JP4317829B2 - 画像形成方法、平版印刷版原版および平版印刷方法 - Google Patents
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Description
これに応える簡易な製版方法の一つとして、例えば、印刷インキおよび/または湿し水に溶解または分散できる画像記録層を有する平版印刷版原版を用いて、印刷機に装着された露光済みの版に印刷インキおよび/または湿し水を供給して画像記録層の未露光部を除去し平版印刷版を得る機上現像と呼ばれる方法が提案されている。
機上現像の具体的方法としては、例えば、湿し水、インキ溶剤または湿し水とインキとの乳化物に溶解しまたは分散することが可能な画像記録層を有する平版印刷版原版を用いる方法、印刷機のローラー類やブランケットとの接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法、湿し水、インキ溶剤等の浸透によって画像記録層の凝集力または画像記録層と支持体との接着力を弱めた後、ローラー類やブランケットとの接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法が挙げられる。
なお、本発明においては、特別な説明がない限り、「現像処理工程」とは、印刷機以外
の装置(通常は自動現像機)を使用し、液体(通常はアルカリ性現像液)を接触させることにより、平版印刷版原版の画像記録層を除去し、親水性支持体表面を露出させる工程を指し、「機上現像」とは、印刷機を用いて、液体(通常は印刷インキおよび/または湿し水)を接触させることにより、平版印刷版原版の画像記録層を除去し、親水性支持体表面を露出させる方法および工程を指す。
しかし、上記のような微粒子の単なる熱融着による合体で画像を形成させる方法は、良好な機上現像性を示すものの、画像強度が弱く、耐刷性が不十分であることが分かった。
また、特許文献9では有機リン酸系化合物が中間層として用いられており、酸性基であるホスホノ基が、アルカリ現像過程で速やかに解離し、支持体との相互作用を失い、非画像部から少なくとも部分的に除去されるか、または、解離によって、表面に高い親水性を
付与するとされている。
しかしながら、これらの密着性中間層を用いて支持体−光重合層間の密着性と汚れにくさの向上との両立を図る技術は全て、露光後のアルカリ現像の作用を前提としたものであり、この技術の機上現像型の平版印刷版原版への適用では、密着性の向上は、耐汚れ性の劣化となった。
2.該共重合体が、一般式(A1)で表される繰り返し単位及び一般式(A2)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
式中、R 1 〜R 3 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R 4 〜R 6 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、アシル基、またはアシルオキシ基を表す。またR 4 とR 5 、またはR 5 とR 6 で環を形成してもよい。Lは−CO−、−O−、−NH−、二価の脂肪族基、二価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Qは支持体表面と相互作用する官能基を表す。
3.該共重合体が、Qが燐酸エステル基、ホスホン酸基、または下記式(a)で表される基である一般式(A2)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする前記2に記載の画像形成方法。
M 1 及びM 2 は、各々独立に、水素原子、金属原子、またはアンモニウム基を表す。
4.該共重合体が、更に一般式(A3)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする前記2に記載の画像形成方法。
一般式(A3)において、R 1 〜R 3 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基、またはハロゲン原子を表す。Lは−CO−、−O−、−NH−、二価の脂肪族基、二価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Wは、下記のいずれかの基を表す。
M 1 は、水素原子、金属原子、またはアンモニウム基を表す。R 7 およびR 8 は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。R 9 は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキレン基を表す。R 10 は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。nは1〜100の整数を表す。
5.該共重合体が、Qが燐酸エステル基、ホスホン酸基、または上記式(a)で表される基である一般式(A2)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする前記4に記載の画像形成方法。
の重なりを最小限に抑えることができ、室内光の照射による不要な画像形成を抑制することが可能となる。
一般に、発生するラジカル量Nは照射する露光エネルギーJに比例する。
J=c1・N (c1は比例定数)
照射光により発生したラジカルは膜内に流入する酸素によって捕捉される。この捕捉量Noは、単位時間当たりの流入酸素量qと露光開始からの経過時間tに比例する。
No=c2・q・t (c2は比例定数)
これから、ラジカルが発生しても重合に関与しない露光エネルギーJoは次のように表される。
Jo=c1・c2・q・t
従って、画像形成に必要な露光エネルギーJは、Joよりも高い照射エネルギーが必要となる。
この関係を、横軸を照射にかける時間t(sec)、縦軸を照射エネルギーJとして模式的に表すと図3ような関係となる。従って、従来のような分オーダーでの面露光の場合には、高い照射エネルギーが必要である。これに対し、Jthの時間領域で照射できれば低い照射エネルギーで画像形成することが可能となる。
本発明では、ラジカル重合型版材料に対して、照射時間領域が1ミリ秒(msec)以下で、かつ、ラジカル発生量が十分大きく、重合速度が大きくなる露光条件(例えば、高出力UVレーザーによる高照度露光)または材料とを組み合わせた場合に、上記Jthとなる領域があることを見出した。
従って、版に画像形成する上で1画素の照射時間を1ミリ秒以下にすることで、所望の画像形成にかける照射エネルギーを低減することが可能となり、しかも数分以上低照度で照明される明室(白灯下)でのかぶりも高い照射エネルギーがないと生じないため、白灯安全性も確保できるのではないかと推定される。
本発明による平版印刷版原版の走査露光方法は、公知の方法を制限なく用いることができる。本発明で用いる光源の波長は250nm〜400nmであり、具体的には、ガスレーザーとして、Arイオンレーザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザー(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(3
25nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、YAG、YVO4などの1064nm発振モードロック固体レーザーの4倍波(266nm、20〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜400nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜470nm、5mW〜100mW)、その他、パルスレーザーとしてN2レーザー(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)、YAG、YVO4などの1064nm発振モードロック固体レーザーの3倍波(355nm、1〜4W)、などを挙げることができる。
ータに応じた画像を記録媒体上に記録するものであり、露光ヘッド12と、ドラム14とを備えている。
また、365nm、355nmおよび266nmから選ばれるいずれかの波長のレーザー光を用いるインナードラム方式は、高速露光および低コスト化に有利であり好ましい。
なお、DMD変調素子と用いる光学系については、特開2004−012899号公報に、またGLV変調素子を用いる光学系については、特開2000−168136号公報、特開2001−162866号公報等に記載されている。
本発明の平版印刷方法においては、上述したように、本発明の平版印刷版原版を画像様に露光した後、現像処理を施すか、または、なんらの現像処理工程を経ることなく油性インキと水性成分とを供給して印刷する。
現像液による現像処理を施す場合に使用される現像液としては、従来知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
リ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換することなく、多量の平版印刷版原版を処理することができることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。例えば、特開昭54−62004号公報に開示されているような現像液のSiO2/Na2Oのモル比が1.0〜1.5(すなわち〔SiO2〕/〔Na2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の含有量が1〜4質量%のケイ酸ナトリウムの水溶液を使用し、しかも平版印刷版原版の処理量に応じて連続的または断続的にSiO2/Na2Oのモル比が0.5〜1.5(すなわち〔SiO2〕/〔Na2O〕が0.5〜1.5)のケイ酸ナトリウム水溶液(補充液)を現像液に加える方法、更には、特公昭57−7427号公報に開示されている、〔SiO2〕/〔M〕が0.5〜0.75(すなわち、〔SiO2〕/〔M2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の濃度が1〜4質量%であるアルカリ金属ケイ酸塩の現像液を用い、補充液として用いるアルカリ金属ケイ酸塩の〔SiO2〕/〔M〕が0.25〜0.75(すなわち〔SiO2〕/〔M2O〕が0.5〜1.5)であり、かつ該現像液および該補充液のいずれもがその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20質量%のカリウムを含有していることとからなる現像方法が好適に用いられる。
現像処理工程を経ることなく印刷する方法として具体的には、平版印刷版原版を露光した後、現像処理工程を経ることなく印刷機に装着して印刷する方法、平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上において露光し、そのまま印刷する方法等が挙げられる。
その結果、水性成分は露出した親水性の表面に付着し、油性インキは露光領域の画像記録層に着肉し、印刷が開始される。ここで、最初に版面に供給されるのは、水性成分でもよく、油性インキでもよいが、水性成分が未露光部の画像記録層により汚染されることを
防止する点で、最初に油性インキを供給するのが好ましい。水性成分および油性インキとしては、通常の平版印刷用の湿し水と印刷インキが用いられる。
このようにして、平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
以下、本発明に用いる平版印刷版原版を構成する要素について説明する。
本発明に用いられる重合開始剤は、光エネルギーによりラジカルを発生し、重合性不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物であり、特に、重合開始剤単独または重合開始剤と後述の増感剤との組み合わせで、250nm〜420nmの光を吸収してラジカルを発生する化合物である。このような光ラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることができる。
なお、白灯の発光スペクトル強度は400nm超の可視領域で強く、その領域に十分な感光性を有する重合開始剤では、白灯下でかぶりを生じやすくなるため、開始剤および増感剤の吸収極大は400nm以下にすることが好ましい。
クロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンや下記化合物等が挙げられる。
フェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチルー(4'−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
タジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩である。
は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z31 -は1価の陰イオンを表す。具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。より好ましいものとして特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオン、特に好ましいものとして特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
トロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9、10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルp−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンズアントロンなどを挙げることができる。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、ま
たはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
テルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
