JP2017137233A - 僅かな散乱光割合を示す、好ましくは着色されていないガラスセラミック材料の製造方法、並びにその方法により製造されたガラスセラミック材料及びその使用 - Google Patents

僅かな散乱光割合を示す、好ましくは着色されていないガラスセラミック材料の製造方法、並びにその方法により製造されたガラスセラミック材料及びその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】僅かな散乱光割合を示す、好ましくは着色されていないガラスセラミック材料の製造方法の提供。【解決手段】次の工程:セラミック化可能なガラス及び/又はガラスセラミック材料を含む出発材料の準備、好ましくは、温度TKB及び期間tKBでの結晶核の形成のための熱処理の実施、好ましくは、温度TKV及び期間tKVでの結晶質の前駆体相の結晶化のための熱処理の実施、温度TKK及び期間tKKでの、ケアタイト混晶の結晶化のための熱処理の実施を含み、期間tKKは、セラミック化可能なガラス及び/又はガラスセラミック材料1の膨張率に基づき、好ましくは相対的な百分率の膨張率に基づき決められる、僅かな散乱光割合を示す、好ましくは着色されていない、ガラスセラミック材料の製造方法【選択図】なし

Description

本発明は、好ましくは着色されていないガラスセラミック材料、殊に僅かな散乱光割合を示す着色されていないガラスセラミック材料の製造方法に関する。本発明の他の態様は、その方法により製造されたガラスセラミック材料、並びにその使用に関する。
発明の背景
ガラスセラミック、殊に主成分が酸化リチウム、酸化アルミニウム及び酸化ケイ素から形成されているLASガラスセラミックは、既に数年来公知である。この特別な材料特性、例えばその低い膨張係数、その高い強度及びその熱衝撃挙動に基づいて、ガラスセラミックは広範囲に使用されている。殊に、このようなガラスセラミックから調理プレートが製造される。
この種の最初の調理プレートのために、原則として、着色酸化物、例えば酸化バナジウムを用いて着色され、かつ主結晶相として高石英混晶(文献では、一部で、β−ユークリプタイト又はβ−ユークリプタイト状の相ともいう)を示す透明のガラスセラミックか、又は主結晶相としてケアタイト混晶(文献では、一部で、スポジュメン又はスポジュメン状の相ともいう)を示し、かつ白色に形成されたか又は同様に着色酸化物で着色されている半透明−不透明のガラスセラミックが使用された。今日では、主結晶相として高石英混晶を示す無色透明なガラスセラミックが次第に頻繁に使用される。このようなガラスセラミックは、下面被覆と組み合わせて、多様な色及び視覚効果を作り出すことを可能にし、よってデザインの大きな自由度を可能にする。
殊に、このようなガラスセラミックの強度、例えば曲げ強度及び/又は衝撃強度は、特に重要な特性であるが、この特性は、軽度の表面損傷、例えば引掻傷によるだけで低下することがある。例えば、取り扱いにより、例えば装飾、研磨及び/又は穿孔のようなガラスセラミックの後加工におけるプロセスにより、また運搬の際にも、繰り返し表面欠陥を生じることがあり、この表面欠陥により、製品の強度は明らかに低下する。
表面欠陥を受けにくいガラスセラミックを提供する可能性は、ケアタイトガラスセラミックの使用である。ただ、このケアタイトガラスセラミックは、一般に半透明−不透明で、つまり大きな散乱光割合で形成される。もっとも、高い強度を示す、透明な、ケアタイト含有結晶相を含むガラスセラミックの提供を記載する広範囲の先行技術は存在する。
米国特許第4,755,488号明細書(US 4,755,488 A)のアメリカ合衆国の工業所有権は、例えば、内部領域並びに外部領域を含む、高い硬度並びに大きな機械強度の透明なガラスセラミック物品を開示する。内部領域は、結晶質の相を示し、かつSiO2 55〜75質量%、Al23 13〜30質量%、Li2O 1〜5質量%、Na2O 1〜5質量%及びTiO2、ZrO2及びP25の合計2〜9質量%を含み、この場合、上述の成分は、このガラスセラミック物品の95〜100質量%を形成し、かつ、更にこの物品の外部領域は、内部領域と同様であるが、外部領域中ではナトリウムイオンの少なくとも一部がカリウムイオンに置き換えられていることが異なるガラス組成を示し、これが強度の向上の要因とされている。このイオン交換は、この場合、付加的な方法工程により行われる。このガラスセラミックの結晶質の相は、高石英混晶からか又はスポジュメンから形成されていてよいが、この場合、高石英混晶が好ましい。更に、このように得られたガラスセラミック物品の全透過率又は散乱に関する言及はなされていない。
イオン交換を用いてプリロードがかけられたケアタイト混晶ガラスセラミックは、独国特許出願公開第2211317号明細書(DE 2 211 317 A1)のドイツ国の公開明細書にも記載されている。しかしながら、このプロセスは、付加的なプロセス工程によって、付加的なコストと結びついている。
更に、米国特許第4,218,512号明細書(US 4,218,512 A)のアメリカ合衆国の工業所有権は、圧縮応力により影響を受けた表面層が、プリロードがかけられて存在するガラスセラミック物品を開示している。この表面層は、結晶化プロセスのコントロールにより作り出され、かつ、ガラスセラミック物品の表面に、内側とは異なる結晶形状が存在するようにされている。このように得られたガラスセラミック物品は半透明に形成されている。この工業所有権に開示されたセラミック化プロセスは、殊に所望の構造が生じたらすぐに物品を急速に冷却することを含む。確かに、この方法では70%の透過率が可能であるが、ガラスセラミックの散乱に関する言及はなされていない。更に、このプロセスのために、例えば21.5時間を含む極めて長いセラミック化時間が必要であり、この場合でもまだ適切な冷却は考慮されていなかった。したがって、提案されたプロセスを用いて、経済的な製造はほとんど不可能である。
英国特許出願公告第1268845号明細書(GB 1 268 845)の英国の工業所有権は、圧縮応力を構築する外側の層並びに内側の層を備えた結晶化されたガラスの製造方法を開示する。外側の層は、高石英混晶のクリスタリットを含み、内側の層はケアタイトのクリスタリットを含む。結晶化されたガラスは、0.01質量%のフッ素の最小含有率を示し、かつ高い曲げ強度を提供する。ただし、光学特性、例えば透過率及び/又は散乱に関する言及はなされていない。また、このガラスセラミックのフッ素含有率は、ケアタイト形成の低下された温度の背景から、生産技術的に目的にかなっているとしても、環境保護の観点及び安全性の観点のもとで危険であると見なされ、したがってできれば回避するのが好ましい。ケアタイトの形成はフッ素によって促進されるため、更に僅かな散乱を示す透明な材料の製造は困難である。
このことは、例えば、米国特許出願公開第2005/224491号明細書(US 2005/224491 A1)のアメリカ合衆国の工業所有権出願も示している。1〜3質量%のフッ素含有率の場合に、確かにケアタイトを形成する温度は、単に780〜835℃であるが、ただしこの方法では単に不透明なケアタイトガラスセラミックが得られるだけである。
更に、米国特許第4,285,728号明細書(US 4,285,728 A)のアメリカ合衆国の工業所有権は、優位を占める結晶相として高石英混晶、ケアタイト又はその両方を示す低膨張性ガラスセラミックを開示している。このガラスセラミックは、透明、つまり僅かな散乱を示すように形成することも、不透明に形成することも、並びに更に着色されて存在するか又は着色されずに存在することもできる。更に、どのガラスセラミック中にどの結晶相が存在するのかの言及はなされていない。ガラスセラミックの内部に及びガラスセラミックの表面上での結晶相の考えられる多様な分布についての言及もなされていない。
独国特許出願公開第1771149号明細書(DE 1 771 149 A1)のドイツ国の公開明細書は、透明のガラスセラミックの製造も、半透明及び不透明なガラスセラミックの製造も記載している。記載された組成は、核形成剤のTiO2について2質量%だけの僅かな含有率を特徴とし、かつ更にZnOを3.8質量%まで含む。好ましくは、更にフッ素は0.3質量%まで含まれている。この開示から、更に、透明なガラスセラミックは、主結晶相としてβ−ユークリプタイトを示し、スポジュメン含有のガラスセラミックは半透明又は不透明に形成されていることを推知することができる。
低い膨張率の表面層、例えば高石英混晶を含む表面層による特に高い強度を示すケアタイト混晶ガラスセラミックの製造を、米国特許第3,764,444号明細書(US 3,764,444 A)のアメリカ合衆国の工業所有権は開示している。この場合、表面層はコアとは異なる組成を示し、これは、例えばイオン交換によって達成される。透明性を同時に調節することは開示されていない。
