JP4900950B2 - 平版印刷版原版およびそれを用いた製版方法 - Google Patents
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Description
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルム等の原画を通した露光を行った後、画像部となる感光層を残存させ、それ以外の不要な感光層をアルカリ性現像液または有機溶剤によって溶解して除去することで親水性の支持体の表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
リマーを含有することにより、アルカリ現像液使用条件下において高感度、高耐刷で非画像部の汚れ性に優れる平版印刷版原版が得られると記載されている。また、支持体上に感光層を有する平版印刷版原版を画像露光した後、擦り部材を備えた現像処理部において、pHが2〜10の現像液の存在下で前記平版印刷版原版の記録面を前記擦り部材により擦って未露光部の感光層を除去する現像工程を含む平版印刷版の作製方法が知られている(特許文献4、5参照)。また、親水性支持体上に光重合層を設け露光した後、ガム液によって未露光部を除去する工程を含む印刷版の作製方法も知られている(特許文献6参照)。
また、環状カーボネート基を有する特定の構造の(メタ)アクリレートモノマーとそれを用いたオフセット印刷版用の感光性記録用材料が知られている(特許文献9参照)。
<1> 支持体及び感光層を有する平版印刷版原版であって、該感光層が、(A)下記式(IV)又は(V)で表される重合性化合物、(B)重合開始剤、(D)350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素、および(E)バインダーポリマーを含有することを特徴とする平版印刷版原版。
式中、M 1 は、下記式(I)から、水素原子が一つ脱離した1価の残基を表す。M 2 は、下記式(I)から、水素原子が(n3+1)個脱離した(n3+1)価の残基を表す。
R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、R 3 は水素原子、アルキル基、COOR 4 またはCONR 5 R 6 を表し、R 4 は水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、R 5 およびR 6 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、Aは(n1+n2)価の有機基を表し、Dはn4価の有機基を表し、L 1 およびL 2 はそれぞれ独立に2価の連結基を表す。
n1は2〜10の整数を表し、n2は1〜10の整数を表す。
n3およびn4はそれぞれ1以上で、2≦(n3×n4)≦10を満足する整数である。
式中、X、Y、およびZは、それぞれ独立に、O、S、またはNR 7 を表す。R 7 は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。L 3 はYおよびZと結合して環構造を形成する原子団を表す。
<2> 前記(A)が、5員環または6員環の環状カーボネートおよび環状ウレタン構造から選ばれる少なくとも一つの構造を有する重合性化合物であることを特徴とする上記<1>に記載の平版印刷版原版。
<3> 支持体及び感光層を有する平版印刷版原版であって、該感光層が、(A)下記式(II)又は(III)で表される構造を少なくとも1つ有する重合性化合物、(B)重合開始剤、(D)350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素、および(E)バインダーポリマーを含有することを特徴とする平版印刷版原版。
式中、X 1 、X 2 、X 3 、Y 1 、およびY 2 は、それぞれ独立に、O、S、またはNR 7 を表し、X 4 はOR 7 、SR 7 、N(R 8 )(R 9 )またはアルキル基を表す。V 1 およびV 2 は、それぞれ独立に、O、S、NR 7 、またはC(R 5 )(R 6 )を表す。L 4 はY 1 およびV 1 と結合して環構造を形成する原子団を表し、L 5 はY 2 およびV 2 と結合して環構造を形成する原子団を表す。R 5 〜R 9 は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。
また、式(II)の、X 1 中のR 7 、X 2 中のR 7 、Y 1 中のR 7 、V 1 中のR 5 、V 1 中のR 6 、V 1 中のR 7 またはL 4 の任意の位置を介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。式(III)の、X 3 中のR 7 、X 4 中のR 7 、X 4 中のR 8 、X 4 中のR 9 、X 4 中のアルキル基、Y 2 中のR 7 、V 2 中のR 5 、V 2 中のR 6 、V 2 中のR 7 またはL 5 の任意の位置を介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。
<4> さらに、前記感光層が前記(A)以外の(C)重合性化合物を含有することを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
<5> 前記支持体と感光層との間に下塗り層を有することを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
<6> 前記感光層の上に保護層を有することを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
<7> pH 2〜10の現像液で現像できることを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
<8> 上記<1>〜<7>のいずれか一項に記載の平版印刷版原版を、350〜450nmの範囲に発振波長を有する光源を搭載した露光装置を用いて露光した後、現像液の存在下、未露光部の感光層を除去することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
本発明は、上記<1>〜<8>に記載の構成を有するが、以下、他の事項も含めて記載している。
1.支持体及び感光層を有する平版印刷版原版であって、該感光層が、(A)下記式(I)〜式(III)のいずれかで表される構造を少なくとも1つ有する重合性化合物、(B)重合開始剤、(D)350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素、および(E)バインダーポリマーを含有することを特徴とする平版印刷版原版。
また、式(I)の、X中のR7、Y中のR7、Z中のR7またはL3の任意の位置を介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。式(II)の、X1中の中のR7、X2中のR7、Y1中のR7、V1中のR5、V1中のR6、V1中のR7またはL4の任意の位置を介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。式(III)の、X3中のR7、X4中のR7、X4中のR8、X4中のR9、X4中のアルキル、Y2中のR7、V2中のR5、V2中のR6、V2中のR7またはL5の任意の位置を介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。
3.さらに、前記感光層が前記(A)以外の(C)重合性化合物を含有することを特徴とする前記1または2に記載の平版印刷版原版。
