JP3800881B2 - 直噴火花点火式内燃機関の制御装置 - Google Patents

直噴火花点火式内燃機関の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直噴火花点火式内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関において、吸気弁(及び排気弁)の開閉タイミングすなわちバルブタイミングを運転状態に応じて変化させる技術が知られている。この技術の適用により充填効率を高められると共に、内部EGR量等の制御が可能になる。
【0003】
しかし、燃焼室に対する燃料の供給を燃料噴射弁により行うようにした内燃機関において、単にバルブタイミングを制御するだけでは、燃焼室に対する空気の充填効率や燃料の供給、すなわち混合気の供給を最適化できない場合があった。
【0004】
そこで、特開昭60−150459号公報に記載の技術では、低負荷運転時や高負荷運転時に吸気弁の開閉タイミングを通常のタイミングに対して変更する時、燃料噴射タイミングを吸気弁の開もしくは閉時期と同量だけ変化させて設定している。
【0005】
一方で、近年、直噴火花点火式内燃機関が注目されており、一般に、機関運転条件に応じて運転モード(燃焼方式)を切換制御、すなわち、機関中高負荷時にて吸気行程噴射により燃焼室内全体に燃料を拡散させ均質の混合気を形成して均質燃焼を行わせる均質運転と、機関低負荷時にて圧縮行程噴射により燃焼室内の点火栓周りに集中的に層状の混合気を形成して成層燃焼を行わせる成層運転と、に切換制御している。また、機関中高負荷時の均質運転に際しては、中負荷側では、空燃比をリーンに設定して、均質リーン運転を行わせ、高負荷側では、空燃比をストイキないしリッチに設定して均質略ストイキ運転を行わせている。
【0006】
このような直噴火花点火式内燃機関において、特開平4−183945号公報に記載の技術では、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方に設けた可変バルブタイミング装置を用いて、機関低負荷時にはバルブオーバーラップを増大させて圧縮行程噴射による成層燃焼を行い、内部EGRにより、筒内温度を上昇させて混合気の気化を促進すると共に、燃焼により発生するNOxを抑制している。
【0007】
また該公報の第9図に示されるように、機関中負荷時においてもバルブオーバーラップを大とし、更に燃料の供給を吸気行程噴射と圧縮行程噴射との双方で行うことにより、混合気の霧化促進及び低NOx化を図っている。更に機関高負荷時においてはバルブオーバーラップを小として吸気行程噴射としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の技術においては、次のような問題点があった。
前記特開昭60−150459号公報に記載の技術は、吸気通路内での吸気行程噴射についての技術であるが、これを直噴式内燃機関に適用した場合、上死点近傍の吸気行程においてはピストンが最上方に位置しているため、上死点付近で筒内噴射を行うと、噴霧がピストン冠面に衝突するため、噴霧がピストン冠面において壁流となり、混合気の生成が不十分となるため、均質運転でのリーン性能が良好なものとなり得ず、また全開出力も得られにくいという問題点があった。
【0009】
また、前記特開平4−183945号公報に記載の技術では、機関中負荷においてバルブオーバーラップを大きくすると共に吸気行程噴射と圧縮行程噴射との双方を行っているが、この場合燃料を2回に分割して噴射することになるため、燃料噴射1回当たりの燃料噴射量が減少する。燃料噴射弁の特性として、燃料の噴射開始時には燃料の霧化が不十分な状態であるいわゆる初期噴霧と呼ばれる部分が存在するため、燃料噴射が2回に分割されると、この初期噴霧量が1回噴射の場合の2倍となることから、燃焼安定性は得られるものの、未燃HCの排出が多く、また燃費ゲインが減少してしまうという問題点があった。