JP2006048995A - 燃料電池における液体燃料供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 加熱時や減圧環境下での液体燃料の吹き出しを防止できると共に、液体燃料カートリッジ体の向きによらず液体燃料を安定に供給でき、しかも、液体燃料の供給を一時中断し、カートリッジ体を取り外すときでも、液体燃料は暴露せず液体燃料の揮発を防止することができる燃料電池における液体燃料供給システムを提供する。
【解決手段】 燃料タンク部10に、液体燃料を貯留するために毛管力が付与された燃料吸蔵体11を内包し、かつ、燃料タンク部10の壁面に燃料電池本体Nに設置された中継芯30を挿入することができる弁体12及び液体燃料供給時に開放され空気置換できる空気置換孔17を有する液体燃料カートリッジ体Aを、燃料電池本体Nに設置された中継芯30に挿入することで液体燃料が供給可能となることを特徴とする燃料電池における液体燃料供給システムS。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池における液体燃料供給システムに関し、更に詳しくは、携帯電話、ノート型パソコン及びPDAなどの携帯用電子機器の電源として用いられる小型の燃料電池用に好適な燃料電池における液体燃料供給システムに関する。
一般に、燃料電池は、空気電極層、電解質層及び燃料電極層が積層された燃料電池セルと、燃料電極層に還元剤としての燃料を供給するための燃料供給部と、空気電極層に酸化剤としての空気を供給するための空気供給部とからなり、燃料と空気中の酸素とによって燃料電池セル内で電気化学反応を生じさせ、外部に電力を得るようにした電池であり種々の形式のものが開発されている。
近年、環境問題や省エネルギーに対する意識の高まりにより、クリーンなエネルギー源としての燃料電池を、各種用途に用いることが検討されており、特に、メタノールと水を含む液体燃料を直接供給するだけで発電できる燃料電池が注目されてきている(例えば、特許文献1及び2参照)。
これらの中でも、液体燃料の供給に毛管力を利用した各液体燃料電池等が知られている(例えば、特許文献3〜7参照)。
これらの各特許文献に記載される液体燃料電池は、燃料タンクから液体燃料を毛管力で燃料極に供給するため、液体燃料を圧送するためのポンプを必要としないなど小型化に際してメリットがある。
しかしながら、このような単に燃料貯蔵槽に設けられた、多孔体及び/又は繊維束体の毛管力だけを利用した液体燃料電池は、構成上は小型化に適するものの、燃料極に燃料が直接液体状態で供給されるため小型携帯機器に搭載し、電池部の前後左右や上下が絶えず変わる使用環境下では、長時間の使用期間中に燃料の追従が不完全となり、燃料供給遮断などの弊害が発生し、電解質層への燃料供給を一定にすることを阻害する原因となっている。
また、これら欠点の解決策の一つとして、例えば、液体燃料を毛管力によりセル内に導入した後、液体燃料を燃料気化層にて気化して、使用する燃料電池システム(例えば、特許文献8参照)が知られているが、基本的な問題点である燃料の追従性不足は改善されていないという課題を有し、また、この構造の燃料電池は液体を気化させた後に燃料として用いるシステムのため、小型化が困難となるなどの課題がある。
このように従来の燃料電池用燃料貯留体では、燃料極に直接液体燃料を供給する際に、燃料の供給が不安定で動作中の出力値に変動が生じたり、安定な特性を維持したまま携帯機器への搭載が可能な程度の小型化は困難であるのが現状である。
そこで、本願出願人は、微小炭素多孔体よりなる燃料電極体の外表部に電解質層を構築し、該電解質層の外表部に空気電極層を構築することで形成される単位セルが複数連結される燃料電池であって、上記各単位セルには液体燃料を貯蔵するカートリッジ構造体からなる燃料貯留体に接続される浸透構造を有する燃料供給体が連結されて液体燃料が供給される直接メタノール型燃料電池を出願している(例えば、特許文献9参照)。
この燃料電池は、今までにない優れた機能を有するものであるが、燃料電池用の液体燃料を安定に貯留しておくためには、加熱時や減圧環境下での液体燃料の吹き出し防止に更に留意する必要があり、また、液体燃料をカートリッジの向きによらず液体燃料を供給できるものとすることが望ましく、更に、液体燃料の供給を一時中断し、カートリッジ体を取り外すとき、液体燃料が暴露しないようにして液体燃料の揮発を防止する必要があるなどの更なる機能の向上を必要とする課題がある。
特開平5−258760号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平5−307970号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開昭59−66066号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平6−188008号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−229158号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−299946号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