JP2006047370A - 印刷版原版露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷版原版の感光層の表面の酸素を確実に遮断した状態で感光層を露光することが出来る印刷版原版露光装置を提供する。
【解決手段】
透明基板の表面と押さえ部材の底面部および側壁面とで形成される閉空間を真空排気手段によって真空排気して、前記側壁部を徐々に屈曲させつつ、前記底面部に保持された前記印刷版原版の前記感光層を前記一端側から徐々に前記透明基板表面に密着させていき、前記透明基板の表面に前記印刷版原版の前記感光層の全面を略完全に密着させ、前記印刷版原版の前記感光層から酸素を遮断する。
【選択図】図5

Description

本発明は、板状の支持体の表面にラジカル光重合によって潜像が記録される感光層を有し、感光層表面に酸素遮断層を有さない印刷版原版を露光する印刷版原版露光装置に関するものである。
従来から、親水性のアルミ支持体上に感光層が形成された印刷版原版において、感光層についてラジカル重合反応を利用して、レーザ光により露光された領域をポリマー化して硬化させる技術が一般的に知られている。この場合、空気中の酸素は、露光により発生した感光層中のラジカルを失活化させる性質があり、上述の印刷版原版において、ラジカル重合反応を妨げる要因になっている。このため、印刷版原版を高感度化することができないという問題があり、露光のためのレーザ光の強度を高くする必要がある。
上述の問題を解決するための対策として、アルミ支持体上に形成された感光層の上にオーバーコート層を形成して空気中の酸素を遮断し、空気中の酸素が感光層内に入り込まないようにすることも行われている。しかし、このような酸素遮断用オーバーコート層を用いた場合、露光後の現像工程などにおいて、オーバーコート層を溶解除去する必要があるが、オーバーコート層は、現像工程での現像液にオーバーコート層が溶解せず固形成分として残留して印刷機の内部を汚染したり、現像液にオーバーコート層が溶け込んで固形成分として固まり、印刷物の汚れを発生させるという問題があった。
このような問題を解決する、オーバーコート層が設けられていない印刷版原版であっても、所定の画像を露光により効率よく記録できる画像露光装置および画像露光方法が、例えば、特許文献1に提案されている。
特開平9−197655号公報
上記特許文献1には、印刷版原版を複数の吸引孔を有する部材上に導入して配置した後、透明シートを重ね合わせ、吸引孔より排気を行いながら露光を行なうことで酸素濃度を下げて露光し、現像して印刷版を作製する印刷版の作成方法が開示されている。
図7(a)〜(c)は、特許文献1に記載の印刷版の作成方法を実施する露光装置の一例である露光装置100について説明する図である。
図7(a)〜(c)は、特許文献1に記載のインナードラム方式の2次元画像露光装置において、印刷版原版を保持する半円形ドラム102のドラム内面103に、印刷版原版104を配置して透明シート106を重ね合わせた状態を示した図である。なお、図7(a)〜(c)においては省略しているが、半円形ドラム102の内側には、走査露光系を備えている。露光装置100の走査露光系は、図示しない照射光学系によってレーザービームをドラム内面103に向けて照射して、この照射光学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部または全部をドラムの軸に平行に直線移動させ軸方向に副走査を行なっている。
図7(a)は概略斜視図を、図7(b)は概略平面図を、図7(c)は図7(b)に示すA−A’線に沿って、半円形ドラム102、印刷版原版104および透明シート106を切断した際の概略断面図をそれぞれ示している。
半円形ドラム102には複数の吸引孔108が設けられており、半円形ドラム102のドラム内面103に複数の吸引口110が開口されている。この半円形ドラム102のドラム内面103には、支持体P12の表面に感光層P10が設けられた印刷版原版104が、支持体P12をドラム内面103の側にして配置される。この印刷版原版104の感光層P10の表面には透明シート106が重ね合わされ、この状態で吸引孔108から空気が吸引される。これにより、印刷版原版104は支持体P12の側がドラム内面103に吸着支持されるとともに、感光層P10と透明シート106との間隙の空気(酸素を含んだ気体である)が排気される。特許文献1では、このようにして印刷版原版104の感光層P10と透明シート106との間隙の空気を排気して、感光層P10の表面に透明シート106を密着させ、感光層P10を酸素遮断している。
