JP2006039398A - 印刷版原版露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷版原版の感光層の表面の酸素を確実に遮断した状態で感光層を露光することが出来る印刷版原版露光装置を提供する。
【解決手段】印刷版原版を保持する透明基板と、この透明基板に保持された印刷版原版の支持体の側の表面全体を覆って透明基板の全周縁部と密着する前記被覆部材とで形成される閉空間の真空排気に同期させて、スクイズ手段を被覆部材の一方の側から他方の側に相対的に移動しながら、印刷版原版の感光層と透明基板との間の空気を、一方の側から他方の側に向かって徐々に押し出して、透明基板の表面に印刷版原版の感光層の全面を略完全に密着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、板状の支持体の表面にラジカル光重合によって潜像が記録される感光層を有し、感光層表面に酸素遮断層を有さない印刷版原版を露光する、印刷版原版露光装置に関するものである。
従来から、親水性のアルミ支持体上に感光層が形成された印刷版原版において、感光層についてラジカル重合反応を利用して、レーザ光により露光された領域をポリマー化して硬化させる技術が一般的に知られている。この場合、空気中の酸素は、露光により発生した感光層中のラジカルを失活化させる性質があり、上述の印刷版原版において、ラジカル重合反応を妨げる要因になっている。このため、印刷版原版を高感度化することができないという問題があり、露光のためのレーザ光の強度を高くする必要がある。
上述の問題を解決するための対策として、アルミ支持体上に形成された感光層の上にオーバーコート層を形成して空気中の酸素を遮断し、空気中の酸素が感光層内に入り込まないようにすることも行われている。しかし、このような酸素遮断用オーバーコート層を用いた場合、露光後の現像工程などにおいて、オーバーコート層を溶解除去する必要があるが、オーバーコート層は、現像工程での現像液にオーバーコート層が溶解せず固形成分として残留して、現像機の内部を汚染したり、現像液にオーバーコート層が溶け込んで固形成分として固まり、印刷版に付着して印刷時に印刷物の汚れを発生させるという問題があった。
このような問題を解決する、オーバーコート層が設けられていない印刷版原版であっても、所定の画像を露光により効率よく記録できる画像露光装置および画像露光方法が、例えば、特許文献1および特許文献2に提案されている。
特開平9−197655号公報 実開平5−47939号公報
上記特許文献1には、酸素遮断層を無くした感光材料(印刷版原版)に、この印刷版原版より大きな透明シートを感光層側に重ねて排気・減圧することで酸素濃度を下げて露光する印刷版の作成方法が開示されている。
図6(a)〜(c)は、特許文献1に記載の印刷版の作成方法を実施する露光装置の一例である露光装置100について説明する図である。
図6(a)〜(c)は、特許文献1に記載のインナードラム方式の2次元画像露光装置において、印刷版原版を保持する半円形ドラム102のドラム内面103に、印刷版原版104を配置して透明シート106を重ね合わせた状態を示した図である。なお、図6(a)〜(c)においては省略しているが、半円形ドラム102の内側には走査露光系を備えている。露光装置100の走査露光系は、図示しない照射光学系によってレーザービームをドラム内面103に向けて照射して、この照射光学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部または全部をドラムの軸に平行に直線移動させ軸方向に副走査を行なう。
図6(a)は、概略斜視図を、図6(b)は、概略平面図を、図6(c)は、図6(b)に示すA−A’線に沿って、半円形ドラム102、印刷版原版104および透明シート106を切断した際の概略断面図を、それぞれ示している。
半円形ドラム102には複数の吸引孔108が設けられており、半円形ドラム102のドラム内面103には、吸引孔108の端部である複数の吸引口110が開口している。この半円形ドラム102のドラム内面103には、支持体P12の表面に感光層P10が設けられた印刷版原版104が、支持体P12をドラム内面103の側にして配置される。この印刷版原版104の感光層P10の表面には透明シート106が重ね合わされ、この状態で吸引孔108から空気が吸引される。これにより、印刷版原版104は支持体P12の側がドラム内面103に吸着支持されるとともに、感光層P10と透明シート106との間隙の空気(酸素を含んだ気体である)が排気される。特許文献1では、このようにして印刷版原版104の感光層P10と透明シート106との間隙の空気を排気して、感光層P10の表面に透明シート106を密着させ、感光層P10を酸素遮断している。
しかし、この方法では、印刷版原版104の感光層P10と透明シート106との間の空気は、印刷版原版104の周辺部分112から一様に真空引きされる。図6(c)で示すように、印刷版原版104と透明シート106とが、印刷版原版104の周辺部分112において先に密着してしまった場合や、透明シート106が、吸引されることで吸引孔108の吸引口110が全て閉じてしまった場合など、中央部分114の空気は、吸引されなくなり、中央部分114に空気だまりが生じてしまう。このように、特許文献1に記載の方法では、中央部分の真空度を上げることが難しかった。このような空気だまりが生じると、この空気だまりの空気に含まれる酸素によって、露光よって発生する感光層のラジカル重合反応が阻害されるため、露光・現像後の画像に不良が生じるといった問題があった。
また、透明シートを介して露光を行っている為、透明シートに傷やしわや伸びや縮み等が発生した場合には、露光ビームが拡散されたり、または集束したりして、透過光量にむらができ、露光不良が発生するという問題があった。また、ここで用いる透明シートは、ある程度繰り返し使用できることが好ましいが、実際には扱いにくいこともあって傷やしわ等がつきやすく、また、伸びたり縮んだりして、早い段階で交換する必要があり、ランニングコストの上昇を招くという問題もあった。
上記特許文献2には、透光性フィルム状の原稿と写真感光材料(印刷版原版)を確実に真空密着させる方法として、スクイズローラを使用し、スクイズローラと吸引動作を連動させる方法が記載されている。より詳しくは、特許文献2では、複数の吸引孔を有する平板状部材の表面に、印刷版原版の支持体側を当接させて配置した後、印刷版原版の感光層表面に透光性フィルム状の原稿を重ねて、その上に透明性カバーシートを重ね合わせ、スクイズローラによって、カバーシートを介して原稿を印刷版原版に押圧しながらスクイズローラを一方向に移動させ、このスクイズローラの通過に従って、通過箇所に係る吸引孔より原稿と印刷版原版との間隙の空気を順次吸引して、原稿を印刷版原版に密着させ、カバーシートを介して原稿の側から光を照射して印刷版原版を露光している。
このような、特許文献2に記載の密着露光焼付装置では、平板状部材に印刷版原版の支持体側を当接させて配置し、印刷版原版の感光層表面に透光性フィルム状の原稿を重ね合わせ、さらにカバーシートを重ねている。このため、感光層を露光するには、原稿の側から、カバーシートを介して光を照射する必要がある。特許文献2に記載の密着露光焼付装置のように、スクイズローラで押圧して透光性フィルムを印刷版原版に密着させる場合、スクイズローラでの押圧に起因する、カバーシートに生じる傷やしわや伸びや縮み等を完全には防ぐことはできないし、透光性フィルムに傷やしわや伸びや縮み等を生じさせる虞もある。そのため、原稿の側から感光層に光を照射する必要がある特許文献2記載の密着露光焼付装置では、特に、走査露光によって印刷版原版の感光層を露光する場合など、カバーシートや透光性フィルムに生じる傷やしわによって、露光不良が発生してしまうといった問題があった。
また、特許文献2では、スクイズローラの通過に従って、多数の吸引孔より空気を吸引しており、吸引動作を順次切り替える為の多数の電磁弁や吸引動作の制御装置などが必要となり、装置が複雑で高価なものとなるといった問題もあった。
本発明の目的は、露光不良の発生がなく、かつ安価でランニングコストも安い、印刷版原版の感光層の表面における酸素を確実に遮断した状態で感光層を露光することが出来る印刷版原版露光装置を提供することにある。
上記問題を解決するため、本発明は、板状の支持体の表面にラジカル光重合によって潜像が記録される感光層を有し、感光層表面に酸素遮断層を有さない印刷版原版を露光する印刷版原版露光装置であって、前記印刷版原版を、その感光層を密着させて保持する、前記印刷版原版より大サイズの透明基板と、前記透明基板に保持された前記印刷版原版の前記支持体の側の表面全体を覆い、前記透明基板の全周縁部と密着する被覆部材と、前記印刷版原版を保持している前記透明基板と前記被覆部材とで形成される閉空間を真空排気する真空排気手段と、前記透明基板に保持された前記印刷版原版を覆う前記被覆部材を前記透明基板に押し付けて、その一方の側から他方の側に相対的に移動しながら前記閉空間内の空気を押し出すスクイズ手段と、前記透明基板を介して、前記透明基板に密着保持された前記印刷版原版の前記感光層を露光する露光手段と、前記印刷版原版の前記感光層を2次元的に走査露光するために、前記被覆部材に覆われて前記印刷版原版が密着保持された前記透明基板と前記露光手段とを相対的に移動させる第1移動手段とを有し、前記真空排気手段による前記閉空間の真空排気に同期させて、前記スクイズ手段を前記被覆部材の前記一方の側から前記他方の側に相対的に移動しながら、前記印刷版原版の前記感光層と前記透明基板との間の空気を、前記一方の側から前記他方の側に向かって徐々に押し出して、前記透明基板の表面に前記印刷版原版の前記感光層の全面を略完全に密着させ、前記印刷版原版の前記感光層から酸素を遮断し、この酸素遮断された前記印刷版原版の前記感光層の全面を、前記第1移動手段によって相対的に移動される前記露光手段によって走査露光することを特徴とする印刷版原版露光装置を提供する。
なお、前記スクイズ手段は、スクイズローラを備えることが好ましく、また、前記スクイズ手段は、前記閉空間を形成する前記透明基板と前記被覆部材とをそれらの外側から挟持押圧する一組のローラ対と、前記一組のローラ対を前記透明基板に密着保持された前記印刷版原版に対して相対移動させる第2移動手段とを備えることが好ましい。
また、前記スクイズ手段は、さらに、前記透明基板と前記被覆部材とを挟持押圧する前記一組のローラ対の少なくとも一方のローラを接離させる接離手段を備え、前記接離手段は、前記透明基板と前記印刷版原版の前記感光層との間の酸素遮断の開始時には、前記一組のローラ対の前記少なくとも一方のローラを近接させて、前記一組のローラ対に前記透明基板と前記被覆部材とを挟持押圧させ、前記酸素遮断の終了時には、前記一組のローラ対の前記少なくとも一方のローラを離隔させて、前記一組のローラ対による前記透明基板と前記被覆部材との挟持押圧を解放することが好ましい。
また、前記第1移動手段および前記第2移動手段は、前記被覆部材に覆われ、前記印刷版原版が保持された前記透明基板を移動させる透明基板移動手段であり、この透明基板移動手段は、前記一組のローラ対によって挟持押圧された状態で、第1の方向に、前記被覆部材に覆われ、前記印刷版原版が保持された前記透明基板を移動させて、前記印刷版原版の前記感光層全体を前記透明基板に密着させ、前記接離手段によって前記一組のローラ対による挟持押圧を解放した状態で、前記第1の方向と逆方向に、前記印刷版原版の前記感光層が密着された前記透明基板を副走査移動させながら、前記露光手段によって、前記透明基板を介して前記印刷版原版の前記感光層を2次元的に走査露光することが好ましい。
