JP2006047363A - 画像記録装置および画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷版原版を、実質的に酸素を含まない酸素遮断雰囲気において容易に画像記録できるとともに、画像記録後における明室安全性が優れた画像記録装置および画像記録方法を提供する。
【解決手段】画像記録装置は、酸素遮断層を有さず、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層が形成された印刷版原版に光ビームにより画像記録するものであり、表面に印刷版原版の支持体が載置される支持台と、支持台の表面に対向して配置され、支持台に対して密着および離間可能である透明基板とを備え、支持台と透明基板とにより平版印刷原版が収納される閉空間が形成され、印刷版原版が閉空間に画像記録層と透明基板とが所定の間隔をあけて収納される収納手段と、閉空間内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、閉空間内を排気する排気手段と、印刷版原版を光ビームにより露光する露光手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素を実質的に含まない酸素遮断状態で印刷版原版に画像を記録する画像記録装置および画像記録方法に関し、特に、支持体上に、波長が250nm〜420nmの範囲に感光性があり、酸素遮断層を有さない、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層が形成された印刷版原版に、画像信号に基づいて変調された光ビームにより所定の画像を形成する画像記録装置および画像記録方法に関する。
従来から、アルミニウムなどからなる支持体上に画像記録層が形成された印刷版原版において、画像記録層について、ラジカル重合反応を利用して、レーザ光により露光された領域をポリマー化して硬化させる技術が一般的に知られている。この場合、空気中の酸素は露光により発生した画像記録層中のラジカルを失活化させる性質があり、上述の印刷版原版において、ラジカル重合反応を妨げる要因になっている。このため、酸素が含む環境においては、印刷版原版を高感度化することができないという問題があり、露光のためのレーザ光の強度を高くする必要がある。
そこで、上述の問題を解決するための対策方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された印刷版の作製方法においては、複数の吸引孔を有する部材の上に、印刷版原版の支持体を配置し、この印刷版原版よりも大きな透明なシートを感光層側に重ねて、吸引孔から排気を行いながら露光ビームにより像様露光し、露光終了後に現像して印刷版を作製する。
特開平9−23350号公報
しかしながら、特許文献1に開示された印刷版の作製方法は、フレキシブルな透明シートを用い、この透明シートを通して露光を行っている。このため、透明シートにキズまたはしわなどが発生した場合には、露光ビームが拡散されて露光不良が生じるという問題点がある。
また、特許文献1において、キズまたはしわの発生を回避するためには、露光する毎に新たな透明シートに交換する必要がある。さらに、特許文献1においては、露光毎に透明シートを印刷版原版に重ねる工程が必要であり、印刷版の生産性が低下してしまう。
また、印刷版原版に付着した汚れ等の検査の際に、至近距離から蛍光灯を照射して検査が行なわれている。このような検査環境下に曝された場合において、不要な画像の形成が抑制されることが望まれている。すなわち、画像露光後に、白熱灯、または蛍光灯などの白灯が設けられている明室内環境下において露光されないことが望まれている。このように、印刷版原版の扱いなど、作業性の観点から明室環境で扱えることが印刷版原版には望まれている。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、波長が250nm〜420nmの範囲に感光性があり、酸素遮断層を有さない、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層が形成された印刷版原版を、実質的に酸素を含まない酸素遮断雰囲気において容易に画像記録できるとともに、画像記録後における明室安全性が優れた画像記録装置および画像記録方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、支持体上に、重合開始剤と、重合性化合物およびバインダーポリマーを含有し、波長が250nm〜420nmの範囲に感光性があり、酸素遮断層を有さない、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層が形成された印刷版原版に、画像信号に基づいて変調された光ビームを照射して所定の画像を記録する画像記録装置であって、表面に、前記印刷版原版の前記支持体が載置される支持台と、前記支持台の表面に対向して配置され、前記支持台に対して密着および離間可能である透明基板とを備え、前記支持台と前記透明基板とが密着することにより、前記平版印刷原版が収納される閉空間が形成され、前記印刷版原版が、前記閉空間に前記画像記録層と前記透明基板とが所定の間隔をあけて収納される収納手段と、前記閉空間内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、前記閉空間内を排気する排気手段と、前記透明基板の上方に設けられ、光ビームによって印刷版原版を露光する露光手段とを有することを特徴とする画像記録装置を提供するものである。
また、本発明においては、前記支持台は、その表面に、少なくとも前記印刷版原版が載置される領域に凸凹が形成されていることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記露光手段は、前記透明基板の上方に2次元的に移動可能に設けられ、前記印刷版原版を2次元的に走査露光するものであることが好ましい。
また、本発明の第2の態様は、支持体上に、重合開始剤と、重合性化合物およびバインダーポリマーを含有し、波長が250nm〜420nmの範囲に感光性があり、酸素遮断層を有さない、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層が形成された印刷版原版に、画像信号に基づいて変調された光ビームを照射して所定の画像を記録する画像記録方法であって、前記光ビームが照射される側の面が透明部材により構成される閉空間内に前記印刷版原版を収納する工程と、前記閉空間内を不活性ガスで置換する工程と、前記不活性ガスで置換された前記閉空間内を排気する工程と、画像信号に基づいて変調された光ビームを用いて前記印刷版原版に画像露光を酸素遮断状態で行なう工程とを有することを特徴とする画像記録方法を提供するものである。
本発明の画像記録装置によれば、画像記録層と透明基板とが所定の間隔をあけて収納される収納手段を備え、この収納手段の閉空間内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、閉空間内を排気する排気手段とを設けることにより、印刷版原版が収納された閉空間内を不活性ガスで置換した後、閉空間内を排気手段により排気することができる。このため閉空間内を、効率よく実質的に酸素を含まない酸素遮断状態にすることができる。このような酸素遮断状態で画像露光することができる。よって、印刷版原版を感度が高い状態で画像記録できる。しかも、印刷版原版は、感光性が250nm〜420nmの範囲の波長にあり、酸素を含む環境においては感度が低い。このため、画像記録後に、画像記録された印刷原版を、室内に取り出した場合でも、不要な画像が形成されることがない。すなわち、明室安全性を確保することができる。
また、本発明の画像記録方法によれば、光ビームが照射される側の面が透明部材により構成される閉空間内に印刷版原版を収納し、閉空間内を不活性ガスで置換し、不活性ガスで置換された閉空間内を排気して、実質的に酸素を含まない酸素遮断状態で、画像信号に基づいて変調された光ビームを用いて印刷版原版に画像露光を行なうことにより、印刷版原版の感度が高い状態で、画像記録することができる。しかも、印刷版原版は、感光性が250nm〜420nmの範囲の波長にあり、酸素を含む環境においては感度が低い。このため、画像記録後に、画像記録された印刷原版を、室内に取り出した場合でも、不要な画像が形成されることがない。すなわち、明室安全性を確保することができる。
また、本発明の画像記録方法によれば、閉空間内を不活性ガスで置換した後に、排気するため、短時間で閉空間内を酸素遮断状態にすることができる。このため、容易に露光の準備ができ、透明シートの貼り付けが不要になり、作業を簡単にできる。さらに、短時間で閉空間内を酸素遮断状態にすることができるため、画像記録を速やかにでき、生産性を向上させることができる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の画像記録装置および画像記録方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係る画像記録装置を示す模式的斜視図である。