−340273号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2001−102069号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2004−63200号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来の燃料電池における液体燃料供給システムにおける課題及び現状に鑑み、これを解消するためになされたものであり、燃料電池における液体燃料供給システムにおいて、加熱時や減圧環境下での液体燃料の吹き出しを防止し、かつ、液体燃料をカートリッジの向きによらず液体燃料を供給できるものとすると共に、液体燃料の供給を一時中断し、カートリッジ体を取り外すときでも、液体燃料が暴露しないようにして液体燃料の揮発を防止することができる燃料電池における液体燃料供給システムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、燃料電池における液体燃料供給システムにおいて、液体燃料を貯留するために毛管力が付与された燃料吸蔵体を内包し、かつ、壁面に中継芯を挿入することができる特定構造となる液体燃料カートリッジ体を、燃料電池本体に設置された中継芯に挿入することで液体燃料が供給可能となることを見い出し、上記目的の燃料電池における液体燃料供給システムが得られることに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(11)に存する。
(1) 液体燃料を貯留するために毛管力が付与された燃料吸蔵体を内包し、かつ、壁面に中継芯を挿入することができる弁体及び液体燃料供給時に開放され空気置換できる空気置換孔を有する液体燃料カートリッジ体を、燃料電池本体に設置された中継芯に挿入することで液体燃料が供給されることを特徴とする燃料電池における液体燃料供給システム。
(2) 液体燃料カートリッジ体が燃料電池本体に備える発電セル部よりも下に位置した状態で継続して液体燃料が供給される請求項1記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
(3) 燃料電池本体に設置された中継芯を介して、発電セル部の燃料極まで断続的に毛管力が付与され、液体燃料が供給される請求項1又は2記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
(4) 燃料電池本体に設置された中継芯は、燃料吸蔵体よりも大きな毛管力を有する請求項1〜3の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
(5) 弁体は、スリット弁から構成され、中継芯を挿入することで液体燃料カートリッジ体の燃料吸蔵体と中継芯とを連通させ、液体燃料カートリッジ体内部の液体燃料を外部へ供給させる連通部が形成されると共に、外周部に突出部が形成され、前記弁体が燃料カートリッジに収納された際に、前記突出部により弁体が径方向に圧縮されることで、前記連通部に圧縮力が作用するようにした請求項1〜4の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
(6) 空気置換孔は、スリット弁から構成され、空気置換管を挿入することで液体燃料カートリッジ体内部を開放し、液体燃料カートリッジ体内部に空気置換できる空気置換部が形成されると共に、外周部に突出部が形成され、前記スリット弁が液体燃料カートリッジに収納された際に、前記突出部によりスリット弁が径方向に圧縮されることで、前記連通部に圧縮力が作用するようにした請求項1〜5の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
(7) 空気置換孔は、弾性体によって閉じられ、液体燃料カートリッジ体を燃料電池本体に挿入することにより開かれる弁体から構成される請求項1〜5の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
(8) 液体燃料カートリッジ体の燃料タンク部は、酸素バリア性に優れる樹脂層を少なくとも一層以上有する請求項1〜7の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
(9) 酸素バリア性に優れる樹脂が、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種である請求項8に記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
(10) 液体燃料がメタノール液、エタノール液、ジメチルエーテル(DME)、ギ酸、ヒドラジン、アンモニア液、エチレングリコールから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜9の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
(11) 燃料電池本体は、燃料電極体の外表部に電解質層を構築し、該電解質層の外表部に空気電極層を構築することで形成される単位セルが複数連結されると共に、上記単位セルには液体燃料カートリッジ体に接続される中継芯が連結されて液体燃料が供給される構成となる請求項1〜10の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
