JP2006040410A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁気記録媒体の平滑化と周方向の配向度の向上の両立を図り、高記録密度化が可能な新規な磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】 表面が平滑なディスク基板11上に、斜め入射スパッタ法により非晶質の非磁性CoW合金材料からなるシード層12を形成し、シード層12の表面を酸化処理を行って表面酸化部12aを形成する。その上に垂直入射スパッタ法により下地層13、第1磁性層14/非磁性結合層15/第2磁性層16からなる記録層18、保護層19、及び潤滑層20を順次形成する。シード層12を斜め入射スパッタ法により形成することで、記録層18の磁化容易軸が周方向に配向し、静磁気特性およびS/N比が向上する。シード層12を形成する際に、ディスク基板11の外周側から内周側に向うスパッタ粒子を堆積させるシールド部を設けることで、配向度を一層向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、面内磁気記録方式の磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータや家庭用動画記録装置に搭載される磁気記憶装置、例えば磁気ディスク装置は、動画記録を主な目的として100GBを超える大容量が一般化してきている。かかる磁気ディスク装置への大容量化および低価格化へのニーズは、今後さらに強まる気配である。
現在、磁気ディスク装置に用いられている面内記録方式では、大容量化を図るため高記録密度化が進められており、磁気ディスクの信号対雑音比(S/N比)の向上や、磁気ヘッドの高感度化等により、100Gbit/(インチ)2を超える面記録密度が達成されている。
磁気ディスクは、基板上に、下地層、磁性層、保護膜が順次積層されて構成される。磁気ディスクの分解能やNLTS(Non Linear Transition Shift)、S/N比等の電磁変換特性を高めるために、基板表面に、周方向に長手方向を有する微細な傷(いわゆるメカニカルテクスチャ)を形成することにより、磁性層を構成するCoCr系合金の磁化容易軸を周方向に配向させて、周方向の保磁力や配向度(Orientation Ratio、OR)を高める手法が採用されている。この手法は、高記録密度化を図れる点で優れているが、基板表面に傷を形成するため、その傷が磁気ディスクの表面形状に引き継がれて表面粗さが増大し、磁気ヘッドと磁気ディスクの表面との距離を狭めて電磁変換特性を高める手法が採用し難くなり、高記録密度化に限界が生じてしまう。
そこで、周方向の配向度を高めるために、Cr下地層および磁性層を斜め入射蒸着法により形成する手法や(特許文献1参照。)、基板と下地層との間に設けるシード層としてCr系合金、Ni系合金、Co系合金が用いて斜め入射スッパタ法により形成する手法(特許文献2または3参照。)が提案されている。
特開平8−7250号公報 特開2002−203312号公報 特開2002−260218号公報
本発明は新規な磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とするものである。本発明の具体的な目的は、記録層の周方向の配向度の向上を図り、高記録密度化が可能な新規な磁気記録媒体の製造方法を提供することである。さらには、磁気記録媒体表面の平滑化と周方向の配向度の向上の両立を図り、高記録密度化が可能な新規な磁気記録媒体の製造方法を提供することである。
本願発明者等は、シード層の種々の材料の探索および製造条件の鋭意検討の結果、非磁性CoW合金材料を用いて斜め入射スパッタ法により非晶質のシード層を形成し、その表面を酸化処理することで、下地層を介して記録層の磁性粒子の磁化容易軸が磁気記録媒体の記録方向、すなわち磁気ディスクの周方向に配向し、周方向の配向度(=周方向保磁力/半径方向保磁力)が高まることを見出した。
本発明の一観点によれば、基板上に形成された記録層を所定の記録方向に磁化して情報を記録する磁気記録媒体の製造方法であって、前記基板上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に下地層を形成する工程と、前記下地層上に記録層を形成する工程と、を備え、前記シード層の形成工程は、前記基板面に対向してターゲットを配置し、前記記録方向と基板法線方向とが形成する第1の面により分けられる一方の側から、基板法線方向に対して傾斜した所定の方向から前記ターゲットからスパッタ粒子を入射させて非晶質のCoW合金材料からなるシード層を形成する処理と、前記シード層の表面を酸化させる酸化処理を行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法が提供される。
本発明によれば、非晶質の非磁性CoW合金材料からなるシード層を斜め入射スパッタ法により形成し、その表面を酸化処理することで、記録層を構成する磁性粒子の磁化容易軸の周方向の配向度が向上し、静磁気特性およびS/N比が向上する。さらに、基板表面にメカニカルテクスチャを形成しなくとも記録層の配向度を高めることができるのでメカニカルテクスチャに起因する磁気記録媒体表面の粗面化を回避して、磁気記録媒体の表面平滑化と配向度の向上を両立することができ、一層の高記録密度化が可能となる。