4.前記支持体と感光層との間に下塗り層を有することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の平版印刷版原版。
5.前記感光層の上に保護層を有することを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の平版印刷版原版。
6.pH 2〜10の現像液で現像できることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の平版印刷版原版。
7.前記1〜6のいずれかに記載の平版印刷版原版を、350〜450nmの範囲に発振波長を有する光源を搭載した露光装置を用いて露光した後、現像液の存在下、未露光部の感光層を除去することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
(感光層)
本発明に係る平版印刷版原版の感光層は、(A)下記式(I)〜式(III)から選択される構造を少なくとも1つ有する重合性化合物、(B)重合開始剤、(D)350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素、および(E)バインダーポリマーを含有することを特徴とする。
以下では、(A)式(I)〜式(III)のいずれかで表される構造を少なくとも1つ有する重合性化合物を特定重合性化合物ともいう。
V1およびV2は、それぞれ独立に、O、S、NR7、またはC(R5)(R6)を表す。
L3はYおよびZと結合して環構造を形成する原子団を表し、L4はY1およびV1と結合して環構造を形成する原子団を表し、L5はY2およびV2と結合して環構造を形成する原子団を表す。R5〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。
また、式(I)の、X中のR7、Y中のR7、Z中のR7またはL3の任意の位置を介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。式(II)の、X1中の中のR7、X2中のR7、Y1中のR7、V1中のR5、V1中のR6、V1中のR7またはL4の任意の位置を介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。式(III)の、X3中のR7、X4中のR7、X4中のR8、X4中のR9、X4中のアルキル、Y2中のR7、V2中のR5、V2中のR6、V2中のR7またはL5の任意の位置を介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。また、上記のL3〜L5の任意の位置およびR5〜R9のいずれかを介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。
式(I)中、XはO、Sが好ましく、YおよびZのうち少なくとも1つはOであることが好ましい。
式(I)〜式(III)のL3〜L5は、アルキレン、―O―、―S―、―N(R5)―、―CO―、―SO―、―SO2―、またはこれらの組み合わであることが好ましく、アルキレン、―O―、―S―、―N(R5)―、またはこれらの組み合わせであることがより好ましく、アルキレンがさらに好ましい。
本発明の(A)特定重合性化合物の分子量は、100〜5000が好ましく、500〜3000が特に好ましい。
R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、R3は水素原子、アルキル基、COOR4またはCONR5R6を表し、R4は水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、Aは(n1+n2)価の有機基を表し、Dはn4価の有機基を表し、L1およびL2はそれぞれ独立に2価の連結基を表す。
n1およびn2は1〜10の整数を表す。より好ましくはn1は2以上の整数である。n3およびn4はそれぞれ1以上で、1≦(n3×n4)≦10を満足する整数である。より好ましくは(n3×n4)が2以上である。
―M2―L2―・・・ は、、式(I)、式(II)または式(III)で示される構造が式(V)中のL1、L2と結合していることを意味する。
L1は―CO2―L4−、―CON(R5)―L4−、―フェニレン−L4−、−CH2−O−L4−、または―CH2−C(=O)―L4−であることがより好ましい。ここで、L4は、アルキレン、―O―、―S―、―N(R5)―、―CO―、―SO―、―SO2―、またはこれらの組み合わせからなる2価の連結基である。
L2はアルキレン、―O―、―S―、―N(R5)―、―SO―、―SO2―、またはこれらの組み合わせからなる基であることが好ましく、アルキレン、―S―、―N(R5)―、―CO―、―SO―、―SO2―、またはこれらの組み合わせからなる基であることがより好ましい。
300ml三口フラスコにグリセロール1,2−カーボネート11.81g(0.1mol)、テトラヒドロフラン100ml、ジラウリン酸ジブチルスズ(IV)0.063g(0.0001mol)、ベンゾキノン0.011g(0.0001mol)を加え、窒素ガス置換しながら攪拌した。その後、昭和電工(株)製カレンズBEI 23.92g(0.1mol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後に60℃で2時間攪拌した後、
室温まで放冷した。その後減圧下で溶剤を留去し、35.02g(収率98%)の特定重合性化合物(A−1)を得た。
(1)中間体(1)の合成
100ml三口フラスコに2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール12.11g(0.1mol)、炭酸ジエチル14.18g(0.12mol)、ナトリウムメトキシド(28質量%メタノール溶液)0.5mlを加え、3時間加熱還流を行った。その後、室温まで放冷し、減圧下で余剰の炭酸ジエチルを留去した。取り出された固体にメタノール20mlを添加して攪拌洗浄し、吸引ろ過、風乾により、12.06g(収率82%)の中間体(1)を得た。
200ml三口フラスコに中間体(1)7.36g(0.05mol)、テトラヒドロフラン50ml、ジラウリン酸ジブチルスズ(IV)0.03g(0.00005mol)、ベンゾキノン0.005g(0.00005mol)を加え、窒素ガス置換しながら攪拌した。その後、昭和電工(株)製カレンズMOI 15.52g(0.1mol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後に60℃で2時間攪拌した後、室温まで放冷した。その後減圧下で溶剤を留去し、21.96g(収率96%)の特定重合性化合物(A−64)を得た。
上記中間体(1)の合成において、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールの代わりに1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)−メチルアミノ]プロパンを使用し、中間体(2)を合成できる。また、上記(A−64)の合成において、中間体(1)の代わりに中間体(2)を使用することで、特定重合性化合物(A−67−3)を合成できる。
(1)中間体(3)の合成
300ml三口フラスコに2−アミノエタノール6.11g(0.1mol)、テトラヒドロフラン50ml、トリエチルアミン12.14g(0.12mol)を加え、窒素ガス置換して攪拌しながら0℃に冷却した。その後、2−クロロー1−エタンスルホニルクロリド16.30g(0.1mol)のテトラヒドロフラン100ml溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後に室温で2時間攪拌した後、さらにトリエチルアミン12.1
