JP2006044111A - ライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法 - Google Patents

ライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 印刷結果における濃度ムラを確実に抑制する。
【解決手段】 ヘッド本体13のインク吐出面に複数のノズルを含む複数のブロックが設定されている。各ブロックにおけるインク吐出量を計量器112で計測する。計量器112により計測されたインク吐出量に基づいて、ブロック同士におけるノズル1つ当たりのインク吐出量の差が小さくなるような補正係数を決定する。各ノズルからインク滴を吐出するときに、補正係数に基づいてインクの吐出量を補正する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、ライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法に関する。
インクジェットヘッドは、インクが吐出される多数のノズルと各ノズルに連通するインク流路とを備えている。インク流路にはインクを吐出するための圧力を発生させる圧力室が含まれている。ノズルから被印刷媒体に対してインクを吐出することにより、被印刷媒体に所望の画像が形成される。このようなインクジェットヘッドにおいては、ノズルやインク流路の製作精度のばらつき、各インク流路の形状の違い、及び圧力室に圧力を発生させるアクチュエータの特性のばらつき等により、ノズルからのインク吐出量にはらつきが生じることがある。そして、このインク吐出量のばらつきは、印刷結果に濃度ムラが生じる原因となる。特に、被印刷媒体に対してシングルパスで画像を形成するライン式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドにおいては、インク吐出面が一方向に長く延在しているため、インク吐出量のばらつきが大きくなる傾向にある。そこで、複数のノズルを含むブロックを複数画定し、画定されたブロック単位でノズルから被印刷媒体にインク滴を吐出したときに形成された被印刷媒体上の印刷結果を光学センサで検出し、その検出結果に基づいて、ノズルからのインク吐出量をブロック単位で補正する技術が知られている。(特許文献1参照)。
特開2001−105697号公報(図1)
上述した技術によると、ノズルからのインク吐出量をブロック単位で補正するため、容易にノズル間のインク吐出量のばらつきを抑制することができ、印刷結果における濃度ムラを低減することができる。しかしながら、被印刷媒体の表面状態にばらつきがある場合には、光学センサでドットの形状を正確に検出することができないため、ノズルからのインク吐出量を正確に補正することができず、結果として印刷結果における濃度ムラを抑制することが困難となる。
本発明の主たる目的は、印刷結果における濃度ムラを確実に抑制することができるライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法は、インクジェットヘッドに形成された複数のノズルからのインク吐出量を、それぞれが一又は複数のノズルを含むように前記インクジェットヘッドに設けられた複数のブロックのそれぞれについて実測する第1のステップと、前記第1のステップによって得られたインク吐出量の実測値に基づいて、前記ブロック同士におけるノズル1つ当たりのインク吐出量の差が小さくなるような補正係数を求める第2のステップとを備えている。
本発明によると、インク吐出量をブロックごとに実測するので、印刷結果を検出する場合のように被印刷媒体の表面状態のばらつきによる誤差が発生しない。したがって、高精度な補正係数を求めて確実に印刷結果における濃度ムラを抑制することができる。また、インク吐出量を実測する装置が光学センサよりも簡易であるため、インク吐出量の補正係数を低コストで求めることができる。したがって、ライン式インクジェットプリンタの製造コストを低減することができる。
本発明においては、前記第1のステップで、印刷媒体の搬送方向に延びたn−1本(n:2以上の自然数)の仮想線によって区分されたn個の前記ブロックのそれぞれについてインク吐出量を実測することが好ましい。これによると、画質に大きな悪影響を与えるインクジェットヘッドの長手方向に関するインク吐出量のばらつきを効率よく抑制することができる。
このとき、前記仮想線が、前記搬送方向と直交する方向に沿った前記インクジェットヘッドの構造上の変化点を通過していることがより好ましい。一例として、前記インクジェットヘッドが、複数の前記ノズルが形成された流路ユニット上に、それぞれが台形形状を有する複数のアクチュエータユニットが隣接する前記アクチュエータユニットと斜辺同士が前記搬送方向に関して重なり合うように配置されたものであるときに、前記仮想線が、各アクチュエータユニットを画定する斜辺と短辺とを接続する頂点を通過していることがより好ましい。これによると、インクジェットヘッドの構造を考慮した、より適切なインク吐出量の補正を行うことが可能となる。
本発明においては、前記仮想線を予め決められた位置として前記第1のステップを1回だけ行ってもよい。これによると、インク吐出量の検出を短時間で実行することができるため、ライン式インクジェットプリンタの製造コストをさらに低減することができる。
また、本発明においては、前記第1のステップを前記仮想線の位置を変えて複数回行い、前記第2のステップでは、複数回行った前記第1のステップのうちのいずれか1回において実測されたインク吐出量に基づいて補正係数を求めてもよい。これによると、最も効果的なブロックを決定することができるため、高精度なインク吐出量の補正を行うことが可能となる。
