JP2006044996A - Li2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラスおよびそれを熱処理してなるLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス - Google Patents

Li2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラスおよびそれを熱処理してなるLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、石油、石炭、ガス、木材等の燃料を燃焼させることによって生じる硫酸を含有する燃焼雰囲気に長時間曝されても、有効面に微細なクラックが発生しにくく安価なLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスと、その母材であるLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスを提供することである。
【解決手段】本発明のLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスは、β−OH量が0.20/mm以上であり、長さが2μm以上の表面キズの数が、有効面に140個/cm2以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、石油、石炭、ガス、木材等を燃料とする燃焼装置の前面窓または覗き窓の母材に用いるLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスと、それを熱処理してなるLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスに関するものである。
暖房器具等の燃焼装置における前面窓の機能は、内部の炎から発せられる熱線を外部に透過させて暖房効果を高めるとともに、炎が見えるようにすることによって視覚的な暖かさを増すことにある。
また、燃焼装置の覗き窓の機能は、外部から炎の燃焼状態の観察を可能にすることである。
したがって、燃焼装置に用いられるこれらの窓には、内部の様子を観察できる透明性と、高温に曝されても破損することのない様に耐熱性、耐熱衝撃性に優れることが必要とされる。
現在、燃焼装置の窓材としては、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、Li2O−Al23−SiO2系透明結晶化ガラス(以下、結晶化ガラスという)等が使用されている(たとえば、特許文献1、2参照。)。しかし、ホウケイ酸ガラスは耐熱性や耐熱衝撃性が充分でなく、石英ガラスは要求特性を満たすものの大変高価である。
これに対して結晶化ガラスは、透明で耐熱性、耐熱衝撃性に優れており、比較的安価に製造できるため、燃焼装置の窓材として広く使用されている。
実公平6−24650号公報 特開2001−48582号公報 特開2000−44282号公報
しかしながら、結晶化ガラスは、燃焼雰囲気に曝されると、表面に微細なクラックが発生して窓材の有効面の透明性が損なわれやすく、また、機械的強度が損なわれやすいという問題を有している。
上記の問題が発生する原因は、以下のとおりである。
石油、石炭、ガス、木材等を燃料に使用する燃焼装置の燃焼雰囲気には、燃料に含まれる硫黄が燃焼して生成するSOxが存在し、燃焼によって生成するH2OとSOxとが反応することによって硫酸が生成する。結晶化ガラスの表面で、結晶中のLi+と硫酸のH+とのイオン交換反応が起こると、結晶の体積が収縮するため結晶化ガラス表面に微細なクラックが発生する。
このような問題を解決するために、結晶化ガラスの表面にシリカ等の被膜を形成する方法が提案されているが、この方法は製造コストが高くなるという問題を有している。
また、結晶化ガラス中のLi+の含有量を少なくして、H+とのイオン交換反応を起こりにくくする試みもなされているが、透明性が損なわれたり熱膨張係数が大きくなって耐熱衝撃性が損なわれたりする。
また、β−OH量が0.35/mm以上のLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラス(以下、結晶性ガラスという)を熱処理することによって結晶化ガラスの表面に内部に比べて結晶化度の低い層を形成させて、結晶中のLi+とH+とのイオン交換を抑制する方法が提案されている(特許文献3参照。)。
しかし、この方法を用いても、長期間にわたって充分な耐酸性は得られにくい。
本発明の目的は、石油、石炭、ガス、木材等の燃料を燃焼させることによって生じる硫酸を含有する燃焼雰囲気に長時間曝されても、有効面に微細なクラックが発生しにくく安価なLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスと、その母材であるLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスを提供することである。
本発明者等は、種々の検討を行なった結果、β−OH量の多い結晶化ガラスが充分な耐酸性を得られない要因は、その母材である結晶性ガラスの表面に存在する微細なキズ(具体的には長さ2μm以上)の数に依存すること、つまり、結晶性ガラスの表面にキズが存在すると、キズが結晶の成長核として働くため、表面の結晶化度が高められることによって耐酸性が低下することを見いだし、本発明として提案するものである。