本発明によれば、加熱時や減圧環境下での液体燃料の吹き出しを防止できると共に、液体燃料カートリッジ体の向きによらず液体燃料を安定に供給でき、しかも、液体燃料の供給を一時中断し、カートリッジ体を取り外すときでも、液体燃料は暴露せず液体燃料の揮発を防止することができる燃料電池における液体燃料供給システムが提供される。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
図1〜図5は、本発明の燃料電池における液体燃料供給システムSの基本形態(第1実施形態)を示すものである。
本第1実施形態の燃料電池における液体燃料供給システムSは、燃料タンク部10を有し、該燃料タンク部10に、液体燃料を貯留するために毛管力が付与された燃料吸蔵体11を内包し、かつ、燃料タンク部10の壁面に燃料電池本体Nに設置された中継芯30を挿入することができる弁体12及び液体燃料供給時に開放され空気置換できる空気置換孔17を有する液体燃料カートリッジ体Aを、燃料電池本体Nに設置された中継芯30に挿入することで液体燃料が供給されることを特徴とするものである。
この液体燃料カートリッジ体Aの燃料タンク部10としては、液体燃料を吸蔵する燃料吸蔵体11に対して保存安定性、耐久性、ガス不透過性(酸素ガス、窒素ガス等に対するガス不透過性)があるものから構成されることが好ましく、例えば、アルミニウム、ステンレスなどの金属、合成樹脂、ガラスなどが挙げられる。
特に好ましくは、燃料タンク部10は、酸素バリア性に優れる樹脂層を少なくとも一層(単層又は2層以上の多層構造)以上有することが望ましい。酸素バリア性に優れる樹脂としては、例えば、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの樹脂は、ガス不透過性、特に酸素バリア性に優れ、しかも、製造や組立時のコスト低減及び製造の容易性の点で特に好ましい。
燃料タンク部10が多層構造の場合は、少なくとも1層が、前記した性能(酸素バリア性等)を持つ樹脂で構成されていれば、残りの層は通常の樹脂でも実使用上問題はない。このような構造のタンク部10は、押出し成形、射出成形、共押出し成形などにより製造することができる。
燃料吸蔵体11は、液体燃料を貯留するために毛管力が付与されたものであり、中綿や多孔体、または繊維束体などから構成されている。この吸蔵体11は液体燃料を貯留するために毛管力が付与されて液体燃料を吸蔵できるものであれば特に限定されず、具体的には、フェルト、スポンジ、または、樹脂粒子焼結体、樹脂繊維焼結体などの焼結体等から構成される毛管力を有する多孔体や、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組合せからなる繊維束体からなるものが挙げられ、これらの多孔体、繊維束体の気孔率等は各単位セル20への供給量に応じて適宜設定されるものである。
燃料タンク部10の下方側の壁面には、貫通孔10a、10bが形成されている。この貫通孔10aには、燃料電池本体Nに設置された中継芯30を挿入することができる弁体12が収容され、また、貫通孔10bには、液体燃料供給時に開放され空気置換できる空気置換孔17を有している。
貫通孔10aに収容(固着)される弁体12は、燃料タンク部10の内部と外部との連通を封止する弁体であり、図4(a)〜(d)に示すように、気圧、温度変化等により燃料タンク10内に浸入する空気などの異物を防ぐものである。
この弁体12は、燃料電池本体Nに設置された液体燃料供給部材となる中継芯30を挿入することで液体燃料カートリッジ体10の燃料吸蔵体11と中継芯30とを連通させ、液体燃料カートリッジ体10内部の液体燃料を外部へ供給させる連通部13が形成されると共に、前記弁体12の外周部に突出部14が形成され、前記弁体12が貫通孔10aに収納された際に、前記突出部14により弁体12が径方向に圧縮されることで、前記連通部13に圧縮力が作用するようにしたものであり、本実施形態では図4(d)に示すように長辺と短辺が形成された楕円状であって、長辺方向に突出した部分を突出部14としたものであり、該突出部14は連通部となるスリット13が閉じる方向に圧縮力が作用する位置に形成したものである。
なお、上記連通部13を直線状のスリットで形成したが、液体燃料供給部材となる中継芯30を挿入することで燃料タンク部10と内部とを連通させ、燃料タンク部10内部に吸蔵される液体燃料を外部へ供給できる構造となるものであれば、特に限定されず、十字状や放射状のスリット、スリットを複数形成し各スリットが同一箇所で交差するようにした構造、円孔状、矩形孔状であってもよい。好ましくは、上記直線状や十字状のスリットが望ましい。また、突出部14の形状は、特に限定されず、上記形態のように楕円状の他、突起等を形成することができ、更に突出部12は弁収納部となる貫通孔10aに設けることもできる。
この弁体12の外面側には、液体燃料供給部材となる中継芯30を挿入する際にスムーズに挿入できるように燃料タンク部10の内部に向かって凹状のテーパー面15を形成することが好ましい。