前記一組のローラ対の2つのローラは、それぞれ、両端部の径より中央部の径が大きいクラウンローラであることが好ましい。
また、前記露光手段は、前記透明基板を介して、前記印刷版原版の前記感光層に露光ビームを照射する光ビーム照射手段を備えることが好ましく、また、前記露光手段は、さらに、前記光ビーム照射手段を、前記第1移動手段による相対移動方向と直交する方向に往復動させる往復動手段を備えることが好ましい。
なお、前記透明基板は、ガラス基板であることが好ましい。また、前記被覆部材を、前記透明基板の前記密着保持表面に当接、または前記密着保持表面から隔離させる、被覆部材移動手段を有することが好ましく、さらに、前記透明基板の前記密着保持表面の所定の位置に、前記印刷版原版を配置する印刷版原版配置手段を有することが好ましい。
また、前記印刷版原版の前記感光層は、重合製化合物およびバインダーポリマーを含有し、波長250nm〜420nmの範囲に感光性があり、印刷インキおよび/または浸し水により除去可能であってもよい。
なお、本発明による印刷版原版露光装置では、感光層の露光終了後、充分な耐刷性が得られる重合反応の進行が完了するまでの所定時間、酸素をなくした状態を維持することが好ましい。さらに、露光前後の所定時間、酸素をなくした状態を維持することが好ましい。この時間は、重合開始剤、重合性化合物およびバインダーポリマーの組み合わせにより決定されるべきものであるが、一般的には数秒〜数十秒が好ましい。
また、酸素をなくした状態における酸素濃度も、重合開始剤、重合性化合物およびバインダーポリマーの組み合わせにより決定されるべきものであるが、一般的には、酸素濃度0.5%以下が好ましく、さらには0.05%以下が好ましい。
また、本発明の印刷版原版露光装置では、感光層について露光後の所定時間、酸素遮断した状態を維持した後は、印刷版原版を空気中に曝して、光重合の発生を抑制してもよい。
本発明の印刷版原版露光装置では、印刷版原版と透明基板との間の中央部に空気だまりが生じても、スクイズ手段、例えば、スクイズローラや一組のローラ対よりなるスクイズローラ対により空気だまりを周辺部に押し出し、印刷版原版の感光層全体を透明基板に略完全に密着させられるので、感光層の表面の酸素を略完全に無くすことができ、感光層の露光における酸素による重合阻害がなくすことができる。
また、本発明によれば、ガラス等の硬い透明基板を用い、この透明基板を通して(透過させて)光ビームを照射して感光層を露光しているので、スクイズローラやスクイズローラ対などのスクイズ手段によって印刷版原版を覆う被覆部材に傷やしわや伸びや縮み等が不可避的に生じたとしても、露光ビーム透過部となる透明基板への傷・しわの発生を防止することができ、露光不良をなくすことができるとともに、ランニングコストを低下できるといったすぐれた効果も有する。
また、本発明において、スクイズ手段として一組のローラ対よりなるスクイズローラ対を用いる場合には、一組のローラ対でニップすることで透明基板の変形を抑えることが出来る。すなわち、一組のローラ対で両側から押圧することで、強度の低い薄い透明基板であっても、透明基板がローラの圧力で変形するようなことがない。このため、透明基板の強度を上げるために透明基板を厚くする必要がない。
また、本発明によれば、印刷版原版露光装置に、吸引動作を切り替える為の多数の電磁弁や吸引動作の制御装置などが不要であり、単純な構成で安価に製造できる。
また、本発明によれば、印刷版原版露光装置に、酸素遮断層を有する印刷版原版を用いる必要がない。酸素遮断層のない印刷版原版を用いることで、露光後の現像工程などにおける現像液の汚染など、酸素遮断層の溶解除去に起因する各種の汚染や印刷物の不良を防止することができるといった効果も有する。
なお、本発明によれば、露光後、印刷前に長時間明室環境下に放置されても不要画像の発生がなく、白灯安全性に優れている波長250nm〜420nmの範囲に感光性がある印刷版原版であっても、低出力レーザや水銀灯などの低出力の光源で画像を効率よく記録でき、装置コストを低減できる。
以下、はじめに、図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明に係る印刷版原版露光装置について説明する。また、その後、本発明に係る印刷版原版露光装置に適用するに好適な印刷版原版について詳細に説明する。
図1は、本発明の印刷版原版露光装置の一実施形態である露光装置10の構成の概略を示す模式的斜視図であり、図2は、露光装置10の構成の概略を示す模式的側断面図である。
図1および図2に示す露光装置10は、感光層Pが板状の支持体Pの表面に設けられた印刷版原版P(以降、原版Pとする)を露光するフラットベッド型の印版版原版露光装置である。
本実施形態における露光装置10は、基台12と、印刷版カセット14と、搬送ユニット20と、密着保持ユニット30と、露光ユニット50とを有している。また、露光装置10は、これら搬送ユニット20、密着保持ユニット30および露光ユニット50の各ユニットと接続されて、各ユニットの動作を制御して露光装置10の動作シーケンスを制御することで、印刷版カセット14に収納された複数の原版Pの感光層Pを順次走査露光する、図示しない制御部も有している。この制御部には、予め、感光層Pに記録するための画像情報が入力されている。この制御部には露光装置10を操作するオペレータによって任意の画像情報が入力可能となっている。
基台12は2枚の側板16から構成される。それぞれの側板16は、平坦な設置面に設置された図示しない枠体に固定されて、それぞれの基板表面16aが平行に対向して配置されている。側板16の間隙には、露光ユニット50が配置されており、この露光ユニット50の上側に、密着保持ユニット30が配置されている。
印刷版カセット14は、図示しない枠体に固定されて所定の位置(基台12に対する所定の相対位置)に配置された箱型形状の原版収納カセットであり、上側の一面が開放している。印刷版カセット14内には、複数の原版Pが、その支持体Pの側を上側にして、複数枚重ねられて収納されている。
搬送ユニット20は、印刷版カセット14に収納された複数の原版Pを、印刷版カセット14から吸着等により一枚ずつ取り出し、密着保持ユニット30の所定の位置(後に詳述する密着面32a)に、一枚一枚順次搬送して配置する吸着搬送手段である。搬送ユニット20は、原版Pを吸着保持する吸盤29を備えるアーム24と、アーム24を移動させるアーム搬送手段26(図2参照)とを有している。
このアーム24は、設置面と平行な矩形板状部材であり、アーム搬送手段26に支持されている。アーム24は、アーム搬送手段26に支持されて搬送され、図1および図2に示す、設置面と平行な矢印X方向、および設置面に垂直な矢印Z方向に移動する。アーム搬送手段26は、モータによって駆動するボールねじを利用した移動手段など公知の移動手段を備えている。また、アーム24は、その下面側に吸盤29を備えている。吸盤29は、当接した原版Pを真空保持する、真空チャックなど公知の吸着保持手段である。露光装置10では、吸盤29は、図1に示す4箇所に設けられている。
密着保持ユニット30は、透明基板32と、原版Pが密着保持された透明基板32の被覆部材であるカバーシート34と、排気管36と、真空ポンプ40と、ローラ対42と、透明基板支持台43と、副走査搬送手段44と、ローラ対押圧手段51(図2参照)と、カバーシート昇降手段53(図2参照)とを有している。
図3は、密着保持ユニット30のうちの、透明基板32、カバーシート34、排気管36、排気真空ポンプ40、およびローラ対42の構成を示す概略斜視図である。
透明基板32は、透明なガラス基板であり、透明基板支持台43に支持されている。
この透明基板32には、上側の基板面である密着面(密着保持表面)32aに、搬送ユニット20によって、原版Pが感光層Pを図中の下向きにして配置される。透明基板32は、載置された原版Pの感光層Pが密着面32aに密着されることで、感光層P表面の酸素を遮断した状態で原版Pを密着保持する。原版Pの感光層Pの密着面32aへの密着の作用については後に詳述する。
カバーシート(被覆部材)34は、透明基板32の図中上側に、密着面32aと当接・隔離可能に配置された、透明基板32の側(図1および2中の下側)が開放された略箱型形状の、ある程度柔軟性のある部材である。カバーシート34は、基板面が密着面32aと対向した板状の上板35と、上板35の周囲を覆う側壁37とからなる。このカバーシート34は、例えば、ゴムなどの弾性体からなる。
カバーシート34は、カバーシート昇降手段(被覆部材移動手段)53に支持されている。カバーシート34は、このカバーシート昇降手段53によって、透明基板32の密着面32aに原版Pが配置された状態で、密着面32aに当接・隔離可能となっている。
すなわち、カバーシート34は、透明基板32の密着面32aに原版Pが配置された状態で、カバーシート昇降手段53によって、図2に実線で示す位置(隔離位置)と、図2に破線で示す位置(当接位置)とを、上下方向(図中矢印Z方向)に往復移動可能となっている。
カバーシート34は、当接位置において、透明基板32の密着面32aに配置された原版P全体を覆い、側壁37の透明基板32と対向する当接面(図2中下側の面)31が密着面32aに当接(密着)する。これにより、原版Pが配置された(原版Pを保持した)密着面32aと上板35の上板内面35a、および側壁37の側壁内面37aとで囲まれた閉空間Sをなす。
また、透明基板32の閉空間Sに対応する領域の一方の端部(図2中の左側の端部)には、この透明基板32を厚さ方向に貫通する排気口41が設けられている。排気口41には、フレキシブルホースなどの排気管36の一方の端部が接続されており、この排気菅36の他方の端部は、排気真空ポンプ40に接続されている。
排気真空ポンプ40は、透明基板32の密着面32aに原版Pが配置された状態で、すなわち、閉空間S内に原版Pが配置された状態で、閉空間S内の空気(酸素を含む気体である)を排気口41から排気菅36を介して排気する(すなわち、閉空間Sを真空に向けて排気する)。
上述のカバーシート34の当接面31は、閉空間Sが真空に向けて排気されても、この当接面31と密着面32aの密着部分から外部の空気が閉空間S内に流入することがないように、透明基板32と高い密着性を有し、かつ充分に広い面積で密着面32aと密着するように、材質・形状が調整されている。
ローラ対42は、本発明におけるスクイズ手段に対応し、図中矢印Y方向に伸びた、スクイズローラ45(以降、ローラ45とする)およびスクイズローラ47(以降、ローラ47とする)からなる一組のスクイズローラ対である。ローラ対42のローラ45およびローラ47は、ローラ対押圧手段51に支持されて、それぞれ、透明基板32の下側およびカバーシート34の上側に配置されている。ローラ対押圧手段51は、これら2つのローラ45およびローラ47それぞれを図中上下方向に移動させ、ローラ対42によって透明基板32およびカバーシート34を挟持押圧する。また、ローラ45およびローラ47それぞれを透明基板32およびカバーシート34から隔離させて押圧を解放する。
露光装置10では、2本のローラで透明基板32およびカバーシート34を挟持押圧することで、透明基板32の密着面32aと、この密着面32aに配置された原版Pの感光層Pとの間隙に残存していた空気だまり(の空気)を周囲に押し出し、挟持押圧した部分について、感光層Pを密着面32aに密着させる。
