JP2006046263A - 内燃機関の回転速度制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機関アイドル運転時に回転速度が大幅に低下したときに、好適に回転速度を増大させてストールの発生を防止することのできる内燃機関の回転速度制御装置を提供する。
【解決手段】機関アイドル運転時に、内燃機関1の実回転速度が基準回転速度以下になると、機関回転速度が増大するように3つの制御因子、即ち吸入空気量、点火時期、燃料噴射量を実回転速度に基づく値に設定するオープン制御を行う。各制御因子の値は、電子制御装置21内のROMに記憶されているマップに基づいて求められる。このマップは、実回転速度に対して、吸入空気量、点火時期、燃料噴射量がそれぞれ個別に対応付けられて作成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】機関アイドル運転時に、内燃機関1の実回転速度が基準回転速度以下になると、機関回転速度が増大するように3つの制御因子、即ち吸入空気量、点火時期、燃料噴射量を実回転速度に基づく値に設定するオープン制御を行う。各制御因子の値は、電子制御装置21内のROMに記憶されているマップに基づいて求められる。このマップは、実回転速度に対して、吸入空気量、点火時期、燃料噴射量がそれぞれ個別に対応付けられて作成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、機関アイドル運転時の回転速度を制御する内燃機関の回転速度制御装置に関する。
従来の内燃機関では、機関アイドル運転時に回転速度を一定値に保つ制御が行われている。例えば特許文献1には、アイドル運転時に回転速度が目標回転速度以下となると、ISC(アイドルスピードコントロール)バルブの開度をフィードバック制御して、吸入空気量を増加させることによって回転速度を増大させる制御装置が開示されている。また特許文献2には、アイドル運転時に回転速度が目標回転速度以下になると、点火装置の点火時期をフィードバック制御して、点火時期を進角側に移動させることによって回転速度を増大させる制御装置が開示されている。
特開平5−44531号公報
特開平2−259279号公報
従来の回転速度制御装置では、上述したように回転速度に影響を与える吸入空気量や点火時期などの制御因子をフィードバック制御して、回転速度を目標回転速度になるように制御している。このフィードバック制御において、応答性を優先してフィードバックゲインを設定すると収束性が悪くなり、逆に収束性を優先してフィードバックゲインを設定すると応答性が悪くなってしまうので、2つの特性を共に満足できるようなフィードバックゲインを設定する必要がある。
そこで、機関アイドル運転時における回転速度の予測変動量の範囲内で回転速度が変動した場合に、応答性及び収束性を共に満足できる態様で回転速度を目標回転速度に復帰させることのできるフィードバックゲインが設定されている。
しかしながら、予測変動量を想定して設定したフィードバックゲインを用いたフィードバック制御では、予測変動量を超えて回転速度が短時間で大幅に低下したときには、フィードバック制御が間に合わず、ストールの発生を招くことがある。
また、こうした回転速度制御では、制御対象である内燃機関の特性によっては目標回転速度よりも高い値或いは低い値に実回転速度が収束する傾向を持つ場合があるので、このずれを補正するための学習値が設定されていることがある。この場合、この学習値がフィードバック制御による回転速度の上昇を遅らせる要因となり、回転速度の大幅な低下に対応できない場合がある。
本発明の目的は、機関アイドル運転時に回転速度が大幅に低下したときに、好適に回転速度を増大させてストールの発生を防止することのできる内燃機関の回転速度制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、機関アイドル運転時に内燃機関の実回転速度が目標回転速度となるように機関回転速度に影響を及ぼす制御因子をフィードバック制御する内燃機関の回転速度制御装置において、前記実回転速度が予め定める基準回転速度以下であるとき、前記制御因子にかかるフィードバック制御を禁止し、機関回転速度が増大するように前記制御因子を前記実回転速度に基づく値にオープン制御することを特徴としている。