米国特許出願公開第2005/0153142号明細書(US 2005/0153142 A1)のアメリカ合衆国の工業所有権出願は、表面層及びその下にあるコアを含むガラスセラミックを開示し、ここで、表面層及びコアは、結晶化度の異なる等級を示すことにより異なる。この場合、表面層内の結晶化度は、結晶化を促進する少なくとも1種の元素、例えばCu、Zr、La又はZnが、ガラスセラミックのコア又はバルク内よりも表面層内でより高い含有率で存在することにより、より強く顕著になっている。この方法により、ガラスセラミックの魅力的な視覚的印象が得られるとされている。確かに、ここに開示されたガラスセラミックはケアタイト混晶を含むことができるが、透明なケアタイト含有ガラスセラミックの製造は記載されていない。
ケアタイトガラスセラミック中で清澄剤として又は清澄を支援するためにフッ素を使用することが、米国特許第2006/160689号明細書(Huzhou、優先権2005年)(US 2006/160689)及び米国特許第2007/004578号明細書(Eurokera、優先権2006年)(US 2007/004578)に提案されている。しかしながら、ここでも、半透明又は不透明なケアタイトガラスセラミックが製造されるだけである。
欧州特許出願公開第0861014号明細書(EP 0 861 014 A1)の欧州の工業所有権出願は、考えられる結晶相としてケアタイトを含む透明なガラスセラミックの、調理プレートとしての使用を記載している。しかしながら、このガラスセラミックは、Li2O−MgO−Al23−SiO2系中での単なるTiO2核形成により製造されている。これは、殊に高いマグネシウム含有率の場合に、透明性に不利な影響を及ぼす有害な副次相の形成を引き起こす。この場合、特に、ガラスセラミックの散乱を高めることになる複合的な結晶質の混合金属酸化物、例えばMgTiO3の形成が有害である。更に、一般的な核形成剤としてTiO2を使用する場合に必要であるTiO2の高い含有率により、原則として、望ましくない褐色化が生じる。
独国特許出願公開第10017701号明細書(DE 100 17 701 A1)のドイツ国の工業所有権出願は、結晶化しやすく、かつ例えば高石英混晶又はケアタイト混晶を含むガラスセラミックに変換することができるフロート可能なガラスを記載している。この場合、透明、半透明又は不透明なガラスセラミックが製造される。確かに、この工業所有権出願は、ケアタイト含有のガラスセラミックも透明に形成することができることを開示しているが、必要なセラミック化条件又は必要とされる核形成剤含有率に関する示唆を与えていない。高石英含有表面を備えた、ケアタイト含有のガラスセラミックへの変換も記載されていない。
冷光リフレクタとして使用するための、高石英混晶及び/又はケアタイト混晶を含みかつ近赤外線(1050nm)で高い透過率を示すガラスセラミックは、独国特許発明第10110225号明細書(DE 101 10 225 C2)のドイツ国の工業所有権に記載されている。しかしながら、このガラスセラミックは、結晶相としてケアタイトが形成されればすぐに、可視領域で不透明又は半透明となる。
英国特許出願公告第1095254号明細書(GB 1095254 A)の英国の工業所有権出願は、核形成剤のTiO2、ZrO2及びSnO2を含むLi2O−Al23−SiO2系のガラスセラミックを開示している。少なくとも4%のB23又はMgOを含む選択された組成で、少なくとも0.8%のSnO2の使用により達成される半透明なケアタイトガラスセラミックの製造が記載されている。選択された組成により、失透の傾向が高まり、それにより成形が困難となる。更に、この方法では、透明なガラスセラミック、つまり僅かな散乱光割合を示すガラスセラミックを得ることはできない。
更に、独国特許出願公開第102007025893号明細書(DE 10 2007 025 893 A1)のドイツ国の公開明細書は、ガラスセラミックの装甲材料を開示している。ガラスセラミックの主結晶相は、この場合、ケアタイト混晶を含む。この方法では、正確な結晶化条件又はセラミック化条件及びこれにより生じるクリスタリットサイズに依存して、0.87までの透過率を実現することができるが、この場合、この透過率の値がどのような厚さに関しているのかは記載されていない。更に、ガラスセラミックの装甲材料は、衝撃強度として決定された高い強度を特徴とする。ただし、記載されたガラスセラミックは、Li2Oの10質量%までの高い含有率を含む。したがって、このようなガラスセラミックは、原則として、高い熱膨張係数を示す。したがって、このようなガラスセラミックは、その高い強度にも関わらず、高い温度差を示す適用には、例えば暖炉用覗き窓又は調理器としての適用には使用することができない。更に、高石英含有の表面層の形成も記載されていない。
独国特許出願公開第102010006232号明細書(DE 10 2010 006 232 A1)のドイツ国の公開明細書は、3つの異なる種類の組織を含む高性能ガラスセラミックを開示していて、外側にある第1の組織は、主にガラス状に形成されていて、それに引き続く第2の組織では、中程度のクリスタリット含有率を示し、内側にある第3の組織は、ほぼ完全にケアタイト混晶から形成されている。この高性能ガラスセラミックは、高い強度を提供しかつ半透明〜不透明に形成されている。特に高い強度は、表面近傍層内にガーナイトZnAl24が含まれる場合に達成される。したがって、独国特許出願公開第102010006232号明細書(DE 10 2010 006 232 A1)は、確かに高い強度を示すガラスセラミックを開示しているが、記載された特に高い強度値は、ガーナイトを含むガラスセラミックに対して達成されるだけである。ただし、複合的な混合金属酸化物の結晶質の相の存在により、ガラスセラミック内で極めて高い散乱の出現が生じ、このことは、例えば独国特許出願公開第102010006232号明細書(DE 10 2010 006 232 A1)において有利に目指される、L*=95より高い白色度として現れている。同様に開示された高い加熱速度は、更に、透明なケアタイトガラスセラミックの形成のために有害である。
したがって、まとめると、結晶質の主相としてケアタイト混晶を含むガラスセラミックの製造方法は公知である。ただし、このガラスセラミックを、僅かな散乱光割合を達成するように形成する場合、このガラスセラミックは、一般に特に高い強度及び/又は極めて高い熱膨張係数を示さず、及び/又は例えば20時間より長い期間のセラミック化を含む不経済な時間のかかるプロセスで得られるだけである。したがって、このようなガラスセラミックは、大きな温度差が生じる適用において、例えば調理プレートにおいて使用することはできない。確かに、ケアタイトを主結晶相として含む高強度のガラスセラミックも公知である。しかしながら、このガラスセラミックは半透明〜不透明で形成される。この半透明性又は不透明性は、この場合、このガラスセラミックの高い散乱光割合に起因し、これは、例えば、複合的な混合金属酸化物、例えばスピネル状構造又はイルメナイト状構造を示す酸化物の結晶質の相の存在に起因している。この結晶質の副成分は、記載された高い強度の形成にとって役立つが、それにより、ケアタイト含有のガラスセラミックの、僅かな散乱割合により特徴付けられる十分な透明性は達成できない。
したがって、高強度であるが、380〜780nmの波長領域の光の僅かな散乱だけを示すガラスセラミックを製造する場合の目標の対立が生じ、その結果、今までは、辛うじて十分な透明性と、辛うじて十分な強度との間での妥協を見出さなければならなかった。更に、殊に、表面損傷、例えば引掻傷に対するガラスセラミックの敏感性は極めて高く、その結果、名目的には高い曲げ強度及び/又は衝撃強度が実現可能であるが、例えば仕上げプロセスにおけるガラスセラミックの取り扱いの場合の軽度の引掻傷によるだけで、これらは危機的な程に低下した。
したがって、僅かな散乱光割合を示す、好ましくは着色されていないガラスセラミック材料を簡単に経済的に製造可能である方法の需要が生じる。
発明の課題
本発明は、僅かな散乱光割合を示す、好ましくは着色されていないガラスセラミック材料の製造方法に関する。本発明の別の態様は、この方法により製造された材料並びにその使用に関する。
定義
本発明の範囲内で、ガラスセラミックとは、少なくとも2段階プロセスで得られ、第1の工程として材料を形成する成分の完全な溶融を行い、その結果ガラス融液が得られ、このガラス融液から融液の凝固によりガラス状の成形品が得られる材料をいう。この場合、ガラス融液は、得られたガラスが結晶化可能であり、つまり制御された結晶化を行いやすいように構成されている。第2の工程では、得られたガラス状の成形品を、温度処理において制御された結晶化に供し、その結果、ガラス状の相並びに少なくとも1種の結晶質の相を含むガラスセラミックが得られる。本発明の範囲内で、ガラスセラミックは、ガラスセラミック材料ともいう。
ガラスセラミック製造の第2の工程において実施される温度処理は、セラミック化ともいい、特に結晶化を含む。この場合、セラミック化は、所望な主結晶相の結晶化の他に、核形成の工程、結晶成長の工程及び/又は既に存在する結晶相の別の結晶相への適切な変換の工程も含む。まとめると、核形成、結晶成長及び/又は結晶変換のプロセスは、制御された結晶化ということもできる。したがって、本発明の範囲内で、セラミック化と制御された結晶化との概念は、同義でも使用される。
制御された結晶化又はセラミック化をしやすい組成物を示すガラスは、本発明の意味範囲で、グリーンガラス、セラミック化可能なガラス、又は結晶化可能なガラスといわれる。