この弁体12には、アダプター16が設けられ、該アダプター16は筒状に形成され、その内周面にストッパー部16a,16aが形成された本体部16bと、筒状に形成された固定部材16cとからなり、前記ストッパー部16aと固定部材16cとの間で上記構成の弁体12を挟持してなるものである。
この構造の弁体12により、使用休止(未使用)時にも空気などの異物の浸入を防止する構造となっている。これは、空気などの浸入により燃料タンク部10内の圧力増加などによる燃料漏れ、噴出しなどの事故を防止するためである。
これらの弁体12としては、液体燃料の漏洩をより効果的に防止する点から、上記構造等で、液体燃料に対して気体透過性の低い材質からなり、かつ、JIS K 6262−1997で規定される圧縮永久歪み率が20%以下の材質から構成されるものが好ましい。
これらの弁体12の材質としては、吸蔵される液体燃料に対して保存安定性、耐久性、ガス不透過性、中継芯に密着できる弾性を有し、上記特性を有するものであれば、特に限定されず、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアクリルニトリル、ナイロン、セロハン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、二トリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどのゴム、熱可塑性エラストマーが挙げられ、通常の射出成形や加硫成形などによって製造することができる。
また、空気置換孔17は、貫通孔10bに設けられるものであるが、本実施形態では、空気置換孔17は、上記図4に示す弁体12と同様の構造からなるスリット弁18からなるものであり、このスリット弁18に、例えば、直径1mm程度の空気置換管19を挿入することで液体燃料カートリッジ10体内部を開放し、液体燃料カートリッジ体10内部に空気置換できる空気置換部が形成されることとなる。該スリット弁18は、上述の弁体12と同様の構造からなるので、その外周部に突出部が形成され、スリット弁18が液体燃料カートリッジ10の貫通孔10bに収納された際に、上述の弁体12と同様に、突出部によりスリット弁が径方向に圧縮されることで、連通部に圧縮力が作用するようにしたものである。
このスリット弁からならう弁体18(空気置換孔17)により、使用休止(未使用)時にも空気などの異物の浸入を防止することができると共に、空気などの浸入により燃料タンク部10内の圧力増加などによる燃料漏れ、噴出しなどを防止することができる。
用いる液体燃料としては、メタノールと水とからなるメタノール液が挙げられるが、後述する燃料電極体において燃料として供給された化合物から効率良く水素イオン(H+)と電子(e-)が得られるものであれば、液体燃料は特に限定されず、燃料電極体の構造などにもよるが、例えば、ジメチルエーテル(DME)、エタノール液、ギ酸、ヒドラジン、アンモニア液、エチレングリコールなどの液体燃料も用いることができる。
また、これらの液体燃料の濃度は、燃料電池の構造、特性等により種々の濃度の液体燃料を用いることができ、例えば、1〜100%濃度の液体燃料を用いることができる。
このように構成される液体燃料カートリッジ体Aは、図1〜図3に示すように、燃料電池本体Nに設置された上部側の中継芯30に挿入することで液体燃料が供給可能となり、使用に供されることとなる。
燃料電池本体Nは、図1及び図5に示すように、微小炭素多孔体よりなる燃料電極体21の外表部に電解質層23を構築し、該電解質層23の外表部に空気電極層24を構築することで形成される単位セル(燃料電池セル、発電セル部)20,20と、液体燃料カートリッジ体Aに接続される浸透構造を有する燃料供給体となる中継芯30と、該中継芯30の終端に設けられる使用済み燃料貯蔵槽40とを備え、上記各単位セル20、20は直列に連結されて中継芯30により燃料が順次供給される構造となっており、前記液体燃料カートリッジ体Aは、交換可能なカートリッジ構造体となっており、燃料電池本体Nの支持体N1の収容部N2に挿入される構造となっている。
発電セル部となる各燃料電池セル20は、図5(a)及び(b)に示すように、微小柱状の炭素多孔体よりなる燃料電極体21を有すると共に、その中央部に燃料供給体30を貫通する貫通部22を有し、上記燃料電極体21の外表部に電解質層23が構築され、該電解質層23の外表部に空気電極層24が構築される構造からなっている。なお、各燃料電池セル20の一つ当たり、理論上約1.2Vの起電力を生じる。
この燃料電極体21を構成する微小柱状の炭素多孔体としては、微小な連通孔を有する多孔質構造体であれば良く、例えば、三次元網目構造若しくは点焼結構造よりなり、アモルファス炭素と炭素粉末とで構成される炭素複合成形体、等方性高密度炭素成形体、炭素繊維抄紙成形体、活性炭素成形体などが挙げられ、好ましくは、燃料電池の燃料極における反応制御が容易かつ反応効率の更なる向上の点で、アモルファス炭素と炭素粉末とからなる微細な連通孔を有する炭素複合成形体が望ましい。
この多孔質構造からなる炭素複合体の作製に用いる炭素粉末としては、更なる反応効率の向上の点から、高配向性熱分解黒鉛(HOPG)、キッシュ黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンナノチューブ、フラーレンより選ばれる少なくとも1種(単独または2種以上の組合せ)が好ましい。
