JP2006045219A - 没食子酸エステル化合物の用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】
木質資材加害節足動物を防除すること。

【解決手段】
式(1)
Figure 2006045219

〔式中、Rは炭素数8〜12のアルキル基を表す。〕
で示される没食子酸エステル化合物を有効成分として含有することを特徴とする木質資材加害節足動物の防除剤は木質資材加害節足動物に防除効力を有する。



【選択図】 なし

Description

本発明は没食子酸エステル化合物の用途に関する。
住宅、文化財建造物等といった家屋等建造物の木質資材を加害する木質資材加害節足動物、特にシロアリによる経済的被害は、アメリカで百億ドル以上、日本でも数十億ドルにのぼるとも言われている。そしてこれまで、木質資材加害節足動物の防除を目的として種々の化合物や方法が提案されてきた。防除方法の一つとして、木質資材の一例である木材そのものに殺虫剤を処理し、シロアリ等の木質資材加害節足動物の被害を予防する木材加工処理という方法がある。これら木質資材加害節足動物の防除剤は、直接人体に接触する可能性の高い木質資材に処理する薬剤であるため、高い安全性が求められる。
社団法人日本木材保存協会編,「木材保存学」,文教出版,
本発明は安全性が高く、かつ木質資材加害節足動物、特にシロアリに対して優れた防除効力を有する防除剤を提供すること、及び木質資材加害節足動物による木質資材摂食阻害方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記式(I)で示される没食子酸エステル化合物(以下、本化合物と記す場合もある。)を含有する防除剤が木質資材加害節足動物、特にシロアリに対して優れた防除効力を有すること、及び没食子酸エステル化合物を木質資材に施用することにより木質資材加害節足動物による木質資材の摂食を阻害することができることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下の〔1〕〜〔9〕の通りである。
〔1〕 式(1)
Figure 2006045219
〔式中、Rは炭素数8〜12のアルキル基を表す。〕
で示される没食子酸エステル化合物を有効成分として含有することを特徴とする木質資材加害節足動物の防除剤。
〔2〕 木質資材加害節足動物がシロアリである〔1〕記載の防除剤。
〔3〕 没食子酸エステル化合物が、没食子酸デシル、没食子酸オクチル又は没食子酸ドデシルである〔1〕又は〔2〕記載の防除剤。
〔4〕 〔1〕記載の没食子酸エステル化合物の有効量を木質資材加害節足動物又は木質資材加害節足動物の生息場所に施用することを特徴とする木質資材加害節足動物の防除方法。
〔5〕 木質資材加害節足動物がシロアリである〔4〕記載の防除方法。
〔6〕 没食子酸エステル化合物が、没食子酸デシル、没食子酸オクチル又は没食子酸ドデシルである〔4〕又は〔5〕記載の防除方法。
〔7〕 〔1〕記載の没食子酸エステル化合物の有効量を木質資材に施用することを特徴とする木質資材加害節足動物による木質資材摂食阻害方法。
〔8〕 木質資材加害節足動物がシロアリである〔7〕記載の木質資材摂食阻害方法。
〔9〕 没食子酸エステル化合物が、没食子酸デシル、没食子酸オクチル又は没食子酸ドデシルである〔7〕又は〔8〕記載の木質資材摂食阻害方法。
本化合物を有効成分として含有する木質資材加害節足動物の防除剤は、木質資材加害節足動物、特にシロアリを防除できることから、木質資材加害節足動物の防除剤として有用である。また、本発明により木質資材加害節足動物による木質資材摂食を阻害できることから、木質資材を保護する上で有用である。
本化合物の製造方法について説明する。
本化合物は、没食子酸と式(II)で示される化合物とを、酸の存在下で反応させることにより製造することができる。
Figure 2006045219
〔式中、Rは前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。
反応が溶媒の存在下で行われる際に用いられる溶媒としては、例えばオクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類及びそれらの混合物があげられる。
該反応に用いられる酸としては、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機酸、及び硫酸、塩酸等の無機酸があげられ、用いられる酸の量は特に限定されるものではないが、没食子酸1モルに対して通常0.01〜1モルの割合である。