この発明によれば、機関アイドル運転時に内燃機関の実回転速度が基準回転速度以下、例えば目標回転速度以下になると、機関回転速度に影響を及ぼす制御因子のフィードバック制御が禁止され、機関回転速度が増大するように前記制御因子を前記実回転速度に基づく値にするオープン制御が行われる。即ち、制御因子は機関回転速度を増大させる値に強制的に設定される。これによって、内燃機関の実回転速度が短時間で大幅に低下したときであっても機関回転速度を速やかに増大させることができるので、ストールの発生を極力抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、前記基準回転速度は前記目標回転速度を基準として同目標回転速度より所定値だけ低い回転速度に設定されることを特徴としている。
この発明によれば、内燃機関の実回転速度が目標回転速度より低く基準回転速度より高いときは制御因子のフィードバック制御が行われ、実回転速度が基準回転速度以下であるときに制御因子のオープン制御が行われる。ここで所定値としては、実回転速度が基準回転速度を上回っているときに、設定されているフィードバックゲインで応答性かつ収束性が共によい態様で制御できる値が選ばれる。このように目標回転速度より所定値だけ低い基準回転速度以下であるときにオープン制御を行うようにしたのは、目標回転速度と基準回転速度との間の範囲内ではフィードバック制御で充分対応できるからである。したがって、内燃機関の実回転速度が低下した場合、基準回転速度より高いときはフィードバック制御が行われるので機関回転速度を安定して制御することができる一方、基準回転速度以下になるとオープン制御が行われて機関回転速度が速やかに増大されるのでストールの発生を極力抑制することができる。
この発明によれば、内燃機関の実回転速度が目標回転速度より低く基準回転速度より高いときは制御因子のフィードバック制御が行われ、実回転速度が基準回転速度以下であるときに制御因子のオープン制御が行われる。ここで所定値としては、実回転速度が基準回転速度を上回っているときに、設定されているフィードバックゲインで応答性かつ収束性が共によい態様で制御できる値が選ばれる。このように目標回転速度より所定値だけ低い基準回転速度以下であるときにオープン制御を行うようにしたのは、目標回転速度と基準回転速度との間の範囲内ではフィードバック制御で充分対応できるからである。したがって、内燃機関の実回転速度が低下した場合、基準回転速度より高いときはフィードバック制御が行われるので機関回転速度を安定して制御することができる一方、基準回転速度以下になるとオープン制御が行われて機関回転速度が速やかに増大されるのでストールの発生を極力抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、前記制御因子は少なくとも吸入空気量を含むことを特徴としている。
この発明によれば、機関アイドル運転時に内燃機関の実回転速度が基準回転速度以下になると、機関回転速度が増大するように吸入空気量を前記実回転速度に基づく値にするオープン制御が行われる。機関回転速度を増大させるためには吸入空気量を増加させる必要があるので、実回転速度が小さくなるほど吸入空気量を大きくする。これによって、機関回転速度を速やかに増大させることができ、ストールの発生を極力抑制することができる。ここで吸入空気量を調量するための機構としては、例えばスロットル、ISCバルブ、バルブリフト量可変機構、可変吸気機構等々、機関アイドル運転時の吸入空気量を適宜調量する機構を挙げることができる。
この発明によれば、機関アイドル運転時に内燃機関の実回転速度が基準回転速度以下になると、機関回転速度が増大するように吸入空気量を前記実回転速度に基づく値にするオープン制御が行われる。機関回転速度を増大させるためには吸入空気量を増加させる必要があるので、実回転速度が小さくなるほど吸入空気量を大きくする。これによって、機関回転速度を速やかに増大させることができ、ストールの発生を極力抑制することができる。ここで吸入空気量を調量するための機構としては、例えばスロットル、ISCバルブ、バルブリフト量可変機構、可変吸気機構等々、機関アイドル運転時の吸入空気量を適宜調量する機構を挙げることができる。
請求項4に記載の発明は、前記制御因子は少なくとも点火時期を含むことを特徴としている。
この発明によれば、機関アイドル運転時に内燃機関の実回転速度が基準回転速度以下になると、機関回転速度が増大するように点火時期を前記実回転速度に基づく時期にするオープン制御が行われる。機関回転速度を増大させるためには点火時期を基準となる点火タイミングから進角側にずらして設定する必要があるので、実回転速度が小さくなるほど点火時期を基準点火タイミングから進角側にずらす量を大きくする。これによって、機関回転速度を速やかに増大させることができ、ストールの発生を極力抑制することができる。