本発明においては、前記第1のステップにおいて、複数の入力信号値のそれぞれに対するインク吐出量を各前記ブロックについて実測し、前記第2のステップにおいて、同じ入力信号値に対して前記ブロック同士におけるノズル1つ当たりのインク吐出量の差が小さくなるような補正係数を前記入力信号値ごとに求めることが好ましい。これによると、階調印刷を行うときなど複数の入力信号値が与えられる場合においても、より高精度なインク吐出量の補正を行うことが可能となる。
さらに、本発明においては、前記第1のステップにおいて、1つの前記ブロック内にある前記ノズルだけからインクを吐出させたときに前記インクジェットヘッドに接続されたインクタンクからのインク減少量を実測するというステップをすべての前記ブロックについて行うことが好ましい。これによると、各前記ブロックについてのインク吐出量を簡易に実測することができる。
加えて、本発明においては、前記第2のステップにおいて、ノズル1つ当たりのインク吐出量がどの前記ブロックについても同じになるような補正係数を求めることが好ましい。これによると、インク吐出量のばらつきをより抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る第1の実施の形態について説明する。
まず、図1を参照して、本発明に係る第1の実施の形態のインク吐出量補正方法の対象となるプリンタについて説明する。図1に示すプリンタ1は、平面視において図1紙面と直交する方向に細長い矩形である4つの固定されたインクジェットヘッド2を有するラインヘッド型カラーインクジェットプリンタである。プリンタ1には、図中下方に給紙装置14が、図中上方に紙受け部16が、図中中央部に搬送ユニット20がそれぞれ設けられている。さらに、プリンタ1には、これらの動作を制御する制御部100(図6参照)が備えられている。
給紙装置14は、積層された複数の矩形印刷用紙Pを収容可能な用紙収容部15と、用紙収容部15内において最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ搬送ユニット20に向けて送り出す給紙ローラ45とを有している。用紙収容部15内には、印刷用紙Pがその長辺と平行な方向に給紙されるように収容されている。用紙収容部15と搬送ユニット20との間には、搬送経路に沿って、二対の送りローラ18a、18b、19a、19bが配置されている。給紙装置14から排出された印刷用紙Pは、その一方の短辺を先端として、送りローラ18a、18bによって図1中上方へ送られ、その後送りローラ19a、19bによって搬送ユニット20に向けて左方へと送られる。
給紙ローラ45の回転軸は、用紙収容部15の内側壁(図示せず)と直交する方向に対して、内側壁から遠いほど搬送ユニットに近づくように3°傾いている。そのため、給紙ローラ45によってピックアップされた印刷用紙Pは、印刷用紙Pの一方の長辺が用紙収容部15の内側壁に強制的に近づけられるように、用紙収容部15の内側壁からやや傾いた方向に進行する。用紙収容部15の内側壁は、搬送ユニット20による印刷用紙Pの搬送方向と平行である。そして、印刷用紙Pの一方の短辺が送りローラ18a、18bに達する前に、印刷用紙Pの一方の長辺が用紙収容部15の内側壁と当接する。その後、印刷用紙Pは、印刷用紙Pの一方の長辺と用紙収容部15の内側壁とが当接した状態のまま、用紙収容部15の内側壁に沿って送りローラ18a、18bに向けて進行する。このように給紙ローラ45を用紙収容部15の内側壁に対して傾けるという簡単な構成によって、印刷用紙Pの連続供給を確保しつつ、印刷用紙Pの斜行を補正することができるようになっている。そして、送りローラ18a、18bによって狭持された印刷用紙Pは、送りローラ19a、19bを経て搬送ユニット20に向けて送り出される。
搬送ユニット20は、エンドレスの搬送ベルト11と、搬送ベルト11が巻き掛けられた2つのベルトローラ6、7とを備えている。搬送ベルト11の長さは、2つのベルトローラ6、7間に巻き掛けられた搬送ベルト11に所定の張力が発生するような長さに調整されている。2つのベルトローラ6、7に巻き掛けられることによって、搬送ベルト11には、ベルトローラ6、7の共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面が形成されている。これら2つの平面のうちインクジェットヘッド2と対向する方が印刷用紙Pの搬送面27となる。給紙装置14から送り出された印刷用紙Pは、その上面にインクジェットヘッド2によって印刷が施されつつ搬送ベルト11によって形成された搬送面27上を搬送されて、紙受け部16に到達する。紙受け部16では、印刷が施された複数の印刷用紙Pが重なり合うように載置される。
4つのインクジェットヘッド2は、それぞれ、その下端にヘッド本体13を有している。ヘッド本体13は、後述するように、ノズル8に連通した圧力室を10含む個別インク流路32が多数形成された流路ユニット4(図4参照)と、多数の圧力室10のうち、所望の圧力室10内のインクに圧力を与えることができるアクチュエータユニット21とが貼り合わされたものである。
ヘッド本体13は、平面視において図1紙面と直交する方向に細長い直方体形状を有している。4つのヘッド本体13は、図1紙面における左右方向に沿って互いに近接配置されている。4つのヘッド本体13の各底面(インク吐出領域)には、微小径を有する多数のノズル8が設けられている(図2参照)。ノズル8から吐出されるインク色は、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれかであって、1つのヘッド本体13に属する多数のノズル8から吐出されるインク色は同じである。なおかつ、4つのヘッド本体13に属する多数のインク吐出口からは、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色から選択された互いに異なる色のインクが吐出される。