しかし、この方法では、印刷版原版104の感光層P10と透明シート106との間の空気は、印刷版原版104の周辺部分112から一様に真空引きされる。図7(c)で示すように、印刷版原版104と透明シート106とが、印刷版原版104の周辺部分112において先に密着してしまった場合や、透明シート106が吸引されることで吸引孔108の吸引口110が全て閉じてしまった場合など、中央部分114の空気は吸引されなくなり、中央部分114に空気だまりが生じてしまう。このような空気だまりが生じると、この空気だまりの空気に含まれる酸素によって、露光よって発生する感光層のラジカル重合反応が阻害されるため、露光・現像後の刷版画像に不良が生じるといった問題があった。
また、シートを介して露光を行なっている為、透明シートに傷が発生した場合には、露光ビームが拡散されて露光不良が発生するという問題があった。
また、ここで用いる透明シートは、ある程度繰り返し使用できることが好ましいが、実際には扱いにくいこともあって傷等がつきやすく、早い段階で交換する必要があり、ランニングコストの上昇を招くという問題もあった。本発明の目的は、このような透明シートを用いることなく、印刷版原版の感光層の表面の酸素を確実に遮断した状態で感光層を露光することが出来る印刷版原版露光装置を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、板状の支持体の表面にラジカル光重合によって潜像が記録される感光層を有し、感光層表面に酸素遮断層を有さない印刷版原版を露光する印刷版原版露光装置であって、前記印刷版原版の感光層表面に密着可能な、前記印刷版原版よりサイズの大きい透明基板と、前記印刷版原版をその支持体側で保持し、その一端側から他端側に向かって傾斜する底面部、前記底面部の一端側で直結され、前記透明基板の全周縁部と密着する密着縁部および前記底面部の一端側を除いて前記底面部と前記密着縁部との間に設けられる屈曲可能な側壁部を備える押さえ部材と、前記透明基板の全周縁部と前記押さえ部材の前記密着縁部とを密着させ、前記透明基板の表面と前記押さえ部材の前記底面部および前記側壁部とで形成される閉空間を真空に向かって真空排気する真空排気手段と、前記印刷版原版の前記感光層表面に密着した前記透明基板を通して、前記感光層に画像情報に応じて変調された光ビームを照射する光ビーム照射手段と、前記印刷版原版の前記感光層を2次元的に走査露光するために、前記光ビーム照射手段と前記透明基板に密着された前記印刷版原版とを相対的に移動する移動手段とを有し、前記押さえ部材の前記側壁部は、前記他端側で高く、前記他端側から前記一端側に向かって徐々に低くなり、前記押さえ部材の前記密着縁部を前記透明基板の全周縁部に密着させ、前記透明基板の表面と前記押さえ部材の前記底面部および前記側壁部とで形成される前記閉空間を前記真空排気手段によって真空排気して、前記側壁部を徐々に屈曲させつつ、前記底面部に保持された前記印刷版原版の前記感光層を前記一端側から徐々に前記透明基板表面に密着させていき、前記透明基板の表面に前記印刷版原版の前記感光層の全面を略完全に密着させ、前記印刷版原版の前記感光層から酸素を遮断することを特徴とする印刷版原版露光装置。
前記透明基板は、前記押さえ部材の前記底面部の前記他端側に前記真空排気手段に接続される排気孔を備え、前記真空排気手段は、前記排気孔より前記閉空間内を真空排気することが好ましい。
また、前記透明基板は、前記押さえ部材の前記底面部の前記一端側に前記印刷版原版の位置決めのための位置決めピンを備え、前記印刷版原版の所定位置に設けられた位置決め孔を前記位置決めピンに係合させることにより、前記透明基板に対する前記印刷版原版の位置を所定位置に設定することが好ましい。
また、前記押さえ部材は、前記透明基板の前記位置決めピンに対応する、前記底面部の所定の位置に、前記位置決めピンに係合する凹部を備え、前記押さえ部材の前記凹部を前記位置決めピンに係合することにより、前記透明基板に対する前記押さえ部材の前記底面部の位置を所定位置に設定することが好ましい。