この発明によれば、機関アイドル運転時に内燃機関の実回転速度が基準回転速度以下になると、機関回転速度が増大するように点火時期を前記実回転速度に基づく時期にするオープン制御が行われる。機関回転速度を増大させるためには点火時期を基準となる点火タイミングから進角側にずらして設定する必要があるので、実回転速度が小さくなるほど点火時期を基準点火タイミングから進角側にずらす量を大きくする。これによって、機関回転速度を速やかに増大させることができ、ストールの発生を極力抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記点火時期は前記実回転速度が基準回転速度よりも更に低い所定回転速度以下であるときに機関出力が最大になる時期に設定されることを特徴としている。
この発明によれば、機関アイドル運転時に内燃機関の実回転速度が基準回転速度以下になると、機関回転速度が増大するように点火時期を前記実回転速度に基づく時期にするオープン制御が行われ、基準回転速度よりも更に低い所定回転速度以下になると、点火時期は機関出力が最も大きくなる時期、即ちMBTに設定される。したがって、点火時期の設定をフィードバック制御からオープン制御に切り替えても、実回転速度が上昇せずに基準回転速度よりも更に低い所定回転速度以下になると、点火時期がMBTに設定されるので速やかに機関回転速度を増大させることができ、ストールの発生を極力抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、前記制御因子は少なくとも燃料噴射量を含むことを特徴としている。
本発明によれば、機関アイドル運転時に内燃機関の実回転速度が基準回転速度以下になると、機関回転速度が増大するように燃料噴射量を前記実回転速度に基づく値にするオープン制御が行われる。機関回転速度を増大させるためには燃料噴射量を多くする必要があるので、実回転速度が小さくなるほど燃料噴射量を大きい値に設定する。これによって、機関回転速度を速やかに増大させることができ、ストールの発生を極力抑制することができる。
本発明によれば、機関アイドル運転時に内燃機関の実回転速度が基準回転速度以下になると、機関回転速度が増大するように燃料噴射量を前記実回転速度に基づく値にするオープン制御が行われる。機関回転速度を増大させるためには燃料噴射量を多くする必要があるので、実回転速度が小さくなるほど燃料噴射量を大きい値に設定する。これによって、機関回転速度を速やかに増大させることができ、ストールの発生を極力抑制することができる。
ここで、同構成を請求項3記載の構成に適用する場合には、例えば吸入空気量と燃料噴射量とに基づいて決定される空燃比を制御因子とすることもできる。空燃比を制御するようにしたことによって、吸入空気量及び燃料噴射量を個別に或いは一方のみを制御する場合に比べて、より速やかに機関出力を増大させて機関回転速度を増大させることができる。また、ノッキングの発生をできるだけ抑制し、また排気エミッション要求をできるだけ満足させながら、機関回転速度を増大させることが可能となる。
請求項7に記載の発明は、前記制御因子が複数あるとき、それら複数の制御因子に応じて前記基準回転速度を異なる値に設定することを特徴としている。
この発明によれば、制御因子が複数あるときは、オープン制御を開始する基準回転速度は制御因子に応じて異なる値に設定される。例えば回転速度に与える影響が大きい制御因子については高い基準回転速度を設定し、影響が小さい制御因子については低い基準回転速度を設定すれば、内燃機関の実回転速度が低下したときに回転速度に与える影響が大きい制御因子からオープン制御されるので、速やかに機関回転速度を増大させることができる。なお、複数の制御因子についてそれらを全て異なる値に設定する必要はなく、例えば各制御因子のうち選択されたものについて上記基準回転速度を異なる値に設定するようにしてもよい。
この発明によれば、制御因子が複数あるときは、オープン制御を開始する基準回転速度は制御因子に応じて異なる値に設定される。例えば回転速度に与える影響が大きい制御因子については高い基準回転速度を設定し、影響が小さい制御因子については低い基準回転速度を設定すれば、内燃機関の実回転速度が低下したときに回転速度に与える影響が大きい制御因子からオープン制御されるので、速やかに機関回転速度を増大させることができる。なお、複数の制御因子についてそれらを全て異なる値に設定する必要はなく、例えば各制御因子のうち選択されたものについて上記基準回転速度を異なる値に設定するようにしてもよい。