また、本発明は、メカニカルテクスチャを併用して記録層の配向度を一層高めることができ、一層の高記録密度化が可能となる。なお、従来のメカニカルテクスチャよりも表面粗さの小さいメカニカルテクスチャを用いることで、磁気記録媒体の表面平滑化と配向度向上の両立を図ることができる。
本発明によれば、磁気記録媒体の記録層の配向度の向上を図り、また、磁気記録媒体表面の平滑化と周方向の配向度の向上の両立を図り、高記録密度化が可能な磁気記録媒体を提供できる。
以下図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る磁気記録媒体の製造方法により製造された磁気記録媒体の断面図である。
図1を参照するに、磁気記録媒体10は、ディスク基板11と、ディスク基板11上に、シード層12、下地層13、記録層18、保護層19、及び潤滑層20が順次形成された構成となっており、シード層12の表面には表面酸化部12aが形成されている。また、記録層18は、第1磁性層14、非磁性結合層15、および第2磁性層16からなり、第1磁性層14と第2磁性層16とが非磁性結合層15を介して反強磁性的に交換結合した交換結合構造を有し、第1磁性層14および第2磁性層16の面内方向に配向した磁化は、外部磁界が印加されない状態で互いに反平行方向に向いている。
磁気記録媒体10は、従来のメカニカルテクスチャをディスク基板11やシード層12の表面に形成しない場合でも、本発明の特徴であるシード層12によって記録層18を構成する結晶粒の磁化容易軸がディスク基板11の周方向に配向し、周方向保磁力Hccや、周方向の配向度(=周方向保磁力Hcc/半径方向保磁力Hcr)が向上する。以下、具体的に磁気記録媒体10を説明する。
ディスク基板11は、例えばディスク状のプラスチック基板、ガラス基板、NiPめっきアルミ合金基板、シリコン基板などを用いることができる。ディスク基板11にはテクスチャ処理が施されていてもよく、施されてなくてもよい。例えば、プラスチック基板やガラス基板、NiPめっきアルミ合金基板の表面に周方向、すなわちトラック長手方向にメカニカルテクスチャを形成してもよく、レーザテクスチャを形成してもよい。テクスチャ処理により、ディスク基板の周方向にメカニカルテクスチャを形成することで、シード層12による記録層18の周方向の配向度向上効果に加え、一層配向度を高めることができる。メカニカルテクスチャの粗さは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いた平均表面粗さで0.2nm〜0.5nmの範囲に設定することが好ましく、0.5nmよりも大きいと磁気記録媒体表面の表面粗さが増大し高記録密度化を十分に図れず、0.2nmよりも小さいとメカニカルテクスチャに起因する周方向向上の効果が低下する。
シード層12は、非晶質の非磁性CoW合金材料から構成される。シード層12は、斜め入射スパッタ法(後程の製造方法の説明において詳述する。)により形成され、その表面が酸化され表面酸化部12aが形成されている。
CoW合金材料は、非晶質状態である場合は(後述する実施例において示す。)周方向の配向度が向上する。例えば、非晶質状態になるCoW膜のW濃度は、30原子%〜60原子%の範囲に設定される。また、CoW合金材料は、CoW、およびCoW−Mとして、M=B、Nおよびうち少なくとも1種を用いることができる。
また、シード層12の厚さは5nm〜30nmの範囲に設定される。シード層12の膜厚は、電磁変換特性の点で、ディスク基板11の表面や、シード層12の下地として任意に設けられる他のシード層12にメカニカルテクスチャが形成される場合は、5nmから15nmの範囲に設定されることが好ましく、メカニカルテクスチャが形成されない場合は、5nm〜25nmの範囲に設定されることが好ましい。
シード層12の表面酸化部12aは、シード層12の表面に層状となって表面を覆う必要はなく、島状でもよい。表面酸化部12aは、シード層がCoWの場合、CoWが酸化した状態、あるいはCoまたはWが選択的に酸化した状態のいずれかであると推察される。
なお、シード層12の下地として、シード層12と同様の材料を垂直入射スパッタ法により形成した層を5nm〜30nmの範囲に厚さで形成してもよい。この層を設けることでシード層12の初期の堆積状態が良好となり、記録層18の周方向の配向度を一層高めることができ、また、シード層12の厚さを低減することができる。
下地層13は、例えば、Cr、Cr−X合金(X=Mo、W、V、B、Mo、およびこれらの合金)より構成される。下地層13はシード層12の表面酸化部上に結晶粒径の均一な層を形成し、かつ(001)面又は(112)面が面内方向に良好な配向を示す。また下地層13はこれらのCr、Cr合金からなる層を複数積層してもよい。積層することにより下地層13の結晶粒の肥大化を抑制し、さらには第1磁性層14及び第2磁性層16の結晶粒の肥大化を抑制することができる。下地層13は、シード層12がCoWの場合、記録層18の周方向の配向度の点で、Cr膜/CrMo膜の積層体が好ましい。