本発明の範囲内で、高石英ガラスセラミック並びに高石英混晶ガラスセラミックの概念は、X線回折を用いて決定可能な結晶質の構造が高石英に類似する主結晶相を備えたガラスセラミックについてと同義で使用される。このような高石英に類似する結晶質の構造は、殊に高石英及び高石英混晶並びにβ−ユークリプタイトを示す。
更に、本発明の範囲内で、ケアタイトガラスセラミック並びにケアタイト混晶ガラスセラミックの概念は、主結晶相として、X線回折を用いて決定可能な、ケアタイトに類似する結晶質の構造を示す結晶質の化合物を含むガラスセラミックについてと同義で使用される。このようなケアタイトに類似する結晶質の構造は、殊にケアタイト及びケアタイト混晶並びにβ−スポジュメンを示す。
本発明の意味範囲で、主結晶相の割合が、結晶相割合の合計の50体積%を超える場合に、主結晶相が存在する。
クリスタリットとは、僅かな寸法を示す、つまり最大で1μmの直径を示す三次元的に整列した構造を示す固体を示す結晶をいう。通常では、ガラスセラミック材料中に、結晶質の相、つまりこのようなクリスタリットが存在し、この場合、最大直径は、頻繁に更に明らかに低い。したがって、本発明の範囲内で、「結晶」及び「クリスタリット」の概念は、広範囲に同義に使用される。
複合的な結晶質の混合金属酸化物は、本発明の意味範囲で、少なくとも2種の金属が酸素と結合している金属酸化物であり、これらの金属又はそのイオンは、この化合物の結晶質の相の結晶格子中で多様な格子位置をとり、かつ金属イオンは、専ら、シュツルンツによる鉱物の分類(Systematik der Minerale nach Strunz)、第9版の意味範囲で、いわゆる中形の金属イオンである。中形の金属イオンと大形の金属イオンとの間の境界は、ここでは、約0.8Åのイオン半径の値をとることができ、この場合、この値から、大形の金属イオンであり、この値未満では中形の金属イオンである。小形の金属イオンと中形の金属イオンとの間の境界は、約0.4Åのイオン半径をとることができ、この場合、この値を含めてこの値まで小形の金属イオンであり、0.4Åを超える値では中形の金属イオンである。本発明の意味範囲で、小形の金属イオンとして、Si4+が考えられる。中形の金属イオンの例は、本発明の意味範囲で、殊に、Al3+、Mg2+、Fe2+、Fe3+並びにTi4+である。大形の金属イオンには、本発明の意味範囲で、Zr4+が当てはまる。したがって、複合的な結晶質の混合金属酸化物は、本願の意味範囲で、殊に、金属対酸素比が3:4を示す、シュツルンツによる鉱物分類の4.2.2族(例えばガーナイトZnAl24又はスピネルMgAl24のようなスピネル類)並びに金属対酸素比が2:3又は3:5の4.3.2族又はそれと同等のもの、例えばイルメナイトFeTiO3又はMgTiO3である。したがって、このような複合的な結晶質の混合金属酸化物の例は、一般式AB24を示すスピネル類の構造タイプ、例えばスピネルMgAl24又はガーナイトZnAl24に結晶化する化合物であるか、又はイルメナイト状構造並びに一般式ABO3を示す化合物である。この場合、それぞれAは、少なくとも1種の第1の金属を含み、かつBは少なくとも1種の第2の金属を含み、A及びBはそれぞれ、例えば明らかに異なる電荷及び/又は半径に基づいて、構造内で異なる格子位置をとる。もちろん、複合的な混合金属酸化物は、混晶として存在することも可能であり、つまり例えば類似の特性を示す複数の金属Aを含むことも可能である。例えば、一般組成(Mn,Zn)Al24のスピネル状混晶の存在が可能である。複合的な金属酸化物のこれらの結晶質の構造の存在を、それぞれ、例えばX線回折により検出することができる。複合的な結晶質の混合金属酸化物の概念には、本発明の意味範囲で、小形の金属イオン又は大形の金属イオンを含む相は含まれない。したがって、殊に、複合的な混合金属酸化物の概念には、本発明の意味範囲で、ケイ素を含む結晶質の相、例えばケイ酸塩の相、又は大形の金属イオンを含む結晶質の相、例えば結晶質のZrTiO4は含まれない。
着色されていない材料とは、本発明の範囲内で、着色酸化物、例えばV25、NiO、Cr23又はCoOのような酸化物の添加により適切に着色されておらず、その他の着色成分をさしたる程度で含まない材料であると解釈される。その他の着色する成分は、例えば、技術的理由から、例えば清澄のため又は核形成剤として材料に添加される成分であり、例えば、CeO2、MnO及びFe23を含む。しかしながら、これらは、例えば、このような材料の経済的な製造の範囲内で、原料による不可避的不純物として、材料内に持ち込まれることもある。したがって、着色されていない材料は、所定の固有色、例えば軽度な黄又は灰の色合いを示してもよい。
装飾層、また装飾又は模様とは、ガラスセラミック材料上に施され、かつ技術的機能、例えば熱い領域の標示又はガラスセラミック材料の下側に存在する技術的部材の遮閉の他に、例えば所定の色彩の印象又はその他の視覚効果、例えばメタリック効果の引き起こしによる装飾的な機能を知覚する層をいう。このような装飾層は、有機、半有機(例えばゾルゲル着色剤、殊に顔料添加されたゾルゲル着色剤を含む)又は無機(例えば溶融ガラスを基礎とする着色剤を含む)に基づいていてよい。少なくとも、使用時に作動の上で高い熱応力に曝されている、ガラスセラミック材料の部分領域内に施されている装飾層は、好ましくは半有機又は無機で形成されている。
材料の散乱は、本発明の範囲内で、150mmのウルブリヒト球を備えたPerkin Elmer社のLamda950 UV/Vis分光計を用いて決定される。透過、散乱及び反射の分離は、試料をウルブリヒト球内に配置し、かつ試料1つ当たり複数回の測定を実施し、この測定の際に、散乱に関連しない割合(透過及び反射)を球から取り除き、それによりこれらの測定を除外することにより達成される。この手法は、波長に依存する散乱光割合の正確な測定を可能にする。赤色LEDの波長に相当する634nmでの散乱光割合が、特に代表的であると判明した。
本発明の範囲内で、散乱光割合とヘイズとの概念は同義に使用される。
発明の概要
この課題は、請求項1による方法、請求項6によるガラスセラミック材料、並びに請求項17による使用により解決される。好ましい実施は、従属請求項に見られる。
僅かな散乱光割合を示す、好ましくは着色されていない、ガラスセラミック材料の製造方法は、次の工程を含む:
− セラミック化可能なガラス及び/又はガラスセラミック材料1を含む出発材料の準備、
− 好ましくは、温度TKB及び期間tKBでの結晶核の形成のための温度処理の実施、
− 好ましくは、温度TKV及び期間tKVでの結晶質の前駆体相の結晶化のための温度処理の実施、
− 温度TKK及び期間tKKでの、殊にケアタイト混晶の結晶化のための温度処理の実施、
ここで、期間tKKは、セラミック化可能なガラス及び/又はガラスセラミック材料の膨張率に基づき、好ましくは相対的な百分率の膨張率に基づいて決められる。
極めて意外にも、発明者は、ガラスセラミック材料の相対的な長さ変化が、このガラスセラミック材料の散乱挙動と直接関連していて、したがってこのガラスセラミック材料により生じる散乱光割合に関する命題を与えることができることを突き止めた。
同様に、極めて意外にも、発明者は、ガラスセラミック材料の相対的な長さ変化の検知により、及び好ましくは等温の温度供給での、相対的な長さ変化の曲線における定義された複数の点の決定により、ガラスセラミック材料の散乱光割合を低減することができるか、又はそれどころか最小値にまで減じることができる温度処理の期間を提供する方法を実現することができた。
特に好ましくは、この方法は、所定の特異的な温度に限定されず、大きな温度範囲を示す定義されたプロセス帯域中で実施できる。
更に、この方法により、所定のガラスセラミック材料について、更なる化学的又は物理的分析とは無関係に、膨張計測定によるだけで、必要な方法パラメータを提供することが簡単に可能である。
好ましくは、期間tKKは、所与の温度TKKでのガラスセラミック材料1又はガラスセラミック材料1の試料の相対的な長さ変化が最大値をとるまでの期間として決定され、ここで、好ましくは、この期間tKKは、時点tHeiz(この時点で、ガラスセラミック材料1は、最大のかつこの時点より等温に維持される温度TKKに達する)で始まり、ガラスセラミック材料1又はガラスセラミック材料1の試料の相対的な長さ変化がその最大値に達する時点で終わる。
別の実施形態の場合に、期間tKKは、時点tHeiz(この時点で、ガラスセラミック材料1又はガラスセラミック材料1の試料は、最大のかつこの時点より等温に維持される温度TKKに達する)で始まり、かつ温度処理の期間tKKの終端は、所与の温度TKKに対して、ガラスセラミック材料又はガラスセラミック材料の試料の相対的な百分率の長さ変化の曲線及びこの曲線に接する2つの接線により決定される区間内にあり、一方の接線は、曲線の第1の上昇又は第2の上昇の線状の部分に当接されていて、かつ他方の接線は、曲線の、この上昇に時間的に後続するプラトーに当接されていて、かつ温度処理の期間tKKは、これらの接線が、より高い温度から見て、曲線92にちょうどもはや接触しなくなる複数の点により固定される区間の中央tmittで終わり、
又は