以下、本発明の一実施形態である内燃機関の回転速度制御装置を、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、内燃機関の回転速度制御装置の概略構成を示す構成図であり、図2はアイドル運転時の回転速度制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
内燃機関1は、例えば車両駆動源として車両に搭載されている。内燃機関1は、複数(図1では1つのみ示す)の気筒(シリンダ)2を備え、各気筒2にはピストン3が往復動可能に収容されている。ピストン3は、コネクティングロッド4を介して内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト5に連結されている。ピストン3の往復運動は、コネクティングロッド4によって回転運動に変換された後、クランクシャフト5に伝達される。
各気筒2の燃焼室6は、燃焼室6内に空気を送る吸気通路7と、燃焼後の排気ガスを燃焼室6外に排出する排気通路8とに接続されている。気筒2には、吸気通路7側に吸気弁9が、排気通路8側に排気弁10がそれぞれ配設されている。内燃機関1は、吸気弁9及び排気弁10をそれぞれ開閉する吸気側カムシャフト11及び排気側カムシャフト12を備えている。
吸気側カムシャフト11及び排気側カムシャフト12は、プーリ及びベルト(図示省略)を介してクランクシャフト5に連結され、クランクシャフト5に同期して回転することで吸気弁9及び排気弁10を所定タイミングで開閉操作する。この内燃機関1は、クランクシャフト5が2回転すると吸気側カムシャフト11及び排気側カムシャフト12が1回転し、ピストン3の往復運動に対応して所定のタイミングで吸気弁9及び排気弁10が開閉する。
クランクシャフト5の近傍には、クランクシャフト5の回転角度に応じた検出信号を出力するクランク角センサ13が配設されている。クランク角センサ13の検出信号は、クランクシャフト5の位相角(クランク角)や機関回転速度の算出時に使用される。
各気筒2のそれぞれの吸気通路7には、吸気通路7の通路上に燃料を噴射する吸気通路用燃料噴射弁14が配設されている。内燃機関1は、該内燃機関1の運転状態例えば機関回転速度や機関負荷などに応じて決定される量の燃料を噴射し、吸気通路7から送られる空気に噴射燃料を混合して燃焼用の混合気を生成する。
各気筒2には、燃焼室6内の混合気に点火する点火プラグ15が取り付けられている。プラグ点火によって燃焼室6内の混合気が爆発・燃焼すると、その燃焼ガスによってピストン3が往復動し、クランクシャフト5が回転して内燃機関1の出力トルクが得られる。また、吸気通路7の途中には、燃焼室6内への吸入空気量を調節するスロットル弁16が配設されている。スロットル弁16は、弁開閉の駆動源となるアクチュエータ17に接続され、図示しないアクセルペダルの踏込量に応じてアクチュエータ17が駆動されてスロットル開度が調整される。
スロットル弁16の近傍には、スロットル弁16のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ18が取り付けられている。また、各気筒2には、内燃機関1の冷却水温を検出する温度検出手段である水温センサ19が取り付けられている。
吸気側カムシャフト11には、可変動弁機構20が配設されている。可変動弁機構20は、吸気弁9のリフト量及び作用角を連続的に切り替えるバルブ作用角調節機構と、吸気弁9のバルブタイミングを連続的に切り替えるバルブタイミング調節機構(以下、VVT機構と記す)とを備えて構成されている。バルブ作用角調節機構は、電気制御によって吸気弁9のリフト量と開期間を示す作用角とを同期させて変更させる機構であり、吸気弁9のリフト量及び作用角を共に連続的に増大或いは減少させることが可能である。VVT機構は、油圧制御によって吸気側カムシャフト11のクランクシャフト5に対する相対位相を変更させる機構であり、吸気弁9のバルブタイミングを進角側或いは遅角側へ連続的に変更させることが可能である。
内燃機関1は、CPU、ROM、RAM、ASIC及びI/F等の各種デバイスからなる電子制御装置21によって制御される。電子制御装置21のROMには、内燃機関1を制御するプログラムとして、本発明の特徴的内容であるアイドル運転時の回転速度制御プログラムを含んだ各種プログラムが記憶されている。また、上記ROMには、制御因子をフィードバック制御する際に用いるフィードバックゲインが記憶されている。