ヘッド本体13の底面と搬送ベルト11の搬送面27との間には、僅かな隙間が形成されている。印刷用紙Pは、この隙間を貫通する搬送経路に沿って図1中右から左へと搬送される。4つのヘッド本体13の下方を印刷用紙Pが順次通過する際、印刷用紙Pの上面に向けてノズル8からインクが画像データに応じて吐出されることで、印刷用紙P上に所望のカラー画像が形成される。
搬送ベルト11の外周面11aには、粘着性のシリコンゴムによる処理が施されている。したがって、搬送ユニット20は、一方のベルトローラ6が図中反時計回り(図1中の矢印A方向)に回転することによって、送りローラ18a、18b、19a、19bによって搬送されてくる印刷用紙Pを、搬送ベルト11の外周面11aにその粘着力によって保持しながら紙受け部16に向けて搬送できる。
2つのベルトローラ6、7は、搬送ベルト11の内周面11bと接している。搬送ユニット20の2つのベルトローラ6、7のうち、搬送経路の下流側に位置するベルトローラ6は、搬送モータ74と接続されている。搬送モータ74は、制御部100の制御に基づいて回転駆動される。他方のベルトローラ7は、ベルトローラ6の回転に伴って搬送ベルト11から付与される回転力によって回転する従動ローラである。
ベルトローラ7の近傍にはニップローラ38とニップ受けローラ39とが、搬送ベルト11を挟むように配置されている。ニップローラ38及びニップ受けローラ39は、ベルトローラ7の軸方向の長さと略同等の長さを有する回転自在の筒体を備えている。ニップローラ38は、搬送ユニット20に供給された印刷用紙Pを搬送面27に押し付けることができるように、図示しないばねによって下方に付勢されている。そしてニップローラ38とニップ受けローラ39とが、搬送ベルト11と共に印刷用紙Pを挟み込むため、印刷用紙Pは搬送面27に確実に粘着させられる。
搬送ユニット20の図1中左方には剥離プレート40が設けられている。剥離プレート40は、その右端が印刷用紙Pと搬送ベルト11との間に入り込むことによって、搬送ベルト11の搬送面27に粘着させられている印刷用紙Pを搬送面27から剥離する。
搬送ユニット20と紙受け部16との間には、二対の送りローラ21a、21b、22a、22bが配置されている。搬送ユニット20から排出された印刷用紙Pは、その一方の短辺を先端として、送りローラ21a、21bによって図1中上方へ送られ、送りローラ22a、22bによって紙受け部16へ送られる。
図1に示すように、ニップローラ38と最も上流側にあるインクジェットヘッド2との間には、発光素子と受光素子とから構成される光学センサである紙面センサ33が配置されている。紙面センサ33は、搬送経路上の検出位置に向けて発光素子から光を照射し、受光素子で反射光を受光する。紙面センサ33からの出力信号レベルは、検出位置上における印刷用紙Pの有無による反射光の強さの違いを反映している。つまり、出力信号レベルが急激に増加した時刻に、印刷用紙Pの先端が検出位置に到達したことになる。紙面センサ33からの出力信号によって印刷用紙Pの先端が検出位置に到達したことが分かるので、それに合わせて印刷信号がインクジェットヘッド2に供給される。
次に、図2及び図3を参照して、ヘッド本体13の詳細について説明する。図2は、図1に示したヘッド本体13の平面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大平面図である。図2及び図3に示すように、ヘッド本体13は、圧力室群9を構成する多数の圧力室10やノズル8が形成された流路ユニット4を有している。流路ユニット4の上面には、千鳥状になって2列に配列された複数の台形のアクチュエータユニット21が接着されている。より詳細には、各アクチュエータユニット21は、その平行対向辺(上辺及び下辺)が流路ユニット4の長手方向に沿うように配置されている。また、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士が、流路ユニット4の幅方向にオーバーラップしている。
アクチュエータユニット21の接着領域に対向した流路ユニット4の下面は、インク吐出領域となっている。図3に示すように、インク吐出領域の表面には、多数のノズル8がマトリクス状に多数配列されている。1つのノズル8に連通された圧力室10もマトリクス状に配列されており、1つのアクチュエータユニット21の接着領域に対向した流路ユニット4の下面に存在する複数の圧力室10が、1つの圧力室群9を構成している。
また、各ノズル8は、先細形状のノズルとなっており、平面形状が略菱形の圧力室10、及びアパーチャ12を介してマニホールド5の分岐流路である副マニホールド5aと連通している。流路ユニット4の上面に設けられているマニホールド5の開口部5bは、図示しないインク流出流路と接合されている。そして、図示しないインクタンクからインク流出流路を介して流路ユニット4にインクが供給されるようになっている。尚、図2及び図3において、図面を分かりやすくするために、アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき圧力室10(圧力室群9)、開口部5b、アパーチャ12を実線で描いている。
次に、図4を参照して、ヘッド本体13の断面構造について詳細に説明する。図4は、図3のIV−IV線における断面図である。図4に示すように、ヘッド本体13は、流路ユニット4とアクチュエータユニット21とが貼り合わされたものである(図2参照)。そして、流路ユニット4は、上から、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、カバープレート29及びノズルプレート30が積層された積層構造を有している。