露光装置10では、このように、原版Pを密着保持する透明基板32およびこれらを覆うカバーシート34を、2つのローラ45およびローラ47によって、閉空間Sの外側から挟持押圧する。
本発明においては、例えば、カバーシート34の上側から、1つのローラによってカバーシート34を原版Pおよび透明基板32に充分強い圧力(空気だまりを押し出すに充分な圧力)で押圧してもよい。しかし、この場合、原版Pおよび透明基板32には大きな曲げモーメントがかかるので、透明基板32は、この曲げモーメントに耐えうるだけの充分大きな剛性を必要とすることになる。このような剛性を確保するには、透明基板32を比較的厚くする必要があるが、比較的厚い透明基板では露光のための光ビームの損失が大きくなるので、本発明においては、1つのローラによるスクイズより、ローラ対によるスクイズの方がより好ましい。
図示例の露光装置10では、2本のローラ(ローラ45およびローラ47)で透明基板32およびカバーシート34を挟持押圧することで、透明基板32と原版Pとを充分大きな圧力で、かつ透明基板32に大きな曲げモーメントが加わることなく、押圧することができる。露光装置10では、このような構成によって、薄い透明基板であっても、充分強い力で感光層Pを密着面32aに押圧し、感光層Pを密着面32aに密着させることが可能となる。
すなわち、本発明の印刷版原版露光装置では、このように、スクイズ手段として、2つのローラによって閉空間を挟持押圧することが好ましい。
これらローラ対42およびカバーシート34は、ローラ対42が、原版P、透明基板32およびカバーシート34を挟持押圧することで、カバーシート34が容易に変形して原版Pの感光層Pが密着面32aに充分に押し付けられるよう、ローラ対42は、比較的弾性が低く(比較的硬く)、かつ、カバーシート34は比較的弾性が高い(比較的軟らかい)材質となっている。
副走査搬送手段44は、基台12の側板16の上面16bに配置されて透明基板支持台43を支持している。透明基板支持台43は透明基板32を支持しており、副走査搬送手段44は、この透明基板支持台43とともに、この透明基板支持台43に支持された透明基板32、および透明基板32上に配置された原版Pおよびカバーシート34とを、上面16bと平行な図中矢印X方向に移動させる。副走査搬送手段44は、モータによって駆動するボールねじを利用した移動手段など、公知の移動手段が利用可能である。
副走査搬送手段44は、ローラ対押圧手段51によって、ローラ対42が透明基板32およびカバーシート34を挟持押圧した状態(以降、押圧状態とする)、または、ローラ45およびローラ47それぞれが透明基板32およびカバーシート34から隔離されて押圧が解放された状態(以降、隔離状態とする)のいずれかの状態で、透明基板32と、この透明基板32に配置された原版Pおよびカバーシート34を、図2中の矢印X方向に搬送し、ローラ対42と、閉空間Sを形成している原版P、透明基板32およびカバーシート34とからなる組立体とを相対移動させる。
以降、透明基板32と、この透明基板32に配置された原版Pおよびカバーシート34からなる組立体を密着保持体60とする。
上述の押圧状態において、副走査搬送手段44は、排気真空ポンプ40による閉空間Sの真空排気と同期させて、密着保持体60を図2中の矢印Xの右方向に移動させ、ローラ対42と閉空間Sを形成する密着保持体60とを相対移動させることで、密着保持体60の閉空間Sに配置された原版Pの感光層Pと透明基板32の密着面32aとの間隙の空気を、原版Pの一方の端辺の側から、他方の端辺の側に向かって徐々に押し出し、原版Pの感光層P全面を密着面32aに徐々に密着させる(密着の作用については後に詳述する)。
感光層P全面を密着面32aに密着させると、ローラ対押圧手段51は、ローラ対42による密着保持体60の閉空間Sの押圧を解放して解放状態とし、副走査搬送手段44は、密着保持体60を前記相対移動の方向と逆方向である副走査方向(図2中の矢印Xの左方向)に移動させる。
露光ユニット50は、副走査搬送手段44による、密着保持体60の副走査方向(図2中の矢印Xの左方向)への移動に応じて、透明基板32の密着面32aに密着保持された原版Pの感光層Pに透明基板32の下面(密着面32aと反対の側の透明基板面)の側から、透明基板32を介して画像情報に応じた露光光(光ビーム)を照射し、感光層Pに画像を記録する(潜像を記録する)。露光ユニット50は、主走査搬送ガイド52と、露光基台54と、露光ヘッド57とを有している。
露光基台54は、設置面および副走査方向と垂直な土台面54aを備え、この土台面54aには主走査搬送ガイド52が設けられている。主走査搬送ガイド52は、露光ヘッド57を支持するとともに、この露光ヘッド57を主走査方向(図中矢印Y方向)に往復移動させる。主走査搬送ガイド52は、それ自体がモータによって駆動するボールねじを利用した移動手段など、公知の移動手段を備えていてもよく、これら自体とは別途に移動手段を備えていてもよい。
露光ヘッド57は、図中上向きに露光光を照射し、透明基板32を介してその密着面32aに密着された原版Pの感光層Pを露光して感光層Pに画像を記録する。露光ヘッド57は、LDまたはLEDなどの光源ユニットや、コリメートレンズや、コリメートレンズによって平行光とされた光の結像位置を調整するレンズユニットなどを備えた公知の光ビーム照射手段であり、入力された光出力信号に応じて、露光光を図中上向きに出射して感光層Pの所定の位置に結像させる。この露光ヘッド57は、図示しない制御手段によって動作が制御されることで、主走査方向に往復運動しつつ、画像情報に応じて露光光ビームを照射する。この照射された露光光ビームによって感光層Pは露光され、感光層Pに画像が記録される。露光装置10では、ガラス基板である透明基板32を通して(透過させて)露光光ビームを照射して感光層を露光するので、ローラ対42によって原版Pを覆うカバーシート34に傷やしわや伸びや縮み等が不可避的に生じたとしても、露光光ビームの透過部となる透明基板32への傷・しわの発生を防止することができ、露光不良をなくすことができる。
なお、露光後、印刷前に長時間明室環境下に放置されても不要画像の発生がなく、白灯安全性に優れている波長250nm〜420nmの範囲に感光性がある印刷版原版を露光する場合、光ビーム照射手段57の光源として、低出力レーザや水銀灯などの低出力の光源を用いることもできる。本発明の印刷版原版露光装置によると、このような安価な光源を用いても、波長250nm〜420nmの範囲に感光性がある印刷版原版に効率よく画像を記録できる。
なお、本発明おける光ビーム照射手段は、1つの光源により射出される1本の光ビーム(露光光ビーム)によって露光する構成であってもよいし、光源としてLEDアレイ、または光ファイバとLDとを組み合わせた光源を複数配列してなるLDアレイ光源などを用いてもよい。また、複数の記録を同時に行う、いわゆるマルチビーム露光を利用する構成であってもよい。また、DMD、LCD、GLV等の空間光変調素子を用いて変調を行う光源を用いたものであってもよい。本発明の光ビーム照射手段は、特に限定されない。
なお、上記各ユニット、および各ユニットの構成要素のそれぞれの動作は、図示しない制御部によって制御されている。この制御部によって各ユニットの動作が制御されることで、下記のように画像の記録が行われる。以下、露光装置10を用いて実施される原版Pへの画像記録動作について、図4(a)〜(f)を参照して詳細に説明する。図4(a)〜(f)は、露光装置10を用いて実施される原版Pへの画像記録動作について説明する断面模式図である。
まず、搬送ユニット20によって、印刷版カセット14内に収納されていた原版Pが、透明基板32の密着面32aの所定の位置に配置される。この動作は、以下のように行われる。
まず、搬送ユニット20のアーム24は、印刷版原版Pの露光開始の準備状態(初期状態)では、印刷版カセット14の上側に、印刷版カセット14の開放された上面と所定の間隔で離間して配置されている(図2中のAに示す位置)。
この状態(初期状態)から、まず、アーム搬送手段26によってアーム24が下降し(図2中の矢印Zの下方向に移動し)、アーム24の下面の吸盤29が印刷版カセット14内に配置された原版Pの支持体Pに当接して、吸盤29が原版Pの支持体Pを吸着して保持する。この支持体Pの表面の吸盤29が当接する位置は、図1に示すように、原版Pのなるべく周縁部であることが好ましい。本発明の露光装置10では、アーム24の形状(大きさ)およびその下面側に設けられる吸盤29の位置は、吸盤29が原版Pの感光層Pの表面に当接された際、この感光層Pの表面のなるべく周縁部になるような大きさ、形状に設定されていることが好ましい。
そして、吸盤29が原版Pを吸着保持したまま、アーム24は、設置面に垂直に上昇(図2中の矢印Zの上方向に移動)し、さらに、設置面に水平に移動(図2中の矢印Yの左方向に移動)して、図4(a)に示すように、密着保持ユニット30の透明基板32とカバーシート34との間隙に搬送される。この状態で、吸盤29による吸着が開放され、原版Pは感光層Pを下向きに、透明基板32の密着面32aの所定の位置に配置される。原版Pが密着面32aに配置されると、アーム24は、アーム搬送手段26によって搬送されて、図2に示す初期状態(図2中のAに示す位置)に戻る。
原版Pが密着面32aに配置される際、原版Pは完全な平板形状となって感光層Pの全面が透明基板32の密着面32aに当接(密着)するとは限らず、多くの場合、図4(b)に示すように、原版Pは湾曲して、その感光層Pと密着面32aとの間に部分的に隙間が生じ、空気だまりRを生じる。
この状態(空気だまりが生じた状態)で、カバーシート昇降手段53(図4においては図示せず)によって、カバーシート34の全体が、上述の当接位置に移動され、カバーシート34が原版Pに被せられる。すなわち、カバーシート34の上板35が原版P全体を覆い、当接面31aが密着面32aと密着する。カバーシート34の上板35は、ある程度の柔軟性を有しているので、図4(c)に示すように原版Pの形状に応じて変形する。
この状態で、排気真空ポンプ40により透明基板32とカバーシート34との間に形成される閉空間Sが真空に向けて排気される。閉空間S内の密着面32aに原版Pが感光層Pを下側にして配置された状態で、真空ポンプ40によって閉空間S内を排気すると、原版Pの感光層Pと透明基板32の密着面32aとの間隙に残っていた空気、および上板内面35aと支持体Pとの間隙に残っていた空気が排気される。これに伴い、上板35全体が、外側(閉空間Sの外側)の大気圧によって、透明基板32の側(図中下側)に押し下げられる。これにより、上板35は、原版Pを透明基板32の側に押し付ける(すなわち、感光層Pを密着面32aに押し付ける)。排気真空ポンプ40によって閉空間S内の空気が排気されることで、このようにして、感光層Pは、密着面32aに押し付けられる。この際、原版Pの一部の領域について、その周囲を囲む領域が先に密着された場合など、この一部の領域に空気だまりRが残ったままの状態となる。
このように空気だまりRが残った状態で、図4(d)に示すように、ローラ対押圧手段53(図4においては図示せず)によって、ローラ対42が、このカバーシート34と透明基板32とを外側から挟持押圧し、カバーシート34と原版Pと透明基板32とを閉空間Sの外側から内側に向けて押圧する(上述の押圧状態となる)。押圧が開始された時点では、ローラ対42は、閉空間Sに配置された原版Pの一方の端辺52(図4中の右側の端辺)の近傍に位置している。