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、特に機関中負荷領域での均質リーン運転時の排気及び燃費性能を向上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明では、燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃焼室内に臨む点火栓と、吸気弁の開閉タイミングを制御可能な可変動弁装置とを備える一方、機関運転条件に応じて少なくとも吸気行程噴射で空燃比をリーンに設定する均質リーン運転と吸気行程噴射で空燃比をストイキないしリッチに設定する均質略ストイキ運転とを切換可能な運転モード切換手段を備える直噴火花点火式内燃機関の制御装置において、図1に示すように、均質リーン運転時に、吸気弁の開時期を均質略ストイキ運転時よりも遅角設定して、排気弁とのオーバーラップを有しないように設定し、かつ、遅角量を機関回転数及び負荷に応じて設定するバルブタイミング設定手段と、均質リーン運転時に、吸気弁の開時期を跨いで燃料を噴射するように噴射タイミングを設定し、かつ、吸気弁の開時期以前の噴射割合に対し、吸気弁の開時期以降の噴射割合を同等以上とすると共に、吸気弁開時期の遅角量が小さい側では、吸気弁の開時期以前の噴射割合より、吸気弁の開時期以降の噴射割合を多くし、吸気弁開時期の遅角量が大きい側では、吸気弁の開時期以前と以降の噴射割合を略同等にする噴射タイミング設定手段と、を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明では、均質リーン運転時における吸気弁の開時期の遅角量は、機関の低負荷ほど大きく、高負荷ほど小さくしたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明では、均質リーン運転時における吸気弁の開時期の遅角量は、機関の高回転ほど大きく、低回転ほど小さくしたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明では、前記可変動弁装置は、クランク軸とカム軸との位相を変化させる機構を備えてなることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、前記可変動弁装置は、クランク軸の角速度に対するカム軸の角速度を周期的に変化させる機構を備えてなることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明では、前記可変動弁装置は、バルブリフト特性の異なる複数のカムを選択的に切換える機構を備えてなることを特徴とする。
請求項7に係る発明では、前記可変動弁装置は、油圧力により吸気弁を開閉駆動するものであることを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明では、前記可変動弁装置は、電磁力により吸気弁を開閉駆動するものであることを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、均質リーン運転時に、吸気弁の開時期を均質略ストイキ運転時よりも遅角設定して、排気弁とのオーバーラップを有しないように設定(マイナスのオーバーラップ設定)し、また、吸気弁の開時期を跨いで燃料を噴射するように噴射タイミングを設定することにより、ピストンが上死点後に下降し始めても吸気弁が開弁しないため、筒内に負圧が発生した状態となり、この後吸気弁が開弁するため、吸気弁開時期直後から筒内への吸気流速が高められ、また前記吸気流速が高い時期に燃料が吸気弁付近に存在するように吸気弁開時期を挟んで燃料を噴射するように設定されるため、噴霧と吸入される空気との混合が良好なものとなり、すなわち混合気を均一にできるため、均質リーン運転における燃費の向上と、よりリーンでの運転が可能となり、燃料の不均質もなくなることから低NOx化が図れる。
【0018】
従って、吸気行程噴射による均質リーン運転時の混合気形成を大幅に改善できるため、他の運転モードへの跳ね返りなく、均質リーン運転時の燃費向上と低NOx化とが可能な直噴火花点火式内燃機関を実現できる。
【0019】
また、均質リーン運転時に、吸気弁の開時期以前の噴射割合に対し、吸気弁の開時期以降の噴射割合を同等以上(略同等若しくはそれ以上)としたことにより、設定吸気弁開時期に最適な混合気の均質化が図れる。
【0020】
例えば設定した吸気弁開時期の遅角量が小さいときには、開時期よりも遅角側での燃料噴射を多く設定することにより、吸気流速が高い時期に燃料と空気との混合が図れるため、吸気弁開時期の遅角量に応じ、混合気の均質性を向上できる。また、吸気弁開時期の遅角量が小さいときには、ピストンが上死点近傍にあるため、ピストンヘの燃料付着量を減少する効果もある。
【0021】
吸気弁開時期の遅角量が大きく設定された場合には、吸気弁の開時期以前と以降の噴射割合を略同等にすることにより、混合気の均質性を向上できる。
従って、設定吸気弁開時期に最適な混合気を形成させるために、吸気弁開時期を挟んで燃料噴射が行われ、更に開時期以降の燃料噴射量を少なくとも同量以上とすることで、混合気の均質化を図れる。