また、前記押さえ部材の前記密着縁部と前記透明基板の全周縁部とを密着させて形成された前記閉空間の真空排気を前記真空排気手段によって開始する時点において、前記押さえ部材の前記側壁部は、前記透明基板の表面と前記押さえ部材の前記底面部との間が前記底面部の前記一端側から前記他端側に近づくに従って放物線状に離隔するような形状を有していてもよい。
また、前記押さえ部材の前記底面部は、前記印刷版原版を保持すると、前記他端側において前記保持部と前記側壁部との間に設けられる折畳部とを有し、前記折畳部は、前記底面部の前記保持部に保持された前記印刷版原版の前記感光層を前記一端側から徐々に前記透明基板表面に密着させていく時に、前記他端側の前記側壁部の屈曲に応じて折り畳まれることが好ましい。
前記透明基板は、ガラス基板であることが好ましい。
さらに、前記押さえ部材を、前記透明基板の表面に当接、または前記当接表面から離隔させる当接・離隔手段を有することが好ましく、さらに、前記押さえ部材の前記底面部に前記印刷版原版を配置する、印刷版原版配置手段を有することが好ましい。
さらに、前記印刷版原版の前記感光層は、重合性化合物およびバインダーポリマーを含有し、波長250nm〜420nmの範囲に感光性があり、印刷インキおよび/または浸し水により除去可能であることが好ましい。
なお、本発明による印刷版原版露光装置では、感光層の露光終了後、充分な耐刷性が得られる重合反応の進行が完了するまでの所定時間、酸素をなくした状態を維持することが好ましい。さらに、露光前後の所定時間、酸素をなくした状態を維持することが好ましい。この時間は、重合開始剤、重合性化合物およびバインダーポリマーの組み合わせにより決定されるべきものであるが、一般的には数秒〜数十秒が好ましい。
また、酸素をなくした状態における酸素濃度も、重合開始剤、重合性化合物およびバインダーポリマーの組み合わせにより決定されるべきものであるが、一般的には、酸素濃度0.5%以下が好ましく、さらには0.05%以下が好ましい。
また、本発明の印刷版原版露光装置では、感光層について露光後の所定時間、酸素遮断した状態を維持した後は、印刷版原版を空気中に曝して、光重合の発生を抑制してもよい。
本発明の印刷版原版露光装置によれば、画像が露光される印刷版原版の感光層が、一方の側の端辺から対向する他方の側の端辺に向かって、透明基板の密着保持表面に徐々に密着していくため、透明基板の密着保持表面と印刷版原版の感光層との間に空気だまりを生じない。このため、この空気だまりの酸素に起因する重合阻害によって生じる露光不良や、透明基板を介して照射される光ビームが、空気だまりで屈折することで生じる露光不良を防止することができる。
このように、酸素が遮断された状態で露光することにより、例えば、ラジカル光重合によって潜像が記録される感光層を有する印刷版原版において、酸素遮断層がないものであっても感光層の感度を落とすことがないため、酸素遮断層のある印刷版原版に対して必要な光ビーム強度と同程度の強度での露光によって充分に画像の記録が可能となる。このように、本発明の画像露光装置によれば、酸素遮断層がない印刷版原版であっても画像を効率よく記録できる。
また、本発明の画像露光装置は、酸素遮断層を有する印刷版原版を用いる必要がない。酸素遮断層のない印刷版原版を用いることで、露光後の現像工程において現像液を汚染しないといった効果も有する。
また、ガラス等の、傷(および、しわ)が生じにくい透明な基板を用いることで、露光ビーム透過部の傷・しわが防止でき、これらに起因する露光不良も防止することができるとともに、ランニングコストを低下できるといったすぐれた効果も有する。
なお、本発明によれば、露光後、印刷前に長時間明室環境下に放置されても不要画像の発生がなく、白灯安全性に優れている波長250nm〜420nmの範囲に感光性がある印刷版原版であっても、低出力レーザや水銀灯などの低出力の光源で画像を効率よく記録でき、装置コストを低減できる。
以下、最初に、図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明に係る印刷版原版露光装置を説明する。また、その後、本発明に係る印刷版原版露光装置による露光を適用するに好適な印刷版原版について詳細に説明する。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の印刷版原版露光装置を詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の印刷版原版露光装置の一例である露光装置10の構成の概略を説明する図である。図1は、露光装置10の構成の概略を示す模式的斜視図であり、また、図2は、露光装置10の構成の概略を示す模式的側断面図である。