このような押圧状態で、密着保持ユニット30の副走査搬送手段44によって、密着保持体60(透明基板32、透明基板32に配置された原版P、およびカバーシート34)が図4中の右方向に搬送される。搬送に応じて、ローラ対42による挟持押圧によって原版Pの感光層Pは透明基板32の密着面32aに押し付けられ、上述の空気だまりRの空気は、端辺52と対向するもう一方の端辺54の側に向かって徐々に押し出される。
このように、ローラ対42による挟持押圧によって、原版Pの感光層Pは、一方の端辺52の側から他方の端辺54の側に向かって、透明基板32の密着面32aに徐々に密着されていき、最終的に、図4(e)に示すように、原版Pの感光層Pの全面が透明基板32の密着面32aに密着される。このようにして密着面32aに密着されることで、原版Pの感光層Pは、全面に亘って、酸素遮断される。図4(a)〜(f)に示すように、透明基板32に設けられた排気口41は、透明基板32に配置される原版Pの端辺54の近傍(すなわち最も最後に押圧される領域の近傍)に設けられており、ローラ対42によって徐々に押し出された閉空間S内の空気は、最終的に排気口41から排気され、閉空間S内の空気は略完全に排気されて閉空間S内は略真空状態となる。
原版Pの感光層Pの全面が透明基板32の密着面32aに密着されると、図4(f)に示すように、ローラ対押圧手段51は、ローラ47およびローラ45を離間させ、ローラ対42による挟持押圧を解放し(上述の解放状態とし)、副走査搬送手段44が、密着保持体60を副走査方向(矢印Xの左方向)に搬送する。この搬送に応じて、透明基板32の密着面32aに密着保持されて表面全体が酸素遮断された原版Pの感光層Pが、露光ユニット50によって順次露光され、感光層Pに画像が記録される(潜像が記録される)。露光ヘッド57は、主走査搬送ガイド52によって主走査方向(図4(f)中の紙面に垂直な方向)に往復移動されつつ、副走査方向(図4(f)中の左方向)に搬送される密着保持体60の原版Pの感光層Pに、画像情報に応じて露光光ビームを照射して感光層Pに画像を記録する。
このように、露光装置10では、原版Pの感光層Pの表面全体が、透明基板32の密着面32aに密着されて確実に酸素遮断されており、感光層Pの露光によるラジカル重合反応が酸素による影響を受けることがない。
なお、露光ユニット50による露光終了後も、露光によるラジカル重合反応が充分進行するまでの所定の時間、引き続き真空引きの状態が維持される(すなわち、排気真空ポンプ40による閉空間S内の空気の排気が続けられる)。これにより、感光層Pは、露光後も酸素による影響を受けることなく、所望の耐刷性能を有する印刷版を得るに充分な程度に光ラジカル重合反応を終了させることができる。
また、露光が終了した後に所望の時間が経過した段階で、真空排気を終了するとともにカバーシート34を開放することで、原版Pの感光層Pの光ラジカル重合反応を所望の段階で終了させることも可能である。このような、原版Pの感光層Pの露光後の酸素遮断時間の制御は、例えば、図示しない酸素遮断時間制御手段などに、予め所望する露光前後の酸素遮断時間(真空排気を行なう時間やタイミング)の情報を登録しておき、この情報に基づいて、酸素遮断時間制御手段が、上述の図示しない制御手段に真空排気動作の時間やタイミング、カバーシート34の開放動作の時間やタイミングなどを指示することで行なえばよい。
図示例の露光装置10において、ローラ対42の各ローラ(ローラ45およびローラ47)には円柱形状のストレートローラ(以下、平ローラという)が用いられている。本発明においてスクイズ手段として用いるローラは、このような円柱形状の平ローラには限定されない。本発明においてスクイズ手段として用いるローラは、図5に示すように、周辺部分71に比べて中央部分72の径が太いクラウンローラとしてもよい。このように中央部72の径が太いクラウンローラを用いることで、ローラ軸に沿った方向の押圧力に分布を持たせることができ、中央部分の押圧力がより強くなり、原版の中央から周辺に向けて空気を押し出しやすくなる。また、各ローラがたわんだ場合でも、中央の押圧力を確保できるといった利点もある。このようなクラウンローラを用いる場合、このクラウンローラが変形してカバーシート全体を押さえつけられるよう、クラウンローラは、充分な弾性を有していることが好ましい。
本発明の印刷版原版露光装置では、このように、原版Pの感光層Pと透明基板32の密着面32aとの間隙に空気だまりRが生じていても、露光に先がけて、この空気だまりRをローラ対42で挟持押圧して、原版Pの一方の端辺の側から他方の端辺の側に向かって徐々に押し出すことができる。これにより、原版Pの感光層Pの表面全体を透明基板32の密着面32aに確実に密着させて感光層Pの表面全体を確実に酸素遮断することができ、完全に酸素遮断した状態で感光層Pを露光して画像を記録することができる。
本発明の印刷版原版露光装置は、基本的に以上のようなものである。
以下、本発明に係る印刷版原版露光装置による露光に好適に適用可能な印刷版原版について説明する。
露光装置10で露光されて画像が記録される原版Pは、光ラジカル重合によって感光層に画像が記録される、感光層表面に酸素遮断層を有さない平板印刷版原版である。この原版Pは、アルカリ現像用の平板印刷版原版であってもよく、また機上現像用の平板印刷版原版であってもよい。
ここで、「アルカリ現像」とは、アルカリ性現像液を接触させることにより、露光後に印刷版原版の感光層(画像記録層)を除去して、親水性支持体表面を露出させる工程を指し、「機上現像」とは、印刷機を用いて、液体(通常は印刷インキおよび/または浸し水)を接触させることにより、印刷版原版の画像記録層を除去し、親水性の支持体表面を露出させる方法および工程を指す。
本発明に係る印刷版原版露光装置は、露光後に、上述のアルカリ現像を行なうことで親水性の支持体表面を露出させる、アルカリ現像用の印刷版原版を露光することも可能である。また、露光後に、上述の機上現像を行なうことで親水性の支持体表面を露出させる、機上現像用の印刷版原版を露光することも可能である。
具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
・NIR(記録光波長760〜1200nm)機上現像タイプ印刷版原版
・NIR(記録光波長760〜1200nm)アルカリ現像タイプ印刷版原版
・UV(記録光波長250〜420nm)機上現像タイプ印刷版原版
・Visible(記録光波長400〜700nm)アルカリタイプ印刷版原版
これらの現像工程において、機上現像は、製版作業の簡素化,乾式化および無処理化、地球環境への配慮とデジタル化への適合化など種々の面で有効である。機上現像に用いられる機上現像タイプの印刷版原版の中でも、UV(記録光波長250〜420nm)機上現像タイプ印刷版原版は、露光後、印刷前に長時間明室環境下に放置されても不要画像の発生がなく、白灯安全性に優れているといった効果がある。本発明の露光装置10は、このようなUV(記録光波長250〜420nm)機上現像タイプ印刷版原版についても、低価格な装置(光源)で効率よく露光して潜像を記録することが可能である。
以下、本発明に係る印刷版原版露光装置による露光に好適に適用可能な印刷版原版について詳細に説明する。
(1)NIR(記録光波長760〜1200nm)機上現像タイプ平版印刷版(印刷版原版)
[平版印刷版原版(印刷版原版)]
<画像記録層>
本発明に用いる上記各平版印刷版原版は、支持体上に、(A)赤外線吸収剤と、(B)重合開始剤と、(C)重合性化合物と、(D)バインダーポリマーを含有し、赤外線の照射により記録可能な画像記録層を有する。
この平版印刷版原版においては、赤外線の照射により画像記録層の露光部が硬化して疎水性(親油性)領域を形成し、かつ、印刷開始時に未露光部が湿し水、インキまたは湿し水とインキとの乳化物によって支持体上から速やかに除去される。即ち、上記画像記録層は、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層である。以下、画像記録層の各構成成分について説明する。
<(A)赤外線吸収剤>
本発明に用い得る平版印刷版原版を、760〜1200nmの赤外線を発するレーザ光源により画像形成する場合には、通常、赤外線吸収剤を用いることが必須である。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有している。この際発生した熱により、後述する重合開始剤(ラジカル発生剤)が熱分解し、ラジカルを発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料または顔料である。
染料としては、市販の染料および例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、本発明の赤外線吸収色素の好ましい他の例としては、以下に例示するような特願平2001−6326号明細書、特開平2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
Figure 2006039398
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。さらに、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい一つの例として下記一般式(i)で示されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 2006039398
一般式(i)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、−NPh、X−L、または以下に示す基を表わす。ここで、Xは酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を示し、Lは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。Xaは後述するZ と同様に定義され、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表わす。
Figure 2006039398
およびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、RおよびRは、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、RとRとは互いに結合し、5員環または6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar、Arは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R、R、RおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Zaは、対アニオンを示す。ただし、一般式(i)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZaは必要ない。好ましいZaは、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(i)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]から[0019]に記載されたものを挙げることができる。