【0022】
請求項2に係る発明によれば、均質リーン運転時における吸気弁の開時期の遅角量を機関負荷に応じて低負荷ほど大きく、高負荷ほど小さくすることにより、低負荷での混合を大幅に改善すると共に、高負荷においては吸入空気量を確保できる。
【0023】
請求項3に係る発明によれば、均質リーン運転時における吸気弁の開時期の遅角量を機関回転数に応じて高回転ほど大きく、低回転ほど小さくすることにより、回転によらず混合を改善できる。
【0024】
請求項4に係る発明によれば、クランク軸とカム軸との位相を変化させることで、作動角一定のままバルブタイミングがシフトすることになり、容易に吸気弁の開時期を変更可能となる。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、クランク軸の角速度に対するカム軸の角速度を周期的に変化させることで、バルブタイミングと作動角とを同時に変更可能となり、吸気弁の閉時期を固定して開時期のみを変化させることも可能となる。
【0026】
請求項6に係る発明によれば、バルブリフト特性の異なる複数のカムを選択的に使い分けることで、バルブタイミングと作動角とを同時に変更することが可能となる。
【0027】
請求項7に係る発明によれば、カム駆動ではなく、油圧力により開閉駆動することで、油圧力の発生タイミングによってバルブタイミングを任意に制御可能となる。
【0028】
請求項8に係る発明によれば、カム駆動ではなく、電磁力により開閉駆動することで、電磁力の発生タイミングによってバルブタイミングを任意に制御可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図2は直噴火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)のシステム図である。
エンジン1には、各気筒毎に、燃焼室(シリンダ)2内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁3が設けられると共に、燃料室2内に臨んで点火を行う点火栓4が設けられている。尚、燃料噴射弁3は、シリンダヘッド側の側部よりシリンダの略中央部に向けて斜め下方に燃料を噴射する角度で取付けられている。
【0031】
エンジン1の吸気通路5には、スロットル弁6が介装され、該スロットル弁6はDCモータ等のスロットルアクチュエータ7によって開閉駆動されるように構成されている。
【0032】
エンジン1の吸気弁8及び排気弁9の動弁装置10,11は、本実施形態では、吸気弁8及び排気弁9をそれぞれカムで駆動するが、各動弁装置10,11は、可変動弁機構を備えて、吸気弁8及び排気弁9の開閉タイミング(バルブタイミング)を可変制御可能な可変動弁装置として構成されている。
【0033】
本実施形態での可変動弁装置10,11は、クランク軸とカム軸との位相を変化させることにより、作動角一定のまま、バルブタイミングをシフトさせることができるものとする。尚、ここでは吸気弁8及び排気弁9の両方に対し可変動弁装置10,11を設けたが、少なくとも吸気弁8に対し設ければよい。
【0034】
コントロールユニット(C/U)12は、CPU、ROM、RAM及び入出力インターフェースを含んで構成されるマイクロコンピュータを備えており、各種センサから信号が入力されている。
【0035】
前記各種センサとしては、アクセル開度センサ13、クランク角センサ14、エアフローメータ15、水温センサ16等が設けられている。
アクセル開度センサ13は、運転者によって操作されるアクセルペダルの開度APOを検出する。
【0036】
クランク角センサ14は、単位クランク角毎のポジション信号及び気筒間の行程位相差毎のリファレンス信号を発生する。従って、前記ポジション信号の単位時間当たりの発生数を計測することにより、あるいは前記リファレンス信号の発生周期を計測することにより、エンジン回転数Neを検出可能である。
【0037】
エアフローメータ15は、吸気通路5のスロットル弁6上流にて吸入空気流量Qaを検出する。
水温センサ16は、エンジン1の温度を代表するパラメータとして冷却水温度Twを検出する。
【0038】
ここにおいて、コントロールユニット12は、内蔵のマイクロコンピュータにより、前記各種センサからの信号に基づいて検出される機関運転条件に応じて、スロットル弁6の開度を制御し、燃料噴射弁3による燃料噴射量及び噴射タイミングを制御し、点火栓4による点火タイミングを制御し、また、可変動弁装置10による吸気弁8のバルブタイミングを制御する。
【0039】