図1および図2に示す露光装置10は、感光層Pが板状の支持体Pの表面に設けられた印刷版原版Pを露光するフラットベッド型の印版版原版露光装置である。
露光装置10において露光されて画像が記録される印刷版原版Pは、光ラジカル重合によって感光層Pに画像が記録される、感光層P表面に酸素遮断層を有さない平板印刷版原版である。この印刷版原版Pは、アルカリ現像用の平板印刷版原版であってもよく、また機上現像用の平板印刷版原版であってもよい。
ここで、「アルカリ現像」とは、アルカリ性現像液を接触させることにより、露光後に印刷版原版の画像記録層(感光層)を除去し、親水性支持体表面を露出させる工程を指し、「機上現像」とは、印刷機を用いて、液体(通常は印刷インキおよび/または浸し水)を接触させることにより、印刷版原版の画像記録層を除去し、親水性支持体表面を露出させる方法および工程を指す。
本発明に係る印刷版原版露光装置は、露光後に、上述のアルカリ現像を行なうことで親水性支持体表面を露出させる、アルカリ現像用の印刷版原版を露光することも可能であり、また、露光後に、上述の機上現像を行なうことで親水性指示体表面を露出させる、機上現像用の印刷版原版を露光することも可能である。本発明に係る印刷版原版露光装置による露光を適用するに好適な印刷版原版については、後に詳述する。
本実施形態における露光装置10は、基台12と、印刷版カセット14と、搬送・配置ユニット20と、密着保持ユニット30と、走査露光ユニット50を有している。また、露光装置10は、これら搬送・配置ユニット20、密着保持ユニット30および走査露光ユニット50の各ユニットと接続されて、各ユニットの動作を制御することで、印刷版カセット14に収納された複数の印刷版原版Pの感光層Pに所望の画像を順次記録させる、図示しない制御部も有している。この制御部には、予め、感光層Pに記録するための画像情報が入力されている。この制御部には装置10を操作するオペレータによって任意の画像情報が入力可能となっている。
基台12は、地面と平行な設置面に配置されており、設置面に略垂直な2枚の支持基板16それぞれが、それぞれの一方の基板表面である基板面16aが平行となるよう、支持柱13に固定されている。支持基板16の間隙には、搬送・配置ユニット20および密着保持ユニット30が配置されており、これら搬送・配置ユニット20および密着保持ユニット30の上側に、走査露光ユニット50が配置されている。
印刷版カセット14は、設置面の所定の位置(基台12に対する所定の相対位置)に配置された、箱型形状の印刷版収納カセットであり、上側の一面が開放している。印刷版カセット14内には、複数の印刷版原版Pが、その感光層Pの側を上側にして、複数枚重ねられて収納されている。
搬送・配置ユニット20は、印刷版カセット14に収納された複数の印刷版原版Pを、密着保持ユニット30の所定の位置(後に詳述する、保持面38a)に、一枚一枚順次搬送して配置する。搬送・配置ユニット20は、アーム24と、アーム搬送手段26と、昇降・出入手段25(図2参照)とを有している。
アーム24は、図1および図2に示すように、アーム搬送手段26に支持された、設置面と平行な板状部材である。アーム搬送手段26は、上述の支持基板16の基板面16aに設けられており、アーム24を、図1および図2に示す、設置面と平行な矢印X方向に往復移動させる。アーム搬送手段26は、モータによって駆動するボールねじを利用した移動手段など、公知の移動手段であればよい。
昇降・出入手段25は、アーム搬送手段26によって、支持基板16の間隙の外側(図2中の右側)に向けて搬送されたアーム24を、アーム搬送手段26から取り外して保持し、図2中の上下方向(図2中の矢印Z方向)に移動させる。また、保持したアーム24をアーム搬送手段26に取り付ける。
密着保持ユニット30は、印刷版原版Pの感光層Pの表面の酸素を遮断した状態で、この感光層Pを、走査露光するための所定の配置位置に配置する。
図3(a)および(b)は、密着保持ユニット30の構成の概略を示す図である。図3(a)は、図1および図2に示す露光装置10の密着保持ユニット30の構成を示す概略斜視図であり、図3(b)は、図1および図2に示す露光装置10の密着保持ユニット30の構成を示す模式的側断面図である。