図1に示すように、画像記録装置10は、フラットベッドタイプの刷版露光装置である。この画像記録装置10は、基本的に、1対のガイド部材12a、12bと、1対のガイド部材の上に設けられる主走査ユニット16と、露光ヘッド20(露光手段)と、光源ユニット22と、副走査モータ24と、主走査モータ26と、制御部28と、画像データ供給部30と、印刷版原版Pを収納する収納部40と、不活性ガス供給部52(不活性ガス供給手段)と、排気ポンプ56(排気手段)とを有する。また、画像記録装置10には、主走査ユニット16および露光ヘッド20の各位置を検出する位置検出センサ(図示せず)が設けられている。これらの位置検出センサは、制御部28に接続されている。制御部28により、主走査ユニット16および露光ヘッド20の各位置が把握される。
画像記録装置10において、1対のガイド部材12a、12bは、一方向に延びる略直方体状の部材からなり、収納部40を挟んで平行に配置されている。本実施例においては、ガイド部材12a、12bが延びる一方向が副走査方向Vであり、この副走査方向Vと直交する他の方向が主走査方向Mである。
また、各ガイド部材12a、12bの上面には、一方向に延びるガイドレール14a、14bが設けられている。このガイドレール14a、14bを介して主走査ユニット16が設けられている。ガイドレール14a、14bは、主走査ユニット16を副走査方向Vに案内するものである。主走査ユニット16には、各ガイドレール14a、14bに案内される案内部(図示せず)が設けられている。
主走査ユニット16は、ガイド部材12a、12bに対して、リニアガイド(図示せず)により直動可能に設けられている。これにより、副走査方向Vに主走査ユニットが移動できる。
例えば、リニアガイドとしては、ガイドレール14a、14bが延びる方向と平行な方向に沿って延びるボールねじ軸(図示せず)が設けられている。このボールねじ軸と螺合するスリーブ(図示せず)が設けられている。このスリーブは、主走査ユニット16に設けられている。
また、ボールねじ軸は、副走査モータ24に接続されている。副走査モータ24は、主走査ユニット16を副走査方向Vに移動させるための駆動手段である。
この副走査モータ24は、副走査方向Vにおける主走査ユニット16(露光ヘッド20)の移動量を制御する必要があるので、パルスモータであることが好ましい。なお、副走査モータ24は、例えば、伝達手段を介してボールねじ軸に連結されていてもよい。
このように、主走査ユニット16は、副走査モータ24により、ガイドレール14a、14bに沿って副走査方向Vに移動される。
主走査ユニット16は、露光ヘッド20を副走査方向Vに移動させるものである。主走査ユニット16は、副走査方向Vにおける一方の面が垂直面16aに形成されている。この垂直面16aには、主走査方向Mに延びる1対のガイドレール18a、18bが設けられている。露光ヘッド20にも、各ガイドレール18a、18bに案内される案内部(図示せず)が設けられている。
1対のガイドレール18a、18bにより、露光ヘッド20が主走査方向に案内される。また、露光ヘッド20は、主走査ユニット16に、リニアガイド(図示せず)により直動可能に設けられている。これにより、主走査方向Mに露光ヘッド20が移動できる。
例えば、リニアガイドとしては、ガイドレール18a、18bが延びる方向と平行な方向に沿って延びるボールねじ軸(図示せず)が設けられている。このボールねじ軸と螺合するスリーブ(図示せず)が設けられている。このスリーブは、露光ヘッド20に設けられている。
また、ボールねじ軸は、主走査モータ26に接続されている。主走査モータ26は、露光ヘッド20を主走査方向Mに移動させるための駆動手段である。
この主走査モータ26は、主走査方向Mにおける露光ヘッド20の移動量を制御する必要があるので、パルスモータであることが好ましい。なお、主走査モータ26は、例えば、伝達手段を介してボールねじ軸に連結されていてもよい。
このように、露光ヘッド20は、主走査モータ26により、ガイドレール18a、18bに沿って主走査方向Mに移動される。なお、この露光ヘッド20は、光源ユニット22に接続されている。また、露光ヘッド20の詳細な構成については、後で説明する。
光源ユニット22は、複数の半導体レーザチップ(図示せず)から射出されたレーザ光を合波して光ファイバ(図示せず)に入力する合波モジュール(図示せず)を複数個有するものである。各合波モジュールから延びる光ファイバは、合波したレーザ光を伝搬する合波光ファイバであって、複数の光ファイバが1つに束ねられてバンドル状光ファイバ(図示せず)が形成されている。このようなバンドル状光ファイバが、複数本、露光ヘッドユニット20に接続されている。
半導体レーザチップは、印刷版原版Pの画像記録層が感光性を有する波長のレーザ光を出射するものである。本実施例においては、例えば、波長が250nm〜420nm、好ましくは360〜380nmのレーザ光を出射するものである。
また、印刷版原版Pの収納部40は、印刷版原版Pを酸素遮断状態に保持するものであり、基本的に、支持台42と、透明基板44と、シール部材46とを有する。
本発明において、酸素遮断状態とは、酸素濃度が、露光により発生した画像記録層中のラジカルを失活させない濃度以下であることをいう。なお、ラジカルを失活させない酸素濃度は、画像記録層の組成により決定されるものである。
図2は、本発明の実施例に係る画像記録装置の印刷版原版の収納部を示す模式的側断面図である。
図2に示すように、収納部40は、支持台42に対向して透明基板44がシール部材46を介して設けられている。これらの支持台42、透明基板44およびシール部材46により、閉空間Sが形成される。
また、透明基板44と、支持台42とは相対的に垂直方向に移動可能である。このように、透明基板44、または支持台42が垂直方向に移動することにより、支持台42に印刷版原版Pを載置することができる。
支持台42は、金属または合金製の厚肉の板材により構成されるものであり、画像露光される印刷版原版Pよりも大きい。
透明基板44は、露光ヘッド20から照射される波長が紫外線域(波長が360nm〜380nm)にあるレーザ光を所定の透過率で透過させることができるものであれば、特に限定されるものではない。この透明基板44としては、例えば、ガラス基板を用いることができる。
シール部材46は、閉空間S内の気密性を保持するものであり、印刷版原版Pの外周を囲むように支持台42の表面42aに設けられている。このシール部材46は、閉空間S内を所定の真空度を保持できる気密性を有するものであれば、特に限定されるものではない。
収納部40の閉空間S内における支持台42の表面42aには、凸凹部48が形成されている。この凸凹部48は、印刷版原板Pが載置される領域に少なくも形成されればよく、例えば、高さは1mmである。
この凸凹部48により、印刷版原版Pと表面42aとの間に気体の流路が形成され、閉空間S内における気体の流れを阻害することがなくなり、閉空間S内を効率良く排気することができる。
なお、凸凹部48は、形状、および配列は、特に限定されるものではなく、印刷版原板Pと支持台42の表面42aとの間の気体の流れを向上させることができれば、特に限定されるものではない。凸凹部48は、規則または不規則に配置されてもよい。
また、支持台42には、配管58aを介してリークバルブ58が設けられている。このリークバルブ58により、閉空間S内を大気開放するものである。
このリークバルブ58は、特に限定されるものではなく、電磁弁、または手動式の開閉弁などの種々のものを用いることができる。
また、図1および図2に示すように、収納部40の支持台42には、配管50aおよび開閉バルブ50を介して不活性ガス供給部52が接続されている。さらに、収納部40の支持台42には、配管54aおよび開閉バルブ50を介して排気ポンプ56が接続されている。
不活性ガス供給部52は、閉空間S内に不活性ガスを供給するものである。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、およびヘリウムガスなどである。この不活性ガスのうち、窒素ガスが安価であるため、特に好ましい。
開閉バルブ50は、不活性ガス供給部52から収納部40の閉空間Sに、例えば、窒素ガス(不活性ガス)を供給するか、供給しないかを制御するものである。この開閉バルブ50は、例えば、制御部28により、開閉が制御される。開閉バルブ50としては、例えば、電磁弁(ソレノイドバルブ)が挙げられる。
この制御部28により、開閉バルブ50が開閉されて不活性ガス供給部52から閉空間S内への不活性ガスの供給量が調整される。このようにして、所定の酸素濃度以下となるように閉空間S内を、例えば、窒素ガス(不活性ガス)で置換することができる。
排気ポンプ56は、閉空間S内を排気するものである。排気ポンプとしては、特に限定されるものではなく、ロータリーポンプなどの真空ポンプを用いることができる。
開閉バルブ54は、排気ポンプ56と閉空間Sとを接続状態を変えるものである。この開閉バルブ54は、例えば、制御部28により、開閉が制御される。開閉バルブ54としては、例えば、電磁弁(ソレノイドバルブ)が挙げられる。