4g(0.12mol)を加え、3時間加熱還流した後、室温まで放冷した。反応溶液をろ過後、クロロホルムと飽和塩化ナトリウム水溶液を加えて分液操作を行い、クロロホルム層を硫酸マグネシウムを加えて脱水した。硫酸マグネシウムをろ過してエバポレータにより溶剤を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行ない、4.63g(収率28%)の中間体(3)を得た。
300ml三口フラスコに2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート6.68g(0.025mol)、テトラヒドロフラン50ml、ジラウリン酸ジブチルスズ(IV)0.063g(0.0001mol)、ベンゾキノン0.011g(0.0001mol)を加え、窒素ガス置換しながら攪拌した。その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート6.51g(0.05mol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後にさらに2時間攪拌した後、さらに中間体(3) 4.13gのテトラヒドロフラン30ml溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後60℃で1時間攪拌した後、室温まで放冷した。その後減圧下で溶剤を留去し、16.63g(収率24%)の特定重合性化合物(A−44)を得た。
(1)中間体(4)の合成
300ml三口フラスコにエチレングリコール6.21g(0.1mol)、トリエチルアミン11.13g(0.11mol)、テトラヒドロフラン100mlを加え、窒素ガス置換しながら攪拌した。その後、クロロメチルホスホン酸ジクロリド16.74g(0.1mol)のテトラヒドロフラン50ml溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後にさらに2時間攪拌した後で、反応溶液をろ過し、さらに酢酸ナトリウム9.84g(0.12mol)を加えて2時間加熱還流を行った。その後室温まで放冷し塩をろ過した後、5N水酸化ナトリウム水溶液20mlを加え2時間攪拌した。その後酢酸エチルと飽和塩化ナトリウム水溶液を加えて分液操作を行い、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムを加えて脱水した。硫酸マグネシウムをろ過してエバポレータにより溶剤を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行ない、4.83g(収率35%)の中間体(4)を得た。
上記特定重合性化合物(A−44)の合成において、中間体(3)の代わりに中間体(4)を使用することで、特定重合性化合物(A−45)を合成できる。
本発明における感光層には、上記(A)特定重合性化合物以外の(C)重合性化合物を本発明の効果が損なわない範囲で併用することができる。併用する重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの共重合体、またはそれらの混合物などの化学的形態をもつ。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
ルトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
(ただし、R4およびR5は、HまたはCH3を示す。)
52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、感光層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、重合開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体や後述の保護層等との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。そのほか、重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も考慮され得る。
本発明に用いられる重合開始剤は、光または熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物である。このようなラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などから、適宜、選択して用いることができる。
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化コハク酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3',4,4'−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
88710号、特開2000−131837号、特開2002−107916号の公報、特許第2764769号明細書、特開2002−116539号公報、および、Kunz,Martin"Rad Tech'98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago"等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が挙げられる。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI−I)〜(RI−II
I)で表されるオニウム塩である。
キサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、
スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオンおよびスルフィン酸イオンが好ましい。
キル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z21 -は1価の陰イオンを表す。具体的には、ハロゲンイ
オン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
す。具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。より好ましいものとして特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオン、特に好ましいものとして特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
、これらの重合開始剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこに添加してもよい。これらの重合開始剤は、感光層を構成する全固形分に対し0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは0.8〜20質量%の割合で添加することができる。
本発明の感光層は、露光光源の波長に対応した350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素を含有する。 この様な増感色素としては、例えば、下記一般式(VI)に示されるメロシアニン色素類、下記一般式(VII)で示されるベンゾピラン類、クマリン類、下記一般式(VIII)で表される芳香族ケトン類、下記一般式(IX)で表されるアントラセン類、等を挙げることができる。
フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等)、アルケニル基(例えばビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO3H2)およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO3H2)およびその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、
モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、等が挙げられ、以上の置換基のうち、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基が特に好ましい。
ル、1−エチル−3−フェニルベンズイミダゾール等)、3,3−ジアルキルインドレニン類(例えば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3,5,−トリメチルインドレニン、3,3,7,−トリメチルインドレニン等)、ピリジン類(例えば、ピリジン、5−メチルピリジン等)等を挙げることができる。
具体例としては、ベンゾジチオール類(例えば、ベンゾジチオール、5−t−ブチルベンゾジチオール、5−メチルベンゾジチオール等)、ナフトジチオール類(例えば、ナフト[1,2]ジチオール、ナフト[2,1]ジチオール等)、ジチオール類(例えば、4,5−ジメチルジチオール類、4−フェニルジチオール類、4−メトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジメトキシカルボニルベンゾジチオール類、4,5−ジトリフルオロメチルジチオール、4,5−ジシアノジチオール、4−メトキシカルボニルメチルジチオール、4−カルボキシメチルジチオール等を挙げることができる。
R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、一価の非金属原子団であり、好ましくは、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の芳香族ヘテロ環残基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を表す。
ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。
チル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
例えば、増感色素を2種以上併用することで、感光層への相溶性を高めることができる
。増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用する事により、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ平版印刷版原版に用いた場合、その感光層の膜物性の点からも有利である。該感光層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。
本発明の感光層には、バインダーポリマーが用いられる。本発明で用いられるバインダーポリマーは、感光層の皮膜形成剤として機能するポリマーであり、線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。
このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂から選ばれる高分子が好ましい。なかでも、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。
バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
コキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
〜R8は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カル
ボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
てもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。R10、R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
上記の中でも、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル酸共重合体およびポリウレタンがより好ましい。
現像処理がアルカリ現像液を用いて行われる態様においては、バインダーポリマーはアルカリ現像液に溶解する必要があるため、アルカリ水に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が好ましく使用される。特にpHが10以上のアルカリ現像液を用いる場合には、アルカリ可溶性バインダーが好適に用いられる。
アルカリ水に可溶性である為に、アルカリ可溶性基を有することが好ましい。アルカリ可溶性は酸基であることが好ましく、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらのうち、被膜性・対刷性・現像性の両立という観点から、カルボキシル基を有するバインダーポリマーが特に好ましい。
さらに、アルカリ可溶性バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、上記のように架橋性をもたせることができる。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ま
しく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。アルカリ可溶性バインダーポリマーの含有量は、感光層の全固形分に対して、通常5〜90質量%であり、10〜70質量%であるのが好ましく、10〜60質量%であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
製版工程における現像処理が、pH2〜10の現像液を用いて行われる態様においては、酸価が0.3meq/g以下のバインダーポリマーが好ましく用いられる。
本発明の感光層に用いられる酸価が0.3meq/g以下の疎水性バインダーポリマーとしては、非水溶性ポリマーが好ましく用いられる。さらに、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基などの酸基を実質的に含有しないものが好ましい。バインダーポリマーの酸価はポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したものである。バインダーポリマーの酸価は好ましくは、0.1meq/g以下である。
すなわち、本発明に用いられる疎水性バインダーポリマーは、水およびpH10以上の水溶液に対し不溶であることが好ましい。疎水性バインダーポリマーの水およびpH10以上の水溶液に対する溶解度は、0.5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以下である。このような疎水性バインダーポリマーを用いることによって、感光層の膜強度、耐水性および着肉性が向上して、耐刷性の向上が得られる。