また、この燃料電極体21の外表部には、白金−ルテニウム(Pt−Ru)触媒、イリジウム−ルテニウム(Ir−Ru)触媒、白金−スズ(Pt−Sn)触媒などが当該金属イオンや金属錯体などの金属微粒子前駆体を含んだ溶液を含浸や浸漬処理後還元処理する方法や金属微粒子の電析法などにより形成されている。
電解質層23としては、プロトン伝導性又は水酸化物イオン伝導性を有するイオン交換膜、例えば、ナフィオン(Nafion、Du pont社製)を初めとするフッ素系イオン交換膜が挙げられる他、耐熱性、メタノールクロスオーバーの抑制が良好なもの、例えば、無機化合物をプロトン伝導材料とし、ポリマーを膜材料としたコンポジット(複合)膜、具体的には、無機化合物としてゼオライトを用い、ポリマーとしてスチレン−ブタジエン系ラバーからなる複合膜、炭化水素系グラフト膜などが挙げられる。
また、空気電極層24としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等を上述の金属微粒子前駆体を含んだ溶液等を用いた方法で担持させた多孔質構造からなる炭素多孔体が挙げられる。
前記中継芯30は、燃料吸蔵体11に吸蔵される液体燃料を各単位セル20に供給できる浸透構造を有するものであり、この中継芯の毛管力は、多孔質体及び/又は繊維束体からなるもので付与され、例えば、フェルト、スポンジ、または、樹脂粒子焼結体、樹脂繊維焼結体などの焼結体等から構成される毛管力を有する多孔質体や、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせから成る繊維束体から成るものが挙げられる。これらの多孔体、繊維束体の気孔率等は各単位セル20への供給量に応じて適宜設定されるものである。
また、中継芯30は、必要に応じて、強度を高めるための処理を施すことができる。例えば、図6(a)及び(b)に示すように、上記焼結体及び/又は繊維束体30aを、金属、ガラス、プラスティック30b等で一部を被覆し、強度を向上させることができる。また、図7(a)及び(b)に示すように、棒状に成型された金属、ガラス、プラスティック30c等の周りを焼結体及び/又は繊維束体30dにて覆うことにより強度の高い中継芯30を得ることができる。
使用済み燃料貯蔵槽40は、燃料供給体となる中継芯30の終端に配置されるものである。この時、使用済み燃料貯蔵槽40を中継芯30の終端に直接接触させて使用済み燃料を直接吸蔵体等により吸蔵させても問題ないが、中継芯30と接触する接続部に中綿や多孔体、または繊維束体などを中継芯として設け、使用済み燃料排出路としてもよい。
また、中継芯30により供給される液体燃料は、燃料電池セル20で反応に供されるものであり、燃料供給量は、燃料消費量に連動しているため、未反応で電池の外に排出される液体燃料は殆どなく、従来の液体燃料電池のように、燃料出口側の処理系を必要としないが、運転状況により供給過剰時に至った際には、反応に使用されない液体燃料が貯蔵槽40に蓄えられ阻害反応を防ぐことができる構造となっている。
なお、50は、液体燃料カートリッジ体Aと使用済み燃料貯蔵槽40を連結すると共に、燃料タンク部10から各単位セル20、20の個々に中継芯30を介して直接液体燃料を確実に供給するメッシュ構造などからなる部材である。
このように構成される本実施形態では、液体燃料を貯留するために毛管力が付与された燃料吸蔵体11を内包し、かつ、壁面に中継芯30を挿入することができる弁体12及び液体燃料供給時に開放され空気置換できるスリット弁18からなる空気置換孔17を有する液体燃料カートリッジ体Aを、燃料電池本体Nに設置された中継芯30を挿入することで液体燃料が供給可能となるものであり、液体燃料は燃料吸蔵体11から弁体12に挿入された中継芯30に供給され、浸透構造により、液体燃料を燃料電池セル20、20内に円滑に供給されるものとなっている。
本実施形態では、燃料電池本体Nに設置された中継芯30を介して、発電セル部20の燃料極まで断続的に毛管力が付与され、液体燃料が供給されるものとなっているので、液体燃料の供給が更に円滑に行なわれるものとなっている。
上記実施形態において、好ましくは、毛管力の大きさを燃料吸蔵体11の毛管力>発電セル部から燃料吸蔵体11端面までの距離Lとすることにより、液体燃料の供給を更に円滑に行うことができるものとなる。
また、毛管力の大きさを、(発電セル部20の毛管力)−(発電セル20から燃料吸蔵体11端面までの距離L)>(燃料吸蔵体11の毛管力)とすることにより、液体燃料カートリッジ体Aが燃料電池本体Nに備える発電セル部20よりも下に位置した状態でも、継続して燃料吸蔵体11から弁体12に挿入された中継芯30に供給され、浸透構造により、液体燃料を燃料電池セル20、20内に導入されて円滑に液体燃料の供給が行われることとなる。
従来の燃料電池における液体燃料供給システムでは、燃料電池用の液体燃料を安定に貯留しておくためには、加熱時や減圧環境下での液体燃料の吹き出し防止に留意する必要(課題)があり、また、液体燃料をカートリッジの向きによらず燃料を供給できることが望ましく、更に、燃料供給を一時中断し、カートリッジを取り外すとき、液体燃料が暴露しないようにする必要があった。