(ただし、R4およびR5は、HまたはCH3を示す。)
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、画像記録層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述の保護層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明では、画像記録層の膜強度や皮膜性の向上、および機上現像性の向上のために、バインダーポリマーを用いることができる。バインダーポリマーとしては、従来公知のものを制限なく使用でき、皮膜性を有する線状有機ポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していることが好ましい。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレン等が挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 (特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2 CH2 O−CH2 CH=CH2 、−CH2 C(CH3 )=CH2 、−CH2 CH=CH−C6 H5 、−CH2 CH2 OCOCH=CH−C6 H5 、−CH2 CH2 −NHCOO−CH2 CH=CH2 および−CH2 CH2 O−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 、−CH2 CH2 −Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2 CH2 −OCO−CH=CH2 が挙げられる。
インキに対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親油的な方が好ましく、湿し水に対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親水的な方が好ましい。このため、本発明においては、親油的なバインダーポリマーと親水的なバインダーポリマーを併用することも有効である。
バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
バインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物を用いることができる。
バインダーポリマーの含有量は、画像記録層の全固形分に対して、10〜90質量%であるのが好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。この範囲内で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
また、(B)重合性化合物とバインダーポリマーは、質量比で1/9〜7/3となる量で用いるのが好ましい。
本発明の平版印刷版原版では、少なくとも画像記録層またはその他の層に、重合性基と支持体吸着性基とを有する化合物(D)(以下、単に、「化合物(D)」とも呼ぶ。)が含有される。化合物(D)は、さらに親水性付与基を有することが好ましい。
上記化合物(D)を含有できるその他の層としては、支持体と画像記録層との間に設けられる下塗層(中間層)などの画像記録層に隣接する層が挙げられる。化合物(D)の下塗層への含有は、本発明の効果を十分に発揮するため特に好ましい。
[A]CH2 =C(CH3 )COO(C2 H4 O)n P=O(OH)2 n=1;ユニケミカル(株);ホスマーM、日本化薬(株);カヤマーPM−1、共栄社油脂(株);ライトエステルP−M、新中村化学工業(株);NKエステルSA、n=2;ユニケミカル(株);ホスマーPE2、n=4〜5;ユニケミカル(株);ホスマーPE、n=8;ユニケミカル(株);ホスマーPE8、
[B][CH2 =C(CH3 )COO(C2 H4 O)n ]m P=O(OH)3-m
n=1、m=1と2の混合物;大八化学工業(株);MR−200、
[C]CH2 =CHCOO(C2 H4 O)n P=O(OH)2
n=1;ユニケミカル(株);ホスマーA、共栄社油脂(株);ライトエステルP−A、[D][CH2 =CHCOO(C2 H4 O)n ]m P=O(OH)3-m
n=1、m=1と2の混合物;大八化学工業(株);AR−200
[E]CH2 =C(CH3 )COO(C2 H4 O)n P=O(OC4 H9 )2
n=1;大八化学工業(株);MR−204、
[F]CH2 =CHCOO(C2 H4 O)n P=O(OC4 H9 )2
n=1;大八化学工業(株);AR−204、
[G]CH2 =C(CH3 )COO(C2 H4 O)n P=O(OC8 H17)2
n=1;大八化学工業(株);MR−208、
[H]CH2 =CHCOO(C2 H4 O)n P=O(OC8 H17)2
n=1;大八化学工業(株);AR−208、
[I]CH2=C(CH3)COO(C2H4O) P=O(OH)(ONH3 C2 H4 OH)
n=1;ユニケミカル(株);ホスマーMH、
[J]CH2 =C(CH3 )COO(C2 H4 O)n P=O(OH)(ONH(CH3 )2 C2 H4 OCOC(CH3 )=CH2 ) n=1;ユニケミカル(株);ホスマーDM、
[K]CH2 =C(CH3 )COO(C2 H4 O)n P=O(OH)(ONH(C2H5)2 C2 H4 OCOC(CH3 )=CH2 ) n=1;ユニケミカル(株);ホスマーDE、
[L]CH2 =CHCOO(C2 H4 O)n P=O(O−ph)2
(ph:ベンゼン環を示す) n=1;大八化学工業(株);AR−260、
[M]CH2 =C(CH3 )COO(C2 H4 O)n P=O(O−ph)2
n=1;大八化学工業(株);MR−260、
[Q][CH2 =CHCOO(C2 H4 O)n ]2 P=O(OC4 H9 )
n=1;大八化学工業(株);PS−A4、
[N][CH2 =C(CH3 )COO(C2 H4 O)n ]2 P=O(OH)
n=1;大八化学工業(株);MR−200、日本化薬(株);カヤマーPM−2、日本化薬(株);カヤマーPM−21、
[O][CH2 =CHCOO(C2 H4 O)n ]3 P=O
n=1;大阪有機化学工業(株);ビスコート3PA。
市販品は、上記に示した化合物等があるが、これらに限定されるものではない。
式(IV)において、A1で表される繰り返し単位は、好ましくは下記式(A1)で表される。
L1:−CO−NH−二価の脂肪族基−O−CO−
L2:−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L3:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L4:−二価の脂肪族基−O−CO−
L5:−CO−NH−二価の芳香族基−O−CO−
L6:−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L7:−二価の芳香族基−O−CO−