図3(a)および(b)に示すように、密着保持ユニット30は、透明基板32と、カバーシート(押さえ部材)34と、排気管36と、排気用真空ポンプ40と、カバーシート昇降手段29(図1においては図示せず)とを有している。また、密着保持ユニット30は、さらにカバーシート昇降手段(押さえ部材当接・隔離手段)23(図2参照)も備えている。
透明基板32は、透明なガラス基板であり、図1に示すように、その上側の基板面が、2枚の支持基板16の上面16bと平行に配置されている。
この透明基板32は、下側の基板面である密着面32aに印刷版原版Pの感光層Pが押し当てられて印刷版原版Pが密着されることで、この印刷版原版Pを酸素遮断した状態で密着保持する。密着面32aへの印刷版原版Pの感光層Pの押し当ておよび密着の様相については、後に詳述する。
透明基板32の密着面32aには、位置決めピン33が設けられている。この位置決めピン33は、透明基板32の所定の位置に、密着面32aから下側に向けて突出している。印刷版原版Pには、この透明基板32の位置合わせピン33に対応する位置に位置合わせ孔15(図1参照)が設けられている。印刷版原版Pは、この位置合わせ孔15が位置決めピン33に係合することで、透明基板32の密着面32aの所定の位置に配置される。また、透明基板32には、その厚さ方向に貫通する排気口41が設けられており、この排気口41には、フレキシブルホース等の排気管36の一方の端部が接続されている。この排気管36の他方の端部は、真空ポンプ40に接続されている。
カバーシート34は、透明基板32の図中下側に、密着面32aと当接・隔離可能に配置された、透明基板32の側が開放された略箱型形状の部材である。カバーシート34は、印刷版原版Pをその支持体側Pで保持する、板面が密着面32aと対向した底板35、底板35の一端側(図3中の左側の端)で直結され、透明基板32の全周縁部と密着する張出部31(密着縁部)、および底板35の一端側を除いて底板35と張出部31との間に設けられる屈曲可能な側壁37とからなる。このカバーシート34は、例えばゴムなどの弾性体からなる。
カバーシート34は、カバーシート昇降手段23に支持されており、このカバーシート昇降手段23によって密着面32aに、上述の張出部31が当接・隔離可能となっている。すなわち、カバーシート34は、カバーシート昇降手段23によって、図3(b)に実線で示す位置(隔離位置)と、図3(b)に破線で示す位置(当接位置)とを図中矢印Z方向に往復移動可能となっている。カバーシート34は、張出部31が密着面32aに当接されることで、密着面32aと底板35の底板面35a、および側壁37の壁面37aとで覆われた閉空間Sをなす。
底板35は、搬送・配置ユニット20によって印刷版原版Pが配置される、平板状の保持部38と、折り畳まることで保持部38と透明基板22の基板支持面との距離を狭める折畳部39とからなる。密着面32aと対向する底板面35aの保持部38に対応する領域である保持面38aには、搬送・配置ユニット20により、印刷版原版Pが、感光層Pを上側にして配置される。上述の底板面35aは、保持面38aと、折畳部39の内壁面である折畳内壁面39aとからなる。
保持面38aと密着面32aとの距離は、保持面38aの一方の端辺44(図3(b)中の左側の端辺)の側から、これに対向する端辺(図3(b)中の右側の端辺)46の側に向かうにしたがって大きくなっている。保持面38aと密着面32aとの距離が狭い側の端辺44(図3(b)中の左側の端辺44)の近傍には、上述の位置決めピン33に対応する形状の位置決め凹部42が設けられている。
カバーシート34は、カバーシート昇降手段23によって密着面32aに当接される際、この位置決め凹部42に位置決めピン33が係合される。これにより、カバーシート34は、密着面32aに対する所定の相対位置に位置調整される。位置決め凹部42は、カバーシート34が当接位置に位置した際、上述の密着面32aの位置決めピン33に対応する位置に設けられている。また、排気口41は、透明基板32の、閉空間Sに対応する領域内の端辺46に対応する位置の近傍に設けられている。排気口41には、排気管36の一方の端部が接続されており、この排気菅36の他方の端部は真空ポンプ40に接続されている。