これらの課題、要望等に対して、本発明では、液体燃料を貯留するために毛管力が付与された燃料吸蔵体11を内包し、かつ燃料タンク部10の壁面に上記燃料吸蔵体11よりも大きな毛管力を有する中継芯30を挿入することができる弁体12、及び、燃料供給時に開放され空気置換できる空気置換孔17、本実施形態では、スリット弁18に、空気置換管19を挿入することで液体燃料カートリッジ10体内部を開放し、液体燃料カートリッジ体10内部に空気置換できる空気置換部が形成される燃料カートリッジAと、上記中継芯30が設置された燃料電池本体Nによる燃料供給システムにより、上記課題、要望等を解決することができるものとなる。
すなわち、空気置換孔17を有する吸蔵体11(中綿)方式とすることで、燃料供給中に温度、圧力変化が起こっても、燃料の異常な吹き出しを防止できるものとなる。また、未使用時は、スリット弁12、17によりカートリッジ体A内部を密閉できるため、加熱により内圧上昇に耐えられるだけの、スリット弁となっている。これまでの実験結果から、上記構造のスリット弁12、17で十分目的は達成できるものとなっている。
また、燃料タンク部10がコレクター方式やバルブ方式では、上下逆向きの時、燃料を供給できないが、本発明の燃料吸蔵体(中綿)11の方式となるものであれば、毛管力さえ十分あれば、どのような向きでも液体燃料を供給できる構造となっている。
更に、筆記具の様に、中綿と中継芯(若しくはペン芯)を連結させた状態で保存する燃料カートリッジでは、燃料カートリッジ体を燃料電池本体から外すと、中継芯部分の燃料が暴露される。液体燃料の揮発を防止するためには、キャップ等を設ける必要があるが、本発明では、燃料吸蔵体11を内蔵したカートリッジ体Aに、燃料電池本体Nに設置された中継芯30に挿入される構造とすることで、カートリッジ体Aからの液体燃料の暴露及びカートリッジ体Aからの液体燃料の揮発を防止できる構造となっている。
上記実施形態では、弁体12は、液体燃料供給部材30を挿入することで燃料タンク部10と内部とを連通させ、燃料タンク部10内部の吸蔵体11の液体燃料を外部へ供給させる連通部13が形成されると共に、外周部に突出部14が形成され、弁体12が燃料タンク部の貫通孔10aに収納された際に、前記突出部14により弁体12が径方向に圧縮されることで、連通部13に圧縮力が作用するようにしたので、連通部13からの液体燃料の漏洩をより効果的に防止することができ、また、燃料タンク部10には、アダプター16を設け、弁体12をアダプター12のストッパー部12aと固定部材16cとの間で挟持してなる構造としたので、組み立ての容易であり、弁体12を燃料タンク部10の壁面に収容されるので、安定的に固定することができる。
上記実施形態では、少なくとも、燃料電極体21及び/又は燃料電極体21に接する中継芯30に毛管力が存在し、この毛管力により、燃料タンク部10から各単位セル20、20の個々に直接液体燃料が逆流や途絶を起こすことなく、安定的かつ継続的に燃料を供給することができるものとなっている。より好ましくは、燃料電極体21及び/又は燃料電極体21に接する中継芯30の毛管力<使用済み燃料貯蔵槽40の毛管力と設定することにより、燃料タンク部10、各単位セル20、20から使用済み燃料貯蔵槽40までの夫々に直接液体燃料が逆流や途絶を起こすことなく、安定的かつ継続的に燃料の流れを作ることができるものとなる。
更に、この燃料電池では、ポンプやブロワ、燃料気化器、凝縮器等の補器を特に用いることなく、液体燃料を気化せずそのまま円滑に供給することができる構造となるため、燃料電池の小型化を図ることが可能となる。
従って、この形態の燃料電池では、燃料電池全体のカートリッジ化が可能となり、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯用電子機器の電源として用いられることができる小型の燃料電池が提供されることとなる。
なお、上記形態では、燃料電池セル20を二つ使用した形態を示したが、燃料電池の使用用途により燃料電池セル20の連結(直列又は並列)する数を増加させて所要の起電力等とすることができる。
図8及び図9は、本発明の燃料電池における液体燃料供給システムSの第2実施形態を示すものである。以下の形態において、前記第1実施形態の液体燃料供給システムと同様の構成及び効果を発揮するものについては、図1と同一符号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態の液体燃料供給システムは、図8及び図9に示すように、上記第1実施形態の空気置換孔17を形成するスリット弁を、スプリング部材やバネ部材などの弾性体を有するバルブ部材からなる弾性体によって閉じられ、燃料カートリッジ体10を燃料電池本体Nに挿入すると、該弁体も開かれる構造として空気置換できる構造の弁体とした点でのみ、上記第1実施形態と相違するものである。
この弁体60は、液体燃料カートリッジ体Aの貫通孔10bに収容されるものであり、本体部61にバルブ受け部61aを有し、スプリング部材やバネ部材などの弾性体62により断面十字状の弁体部63aと押圧部63bとからなるバルブ部材63の弁体部63aがバルブ受け部61に常時付勢されて閉じられており、燃料カートリッジ体10を燃料電池本体Nに連結すると、具体的には、燃料カートリッジ体10を燃料電池本体Nの収納部N2に挿入すると、スリット弁体12は燃料電池本体Nに設置された中継芯30に挿入されると共に、弁体60のバルブ部材63の押圧部63bの下端部が弾性体62を押し上げて、弁体60の弁体部63aが開かれ、空気置換できる構造となっている。なお、空気置換するために、燃料電池本体Nの収納部の下端面には、台座部N3、N4が設けられて、燃料カートリッジ体10と燃料電池本体Nの収納部N2の下端面とは空間部N5が設けられる構造となっている。