キャビティプレート22は、圧力室10となるほぼ菱形の孔が多数形成された金属プレートである。ベースプレート23は、各圧力室10とこれに対応するアパーチャ12とを連通させるための連通孔及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成された金属プレートである。アパーチャプレート24は、各アパーチャ12となる孔及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成された金属プレートである。サプライプレート25は、各アパーチャ12と副マニホールド5aとを連通させるための連通孔及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成された金属プレートである。マニホールドプレート26、27、28は、副マニホールド5aとなる孔、及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための多数の連通孔が形成された金属プレートである。カバープレート29は、各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成された金属プレートである。ノズルプレート30は、ノズル8が多数形成された金属プレートである。これら9枚の金属プレートは、個別インク流路32が形成されるように、互いに位置合わせして積層される。
次に、図5を参照して、アクチュエータユニット21の構成について説明する。図5(a)はアクチュエータユニット21と圧力室10との部分拡大断面図であり、図5(b)はアクチュエータユニット21の表面に形成された個別電極の形状を示す平面図である。
図5(a)に示すように、アクチュエータユニット21は、4枚の圧電シート41、42、43、44が積層された積層構造を有している。これら圧電シート41〜44は、それぞれ厚みが15μm程度で同じになるように形成されている。いずれの圧電シート41〜44も1つのインク吐出領域内に形成された多数の圧力室10に跨って配置されるように連続した層状の平板(連続平板層)となっている。圧電シート41〜44は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなるものである。
最上層の圧電シート41上には、各圧力室10に対向する個別電極35が形成されている。最上層の圧電シート41とその下側の圧電シート42との間には、シート全面に形成された略2μmの厚みの共通電極34が介在している。なお、圧電シート42と圧電シート43の間に、電極は配置されていない。これら個別電極35及び共通電極34は共に、例えばAg−Pd系などの金属材料からなる。
個別電極35は、略1μmの厚みで、図5(b)に示すように、図3に示した圧力室10とほぼ相似である略菱形の平面形状を有している。略菱形の個別電極35における鋭角部の一方は延出され、その先端に、個別電極35と電気的に接続された、略160μmの径を有する円形のランド部36が設けられている。ランド部36は、例えばガラスフリットを含む金からなり、図5(a)に示すように、個別電極35における延出部表面上に接着されている。
共通電極34は、図示しない領域において接地されている。これにより、共通電極34は、すべての圧力室10に対応する領域において等しくグランド電位に保たれている。また、個別電極35は、各圧力室10に対応して選択的に電位を制御することができるように、各個別電極35ごとに、制御部100の一部である図示しないドライバICに電気的に接続されている。
次に、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。アクチュエータユニット21における圧電シート41の分極方向はその厚み方向である。つまり、アクチュエータユニット21は、上側(つまり、圧力室10とは離れた)1枚の圧電シート41を活性部が存在する層とし且つ下側(つまり、圧力室10に近い)3枚の圧電シート42〜44を非活性部とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。従って、個別電極35を正又は負の所定電位とすると、例えば電界と分極とが同方向であれば圧電シート41中の電極に挟まれた電界印加部分が活性部として働き、圧電横効果により分極方向と直角方向に縮む。一方、圧電シート42〜44は、電界の影響を受けないため自発的には縮まない。そのため、上層の圧電シート41と下層の圧電シート42〜44との間で、分極方向と垂直な方向への歪みに差を生じることとなり、圧電シート41〜44全体が非活性側に凸となるように変形しようとする(ユニモルフ変形)。このとき、図5(a)に示したように、圧電シート41〜44の下面は圧力室を区画するキャビティプレート22の上面に固定されているので、結果的に圧電シート41〜44は圧力室側へ凸になるように変形する。このとき、圧力室10の容積が低下して、インクの圧力が上昇し、ノズル8からインクが吐出される。その後、個別電極35を共通電極34と同じ電位に戻すと、圧電シート41〜44は元の形状になって圧力室10の容積が元の容積に戻るので、インクをマニホールド5側から吸い込む。