真空ポンプ40は、保持面38aに印刷版原版Pが配置された状態で、すなわち、閉空間S内に印刷版原版Pが配置された状態で、閉空間S内の空気(酸素を含む気体である)を排気口41から排気菅36を介して排気して閉空間Sを真空にする。閉空間S内の保持面38aに印刷版原版Pが感光層Pを上側にして配置された状態で、真空ポンプ40によって閉空間Sを真空にすると、底板35の保持部38全体が外部の大気圧によって押し上げられる。これにより、閉空間Sの内部の保持面38aに配置された印刷版原版Pが透明基板32の側に押し上げられ、一方の側から徐々に感光層Pは密着面32aに密着する。カバーシート34の張出部31は、、密着面32aに当接されて閉空間Sが真空に排気されても、密着した部分から空気が漏れる(閉空間S内に空気が流入する)ことがないよう、透明基板32と高い密着性を有し、かつ充分に広い面積で密着面32aと密着する構成となっている。
底板25の保持部38は、この保持部38全体が大気圧によって押し上げられても、その平坦性を維持できる程度に高い強度(低い弾性)を有し、側壁37は、このような保持部38の動きに応じて容易に変形する程度の低い強度(高い弾性)を有している。
密着・保持ユニット30は、このようにして印刷版原版Pの感光層Pを透明基板32の密着面32aに密着させ、感光層Pの表面の酸素を遮断した状態で保持する。感光層Pの、密着面32aへの密着の様相については後に詳述する。
本発明は、密着面32aに密着した感光層Pに、透明基板32の上面の側から光ビームを照射することで、感光層Pの表面の酸素を遮断した状態で、印刷版原版Pを露光する。
露光ユニット50は、透明基板32の密着面32aに密着し、酸素の遮断された状態にある感光層Pに透明基板32の上面(密着面32aに対向する基板面)の側から光ビームを照射して、感光層Pを2次元的に走査露光する。露光ユニット50は、副走査搬送ガイド52と、露光基台54と、主走査搬送ガイド56と、露光ヘッド57とを有して構成されている。副走査搬送ガイド52および主走査搬送ガイド56は、本発明の移動手段に対応するものである。
副走査搬送ガイド52は、基台12の支持基板16の上面16bに配置されて露光基台54を支持するとともに、この露光基台54を上面16bと平行な副走査方向(図中矢印X方向)に移動させる。
露光基台54は、副走査方向(図中矢印X方向)に垂直な土台面54aを備えている。この土台面54aには主走査搬送ガイド56が設けられている。主走査搬送ガイド56は、露光ヘッド57を支持するとともに、この露光ヘッド57を、副走査方向(図中矢印X方向)と垂直(土台面56と平行)で、上面16bに平行な主走査方向(図1中矢印Y方向)に往復移動させる。副走査搬送ガイド52および主走査搬送ガイド56は、それ自体がモータによって駆動するボールねじを利用した移動手段など、公知の移動手段を備えていてもよく、これら自体とは別途、移動手段を備えていてもよい。
露光ヘッド57は、図中下向きに光ビームを出射し、透明基板32を介してこの透明基板32の図中下側の基板面である密着面32aに、密着されて酸素が遮断された状態の感光層Pを照射して露光する。
露光ヘッド57は、LDまたはLEDなどの光源ユニットや、コリメートレンズや、コリメートレンズによって平行光とされた光の結像位置を調整するレンズユニットなどを備えた公知の光ビーム照射手段であり、入力された光出力信号に応じて、光ビームを出射して所定の位置に結像させる。
この露光ヘッド57は、図示しない制御手段によって制御され、同じく制御手段に制御された主走査搬送ガイド56および副走査搬送ガイド52によって、主走査方向に往復移動され、かつ副走査方向に間欠的に移動されながら、制御手段に予め記憶された画像に基づいて光ビームを出射することで、感光層Pを2次元的に露光して、この感光層Pに画像を記録する(潜像を記録する)。
なお、露光後、印刷前に長時間明室環境下に放置されても不要画像の発生がなく、白灯安全性に優れている波長250nm〜420nmの範囲に感光性がある印刷版原版を露光する場合、露光ヘッド57の光源として、低出力レーザや水銀灯などの低出力の光源を用いることができる。本発明の印刷版原版露光装置によると、このような安価な光源を用いても、波長250nm〜420nmの範囲に感光性がある印刷版原版に効率よく画像を記録できる。