また、特に好ましい他の例としてさらに、前記した特願平2001−6326号明細書、特開平2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。この範囲で、顔料分散物の画像記録層塗布液中での良好な安定性と画像記録層の良好な均一性が得られる。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、ネガ型平版印刷版原版を作成した際に、画像記録層の波長760nm〜1200nmの範囲における極大吸収波長での吸光度が、反射測定法で0.3〜1.2の範囲にあるように添加する。好ましくは、0.4〜1.1の範囲である。この範囲で、画像記録層の深さ方向での均一な重合反応が進行し、良好な画像部の膜強度と支持体に対する密着性が得られる。
画像記録層の吸光度は、画像記録層に添加する赤外線吸収剤の量と画像記録層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は、常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの画像記録層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
<(B)重合開始剤>
本発明に用いられる重合開始剤としては、光、熱あるいはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物を示す。ここで用い得る重合開始剤としては、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを使用することができ、本発明において好適に用い得るラジカルを発生する化合物は、熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進させる化合物を指す。本発明に用いられる熱ラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることができる。また、ラジカルを発生する化合物は、単独または2種以上を併用して用いることができる。
上記のラジカルを発生する化合物としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸塩化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、が挙げられる。
上記有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開53−133428号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号の各公報、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」に記載の化合物が挙げられる。中でも、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物およびS−トリアジン化合物が好適である。
より好適には、少なくとも一つのモノ、ジ、またはトリハロゲン置換メチル基が、s−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール環に結合したオキサジアゾール誘導体が挙げられる。具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンや下記化合物等が挙げられる。
上記カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチルー(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
上記アゾ系化合物としては例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を使用することができる。
上記有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
上記メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号、特開平5−83588号の各公報に記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
上記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号の明細書等に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
上記有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837号、特開2002−107916号の各公報、特許第2764769号明細書、特開2002−116539号公報、および、Kunz,Martin“Rad Tech'98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号、特開平6−175564号、特開平6−175561号の各公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号、特開平7−128785号、特開平7−140589号、特開平7−306527号、特開平7−292014号の各公報等に記載の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が挙げられる。
上記ジスルホン酸化合物としては、特開昭61−166544号公報、特開2003−328465号公報等記載される化合物が挙げられる。
上記オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653-1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156-162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)
202-232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、具体的には、下記の構造式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006039398
上記オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同第4,069,056号の明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩、欧州特許第370,693号、同第390,214号、同第233,567号、同第297,443号、同第297,442号、米国特許第4,933,377号、同第161,811号、同第410,201号、同第339,049号、同第4,760,013号、同第4,734,444号、同第2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同第3,604,580号、同第3,604,581号の明細書に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
特に、反応性、安定性の面から、上記オキシムエステル化合物あるいはジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、イオン性のラジカル重合開始剤として機能する。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI−I)〜(RI−III)で表わされるオニウム塩である。
Figure 2006039398
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表わし、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z11 は1価の陰イオンを表わし、具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオンおよびスルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21およびAr22は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表わし、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z21 は1価の陰イオンを表わす。具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32およびR33は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を表わす。好ましくは反応性、安定性の面から、アリール基であることが望ましい。好ましい置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z31 は1価の陰イオンを表わす。具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましく、特に、特開2001−343742号記載のカルボン酸イオン、さらに好ましいものとして特開2002−148790号記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
Figure 2006039398
Figure 2006039398
Figure 2006039398
Figure 2006039398
これらの重合開始剤は、画像記録層を構成する全固形分に対し、0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%の割合で添加することができる。この範囲で、良好な感度と印刷時の非画像部の良好な汚れ難さが得られる。これらの重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの重合開始剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設け、そこへ添加してもよい。
Figure 2006039398
Figure 2006039398
Figure 2006039398
Figure 2006039398
Figure 2006039398
<(C)重合性化合物>
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号の各公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(III)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (III)
(ただし、RおよびRは、HまたはCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号の各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号の各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号の各公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、画像記録層中の他の成分(例えば、バインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させ得ることがある。また、基板や後述する保護層等の密着性を向上せしめる目的で、特定の構造を選択することもあり得る。