実際の駆動手順は、予め個別電極35を共通電極34より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求があるごとに個別電極35を共通電極34と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングにて再び高電位とする。これにより、個別電極35が低電位になるタイミングで、圧電シート41〜44が元の形状に戻り、圧力室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、圧力室10内に負圧が与えられ、インクがマニホールド5側から圧力室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を高電位にしたタイミングで、圧電シート41〜44が圧力室10側へ凸となるように変形し、圧力室10の容積低下により圧力室10内の圧力が正圧となりインクへの圧力が上昇し、インク滴が吐出される。つまり、インク滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを個別電極35に供給することになる。このパルス幅は、圧力室10内において圧力波がマニホールド5からノズル8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによると、圧力室10内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力でインク滴を吐出させることができる。
また、階調印刷においては、ノズル8から吐出されるインク滴の数、つまりインク吐出回数で調整されるインク量(体積)で階調表現が行われる。このため、指定された階調表現に対応する回数のインク吐出を、指定されたドット領域に対応するノズル8から連続して行う。一般に、インク吐出を連続して行う場合は、インク滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとすることが好ましい。これにより、先に吐出されたインク滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させるインク滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致し、これらが重畳してインク滴を吐出するため圧力を増幅させることができる。
次に、図6を参照して、制御部100の詳細について説明する。図6は、制御部100の機能ブロック図である。制御部100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム及びプログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)と、アクチュエータユニット21を駆動するためのドライバICとを備えており、これらが一体となって機能することにより以下に説明する機能部を機能させる。
制御部100は、PC200からの指示に基づいて動作するものであり、図6に示すように、通信部141と、動作制御部142と、印刷制御部143とを備えている。尚、これら各機能部はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成されているハードウェアであるが、機能部の全て、又は一部がソフトウェアで構成されていてもよい。
通信部141は、PC200との通信を行うものである。PC200から送信される動作に関する指示は動作制御部142に出力され、印刷に関する指示は印刷制御部143に出力される。動作制御部142は、PC200及び印刷制御部143からの指示に基づいて、搬送モータ74等を制御するものである。印刷制御部143は、PC200からの印刷に関する指示に基づいて印刷を実行するものである。
次に、図7を参照して印刷制御部143について詳細に説明する。図7は、印刷制御部143の機能ブロック図である。図7に示すように、印刷制御部143は、6つのパルス生成部142〜147と、補正係数記憶部148と、マップ記憶部149と、波形選択部150とを備えている。
パルス生成部142〜147は、それぞれが互いに異なる6つの波形パターンのいずれかを有するパルスを生成するものである。本実施の形態においては、3階調(未吐出を含まず)の階調印刷が可能となっており、互いに体積の異なる小滴、中滴、及び大滴のインクを吐出することにより階調印刷が実現されるようになっている。以下、階調印刷おける各階調値を小滴、中滴、及び大滴で表す。6つの波形パターンは、階調毎に2種類ずつ設定されていると共に、波形パターンを特定するための3ビットの符号(001〜110)が付されている。6つの波形パターンの例を表1に示す。
Figure 2006044111
表1に示すように、波形パターン001及び波形パターン010は、共に小滴を形成するためのものである。また、波形パターン001及び波形パターン010は、波形パターン010を用いたときのインク吐出量が、波形パターン001を用いたときのインク吐出量よりも多くなるように形成されている。波形パターン011及び波形パターン100は、共に中滴を形成するためのものである。また、波形パターン011及び波形パターン100は、波形パターン100を用いたときのインク吐出量が、波形パターン011を用いたときのインク吐出量よりも多くなるように形成されている。波形パターン101及び波形パターン110は、共に大滴を形成するためのものである。また、波形パターン101及び波形パターン110は、波形パターン110を用いたときのインク吐出量が、波形パターン101を用いたときのインク吐出量よりも多くなるように形成されている。尚、小滴を形成するために吐出されるインク吐出量は、中滴及び大滴を形成するために吐出されるインク吐出量よりも少なくなっており、中滴を形成するために吐出されるインク吐出量は、大滴を形成するために吐出されるインク吐出量よりも少なくなっている。
そして、パルス生成部142が、波形パターン001を有するパルスを生成し、パルス生成部143が、波形パターン010を有するパルスを生成し、パルス生成部144が、波形パターン011を有するパルスを生成し、パルス生成部145が、波形パターン100を有するパルスを生成し、パルス生成部146が、波形パターン101を有するパルスを生成し、パルス生成部147が、波形パターン110を有するパルスを生成する。
