲が適当であり、酸素量に対して六フッ化プロペン量が14〜25%の範囲が最適である。六フッ化プロペン量に対して酸素量が少なくなると、
2C3F6+3O2 → 6COF2
という反応が発生し、Fラジカルの発生量が少なくなってクリーニング効果が低下し、酸素量が多くなると、クリーニングガス全体として六フッ化プロペン及び三フッ化窒素の量が減少するので、この場合もクリーニング効果が低下する。
したがって、六フッ化プロペン量に対する酸素量は、六フッ化プロペンが1に対して3〜6の範囲が適当であり、酸素量に対して六フッ化プロペン量が14〜25%の範囲が最適である。六フッ化プロペン量に対して酸素量が少なくなると、
2C3F6+3O2 → 6COF2
という反応が発生し、Fラジカルの発生量が少なくなってクリーニング効果が低下し、酸素量が多くなると、クリーニングガス全体として六フッ化プロペン及び三フッ化窒素の量が減少するので、この場合もクリーニング効果が低下する。
さらに、第4成分の混合比は、酸素に対して8%以下に設定する。酸素に対する第4成分の混合比が多くなると、相対的に酸素量や六フッ化プロペン及び三フッ化窒素の量が減少し、クリーニング効果が低下することになる。なお、クリーニング処理時のチャンバー11内の圧力は従来と同様に設定すればよい。
半導体薄膜形成装置として、テトラエトキシシランによるシリコン酸化膜成膜用平行平板型プラズマ装置(アプライドマテリアルズ社製:Precision5000、5インチウエハ)を用い、シリコン酸化膜を約8000Å成長させた後にクリーニングを行った。クリーニング処理中にチャンバーから排出されるガスをフーリエ変換赤外分光器に採取し、クリーニング処理によって発生する四フッ化ケイ素の発生量の推移を測定するとともに、発生総量を算出した。なお、クリーニング処理の基本条件として、高周波印加電力は750W、チャンバー内の圧力は560Pa、基板温度は400℃、クリーニング時間は50秒に設定した。
比較例1
クリーニングガスとして、三フッ化窒素とアルゴンとの混合ガスを使用した。両者の流量を調節して各種混合比のクリーニングガスをチャンバー内に導入し、四フッ化ケイ素発生量の推移を測定した。三フッ化窒素及びアルゴンの各流量に対する四フッ化ケイ素発生量の推移を図2に示す。この結果、三フッ化窒素を240sccm、アルゴンを560sccmとした条件が最も三フッ化窒素の消費量が少ない条件となった。
クリーニングガスとして、三フッ化窒素とアルゴンとの混合ガスを使用した。両者の流量を調節して各種混合比のクリーニングガスをチャンバー内に導入し、四フッ化ケイ素発生量の推移を測定した。三フッ化窒素及びアルゴンの各流量に対する四フッ化ケイ素発生量の推移を図2に示す。この結果、三フッ化窒素を240sccm、アルゴンを560sccmとした条件が最も三フッ化窒素の消費量が少ない条件となった。
実施例1
三フッ化窒素と六フッ化プロペンとの合計流量を240sccm、酸素の流量を560sccmに設定し、三フッ化窒素及び六フッ化プロペンの各流量を変化させてクリーニング処理を行った。三フッ化窒素、六フッ化プロペン及び酸素の各流量に対する四フッ化ケイ素発生量の推移を図3に示す。また、三フッ化窒素と六フッ化プロペンとの合計流量に対する六フッ化プロペンの流量比、すなわち、「六フッ化プロペン/(六フッ化プロペン+三フッ化窒素)」に対する四フッ化ケイ素の総発生量及び温暖化物質排出総量(MMTCE)の関係を図4に示す。なお、温暖化物質排出総量については、CO2の重量単位を基準とした計算方法に従って算出した。
三フッ化窒素と六フッ化プロペンとの合計流量を240sccm、酸素の流量を560sccmに設定し、三フッ化窒素及び六フッ化プロペンの各流量を変化させてクリーニング処理を行った。三フッ化窒素、六フッ化プロペン及び酸素の各流量に対する四フッ化ケイ素発生量の推移を図3に示す。また、三フッ化窒素と六フッ化プロペンとの合計流量に対する六フッ化プロペンの流量比、すなわち、「六フッ化プロペン/(六フッ化プロペン+三フッ化窒素)」に対する四フッ化ケイ素の総発生量及び温暖化物質排出総量(MMTCE)の関係を図4に示す。なお、温暖化物質排出総量については、CO2の重量単位を基準とした計算方法に従って算出した。
この結果から、合計流量を変えずに六フッ化プロペン量を増加させて三フッ化窒素を減少させても、四フッ化ケイ素の排出総量やクリーニングの終点はほとんど変化しないことが明らかとなった。六フッ化プロペンと三フッ化窒素との合計流量に対する六フッ化プロペンの流量比を0.67とし、初期の三フッ化窒素の流量を67%削減して六フッ化プロペン160sccm、三フッ化窒素80sccm、酸素560sccmとした場合は、クリーニング時間に若干の遅れを生じるが、その遅れは10%以下であってほとんど問題はない。