反応に用いられる式(II)で示される化合物の量は、没食子酸1モルに対して通常0.7〜1.5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常20℃〜200℃または溶媒の還流温度の範囲であり、反応時間は通常0.1〜72時間の範囲であり、必要に応じてモレキュラーシーブズ、水分分離器等を用いることにより反応中に生成する水を除去しながら行う。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒抽出し、乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、本化合物を単離することができる。単離された本化合物は有機溶媒洗浄、再結晶、クロマトグラフィー等の操作によりさらに精製することもできる。
本発明の木質資材加害節足動物の防除剤(以下、本発明防除剤と記す場合もある。)の防除対象である木質資材加害節足動物のうち、シロアリが最も重要な木質資材加害節足動物であるが、シロアリは、等翅目(Isoptera)に属する昆虫類であり、木質資材、例えば木材;合板、パーティクルボード、ファイバーボード、ウエファーボード、集成材、ストランドボード、LVL、OSL、OSB、フレークボード等のエンジニアリングウッド;紙類等に加害する種であり、具体的には次のものが挙げられる。
Mastotermitidae ムカシシロアリ科、Termopsidae オオシロアリ科[Zootermopsis属、Archotermopsis属、Hodotermopsis属、Porotermes属、Stolotermes属]、Kalotermitidae レイビシロアリ科[Kalotermes属、Neotermes属、Cryptotermes属、Incistermes属、Glyptotermes属]、Hodotermitidae シュウカクシロアリ科[Hodotermes属、Microhodotermes属、Anacanthotermes属]、Rhinotermitidae ミゾガシラシロアリ科[Reticulitermes属、Heterotermes属、Coptotermes属、Schedolinotermes属]、Serritermitidae ノコギリシロアリ科、Termitidae シロアリ科{Amitermes属、Drepanotermes属、Hopitalitermes属、Trinervitermes属、Macrotermes属、Odontotermes属、Microtermes属、Nasutitermes属、Pericapritermes属、Anoplotermes属};
そのうち、日本における防除対象となるシロアリの具体例としては、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、アメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor)、ダイコクシロアリ(Cryptotermes domesticus)、タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)、コウシュンシロアリ(Neotermes koshunensis)、サツマシロアリ(Glyptotermes satsumensis)、ナカジマシロアリ(Glyptotermes nakajimai)、カタンシロアリ(Glyptotermes fuscus)、コダマシロアリ(Glyptotermes kodamai)、クシモトシロアリ(Glyptotermes kushimensis)、オオシロアリ(Hodotermopsis japonica)、コウシュウイエシロアリ(Coptotermes guangzhoensis)、アマミシロアリ(Reticulitermes miyatakei)、キアシシロアリ(Reticulitermes flaviceps amamianus)、カンモンシロアリ(Reticulitermes sp.)、タカサゴシロアリ(Nasutitermes takasagoensis)、ニトベシロアリ(Pericapritermes nitobei)、ムシャシロアリ(Sinocapritermes mushae)等を挙げることができる。