コントロールユニット12によるバルブタイミング制御及び噴射タイミング制御について、図3のフローチャートにより説明する。
【0040】
尚、本実施形態においては、図7に示すように、エンジン回転数及び負荷(トルク)に応じて、低回転・低負荷領域での成層運転、中回転・中負荷領域での均質リーン運転、高回転・高負荷領域での均質略ストイキ運転に切換えている。また、各運転モードにおいてバルブタイミング及び噴射タイミングを設定するが、中回転・中負荷領域での均質リーン運転に際し、より細かなバルブタイミングの制御を行うようにしている。
【0041】
S21では、各種センサからの信号を読込む。
S22では、成層運転域か否かを判定する。
成層運転域であるときには、圧縮行程噴射により成層運転を行わせるが、このとき、S23,S24へ進み、成層運転用バルブタイミング値を参照し(S23)、また成層運転用噴射タイミング値を参照して(S24)、S30,S31へ進む。
【0042】
成層運転域以外であるときには、S25へ進む。
S25では、均質リーン運転域か否かを判定する。
均質リーン運転域であるときには、吸気行程噴射と空燃比のリーン設定とにより均質リーン運転を行わせるが、このとき、S26,S27へ進み、均質リーン運転用バルブタイミング値を参照し(S26)、また均質リーン運転用噴射タイミング値を参照して(S27)、S30,S31へ進む。但し、S26での均質リーン運転用バルブタイミング値の設定に際しては、後述のように、エンジン回転数及び負荷に応じて設定する。
【0043】
均質リーン運転域以外であるとき、すなわち、均質略ストイキ運転域であるときには、吸気行程噴射と空燃比のストイキないしリッチ設定とにより均質略ストイキ運転を行わせるが、このとき、S28,S29へ進み、均質略ストイキ運転用バルブタイミング値を参照し(S28)、また均質略ストイキ運転用噴射タイミング値を参照して(S29)、S30,S31へ進む。
【0044】
S30では、S23、S26又はS28で参照したバルブタイミング値に基づいて、バルブタイミングの切換制御を実行する。
S31では、S24、S27又はS29で参照した噴射タイミング値に基づいて、噴射タイミングの切換制御を実行する。
【0045】
本フローチャートにおいては、S22,S25の部分が運転モード切換手段に相当し、S23,S26,S28の部分がバルブタイミング設定手段に相当し、S24,S27,S29の部分が噴射タイミング設定手段に相当する。
【0046】
ここで運転領域別のバルブタイミング及び噴射タイミングについて図4及び図5により説明する。尚、図4において、EVOは排気弁開時期、EVCは排気弁閉時期、IVOは吸気弁開時期、IVCは吸気弁閉時期を示している。
【0047】
高負荷(高回転・高負荷)時については、吸気行程噴射による均質略ストイキ運転モードであり、バルブタイミングは、図4aに示すように吸気弁が略TDCで開き、BDC後早い時期に閉じるタイミングとする。また、噴射タイミングについては、図5aに示すように吸気行程噴射であって、吸気弁開弁後(TDC後)に噴射開始し、BDC前で噴射終了するタイミングとしている。
【0048】
また、中負荷(中回転・中負荷)時については、吸気行程噴射による均質リーン運転モードであり、バルブタイミングは、図4bに示すように吸気弁がTDC後で且つ排気弁閉時期後に開き、BDC後遅い時期に閉じるタイミングとする。また、噴射タイミングについては、図5bに示すように吸気行程噴射であって、TDC後で且つ吸気弁開弁前に噴射開始し、吸気弁開弁後、BDC前で噴射終了するタイミングとしている。従って、燃料の噴射タイミングは吸気弁開時期の前後に跨がって設定される。また、吸気弁開時期以前の噴射割合に対し、吸気弁の開時期以降の噴射割合の方を略同等又は大きくしてある。
【0049】
更に、低負荷(低回転・低負荷)時については、圧縮行程噴射による成層運転モードであり、バルブタイミングは、図4cに示すように吸気弁がTDC前から開き、略BDCで閉じるタイミングとする。また、噴射タイミングについては、図5cに示すように圧縮行程噴射であって、90°BTDC後に噴射開始し、TDC前で噴射終了するタイミングとしている。
【0050】
以上のように負荷に応じて3種の運転モードに切換え、更に各運転モードに応じたバルブタイミング及び噴射タイミングとすることで、良好な燃焼、運転性、排気が得られる。
【0051】
具体的には、高負荷運転においては、吸気弁開時期IVOを略TDC付近、吸気弁閉時期IVCを比較的遅く設定することで、本実施形態程度の比較的小さい作動角のカムプロフィールを有するカムを用いた場合において、十分な充填効率が得られるため、良好な高負荷運転を実現できる。