期間tKKは、これらの接線の交点により決定される時点で終わり、ここでtKKは、好ましくはこうして突き止められた期間から30分より大きく、特に好ましくは20分より大きく逸脱しない。
好ましくは、tKV及びtKBの合計は、考えられる加熱時間を含めて、15分より長く、かつ最長で250分、好ましくは200分未満であり、かつ好ましくは温度処理の期間tKB+tKV+tKKの合計から生じる温度処理、並びに考えられる加熱時間の全体の期間は、5時間未満である。
特に好ましい実施形態の場合に、ケアタイト混晶を形成するための温度処理の期間tKK及び温度TKKは、温度−時間グラフ内の次の端点:
1100℃で2min
900℃で2min
850℃で200min
980℃で200min
により決定される範囲から選択される。
近似的に、期間tKKは、所与の温度TKKで、ガラスセラミック材料の試料又はガラスセラミック材料の相対的な長さ変化が最大値をとるまでの期間として決定することもできる。
一般に、ガラスセラミック材料の製造は、原則として少なくとも2段階プロセスで行われる。出発材料がセラミック化可能なガラスである場合、このセラミック化可能なガラスは、まず核形成温度TKBに加熱される。この温度で、核形成剤の析出により及び/又は相分離により結晶核の形成が引き起こされる。この核上に、第2工程で、より高い温度でガラスセラミックの結晶が成長する。
いわゆるLASガラスセラミック、つまり、Li2O−Al23−SiO2材料系のガラスセラミックの場合に、選択された温度の高さに依存して、異なる主結晶相の形成が引き起こされる。700℃〜950℃の範囲の温度では、高石英が形成され、それより高い温度ではケアタイトが結晶化される。この正確な温度値は、この場合、選択された組成に依存する。ケアタイト相の形成は、高石英相の再形成によって行われる。
発明者は、できる限り僅かな散乱の調節のために、温度TKBでの、典型的に核形成といわれる第1の温度処理の間のクリスタリット核の形成が重要な役割を演じることができるだけではないことを突き止めた。むしろ、ケアタイト形成の前の前駆体結晶相、原則としてつまり高石英又は高石英混晶の形成も考慮することができる。
前駆体相の形成は、一種の第2の核形成と見なすこともできる。意外にも、第2の工程の時間tKVが延長される場合、第1の温度処理の時間tKBを短縮することができることが判明し、その逆に、このためにtKBが延長される場合、tKVも短縮できる。したがって、(典型的な)核形成と前駆体相の結晶化の両方の工程は、一つの拡張された核形成と見なすこともできる。本発明の好ましい実施形態によると、したがって、ガラスセラミック材料の作製のための方法において、結晶核の形成のための温度処理並びに結晶質の前駆体相の形成のための温度処理の工程(拡張された核形成)を実施し、考えられる加熱時間を含めたtKVとtKBとの合計は、15分よりも長く、かつ最長で250分、好ましくは200分未満である。
結晶の大きさは、セラミック化の温度の高さ、殊にケアタイト相の形成の際の温度の高さ、及びセラミック化の期間、殊にケアタイト相が形成される最大の温度処理の期間との相互作用により決定される。より高い温度及びより長い期間により、より大きな結晶が生じる。これにより、当初は透明なガラスセラミック材料が、最大のセラミック化温度でより長く保たれる場合に、半透明又はそれどころか不透明になることがあるということも起こる。これは、特にケアタイト形成の際に観察することができる、というのも、このプロセスは頻繁に極めて急速に進行するためである。
主結晶相としてケアタイト混晶を含みかつ更に僅かな散乱光割合だけを示すガラスセラミックを製造するための最適な温度の高さ並びに期間は、正確な組成に著しく依存する。同時に、セラミック化温度を高めることにより、必要なセラミック化時間の短縮が引き起こされる。
しかしながら、意外にも、別のパラメータも、できる限り僅かな散乱の調節のために重要な役割を演じる。例えば、所与の組成についての散乱の最小値は、ガラスセラミックのコア内での高石英の含有率が最小化されるようにセラミック化を実施する場合に達成することができる。
本発明による方法により、好ましくは着色されておらず、かつ僅かな散乱光割合を示すガラスセラミック材料が製造可能である。本発明の別の態様は、このように製造されたガラスセラミック材料に関する。
本発明のガラスセラミック材料は、表面近傍層並びにその下にあるコアを含む。コアとは、この場合に、ガラスセラミック材料の表面から測定して、少なくとも100μmの深さから存在する、ガラスセラミック材料の領域をいう。本発明のガラスセラミック材料の表面近傍層は、ガラスセラミック材料の表面に直接向いていてよい。ただし、本発明のガラスセラミック材料は、この表面に、つまり界面に直接、少なくとも部分的にガラス状の表面区域を備えていることも可能である。表面近傍層は、少なくとも1つの結晶質の相、好ましくはケイ酸塩を基礎とする結晶質の相を含む。
本発明によるガラスセラミック材料は、好ましくは着色されておらず、20℃〜700℃の範囲で1.5ppm/K未満の熱膨張係数αを示す。本発明によるガラスセラミック材料の散乱光割合は、634nmの波長で測定して並びに4mmの厚みのガラスセラミック材料に標準化して、70%未満、好ましくは40%未満、特に好ましくは25%である。この材料は、第1の表面近傍層並びにその下にあるコアを含む。このコアは、主結晶相として、ケアタイト混晶を含む。この場合、結晶相の割合が、結晶相割合の合計の50体積%を超える場合に、この結晶相は主結晶相といわれる。この材料のコアは、ガラスセラミック材料の表面から測定して、少なくとも100μmの深さにある。少なくとも、第1の表面近傍層は、X線撮影法により、複合的な混合金属酸化物の結晶質の相を含まず、例えば一般式AB24のスピネル状の化合物及び/又はABO3のような一般式のイルメナイト状の化合物を含まず、特にガーナイトZnAl24及び/又はチタン酸マグネシウムMgTiO3を含まない。
好ましくは、この材料は、0.9Nより高いクラック・イニシエーション・ロード(CIL)を示す。
いわゆる「クラック・イニシエーション・ロード」の決定のために、好ましくは窒素洗浄した収容部内に固定した、調査されるべき材料の、ここではガラスセラミック材料の試料に、材料試験機(CSMのMikro-Kombi-Tester)を用いて、ビッカース圧子V−I−O3によって点状に荷重をかける。この予定荷重を、30秒間の間に、線形に、選択された最大値に高め、かつ待機時間なしで再びこの時間内で低下させる。この荷重に基づき、ビッカース圧子の角錐状の圧痕の角部から出発して、0〜4つの亀裂がガラスセラミック内に生じることがある。荷重の選択された最大値を、それぞれの圧入の際に4つの亀裂が生じるまで段階的に高める。存在する表面(前損傷)にも依存する亀裂形成のバリエーションを識別するために、それぞれの力で、5〜20回、好ましくは少なくとも10回の測定を実施する。同じ力での亀裂の数から、平均値を生成する。
この試料は、好ましくは、亀裂を数えるまでの測定の間、収容部内にとどめ置かれる。この調査を、好ましくは窒素雰囲気下で実施し、周囲空気の水分による臨界未満(unterkritisch)の亀裂形成を回避する。
こうして、複数の試験で、それぞれ、印加された荷重に依存した、ビッカース圧子の圧痕の角部から出発する亀裂の数を突き止める。突き止められた亀裂の数を、圧入力と関連してグラフ中にプロットし、荷重/亀裂曲線に関してボルツマン関数のフィッティングを実施する。最後に、平均して2つの亀裂が生じる荷重のCIL値をこの曲線から読み取り、衝突強度についての特性パラメータとして出力する。好ましくは、本発明のガラスセラミック材料に対して、こうして突き詰められた荷重は、少なくとも0.9Nである。
この方法の記載は、米国特許第8,765,262号明細書(US 8,765,262 B2)のアメリカ合衆国の工業所有権にも見られる。
高いCILの他に、本発明によるガラスセラミックは、例えば調理プレートとしての使用のために必要である高い衝突強度も示す。衝突強度は、この場合、落球試験により決定される。この試験では、535gの重さの鋼球を、定義された高さから試料の中央に自由落下させる。落下高さは、破壊が生じるまで段階的に高められる。衝突強度は統計学的な大きさであり、かつ、200×200×4mmの寸法の約30枚の試料に関して実施された破壊高さの平均値である。この試験は、DIN 52306による落球試験に依拠されている。落球試験において、本発明によるガラスセラミックは、15cmより高い、好ましくは20cmより高い、特に好ましくは25cmより高い破壊高さを示す(ワイブル分布の5%フラクタル)ことが判明した。
高石英含有の表面層の形成は、この場合、衝突強度を特に高めると考えられる。
本発明による一実施形態によると、L***色空間でのEN ISO 11664−4による測定によって決定され、かつ方程式
により得られる着色されていないガラスセラミック材料の彩度Cab *は、高くても25、好ましくは高くても15である。
したがって、本発明の好ましい実施形態によると、着色に寄与することができる酸化物の含有率を、彩度Cab *の要件に従って限定することができる。この場合、原則として費用対効果の考察が重要である、というのも、例えば特に僅かな鉄含有率を示す原料は明らかに高価であるが、しかしながら結果として得られるガラスセラミックはより僅かな彩度Cab *を示すためである。