また、アメリカにおける防除対象のシロアリとしては、上記日本に生息する種でかつアメリカにも生息する種に加えて、Reticuliterumes flavipes、Reticulitermes hesperus、Reticulitermes virginicus、Reticulitermes tibialis、Heterotermes aureus、Zootermopsis nevadensis等を挙げることができるが、これらはシロアリの一例であり日本及びアメリカ以外の国、地域に生息するシロアリとして、上記以外のシロアリの種も挙げられる。
シロアリ以外の木質資材加害節足動物としては、ヒラタキクイムシ科、ナガシンクイムシ科、シバンムシ科、カミキリムシ科等の鞘翅目昆虫があげられる。
本発明防除剤は、本化合物そのものであってもよいが、通常は、フロアブル剤、マイクロカプセル剤、油剤、乳剤等の本化合物を含有する製剤(以下、本製剤と記す。)として施用される。
本製剤は、通常、本化合物を液体担体、固体担体等の担体と混合し、さらに必要により製剤用補助剤、その他を添加する一般的に知られた方法により調製される。本化合物の含有量は製剤形態によって異なるが、一般的に0.01〜80%であり、そのまま、あるいは適当な溶剤、水等で希釈した液剤として使用される。
以下に本製剤の具体例のいくつかを示す。
本製剤が油剤の場合には、本化合物、溶剤、必要により防腐剤等を混合することにより得ることができる。
本製剤が水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤の場合は、一般に1〜75重量%の本化合物を、0.5〜15重量%の懸濁補助剤(例えば保護コロイドやチクソトロピー性を付与しうる物質)、0〜10重量%のその他の補助剤(例えば消泡剤、防錆剤、安定剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤等)を含む水中で、微小に分散させることにより得ることができる。
水の代わりに本化合物が実質的に溶解しない油を用いることにより、油中懸濁剤とすることもできる。
本製剤がマイクロカプセル化剤の場合は、界面重合法、In−Situ法、相分離法、液中乾燥法、スプレードライング法、融解分散冷却法、パンコーティング法などにより作製することができる。
例えば、界面重合法の場合、通常1〜50重量%の本化合物、0.001〜1重量%の油溶性モノマーを、必要であれば水に溶解しない有機溶媒に溶解させ、0.001〜1重量%の水溶性モノマーを溶解させた水中に分散させる。その際、必要であれば、0.001〜5%の界面活性剤や水溶性高分子を添加し、30℃〜80℃の温度で1〜48時間反応させることによりマイクロカプセル化剤を作製することができる。その後、さらに必要であれば、懸濁補助剤(例えば保護コロイドやチクソトロピー性を付与しうる物質)やその他の補助剤(例えば、消泡剤、防錆剤、安定剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤等)を添加することもできる。界面重合法によるマイクロカプセル化剤の製造における膜物質としては、例えば油溶性モノマーとしての多塩基酸ハライド及び水溶性モノマーとしてのポリアミンを使用して形成されるポリアミド、油溶性モノマーとしての多塩基酸ハライド及び水溶性モノマーとしてのポリフェノールを使用して形成されるポリエステル、油溶性モノマーとしてのイソシアネート及び水溶性モノマーとしてのポリオールを使用して形成されるポリウレタン等が挙げられる。
本発明防除剤を使用するに際しては、液剤形態で用いる場合は、本化合物の濃度として、通常0.001〜60重量%、好ましくは0.01〜20重量%程度になるように水等で希釈し、住宅等の建造物、土壌等に生息する前記木質資材加害節足動物及び/又はその生息場所に施用することにより木質資材加害節足動物を防除することができる。かかる場合において用いられる本化合物の施用量は、通常0.1〜100g/m2、好ましくは0.1〜10g/m2である。
本発明防除剤は、木質資材に施用することにより木質資材加害節足動物による木質資材への摂食を阻害することができる。かかる木質資材加害節足動物による木質資材摂食阻害方法において用いられる本化合物の施用量は、通常0.1〜100g/m2、好ましくは0.1〜10g/m2であり、前記と同様の液剤状態で用いる場合には本化合物の濃度として、通常0.001〜60重量%、好ましくは0.01〜20重量%程度になるように水等で希釈し、木質資材(例えば木材;合板、パーティクルボード、ファイバーボード、ウエファーボード、集成材、ストランドボード、LVL、OSL、OSB、フレークボード等のエンジニアリングウッド;紙類、及びこれらからなる木製品)に施用される。施用に際しては、表面塗付法、吹き付け法等の表面処理法、ならびに浸漬法、温冷浴法、加圧/減圧注入法等の内部まで浸透させる方法等の公知方法が挙げられる。