このように構成される第2実施形態の燃料電池における液体燃料供給システムでは、上記第1実施形態と同様に、液体燃料を貯留するために毛管力が付与された燃料吸蔵体11を内包し、かつ、燃料タンク部10の壁面に中継芯30を挿入することができる弁体12及び液体燃料供給時に開放され空気置換できる弁体60を備える液体燃料カートリッジ体Aを、燃料電池本体Nに設置された中継芯30を挿入することで液体燃料が供給可能となるものであり、液体燃料は燃料吸蔵体11から弁体12に挿入された中継芯30に供給され、浸透構造により、液体燃料を燃料電池セル20、20内に円滑に供給されるものとなっている。
本実施形態では、空気置換孔は、弾性体62によって閉じられ、液体燃料カートリッジ体Aを燃料電池本体Nに挿入することにより開かれる弁体60から構成されるので、使用休止(未使用)時にも空気などの異物の浸入を防止できるため、空気などの浸入により燃料タンク部10内の圧力増加などによる燃料漏れ、噴出しなどの事故を防止することができる。
本発明の燃料電池における液体燃料供給システムは、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々変更することができるものである。
例えば、燃料電池セル20は円柱状のものを用いたが、角柱状、板状の他の形状のものであってもよく、また、燃料供給体30との接続は直列接続のほか、並列接続であってもよい。
また、上記実施形態では、図4(a)〜(d)に示す逆止弁(スリット弁)となる弁体12を用いたが、気圧、温度変化等により燃料タンク部10内に燃料貯蔵体11に吸蔵される液体燃料に中継芯30周辺より浸入する空気などの異物を防ぐものであり、中継芯30が挿入されて液体燃料を中継芯に供給できる構造となるものであれば、特に限定されるものではない。
更に、上記実施形態では、直接メタノール型の燃料電池として説明したが、本発明は上記直接メタノール型の燃料電池に限定されるものではなく、改質型を含む高分子改質膜型の燃料電池にも好適に適用することができるものである。
更にまた、燃料電池本体として、微小炭素多孔体よりなる燃料電極体の外表部に電解質層を構築し、該電解質層の外表部に空気電極層を構築することで燃料電池本体を構成したが、燃料電池本体の構造は特に限定されず、例えば、電気導電性を有する炭素質多孔体を基材とし、該基材の表面に電極/電解質/電極の各層を形成した単位セル又は該単位セルを2以上連結した連結体を備え、上記基材に燃料供給体を介して液体燃料を浸透させる構成とすると共に、基材の外表面に形成される電極面を空気に曝す構造からなる燃料電池本体としてもよいものである。
次に、本発明を実施例により、更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜2〕
下記に示す構成の空気置換孔が相違する液体燃料カートリッジ体を2種類(図2、図8準拠)作製し、燃料貯蔵体に液体燃料(70wt%メタノール液、比重0.87)6gを吸蔵した。
(燃料タンク部の構成:タンク1)
タンク:長さ90mm、外径18mm、内径16mm、
ポリプロピレン製、貫通孔10a直径4mm、貫通孔10b直径4mm、
(燃料吸蔵体の構成)
燃料吸蔵体:ポリエステル繊維束製、気孔率90%、長さ70mm、外径15mm
(中継芯の構成)
中継芯: 燃料吸蔵体:ポリエステル繊維束製、気孔率50%、長さ80mm、外径1mm、 中継芯の毛管力>燃料吸蔵体の毛管力に設定
中継芯挿入用スリット弁(図4に準拠):
長さ2mm、外径3mm、内径1mm、ブチルゴム製、スリット長さ1mm、このブチルゴム製スリット弁は、70wt%メタノール液の液体燃料に対して気体透過性0.1mg/day/atm・50℃ 30%RHからなり、JIS K 6262−1997で規定される圧縮永久歪み率は10%であった。
空気置換用スリット弁(図4に準拠):
長さ2mm、外径3mm、内径1mm、ブチルゴム製、スリット長さ1mm、このブチルゴム製スリット弁は、70wt%メタノール液の液体燃料に対して気体透過性0.1mg/day/atm・50℃ 30%RHからなり、JIS K 6262−1997で規定される圧縮永久歪み率は10%であった。
バルブ弁(図8及び図9に準拠):
長さ5mm、外径4mm、バルブ本体61:ポリプロピレン製、弾性体62:ステンレス製スプリング、バルブ体63:ポリプロピレン製
上記構成の各弁体を備えた液体燃料カートリッジ体の弁体を介して、燃料供給部材となる中継芯を燃料貯蔵体に40mm挿入した。
この液体燃料カートリッジ体の各排出性を評価したところ、共に燃料吸蔵体11に吸蔵した液体燃料5gを排出できることが判った。