本発明の意味範囲で、殊にNd23は着色する酸化物とは解釈されない。この酸化物は、ガラスセラミック材料の不所望な黄色化又は褐色化を補償するために使用することができる。しかしながら、この酸化物の添加は、原則として全体の透過率の低下も引き起こすので、ここでは適用に合わせた考察も行わなければならない。
結晶又はクリスタリットのサイズ及びそれにより最終的に生じる、材料の散乱は、主に核形成により引き起こされる。材料は、核形成温度の範囲で十分に長い期間にわたり処理しなければならないので、高い核密度が達成される。ガラスセラミックの経済的な製造の観点で、セラミック化期間はできる限り短くすることが好ましいため、このために、組成物中に十分な量の核形成剤が存在しなければならない。
本発明の他の実施形態によると、したがって、本発明のガラスセラミック材料は、質量%で示して次の組成を示す:
Al23 18〜23
Li2O 2.5〜4.2、好ましくは3〜4.2
SiO2 60〜69
ZnO 0〜2
Na2O 0〜1.5、好ましくは0〜1未満
2O 0〜1.5、好ましくは0〜1未満
Na2O+K2O 0.2〜1.5
MgO 0〜1.5、好ましくは0〜1
CaO+SrO+BaO 0〜4
23 0〜2
TiO2 2〜5
ZrO2 0.5〜2.5
25 0〜3
好ましくはV25 0〜0.08、特に0〜0.01
23 0〜1、R=ランタノイド、好ましくはNd
MnO2 0〜0.3
Fe23 0〜0.3、好ましくは0.008〜0.1未満、特に0〜0.02%、最良では80〜500ppmの範囲、
SnO2 0〜0.6未満、好ましくは0.05〜0.6未満
この場合、ガラスセラミック材料は、更に清澄剤、例えばAs23及び/又はSb23を、好ましくは最大2質量%の全含有率で含むことができ、更に、TiO2+ZrO2+SnO2の合計は、3.8〜6質量%である。ガラスセラミック材料の着色されていない態様は、Fe23を、好ましくは約120〜140ppm含むことができる。
この場合、成分Li2O、Al23及びSiO2は、結晶相の基本的な構成成分を形成する。
上述されたような組成は殊に利点を示す、というのも、TiO2、ZrO2及びSnO2の含有率の合計から生じ、かつ少なくとも3.8質量%である核形成材含有率により、全体の期間が5時間未満のセラミック化期間を実現することができるためである。この場合、単一成分としてのTiO2の含有率も、全体の合計も重要な役割を演じる。この上限は、TiO2の場合には、ガラスセラミックの固有色に関する不利な影響から生じる。ZrO2及びSnO2について、上限は、より高い含有率の場合に著しく増大する失透傾向が生じ、この失透傾向の増大は、付形を困難にする。
アルカリ金属酸化物Na2O及びK2Oは、粘度の適合及び溶融挙動の改善のために使用されるが、これらの合計は、不所望な副次相の形成をできる限り制限するために、上述のように制限しなければならない。
MgOは、ケアタイト混晶の形成を促進する、つまり最大セラミック化温度の低減を引き起こすが、しかしながら同時に不所望な副次相の形成、特に複合的な混合金属酸化物の結晶質の相、例えばスピネル又はチタン酸マグネシウムの形成も引き起こす。このことは、一方で、ガラスセラミック材料の散乱に不利な影響を及ぼし、他方で、熱膨張係数の増大も引き起こす。
別のアルカリ土類金属酸化物は、粘度の適合及び場合により散乱光割合の低減に寄与することがある。
23は、セラミック化温度、殊に最大セラミック化温度の明らかな低減を可能にする。類似の効果をフッ素も示す。
25は、ガラス形成の改善のために使用することができるが、3質量%より高い量の場合には、散乱の向上による透過率を損なうことが生じる。
酸化鉄Fe23は、ケアタイト形成を促進することができ、同様に核形成剤としても作用することが観察された。したがって、最大0.3質量%までのFe23の含有率は許容される。しかしながらより高い含有率は、ガラスセラミック材料の不所望な著しい黄色化を引き起こす。
本発明によるガラスセラミック材料は、好ましくは、着色酸化物、例えばV25、NiO、Cr23又はCoOのような酸化物の添加により意図的に着色されておらず、その他の着色成分をさしたる程度で、つまりそれぞれ0.1質量%より多くは含まない。しかしながら、V25又は好ましくはNd23の僅かな量は、色度座標の補正のために使用することができる。例えば、軽度な青色化は、頻繁に、相応する黄色化よりも快く感じられる。
SnO2及びMnOは、清澄の支援のために使用することができる。更に、ガラス加工から通常公知の清澄剤、例えばAs23、Sb23、SO4 -、Cl-、CeO2は、合計で最大2質量%までの量で使用することができる。環境保護の理由から、SnO2を用いた清澄が好ましい。
本発明の別の実施形態によると、ガラスセラミック材料は、質量割合を基準として、TiO2+SnO2対ZrO2の比率は、1〜11、好ましくは1.2〜6.5を示す。
特に好ましくは、環境又は健康に有害な物質、例えばヒ素、アンチモン、カドミウム、鉛及び/又はハロゲン化物の含有率は、ガラスセラミック材料の全体の質量を基準としてそれぞれ0.1質量%未満である。
本発明の更に別の実施形態によると、着色されていないガラスセラミック材料の、380nm〜780nmの波長領域での透過率Yは、4mmのガラスセラミック材料の厚みを基準として、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%である。
本発明の意味範囲で、透過率とは、DIN 5033により測定された、380〜780nmの間の光の透過率をいう。これは、4mmの厚みの研磨されたガラスセラミック試料に対して標準光Cで、観測角2°で測定したCIE表色系によるY値と同じである。この光は、6800Kの色温度を示す白色光に相当し、したがって平均的な昼光を表す。
透明性とは、本発明の範囲内で、主に3つの要因から生じる材料の特性をいう:
− 材料中に含まれる散乱粒子の大きさ。本発明の場合に、ガラスセラミック材料が含む散乱粒子は、結晶又はクリスタリットである。
− 取り囲む母材と、その中に埋め込まれた粒子との間の屈折率の差。ガラスセラミック材料の場合に、母材はガラスを含み、かつその中に埋め込まれた粒子はクリスタリット及び結晶を含む。
− 材料の複屈折。ガラスセラミック材料の場合に、ここでは殊にクリスタリットの複屈折を考慮しなければならない。
この意味範囲で、クリスタリットサイズが光の波長よりも小さい場合、材料により含まれる相、つまり例えば主結晶相の屈折率と、この相を取り囲む、しばしばガラス状に形成された母材の屈折率との差ができる限り小さい場合、及び材料により含まれる結晶相が光学的異方性を示さないか又はできる限り僅かな光学的異方性を示す場合に、ガラスセラミック材料は透明である。このような条件は、組成の熟練した適切な選択により及びその組成に正確に合わせられた制御された結晶化により調節可能である。所与の材料にとってこれらの条件がより良好に満たされればそれだけ、透過率はより高くなりかつ散乱はより僅かになる。
本発明の範囲内で、材料、例えばガラスセラミック材料の透明性は、380〜780nmの波長領域の電磁放射線にとってできる限り低い吸収係数によるだけであると解釈されない。材料、例えばガラスセラミック材料の透明性は、ここでは、380〜780nmの波長領域の電磁放射線、殊に440nmの波長(青色LED)、520nmの波長(緑色LED)及び634nmの波長(赤色LED)の電磁放射線のできる限り僅かな散乱によっても影響を受ける。
本発明の更に別の実施形態によると、ガラスセラミック材料は、少なくとも部分的に、50〜1000nm、好ましくは300〜800nmの厚みを示すガラス状の表面区域を含む。
好ましくは、ガラスセラミック材料の、1μmより大きくかつ最大100μmまでの深さの表面近傍層は、高石英混晶を含み、好ましくは主結晶相として高石英混晶を含む。
本発明の更に好ましい実施形態によると、ガラスセラミック材料は、ガラスセラミックプレートとして形成されていて、このガラスセラミックプレートの少なくとも片側は、少なくとも1つの装飾層を含む。
本発明によるガラスセラミック材料は、殊にこの材料が作動の上で高い熱応力及び/又は大きな機械的負荷に曝されている領域で、広範囲な使用の可能性がある。例えば、この使用の可能性は、好ましくはガラスセラミックプレートとして形成された場合に、調理プレート、暖炉用覗き窓、耐火性窓ガラス又は覗き窓として、調理室扉として、例えば電気調理器内で、殊に熱分解機能を備えた電気調理器内で、又はヒータエレメント用のカバーとして、殊に調理器又はグリル調理器として、白物家電として、放熱体カバーとして、グリルプレートとして、暖炉用覗き窓として、殊に高純度条件下での製造プロセスのための、セラミック工業、太陽エネルギー工業又は医薬品工業又は医学工業におけるキャリアプレート又は炉内装材として、化学的又は物理的な被覆方法を実施するための炉の内装材として、又は化学的に耐性の実験室装備として、高温適用又は極低温適用のためのガラスセラミック物品として、燃焼炉用の炉窓として、熱い環境を遮閉するための断熱材として、リフレクタ、投光照明、プロジェクタ、投影機、カラー複写機用のカバーとして、熱機械的負荷がかかる適用のため、例えば暗視機器内で、ウェハ基板として、UV保護を備えた物品として、例えば電子機器のハウジング構成要素用の材料として及び/又は携帯電話、ラップトップ型機器、スキャナーガラス等のようなIT製品用のカバーグラスとして、ファサードプレートとして、防火窓ガラスとして、又は弾動学的保護のための構成要素としてのガラスセラミック材料の使用を含む。