また、配管54aには、真空計55が設けられている。この真空計55は、収納部40の閉空間Sの真空度を測定するものである。真空計55は、閉空間S内の圧力を測定できれば、特に限定されるものではない。
また、図3に示すように、印刷版原版Pは、支持体100と、支持体100の表面に形成された画像記録層102とを有する。画像記録層102は、重合開始剤と、重合性化合物およびバインダーポリマーを含有するものである。この画像記録層102は、波長が250nm〜420nmの範囲に感光性があり、酸素遮断層を有さないものであり、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能なものである。
本実施例において、印刷版原版Pの厚さtは、例えば、250μmである。また、画像記録層102の凹凸の高さ(粗さ)Rは、例えば、0.2〜0.5μmであり、その凹凸の周期fは、例えば、10μmである。印刷版原版Pと透明基板44との隙間gは、例えば、10μm〜10mmである。なお、印刷版原版Pの組成については、後に詳細に説明する。
次に、本実施例の露光ヘッド20について詳細に説明する。露光ヘッド20は、所定の露光領域A(図6参照)を有するものである。
図4は、本実施例の画像記録装置の露光ヘッドの構成を示す模式的側断面図である。
露光ヘッド20においては、筐体58内に、空間変調素子であるMMA(Micro Mirror Array)62の入射光(マルチビーム)とするバンドル状光ファイバ22aと、入射したマルチビームを制御部28から供給された変調信号に応じてマイクロミラーを傾斜させて、変調したマルチビームを生成するMMA62と、変調されたマルチビームを集束させるレンズ系64、66と、レンズ系64、66の集束位置に配置した、マルチビームのそれぞれに対応したマイクロレンズアレイ68と、マイクロレンズアレイ68を通過したマルチビームを絞るアパーチャアレイ70と、このアパーチャアレイ70を印刷版原版P上で集束させる光学系72、74とを有する。露光ヘッド20の射出口60aから射出したレーザ光は露光ビームとして射出口60a直下に位置する印刷版原版Pを露光し、潜像を形成する。すなわち、画像記録を行なう。
MMA62は、周知のように、一般的に、DMD(登録商標)と呼ばれているものであり、ミラーデバイスである。このMMA62は、SRAMセル(メモリセル)上に、多数のマイクロミラー(図示せず)が支柱(図示せず)により支持されて配置されたものである。MMA62においては、マイクロミラーが、例えば、アレイ状に1024(行)×764(列)で配置されている。各マイクロミラーが後述の露光スポットを構成する。
また、MMA62においては、表層部に支柱に支えられたマイクロミラーが設けられており、マイクロミラーの表面にはアルミニウムが蒸着されて反射面を形成している。また、マイクロミラーの直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセルが配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
MMA62において、マイクロミラーは、長方形状に配列されている。この配列状態を崩すことなく、主走査方向に角度θ傾けて配置されている。この角度θは、例えば、主走査方向の画素数がmであるとき、1/m傾けた場合の角度とする。このように、角度θ傾けることにより、副走査方向Vにおける露光スポットの間隔を小さくすることができる。すなわち、分解能を高くすることができる。
MMA62のSRAMセルにデジタルの変調信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラーが、対角線を中心としてDMDが配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾斜する。例えば、マイクロミラーが露光オンの状態である場合、マイクロミラーは+α度に傾いた状態(図示せず)となり、マイクロミラーが露光オフの状態である場合、マイクロミラーが−α度に傾いた状態(図示せず)となる。従って、画像データに応じて、MMA62の各ピクセルにおけるマイクロミラーの傾きを制御することによって、MMA62に入射されたマルチビームはそれぞれのマイクロミラーの傾き方向へ反射される。そして、露光オンの状態にあるマイクロミラーでは、マイクロミラーが、図4に示す光路を通って射出口60aから露光ビームとして射出される。
一方、露光オフの状態にあるマイクロミラーでは、他の方向に反射され、露光ビームとして用いられない。露光オフの状態のマイクロミラーで他の方向に反射したレーザ光は、他の方向に配置された光吸収体(図示せず)によって吸収される。
このようにして露光ヘッド20の射出口60aから射出した露光ビームを用いて印刷版原版Pを画像露光する。
ここで、図5(a)〜(c)は、それぞれ露光領域における露光ビームのスポットパターンと、副走査方向における露光スポットの関係を示す模式的平面図である。なお、図5(a)〜(c)に示す符号aおよびbは、露光スポットを示す。なお、図5(a)〜(c)では、露光ビームのスポットパターンが5個×5個のパターンを一例として示している。
図5(a)は、MMA62を主走査方向に傾けていない状態における露光領域Aでの露光スポットaのパターンを示すものである。図5(a)に示すように、MMA62を主走査方向Mに対して傾けない場合、副走査方向Vにおいて、マイクロミラーの配置間隔で露光スポットaにより画像露光される。
また、図5(b)は、MMA62を主走査方向Mに角度θ傾けた状態における露光領域Aでの露光スポットaのパターンを示すものである。図5(b)に示すように、MMA62を主走査方向Mに角度θ傾けた場合、マイクロミラーの配置間隔よりも狭い間隔で、副走査方向Vにおいて、露光スポットaにより画像露光される。すなわち、分解能を高く画像記録できる。
さらに、図5(c)は、MMA62を主走査方向Mに角度θ傾け、さらにマイクロミラーアレイ68を通過した状態における露光領域Aでの露光スポットのパターンを示すものである。本実施例の露光ヘッド20による露光領域Aでの露光スポットのパターンである。
図5(c)に示すように、マイクロミラーアレイ68を設けることにより、露光スポットサイズを小さくすることができる。このため、露光スポットbは、重なりが露光スポットaに比して小さくなり、分解能がさらに向上する。すなわち、露光スポットbにより、分解能を更に高く画像記録できる。
本実施例では、マイクロミラーを傾斜させることで露光オンの状態および露光オフの状態を作るMMA62を空間変調素子として用いたが、静電気力を用いて反射面を駆動することによって、マルチビームを変調する空間変調素子を用いてもよい。
例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間変調素子(SLM;Spacial Light Modulator)であり、グレーティングを一方向に複数配列して構成された、反射回折格子型のグレーティング・ライト・バルブ素子(GLV素子、シリコン・ライトマシーン社製)が挙げられる。なお、GLV素子の詳細については米国特許第5311360号明細書に記載されているので説明は省略する。
また、反射型の空間変調素子の他に、マルチビームを変調する光学素子(PLZT素子)または液晶光シャッタ(FLC)等の透過型の空間変調素子であってもよい。しかし、紫外波長領域を含む高出力光のレーザ光に対する耐久性が高く、従来にない数10ワット級の高出力レーザ光源をパルス駆動させて使用する場合にも、安定して使用することができる点で反射型の空間変調素子を用いるのが好ましい。
露光ヘッド20に供給されるマルチビームは、上述の如く、半導体レーザチップ各々から射出したレーザ光を合波したものをバンドル状に束ねたものである。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではない。本発明においては、半導体レーザ素子を2次元的に並べたもの、1つの半導体レーザ素子から出力されるレーザ光を光ファイバで伝搬させるとともに、この光ファイバを多数束ねたものを光源として用いマルチビームを射出してもよい。
図1に示すように、制御部28は、画像データ供給部30に接続されている。この制御部28は、画像データ供給部30から供給された画像データに基づいて、MMA62のマイクロミラーの傾斜を調整し、画像データに応じて、光ビームを変調するための変調信号を生成するとともに、露光ヘッド20に位置に応じて、露光開始のタイミングを調整するものである。
本実施例においては、例えば、印刷版を作製する場合、画像データはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(黒)の各色ごとの網点情報を有するものである。制御部28は、各色毎の網点画像を形成するための変調信号を作成する。変調方式としては、例えば、パルス数変調、およびパルス幅変調が挙げられる。
この変調信号が制御部28により、露光ヘッド20のMMA62に供給されて、変調信号に基づいて、MMA62のマイクロミラーの傾きが制御されて露光される。