本発明の第1実施形態の燃料電池における液体燃料供給システムを示すものであり、液体燃料カートリッジ体を燃料電池本体に接続して燃料電池として使用した状態の一例を示す概略図である。 (a)〜(c)は、液体燃料カートリッジ体と燃料電池本体との連結部をより詳細に示した図面であり、(a)はその部分分解概略図、(b)は液体燃料カートリッジ体の側面図、(c)は液体燃料カートリッジ体の底面図である。 図2における液体燃料カートリッジ体と燃料電池本体とが連結した状態の概略図である。 (a)はスリット弁からなる弁体構造の縦断面図、(b)は弁アダプターの縦断面図、(c)は弁体の縦断面図、(d)は弁体の平面図である。 (a)及び(b)は燃料電池セル20を説明する斜視図、縦断面図である。 (a)は、中継芯の他の実施形態を示す概略図、(b)は(a)のX−X線拡大断面図である。 (a)は、中継芯の他の実施形態を示す概略図、(b)は(a)のY−Y線拡大断面図である。 本発明の第2実施形態の液体燃料供給システムを示すものであり、空気置換するために、図4のスリット弁の代わりにバルブ体を配置した液体燃料カートリッジ体などを示すものであり、(a)は液体燃料カートリッジ体と燃料電池本体との連結部をより詳細に示した部分分解概略図、(b)バルブ体の断面図である。 (a)は、図8において、液体燃料カートリッジ体と、燃料電池本体とを接合したことによって、バルブ体が押されバルブが開放され、空気置換孔が連通している状態を示す部分分解概略図、(b)そのバルブ体の断面図である。
符号の説明
S 燃料電池における液体燃料供給システム
A 液体燃料カートリッジ体
N 燃料電池本体
10 燃料タンク部
11 燃料貯蔵体
12 弁体(スリット弁)
17 空気置換孔
30 中継芯

Claims (11)

  1. 液体燃料を貯留するために毛管力が付与された燃料吸蔵体を内包し、かつ、壁面に中継芯を挿入することができる弁体及び液体燃料供給時に開放され空気置換できる空気置換孔を有する液体燃料カートリッジ体を、燃料電池本体に設置された中継芯に挿入することで液体燃料が供給されることを特徴とする燃料電池における液体燃料供給システム。
  2. 液体燃料カートリッジ体が燃料電池本体に備える発電セル部よりも下に位置した状態で継続して液体燃料が供給される請求項1記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
  3. 燃料電池本体に設置された中継芯を介して、発電セル部の燃料極まで断続的に毛管力が付与され、液体燃料が供給される請求項1又は2記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
  4. 燃料電池本体に設置された中継芯は、燃料吸蔵体よりも大きな毛管力を有する請求項1〜3の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
  5. 弁体は、スリット弁から構成され、中継芯を挿入することで液体燃料カートリッジ体の燃料吸蔵体と中継芯とを連通させ、液体燃料カートリッジ体内部の液体燃料を外部へ供給させる連通部が形成されると共に、外周部に突出部が形成され、前記弁体が液体燃料カートリッジに収納された際に、前記突出部により弁体が径方向に圧縮されることで、前記連通部に圧縮力が作用するようにした請求項1〜4の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
  6. 空気置換孔は、スリット弁から構成され、空気置換管を挿入することで液体燃料カートリッジ体内部を開放し、液体燃料カートリッジ体内部に空気置換できる空気置換部が形成されると共に、外周部に突出部が形成され、前記スリット弁が液体燃料カートリッジ体に収納された際に、前記突出部によりスリット弁が径方向に圧縮されることで、前記連通部に圧縮力が作用するようにした請求項1〜5の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
  7. 空気置換孔は、弾性体によって閉じられ、液体燃料カートリッジ体を燃料電池本体に挿入することにより開かれる弁体から構成される請求項1〜5の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
  8. 液体燃料カートリッジ体の燃料タンク部は、酸素バリア性に優れる樹脂層を少なくとも一層以上有する請求項1〜7の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
  9. 酸素バリア性に優れる樹脂が、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種である請求項8に記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
  10. 液体燃料がメタノール液、エタノール液、ジメチルエーテル(DME)、ギ酸、ヒドラジン、アンモニア液、エチレングリコールから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜9の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。
  11. 燃料電池本体は、燃料電極体の外表部に電解質層を構築し、該電解質層の外表部に空気電極層を構築することで形成される単位セルが複数連結されると共に、上記単位セルには液体燃料カートリッジ体に接続される中継芯が連結されて液体燃料が供給される構成となる請求項1〜10の何れか一つに記載の燃料電池における液体燃料供給システム。

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