このような疎水性バインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂から選ばれる高分子が好ましい。なかでも、アクリル樹脂が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。より具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルまたはアラルキルエステルと(メタ)アクリル酸エステルのエステル残基(−COOR)のRに−CH2CH2O−単位または−CH2CH2NH−単位を含む(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が特に好ましい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好ましいアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であり、メチル基がより好ましい。好ましい(メタ)アクリル酸アラルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジルが挙げられる。
バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシエチル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
疎水性バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
疎水性バインダーポリマーの含有量は、感光層の全固形分に対して、通常5〜90質量%であり、10〜70質量%であるのが好ましく、10〜60質量%であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
本発明においては、上記の感光層構成成分および後述のその他の構成成分を感光層に含有させる方法として、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の一部をマイクロカプセルに内包させて感光層に添加することができる。その場合、各構成成分はマイクロカプセル内および外に、任意の比率で含有させることが可能である。
本発明の感光層には、さらに、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。以下、それらについて説明する。
本発明において、感光層には、現像性の促進および塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光層に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、感光層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、現像性の向上、マイクロカプセルの分散安定性向上などのため、親水性ポリマーを含有させることができる。
親水性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホ基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
親水性ポリマーの感光層への含有量は、感光層全固形分の20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
本発明では、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
本発明の感光層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
オラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチルー7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。
本発明の感光層には、感光層の製造中または保存中において、ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、感光層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
本発明の感光層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、感光層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
本発明の感光層は可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に
挙げられる。可塑剤の含有量は、感光層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
本発明の感光層は、画像部の硬化皮膜強度向上のために、無機微粒子を含有してもよい。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲内であると、感光層中に安定に分散して、感光層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
<低分子親水性化合物>
本発明の感光層は、現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有することができる。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩や、テトラエチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の感光層は、連鎖移動剤を含有することができる。連鎖移動剤は、感度および保存安定性に寄与する。連鎖移動剤として作用する化合物としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。
本発明の感光層は、必要な上記各成分を溶剤に分散または溶解して塗布液を調製し、塗布して形成される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の感光層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能で
ある。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
本発明の平版印刷版原版には、露光時の重合反応を妨害する酸素の拡散侵入を遮断するため、感光層上に保護層(酸素遮断層)が設けられる。本発明に用いられる保護層は25℃、1気圧下における酸素透過性Aが1.0≦A≦20(mL/m2・day)であることが好ましい。酸素透過性Aが1.0(mL/m2・day)未満で極端に低い場合は、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。逆に、酸素透過性Aが20(mL/ m2・day)を超えて高すぎる場合は感度の低下を招く。酸素透過性Aは、より好ましくは1.5≦A≦12(mL/m2・day)、さらに好ましくは2.0≦A≦10.0(mL/m2・day)の範囲である。また、保護層に望まれる特性としては、上記酸素透過性以外に、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。この様な保護層に関する工夫が従来なされており、米国特許第3,458,311号明細書、特公昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
部位等種々の親水性変性部位をランダムに有す各種重合度のポリビニルアルコール、前記のアニオン変性部位、前記のカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位、さらにはアルコキシル変性部位、スルフィド変性部位、ビニルアルコールと各種有機酸とのエステル変性部位、前記アニオン変性部位とアルコール類等とのエステル変性部位、エポキシ変性部位等種々の変性部位をポリマー鎖末端に有す各種重合度のポリビニルアルコール等が挙げられる。
ここで無機質の層状化合物とは、薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、下記一般式