第1磁性層14は、厚さが0.5nm〜20nmの範囲に設定され、Co、Ni、Fe、Co系合金、Ni系合金、Fe系合金等から構成される。Co系合金では、特にCoCrTa、及びCoCrPtが好ましく、結晶粒の粒径の制御の点でCoCrPt−M(M=B、Mo、Nb、Ta、W、Cu及びこれらの合金)がさらに好ましい。また、第1磁性層14はこれらの材料からなる層を複数積層してもよい。第2磁性層16の面内配向性を向上することができる。
非磁性結合層15は、例えばRu、Rh、Ir、Ru系合金、Rh系合金、Ir系合金などから構成される。これらのうち、Rh、Irはfcc構造を有するのに対しRuはhcp構造を有しCoCrPt系合金の格子定数a=0.25nmに対しRuはa=0.27nmで近接しているのでRuあるいはRu系合金が好適である。Ru系合金としてはCo、Cr、Fe、Ni、及びMnのうちいずれか一つ、またはこれらの合金とRuの合金が好適である。
また、非磁性結合層15の厚さは0.4nm〜1.5nm(好ましくは0.6nm〜0.9nm、Ru合金では合金中のRuの含有量にもよるが0.8nm〜1.4nm)の範囲に設定される。非磁性結合層15を介して第1磁性層14と第2磁性層16とが交換結合し、非磁性結合層15の厚さをこの範囲に設定することにより第1強磁性層26の磁化と第2磁性層16の磁化とが反強磁性的に結合し、図1に示すように外部磁界が印加されていない状態では互いに反平行となる。特に、非磁性結合層15の厚さは非磁性結合層の厚さに依存した振動型交換結合の反強磁性的な第1のピーク(最も薄膜側のピーク)に合わせることが特に好ましい。
第2磁性層16は、厚さが5nm〜20nmの範囲に設定され、第1磁性層14と同様の材料から構成される。また、第1磁性層14と第2磁性層16との関係において、第1磁性層14、第2性層16のそれぞれの残留磁化をMr1、Mr2、膜厚をt1、t2と表すと、Mr1×t1<Mr2×t2に設定することが好ましい。第2磁性層16が正味の残留面積磁化と同じ方向の磁化を有し、磁気ヘッドの記録磁界の反転位置に対応して第2磁性層16に情報を正確に記録することができる。なお、Mr1×t1>Mr2×t2と設定してもよい。第1磁性層14および第2磁性層16が薄膜化されると、上記記録の際の問題点は解消される。
また、第2磁性層16を構成する材料は、第1磁性層14を構成する材料と異ならせてもよい。例えば、第2磁性層16を構成する材料は、第1磁性層14を構成する材料よりも異方性磁界が大きくなる材料から選択される。このような材料を選択する手法としては、第1磁性層にPtを添加せず第2磁性層にPtを添加し、あるいは第1磁性層よりも第2磁性層の方がPt濃度(原子濃度として)を高く設定する。例えば第1磁性層がCoCrの場合は、第2磁性層をCoCrPtとする。第1磁性層がCoCrPt8の場合は、第2磁性層をCoCrPt12とする(組成の数値は原子濃度を示し、本明細書において以下同様である。)。
以上のように記録層18は、非磁性結合層15を挟んで積層された第1磁性層14と第2磁性層16とが反強磁性的に交換結合して構成されている。したがって、磁化の実質的な体積は、交換結合した第1磁性層14と第2磁性層16との和となるので、記録層18が単層である場合よりも磁化の実質的な体積が増加し、磁化の熱安定性が向上する。
なお、記録層18は磁性層が2層に限定されず3層以上の磁性層が積層して構成されてもよい。磁性層が互い交換結合し、そのうちの少なくとも2つ層が反強磁性的に結合していればよい。また、記録層18が単層の磁性層から構成されてもよい。
保護膜19は、厚さが0.5nm〜10nm(好ましくは0.5nmから5nm)の範囲に設定され、例えばダイヤモンドライクカーボン、窒化カーボン、アモルファスカーボンなどにより構成される。
潤滑層20は、例えばパーフルオロポリエーテルを主鎖として末端基が−OH、ベンゼン環等よりなる有機系液体潤滑剤より構成される。具体的には、厚さが0.5nm〜3.0nmのZDol(Monte Fluos社製 末端基:−OH)、AM3001(アウジモント社製、末端基:ベンゼン環)、Z25(Monte Fluos社製)等を用いることができる。なお、潤滑剤は保護膜19の材質に合わせて適宜選定される。なお、保護膜19の種類に応じて、潤滑層20は設けなくてもよい。
なお、ディスク基板11とシード層12との間に他のシード層(不図示)を設けてもよい。他のシード層は、非磁性材料、例えばNiP、CrTi等からなり、テクスチャ処理が施されていてもよく、施されてなくてもよい。なお、他のシード層がNiP等のアモルファス材料の場合は酸化処理されていることが好ましい。第1磁性層14及び第2磁性層16のc軸の面内配向が向上する。また、他のシード層は、第1磁性層14及び第2磁性層16の磁化容易軸の面内配向性を向上させる公知の材料であればNiPの替わりに用いることができる。