実施例
次に、本発明を実施例によって詳細に説明する。
本発明によるガラスセラミック材料の組成を質量%で、表1に示す。
表1に記載された材料を、ガラス工業において通常の原料の使用下で、約1600〜1680℃の温度で溶融及び清澄した。混合物の溶融を、この場合、まず焼結したシリカガラスからなる坩堝内で行い、次いで、シリカガラスからなる内側坩堝を備えたPt/Rh坩堝中に注ぎ込み、かつ約1550℃の温度で30分間攪拌しながら均質化した。1640℃で2時間放置した後、約140mm×100mm×30mmのサイズの鋳造物を鋳造し、徐冷炉中で約620〜680℃で応力緩和し、室温に冷却した。この鋳造物から、ガラス状態での特性を測定するための試験体及びセラミック化用のプレートを作成した。
実施例(AB)1並びに比較例(VB)1の比較の際に、最大温度処理の期間の重要性が明らかとなる。例えば、実施例1のケアタイト相の形成のための温度処理は960℃で30分行われたが、比較例1の場合には、同様に960℃であるが、120分間行われた。実施例1の得られたガラスセラミックは、本発明の意味範囲で透明に形成されていて、かつ634nmで、35%未満の僅かな散乱光割合を示す。それに対して、比較例1は、70%を超える高い散乱光割合で、半透明に形成されている。
実施例2及び3は、例示的に、付加的な核形成の好ましい影響を示す。実施例2の場合には個別の核形成を実施せず、それにより35%の散乱光割合が得られ、核形成を実施した場合には、この散乱光割合を、更に、この場合では、21.4%に低減することができる。
実施例4の場合に、ケアタイト形成を、960℃の代わりに、970℃で行った。温度を僅かに高めることにより、ケアタイト形成の期間の明らかな短縮が生じるため、ケアタイト形成の期間は、960℃の場合の期間の25%だけである。
比較例2の場合に、主結晶相は高石英混晶により形成される。これにより、散乱光割合に関して良好な結果が生じるが、この方法では、実施例3の場合の1.51Nと比べて、単に0.76Nの僅かなCIL値が達成されるだけである。
次の表2には、本発明によるガラスセラミック材料に関して決定された更なるCIL値が記載されている。
表1に示された結晶相含有率を、Panalytical X′Pert Pro回折計(Almelo、オランダ国)によるX線回折測定を用いて決定した。X線放射線として、Niフィルタを介して作製されたCuKα放射線(λ=1.5060Å)を使用した。粉末試料並びに固体試料に関する標準X線回折測定を、ブラッグ−ブレンターノ幾何学(θ−2θ)の下で実施した。X線回折図は、10°〜100°(2θ角)の間で測定した。相対的な結晶質の相割合の定量化は、リートベルト分析によって行った。絶対的な相割合は、内部標準を用いて算出した。この測定は、粉砕した試料材料に関して行い、それにより、コア領域の体積割合が明らかに優位を占める。したがって、測定された相割合は、ガラスセラミックのコア中の相分布に相当する。
表面近傍層内の結晶相割合を決定するために、薄膜X線回折測定を実施した。この場合、一次側に放物面のX線鏡を使用し、二次側に平行平板型コリメータを使用した。X線回折図は、10°〜60°(2θ角)の間で測定した。一次放射線の入射角は、0.5°Ωであり、これは、この試料の場合に、約2μmの情報深さ(90%)に相当する。
図2及び3は、実施例1及び3についてのガラスセラミックの表面近傍層とコアとの間の結晶相割合の差を明確に示す。両方の場合に、表面内では高石英が優位な結晶相であり、コア内ではケアタイト混晶が主結晶相として存在する。
本発明によるガラスセラミックの線熱膨張係数αは、1.5ppm/K未満であるので、このガラスセラミックは調理プレートとしての使用のために適している。
線熱膨張係数について記載された値は、静的測定で決定されているISO 7991による名目上の平均線熱膨張係数である。他に記載されていない限り、これは20〜700℃の範囲に規定された。
例示的に、実施例3について、次の膨張係数が決定される:
これらは、明らかに1.5ppm/Kの臨界値を下回る。
三刺激値は、例示的に、実施例7〜9について決定された:
実施例9と、実施例7及び8との比較は、Fe23の影響を明らかに示す:実施例9中での0.059%の比較的高いFe23割合は、C*の上昇を引き起こす。
図面の説明
次に、本発明を実施例によって詳細に説明する。この場合、同じ符号は同じ又は相応する構成要素を示す。
本発明の一実施形態による方法を用いて得られたガラスセラミック材料の略示断面図を示す。 本発明の実施形態によるガラスセラミック材料の多様な領域についてのX線回折図を示す。 本発明の実施形態によるガラスセラミック材料の多様な領域についてのX線回折図を示す。 材料についての散乱光割合を決定するための測定装置の略図を示す。 本発明の一実施形態によるガラスセラミック材料についての結晶相割合の推移を示す。 本発明の実施形態によるセラミック化条件のグラフを示す。 本発明による方法について、最適の期間tKKを決定するための、所与の温度TKKでの相対的な長さ変化のグラフを示す。 所定の温度での時間に依存する試料の相対的な長さ変化を決定するための測定構造の略図を示す。
図1は、本発明の一実施形態による、好ましくは着色されておらず、かつ僅かな散乱光割合を示すガラスセラミック材料1の縮尺通りでない略示断面図を示す。
以後、例えば、本発明による方法を、着色されていないガラスセラミック材料に基づき記載し、この場合、この方法は、着色されていないガラスセラミック材料に限定されず、着色されたガラスセラミック材料にも又は着色されたセラミック化可能なガラスにも適用することができる。以後の記載及び特許請求の範囲がガラスセラミック材料に関する限り、これは、同様に、セラミック化可能なガラスにも当てはまる。
例示的に、ガラスセラミック材料1は、板状の成形品として形成されている。材料1は、20℃〜700℃の範囲で1.5ppm/K未満の熱膨張係数αを示し、かつ634nmの波長で測定し並びに4mmの厚みのガラスセラミック材料に基準化して、70%未満、好ましくは40%未満、特に好ましくは25%未満の散乱光割合を示し、かつ、少なくとも1つの結晶質の相、好ましくはケイ酸塩を基礎とする結晶質の相を含む第1の表面近傍層2、並びにその下にあるコア3を含む。コアは、主結晶相として、ケアタイト混晶を含む。この場合、結晶相の割合が、結晶相割合の合計の50体積%を超える場合に、この結晶相は、主結晶相といわれる。コア3は、ガラスセラミック材料1の表面から測定して、少なくとも100μmの深さにある。更に、少なくとも、第1の表面近傍層は、複合的な混合金属酸化物の結晶質の相を含まず、例えば一般式AB24のスピネル状の化合物及び/又はABO3のような一般式のイルメナイト状の化合物を含まず、殊にガーナイトZnAl24及び/又はチタン酸マグネシウムMgTiO3を含まない。
ガラスセラミック材料1は、ここでは、例えば、付加的に、50〜1000nm、好ましくは300〜800nmの厚みを示すガラス状の表面区域4を含むように形成されている。しかしながら、一般に、ガラスセラミック材料1は、このようなガラス状の表面区域4なしで形成されていることも可能である。
ここに例示された、板状の成形品として形成されたガラスセラミック材料1は、表面近傍層2並びにガラス状の表面区域4を、ガラスセラミック材料1の上面11にも、下面12にも備え、この場合に、ここでは表面近傍層2もガラス状の表面区域4も、下側でも、上側でも、ほぼ同じ厚みを示し、つまり、ガラスセラミック材料1の表面からそれぞれ測定して、それぞれほぼ同じ深さに達している。ほぼ同じとは、本発明の範囲内で、相互の値が、互いに20%より大きく相違しない場合の厚みをいう。
しかしながら、一般に、ここに示された実施例に限定されることなく、それぞれ表面近傍層2の厚みも、ガラス状の表面区域4の厚みも、ガラスセラミック材料1の異なる位置で、それぞれ異なる値を示すことも可能である。例えば、ガラスセラミック材料1が板状の成形品として存在する場合に、上面11のガラス状の表面区域4は、下面12のガラス状の表面区域4とは異なる厚みを示すことが可能である。同様のことが、表面近傍層2にも当てはまる。
図2及び3は、ガラスセラミック材料1の表面近傍層2及びコア3の間の結晶相含有率の相違を明確に示す。図2では、これは、例えば、実施例1の組成によるガラスセラミック材料1について示されている。図2の上側の部分では、この場合、薄膜X線回折で決定された、表面近傍層2についてのX線回折図が示されている。ここでは、高石英が優位を占める結晶相であり、この際、リートベルト分析を用いた結晶相含有率の評価は、この場合、ケアタイト混晶(KMK)5体積%だけに対して、高石英混晶(HQMK)の92体積%の含有率を示す。個々のピークは、この場合並びに図3でも、ピークが典型的である結晶相によって表される。図2の下側の部分では、このガラスセラミックのコア3についてのX線回折図が示され、この図は、粉末に関する回折測定により決定された。リートベルト分析は、ここでは、高石英混晶0体積%及びケアタイト混晶95質量%の結晶相含有率を示す。