さらに、上記ROMには、内燃機関1の機関回転速度に影響を与える制御因子をオープン制御する際に用いるマップが記憶されている。このマップは、内燃機関1の実回転速度と制御因子の値とを対応付けたものである。本実施形態では制御因子として、吸入空気量、点火時期、燃料噴射量が用いられる。よって、上記マップは、実回転速度に対して、吸入空気量、点火時期、燃料噴射量がそれぞれ個別に対応付けられて作成されている。
機関回転速度を増大させるためには吸入空気量を増加させる必要があるので、実回転速度の値が小さくなるにつれて吸入空気量の値が大きくなるようなマップが作成されている。また、機関回転速度を増大させるためには点火時期を基準となる点火タイミングから進角側にずらして設定する必要があるので、実回転速度の値が小さくなるにつれて点火時期を基準点火タイミングから進角側にずらす量が大きくなるようなマップが作成される。また、機関回転速度を増大させるためには燃料噴射量を多くする必要があるので、実回転速度の値が小さくなるにつれて燃料噴射量の値が大きくなるようなマップが作成される。
続いて図2を参照しながら、アイドル運転時の回転速度制御の処理手順を説明する。内燃機関1に対してアイドル運転が指示されると処理が開始される。
ステップS1では、水温センサ19によって検出された内燃機関1の冷却水温に基づいて、アイドル運転時の目標回転速度NET及び基準回転速度NEthを設定する。目標回転速度NETは、冷却水温が低いとき即ち低温下でのアイドル運転時には比較的高い回転速度、例えば1000〜1200rpmの範囲内に設定される。一方、冷却水温が高いとき即ち高温下でのアイドル運転時には比較的低い回転速度、例えば500〜800rpmの範囲内に設定される。また、基準回転速度NEthは、目標回転速度NETより所定値だけ低い回転速度に設定される。所定値としては、後述する制御因子のフィードバック制御によって機関回転速度を目標回転速度NETに制御できるような値、例えば100rpmが選択される。したがって、例えば目標回転速度NETを500rpmに設定したときは、基準回転速度NEthを500−100=400rpmに設定する。
ステップS1では、水温センサ19によって検出された内燃機関1の冷却水温に基づいて、アイドル運転時の目標回転速度NET及び基準回転速度NEthを設定する。目標回転速度NETは、冷却水温が低いとき即ち低温下でのアイドル運転時には比較的高い回転速度、例えば1000〜1200rpmの範囲内に設定される。一方、冷却水温が高いとき即ち高温下でのアイドル運転時には比較的低い回転速度、例えば500〜800rpmの範囲内に設定される。また、基準回転速度NEthは、目標回転速度NETより所定値だけ低い回転速度に設定される。所定値としては、後述する制御因子のフィードバック制御によって機関回転速度を目標回転速度NETに制御できるような値、例えば100rpmが選択される。したがって、例えば目標回転速度NETを500rpmに設定したときは、基準回転速度NEthを500−100=400rpmに設定する。
ステップS2では、クランク角センサ13の出力信号に基づいて内燃機関1の実回転速度NEAが検出される。続くステップS3では、実回転速度NEAが基準回転速度NEth以下であるか否かが判断される。
実回転速度NEAが基準回転速度NEth以下である場合は、ステップS4に進む。ステップS4では、制御因子のオープン制御が行われる。即ち、電子制御装置21のROMに予め記憶されているマップを参照して実回転速度NEAに対応する制御因子の値が読み出されて設定される。本実施形態では上述したように制御因子として、吸入空気量、点火時期、燃料噴射量が使用されるので、前記マップを参照して各制御因子の値が設定され、設定値に従って制御因子が変更される。
即ち、吸入空気量は、電子制御装置21がスロットル弁16の開度を調整することによって変更される。点火時期は、電子制御装置21が点火プラグ15の点火タイミングを調整することによって変更される。燃料噴射量は、電子制御装置21が吸気通路用燃料噴射弁14による燃料噴射時間を調整することによって変更される。各制御因子の値が設定値に変更されると、ステップS2に戻る。
一方、ステップS3において実回転速度NEAが基準回転速度NEthより大きい場合は、ステップS5に進む。ステップS5では、制御因子のフィードバック制御が行われる。即ち、実回転速度NEAと目標回転速度NETとの差に基づいて、電子制御装置21のROMに記憶されているフィードバックゲインに従うフィードバック制御を行い、上記の3つの制御因子、即ち吸入空気量、点火時期、燃料噴射量の値が設定される。各制御因子の値が設定されると、設定値に従って制御因子が変更され、ステップS2に戻る。