また、下地層13と第1磁性層14との間に非磁性中間層(不図示)を設けてもよい。非磁性中間層は、例えばCoCr合金に元素あるいは合金M1を添加したhcp構造を有する非磁性合金から構成され、厚さが1nm〜5nmの範囲に設定される。ここでM1は、Pt、B、Mo、Nb、Ta、W、Cu及びこれらの合金から選択される。非磁性中間層は下地層13の結晶性及び結晶粒サイズを引き継いでエピタキシャル成長し、非磁性中間層上にエピタキシャル成長する第1磁性層14及び第2磁性層16の結晶性を向上し、結晶粒(磁性粒子)サイズの分布幅を減少させ、面内方向の磁化容易軸の配向を促進する。また、非磁性中間層は、上記合金からなる層を複数積層してもよい。第1磁性層14及び第2磁性層16の配向をさらに向上することができる。なお、第1磁性層14あるいは第2磁性層16の格子定数に対して、非磁性中間層の格子定数を数%だけ異ならせて、非磁性中間層と第1磁性層14の界面又は第1磁性層14中に、面内方向に内部応力を発生させる構成としてもよい。第1磁性層14の保磁力を増加することができる。
次に、本実施の形態に係る磁気記録媒体の製造方法を説明する。
図2(A)〜(D)は、本発明の実施の形態に係る磁気記録媒体の製造工程を示す図である。
最初に、図2(A)の工程では、ディスク基板11の表面を洗浄・乾燥後、ディスク基板を真空雰囲気で例えばPBN(熱分解窒化ホウ素)ヒータを用いて、例えば170℃〜200℃に加熱する。
図2(A)の工程ではさらに、ディスク基板11の表面にスパッタ装置を用いて斜め入射スパッタ法によりシード層12を形成する。チャンバー内は、例えば、一旦10-5Pa以下の真空度まで排気後、Arガスを0.67Paとして、DCマグネトロンスパッタ法により、投入パワーを1kWに設定し、4秒間放電させて、例えば厚さ5nmのシード層12を形成する。本実施の形態の特徴である斜め入射スパッタ法によるシード層12の形成は以下のようにして行う。
図3は、スパッタ装置の要部を示す斜視図である。図3は、ディスク基板とスパッタターゲット等の配置を概略的に示している。
図3を参照するに、スパッタ装置30は、チャンバー(不図示)内に、直立して保持されたディスク基板11に対向して、被スパッタ面をディスク基板11側としたシード層材料からなる環状のスパッタターゲット31と、スパッタターゲット31の背後に配置された磁石ユニット32と、ディスク基板11とスパッタターゲット31との間に配置された回転シールド部33と、図示を省略したチャンバー内を排気する排気系と、雰囲気ガスを導入するガス導入系と、スパッタターゲットに放電用の電力を供給するスパッタ電源等から構成されている。
スパッタ装置30は、磁石ユニット32から生じる磁力線によりスパッタターゲット31の表面付近に雰囲気ガスのイオン、例えばArイオンと電子からなる放電プラズマを閉じ込める。Arイオンはターゲット表面の所定の位置のスパッタターゲット材料をスパッタし、スッパタされて放出された粒子(以下、「スパッタ粒子」という。)は、ディスク基板11に向けて略直進して到達しシード層を形成する。スパッタ粒子が放出されたスパッタターゲット表面にはエロージョン領域31aが形成される。
回転シールド部33は、ディスク基板11、スパッタターゲット31、磁石ユニット32の各々の中心軸と同軸の回転軸33aと、スパッタターゲット32の表面に対して垂直な面を有し、回転軸33aから半径方向の外周側に延在する複数のシールド板33bから構成されている。
シールド板33bは、円周方向に等角度に配置されており、シールド板33bの径方向の長さ(中心軸Axから外周側端部までの長さ)は、ディスク基板11の基板半径と略同じかそれよりも長く設定する。ディスク基板11の径方向に飛行するスパッタ粒子が、周方向に飛行するスパッタ粒子よりも容易にディスク基板11の表面に到達するようして、スパッタ粒子がディスク基板11の径方向から逸れる方向に傾斜して堆積することを抑制するようになっている。また、シールド板33bをこのように設定することで、スパッタ粒子がディスク基板の中心付近を超えて反対側のディスク基板表面に堆積することを防止する。したがって、ディスク基板11の表面上に、成長方向のバラツキが小さいシード層の結晶粒が形成される。
なお、シールド板33bの径方向の長さを基板半径よりも小さくしてもよい。スパッタ粒子がディスク基板11の中心付近を超えて反対側のディスク基板表面に堆積することを防止する。
回転シールド部33は、絶縁性材料により表面あるいはそれ自体が構成され、放電プラズマの分布やチャンバー内の電位分布への影響を防止するよう構成されている。また、回転シールド部33の回転軸33aはスパッタターゲットの背後に設けられた回転駆動部34に接続され、円周方向に回動するようになっている。回転速度は例えば60rpmであり、シード層の膜厚分布を均一化し、またシールド板33bに一様にスパッタ粒子が付着するようにしてシールド板33bの保守サイクルを長時間化する。なお、回転シールド部33は回転させなくともよい。
図4は図3の要部断面図である。図4は、図3に示すディスク基板11、スパッタターゲット31、磁石ユニット32の略一致する中心軸Axを通る断面図であり、上下対称であるので中心軸Axより略上側のみを示している。