補正係数記憶部148は、ヘッド本体13のインク吐出領域において、複数のノズル8を含むように画定された各ブロックにおいて、階調毎に設定された補正係数を補正係数テーブルとして記憶するものである。補正係数は、ブロックにおける1つのノズル8当たりのインク吐出量に応じてブロックをランク分けするためのものであり、1つのノズル8から吐出される理想的なインク吐出量に対する各ブロックにおける1つのノズル8当たりのインク吐出量の比に基づいて決定される。後述するように、補正係数は、ヘッド本体13の製造工程におけるインク吐出量補正工程において決定される。そして、補正係数に基づいて、ブロック単位でノズル8のインク吐出量を補正することにより、ブロック間の1つのノズル8当たりのインク吐出量の差を小さくすることができる。
ブロックの設定の一例を図8に示す。図8は、ヘッド本体13のインク吐出領域を示す平面図である。アクチュエータユニット21に対向する範囲を破線で示している。この範囲は、圧力室群9を画定する範囲であり台形状を有している。圧力室群9を画定する範囲内にはノズル8が多数形成されている(図2及び図3参照)。図8に示すように、インク吐出領域が、印刷用紙Pの搬送方向に沿って延びた8本の仮想線によって9個のブロックA〜Iに区分されている。この仮想線は、圧力室群9を画定する台形の斜辺と短辺とを接続する頂点を通過している。つまり、仮想線は、印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向に沿ったヘッド本体13の構造上の変化点を通過するように設定されている。図8に示すブロックA〜Iに対応する補正係数テーブルの一例を表2に示す。
Figure 2006044111
表2に示すように、ヘッド本体13のインク吐出領域における各ブロックが、階調値毎に、1つのノズル8当たりのインク吐出量が標準的であることを示す補正係数「0」と、1つのノズル8当たりのインク吐出量が標準よりも少ないことを示す補正係数「1」とにランク分けされている。尚、補正係数は任意のランク数で設定されていてもよい。
マップ記憶部149は、階調印刷が行われたときにブロック同士における1つのノズル8当たりのインク吐出量の差が小さくなるような波形パターンの組み合わせを、補正係数記憶部144に記憶された補正係数のテーブルに基づいて、各ブロックについて階調毎に決定された選択マップとして記憶するものである。選択マップの例を表3に示す。
Figure 2006044111
表3に示すように、補正係数記憶部148に記憶されている補正係数テーブルで、小滴階調における補正係数が「0」となっているブロックA〜D及びブロックF〜Iにおいては、小滴階調を形成するために使用される波形パターンをインク吐出量が標準的な波形パターン001としている。他方、小滴階調における補正係数が「1」となっているブロックEにおいては、小滴階調を形成するために使用される波形パターンをインク吐出量が波形パターン001のときより多い波形パターン010としている。また、補正係数テーブルで、中滴階調における補正係数が「0」となっているブロックA〜C及びブロックG〜Iにおいては、中滴階調を形成するために使用される波形パターンをインク吐出量が標準的な波形パターン011としている。他方、中滴階調における補正係数が「1」となっているブロックD〜Fにおいては、中滴階調を形成するために使用される波形パターンをインク吐出量が波形パターン011のときより多い波形パターン100としている。さらに、補正係数テーブルで、大滴階調における補正係数が「0」となっているブロックA、B及びブロックH、Iにおいては、大滴階調を形成するために使用される波形パターンをインク吐出量が標準的な波形パターン101としている。他方、大滴階調における補正係数が「1」となっているブロックC〜Gにおいては、大滴階調を形成するために使用される波形パターンをインク吐出量が波形パターン101のときより多い波形パターン110としている。これにより、ブロックA〜Iにおいて、1つのノズル8当たりのインク吐出量の差を各階調で小さくすることができる。
波形選択部150は、通信部141からの印刷指令(インク滴を吐出すべきノズル8が含まれているブロック、及び形成すべき階調データ)により、マップ記憶部149に記憶されている選択マップを参照して使用すべき波形パターンを決定する。そして、パルス生成部142〜147から生成されたパルスから対応する波形パターンを有するパルスを選択してアクチュエータ21の対応する個別電極35に供給する。これにより、アクチュエータユニット21が駆動され、対応するノズル8から補正されたインク滴が吐出され、印刷用紙P上に所望の階調のドットが形成される。
次に、ヘッド本体13の製造後に行われるインク吐出量補正方法について説明する。インク吐出量補正方法は、補正係数記憶部148に記憶させる補正係数テーブルの内容である各補正係数を決定する方法である。まず、各ブロックA〜Iについて、ノズル8からのインク吐出量を計測(実測)する(第1ステップ)。具体的には、インク吐出量を計測する構成を図9に示す。図9に示すように、製造されたヘッド本体13の流路ユニット4にインク供給管111の一端部が接続されている。そして、インク供給管111の他端部がインクタンク110に接続されている。これにより、インクタンク110が貯溜しているインクが、インク供給管111を介して流路ユニット4に供給される。また、ヘット本体13のアクチュエータユニット21が、アクチュエータユニット21を駆動可能な測定用制御装置(図示せず)に接続されている。そして、インクタンク110が計量器112にセットされており、インクタンク110の総重量が測定可能となっている。