L8:−CO−二価の脂肪族基−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L9:−CO−二価の脂肪族基−O−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L10:−CO−二価の芳香族基−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L11:−CO−二価の芳香族基−O−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L12:−CO−二価の脂肪族基−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−
L13:−CO−二価の脂肪族基−O−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L14:−CO−二価の芳香族基−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−
L15:−CO−二価の芳香族基−O−CO−二価の芳香族基−O−CO−
二価の脂肪族基は、環状構造よりも鎖状構造の方が好ましく、さらに分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造の方が好ましい。
二価の脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至12であることがさらに好ましく、1乃至10であることがさらにまた好ましく、1乃至8であることが最も好ましい。
二価の脂肪族基の置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基およびジアリールアミノ基等が挙げられる
二価の芳香族基の置換基の例としては、上記二価の脂肪族基の置換基の例に加えて、アルキル基が挙げられる。
特定官能基としては、具体的には支持体表面のSi−OH、Si−O-、Al3+、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等と共有結合、イオン結合、水素結合、極性相互作用、ファンデルワールズ相互作用などの相互作用が可能な基が挙げられる。特定官能基の具体例を以下に挙げる。
これらのなかでも特定官能基としては、アンモニウム基、ピリジニウム基等のオニウム塩基、リン酸エステル基、ホスホン酸基、ホウ酸基、アセチルアセトン基などのβ−ジケトン基などが好適である。
組み合わせからなるLの具体例としては、前記(A1)におけるLの具体例に加えて以下のものを挙げることができる。なお、下記例において左側が主鎖に結合し、右側がエチレン性不飽和結合に結合する。
L16: −CO−NH−
L17: −CO−O−
L18: −二価の芳香族基−
R7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。R9は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキレン基を表す。R10は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。nは1〜100の整数を表す。
画像記録層に含有させる場合は、化合物(D)を、(A)重合開始剤、(B)重合性化合物、およびその他の画像記録層の構成成分物とともに適当な溶媒に溶解または分散して調製した塗布液を塗布する方法が用いられる。化合物(D)の含有量は、画像記録層固形分の0.5〜40質量%が好ましく、より好ましくは1〜20質量%である。
ール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記化合物(D)を溶解させた溶液を表面処理したアルミニウム支持体上に塗布、乾燥する方法、または、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記化合物を溶解させた溶液に、表面処理したアルミニウム支持体を浸漬して上記化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾燥する方法によって設けることができる。前者の方法では、上記化合物(D)の濃度0.005〜10質量%の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。下塗層の乾燥後の被覆量は、0.1〜100mg/m2 であるのが好ましく、1〜30mg/m2 であるのがより好ましい。
本発明に用いられるフィラーとしては、通常樹脂に用いられるフィラーが使用でき、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属ケイ酸塩、金属窒化物、炭素類およびその他フィラーが用いられる。
金属酸化物としては、例えば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化スズおよび酸化アンチモン等が挙げられる。
金属水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられる。
金属炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイトおよびハイドロタルサイト等が挙げられる。
金属硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムおよび石膏繊維等が挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素および窒化ケイ素等が挙げられる。
炭素類としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルーン、木炭粉末、カーボンナノチューブおよびフラーレン等が挙げられる。
その他のフィラーとしては、例えば、その他各種金属粉(金、銀、銅、スズ等)、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、スラグ繊維、テフロン(登録商標)粉、木粉、パルプ、ゴム粉およびアラミド繊維等が挙げられる。
これらフィラーは単独でも、2種以上併用してもよい。
これらのうち、金属酸化物、金属ケイ酸塩および内部架橋した有機微粒子が好ましく、さらに好ましくは金属酸化物および金属ケイ酸塩であり、特に好ましくはシリカ、アルミナ、酸化チタン、タルク、カオリン、クレー、活性白土、セピオライト、ガラスビーズであり、最も好ましくはシリカまたはアルミナである。
チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタン等が挙げられる。アルミネートカップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびエレオステアリン酸等が挙げられる。
油脂としては、例えば、ココナッツ油、米カス油、大豆油、アマニ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油および桐油等が挙げられる。
ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物およびポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、マレイン化ポリプロピレンおよびマレイン化ポリエチレン等が挙げられる。