図3と図4を合わせて参照するに、磁石ユニット32は、磁石台32aと磁石部32bから構成され、磁石部32bは、外側環状磁石35と内側環状磁石36とヨーク38から構成され、外側環状磁石35及び内側環状磁石36は図に示される方向に磁化された永久磁石であり、ヨーク38は軟磁性材料から構成される。磁石部32bの磁力線MFは、内側環状磁石36のN極からスパッタターゲット31を透過し、スパッタターゲット31の表面で折り返して外側環状磁石35のS極に戻るように形成される。この磁力線MFに閉じ込められた放電プラズマを構成するArイオンは、スパッタターゲット表面をスパッタし、スパッタ粒子を放出すると共にスパッタターゲット31の表面を浸食し、エロージョン領域31aが形成される。なお、外側環状磁石35及び内側環状磁石36を電磁石としてもよい。
本実施の形態では、磁石部32bの配置によりスパッタターゲット31のエロージョン領域31aをディスク基板11の外周端11aよりも外周側に形成し、ディスク基板11のスパッタ粒子を外周側から内周側に向かってディスク基板11に斜めに入射させる。なお、スパッタターゲット31の内周端31bをディスク基板11の外周端11aよりも外周側としてもよい。
ここで、入射角θINCは、エロージョン領域の中心TEROとディスク基板11の表面のトラック領域(最内周位置DINと最外周位置DOUTとの間の領域)の堆積位置を結んだ入射仮想線と基板法線方向NORとのなす角とし、エロージョン領域の中心TEROは、外側環状磁石の中心線35cと内側環状磁石の中心線36cとの間の2等分位置31acとスパッタターゲット31の表面(スパッタターゲットの使用開始前の表面)との交点とする。
また、中心軸Ax付近には回転シールド板33bが設けられているので、ディスク基板11の半径方向に飛行するスパッタ粒子のうち中心軸Axを越えようとするものはここで遮蔽されて付着し、スパッタ粒子が中心軸を越えてディスク基板11に到達することを防止する。
次いで、図2(B)の工程では、自然酸化法により、チャンバー内でシード層12の表面を酸素含有雰囲気に曝露する酸化処理を行う。酸素含有雰囲気は、チャンバー内にAr等の希ガスと酸素ガスを同時に供給し、例えば酸素ガス流量を10sccm〜30sccm、圧力0.06Pa〜0.18Pa、処理時間2秒〜4秒に設定して行う。
なお、酸素含有雰囲気に曝露する前に、シード層12が形成されたガラス基板を真空中あるいは希ガス雰囲気で加熱あるいは冷却し、酸化処理により形成される表面酸化部12aの膜厚、あるいは表面酸化部12aが島状の場合の面内分布等を制御してもよい。
次いで、図2(C)の工程では、シード層12上に、上述した材料からなる下地層13、第1磁性層14、非磁性結合層15、第2磁性層16をスパッタ法により順次形成する。これらの層13〜16は具体的には、DCマグネトロン法によりアルゴンガス雰囲気中で圧力0.67Paに設定して、スパッタ粒子が垂直にディスク基板11面に略垂直に入射するように形成する。なお、第1磁性層14あるいは非磁性結合層15を形成する前にディスク基板11を再度加熱してもよい。加熱温度を270℃以下に設定し、200℃〜240℃に設定することが好ましい。
次いで、図2(D)の工程では、第2磁性層16上に、スパッタ法、CVD法、FCA法等により、例えば厚さ3nmダイヤモンドライクカーボン等の上述した材料よりなる保護膜19を形成する。なお、図2(A)の基板加熱工程から図2(D)の保護膜形成工程までは、チャンバー内で行い、搬送中も含めて外気に露出しないで各工程を行うことが好ましい。
図2(D)の工程ではさらに、上述した潤滑剤を有機溶媒等で希釈した塗布液を用いて、浸漬法(引き上げ法、液面低下法)、スピンコータ法、蒸気噴射法等により、例えば厚さ1.5nmの潤滑層20を形成する。以上により磁気記録媒体が形成される。
本実施の形態に係る磁気記録媒体の製造方法によれば、シード層12を形成する工程において、スパッタターゲット31のエロージョン領域31aをディスク基板11よりも外側に形成するように設定することにより、スパッタ粒子が外周側からディスク基板に入射し、基板法線方向NORに対して外周側に傾斜して堆積する。スパッタ粒子が傾斜して堆積するので、記録層18の磁化容易軸を周方向に配向し、周方向の配向度を向上することができ、高密度記録化が可能となる。
また、本実施の形態に係る磁気記録媒体の製造方法によれば、ディスク基板11とスパッタターゲット31との間に回転シールド部33を設けることにより、シード層12を形成するスパッタ粒子がディスク基板11の中心付近を超えて反対側のディスク基板11の表面に堆積することを防止することで、スパッタ粒子が一方向すなわち外周側に傾斜して堆積し、記録層18の磁化容易軸の周方向の配向度を一層向上することができる。次に本実施の形態に係る実施例を説明する。
[実施例1]
磁気記録媒体としてDCマグネトロンスパッタ装置を用いて以下の構成の磁気ディスクを形成した。
ガラス基板(直径65mm)/表面酸化Co6040膜(10nm)/Cr膜(4nm)/Cr75Mo25膜(3nm)/Co82Cr13Ta5膜(3.5nm)/Ru膜(0.8nm)/CoCrPt127Cu4膜(14nm)/カーボン膜(4nm)/潤滑層(1.5nm)
ただし、ガラス基板以外は、かっこ内の数値は膜厚を表し、組成の数値は原子%で表している。
実施例1に係る磁気ディスクを以下のようにして形成した。最初に、表面が平滑なガラス基板を洗浄し、次いでPBNヒータを用いて真空中でガラス基板を170℃に加熱した。