また、長期間にわたって充分な耐酸性を得るためには、長さが2μm以上のキズの数が平均140個/cm2以下となることが必要であることも見いだした。従来の生産では上記したようなキズが平均150〜300個/cm2存在していた。
すなわち、本発明のLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスは、β−OH量が0.20/mm以上であり、長さが2μm以上の表面キズの数が、有効面に140個/cm2以下であることを特徴とする。
本発明のLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスは、それを熱処理することによって作製したLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスが、石油、石炭、ガス、木材等の燃料を燃焼させることによって生じる硫酸を含有する燃焼雰囲気に長時間曝されても、有効面に微細なクラックが発生しにくい。そのため、透明性や機械的強度が低下しない。なお、有効面とは、前面窓や覗き窓として透明性が必要とされ、かつ燃焼雰囲気に曝される面を指す。
つまり、β−OH量が充分多いため、結晶化ガラスの表面に内部に比べて結晶化度の低い層が形成され、しかも結晶の成長核となるキズが少ないため、結晶化ガラスの表面付近の結晶化度を低く保つことができ、結晶中のLi+とH+とのイオン交換を抑制することで長期間にわたって充分な耐酸性を得ることができる。したがって、結晶化ガラス表面にシリカ等をコーティングする必要がないため安価に製造することができる。
β−OH量が0.20/mmよりも少ないと、熱処理してなる結晶化ガラスの表面層に結晶化度の低い層が形成されにくい傾向がある。そのため、結晶中のLi+とH+とがイオン交換しやすく結晶化ガラスの表面に微細なクラックが発生しやすい。なお、β−OH量は、赤外線分光装置を用いて結晶性ガラスの赤外線吸収スペクトルを測定し、以下の式を用いて算出した。好ましいβ−OH量は0.23/mm以上である。
β−OH量(/mm)=[log(T3850/T3500)]/t
3850:3850cm-1付近の透過率
3500:3500cm-1付近の透過率
t:スペクトル測定時の結晶性ガラスの板厚(mm)
β−OH量を多くするために、含水量の高い原料(例えば、水酸化アルミニウム)を選択したり、ガラスを溶融する際の燃焼ガス中の水分量を多くしたり、溶融ガラス中に水蒸気のバブリングなどの手法が単独で、または、組み合わせて用いられる。
キズの長さが2μmより長いと、キズの深さが1μmより深くなる傾向がある。しかし、キズの長さが2μmより短いと、キズの深さは1μm以下と浅いことが多く、その場合にはキズ部の表面積が小さいため、結晶化促進の効果は小さく、耐酸性低下要因とはなりにくい。なお、キズの長さは、表面を電子顕微鏡で観察して算出した。
長さが2μm以上のキズが、140個/cm2よりも多いと、熱処理してなる結晶化ガラスの表面付近の結晶化度が高められるため、結晶中のLi+とH+とがイオン交換しやすく耐酸性が損なわれる。なお、キズの数は任意の10ヶ所で1cm2づつ10cm2表面を電子顕微鏡で観察して算出したものである。長さが2μm以上のキズが120個/cm2以下であるとより好ましい。
本発明のLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスは、核形成剤がTiO2、ZrO2およびP25からなる群から選択した1種または2種以上の成分からなり、核形成剤を2〜15質量%含有すると、耐熱衝撃性にすぐれるとともに微細なクラックが発生しにくいため好ましい。核形成剤の含有量の好ましい範囲は、2.5〜12質量%である。
核形成剤の含有量が2質量%よりも少ないと、熱処理によって析出する結晶粒子が大きくなり、可視光線(波長400〜800nm)を散乱するようになるため、結晶化ガラスが不透明になりやすい。また、結晶が不均一に析出しやすいため、部分的に熱膨張係数差が生じて破損しやすい。
核形成剤の含有量が15質量%よりも多いと、β−OH量が0.20/mm以上であっても、表面付近に多量の結晶が析出しやすく、結晶中のLi+とH+とがイオン交換して、結晶化ガラスの表面に微細なクラックが発生しやすい。
本発明のLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスは、質量換算で、[Li2O/(SiO2+Al23)]の値が、0.03〜0.06であると好ましい。より好ましくは0.03〜0.058である。
上記の値が0.03よりも小さいと、結晶量が少なくなるため、熱膨張係数が大きくなって耐熱衝撃性が損なわれやすい。
一方、この値が0.06よりも大きいと、β−OH量が0.20/mm以上であっても、熱処理してなる結晶化ガラスの表面に内部に比べて結晶化度の低い層が形成されにくく、耐酸性が損なわれやすい。
本発明のLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスの好適な組成範囲は、質量%で、SiO2 50〜75%、Al23 15〜30%、Li2O 2〜5%、Na2O 0〜7%、K2O 0〜7、MgO 0〜8%、ZnO 0〜8%、BaO 0〜8%、TiO2 0.5〜10%、ZrO2 0〜7%、P25 0〜7%、As23 0〜2.5%、Sb23 0〜2.5%、SnO2 0〜2.5%である。
以下に、本発明のLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスの作製方法について説明する。