ここでは、実施例3により形成されている、図3に示されたガラスセラミック材料1について、表面近傍層2の結晶相含有率は、高石英混晶2〜77体積%並びにケアタイト混晶21体積%までである。コア3について、ケアタイト混晶96体積%及び高石英混晶0質量%の結晶相含有率を示す。
図4では、材料の散乱光割合を決定するための装置が例示的に図示されている。この場合、この測定はウルブリヒト球5内で行われ、例えば、本発明による一実施形態によるガラスセラミック材料1からなる中央に配置された試料6に関する散乱光を測定する。試料6に当たる光7は、試料6との相互作用により、透過分71と、反射分72と、散乱分73とに分かれる。ウルブリヒト球5中で、散乱光割合を決定するために、散乱光73だけを検出する。透過光71並びに反射光72は、開放した光トラップ51内で捕らえられ、決定に関わらない。
図5は、例えば、本発明の一実施形態によるガラスセラミック材料1中での、所与の温度TKKでのこの方法による温度処理を含めたセラミック化期間tKKに依存した、高石英混晶(HQMK、曲線81)及びケアタイト混晶(KMK、曲線82)の含有率の推移を示す。特に僅かな散乱光割合は、ガラスセラミック材料1について、セラミック化の期間tKKがちょうど、高石英混晶の含有率がまさに最小となるように選択する場合に達成される。ここでは、単に例示するだけだが、これは145分の期間である。
図6は、本発明による方法についてのプロセス帯域のグラフを示す。ここでは、本発明の実施例についてのケアタイト混晶の形成のための条件、つまり期間tKK及び温度TKKがプロットされている。更に、この図中には、セラミック化の全体の期間及びtKKについてのプロセス帯域の頂点が、それぞれXで示されている。これらは、
1100℃で2min
900℃で2min
及び
850℃で200min
980℃で200min
である。
図7は、本発明の一実施形態のガラスセラミック材料1の温度の推移を曲線91で、並びに図7では分で示されている時間に依存してそれぞれ、この相対的な長さ変化を曲線92で示す。
曲線92による温度は、まず急峻に上昇し、その後、値TKKに留まるので、ここではガラスセラミック材料1がほぼ等温の温度処理に曝されることが認識される。
曲線92は、まず、加熱の間に急峻に上昇し、その後に若干低下し、再び二度目に急峻に上昇する。この第2の上昇の後に、曲線92は、軽度に低下するプラトーに移行する。
この曲線92から、所与の温度TKKについて、出発材料が本発明による方法によって、散乱光成分が減少されるか又は最小化されるように処理される期間tKKを突き止めることが可能である。
この期間tKKは、tHeizで示される時点で始まり、この時点でガラスセラミック材料1は、ほぼここから等温の温度値TKKをとり、この温度値TKKは、等温の温度処理の間の最大の温度値にも相当する。
膨張計測定のためには、しかしながら工業的規模での製造のためには必然的でもないが、期間tKKの正確な決定のために、加熱時間はできる限り短く、かつ少なくとも期間tKK自体よりも短くあるべきである。
近似的に、期間tKKは、まず、所与の温度TKKで、ガラスセラミック材料1又はガラスセラミック材料1の試料の相対的な長さ変化が最大値をとるまでの期間として決定される。したがって、この期間は、時点tHeiz(この時点で、ガラスセラミック材料1は、最大で、並びにこの時点から等温の温度に達する)で始まり、相対的長さ変化がその最大値に達する時点で終わる期間である。
この最大値は、曲線92をガラスセラミック材料1の試料について決定し、かつ突き止められた期間tKKを、次いでこのガラスセラミック材料1自体のために用いることによって突き止めることができる。次に記載された方法の実施形態の場合であっても、まずガラスセラミック材料1の試料を使用し、かつこの場合に得られたtKKについての値で、次いでこのガラスセラミック材料1自体を処理することができる。
しかしながら、期間tKKの終端の正確な決定のために、2つの接線93及び94の交点95を突き止めることもでき、これを次に詳細に記載する。
接線93は、曲線92の第2の上昇のほぼ線状の部分に接するように寄せられる。相対的な長さ膨張の小さな第1の上昇が存在せず、唯一の上昇だけを示すガラスセラミック材料の場合には、この唯一の上昇を、接線93の作成のために使用することができる。
接線94は、第2の上昇に続くプラトーにできる限り密接するように寄せられる。本発明の目的のために、この接線94を十分に正確に得るために、ガラスセラミック材料1を、少なくとも、相対的な長さ膨張が、5min、好ましくは10min、最も好ましくは15minの期間ほぼ一定となるまでの長さで等温の温度値に保持することが好ましい。この場合、この値の数値が10%より大きく変動しない値が、一定と見なされる。
期間tKKの終端は、この方法の第2の実施形態の場合に、区間9内にあり、この区間9は、相対的な長さ変化の曲線92の両方の弧に接する接線93と94との交点95により定義されている。この場合、区間9の端点96,97は、曲線92の両方の弧に接する接線93,94が、より高い温度値から見て、交点95から出発して、初めて曲線92に接する点により与えられている。
この場合、tKKは、区間9の中央にある期間tmittから、好ましくは20分より大きく、特に好ましくは10分より大きく逸脱しない。
この実施例の場合に、960℃の温度TKKの場合に、区間9の中央までの期間は、87.2分である。ただし、実際の時間tKKにするために、この期間から、更に、試料が単に加熱されただけで、かつまだ960℃に到達していなかった時間tHeizを減算しなければならない。加熱期間tHeizは、この場合32分であったので、tKKは、「区間の中央」と加熱期間との差として、55±10分、好ましくは55±5分である。
更に、近似的に、温度tKKは、曲線92に接する接線93と94との交点95の時間±30分、好ましくは±20分の値である。
更に、温度tKKは、近似的に、プラトーの開始点又は点97により与えられている。
この膨張計曲線は、それぞれ正確な材料組成に依存する。
例示的に、次に、時間tHeizから示した時間値を示し、並びにこの時間値で、相対的な長さ変化、並びにケアタイト混晶及び高石英混晶の結晶相含有率、並びに標準光C、観測角2°で測定したCIE表色系によるY値を決定した。
時間tKKは、ここでは58分であると見なすことができる。これは、最も大きな相対的な長さ変化(26%)を示す時間であり、この時間は、測定において最も僅かな散乱光割合又はヘイズを示す。
visについて0.704の上記の値は、この方法により膨張計により突き止められた時間tKKによっても達成され、この時間でヘイズは低減されている。この58minの時間で、相対的な長さ膨張の値は、26%の最大値に達した。
方法の別の好ましい実施形態の場合に、期間tKKは、接線93と94との交点により決定される時点で終わる。
好ましくは、tKVとtKBとの合計は、考えられる加熱時間を含めて、15分より長く、かつ最長で250分、好ましくは最長で200分未満であり、かつ好ましくは、温度処理の期間tKB+tKV+tKKの合計から生じる温度処理、並びに考えられる加熱時間の全体の期間は、5時間未満である。
図8は、所定の温度で試料、例えばガラスセラミック材料1からなる試料の相対的な長さ変化を決定するために使用することができる光学的膨張計の略図を示す。ガラスセラミック材料の試料は、この場合、円盤型炉の中央に配置されている。長さ測定のために、発信機側から平行光束が受信機に横方向に送られる。試料は、この光束の一部を遮る。評価ソフトウェアは、外側の辺(影)及びそれによる試料の直径を認識する。試料が膨張する場合に辺が動く。評価ソフトウェアは、これを長さ変化に換算する。
1 ガラスセラミック材料
11 ガラスセラミック材料の上面
12 ガラスセラミック材料の下面
2 表面近傍層
3 コア
4 ガラス状の表面区域
5 ウルブリヒト球
51 光トラップ(開放されている)
6 試料
7 入射光
71 透過光
72 反射光
73 散乱光
81 高石英混晶(HQMK)の結晶相含有率の曲線
82 ケアタイト混晶(KMK)の結晶相含有率の曲線
9 時間区間
91 膨張計測定での時間に関する試料の温度推移
92 膨張計測定での時間に関する相対的な長さ変化
93,94 相対的な長さ変化の曲線に接する接線
95 接線の交点
96,97 時間区間9の端点

Claims (17)

  1. 次の工程:
    − セラミック化可能なガラス及び/又はガラスセラミック材料1を含む出発材料の準備、
    − 好ましくは、温度TKB及び期間tKBでの結晶核の形成のための温度処理の実施、
    − 好ましくは、温度TKV及び期間tKVでの結晶質の前駆体相の結晶化のための温度処理の実施、
    − 温度TKK及び期間tKKでの、殊にケアタイト混晶の結晶化のための温度処理の実施