また、制御部28は、露光ヘッド20、光源ユニット22、副走査モータ24、主走査モータ26、開閉バルブ50、および開閉バルブ54に接続されており、これらを制御するものである。さらに、制御部28は、位置検出センサにより、主走査方向Mおよび副走査方向Vにおける露光ヘッド20の位置も把握する。
さらに、制御部28は、開閉バルブ50、54、およびリークバルブ58の開閉ができるものであってもよい。
本実施例の画像記録装置においては、酸素遮断層を有さず、光重合により潜像形成を行い、印刷機上で現像を行なう印刷版原版Pを、酸素遮断状態で、画像露光することができる。このため、酸素中よりも感度が高い状態で、印刷版原版Pを画像露光できる。本実施例に用いられる印刷原版Pは、酸素を含む環境中では感度が低くなり、明室内において意図していない画像が形成されてしまうことがない。これにより、明室安全性を確保することができる。
また、本実施例においては、例えば、窒素ガスで置換した後、閉空間S内を排気して、酸素遮断状態とすることにより、酸素遮断に要する時間が短くすることができる。このため、画像記録を開始するまでの時間を短縮することができる。よって、印刷版の生産性を向上させることができる。
また、例えば、酸素を含む環境中では感度が低くなるような本発明の印刷版原版を露光するために、ガラスを用いて、印刷版原版を収納する収納ケースを作製し、この収納ケース内を真空にして画像露光することが考えられる。
しかしながら、印刷版原版の大きさは、B1相等であり、約1m×1mである。このため、収納ケース内を真空にする場合、圧力が1.0×10Pa(1kg/cm)かかり、ガラス板には、全体で1.0×10N(10トン)もの力が作用する。この圧力に耐えるには、ガラス板の厚さを50mm以上にする必要があり、質量も重くなる等、現実的ではない。
本実施例においては、閉空間S内に充填した窒素ガスを排気するだけであり、透明基板44には高い圧力がかかることがない。このため、透明基板の厚さを厚くする必要もなくなる。
また、本実施例においては、閉空間S内を、窒素ガスで1度置換するだけであり、閉空間S内を常時窒素ガス雰囲気にするものではない。このため、高価な窒素ガスの使用量を少なくすることができる。このため、安価に画像記録を行なうことができ、経済的に有利である。また、窒素ガスの使用量を少なくすることができるので、排気される窒素ガスの量も少なくできるため、排気窒素ガス量が少なく、窒素ガスを容易に安全に排出することができる。よって、希釈が不要となり、排気ダクトなどの配管も不要となる。
また、例えば、酸素を含む環境中では感度が低くなるような本発明の印刷版原版を、露光するために、ガラス板と柔軟なシートとの間に印刷版原版を入れて、ガラス板と柔軟なシートとの間を真空に引いて画像露光することが考えられる。この場合、排気する容積が少ないため、容易に真空にできる。しかしながら、真空にする際に圧力が作用して印刷版原版の画像記録層とガラス板とが密着すると、画像記録層とガラス板との隙間は1μm以下になる。ここで、画像記録層は、表面の凹凸が0.3μm程度であり、画像記録層とガラス板との隙間が1μm以下では、画像記録層の表面を真空にすることが困難になる。このため、露光される画像記録層近傍における真空度を所定の値にすることができない。
本実施例においては、印刷版原版と透明基板とを隙間を設けて配置しているため、所定の真空度を得ることができる。
次に、本実施例の画像記録装置による画像記録方法について図2および図6を参照して説明する。
ここで、図6は、本実施例の画像記録装置による画像露光方法を説明する模式的斜視図である。
先ず、透明基板44または支持台42を垂直方向に移動させ、支持台42の表面42aに印刷版原版Pを載置する。
次いで、透明基板44または支持台42を垂直方向に移動させて、透明基板44および支持台42をシール部材46を介して密着させる。このとき、主走査ユニット16を、透明基板44または支持台42の移動の妨げにならない位置に退避させている。
次に、開閉バルブ50を開き、開閉バルブ54を閉じた状態で、窒素ガスを閉空間Sに供給し、閉空間S内を窒素ガスで置換する。この場合、例えば、閉空間S内の酸素ガス濃度を1%とする。
次に、開閉バルブ50を閉じ、開閉バルブ54を開けた状態で、排気ポンプ56により、閉空間S内を排気し、閉空間S内を、例えば、1.0×10Paの圧力にする。これにより、閉空間S内が酸素遮断状態になる。
次に、主走査ユニット16を収納部40の上方に移動させ、酸素遮断状態を維持したまま、制御部28で再現すべき画像の画像信号に基づいて生成された変調信号を露光ヘッド20に供給する。次に、露光ヘッド20から変調された露光ビームを出射させ、露光ヘッド20を主走査方向Mに所定の速度で搬送し、主走査方向Mにおける画像露光(1ライン)が終了した後、順次副走査方向Vに搬送する。これにより、露光領域A毎に連続して2次元的に走査露光され、画像記録が行われ、印刷版原版Pに潜像が形成される。
なお、本実施例においては、画像露光により記録すべき画像の潜像を得るために、上述の如く制御部28により光源ユニット22から光ビームをMMA62により他の方向に反射させるか否かの変調を行い、露光露光ビーム(光ビーム)を出射させている。
このとき、印刷版原版Pの画像記録層102に光ビームが照射されると、ラジカルが発生する。次に、このラジカルにより連鎖的に重合反応が生じ、光ビームが照射された領域が親油性(疎水性)ポリマー領域となる。
次に、露光終了後、光源ユニット22からのレーザ光の出射を止める。次に、開閉バルブ54を閉じる。次に、排気ポンプ56を停止する。
次に、リークバルブ58を開き、閉空間Sを大気開放する。
次に、主走査ユニット16を退避位置に移動させた後、透明基板44または支持台42を移動させて、潜像が形成された印刷版原版Pを取り出す。
このとき、画像記録層102では重合反応が停止しているので、明室に置いた場合であっても、例えば、蛍光灯による環境光により、ラジカルが発生しても、発生したラジカルは、画像記録層内に入り込んだ空気中の酸素分子と反応して失活化してしまう。このため、画像記録装置により画像露光された再現すべき画像以外の潜像が印刷版原版Pに形成されることがない。
さらに時間が経過すると、画像記録層内の重合開始剤が全て使い尽くされ、ラジカルが発生することがなくなり安定な状態となる。
なお、本実施形態の画像露光方法においては、酸素遮断状態は、再現すべき画像の画質を向上させるために、画像露光された画像記録層のラジカル重合反応が停止するまで、酸素遮断状態とすることが好ましい。
次に、画像露光が終了した後、リークバルブ58を開けて、閉空間S内を大気圧にする。次いで、透明基板44または支持台42を移動させて、露光された印刷版原版Pを取り出す。
次に、明室内において取り扱い可能な状態になった印刷版原版Pを機上現像するために、所定の印刷機にセットする。
機上現像においては、従来から行われているような、印刷機にセットされた印刷版原版Pに、例えば、インキと湿し水とを同時に供給して印刷機を動作させて通常の印刷動作と同じ動作を行なわせる。これにより、いわゆる機上現像が行われ、この時点で印刷版の作製が終了する。
本実施例の画像記録方法においては、酸素遮断層を有さず、光重合により潜像形成を行い、印刷機上で現像を行なう印刷版原版Pを用いる際にも、露光から現像までのプロセス全体が明室で行なえるような印刷版原版からの印刷版の作製方法が実現できる。
本実施例の画像記録方法によれば、酸素遮断状態を得るための収納部40を設け、この収納部40を、先ず、窒素ガスで置換した後、排気することにより、速やかに酸素遮断状態を得ることができる。このような酸素遮断状態で、印刷版原版Pに、画像信号に基づいて変調された光ビームを用いて潜像を形成することにより、印刷版原版の感度が高い状態で、画像記録することができる。しかも、印刷版原版は、感光性が250nm〜420nmの範囲の波長にあり、酸素を含む環境においては感度が低い。このため、画像記録後に、画像記録された印刷原版を、室内に取り出した場合でも、不要な画像が形成されることがない。すなわち、明室安全性を確保することができる。
また、本実施例においては、酸素遮断状態を容易にでき、従来のように透明シートを貼り付ける場合のように作業が煩雑になることがない。
さらに、本実施例においては、短時間で閉空間内を酸素遮断状態にすることができるため、画像記録を速やかにでき、印刷版の生産性を向上させることができる。
の方法を実現するために好適に用いることができるものである。
なお、本実施例においては、窒素ガスで閉空間S内を置換する前に、排気ポンプ56により、閉空間S内を排気しておくことが好ましい。これにより、窒素ガスによる置換を速やかに行なうことができる。
以下、本発明の画像記録装置に用いる印刷版原版について詳細に説明する。なお、本発明に用いられる印刷版原版は、上述の如く、機上現像処理されるものである。
[機上現像処理]
現像処理工程を経ることなく印刷する方法として具体的には、印刷版原版を露光した後、現像処理工程を経ることなく印刷機に装着して印刷する方法が挙げられる。また、印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上において露光し、そのまま印刷する方法等が挙げられる。