なお、本発明おける光ビーム照射手段は、1つの光源により射出される1本の光ビームによって露光する構成であってもよいし、光源としてLEDアレイ、または光ファイバとLDとを組み合わせたLDアレイ光源を複数配列してなる光源などを用いて、複数の記録を同時に行う、いわゆるマルチビーム露光を利用する構成であってもよい。また、DMD、LCD、GLV等の空間光変調素子を用いて変調を行う光源を用いたものであってもよい。本発明の光ビーム照射手段は、特に限定されない。
露光ユニット50は、透明基板32が配置された基台12の所定の位置に配置されており、透明基板32の密着面32aにおける所望の位置に光ビームを照射する。露光ユニット50は、上述のように、密着面32aの所定の位置に設けられた位置決めピン33を基準にして露光することで、位置決めピン33を基準に配置されている印刷版原版Pの感光層Pの所定の位置に光ビームを照射することが可能となっている。
以下、露光装置10を用いて実施される印刷版原版Pの露光動作について、図を参照し詳細に説明する。
まず、搬送・配置ユニット20によって、印刷版カセット14内に収納された印刷版原版Pが、密着保持ユニット30の上述の保持面38aに配置される。
図4(a)〜(d)は、搬送・配置ユニット20による、印刷版カセット14に収納された印刷版原版Pの取得・搬送動作について説明する図であり、露光装置10の模式的側断面図である。
まず、図4(a)に示すように、アーム24が、アーム搬送手段26によって、2枚の支持基板14の間隙の外側(図中の右側)まで搬送されて、昇降・出入手段25(図2参照)によって保持されている(初期状態)。この状態で、アーム24と印刷版カセット14の開放された上面とは所定の距離だけ離間しており、アーム24は印刷版カセット14内の印刷版原版Pとも離間している。
この状態で、図4(b)に示すように、昇降・出入手段25によってアーム24が図中下側に搬送され、アーム24の吸盤29が印刷版原版Pの感光層P表面に当接し、吸盤29によって印刷版原版Pを保持する。
この感光層Pの表面の吸盤29が当接する位置は、図1に示すように、印刷版原版Pのなるべく周縁部であることが好ましい。本発明の印刷版原版露光装置では、アーム24の形状(大きさ)およびその下面側に設けられる印刷版取得手段25の位置は、吸盤29が印刷版原版Pの感光層P表面に当接された際、この感光層Pの表面のなるべく周縁部になるような大きさ、形状に設定されていることが好ましい。
次に、図4(c)に示すように、吸盤29によって印刷版原版Pを保持したまま昇降・出入手段25によってアーム24が図中上側に搬送された後、アーム搬送手段26に取付けられ、アーム24がアーム搬送手段26によって密着保持ユニット30の透明基板32とカバーシート34との間隙に搬送され、所定の待機位置まで搬送される。
次に、図4(d)に示すように、この待機位置で吸盤29による吸着が開放され、印刷版原版Pがカバーシート34の所定の配置位置に配置される。この配置位置とは、印刷版原版Pには、位置合わせ孔15が設けられているが、所定の配置位置とは、印刷版原版Pが保持面38aに配置された際、この位置合わせ孔15の位置と、上述の保持面38aに設けられた位置合わせ凹部42の位置とが略一致する位置である。上述の所定の待機位置とは、吸盤29による吸着を開放することで、印刷版原版Pが、この所定の配置位置に配置される位置である。
印刷版原版Pは、このようにして保持面38aに配置される。印刷版原版Pが保持面38aに配置されると、アーム搬送手段26によって、支持基板14の間隙の外側(図中の右側)まで搬送されて、昇降・出入手段25によって保持され、図3(a)に示す初期状態、すなわちアーム24が印刷版カセット14に対応する位置に配置された状態に戻る。
印刷版原版Pが保持面38aの所定の位置に配置されると、密着保持ユニット30によって、印刷版原版Pの感光層Pが透明基板32の密着面32aに密着される。
図5(a)〜(d)は、密着保持ユニット30における、印刷版原版Pの感光層Pの、透明基板32aへの密着の様相について説明する図である。
搬送・配置ユニット20によって、印刷版原版Pは、図5(a)に示すように、カバーシート14の保持面38aの所定の位置に、感光層Pを透明基板32側に向けて配置されている。この状態で、カバーシート昇降手段23(図2参照)によって、カバーシート34全体が透明基板32の側に移動されて、図5(b)に示すように、カバーシート34の当接面31aが密着面32aに密着され、密着面32aとカバーシート34の内壁面(底板面35aおよび側壁面37a(図5(a)では図示せず))とで覆われた閉空間Sをなす。