本発明防除剤は、本化合物と以下に示す一種以上の他の殺虫性化合物、忌避剤および協力剤、またはそれらの製剤とを含有することができ、その効果の向上を図ることができる。
かかる殺虫性化合物としては、フェニトロチオン、フェンチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、DDVP、シアノホス、ジメトエ−ト、フェントエ−ト、マラチオン、アジンホスメチル等の有機リン系化合物;
BPMC、ベンフラカルブ、プロポキスル、カルバリル等のカ−バメ−ト系化合物;
エトフェンプロックス、フェンバレレ−ト、エスフェンバレレ−ト、フェンプロパトリン、シペルメトリン、ペルメトリン、シハロトリン、デルタメトリン、シクロプロトリン、フルバリネ−ト、ビフェンスリン、ハルフェンプロクス、トラロメトリン、シラフルオフェン、d−フェノトリン、シフェノトリン、d−レスメトリン、アクリナスリン、シフルトリン、テフルトリン、トランスフルスリン、テトラメトリン、アレスリン、プラレトリン、エンペントリン、イミプロトリン、d−フラメトリン等のピレスロイド化合物;
イミダクロプリド等のニトロイミダゾリジン誘導体;
N−シアノ−N′−メチル−N′−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)アセトアミジン等のN−シアノアミジン誘導体;
ニテンピラム、チアクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン等のクロルニコチニル系化合物;
エンドスルファン、γ−BHC等の塩素化炭化水素化合物
クロルフルアズロン、テフルベンズロン、フルフェノクスロン等のベンゾイルフェニルウレア系化合物;
ジアフェンチウロン等のチオ尿素誘導体;
フェニルピラゾール系化合物;
クロルフェナピル、メトキサジアゾン、ブロモプロピレ−ト、テトラジホン、キノメチオネ−ト、ピリダベン、フェンピロキシメ−ト、デブフェンピラド、ポリナクチンコンプレックス〔テトラナクチン、ジナクチン、トリナクチン〕、ピリミジフェン、ミルベメクチン、アバメクチン、イバーメクチン及びアザジラクチン〔AZAD〕等があげられる。
また、忌避剤としては、例えば、3、4−カランジオール、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−メチルプロピル 2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシラート、p−メンタン−3,8−ジオール、ヒソップ油等の植物精油等があげられ、共力剤としては、例えば、ビス−(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エーテル(S−421)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(MGK−264)、α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン(ピペロニルブトキシド)等があげられる。
本発明防除剤には、それら以外に、必要に応じ、防腐剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤乾燥剤、染料及び着色料等のより好ましい性質を付与しうる物質と併用することもできる。
かかる防腐剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム塩、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、チアベンダゾール、3-ヨード-2-プロパルギルブチルカルバミン(IPBC)等が挙げられる。
また、酸化防止剤としてはジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、エリソルビン酸、アスコルビン酸、トコフェロール、塩化第1スズ等が挙げられ、乾燥剤としては、酸化カルシウム、シリカゲル等が挙げられ、染料及び着色料としては、例えば酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー等の無機顔料;アリザリン染料、アゾ染料、金属フタロシアニン染料等の有機染料やその塩(鉄塩、マンガン塩、ボロン塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩、亜鉛塩等)等を挙げることができる。