このように実回転速度NEAが基準回転速度NEthより大きいときは制御因子のフィードバック制御が行われ、実回転速度NEAが基準回転速度NEth以下のときは制御因子のオープン制御が行われる。
以上のように本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、機関アイドル運転時に内燃機関1の実回転速度NEAが基準回転速度NEth以下になると、吸入空気量、点火時期、燃料噴射量の3つの制御因子は、オープン制御によってそれぞれ機関回転速度を増大させる値に強制的に設定される。これによって、内燃機関1の実回転速度NEAが大幅に低下したときであっても機関回転速度を速やかに増大させることができるので、ストールの発生を極力抑制することができる。
(1)本実施形態によれば、機関アイドル運転時に内燃機関1の実回転速度NEAが基準回転速度NEth以下になると、吸入空気量、点火時期、燃料噴射量の3つの制御因子は、オープン制御によってそれぞれ機関回転速度を増大させる値に強制的に設定される。これによって、内燃機関1の実回転速度NEAが大幅に低下したときであっても機関回転速度を速やかに増大させることができるので、ストールの発生を極力抑制することができる。
(2)本実施形態によれば、内燃機関1の実回転速度NEAが低下した場合、基準回転速度NEthより高いときはフィードバック制御が行われるので機関回転速度を安定して制御することができ、基準回転速度NEth以下になるとオープン制御が行われて機関回転速度が速やかに増大されるのでストールの発生を極力抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、3つの制御因子を制御するようにしたけれども、2つの制御因子或いは4つ以上の制御因子を制御してもよいことはもちろんである。また、1つの制御因子、例えば機関回転速度に最も影響を及ぼす制御因子だけを制御するようにしてもよい。
・上記実施形態では、3つの制御因子を制御するようにしたけれども、2つの制御因子或いは4つ以上の制御因子を制御してもよいことはもちろんである。また、1つの制御因子、例えば機関回転速度に最も影響を及ぼす制御因子だけを制御するようにしてもよい。
・上記実施形態では、吸入空気量を調量するための機構としてスロットル弁16を用いたけれども、これ以外に、ISCバルブ、可変動弁機構20、可変吸気機構などのように吸入空気量を適宜調量することができる機構を用いることができる。
・上記実施形態では、燃料噴射量を機関回転速度のみに基づいて設定するようにしたが、同機関回転速度と併せてスロットル開度に基づいてこれを設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、実回転速度NEAが基準回転速度NEth以下になると点火時期を基準点火タイミングから進角側にずらして設定するようにしたけれども、実回転速度NEAが基準回転速度NEthよりも更に低い所定回転速度以下になると、点火時期を機関出力が最大になる時期に設定するようにしてもよい。機関出力が最大になる点火時期とは、MBT(Minimum advance for Best Torque:最小点火進角)であり、所定回転速度とは、ストール直前の回転速度、例えば100〜200rpmの範囲内の値が選択される。したがって、機関アイドル運転時に、実回転速度NEAが基準回転速度NEth以下になると、機関回転速度が増大するように点火時期を実回転速度NEAに基づく時期にするオープン制御が行われ、基準回転速度NEthよりも更に低い所定回転速度以下になると、点火時期はMBTに設定される。これによって、点火時期の設定をフィードバック制御からオープン制御に切り替えても実回転速度NEAが増大せずに更に低下して所定回転速度以下になると、点火時期がMBTに設定されるので、速やかに機関回転速度を増大させることができ、ストールの発生を極力抑制することができる。
・上記実施形態では、実回転速度NEAが基準回転速度NEth以下になると点火時期を基準点火タイミングから進角側にずらして設定するようにしたけれども、実回転速度NEAが基準回転速度NEthよりも更に低い所定回転速度以下になると、点火時期を機関出力が最大になる時期に設定するようにしてもよい。機関出力が最大になる点火時期とは、MBT(Minimum advance for Best Torque:最小点火進角)であり、所定回転速度とは、ストール直前の回転速度、例えば100〜200rpmの範囲内の値が選択される。したがって、機関アイドル運転時に、実回転速度NEAが基準回転速度NEth以下になると、機関回転速度が増大するように点火時期を実回転速度NEAに基づく時期にするオープン制御が行われ、基準回転速度NEthよりも更に低い所定回転速度以下になると、点火時期はMBTに設定される。これによって、点火時期の設定をフィードバック制御からオープン制御に切り替えても実回転速度NEAが増大せずに更に低下して所定回転速度以下になると、点火時期がMBTに設定されるので、速やかに機関回転速度を増大させることができ、ストールの発生を極力抑制することができる。