画像様に露光した印刷版原版の画像記録層は、例えば、露光部は重合硬化により不溶性となる。この露光済み印刷版原版に、湿式現像処理工程等の現像処理を施すことなく、油性インキと水性成分とを供給して印刷すると、未露光部においては、油性インキおよび/または水性成分によって、未硬化の画像記録層が溶解または分散して除去され、その部分に親水性の支持体表面が露出する。一方、露光部においては、重合硬化した画像記録層が残存して、親油性表面を有する油性インキ受容部(画像部)を形成する。画像記録層が残存していない領域は、親水性を有する非画像部になる。
その結果、水性成分は露出した親水性の表面に付着し、油性インキは露光領域の画像記録層に着肉し、印刷が開始される。ここで、最初に版面に供給されるのは、水性成分でもよく、油性インキでもよいが、水性成分が未露光部の画像記録層により汚染されることを防止する点で、最初に油性インキを供給するのが好ましい。水性成分および油性インキとしては、通常の平版印刷用の湿し水と印刷インキが用いられる。
このようにして、印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。なお、露光部が非画像部を形成するようにしてもよい。
〔印刷版原版〕
本発明で用いる印刷版原版は、支持体上に、(A)重合開始剤、(B)重合性化合
物、および(C)バインダーポリマーを含有する画像記録層が形成されており、波長が250nm〜420nmの範囲内に感光性を有する。
以下、印刷版原版を構成する各要素について説明する。
[(A)重合開始剤]
本発明に用いられる重合開始剤は、光エネルギーによりラジカルを発生し、重合性不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物であり、特に、重合開始剤単独または重合開始剤と後述の増感剤との組み合わせで、250nm〜420nmの光を吸収してラジカルを発生する化合物である。このような光ラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることができる。
なお、白灯の発光スペクトル強度は400nm超の可視領域で強く、その領域に十分な感光性を有する重合開始剤では、白灯下でかぶりを生じやすくなるため、開始剤および増感剤の吸収極大は400nm以下にすることが好ましい。
上記のラジカルを発生する化合物としては、例えば、有機ハロゲン化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、が挙げられる。
上記有機ハロゲン化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭53−133428号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」に記載の化合物が挙げられる。中でも、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物およびS−トリアジン化合物が好適である。
より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、またはトリハロゲン置換メチル基が、s−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール環に結合したオキサジアゾール誘導体が挙げられる。具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、または下記化学式1および化学式2に示す化合物等が挙げられる。
Figure 2006047363
Figure 2006047363
上記カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
上記アゾ系化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を使用することができる。
上記有機過酸化物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
上記メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報に記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報に記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
上記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号明細書、米国特許第4,311,783号明細書、米国特許第4,622,286号明細書等に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
上記有機ホウ素化合物としては、例えば、特開昭62−143044号公報、特開昭62−150242号公報、特開平9−188685号公報、特開平9−188686号公報、特開平9−188710号公報、特開2000−131837号公報、特開2002−107916号公報、特許第2764769号明細書、特開2002−116539号公報、および、Kunz,Martin“Rad Tech'98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が挙げられる。
上記ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特開2003−328465号公報等記載される化合物が挙げられる。
上記オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979)1653-1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156-162 Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202-232、特開2000−66385号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報に記載の化合物、具体的には、下記化学式3の構造式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006047363
上記オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、米国特許第4,069,056号明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号明細書、米国特許第339,049号明細書、米国特許第410,201号明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−296514号公報に記載のヨードニウム塩、欧州特許第370,693号明細書、欧州特許第390,214号明細書、欧州特許第233,567号明細書、欧州特許第297,443号明細書、欧州特許第297,442号明細書、米国特許第4,933,377号明細書、米国特許第161,811号明細書、米国特許第410,201号明細書、米国特許第339,049号明細書、米国特許第4,760,013号明細書、米国特許第4,734,444号明細書、米国特許第2,833,827号明細書、独国特許発明第2,904,626号明細書、独国特許発明第3,604,580号明細書、独国特許発明第3,604,581号明細書に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、イオン性のラジカル重合開始剤として機能する。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI−I)〜(RI−III)(下記化学式4参照)で表わされるオニウム塩である。
Figure 2006047363
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表わし、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z11 は1価の陰イオンを表わし、具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオンおよびスルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21およびAr22は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表わし、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z21 は1価の陰イオンを表わす。具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32およびR33は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を表わす。中でも反応性、安定性の面から好ましいのは、アリール基である。置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z31 は1価の陰イオンを表わす。具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。より好ましいものとして特開2001−343742号公報に記載のカルボン酸イオン、特に好ましいものとして特開2002−148790号公報に記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