A(B,C)2-5 D4 O10(OH,F,O)2
〔ただし、AはK,Na,Caの何れか、BおよびCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、DはSiまたはAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、式3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
鱗雲母が挙げられる。また、合成雲母としては、フッ素金雲母KMg3 (AlSi3O10)F2、カリ四ケイ素雲母KMg2.5 Si4 O10)F2等の非膨潤性雲母、およびNaテトラシリリックマイカNaMg2.5 (Si4O10)F2、NaまたはLiテニオライト(Na,Li)Mg2 Li(Si4 O10)F2、モンモリロナイト系のNaまたはLiヘクトライト(Na,Li)1/8 Mg2 /5Li1/8 (Si4O10)F2等の膨潤性雲母等が挙げられる。さらに合成スメクタイトも有用である。
ン笛を有する乳化装置等が挙げられる。上記の方法で分散した無機質層状化合物の5〜10質量%の分散物は高粘度あるいはゲル状であり、保存安定性は極めて良好である。この分散物を用いて保護層塗布液を調製する際には、水で希釈し、充分攪拌した後、バインダー溶液と配合して調製するのが好ましい。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状な親水性支持体であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。なかでも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温度5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2 であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2 であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
なかでも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲内で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
本発明の平版印刷版原版においては、支持体上に重合性基を含有する化合物の下塗り層を設けることが好ましい。下塗り層が用いられるときは、感光層は下塗り層の上に設けられる。下塗り層は、露光部においては支持体と感光層との密着性を強化し、また、未露光部においては、感光層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、現像性が向上する。
下塗り層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。特開2006−078999号公報に記載の(1)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する繰り返し単位と(2)支持体表面と相互作用する官能基を少なくとも1つ有する繰り返し単位とを有する共重合体、さらに(3)親水性基を少なくとも1つ含有する繰り返し単位を有する共重合体も好ましい。特に好ましい化合物として、メタクリル基、アリル基などの重合性基とリン酸基、リン酸エステルなどの支持体吸着性基を有する化合物が挙げられる。重合性基と支持体吸着性基に加えてスルホ基、エチレンオキシド基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であるのが好ましく、1〜30mg/m2であるのがより好ましい。
支持体に表面処理を施した後または下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金
属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。なかでも、Si(OCH3 )4 、Si(OC2 H5 )4 、Si(OC3 H7 )4 、Si(OC4 H9 )4 等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
本発明における平版印刷版原版を画像露光した後、現像液により保護層および未露光部の感光層を除去し、平版印刷版を作製することができる。
上記したように、(1)の現像液を用いる場合には、感光層に用いられるバインダーポリマーとしてアルカリ可溶性バインダーポリマーを用いることが好ましく、(2)の現像液を用いる場合には、前記の酸価が0.3meq/g以下のバインダーポリマーを用いることが好ましい。
pHが10以上の現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。このようなアルカリ溶液の濃度が0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%になるように添加される。
また、このようなアルカリ性水溶液には、必要に応じて界面活性剤やべンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号明細書および同第3615480号明細書に記載されているものを挙げることができる。
pHが10以上の現像液は、取扱い性と現像性の両立の観点からpHが10〜14の範囲のものが好ましく、さらにはpHが11〜13の範囲のものが好ましい。
ーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類およびアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
これらノニオン系界面活系剤は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。本発明においては、ソルビトールおよび/またはソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
またアセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等の界面活性剤も同様に使用することができる。
本発明の現像液に使用する界面活性剤としては、抑泡性の観点から、ノニオン系界面活性剤が特に好適である。
、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。
その中で乳化分散型および可溶化等がいずれも使用できる。
また、ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル系、および、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができ、例えば、繊維の毛の直径は、20〜400μm、毛の長さは、5〜30mmのものが好適に使用できる。
さらに、回転ブラシロールの外径は、30〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシ
の先端の周速は、0.1〜5m/secが好ましい。
また、回転ブラシロールは、2本以上の複数本用いることが好ましい。
印刷時、版上の汚れ除去のため使用するプレートクリーナーとしては、従来知られているPS版用プレートクリーナーが使用され、例えば、CL-1、CL-2、CP、CN-4、CN、CG-1、PC-1、SR、IC(富士フイルム(株)製)等が挙げられる。