・上記実施形態では、制御因子として吸入空気量と燃料噴射量とを個別に制御したけれども、吸入空気量と燃料噴射量とに基づいて決定される空燃比を制御因子として制御してもよい。空燃比を制御することによって、吸入空気量及び燃料噴射量を個別に或いは一方のみを制御する場合に比べて、より速やかに機関出力を増大させて機関回転速度を増大させることができる。また、空燃比を制御することによって、ノッキングの発生をできるだけ抑制し、また排気エミッション要求をできるだけ満足させながら、機関回転速度を増大させることが可能となる。
・上記実施形態では、フィードバック制御からオープン制御に切り替える基準回転速度NEthを複数(3つ)の制御因子に対して共通の値に設定したけれども、複数の制御因子に応じて基準回転速度を異なる値に設定してもよい。例えば、機関回転速度に与える影響が大きい制御因子については高い基準回転速度を設定し、影響が小さい制御因子については低い基準回転速度に設定する。このように設定することによって、実回転速度NEAが低下したときに回転速度に与える影響が大きい制御因子からオープン制御されるので、速やかに機関回転速度を増大させることできる。なお、複数の制御因子についてそれらを全て異なる値に設定する必要はなく、例えば各制御因子のうち選択されたものについて、基準回転速度を異なる値に設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、吸気通路用燃料噴射弁14を備えた内燃機関1を例にとり説明したけれども、燃焼室6内に燃料を直接噴射する筒内噴射用燃料噴射弁を備えた内燃機関に対して本発明を実施してもよい。
1…内燃機関、2…シリンダ、3…ピストン、6…燃焼室、7…吸気通路、8…排気通路、9…吸気弁、10…排気弁、13…クランク角センサ、14…吸気通路用燃料噴射弁、15…点火プラグ、16…スロットル弁、17…アクチュエータ、18…スロットル開度センサ、19…水温センサ、20…可変動弁機構、21…電子制御装置、NEA…実回転速度、NET…目標回転速度、NEth…基準回転速度。
Claims (7)
- 機関アイドル運転時に内燃機関の実回転速度が目標回転速度となるように機関回転速度に影響を及ぼす制御因子をフィードバック制御する内燃機関の回転速度制御装置において、
前記実回転速度が予め定める基準回転速度以下であるとき、前記制御因子にかかるフィードバック制御を禁止し、機関回転速度が増大するように前記制御因子を前記実回転速度に基づく値にオープン制御する
ことを特徴とする内燃機関の回転速度制御装置。 - 前記基準回転速度は前記目標回転速度を基準として同目標回転速度より所定値だけ低い回転速度に設定される
ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の回転速度制御装置。 - 前記制御因子は少なくとも吸入空気量を含む
ことを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の回転速度制御装置。 - 前記制御因子は少なくとも点火時期を含む
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の回転速度制御装置。 - 前記点火時期は前記実回転速度が基準回転速度よりも更に低い所定回転速度以下であるときに機関出力が最大になる時期に設定される
ことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の回転速度制御装置。 - 前記制御因子は少なくとも燃料噴射量を含む
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の回転速度制御装置。 - 前記制御因子が複数あるとき、それら複数の制御因子に応じて前記基準回転速度を異なる値に設定する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の回転速度制御装置。
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