このようなガラス基板の表面に、図3および図4に示すDCマグネトロンスパッタ装置を用いて斜め入射スパッタ法によりCo6040膜を形成した。Co6040膜は、Co6040のスパッタターゲットの半径47.0mm〜74.0mm(中心位置61.0mm)にエロージョン領域を形成し、ガラス基板の外周側から入射角θINCが、最外周位置(図4に示すDOUTの位置、半径30mm)で中心入射角37.8度(入射角範囲23.0度〜47.8度)、最内周位置(図4に示すDINの位置、半径12mm)で中心入射角50.8度(入射角範囲41.2度〜57.2度)になるように設定して、円周方向に30度の間隔でシールド板を設けた図3に示す回転シールド部(回転数:60rpm)を用い、Arガス雰囲気中(Arガス圧力0.67Pa)で形成した。
このようにCo6040膜が形成されたガラス基板を、酸素ガス(流量:30sccm)の雰囲気(圧力:0.17Pa)に暴露し、Co6040膜表面の酸化処理を行った。処理時間は4秒とした。
表面が酸化されたCo6040膜に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて垂直入射スパッタ法により、Cr膜〜カーボン膜の各々の膜を順次形成した。次いで引き上げ法により潤滑層をカーボン膜の表面に塗布し、上記の構成の実施例1の磁気ディスクを形成した。
[比較例1]
Co6040膜を垂直入射スパッタ法によりスパッタターゲットのエロージョン領域をほぼガラス基板に対向する位置とし、中心入射角θINCを0度とし、回転シールド部を用いなかった以外は実施例1と同様にして磁気ディスクを形成した。
[実施例2、実施例3、比較例2]
実施例1のCo6040のターゲットの換わりに、それぞれCo7030(実施例2)、Co5050(実施例3)、Co3070(比較例2)の各ターゲットを用いた以外は実施例1と同様にして磁気ディスクを形成した。
図5は、実施例1〜3および比較例1〜2に係る磁気ディスクの特性を示す図である。図5に示すシード層の結晶形態は、X線ディフラクトメータを用いてθ−2θスキャンにより測定した。なお、各磁気ディスクのCoW膜の膜厚を100nmとして、表面酸化およびCr膜〜潤滑層までを省略した測定試料を用いた。また結晶質および非晶質の判定は、回折線が認められない場合を非晶質とした。
また、磁気特性は振動試料型磁力計を用いて、磁気ディスクの周方向および半径方向に各々印加磁界を印加してヒステリシスループを測定し、周方向保磁力Hcc、配向度(=Hcc/Hcr)、および保磁力角型比(周方向)を求めた。配向度が1.00の場合は第2磁性層の磁化容易軸(c軸)が面内に等方的に配向していることを示し、配向度が大きい程、磁化容易軸の周方向の配向が促進されていることを示す。
S/N比は、素子幅0.16μmのGMR再生素子と誘導型記録素子を有する複合型磁気ヘッドを用いて測定した。S/N比はそれぞれ414kFCIでの平均出力Sおよび媒体ノイズN(二乗平均平方根値、RMS値)を測定し、S/N比=20×log(S/N)(dB)とした。
なお、静磁気特性およびS/N比の測定半径を14.5mmとし、この位置でのCoW膜の入射角は実施例1〜3および比較例2では、中心入射角が49.3度、入射角の範囲は、39.1度〜56.1度である。
図5を参照するに、実施例1と比較例1とを比較すると、周方向保磁力Hccは、比較例1よりも実施例1が高くなっている。さらに、比較例1は周方向の配向度が1.00であり等方的に配向しているのに対し、実施例1では、配向度が1.01になっており、周方向の磁化容易軸の配向が促進されていることが分かる。したがって、シード層を垂直入射スパッタ法により形成した比較例1よりも斜め入射スパッタ法により形成した実施例1の方が記録層の磁化容易軸の周方向の配向が向上していることが分かる。斜め方向に入射したCoおよびW原子の堆積状態により形成されたシード層の表面形状によるものと推察される。また、S/N比については、比較例1よりも実施例1の方が高くなっている。周方向の配向が向上することでS/N比が増加し、その結果、高記録密度化を図れる。
また、斜め入射スパッタ法により形成した実施例1〜3と比較例2とを比較すると、比較例2よりも実施例1〜3の方が、周方向の配向度が高く、S/N比が向上している。これは、比較例2はCo3070からなるシード層が結晶質であるのに対し、実施例1〜3は、W濃度が30原子%〜50原子%のCoW膜が非晶質であり、このことから、CoW膜が非晶質の場合が周方向の配向が向上することが分かる。
[実施例4]
ガラス基板の表面に、テクスチャ加工装置を用いて円周方向に平均表面粗さRaが0.27nmのメカニカルテクスチャを形成した以外は、実施例1と同様にして磁気ディスクを形成した。
[比較例3]
実施例4と同様のメカニカルテクスチャを形成したガラス基板を用いて、比較例1と同様にして磁気ディスクを形成した。
図6は、実施例4および比較例3に係る磁気ディスクの特性を示す図である。なお、結晶形態、静磁気特性、S/N比の条件は図5の説明の条件と同様である。