【0052】
また、低負荷運転においては、吸気カムを進角設定しているため、吸気弁開時期IVO、吸気弁閉時期IVC共に進角し、その結果既燃の燃焼ガスが吸気に戻され、いわゆる内部EGRが行われるため、燃焼前の筒内温度が比較的高温な状態となるため、圧縮行程で噴射された燃料の気化が促進され、燃焼状態が良好となる。また既燃ガスによる内部EGRが行われているため、NOxも低く抑えられる。
【0053】
更に、中負荷運転においては、均質リーン運転が行われ、この時吸気カムはTDC後に開弁するよう設定しており、図6に示すようにTDC後において吸気弁が開弁するまでの間に筒内に負圧が発生するため、吸気弁開弁後の吸気流速を、遅角設定しない場合と比較して初期に非常に高くできる。また、噴射タイミングを吸気流速が高まるタイミングより若干早める、すなわち燃料噴射から気化するまでに時間を要するため、吸気弁開時期よりも前から噴射を開始する設定としており、燃料が若干気化し始めるタイミングで吸気流速が高まるため、混合気の形成が良好なものとなる。
【0054】
但し、吸気行程噴射による均質リーン運転時のバルブタイミング及び噴射タイミングについては、図4b及び図5bのタイミングを基本とするが、特にバルブタイミングについては、図8に示すように、エンジン回転数及び負荷に応じて更に細かく設定され、高回転ほど、また、低負荷ほど、吸気弁開時期IVOを遅らせる(吸気弁開時期IVOの遅角量を大きくする)。
【0055】
ここで、エンジン回転数が高いほど吸気弁開時期IVOを遅らせるのは、エンジンが高回転であるほど排気行程における掃気が遅れ、また排圧が上昇するために、本実施形態のように排気弁のバルブタイミングを可変しない場合においては、エンジン回転が高回転であるほど排気上死点での筒内圧力が高くなるため、その後に吸気弁開時期IVOを遅らせて、筒内に負圧を発生させる場合には、より吸気弁開時期IVOを遅らせる必要があるためである。
【0056】
このとき本実施形態ではクランク軸とカム軸との位相を変化させることで、作動角一定のままバルブタイミングがシフトする可変動弁機構を備えているので、吸気弁開時期IVOを遅らせた場合には、吸気弁閉時期IVCが合せて遅れる。すなわち吸気カム作動角が比較的大きい場合には、吸気弁閉時期IVCがBDC後となるため、有効圧縮比が低下する。すなわち吸入空気量が減少することになってしまうが、吸気行程噴射による均質リーン運転領域での設定を工夫してあるため、かかる問題が発生しない。
【0057】
つまり、図4aに示すような通常設定のタイミングにおいて吸気行程噴射による均質リーン運転を行う際には、スロットル弁を絞って、トルクを制御している。すなわち、スロットル弁が絞りとなって空気量を制限している。本実施形態では、図7及び図8に示した運転領域切換マップの設定について、均質リーン運転域と均質略ストイキ運転域との境界を、吸気弁開時期IVOを遅らせることによって減少する吸入空気量と、その減少した吸入空気量を補うべくスロットル弁を開弁補正して得られる吸入空気量とが等しくなる設定としており、またスロットル弁が全開となるところを、均質リーン運転域の限界として設定しているので、吸気弁開時期IVOを遅らせても運転性等の問題を引き起こすことがなく、また本実施形態での効果も十分に得られる構成となっている。
【0058】
また、エンジンが高負荷ほど吸気弁開時期IVOを早めるのは、回転の変化に対して、トルクの変化の方が吸入空気量に対して感度が高いため、高負荷ほど吸気弁開時期IVOを早めた方が、効果が高いからである。
【0059】
よって、本実施形態においては、吸気行程噴射による均質リーン運転において、エンジン回転、負荷に応じて細かく吸気弁開時期IVOを設定しているため、均質リーン運転時の燃費、NOxのゲインを大きくできる。
【0060】
以上の実施形態では、可変動弁装置として、いわゆるバルブ捻り、すなわちクランク軸とカム軸との位相を変化させることで、作動角一定のままバルブタイミングがシフトする可変動弁機構を用いたものについて説明したが、次のような可変動弁装置を用いることもできる。
【0061】
例えば、クランク軸の角速度に対するカム軸の角速度を周期的に変化させる機構を備えているものを用いることができる。これによれば、バルブタイミングと作動角とが同時に変更可能であり、例えば吸気弁の閉時期を固定して開時期のみを変化させることが可能となる。
【0062】
また、バルブリフト特性の異なる複数のカムを選択的に切換える機構を備えているものを用いることができる。これによれば、複数のカムを使い分けることで、吸気弁開時期のみを単独で変化させることはもちろん、バルブタイミングと作動角とが同時に変更可能となる。