    を含み、ここで、前記期間tKKは、前記セラミック化可能なガラス及び/又は前記ガラスセラミック材料1の膨張率に基づき、好ましくは相対的な百分率の膨張率に基づき決定される、
    僅かな散乱光割合を示す、好ましくは着色されていない、ガラスセラミック材料の製造方法。
  2. 前記期間tKKは、所与の温度TKKで前記ガラスセラミック材料1又は前記ガラスセラミック材料1の試料の相対的な長さ変化が最大値をとるまでの期間として決定され、ここで、好ましくは、前記期間tKKは、時点tHeizで始まり、前記ガラスセラミック材料1又は前記ガラスセラミック材料1の試料の前記相対的な長さ変化がその最大値に達する時点で終わり、前記時点tHeizで、前記ガラスセラミック材料1は、最大のかつ前記時点より等温の温度TKKに達する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記期間tKKは、時点tHeizで始まり、前記時点tHeizで、前記ガラスセラミック材料1又は前記ガラスセラミック材料1の試料は、最大のかつ前記時点より等温の温度TKKに達し、かつ前記温度処理の期間tKKの終端は、所与の温度TKKに対して、前記ガラスセラミック材料1又は前記ガラスセラミック材料1の試料の相対的な百分率の長さ変化の曲線92及び前記曲線92に接する2つの接線93,94により決定される区間内にあり、前記接線93は、前記曲線92の第1の上昇又は第2の上昇の線状の部分に当接されていて、かつ前記接線94は、前記曲線92の前記上昇に時間的に後続するプラトーに当接されていて、かつ
    前記温度処理の期間tKKは、前記接線93,94が、より高い温度から見て、前記曲線92にちょうどもはや接触しなくなる点96,97により固定される区間の中央で終わり、かつtKKは、好ましくは、こうして突き止められた期間から20分より大きく、特に好ましくは10分より大きく逸脱せず、
    又は
    前記期間tKKは、前記接線93及び94の交点により決定される時点で終わり、かつ
    KKは、好ましくは、こうして突き止められた期間から30分より大きく、特に好ましくは20分より大きく逸脱しない、請求項1に記載の方法。
  4. KV及びtKBの合計は、考えられる加熱時間を含めて、15分より長く、かつ最長で250分、好ましくは200分未満であり、かつ好ましくは,前記温度処理tKB+tKV+tKKの期間の合計から生じる温度処理、並びに考えられる加熱時間の全体の期間は、5時間未満である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の温度処理を含めたセラミック化の全体の期間tKK及び温度TKKは、温度−時間グラフ内の次の端点:
    1100℃で2min
    900℃で2min
    850℃で200min
    980℃で200min
    により決定されている範囲から選択される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 20℃〜700℃の範囲で1.5ppm/K未満の熱膨張係数αを示し、並びに634nmの波長でかつ4mmの厚みのガラスセラミック材料に標準化して測定して、70%未満、好ましくは40%未満、特に好ましくは25%未満の散乱光割合を示し、少なくとも1種の結晶質の相、好ましくはケイ酸塩を基礎とする結晶質の相を含む第1の表面近傍層と、その下にあるコアとを含み、前記コアは、主結晶相としてケアタイト混晶を含み、かつ主結晶相とは、結晶相の割合が、結晶相割合の合計の50体積%を超える場合の結晶相を表し、かつ前記コアは、前記ガラスセラミック材料の表面から測定して、少なくとも100μmの深さに存在し、かつ少なくとも第1の表面近傍層は、複合的な混合金属酸化物の結晶質の相を含まず、例えば一般式AB24のスピネル状の化合物及び/又はABO3のような一般式のイルメナイト状の化合物を含まず、殊にガーナイトZnAl24及び/又はチタン酸マグネシウムMgTiO3を含まない、好ましくは請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法により製造された又は製造可能な、好ましくは着色されていないガラスセラミック材料。
  7. 0.9Nより高いクラック・イニシエーション・ロード(CIL)を示す、請求項6に記載のガラスセラミック材料。
  8. ***色空間でのEN ISO 11664−4による測定によって決定され、かつ方程式
    により得られる前記ガラスセラミック材料の彩度Cab *は、高くても25、好ましくは高くても15である、請求項6又は7に記載のガラスセラミック材料。
  9. 質量%で示して、
    Al23 18〜23
    Li2O 2.5〜4.2、好ましくは3〜4.2
    SiO2 60〜69
    ZnO 0〜2
    Na2O 0〜1.5、好ましくは0〜1未満
    2O 0〜1.5、好ましくは0〜1未満
    Na2O+K2O 0.2〜1.5
    MgO 0〜1.5、好ましくは0〜1
    CaO+SrO+BaO 0〜4
    23 0〜2
    TiO2 2〜5
    ZrO2 0.5〜2.5
    25 0〜3
    好ましくはV25 0.08、特に0〜0.01
    23 0〜1、R=ランタノイド、好ましくはNd
    MnO2 0〜0.3
    Fe23 0〜0.3、好ましくは0.008〜0.1未満、特に0〜0.02%、最良では80〜500ppmの範囲、
    SnO2 0〜0.6未満、好ましくは0.05〜0.6未満
    の組成を示し、前記ガラスセラミック材料は、更に、清澄剤、例えばAs23及び/又はSb23を、好ましくは最大2質量%の全含有率で含んでいてよく、かつTiO2+ZrO2+SnO2の合計は、3.8〜6質量%であり、かつFe23は、殊に好ましくは着色されていないガラスセラミックの場合に、120〜140ppmの範囲にある、請求項6から8までのいずれか1項に記載のガラスセラミック材料。
  10. 質量割合を基準として、1〜11、好ましくは1.2〜6.5のTiO2+SnO2対ZrO2の比率を示す、請求項6から9までのいずれか1項に記載のガラスセラミック材料。
  11. 環境又は健康に有害な物質、例えばヒ素、アンチモン、カドミウム、鉛及び/又はハロゲン化物の含有率は、前記ガラスセラミック材料の全質量を基準として、それぞれ0.1質量%未満である、請求項6から10までのいずれか1項に記載のガラスセラミック材料。
  12. 380〜780nmの波長領域での透過率Yは、前記ガラスセラミック材料の4mmの厚みを基準として、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%である、請求項6から11までのいずれか1項に記載のガラスセラミック材料。
  13. 前記ガラスセラミック材料は、少なくとも部分的に、50〜1000nm、好ましくは300〜800nmの厚みを示すガラス状の表面区域を含む、請求項6から12までのいずれか1項に記載のガラスセラミック材料。
  14. 1μmより大きくかつ最大100μmまでの深さの前記表面近傍層は、高石英混晶を含み、好ましくは主結晶相として高石英混晶を含む、請求項6から13までのいずれか1項に記載のガラスセラミック材料。
  15. ガラスセラミックプレートとして形成され、前記ガラスセラミックプレートの少なくとも片側は少なくとも1つの装飾層を含む、請求項6から14までのいずれか1項に記載のガラスセラミック材料。
  16. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法により製造可能な、殊に製造された、ガラスセラミック材料、好ましくは、請求項6から15までのいずれか1項に記載のガラスセラミック材料。
  17. 調理プレート、暖炉用覗き窓、耐火性窓ガラス又は覗き窓として、調理室扉として、例えば電気調理器内で、殊に熱分解機能を備えた電気調理器内で、又はヒータエレメント用のカバーとして、殊に調理器又はグリル調理器として、白物家電として、放熱体カバーとして、グリルプレートとして、暖炉用覗き窓として、殊に高純度条件下での製造プロセスのための、セラミック工業、太陽エネルギー工業又は医薬品工業又は医学工業におけるキャリアプレート又は炉内装材として、化学的又は物理的な被覆方法を実施するための炉の内装材として、又は化学的に耐性の実験室装備として、高温適用又は極低温適用のためのガラスセラミック物品として、燃焼炉用の炉窓として、熱い環境を遮閉するための断熱材として、リフレクタ、投光照明、プロジェクタ、投影機、カラー複写機用のカバーとして、熱機械的負荷がかかる適用のため、例えば暗視機器内で、ウェハ基板として、UV保護を備えた物品として、例えば電子機器のハウジング構成要素用の材料の材料として及び/又は携帯電話、ラップトップ型機器、スキャナーガラス等のようなIT製品用のカバーグラスとして、ファサードプレートとして、防火窓ガラスとして、又は弾動学的保護のための構成要素としての、請求項6から16までのいずれか1項に記載のガラスセラミック材料の使用。
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