図6を参照するに、実施例4と比較例3を比較すると、周方向保磁力Hccは、比較例3よりも実施例4が高くなっており、さらに、比較例3に係る磁気ディスクは周方向の配向度が1.08であるのに対し、実施例4では、配向度が1.09になっており、周方向の磁化容易軸の配向が促進されていることが分かる。したがって、ガラス基板表面にメカニカルテクスチャが形成されている場合であっても、斜め入射スパッタ法によりシード層を形成することで、周方向の磁化容易軸の配向を一層高めることができる。
また、S/N比についても、比較例3よりも実施例4の方が高いことが分かる。周方向の配向が向上することでS/N比が増加し、その結果、高記録密度化を図れる。
(磁気記憶装置)
図7は、磁気記憶装置の要部を示す図である。図7を参照するに、磁気記憶装置60は大略ハウジング61からなる。ハウジング61内には、スピンドル(図示されず)により駆動されるハブ62、ハブ62に固定され回転される磁気記録媒体63、アクチュエータユニット64、アクチュエータユニット64に取り付けられ磁気記録媒体63の半径方向に移動されるアーム65及びサスペンション66、サスペンション66の先端に磁気ヘッド68が設けられている。記録再生ヘッド68は、MR素子(磁気抵抗効果型素子)、GMR素子(巨大磁気抵抗効果型素子)、又はTMR素子(トンネル磁気効果型)等の再生ヘッドと誘導型の記録ヘッドとの複合型ヘッドからなる。この磁気記憶装置60の基本構成自体は周知であり、その詳細な説明は本明細書では省略する。
磁気記憶装置60は磁気記録媒体63に特徴がある。磁気記録媒体63は、例えば本実施の形態の磁気記録媒体の製造方法により形成された図1に示す磁気記録媒体である。磁気記録媒体63は、周方向の配向度が高く、S/N比に優れているので、高記録密度化が可能である。また、メカニカルテクスチャが形成されていないディスク基板を用いることで磁気記録媒体の表面粗さが低減され、記録再生ヘッド68の浮上量を低減することができ、一層高記録密度化が可能である。
なお、本実施の形態に係る磁気記憶装置60の基本構成は、図7に示すものに限定されるものではなく、記録再生ヘッド68は上述した構成に限定されず、公知の記録再生ヘッドを用いることができる。
磁気記憶装置60は、磁気記録媒体63が、周方向の配向度が向上し、優れた静磁気特性およびS/N比を有するので高記録密度化が可能である。
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、実施の形態では、磁気ディスクを例として説明したが、ディスク基板の換わりにテープ状の基板、例えば、テープ状のPET、PEN、ポリイミド等のプラスチックフィルムを用いて、シード層をテープの幅方向の一方の側から、基板法線方向から所定の角度を傾斜させてスパッタ粒子を入射させて、テープ長手方向の配向度を向上した磁気テープとしてもよい。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 基板上に形成された記録層を所定の記録方向に磁化して情報を記録する磁気記録媒体の製造方法であって、
前記基板上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に下地層を形成する工程と、
前記下地層上に記録層を形成する工程と、を備え、
前記シード層の形成工程は、
前記基板面に対向してターゲットを配置し、
前記記録方向と基板法線方向とが形成する第1の面により分けられる一方の側から、基板法線方向に対して傾斜した所定の方向から前記ターゲットからスパッタ粒子を入射させて非晶質のCoW合金材料からなるシード層を形成する処理と、
前記シード層の表面を酸化させる酸化処理を行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(付記2) 前記第1の面に対してほぼ垂直な第2の面内で、かつ、前記所定の方向から前記合金材料の粒子を入射させることを特徴とする付記1記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記3) 前記基板はディスク基板であり、前記第1の面の外周側から前記粒子を入射させることを特徴とする付記1または2記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記4) 前記ターゲットのエロージョン領域が、ディスク基板の外周端よりも外側に形成されてなることを特徴とする付記3記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記5) 前記ターゲットとディスク基板が略同軸に配置され、
前記ターゲットは、その内径縁がディスク基板の外径縁よりも外側となる環状形状を有することを特徴とする付記4記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記6) 前記ターゲットとディスク基板との間に、エロージョン領域からディスク基板の中心付近を超えて反対側に到達するスパッタ粒子を遮蔽する遮蔽手段を設け、
前記遮蔽手段は、
複数の遮蔽板と、該遮蔽板を互いに固着する共に、ディスク基板の中心を通る基板法線方向の軸と略一致する回転軸からなり、