【0063】
更に、油圧力又は電磁力により吸気弁の開時期及び閉時期を任意に制御可能なものを用いることができる。これによれば、カム駆動ではなく、油圧力又は電磁力により開閉駆動して、油圧力又は電磁力の発生タイミングによって吸気弁開時期のみを単独で変化させることはもちろん、バルブタイミングを任意に制御可能となる。
【0064】
以上説明してきたように本発明によれば、吸気行程噴射による均質リーン運転時の混合気形成を大幅に改善できるため、他の運転モードへの跳ね返りなく、均質リーン運転時の燃費向上と低NOx化とが可能な直噴火花点火式内燃機関を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の実施形態を示す直噴火花点火式内燃機関のシステム図
【図3】 フローチャート
【図4】 バルブタイミングを示す図
【図5】 バルブタイミング及び噴射タイミングを示す図
【図6】 吸気弁開時期遅角による筒内負圧、吸気流速を示す図
【図7】 運転モードの切換域を示す図
【図8】 均質リーン運転域での吸気弁開時期を示す図
【符号の説明】
1 エンジン
2 燃焼室
3 燃料噴射弁
4 点火栓
5 吸気通路
6 スロットル弁
8 吸気弁
9 排気弁
10,11 可変動弁装置
12 コントロールユニット

Claims (8)

  1. 燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃焼室内に臨む点火栓と、吸気弁の開閉タイミングを制御可能な可変動弁装置とを備える一方、機関運転条件に応じて少なくとも吸気行程噴射で空燃比をリーンに設定する均質リーン運転と吸気行程噴射で空燃比をストイキないしリッチに設定する均質略ストイキ運転とを切換可能な運転モード切換手段を備える直噴火花点火式内燃機関の制御装置において、
    均質リーン運転時に、吸気弁の開時期を均質略ストイキ運転時よりも遅角設定して、排気弁とのオーバーラップを有しないように設定し、かつ、遅角量を機関回転数及び負荷に応じて設定するバルブタイミング設定手段と、
    均質リーン運転時に、吸気弁の開時期を跨いで燃料を噴射するように噴射タイミングを設定し、かつ、吸気弁の開時期以前の噴射割合に対し、吸気弁の開時期以降の噴射割合を同等以上とすると共に、吸気弁開時期の遅角量が小さい側では、吸気弁の開時期以前の噴射割合より、吸気弁の開時期以降の噴射割合を多くし、吸気弁開時期の遅角量が大きい側では、吸気弁の開時期以前と以降の噴射割合を略同等にする噴射タイミング設定手段と、
    を設けたことを特徴とする直噴火花点火式内燃機関の制御装置。
  2. 均質リーン運転時における吸気弁の開時期の遅角量は、機関の低負荷ほど大きく、高負荷ほど小さくしたことを特徴とする請求項1記載の直噴火花点火式内燃機関の制御装置。
  3. 均質リーン運転時における吸気弁の開時期の遅角量は、機関の高回転ほど大きく、低回転ほど小さくしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の直噴火花点火式内燃機関の制御装置。
  4. 前記可変動弁装置は、クランク軸とカム軸との位相を変化させる機構を備えてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の直噴火花点火式内燃機関の制御装置。
  5. 前記可変動弁装置は、クランク軸の角速度に対するカム軸の角速度を周期的に変化させる機構を備えてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の直噴火花点火式内燃機関の制御装置。
  6. 前記可変動弁装置は、バルブリフト特性の異なる複数のカムを選択的に切換える機構を備えてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の直噴火花点火式内燃機関の制御装置。
  7. 前記可変動弁装置は、油圧力により吸気弁を開閉駆動するものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の直噴火花点火式内燃機関の制御装置。
  8. 前記可変動弁装置は、電磁力により吸気弁を開閉駆動するものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の直噴火花点火式内燃機関の制御装置。
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