Figure 2006047363
Figure 2006047363
Figure 2006047363
Figure 2006047363
Figure 2006047363
重合開始剤としては、上記に限定されないが、特に反応性、安定性の面から、トリアジン系開始剤、有機ハロゲン化合物、オキシムエステル化合物、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、およびスルホニウム塩が、短時間露光で大量にラジカルが発生する点でより好ましい。
さらに、これらのトリアジン系開始剤、有機ハロゲン化合物、オキシムエステル化合物、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、およびスルホニウム塩系の重合開始剤は、増感剤と組み合わせて用いることが好ましい。増感剤と組み合わせて用いることにより、光重合速度を増大させることができる。
このような増感剤の具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9、10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルp−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンズアントロンなどを挙げることができる。
さらに、本発明における好ましい増感剤としては、特公昭51−48516号公報中に記載されている一般式(I)(下記化学式10参照)で表わされる化合物があげられる。
Figure 2006047363
式中、R14はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基など)、または置換アルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基など)を表わす。R15はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基など)、またはアリール基(例えば、フェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、チエニル基など)を表わす。
は通常シアニン色素で用いられる窒素を含む複素環核を形成するのに必要な非金属原子群、例えばベンゾチアゾール類(ベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾールなど)、ナフトチアゾール類(α−ナフトチアゾール、β−ナフトチアゾールなど)、ベンゾセレナゾール類(ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、6−メトキシベンゾセレナゾールなど)、ナフトセレナゾール類(α−ナフトセレナゾール、β−ナフトセレナゾールなど)、ベンゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾールなど)、ナフトオキサゾール類(α−ナフトオキサゾール、β−ナフトオキサゾールなど)を表わす。
一般式(I)で表わされる化合物の具体例としては、これらZ、R14およびR15を組み合わせた化学構造を有するものであり、多くのものが公知物質として存在する。したがって、これらの公知のものから適宜選択して使用することができる。さらに、本発明における好ましい増感剤としては、特公平5−47095号公報、特開2000−147763号公報に記載のメロシアニン色素、また下記一般式(II)(下記化学式11参照)で示されるケトクマリン系化合物も挙げることができる。
Figure 2006047363
ここでR16はメチル基、エチル基等のアルキル基を表わす。
これらの重合開始剤および増感剤は、各々、画像記録層を構成する全固形分に対し0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは0.8〜20質量%の割合で添加することができる。この範囲内で、良好な感度と印刷時の非画像部の良好な汚れ難さが得られる。これらの重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの重合開始剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこに添加してもよい。
[(B)重合性化合物]
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(III)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (III)
(ただし、RおよびRは、HまたはCHを示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、画像記録層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述の保護層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
重合性化合物は、画像記録層を構成する全固形分に対して、好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは25〜75質量%の範囲内で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施し得る。
[バインダーポリマー]
本発明では、画像記録層の膜強度や皮膜性の向上、および機上現像性の向上のために、バインダーポリマーを用いることができる。バインダーポリマーとしては、従来公知のものを制限なく使用でき、皮膜性を有する線状有機ポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していることが好ましい。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレン等が挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CHCR=CR、−(CHO)CHCR=CR、−(CHCHO)CHCR=CR、−(CHNH−CO−O−CHCR=CR、−(CH−O−CO−CR=CRおよび−(CHCHO)−X(式中、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表わし、RとRまたはRとは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表わす。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表わす。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CHCH=CH(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CHCHO−CHCH=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCH−NHCOO−CHCH=CHおよび−CHCHO−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表わす。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CHCH=CH、−CHCH−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表わす。)、−CHCH−OCO−CH=CHが挙げられる。
架橋性を有するバインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接にまたは重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。または、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、バインダーポリマー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol(ミリモル)、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲内で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