尚、ノズル8からのインク吐出量を測定する構成は上述の構成に限定されるものではない。例えば、図10に示すように、ヘッド本体13が、計量器112にセットしたトレイ113に直接インク滴を吐出して計量器112がインク吐出量を計測する構成でもよい。
以上の構成で、測定用制御装置が、アクチュエータユニット21を駆動して、ブロックA〜Iごとにノズル8からインク滴を吐出させる。測定用制御装置が、ブロックA〜Iごとにノズル8からインク滴を吐出させたとき、その前後におけるインクタンク110の総重量を計量器113で計測する。これにより、ブロックA〜Iごとのノズル8からのインク滴の吐出により消費されたインクタンク110のインクの量(減少量)、言い換えればブロックA〜Iごとのノズル8からのインク吐出量を計測することができる。また、ブロックA〜Iごとのノズル8からのインク吐出量の計測は、各階調(小滴、中滴、大滴)について行う(複数の入力信号値のそれぞれに対するインク吐出量を計測)。
次に、上述した方法で計測されたブロックA〜Iごとの各階調におけるノズル8からのインク吐出量に基づいて補正係数を決定する(第2のステップ)。具体的には、計測された各インク吐出量を、対応するブロックA〜Iにおけるノズル8の数で除して、1つのノズル8当たりのインク吐出量を算出する。そして、ブロック間の1つのノズル8当たりのインク吐出量の差が小さくなるように補正係数を決定する。例えば、各ブロックA〜Iにおいて、算出された各階調における1つのノズル8当たりの各インク吐出量が標準的である場合は、補正係数を「0」に決定する。逆に、標準よりも少ない場合は補正係数を「1」に決定する。決定された補正係数は、補正係数記憶部148の補正係数テーブルに記憶される。このとき、補正係数テーブルに基づいて選択マップが生成されるとともに、マップ記憶部149に選択マップが記憶される。
以上説明した第1の実施の形態によると、インク吐出量をブロックA〜Iごとに計量器112で計測するので、印刷された画像の濃度を検出する場合のように印刷用紙Pの表面状態のばらつきによる誤差が発生しない。したがって、高精度な補正係数を求めて確実に印刷結果における濃度ムラを抑制することができる。また、計量器112が光学センサよりも簡易であるため、インク吐出量の補正係数を低コストで求めることができる。したがって、ヘッド本体13の製造コストを低減することができる。
さらに、ブロックを印刷用紙Pの搬送方向に沿って延びた仮想線により画定しているため、画質に大きな悪影響を与えるヘッド本体13の長手方向に関するインク吐出量のばらつきを抑制することができる。
加えて、仮想線が、ヘッド本体13の構造上の変化点であるアクチュエータユニット21を画定する台形領域の斜辺と短辺とを接続する頂点を通過しているため、ヘッド本体13の構造を考慮した、より適切な補正を行うことが可能となる。
さらに、インク吐出量を計測する工程(第1のステップ)を1回だけ行うだけで補正係数を決定することができるため、インク吐出量の測定を短時間で実行することができる。これにより、プリンタ1の製造コストを低減することができる。
加えて、階調毎に補正係数を決定するため、階調印刷においてより高精度なインク吐出量の補正を行うことが可能となる。
また、インクタンク110の総重量を計量器112で計測するという簡単な方法でインク吐出量を計測することができるため、インク吐出量の測定をより短時間で実行することができる。
そして、1つのノズル8当たりのインク吐出量がブロックA〜I間において同じになるよう補正係数を決定しているため、インク吐出量のばらつきを効率よく抑制することができる。
以下、図11を参照して、本発明に係る第2の実施の形態のインク吐出量補正方法について説明する。図11は、第2の実施の形態のインク吐出量補正方法について説明するための図である。尚、インク吐出量補正方法の対象となるプリンタの構成は、第1の実施の形態と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
インク吐出量補正方法は、補正係数記憶部148に記憶させる補正係数テーブルの内容である各補正係数を決定する方法である。まず、各ブロックA〜Iについて、ノズル8からのインク吐出量を計測する(第1ステップ)。インク吐出量を計測するための構成、及び計測方法は第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
そして、この各ブロックA〜Iにおけるインク吐出量の計測を、図11に示すように、仮想線の位置をヘッド本体13の長手方向に沿ってX1、X2、X3の順に変化させながら3回づつ行う。
次に、上述した方法で計測されたインク吐出量に基づいて補正係数を決定する(第2のステップ)。まず、各ブロックA〜Iにおいて仮想線X1〜X3毎に計測された3つのインク吐出量に基づいて、いずれの仮想線X1〜X3を補正係数を求める基準とするかを決定する。具体的には、各インク吐出量を対応する仮想線X1〜X3におけるノズル8の数で除して、1つのノズル8当たりのインク吐出量を算出する。そして、算出した1つのノズル8当たりのインク吐出量を仮想線X1〜X3の順に並べたとき、変化量が最も大きくなった1つのノズル8当たりのインク吐出量に対応する仮想線の1つ手前の仮想線を基準として決定する。尚、変化量が見られなかったときは、仮想線X1を基準として決定する。インク吐出量から補正係数を決定する方法は第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
以上、説明した第2の実施の形態によると、最も効果的なブロックを決定することができるため、高精度なインク吐出量の補正を行うことが可能となる。これにより、印刷結果の濃度ムラを確実に抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態においては、仮想線を印刷用紙Pの搬送方向に直交する方向に延びるように設定しているが、仮想線は任意の方向に延びるように設定してもよい。また、仮想線が1つの直線で構成されているが、複数の直線で構成されてもよいし、曲線を含むように構成されてもよい。