前記遮蔽板は、回転軸を中心に半径方向に延在し、円周方向に略等角度の間隔で配置されてなることを特徴とする付記3〜5のうち、いずれか一項記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記7) 前記遮蔽手段は、回転軸を中心に遮蔽板が回転することを特徴とする付記6記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記8) 前記シード層を形成する工程の前に、
前記ディスク基板の表面に略記録方向にメカニカルテクスチャを形成する工程をさらに備えることを特徴とする付記3〜7のうち、いずれか一項記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記9) 前記CoW合金材料はCoWであり、該CoWのW濃度が30原子%〜60原子%の範囲であることを特徴とする1〜8のうち、いずれか一項記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記10) 前記下地層は、CrまたはCr−X合金(X=Mo、W、V、B、Mo、およびこれらの合金)からなることを特徴とする付記1〜9のうち、いずれか一項記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記11) 前記記録層を形成する工程は、第1の磁性層、非磁性中間層、第2の磁性層を順次堆積する処理からなり、
前記記録層は、第1の磁性層の磁化と前記第2の磁性層の磁化とが反強磁性的に交換結合してなることを特徴とする付記1〜10のうち、いずれか一項記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記12) 前記1〜11のうち、いずれか一項記載の磁気記録媒体の製造方法により製造された磁気記録媒体と、記録再生ヘッドを有する記録再生手段とを備える磁気記憶装置。
本発明の実施の形態に係る製造方法により形成された磁気記録媒体の断面図である。 (A)〜(C)は第1の実施の形態に係る磁気記録媒体の製造工程を示す図である。 スパッタ装置の要部を概略的に示す斜視図である。 図3に示すスパッタ装置の要部断面図である。 実施例および比較例に係る磁気ディスクの特性(その1)を示す図である。 実施例および比較例に係る磁気ディスクの特性(その2)を示す図である。 磁気記録装置の要部を示す図である。
符号の説明
10 磁気記録媒体
11 ディスク基板
12 シード層
12a 表面酸化部
13 下地層
14 第1磁性層
15 非磁性結合層
16 第2磁性層
18 記録層
19 保護膜
20 潤滑層
30 スパッタ装置
31 スパッタターゲット
31a エロージョン領域
32 磁石ユニット
32a 磁石台
32b 磁石部
33 回転シールド部
33a 回転軸
33b シールド板
34 回転駆動部
35 外側環状磁石
36 内側環状磁石
38 ヨーク
60 磁気記憶装置
NOR 基板法線方向
θINC 入射角

Claims (5)

  1. 基板上に形成された記録層を所定の記録方向に磁化して情報を記録する磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記基板上にシード層を形成する工程と、
    前記シード層上に下地層を形成する工程と、
    前記下地層上に記録層を形成する工程と、を備え、
    前記シード層の形成工程は、
    前記基板面に対向してターゲットを配置し、
    前記記録方向と基板法線方向とが形成する第1の面により分けられる一方の側から、基板法線方向に対して傾斜した所定の方向から前記ターゲットからスパッタ粒子を入射させて非晶質のCoW合金材料からなるシード層を形成する処理と、
    前記シード層の表面を酸化させる酸化処理を行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記基板はディスク基板であり、前記第1の面の外周側から前記粒子を入射させることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記ターゲットのエロージョン領域が、ディスク基板の外周端よりも外側に形成されてなることを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記ターゲットとディスク基板との間に、エロージョン領域からディスク基板の中心付近を超えて反対側に到達するスパッタ粒子を遮蔽する遮蔽手段を設け、
    前記遮蔽手段は、
    複数の遮蔽板と、該遮蔽板を互いに固着する共に、ディスク基板の中心を通る基板法線方向の軸と略一致する回転軸からなり、
    前記遮蔽板は、回転軸を中心に半径方向に延在し、円周方向に略等角度の間隔で配置されてなることを特徴とする請求項2または3記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記CoW合金材料はCoWであり、該CoWのW濃度が30原子%〜60原子%の範囲であることを特徴とする1〜4のうち、いずれか一項記載の磁気記録媒体の製造方法。
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