また、画像記録層未露光部の機上現像性の観点から、バインダーポリマーは、インキおよび/または湿し水に対する溶解性または分散性が高いことが好ましい。
インキに対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親油的な方が好ましく、湿し水に対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親水的な方が好ましい。このため、本発明においては、親油的なバインダーポリマーと親水的なバインダーポリマーを併用することも有効である。
親水的なバインダーポリマーとしては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60モル%以上、好ましくは80モル%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
バインダーポリマーは、従来公知の方法により合成することができる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
バインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物を用いることができる。
バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
バインダーポリマーの含有量は、画像記録層の全固形分に対して、10〜90質量%であるのが好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。この範囲内で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
また、(B)重合性化合物とバインダーポリマーは、質量比で1/9〜7/3となる量で用いるのが好ましい。
[その他の画像記録層成分]
本発明の画像記録層には、さらに、界面活性剤、着色剤、焼き出し剤、重合禁止剤、高級脂肪酸誘導体、可塑剤、無機微粒子、低分子親水性化合物などの添加剤を、必要に応じて含有させることができる。以下、それらについて説明する。
[界面活性剤]
本発明において、画像記録層には、印刷開始時の機上現像性を促進させるため、および、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
さらに好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号公報、特開昭62−226143号公報および特開昭60−168144号公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
[着色剤]
本発明では、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合が好ましい。
[焼き出し剤]
本発明の画像記録層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p',p"−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
上記の他に、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとして挙げられる。具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチルー7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。
酸またはラジカルによって変色する染料の好適な添加量は、それぞれ、画像記録層固形分に対して0.01〜15質量%の割合である。
[重合禁止剤]
本発明の画像記録層には、画像記録層の製造中または保存中において(C)ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
[高級脂肪酸誘導体等]
本発明の画像記録層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
[可塑剤]
本発明の画像記録層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
[無機微粒子]
本発明の画像記録層は、画像部の硬化皮膜強度向上および非画像部の機上現像性向上のために、無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。
無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲内であると、画像記録層中に安定に分散して、画像記録層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
[低分子親水性化合物]
本発明の画像記録層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩等が挙げられる。
[画像記録層の形成]
本発明においては、上記の画像記録層構成成分を画像記録層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型画像記録層である。もう一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全てまたは一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層に含有させるマイクロカプセル型画像記録層である。さらに。マイクロカプセル型画像記録層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型画像記録層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。より良好な機上現像性を得るためには、画像記録層は、マイクロカプセル型画像記録層であることが好ましい。
上記の画像記録層構成成分をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法が適用できる。例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号明細書、米国特許第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号明細書、特公昭38−19574号公報、特公昭42−446号公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号明細書、米国特許第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号明細書、米国特許第4087376号明細書、米国特許第4089802号明細書にみられる尿素−ホルムアルデヒド系または尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号公報、特公昭51−9079号公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号明細書、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号明細書、英国特許第967074号明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、およびこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレアおよびポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、上記のバインダーポリマーに導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入してもよい。
上記のマイクロカプセルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
本発明の画像記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散、または溶かして塗布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の画像記録層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/mが好ましい。この範囲内で、良好な感度と画像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
[支持体]