望ましい光源の波長は350nmから450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザーが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
また、本発明に使用可能な他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザ(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザー系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、
導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)、その他、パルスレーザとしてN2レーザ(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)。特にこの中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
・内面ドラム方式で総出力20mW以上の半導体レーザーとなる様に、ガスレーザあるいは固体レーザー光源を1個以上使用するシングルビーム〜トリプルビームの露光装置
・フラットベッド方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜10本)の露光装置
・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜9本)の露光装置
・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(10本以上)の露光装置
以上のようなレーザー直描型の平版印刷版においては、一般に感材感度X(J/cm2)、感材の露光面積S(cm2)、レーザー光源1個のパワーq(W)、レーザー本数n、全露光時間t(s)との間に式(eq 1)が成立する。
レーザー回転数f(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)の間には一般的に式(eq 2)が成立する。
ドラム回転数F(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 3)が成立する。
ポリゴンミラーの回転数H(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 4)が成立する。
により外面ドラム方式の半導体レーザーマルチビーム(10本以上)露光装置との組み合わせが最も好ましいことになる。
(1)支持体の作製1
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸水溶液に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
このようにして得た支持体表面の中心線平均粗さRa(JIS B0601)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
・下塗り化合物(1) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
上記の下塗り層を付与した支持体上に、下記組成の感光層塗布液(1)〜(5)および比較用感光層塗布液をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.1g/m2の感光層を形成し、この上に下記組成よりなる保護層塗布液(1)を、乾燥塗布量が0.75g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、125℃、70秒間乾燥して平版印刷版原版(1)〜(5)および比較用平版印刷版原版(1)を得た。
・バインダーポリマー(表8記載) 0.54g
・特定重合性化合物(表8記載) 0.20g
・重合性化合物(2−1) 0.20g
・下記増感色素(1) 0.06g
・下記重合開始剤(1) 0.18g
・下記連鎖移動剤(1) 0.07g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物(1) 0.40g
・熱重合禁止剤 0.01g
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
・下記水溶性フッ素系界面活性剤(1) 0.001g
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04g
(旭電化工業(株)製、プルロニックL44)
・テトラエチルアンモニウムクロリド 0.01g
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g
バインダー(4):ポリビニルブチラール
(ブチラール比 65モル%、アセテート比 <1モル%)
バインダー(5):メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体(モル比30/70)
重合性化合物(2−1):2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(モル比1/2)の反応物
ε―フタロシアニン顔料の分散物(1):
〔顔料:15質量部、 分散剤:バインダー(1)10質量部、
溶剤:シクロヘキサノン15質量部、メトキシプロピルアセテート20質量部、
1−メトキシ−2−プロパノール40質量部〕
ポリビニルアルコール(けん化度98モル%、重合度500) 40g
ポリビニルピロリドン(分子量5万) 5g
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))分子量7万 0.5g
界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.5g
水 950g
3−1)露光、現像および印刷
上記平版印刷版原版(1)〜(5)および比較用平版印刷版原版(1)各々について、出力100mWの405nm半導体レーザーを用いて、エネルギー密度を変えて画像様露光を行った。
その後、下記組成の現像液(1)を用い、図1に示す構造の自動現像処理機にて、現像処理を実施した。現像液のpHは、4.6であった。自動現像処理機は、回転ブラシロールを2本有する自動処理機であり、回転ブラシロールとしては、1本目のブラシロールに、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径90mmのブラシロールを用い、搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.94m/sec)させ、2本目のブラシロールには、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径60mmのブラシロールを用い、搬送方向と反対方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.63m/sec)させた。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。
現像液は、循環ポンプによりスプレーパイプからシャワーリングして、版面に供給した
。現像液のタンク容量は、10リットルであった。
・水 100g
・アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム 5g
(花王(株)製ペレックスNB−L)
・アラビアガム 1g
・第1リン酸アンモニウム 0.05g
・2−ヒドロキシプロピルスターチ 1g
・クエン酸 0.05g
・エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.05g