付加重合性化合物は、画像記録層中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは25〜75質量%の範囲内で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。その他、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗りといった層構成・塗布方法も実施し得る。
<(D)バインダーポリマー>
本発明に用いることができるバインダーポリマーは、従来公知のもを制限なく使用でき、皮膜性を有するポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していてもよい。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレン等が挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CHCR=CR、−(CHO)CHCR=CR、−(CHCHO)CHCR=CR、−(CHNH−CO−O−CHCR=CR、−(CH−O−CO−CR=CRおよび−(CHCHO)−X(式中、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表わし、RとRまたはRとは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表わす。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表わす。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CHCH=CH(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CHCHO−CHCH=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCH−NHCOO−CHCH=CHおよび−CHCHO−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表わす。)を挙げることができる。
アミド残基の具体例としては、−CHCH=CH、−CHCH−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表わす。)、−CHCH−OCO−CH=CHが挙げられる。
架橋性を有するバインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接にまたは重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。または、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、バインダーポリマー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲内で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
また、画像記録層未露光部の機上現像性の観点から、バインダーポリマーは、インキおよび/または湿し水に対する溶解性または分散性が高いことが好ましい。
インキに対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親油的な方が好ましく、湿し水に対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親水的な方が好ましい。このため、本発明においては、親油的なバインダーポリマーと親水的なバインダーポリマーを併用することも有効である。
親水的なバインダーポリマーとしては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60質量%以上、好ましくは80質量%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
バインダーポリマーは、従来公知の方法により合成することができる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
バインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物を用いることができる。
バインダーポリマーの含有量は、画像記録層の全固形分に対して、10〜90質量%であるのが好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。この範囲内で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
また、重合性化合物とバインダーポリマーは、質量比で0.5/1〜4/1となる量で用いるのが好ましい。
本発明においては、上記の画像記録層構成成分(A)〜(D)および後述のその他の構成成分を画像記録層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型画像記録層である。もう一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全てまたは一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層に含有させるマイクロカプセル型画像記録層である。さらに。マイクロカプセル型画像記録層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型画像記録層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。より良好な機上現像性を得るためには、画像記録層は、マイクロカプセル型画像記録層であることが好ましい。
上記の画像記録層構成成分(A)〜(D)をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法が適用できる。例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号の各公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同第4087376号、同第4089802号の各明細書にみられる尿素―ホルムアルデヒド系または尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号の各公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号、同第967074号の各明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、およびこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレアおよびポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、上記(D)バインダーポリマー導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入しても良い。
上記のマイクロカプセルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
<その他の画像記録層成分>
本発明の画像記録層には、さらに、界面活性剤、着色剤、焼き出し剤、重合禁止剤、高級脂肪酸誘導体、可塑剤、無機微粒子、低分子親水性化合物などの添加剤を、必要に応じて含有させることができる。以下、それらについて説明する。
<界面活性剤>
本発明において、画像記録層には、印刷開始時の機上現像性を促進させるため、および、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
さらに好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号および同60−168144号の公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
<着色剤>
本発明では、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合が好ましい。
<焼き出し剤>
本発明の画像記録層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p',p"−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
上記の他に、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとして挙げられる。具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチルー7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。
酸またはラジカルによって変色する染料の好適な添加量は、それぞれ、画像記録層固形分に対して0.01〜15質量%の割合である。
<重合禁止剤>
本発明の画像記録層には、画像記録層の製造中または保存中において(C)ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
<高級脂肪酸誘導体等>
本発明の画像記録層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
<可塑剤>
本発明の画像記録層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
<無機微粒子>
本発明の画像記録層は、画像部の硬化皮膜強度向上および非画像部の機上現像性向上のために、無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。
無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲内であると、画像記録層中に安定に分散して、画像記録層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
<低分子親水性化合物>
本発明の画像記録層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩等が上げられる。
<画像記録層の形成>
本発明の画像記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散、または溶かして塗布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の画像記録層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