本発明の印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、または、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましく、0.2〜0.3mmであるのがさらに好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行なう方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、さらに、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸またはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/mであるのが好ましく、1.5〜4.0g/mであるのがより好ましい。この範囲内で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでもよいが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号公報、特開2001−322365号公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、および親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行なうことができる。
親水化処理としては、米国特許第2,714,066号明細書、米国特許第3,181,461号明細書、米国特許第3,280,734号明細書および米国特許第3,902,734号明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸せき処理し、または電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号明細書、米国特許第4,153,461号明細書および米国特許第4,689,272号明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
本発明の支持体としてポリエステルフィルムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にすることが望ましい。親水層としては、特開2001−199175号公報に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択される少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層や、特開2002−79772号公報に記載の、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスを有する親水層や、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネートまたはアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスを有する親水層、あるいは、金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜からなる親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
また、本発明の支持体としてポリエステルフィルム等を用いる場合には、支持体の親水性層側または反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けるのが好ましい。帯電防止層を支持体と親水性層との間に設けた場合には、親水性層との密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、特開2002−79772号公報に記載の、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層等が使用できる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲内で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲内で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
[下塗層]
本発明の印刷版原版においては、支持体上に重合性基を含有する化合物の下塗層を設けることが好ましい。下塗層が用いられるときは、画像記録層は下塗層の上に設けられる。下塗層は、露光部においては支持体と画像記録層との密着性を強化し、また、未露光部においては、画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、機上現像性が向上する。
下塗層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報に記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。
下塗層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/mであるのが好ましく、1〜30mg/mであるのがより好ましい。
[バックコート層]
支持体に表面処理を施した後または下塗層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
本発明は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明の画像記録装置および画像記録方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の実施例に係る画像記録装置を示す模式的斜視図である。 本発明の実施例に係る画像記録装置の印刷版原版の収納部を示す模式的側断面図である。 本発明の実施例に係る画像記録装置に用いられる印刷版原版の構成、および収納部における配置状態を示す模式的側断面図である。 本実施例の画像記録装置の露光ヘッドの構成を示す模式的側断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ露光領域における露光ビームのスポットパターンと、副走査方向における露光スポットの関係を示す模式的平面図である。 本実施例の画像記録装置による画像露光方法を説明する模式的斜視図である。
符号の説明
10 画像記録装置
12a、12b ガイド部材
14a、14b ガイドレール
16 主走査ユニット
20 露光ヘッド
22 光源ユニット
24 副走査モータ
26 主走査モータ
28 制御部
30 画像データ供給部
42 支持台
44 透明基板
46 シール材
50、54 開閉バルブ
52 不活性ガス供給部
55 真空計
56 排気ポンプ
62 MMA
100 支持体
102 画像記録層
A 露光領域
P 印刷版原版

Claims (4)

  1. 支持体上に、重合開始剤と、重合性化合物およびバインダーポリマーを含有し、波長が250nm〜420nmの範囲に感光性があり、酸素遮断層を有さない、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層が形成された印刷版原版に、画像信号に基づいて変調された光ビームを照射して所定の画像を記録する画像記録装置であって、
    表面に、前記印刷版原版の前記支持体が載置される支持台と、前記支持台の表面に対向して配置され、前記支持台に対して密着および離間可能である透明基板とを備え、前記支持台と前記透明基板とが密着することにより、前記平版印刷原版が収納される閉空間が形成され、前記印刷版原版が、前記閉空間に前記画像記録層と前記透明基板とが所定の間隔をあけて収納される収納手段と、
    前記閉空間内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
    前記閉空間内を排気する排気手段と、
    前記透明基板の上方に設けられ、光ビームによって印刷版原版を露光する露光手段とを有することを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記支持台は、その表面に、少なくとも前記印刷版原版が載置される領域に凸凹が形成されている請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記露光手段は、前記透明基板の上方に2次元的に移動可能に設けられ、前記印刷版原版を2次元的に走査露光するものである請求項1または2に記載の画像記録装置。
  4. 支持体上に、重合開始剤と、重合性化合物およびバインダーポリマーを含有し、波長が250nm〜420nmの範囲に感光性があり、酸素遮断層を有さない、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層が形成された印刷版原版に、画像信号に基づいて変調された光ビームを照射して所定の画像を記録する画像記録方法であって、
    前記光ビームが照射される側の面が透明部材により構成される閉空間内に前記印刷版原版を収納する工程と、
    前記閉空間内を不活性ガスで置換する工程と、
    前記不活性ガスで置換された前記閉空間内を排気する工程と、
    画像信号に基づいて変調された光ビームを用いて前記印刷版原版に画像露光を酸素遮断状態で行なう工程とを有することを特徴とする画像記録方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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