まず、所定の組成となるようにガラス原料を調合し、1550〜1750℃で4〜20時間溶融する。なお、β−OH量を高くするためには、含水量の多いガラス原料を用いたり、溶融ガラス中に水蒸気をバブリングしたりするとよい。
次に、溶融ガラスをロール成形法、プレス成形法、ダンナー法、ダウンドロー法などの各種成形方法を用いて平面板、曲面板、円筒などの形状に成形し、Li2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスの成形体を得た後、500〜700℃でアニールを行なう。
続いて、結晶性ガラスの成形体を700〜800℃で1〜4時間保持して核形成を行ない、800〜950℃で0.5〜3時間熱処理を行なって、β−石英固溶体の析出したLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスの成形体を作製する。
これまで、目視で確認できるようなキズが結晶性ガラスの表面につかないようにする対策は検討されていたものの、上記したようにこれまで着目してこなかったμm〜mm単位の微細なキズが問題となるため成形工程からアニール工程を経て結晶化工程まで結晶性ガラスが移動・搬送される間に結晶性ガラス表面に入る微細なキズを減らすための対策が必要となる。
結晶性ガラスの表面のキズを減らす方法としては、以下に示す4つの方法がある。
まず、1つ目の方法としては、ダストの少ない雰囲気で成形、アニール、結晶化(または梱包)の各工程と工程間の移動・搬送を行なうことが挙げられる。
ただし、大きさが1μmよりも小さいダストに起因するキズは、長さ2μm以上のキズにはなりにくい。そのため、特に1μm以上のダスト量に注目する必要がある。
また、空気中に存在するダストの大きさが1μm以上であっても、3mg/m3よりも少ないと、結晶性ガラスの表面につくキズの数が140個/cm2以下になりやすい。
なお、ダストの中に大きさが1μm以上でヌープ硬度が500kg/mm2以上の粒子が含まれていると、結晶性ガラスの表面に特にキズがつきやすい。ヌープ硬度が500kg/mm2以上の粒子としては、Li2O−Al23−SiO2系結晶性ガラス、Li2O−Al23−SiO2系結晶化ガラス、SiO2を主成分とするガラス、SiO2、Al23、ZrO2、Zr2SiO4等が挙げられる。
梱包工程では、結晶性ガラスのエッジ部によって、他の結晶性ガラスにキズをつけないために、結晶性ガラスのエッジ部を覆うように、例えば平板上の結晶性ガラスであれば、各エッジ部から2cmづつはみ出る合紙を用いて梱包する。合紙としては、紙製でもよいが、発泡ポリエチレン製であると衝撃を吸収しやすいためキズの発生を抑制でき好ましい。
2つ目の方法としては、成形、アニール、結晶化(または梱包)の各工程の前後で結晶性ガラスを洗浄し、付着したダストを除去する方法が挙げられる。洗浄は、水、有機溶媒、またはエアジェットによって行なうことができる。
3つ目の方法としては、成形、アニール、結晶化(または梱包)の各工程間の移動・搬送に用いられるセッターやローラーと結晶性ガラスとが接触しうる部位にヌープ硬度が500kg/mm2よりも小さい素材(具体的には、ステンレスなどの金属類)を使用することが挙げられる。これは、移動・搬送時の振動等によって結晶性ガラスの表面にセッターやローラーが接触しても硬度が低いため結晶性ガラスの表面にキズがつくことを防止できる。
なお、結晶性ガラスと接触しうる部位にヌープ硬度が500kg/mm2よりも大きい破片等が付着した場合、特にその大きさが1mm以上であると、結晶性ガラスの表面にキズがつきやすいため、工程内の結晶性ガラスと接触の可能性のある部位に1mm以上の破片等を100個以下まで除去することが好ましい。
4つ目の方法としては、特に板状の結晶性ガラスの場合、治具等で結晶性ガラスを立て掛けてアニール、結晶化(または梱包)の各工程間の移動・搬送することが挙げられる。
つまり、セッターやローラーにダストやガラス片等が付着した場合、板状の結晶性ガラスを寝かせたまま移動・搬送を行なうと有効面にキズがつくが、斜めに立て掛けておくと、結晶性ガラスは、セッターやローラーとエッジ部のみで接触するため、有効面にキズが生じない。
なお、セッターやローラーと結晶性ガラスとの接触角が60〜120°であると、結晶性ガラスが撓みにくいため好ましい。
上記のような対策を1つまたは2つ以上行なうことによって、長さが2μm以上のキズの数を140個/cm2以下にまで低減することができる。
また、上記した以外にも、鏡面研磨する方法も可能であるが、安価に結晶化ガラスを製造しにくくなるため好ましくない。
本発明のLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスは、30〜750℃における平均熱膨張係数が−10〜10×10-7/℃であると耐熱衝撃性に優れるため好ましい。
また、本発明のLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスは、結晶化度が65〜90質量%であると、機械的強度が高くなりやすいとともに、30〜750℃における平均熱膨張係数が−10〜10×10-7/℃になりやすい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
表1、2に、実施例である試料1〜11を示し、表3に、比較例である試料12〜14を示す。また、表4に、試料15〜17を示す。
試料1〜14は以下のようにして作製した。
まず、表に示す組成となるように調合したガラス原料を白金ルツボに投入し、1550℃で8時間溶融した。なお、β−OH量を多くするために溶融初期に水蒸気バブリングを行なった。