また、塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/mが好ましい。この範囲で、良好な感度と画像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
<支持体>
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、または、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立っては、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、さらに、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸またはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/mであるのが好ましく、1.5〜4.0g/mであるのがより好ましい。この範囲内で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでもよいが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号や特開2001−322365号の公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、および親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。
<封孔処理>
本発明で用いられる支持体の陽極酸化皮膜の封孔処理としては、従来公知の何れも方法も行うことができる。例えば、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。以下にそれぞれ説明する。
<無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理>
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理に用いられる無機フッ素化合物としては、金属フッ化物が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン酸アンモニウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄、フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウムが挙げられる。中でも、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。
水溶液中の無機フッ素化合物の濃度は、陽極酸化皮膜のマイクロポアの封孔を十分に行う点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.05質量%以上であるのがより好ましく、また、耐汚れ性の点で、1質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液は、さらに、リン酸塩化合物を含有するのが好ましい。リン酸塩化合物を含有すると、陽極酸化皮膜の表面の親水性が向上するため、機上現像性および耐汚れ性を向上させることができる。
リン酸塩化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属のリン酸塩が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リンタングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の組み合わせは、特に限定されないが、水溶液が、無機フッ素化合物として、少なくともフッ化ジルコン酸ナトリウムを含有し、リン酸塩化合物として、少なくともリン酸二水素ナトリウムを含有するのが好ましい。
水溶液中のリン酸塩化合物の濃度は、機上現像性および耐汚れ性の向上の点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ましく、また、溶解性の点で、20質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましい。
水溶液中の各化合物の割合は、特に限定されないが、無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の質量比が、1/200〜10/1であるのが好ましく、1/30〜2/1であるのがより好ましい。
また、水溶液の温度は、20℃以上であるのが好ましく、40℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるのがより好ましい。
また、水溶液は、pH1以上であるのが好ましく、pH2以上であるのがより好ましく、また、pH11以下であるのが好ましく、pH5以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理の方法は、特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。これらは単独で1回または複数回用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、浸せき法が好ましい。浸せき法を用いて処理する場合、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
<水蒸気による封孔処理>
水蒸気による封孔処理は、例えば、加圧または常圧の水蒸気を連続的にまたは非連続的に、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げられる。
水蒸気の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、105℃以下であるのが好ましい。
水蒸気の圧力は、(大気圧−50mmAq)から(大気圧+300mmAq)までの範囲(1.008×10〜1.043×10Pa)であるのが好ましい。
また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
<熱水による封孔処理>
水蒸気による封孔処理は、例えば、陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム板を熱水に浸せきさせる方法が挙げられる。
熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)または有機塩を含有していてもよい。
熱水の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましい。
また、熱水に浸せきさせる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
<親水化処理>
親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸せき処理し、または電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
本発明の支持体としてポリエステルフィルムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にすることが望ましい。親水層としては、特開2001−199175号公報に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択される少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層や、特開2002−79772号公報に記載の、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスを有する親水層や、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネートまたはアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスを有する親水層、あるいは、金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜からなる親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
また、本発明の支持体としてポリエステルフィルム等を用いる場合には、支持体の親水性層側または反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けるのが好ましい。帯電防止層を支持体と親水性層との間に設けた場合には、親水性層との密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、特開2002−79772号公報に記載の、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層等が使用できる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲内で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
<バックコート層>
支持体に表面処理を施した後または下塗層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
<下塗層>
本発明の平版印刷方法に用いられる本発明の平版印刷版原版においては、必要に応じて、画像記録層と支持体との間に下塗層を設けることができる。下塗層が断熱層として機能することにより、赤外線レーザによる露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。また、未露光部においては、画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、機上現像性が向上する。
下塗層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、エチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
下塗層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/mであるのが好ましく、3〜30mg/mであるのがより好ましい。
(2)NIR(記録光波長760〜1200nm)アルカリ現像タイプ平版印刷版原版(印刷版原版)
このNIRアルカリ現像タイプ平版印刷版は、前述したNIR機上現像タイプ平版印刷版原版と基本的には同じであるが、使用するバインダーポリマーが異なる。バインダーポリマーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましく、水または弱アルカリ水に可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。特にこれらの中で、ベンジル基またはアリル基と、カルボキシ基とを側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度および現像性のバランスに優れており、好適である。
(3)UV(記録光波長250〜420nm)機上現像タイプ平版印刷版原版(印刷版原版)