さらに、前記流量比を0.67とした場合と、六フッ化プロペンを加えずに三フッ化窒素だけを使用した場合とを比較すると、MMTCEが50%以上低減しており、六フッ化プロペン及び酸素を混合したクリーニングガスを用いることにより、環境負荷も大幅に低減されていることが分かった。
比較例2
六フッ化プロペン120sccm、三フッ化窒素120sccmに、酸素に代えて亜酸化窒素560sccmを混合したガスをクリーニングガスとして用いた場合の四フッ化ケイ素発生量の推移を、酸素を混合したときと比較して図5に示す。図5から、酸素を亜酸化窒素に代えると、六フッ化プロペンに対する酸素原子数が不足し、分子内のフッ素原子をラジカルとして放出できなくなるため、クリーニング効果が著しく低下することがわかる。
六フッ化プロペン120sccm、三フッ化窒素120sccmに、酸素に代えて亜酸化窒素560sccmを混合したガスをクリーニングガスとして用いた場合の四フッ化ケイ素発生量の推移を、酸素を混合したときと比較して図5に示す。図5から、酸素を亜酸化窒素に代えると、六フッ化プロペンに対する酸素原子数が不足し、分子内のフッ素原子をラジカルとして放出できなくなるため、クリーニング効果が著しく低下することがわかる。
実施例2
六フッ化プロペン120sccm、三フッ化窒素120sccm、酸素560sccmの混合ガスに対し、酸素の流量を減少させ、その減少した流量分、第4成分として窒素、アルゴン及びヘリウムをそれぞれ導入した。酸素と第4成分(x)との合計流量に対する第4成分の流量比と四フッ化ケイ素の発生総量との関係を図6に示す。各第4成分について、第4成分の混合比が5%までは特に変化はなかったが、混合比が7.5%を超えると、 六フッ化プロペンに対する酸素原子数が減少してクリーニング効果が低下した。
六フッ化プロペン120sccm、三フッ化窒素120sccm、酸素560sccmの混合ガスに対し、酸素の流量を減少させ、その減少した流量分、第4成分として窒素、アルゴン及びヘリウムをそれぞれ導入した。酸素と第4成分(x)との合計流量に対する第4成分の流量比と四フッ化ケイ素の発生総量との関係を図6に示す。各第4成分について、第4成分の混合比が5%までは特に変化はなかったが、混合比が7.5%を超えると、 六フッ化プロペンに対する酸素原子数が減少してクリーニング効果が低下した。
11…チャンバー、12…原料ガス導入管、13,14…クリーニングガス導入管、15…真空ポンプ、16…排気管
Claims (2)
- 六フッ化プロペン、三フッ化窒素及び酸素を含み、前記三フッ化窒素量に対する前記六フッ化プロペン量を三フッ化窒素の1に対して0.25〜2の範囲とし、前記六フッ化プロペン量に対する前記酸素量を六フッ化プロペンの1に対して3〜6の範囲とした混合ガスをチャンバー内に導入し、該チャンバー内でプラズマ化させることを特徴とするチャンバーのクリーニング方法。
- 前記混合ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴンの少なくともいずれか一種を含み、その含有量が前記酸素量に対して8%以下であることを特徴とする請求項1記載のチャンバーのクリーニング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004228678A JP2006049585A (ja) | 2004-08-04 | 2004-08-04 | チャンバーのクリーニング方法 |
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JP (1) | JP2006049585A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014074215A (ja) * | 2012-10-05 | 2014-04-24 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 気相成長装置用配管のクリーニング方法及び気相成長装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09232299A (ja) * | 1995-07-14 | 1997-09-05 | Applied Materials Inc | Cvd装置のインシチュウクリーニング |
JP2004006554A (ja) * | 2002-03-27 | 2004-01-08 | Research Institute Of Innovative Technology For The Earth | Cvd装置およびそれを用いたcvd装置のクリーニング方法 |
-
2004
- 2004-08-04 JP JP2004228678A patent/JP2006049585A/ja active Pending
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