本発明防除剤は、さらにシプロコナゾール、ヘキサコナゾール、デブコナゾールなどのアゾール系化合物のような木材防腐剤と組み合わせて使用することもできる。
なお、没食子酸エステル化合物には、食品添加物として用いられるものもあり、本化合物を木質資材加害節足動物の生息場所に施用した場合には、人体に対する高い安全性が期待される。
本化合物としては、好ましくはRが炭素数8〜12の直鎖のアルキル基である没食子酸エステル化合物があげられるが、具体的には没食子酸オクチル、没食子酸ノニル、没食子酸デシル、没食子酸ウンデシル及び没食子酸ドデシルがあげられる。
以下、本発明が有用であることを製剤例、試験例等により示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
まず、本化合物の製剤例を示す。
製剤例1
本化合物(1)〜(3)2部をジクロロメタン10部に溶解し、これをアイソパーM(エクソン化学製イソパラフィン)88部に混合して、2%油剤を得る。
製剤例2
本化合物(1)〜(3)100g、スミジュールL−75(商品名、住友バイエルウレタン社製、芳香族ポリイソシアネート)4.8gおよびソルベッソ200(商品名、エクソン社製、芳香族系溶剤) 100gを均一に混合し、これをエチレングリコール 6gを含む10重量%アラビアガム水溶液 175g中に加え、T.K.オートホモミクサーを用いて常温で3500回転/分で分散攪拌し微小滴を得る。次いで、60℃で24時間緩やかに攪拌して農薬活性成分化合物がポリウレタン膜中に内包されたマイクロカプセルスラリーを得る。得られるスラリーに、ザンタンガム 2gとアルミニウムシリケート4gとを含む水溶液614.2gを加え、本化合物を10重量%を含有するマイクロカプセル化剤を得る。
製剤例3
本化合物(1)〜(3)20.95g、ソプロフォールFLK(ローディア社製商品名、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルカリウム塩)4g、プロピレングリコール5g、アンチフォームC(ダウコーニング製商品名、シリコーン系消泡剤)0.1g、イオン交換水48.85gを均一に混合する。この混合物を、直径が1.0〜1.5mmのガラスビーズで粉砕し、粉砕スラリーを得る。次いで、粉砕スラリーにアンチフォームC 0.1gと、ザンサンガム0.2gとアルミニウムマグネシウムシリケート0.5gとを含む水溶液20gを加え、均一に混合して本化合物を10重量%含有するフロアブル剤を得る。
次に本化合物の製造について、参考製造例に示す。
参考製造例1
没食子酸1.0g、デシルアルコール0.84g及びp−トルエンスルホン酸0.1gの混合物を生成する水を除去しながら、150℃で2時間加熱撹拌した。室温まで放冷した反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlに注加し、酢酸エチル70mlで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、没食子酸デシル(以下、本化合物(1)と記す。)1.4gを得た。
本化合物1
Figure 2006045219
1H-NMR(DMSO−d6)δ(ppm):0.85(3H、t)、1.25(14H、br)、1.63(2H、t)、4.14(2H、t)、6.93(2H、s)
参考製造例1と同様の操作を行い、下記の化合物をそれぞれ得た。
没食子酸オクチル(以下、本化合物(2)と記す。)
Figure 2006045219
1H-NMR(DMSO−d6)δ(ppm):0.83(3H、t)、1.24(10H、br)、1.63(2H、t)、4.13(2H、t)、6.94(2H、s)
没食子酸ドデシル(以下、本化合物(3)と記す。)
Figure 2006045219
1H-NMR(DMSO−d6)δ(ppm):0.85(3H、t)、1.22(18H、s)、1.64(2H、t)、4.15(2H、t)、6.97(2H、s)
次に試験例に示す。
(試験例1)
1cm×1cm×2cmのクロマツ片に、本化合物(2)を含有するのアセトン溶液0.3ml(含有量は表1参照。)を均一になるようにピペットで表面塗布し、室温で一晩、次いで60℃の恒温室に3日間放置した後、直ちに重量を測定した。
底面に数箇所の穴を開け、かつ底面を2mm程度の石膏で被覆した200ml容のプラスチックカップに該クロマツ片及びイエシロアリ職蟻100頭を入れて、暗所で保存した。なお、該プラスチックカップの下には水を含んだ脱脂綿を敷き、容器の底の穴を通じて石膏が常に保水状態となるようにした。3週間後にクロマツ片を取り出し、60℃の恒温室に3日間放置した後、直ちに重量を測定し、試験前後のクロマツ片の重量から重量減少率を求めた。なお、対照として本化合物を表面塗布しないクロマツ片でも同様の操作を行い、重量減少率を求めた。その結果を〔表1〕に示す。