カルボン酸カップリング剤としては、例えば、カルボキシル化ポリブタジエンおよびカルボキシル化ポリイソプレン等が挙げられる。
リン酸カップリング剤としては、例えば、リン酸モノオクチルエステル、リン酸モノ(2,6−ジメチル−7−オクテニル)エステル、リン酸モノ(6−メルカプトヘキシル)エステルおよびリン酸モノ(2−メタクリロキシプロピル)エステル等のリン酸系カップリング剤等が挙げられる。
また、本発明で用いるフィラーとしては、表面に重合性官能基をもつものが耐刷性向上の点でより好ましい。そのための表面処理としてはエチレン性不飽和結合を有する化合物での表面処理が好ましく、エチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤による表面処理が特に好ましい。
種々変えることができるが、画像記録層の0.1〜80質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましく、さらには5〜50質量%が好ましい。この範囲内で、画像部の耐刷性と機上現像性が両立する。
本発明に用いられるフィラーの平均粒径は、画像記録層の膜厚にもよるが、5nm〜100μmが好ましく、5nm〜10μmがより好ましく、さらには10nm〜1μmが好ましい。この範囲内で、画像部の耐刷性と機上現像性が両立する。
本発明の画像記録層には、さらに、界面活性剤、着色剤、焼き出し剤、重合禁止剤、高級脂肪酸誘導体、可塑剤、無機微粒子、低分子親水性化合物などの添加剤を、必要に応じて含有させることができる。以下、それらについて説明する。
本発明において、画像記録層には、印刷開始時の機上現像性を促進させるため、および、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ことができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
本発明では、更に必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
本発明の画像記録層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
スタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p',p"−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
本発明の画像記録層には、画像記録層の製造中または保存中において(C)ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好まし
い。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
本発明の画像記録層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
本発明の画像記録層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
本発明の画像記録層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩等が上げられる。
本発明においては、上記の画像記録層構成成分を画像記録層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型画像記録層である。もう一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全てまたは一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層に含有させるマイクロカプセル型画像記録層である。さらに。マイクロカプセル型画像記録層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させ
ることもできる。ここで、マイクロカプセル型画像記録層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。より良好な機上現像性を得るためには、画像記録層は、マイクロカプセル型画像記録層であることが好ましい。
本発明の画像記録層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布
、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定すること
はできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/d m2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2 であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2 であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲内で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
支持体に表面処理を施した後または下塗層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高
分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH3 )4 、Si(OC2 H5 )4 、Si(OC3 H7 )4 、Si(OC4 H9 )4 等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
本発明の平版印刷方法に用いられる本発明の平版印刷版原版においては、露光による画像形成は酸素の影響を受けにくい態様となっているため、酸素遮断を目的とする保護層は必ずしも必要ではないが、画像記録層における傷等の発生防止、高照度レーザー露光時のアブレーション防止や、画像強度をより高めるための酸素遮断のために、必要に応じて、画像記録層の上に保護層を設けることができる。
本発明においては、通常、露光を大気中で行うが、保護層は、画像記録層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物の画像記録層への混入を防止し、大気中での露光による画像形成反応の阻害を防止する。したがって、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、更に、露光に用いられる光の透過性が良好で、画像記録層との密着性に優れ、かつ、露光後の機上現像処理工程で容易に除去することができるものであるのが好ましい。このような特性を有する保護層については、以前より種々検討がなされており、例えば、米国特許第3、458、311号明細書および特公昭55−49729号公報に詳細に記載されている。