また、上述した実施の形態においては、仮想線がヘッド本体13の構造上の変化点を通過するように構成されているが、このような構成に限定されず、仮想線が構造上の変化点を通過しない構成でもよい。このとき、仮想線の配置が印刷用紙Pの搬送方向に直交する方向の距離に基づいて決定されるのが好ましい。
さらに、上述した実施の形態においては、ブロックA〜Iのすべてに複数のノズル8が含まれる構成であるが、ノズル8が1つのみ含まれるブロックを設定してもよい。
加えて、上述した実施の形態においては、計量器112によりインク吐出量を計測する構成であるが、吐出したインク滴の体積を計測する構成でもよい。
本発明に係る第1の実施の形態のインク吐出量補正方法の対象となるプリンタの概略構成図である。 図1に示すヘッド本体の平面図である。 図2に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図2に描かれたアクチュエータユニットの拡大図である。 図1に示す制御部の機能ブロック図である。 図6に示す印刷制御部の機能ブロック図である。 図1に示すヘッド本体のインク吐出領域を示す平面図である。 図8に示す各ブロックにおけるノズルからのインク吐出量を計測するためのシステム構成図である。 図8に示す各ブロックにおけるノズルからのインク吐出量を計測するためのシステム構成の変形例である。 本発明に係る第2の実施の形態のインク吐出量補正方法を説明するための図である。
符号の説明
1 プリンタ
4 流路ユニット
5 マニホールド
5a 副マニホールド
10 圧力室
13 ヘッド本体
100 制御部
110 インクタンク
112 計量器
141 通信部
142〜147 パルス生成部
148 補正係数記憶部
149 マップ記憶部
150 波形選択部

Claims (9)

  1. インクジェットヘッドに形成された複数のノズルからのインク吐出量を、それぞれが一又は複数のノズルを含むように前記インクジェットヘッドに設けられた複数のブロックのそれぞれについて実測する第1のステップと、
    前記第1のステップによって得られたインク吐出量の実測値に基づいて、前記ブロック同士におけるノズル1つ当たりのインク吐出量の差が小さくなるような補正係数を求める第2のステップとを備えていることを特徴とするライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法。
  2. 前記第1のステップにおいて、印刷媒体の搬送方向に延びたn−1本(n:2以上の自然数)の仮想線によって区分されたn個の前記ブロックのそれぞれについてインク吐出量を実測することを特徴とする請求項1に記載のライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法。
  3. 前記仮想線を予め決められた位置として前記第1のステップを1回だけ行うことを特徴とする請求項2に記載のライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法。
  4. 前記仮想線が、前記搬送方向と直交する方向に沿った前記インクジェットヘッドの構造上の変化点を通過していることを特徴とする請求項3に記載のライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法。
  5. 前記インクジェットヘッドが、複数の前記ノズルが形成された流路ユニット上に、それぞれが台形形状を有する複数のアクチュエータユニットが隣接する前記アクチュエータユニットと斜辺同士が前記搬送方向に関して重なり合うように配置されたものであるときに、
    前記仮想線が、各アクチュエータユニットを画定する斜辺と短辺とを接続する頂点を通過していることを特徴とする請求項4に記載のライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法。
  6. 前記第1のステップを前記仮想線の位置を変えて複数回行い、前記第2のステップでは、複数回行った前記第1のステップのうちのいずれか1回において実測されたインク吐出量に基づいて補正係数を求めることを特徴とする請求項2に記載のライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法。
  7. 前記第1のステップにおいて、複数の入力信号値のそれぞれに対するインク吐出量を各前記ブロックについて実測し、
    前記第2のステップにおいて、同じ入力信号値に対して前記ブロック同士におけるノズル1つ当たりのインク吐出量の差が小さくなるような補正係数を前記入力信号値ごとに求めることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法。
  8. 前記第1のステップにおいて、1つの前記ブロック内にある前記ノズルだけからインクを吐出させたときに前記インクジェットヘッドに接続されたインクタンクからのインク減少量を実測するというステップをすべての前記ブロックについて行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法。
  9. 前記第2のステップにおいて、ノズル1つ当たりのインク吐出量がどの前記ブロックについても同じになるような補正係数を求めることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のライン式インクジェットプリンタにおけるインク吐出量補正方法。
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