Figure 2006045219

(試験例2)
本化合物(2)10mgを含有するアセトン溶液1mlを直径33mmのミルク濾紙(Milk sediment disk 1026、東洋濾紙株式会社製、約0.2g)にピペットを用いて満遍なく滴下し、室温にて一晩乾燥させた。該ミルク濾紙を底面1ヶ所、側面1ヶ所にシロアリの通れる程度の穴(直径3mm程度)をあけた白色プラスチックカップ(直径35mm)に置き、該プラスチックカップを、底に穴を開け石膏を敷いた200ml容量プラスチックカップに設置した。該200mlプラスチック内にイエシロアリ職蟻50頭を放ち、底面に充分水を染み込ませた脱脂綿を敷いたコンテナ内に保管した。コンテナは内部を高湿度に保つために蓋をした。
1週間経過後、ミルク濾紙を取り出し、室温にて充分乾燥させた後、重量を測り50頭あたりの喫食量を求めた。試験を3反復行った。
同時に本化合物を含有しないアセトン1mlで同様の操作を行い(以下、無処理と記す。)、無処理での試験と本化合物を用いた試験の比較結果を(表2)に示す。
Figure 2006045219
(試験例3)
本化合物(1)及び(3)10mgを含有するアセトン溶液1mlを各々直径33mmのミルク濾紙(Milk sediment disk 1026、東洋濾紙株式会社製、約0.2g)にピペットを用いて満遍なく滴下し、室温にて一晩乾燥させた。該ミルク濾紙を底面1ヶ所、側面1ヶ所にシロアリの通れる程度の穴(直径3mm程度)をあけた白色プラスチックカップ(直径35mm)に置き、該プラスチックカップを、底に穴を開け石膏を敷いた200ml容量プラスチックカップに設置した。該200mlプラスチック内にイエシロアリ職蟻50頭を放ち、底面に充分水を染み込ませた脱脂綿を敷いたコンテナ内に保管した。コンテナは内部を高湿度に保つために蓋をした。
1週間経過後、ミルク濾紙を取り出し、室温にて充分乾燥させた後、重量を測り50頭あたりの喫食量を求めた。試験を3反復行った。
同時に本化合物を含有しないアセトン1mlで同様の操作を行い(以下、無処理と記す。)、無処理での試験と本化合物を用いた試験の比較結果を(表3)に示す。
Figure 2006045219
(試験例4)
本化合物(2)を含有するアセトン溶液(含有量50mg/ml)を微量滴下装置を用いて、10頭のイエシロアリ職蟻の口器付近に2μl/頭となるように処理後、湿らせた直径8.2cmの濾紙を敷いたプラスチックシャーレ(直径9cm)内に該イエシロアリ職蟻を放ち、直射日光の当たらない場所で適度の水を与えながら10日間保存した。10日後にイエシロアリ職蟻の生死を確認した。同試験を3反復行い、苦死虫率を求めた。アセトンのみ2μl/頭処理したイエシロアリ職蟻でも同様の操作を行い苦死虫率を求めた。その結果を〔表4〕に示す。
Figure 2006045219




Claims (9)

  1. 式(1)
    Figure 2006045219
    〔式中、Rは炭素数8〜12のアルキル基を表す。〕
    で示される没食子酸エステル化合物を有効成分として含有することを特徴とする木質資材加害節足動物の防除剤。
  2. 木質資材加害節足動物がシロアリである請求項1記載の防除剤。
  3. 没食子酸エステル化合物が、没食子酸デシル、没食子酸オクチル又は没食子酸ドデシルである請求項1又は2記載の防除剤。
  4. 請求項1記載の没食子酸エステル化合物の有効量を木質資材加害節足動物又は木質資材加害節足動物の生息場所に施用することを特徴とする木質資材加害節足動物の防除方法。
  5. 木質資材加害節足動物がシロアリである請求項4記載の防除方法。
  6. 没食子酸エステル化合物が、没食子酸デシル、没食子酸オクチル又は没食子酸ドデシルである請求項4又は5記載の防除方法。
  7. 請求項1記載の没食子酸エステル化合物の有効量を木質資材に施用することを特徴とする木質資材加害節足動物による木質資材摂食阻害方法。
  8. 木質資材加害節足動物がシロアリである請求項7記載の木質資材摂食阻害方法。
  9. 没食子酸エステル化合物が、没食子酸デシル、没食子酸オクチル又は没食子酸ドデシルである請求項7又は8記載の木質資材摂食阻害方法。




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