中でも、ポリビニルアルコール(PVA)を主成分として用いると、酸素遮断性、現像除去性等の基本的な特性に対して最も良好な結果を与える。ポリビニルアルコールは、保護層に必要な酸素遮断性と水溶性を与えるための未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテルまたはアセタールで置換されていてもよく、一部が他の共重合成分を有していてもよい。
対して数質量%相当量添加して可撓性を付与することができ、また、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤;アルキルアミノカルボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤を(共)重合体に対して数質量%添加することができる。
保護層の塗布方法については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書および特公昭55−49729号公報に詳細に記載されている。
Al:99.5質量%以上、Fe:0.30質量%、Si:0.10質量%、Ti:0.02質量%、Cu:0.013質量%を含有し、残部は不可避不純物のJIS A1050アルミニウム合金の溶湯に清浄化処理を施し、鋳造した。清浄化処理としては、溶湯中の水素等の不要なガスを除去するために脱ガス処理し、更に、セラミックチューブフィルタ処理を行った。鋳造法はDC鋳造法で行った。凝固した板厚500mmの鋳塊の表面を10mm面削し、金属間化合物が粗大化してしまわないように550℃で10時間均質化処理を行った。ついで、400℃で熱間圧延し、連続焼鈍炉中、500℃で60秒間、中間焼鈍した後、冷間圧延を行って、厚さ0.30mmのアルミニウム圧延板とした。圧延ロールの粗さを制御することにより、冷間圧延後の中心線平均粗さRa を0.2μmに制御した。その後、平面性を向上させるためにテンションレベラーにかけた。得られたアルミニウム板を、以下に示す表面処理に供した。
上記アルミニウム板の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2で
あった。
その後、スプレーによる水洗を行った。
2−1.平版印刷版原版(1)(フォトポリマー版材)の作製
上記支持体上に、下記組成の下塗層塗布液(1)を用い、下記の手順によりゾルゲル法の液状組成物(ゾル液)を調製した。次いで、このゾル液をメタノール/エチレングリコール=20/1(質量比)で0.5質量%になるように希釈して基板にホイラー塗布し、100℃1分乾燥させた。その時の塗布量は5mg/m2であった。この塗布量は、ケイ光X線分析法によりSi元素量を求め、それを塗布量とした。
Si(OC2H5 )4 50g
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 20g
85質量%リン酸水溶液 18g
イオン交換水 20g
メタノール 150g
ビーカーに下塗層塗布液(1)組成物を秤量し、25℃で20分間撹拌した。その溶液を三口フラスコに移し、還流冷却器を取り付け、三口フラスコを室温のオイルバスに浸した。三口フラスコの内容物をマグネティックスターラーで撹拌しながら、30分間で50℃まで上昇させた。浴温を50℃に保ったまま、更に1時間反応させ液組成物(ゾル液)を得た。
テトラメチロールメタンテトラアクリレート 20g
下記バインダーポリマー(1)(平均分子量5万) 30g
下記重合開始剤(1) 1g
ε−フタロシアニン/バインダーポリマー(1)分散物 2g
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF177
(大日本インキ化学工業(株)製) 0.5g
クペロンAL(ニトロソ化合物、和光純薬工業(株)製) 0.2g
メチルエチルケトン 200g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 200g
ポリビニルアルコール(ケン化度95モル%、重合度800) 40g
ポリビニルピロリドン(分子量5万) 5g
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))分子量7万 5g
水 950g
上記支持体上に、下記組成の下塗層塗布液(2)を、液量7.5ml/m2となるバーを用いて塗布した後、80℃、10秒でオーブン乾燥した。下記組成の画像記録層塗布液(2)をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像記録層を形成し、この上に上記組成よりなる保護層塗布液(1)を、乾燥塗布質量が0.5g/m2となるように塗布し、120℃で1分間乾燥して平版印刷版原版(2)を得た。
・水 300g
・メタノール 2700g
・下記の化合物(D)−1 1.45g
・上記重合開始剤(1) 0.2g
・下記バインダーポリマー(2)(平均分子量8万) 6.0g
・重合性化合物 12.4g
イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート(東亜合成(株)製M−315)
・ロイコクリスタルバイオレット 3.0g
・熱重合禁止剤 0.1g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・テトラエチルアンモニウムクロリド 0.1g
・下記のフッ素系界面活性剤(1) 0.1g
・メチルエチルケトン 70.0g
上記画像記録層塗布液(2)を下記組成の画像記録層塗布液(3)に変更した以外は、平版印刷版原版(2)の作製と同様にして、平版印刷版原版(3)を得た。
・上記重合開始剤(1) 0.2g
・上記バインダーポリマー(2)(平均分子量8万) 3.0g
・重合性化合物 6.2g
イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート(東亜合成(株)製M−315)
・ロイコクリスタルバイオレット 3.0g
・熱重合禁止剤 0.1g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・テトラエチルアンモニウムクロリド 0.1g
・上記のフッ素系界面活性剤(1) 0.1g
・下記のマイクロカプセル(1)(固形分換算で) 10.0g
・メチルエチルケトン 35.0g
・1−メトキシー2−プロパノール 35.0g
・水 10.0g
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15g、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成(株)製ODB)1g、およびパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを酢酸エチル17gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、40℃で3時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液(1)の固形分濃度を、20質量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.25μmであった。