UV機上現像タイプ平版印刷版原版は、前述したNIR機上現像タイプ平版印刷版に使用している赤外線吸収剤が無い場合と基本的には同じであるが、UV機上現像タイプ平版印刷版原版の場合は重合開始剤として特に反応性、安定性の面から、トリアジン系開始剤、有機ハロゲン化合物、オキシムエステル化合物、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩がより好ましい。
さらに、これらのトリアジン系開始剤、有機ハロゲン化合物、オキシムエステル化合物、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、およびスルホニウム塩系の重合開始剤は、増感剤と組み合わせて用いることが好ましい。増感剤と組み合わせて用いることにより、光重合速度を増大させることができる。
このような増感剤の具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9、10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルp−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンズアントロンなどを挙げることができる。
さらに、本発明における好ましい増感剤としては、特公昭51−48516号公報中に記載されている一般式(I)で表わされる化合物があげられる。
Figure 2006039398
式中、R14はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基など)、または置換アルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基など)を表わす。R15はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基など)、またはアリール基(例えば、フェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、チエニル基など)を表わす。
は通常シアニン色素で用いられる窒素を含む複素環核を形成するのに必要な非金属原子群、例えばベンゾチアゾール類(ベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾールなど)、ナフトチアゾール類(α−ナフトチアゾール、β−ナフトチアゾールなど)、ベンゾセレナゾール類(ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、6−メトキシベンゾセレナゾールなど)、ナフトセレナゾール類(α−ナフトセレナゾール、β−ナフトセレナゾールなど)、ベンゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾールなど)、ナフトオキサゾール類(α−ナフトオキサゾール、β−ナフトオキサゾールなど)を表わす。
一般式(I)で表わされる化合物の具体例としては、これらZ、R14およびR15を組み合わせた化学構造を有するものであり、多くのものが公知物質として存在する。したがって、これらの公知のものから適宜選択して使用することができる。さらに、本発明における好ましい増感剤としては、特公平5−47095号公報、特開2000−147763号公報に記載のメロシアニン色素、また、下記一般式(II)で示されるケトクマリン系化合物も挙げることができる。
Figure 2006039398

ここでR16はメチル基、エチル基等のアルキル基を表わす。
増感剤としては、また、特開2000−147763号公報に記載のメロシアニン系色素も使用できる。具体的には、下記化合物を挙げることができる。
Figure 2006039398

(4)Visible(記録光波長400〜700nm)アルカリ現像タイプ平版印刷版原版(印刷版原版)
Visibleアルカリ現像タイプ平版印刷版は、前述したNIRアルカリ現像タイプ平版印刷版原版に使用している赤外線吸収剤が無い場合と基本的には同じであるが、使用する重合開始剤が異なる。
重合開始剤としては、使用する光源の波長により、種々の重合開始剤または2種以上の重合開始剤の併用系(光開始系)を適宜選択して用いることができ、例えば、特開2001−22079号公報の[0021]〜[0023]に記載されている開始系が好ましい。
本発明に係る印刷版原版露光装置では、以上のような各種印刷版原版を、露光に好適に適用可能な印刷版原版として用いることができる。
本発明の印刷版原版露光装置は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明の印刷版原版露光装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の印刷版原版露光装置の一例の構成の概略を説明する図で、印刷版原版露光装置の構成の概略を示す模式的斜視図である。 本発明の印刷版原版露光装置の一例の構成の概略を説明する図で、印刷版原版露光装置の構成の概略を示す模式的側断面図である。 本発明の印刷版原版露光装置の密着保持ユニットの構成の概略を示す図である。 (a)〜(f)は、本発明の印刷版原版露光装置の密着保持ユニットにおける原版Pの感光層の密着の様相について説明する図である。 本発明の印刷版露光装置における押圧部材であるローラ対の形状の他の例について説明する図である。 (a)〜(c)は、印刷版の作成方法を実施する従来の印刷版原版露光装置の一例について説明する図である。
符号の説明
12 基台
13 支持柱
14 印刷版カセット
20 搬送ユニット
24 アーム24
26 アーム搬送手段
29 吸盤
30 密着保持ユニット
32 透明基板
34 カバーシート
36 排気管
40 真空ポンプ
42 ローラ対
41 排気口
43 透明基板支持台
44 副走査搬送手段
50 露光ユニット
51 ローラ対押圧手段
53 カバーシート昇降手段
57 露光ヘッド

Claims (12)

  1. 板状の支持体の表面にラジカル光重合によって潜像が記録される感光層を有し、感光層表面に酸素遮断層を有さない印刷版原版を露光する印刷版原版露光装置であって、
    前記印刷版原版を、その感光層を密着させて保持する、前記印刷版原版より大サイズの透明基板と、
    前記透明基板に保持された前記印刷版原版の前記支持体の側の表面全体を覆い、前記透明基板の全周縁部と密着する被覆部材と、
    前記印刷版原版を保持している前記透明基板と前記被覆部材とで形成される閉空間を真空排気する真空排気手段と、
    前記透明基板に保持された前記印刷版原版を覆う前記被覆部材を前記透明基板に押し付けて、その一方の側から他方の側に相対的に移動しながら前記閉空間内の空気を押し出すスクイズ手段と、
    前記透明基板を介して、前記透明基板に密着保持された前記印刷版原版の前記感光層を露光する露光手段と、
    前記印刷版原版の前記感光層を2次元的に走査露光するために、前記被覆部材に覆われて前記印刷版原版が密着保持された前記透明基板と前記露光手段とを相対的に移動させる第1移動手段とを有し、
    前記真空排気手段による前記閉空間の真空排気に同期させて、前記スクイズ手段を前記被覆部材の前記一方の側から前記他方の側に相対的に移動しながら、前記印刷版原版の前記感光層と前記透明基板との間の空気を、前記一方の側から前記他方の側に向かって徐々に押し出して、前記透明基板の表面に前記印刷版原版の前記感光層の全面を略完全に密着させ、前記印刷版原版の前記感光層から酸素を遮断し、
    この酸素遮断された前記印刷版原版の前記感光層の全面を、前記第1移動手段によって相対的に移動される前記露光手段によって走査露光することを特徴とする印刷版原版露光装置。
  2. 前記スクイズ手段は、スクイズローラを備える請求項1に記載の印刷版原版露光装置。
  3. 前記スクイズ手段は、
    前記閉空間を形成する前記透明基板と前記被覆部材とをそれらの外側から挟持押圧する一組のローラ対と、
    前記一組のローラ対を前記透明基板に密着保持された前記印刷版原版に対して相対移動させる第2移動手段とを備える請求項1に記載の印刷版原版露光装置。
  4. 前記スクイズ手段は、さらに、
    前記透明基板と前記被覆部材とを挟持押圧する前記一組のローラ対の少なくとも一方のローラを接離させる接離手段を備え、
    前記接離手段は、前記透明基板と前記印刷版原版の前記感光層との間の酸素遮断の開始時には、前記一組のローラ対の前記少なくとも一方のローラを近接させて、前記一組のローラ対に前記透明基板と前記被覆部材とを挟持押圧させ、前記酸素遮断の終了時には、前記一組のローラ対の前記少なくとも一方のローラを離隔させて、前記一組のローラ対による前記透明基板と前記被覆部材との挟持押圧を解放する請求項3に記載の印刷版原版露光装置。
  5. 前記第1移動手段および前記第2移動手段は、前記被覆部材に覆われ、前記印刷版原版が保持された前記透明基板を移動させる透明基板移動手段であり、
    この透明基板移動手段は、
    前記一組のローラ対によって挟持押圧された状態で、第1の方向に、前記被覆部材に覆われ、前記印刷版原版が保持された前記透明基板を移動させて、前記印刷版原版の前記感光層全体を前記透明基板に密着させ、
    前記接離手段によって前記一組のローラ対による挟持押圧を解放した状態で、前記第1の方向と逆方向に、前記印刷版原版の前記感光層が密着された前記透明基板を副走査移動させながら、前記露光手段によって、前記透明基板を介して前記印刷版原版の前記感光層を2次元的に走査露光する請求項4に記載の印刷版原版露光装置。
  6. 前記一組のローラ対の2つのローラは、それぞれ、両端部の径より中央部の径が大きいクラウンローラである請求項3〜5のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
  7. 前記露光手段は、前記透明基板を介して、前記印刷版原版の前記感光層に露光ビームを照射する光ビーム照射手段を備える請求項1〜6いずれかに記載の印刷版原版露光装置。
  8. 前記露光手段は、さらに、前記光ビーム照射手段を、前記第1移動手段による相対移動方向と直交する方向に往復動させる往復動手段を備える請求項7に記載の印刷版原版露光装置。
  9. 前記透明基板は、ガラス基板である請求項1〜8のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
  10. さらに、前記被覆部材を、前記透明基板の、前記印刷版原版を密着保持する密着保持表面に当接、または前記密着保持表面から隔離させる、被覆部材移動手段を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
  11. さらに、前記透明基板の前記密着保持表面の所定の位置に、前記印刷版原版を配置する印刷版原版配置手段を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
  12. 前記印刷版原版の前記感光層は、重合性化合物およびバインダーポリマーを含有し、波長250nm〜420nmの範囲に感光性があり、印刷インキおよび/または浸し水により除去可能である請求項1〜11のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
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