上記平版印刷版原版について、平版印刷版の現像性、感度、汚れ性、耐刷性を下記のように評価した。結果は表8に示す。
平版印刷版原版を上記の通り露光、現像し、得られた平版印刷版の非画像部を目視確認し、感光層の残存の有無を下記の基準で評価した。
◎:残膜なし
△:わずかに残膜
×:残膜あり
上記の通り100枚印刷を行って、非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物において、画像部のインキ濃度にムラがない露光量を感度として計測した。感度評価は、比較例1を基準(1.0)として以下のように定義した相対感度で表している。相対感度の数値が大きい程、高感度であり、性能が良好であることを表す。
相対感度=(比較例1の感度/実施例1〜5の感度)
上記の通り印刷を行ったところ、印刷枚数の増加と共に徐々に画像部が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始よりも0.1低下したときの印刷枚数を求めた。またこの際、非画像部の汚れの有無を目視にて評価した。下記表8に記載の数値は、比較例1において、インキ濃度(反射濃度) が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数を100 とした時の、実施例1 〜5の相対値である。
◎:汚れが全く見られない
○:汚れがほとんど見られない
△:わずかに汚れが見られる
×:汚れがはっきりと見られる
感光液塗布処方(1)を感光層塗布液(6)に代えた以外は、実施例1と同様にして平版印刷版原版(6)を作製した。
感光液塗布処方(6)のバインダー(2)をバインダー(5)に代えた以外は、実施例6と同様にして平版印刷版原版(7)を作製した。
感光液塗布処方(6)の特定重合性化合物(A−64)を比較用重合性化合物(1)に代えた以外は、実施例6と同様にして比較用平版印刷版原版(2)を作製した。
・バインダー(2) 0.54g
・特定重合性化合物(A−64) 0.20g
・重合性化合物(2−1) 0.20g
・増感色素(1) 0.06g
・重合開始剤(1) 0.18g
・連鎖移動剤(1) 0.07g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物(1) 0.40g
・熱重合禁止剤 0.01g
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
・水溶性フッ素系界面活性剤(1) 0.001g
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04g
(旭電化工業(株)製、プルロニックL44)
・テトラエチルアンモニウムクロリド 0.01g
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g
・水酸化カリウム 0.15g
・ポリオキシエチレンナフチルエーテル(n=13) 5.0 g
・エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.1 g
・水 94.75g
2:受けロール
3:搬送ロール
4:搬送ガイド板
5:スプレーパイプ
6:管路
7:フィルター
8:給版台
9:排版台
10:現像液タンク
11:循環ポンプ
12:版
Claims (8)
- 支持体及び感光層を有する平版印刷版原版であって、該感光層が、(A)下記式(IV)又は(V)で表される重合性化合物、(B)重合開始剤、(D)350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素、および(E)バインダーポリマーを含有することを特徴とする平版印刷版原版。
式中、M 1 は、下記式(I)から、水素原子が一つ脱離した1価の残基を表す。M 2 は、下記式(I)から、水素原子が(n3+1)個脱離した(n3+1)価の残基を表す。
R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、R 3 は水素原子、アルキル基、COOR 4 またはCONR 5 R 6 を表し、R 4 は水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、R 5 およびR 6 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、Aは(n1+n2)価の有機基を表し、Dはn4価の有機基を表し、L 1 およびL 2 はそれぞれ独立に2価の連結基を表す。
n1は2〜10の整数を表し、n2は1〜10の整数を表す。
n3およびn4はそれぞれ1以上で、2≦(n3×n4)≦10を満足する整数である。
式中、X、Y、およびZは、それぞれ独立に、O、S、またはNR 7 を表す。R 7 は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。L 3 はYおよびZと結合して環構造を形成する原子団を表す。 - 前記(A)が、5員環または6員環の環状カーボネートおよび環状ウレタン構造から選ばれる少なくとも一つの構造を有する重合性化合物であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。
- 支持体及び感光層を有する平版印刷版原版であって、該感光層が、(A)下記式(II)又は(III)で表される構造を少なくとも1つ有する重合性化合物、(B)重合開始剤、(D)350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素、および(E)バインダーポリマーを含有することを特徴とする平版印刷版原版。
式中、X 1 、X2、X 3 、Y 1 、およびY 2 は、それぞれ独立に、O、S、またはNR7を表し、X4はOR7、SR7、N(R8)(R9)またはアルキル基を表す。V1およびV2は、それぞれ独立に、O、S、NR7、またはC(R5)(R6)を表す。L 4 はY1およびV1と結合して環構造を形成する原子団を表し、L5はY2およびV2と結合して環構造を形成する原子団を表す。R5〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。
また、式(II)の、X1中のR7、X2中のR7、Y1中のR7、V1中のR5、V1中のR6、V1中のR7またはL4の任意の位置を介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。式(III)の、X3中のR7、X4中のR7、X4中のR8、X4中のR9、X4中のアルキル基、Y2中のR7、V2中のR5、V2中のR6、V2中のR7またはL5の任意の位置を介して少なくとも一つの重合性基が連結されている。 - さらに、前記感光層が前記(A)以外の(C)重合性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
- 前記支持体と感光層との間に下塗り層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
- 前記感光層の上に保護層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
- pH 2〜10の現像液で現像できることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の平版印刷版原版を、350〜450nmの範囲に発振波長を有する光源を搭載した露光装置を用いて露光した後、現像液の存在下、未露光部の感光層を除去することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
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