平版印刷版原版(2)の作製に用いた重合開始剤(1)を下記重合開始剤(2)に変更した以外は、平版印刷版原版(2)の作製と同様にして、平版印刷版原版(4)を得た。
画像記録層塗布液(2)の重合開始剤(1)を下記重合開始剤(3)および(4)に変更し、下記増感色素(1)0.5gを各々添加した以外は、平版印刷版原版(2)の作製と同様にして、平版印刷版原版(5)および(6)を得た。また、画像記録層塗布液(2)の重合開始剤(1)を下記重合開始剤(3)に変更し、さらに下記増感色素(2)を0.5g添加した以外は、平版印刷版原版(2)の作製と同様にして、平版印刷版原版(7)を得た。
上記平版印刷版原版(1)および(2)の作製において、画像記録層の上に保護層を塗布する前の平版印刷版原版を、それぞれ平版印刷版原版(8)および(9)とした。
平版印刷版原版(5)に用いた増感色素(1)を下記増感色素(3)に変更した以外は、平版印刷版原版(5)の作製と同様にして、平版印刷版原版(10)を得た。
上記のように作製した平版印刷版原版(1)〜(9)を用いて、画像形成および印刷を行い、感度、細線再現性および白灯安全性について評価した。以下に用いた露光方法、現像方法、印刷方法および評価方法を示す。また、各実施例で用いた平版印刷版原版および評価結果を表1に示す。
1画素描画時間を表1記載のように、それぞれ変更した以外は、実施例1および2と同様にして露光および印刷を行った。結果を表1に示す。
平版印刷版原版(2)を用いて、実施例4の露光方法において、レーザーおよび1画素描画時間を表1記載のように変更した以外は、実施例4と同様にして露光および印刷を行った。結果を表1に示す。
1画素描画時間を表1記載のように変更した以外は、実施例2と同様にして露光および印刷評価を行った。結果を表1に示す。
平版印刷版原版(10)を用いて、488nmArレーザーに変更し、1画素描画時間を表1記載のように変更した以外は、実施例2と同様にして露光および印刷評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例1〜3および5〜11、比較例1〜2>
平版印刷版原版を図6に示すDMD空間変調素子を用いた光学系からなる露光ヘッドを使用して、375nmまたは405nm(実施例7)半導体レーザーにて、出力2mW、周長900mmの外面ドラム、ドラム回転数800rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。1画素描画時間は表1に示したとおりである。
平版印刷版原版を図4に示すYAG発振モードロック固体レーザーの4倍波である266nm(実施例4)、355nm(実施例12)または488nm(比較例3)レーザー、出力100mW、スピンドルミラー30000rpm、インナードラム方式、解像度2400dpiの条件で露光した。1画素描画時間は表1に示したとおりである。
平版印刷版原版(1)および(8)は、DP−4現像液(富士写真フイルム(株)製)を水で18倍に希釈し30℃で、15秒間浸漬して行った。次にGU−7(富士写真フイルム(株)製)ガム液を水で2倍に希釈し版面を処理した。
平版印刷版原版(2)〜(7)、(9)および(10)は、下記印刷方法に記載のとおり、露光済み原版を現像処理することなく機上現像を行った。
平版印刷版原版(1)および(8)は現像処理を行った後に、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mに取り付け、湿し水(EU−3(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業社製)とを用い、毎時6000枚の印刷速度で印刷を行った。
<感度>
100枚印刷を行って、非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物において、画像部のインキ濃度にムラがない露光量を感度として計測した。
上記の感度評価で決定した露光量で露光した平版印刷版原版について、上述したように、100枚印刷して非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物の細線チャート(10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、60、80、100および200μmの細線を露光したチャート)を25倍のルーペで観察し、途切れることなくインキで再現された細線幅により、細線再現性を評価した。
露光されていない平版印刷版原版を、白色蛍光灯下に置き、平版印刷版原版の表面で400luxの光量になる条件下に設置し、曝光を行った。これら白灯下に曝した平版印刷版原版を、現像処理が必要なものは現像処理を行った後、上記同様、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付け、100枚の印刷を行った後、インキ汚れが生じない白色蛍光灯下での曝光時間を計測した。この時間が長いほど、白灯安全性が良好であるといえる。
上記支持体上に、下記組成の画像記録層塗布液(4)をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像記録層を形成し、この上に前記の
保護層塗布液(1)を、乾燥塗布質量が0.5g/m2となるように塗布し、120℃で1分間乾燥して平版印刷版原版(13)を得た。
・上記重合開始剤(1) 0.2g
・上記バインダーポリマー(2)(平均分子量8万) 6.0g
・重合性化合物 12.4g
イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート
(東亜合成(株)製、M−315)
・上記化合物(D)−1 1.5g
・ロイコクリスタルバイオレット 3.0g
・熱重合禁止剤 0.1g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・テトラエチルアンモニウムクロリド 0.1g
・上記のフッ素系界面活性剤(1) 0.1g
・メチルエチルケトン 70.0g
実施例13で用いた支持体上に、前記の下塗層塗布液(1)を、液量7.5ml/m2となるバーを用いて塗布した後、80℃、10秒でオーブン乾燥した。次に、実施例13記載の画像記録層塗布液(4)から化合物(D)−1を除いた他は、実施例13記載の方法と同様にして、画像記録層および保護層を設け、平版印刷版原版(14)を得た。
実施例14において、化合物(D)−1を表2に示す下塗層含有化合物に代えた他は、実施例14と同様にして、平版印刷版原版(15)〜(18)を得た。
実施例13において、重合開始剤(1)を表3に示す化合物に代えた他は、実施例13と同様にして、平版印刷版原版(19)〜(23)を得た。
実施例13で用いた支持体上に、実施例14記載と同様の下塗層を設け、次に、下記組成の画像記録層塗布液(5)をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像記録層を形成し、この上に上記の保護層塗布液(1)を、乾燥塗布質量が0.5g/m2となるように塗布し、120℃で1分間乾燥して平版印刷版原版(24)を得た。
・下記重合開始剤(5) 0.2g
・上記バインダーポリマー(1)(平均分子量8万) 6.0g
・重合性化合物 12.4g
イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート
(東亜合成(株)製、M−315)
・前記増感色素(1) 1.0g
・ロイコクリスタルバイオレット 3.0g
・熱重合禁止剤 0.1g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・テトラエチルアンモニウムクロリド 0.1g
・前記のフッ素系界面活性剤(1) 0.1g
・メチルエチルケトン 70.0g
実施例24記載の重合開始剤(5)および増感色素(1)の組み合わせを表4に示す化合物の組み合わせに代えた他は、実施例24と同様にして、平版印刷版原版(25)〜(27)を得た。
実施例14で用いた画像記録層塗布液(4)を下記組成の画像記録層塗布液(6)に変更した以外は、実施例14と同様にして、平版印刷版原版(28)を得た。
・上記重合開始剤(1) 0.2g
・上記バインダーポリマー(2)(平均分子量8万) 3.0g
・重合性化合物 6.2g
イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート
(東亜合成(株)製、M−315)
・上記化合物(D)−1 1.5g
・ロイコクリスタルバイオレット 3.0g
・熱重合禁止剤 0.1g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・テトラエチルアンモニウムクロリド 0.1g
・上記のフッ素系界面活性剤(1) 0.1g
・上記のマイクロカプセル(1)(固形分換算で) 10.0g
・メチルエチルケトン 35.0g
・1−メトキシー2−プロパノール 35.0g
・水 10.0g
実施例13記載の画像記録層塗布液(4)から化合物(D)−1を除いた他は、実施例13記載と同様にして、平版印刷版原版(29)を得た。
実施例16記載の下塗層含有化合物4の代わりに、比較例5では重合性基を有さない下記化合物P−1を、比較例6では支持体吸着性基を有さない化合物P−2を用いた以外は実施例16と同様にして、それぞれ平版印刷版原版(30)と(31)を得た。
得られた平版印刷版原版(13)〜(31)を375nm半導体レーザーにて、出力2mW、周長900mmの外面ドラム、ドラム回転数800rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。得られた露光済み原版を現像処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付けた。湿し水(EU−3(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、湿し水とインキを供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を行った。
て、耐刷性を保持しつつ機上現像性も優れたものになることがわかる。
2 電気光学変調素子
3 ハーフミラー
4 ミラー
5 光検出器
D ドラム
Lo ビーム
L1,L2,L3 レンズ
10 画像記録装置
12 露光ヘッド
14 ドラム
16 ブロードエリアアレイレーザーダイオード
18 シリンドリカルレンズ
20 コリメートレンズ
22,26 λ/2板
24 強誘電性液晶シャッターアレイ
28 検光子
30,32 レンズ
40 コントローラー
50 DMD(空間光変調素子)
56 露光面
66 ファイバアレイ光学系
67 レンズ系
72 レンズ系
74 レンズ系
76 マイクロレンズアレイ
78 アパーチャー
80 レンズ系
82 レンズ系
Claims (9)
- 支持体上に、(a1)重合性基を少なくとも1つ含有する繰り返し単位と(a2)支持体吸着性基を少なくとも1つ含有する繰り返し単位とを有する共重合体を含有する下塗層を有し、さらに(A)重合開始剤、(B)重合性化合物、および(C)バインダーポリマーを含有し、波長250nm〜420nmの範囲に感光性がある画像記録層を有する平版印刷版原版を、波長250nm〜420nmの範囲の光を放射するレーザー光を用いて、1画素描画時間が1ミリ秒以下で露光することを特徴とする画像形成方法。
- 該共重合体が、一般式(A1)で表される繰り返し単位及び一般式(A2)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
式中、R 1 〜R 3 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R 4 〜R 6 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、アシル基、またはアシルオキシ基を表す。またR 4 とR 5 、またはR 5 とR 6 で環を形成してもよい。Lは−CO−、−O−、−NH−、二価の脂肪族基、二価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Qは支持体表
面と相互作用する官能基を表す。 - 該共重合体が、更に一般式(A3)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
一般式(A3)において、R 1 〜R 3 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。Lは−CO−、−O−、−NH−、二価の脂肪族基、二価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Wは、下記のいずれかの基を表す。
M 1 は、水素原子、金属原子、またはアンモニウム基を表す。R 7 およびR 8 は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。R 9 は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキレン基を表す。R 10 は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。nは1〜100の整数を表す。 - 上記レーザー光波長が405nm、375nm、365nm、355nmおよび266nmから選ばれるいずれかの波長であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
- DMDまたはGLV変調素子と波長405nmまたは375nm半導体レーザーとからなる光学系を用いて露光することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
- レーザー光波長が365nm、355nmおよび266nmから選ばれるいずれかの波長であり、インナードラム方式で露光することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法によって得られた露光済み平版印刷版原版に、現像液による現像を施すか、または該平版印刷版原版に印刷インキおよび/または湿し水を供給して行う機上現像を施したのち、印刷することを含む平版印刷方法。
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