次に、溶融ガラスをカーボン定盤上に流し出し、ステンレスローラーを用いて5mmの厚さに成形した後、700℃に設定した徐冷炉を用いて室温まで冷却して板状の結晶性ガラスを作製した。
続いて、結晶性ガラスの表面のキズを完全に除去するために表面を研削した後、鏡面研磨した。
さらに、正確な変位量がわかるダイヤモンド圧子を備えつけた加傷装置を用いて、表に示した数だけ結晶性ガラスの鏡面研磨面にキズをつけた。
最後に、電気炉を用いて780℃で3時間保持して核形成を行ない、870℃で1時間熱処理を行なって、β−石英固溶体の析出した結晶化ガラスを作製した。なお、いずれの結晶化ガラスも30〜750℃における平均線熱膨張係数が−10〜10×10-7/℃の範囲内であった。
結晶種は、X線回折装置(リガク社製 RINT2000)を用いて同定した。
熱膨張係数は、試料を50mm×5mmφの無垢棒に加工し、30〜750℃の温度域での平均線熱膨張係数を測定した。
β−OH量は、赤外線分光装置(PerkinElmer社製 SpectrumGX)を用いて測定した結果から算出した。
透明性は、結晶化ガラスを目視で観察して評価した。白濁が認められず透明性が高かったものを「○」、わずかに白濁が認められたものを「△」、白濁が顕著に認められたものを「×」とした。
耐酸性は、加速試験と実装試験の二種類の方法で評価した。
加速試験は、次のようにして評価した。
まず、容積が1Lのビーカーに濃度が6vol%の硫酸水溶液を20mL注入した。次に、ビーカー内に網を設置し、その上に25×25×5mmに加工した試料を載置し、ガラス板で軽く蓋をして380℃で60分間保持した。続いて、試料を取り出し、外観を目視で評価した。クラックが認められなかったものを「◎」、わずかにクラックが認められたものを「○」、クラックが顕著に認められたものを「×」とした。
実装試験は、次のようにして評価した。
まず、軽油を燃料とするストーブの前面に50×200×5mmに加工した試料を配設し、通常の燃焼条件で40日間燃焼を続けた。試料をストーブから取り外し、外観を目視で評価した。クラックが認められなかったものを「◎」、わずかにクラックが認められたものを「○」、クラックが顕著に認められたものを「×」とした。
次に、試料1のガラス組成からなる結晶性ガラスをダストが2mg/m3の環境で成形、アニールして50×200×5mmの試料15を作製した。
試料16は、ダストが5mg/m3の環境で成形、アニールし、成形後、またアニール後に蒸留水で洗浄した以外は試料15と同様に作製した。
試料17は、ダストが5mg/m3の環境で成形、アニールした以外は試料15と同様に作製した。
試料15〜17の表面についた長さ2μm以上のキズの数を電子顕微鏡を用いて測定し、1cm2あたりの数を算出した。
試料15〜17について、電気炉を用いて780℃で3時間保持して核形成を行ない、870℃で1時間熱処理を行なって、β−石英固溶体の析出した結晶化ガラスを作製し、耐酸性を上記の方法で評価した。
表1、2から明らかなように、実施例である試料1〜11では、耐酸性が、加速試験においても、実装試験においても良好であった。
一方、表3から明らかなように、比較例である試料12〜14では、加速試験においても、実装試験においても微細なクラックが発生し、耐酸性が充分ではなかった。
また、表4から明らかなように、試料15、16は、長さが2μm以上のキズが70個/cm2以下であり、耐酸性が、加速試験においても、実装試験においても良好であった。一方、試料17は、長さが2μm以上のキズが200個/cm2であり、加速試験においても、実装試験においても微細なクラックが発生し、耐酸性が充分ではなかった。
本発明のLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスを熱処理してなるLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスは、石油ストーブ、薪ストーブ、ボイラー等の燃焼装置の前面板や覗き窓として使用できるだけでなく、カラーフィルターやイメージセンサー用基板等のハイテク製品用基板、電子部品焼成用セッター、電子レンジ用棚板、調理器用トッププレート、防火用窓ガラス等にも使用可能である。

Claims (4)

  1. β−OH量が0.20/mm以上であり、長さが2μm以上の表面キズの数が、有効面に140個/cm2以下であることを特徴とするLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラス。
  2. 核形成剤がTiO2、ZrO2およびP25からなる群よりなる1種または2種以上の成分からなり、核形成剤を2〜15質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラス。
  3. 質量換算で、[Li2O/(SiO2+Al23)]の値が、0.03〜0.06であることを特徴とする請求項1または2に記載のLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラス。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のLi2O−Al23−SiO2系結晶性ガラスを熱処理してなることを特徴とするLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラス。
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