この際、透明基板32に設けられた位置決めピン33が、印刷版原版Pの位置決め孔15を貫通して、カバーシート34の位置決め凹部42に嵌合することで、透明基板32(密着面32a)に対する正確な位置に印刷版原版Pが配置される。なお、この位置決めピン33は、カバーシート34から先端(位置決めピン33の突出端)部分に近づくに従って断面の径が徐々に変化した、テーパ付形状のピンであることが好ましい。位置決めピン33をこのようなテーパ付形状とすることで、位置決めピン33を位置決め凹部42に勘合する際、位置決めピン33を位置決め凹部42に挿入するに従って位置決め凹部42(すなわちカバーシート34)と位置決めピン32(すなわち、透明基板32)との微小なずれが徐々に修正され、カバーシート34と透明基板32とが正確な位置に配置され、透明基板32(密着面32a)における正確な位置に印刷版原版Pが配置される。
この状態で真空ポンプ40により閉空間S内の空気が排気されて、閉空間Sが真空にされる(真空に向かって排気される)。閉空間S内の空気が真空に向かって排気されると閉空間S内の内圧が低下し、カバーシート34の全体に外側から大気圧がかかり、保持部38は平板状態のまま、折畳部39が折り畳まる。それに応じて側壁37(図5において図示せず)が変形して、保持部38が透明基板32の側へ押し上げられる。カバーシート34の各部は、閉空間Sが真空引きされて全体に大気圧がかかることで、保持部38がスムーズに透明基板32の側へ押し上げられるよう、各部の材質や形状が調整されている。
露光装置10では、折畳部39を設け、この折畳部39が低い圧力差(閉空間Sの内圧と大気圧の差)で容易に折り畳まれるように構成されている。また、折畳部39が折り畳まることで、保持部38が平板状態のまま透明基板32の側へ押し上げられるよう、保持部38は比較的剛性が高く、かつ側壁37は剛性が比較的低くなるような材質となっている。側壁37の剛性が比較的高い材質である場合など、側壁37の形状は、例えば、蛇腹形状のように、容易に変形しやすい形状であることが好ましい。
真空排気を開始した状態(図5(b)に示す状態)での、保持面38aと密着面32aとの距離は、上述のように、ピン側の端辺44の側からこの端辺と対向する端辺46の側に向かって大きくなっている。このような保持部38の保持面38aが密着面32aに向かって押し上げられることで、保持面38aに配置された印刷版原版Pの感光層Pは、まず端辺44の側から密着し始め、これと対向する端辺46の側に向けて(図5(c)に矢印で示す方向)徐々に密着していく。そして、最終的に図5(d)に示すように、感光層P全体が密着面32aに密着する。
透明基板32に設けられた排気口41は、上述のように、透明基板32の閉空間Sに対応する領域の、位置決めピン33の側と対向する側(すなわち最も後に密着する側)の近傍に設けられている。これにより、閉空間S内は、感光層Pの全体が密着面32aに密着してしまうまで、排気口41からスムーズに真空排気される。
このように、本発明の印刷版原版露光装置では、印刷版原版Pの感光層Pの表面が一方の端辺44の側から対向する他方の端変46の側に向けて徐々に密着される。これにより、感光層Pと密着面32aの間隙の一部の領域を囲む周囲領域が先に密着してしまうことで生じる空気だまりが発生することがない。本発明の印刷版原版露光装置では、空気だまりが生じることなく、感光層Pの表面全体が密着面32aに密着されて、感光層Pの表面全体が確実に酸素遮断される。
感光層P全体が密着面32aに密着されても、引き続き真空排気は続けられ、保持部38は透明基板32の側に連続して押し付けられる。この保持部38は、印刷版原版Pを密着面32aに押し付けつつ、印刷版原版Pに応じて変形することで閉空間Sの容積を減少させ、閉空間S内の真空度をより向上させる(印刷版原版P周辺の酸素濃度を下げる)。
この状態で真空排気を続けながら、露光ユニット50によって、透明基板32を介して光ビームを照射して感光層Pを2次元的に露光し、感光層Pに画像(潜像)を記録する。
なお、露光ユニット50による露光終了後も、露光によるラジカル重合反応が充分進行するまでの所定の時間、引き続き真空引きの状態が維持される。これにより、感光層Pは、酸素による影響を受けることなく、所望の耐刷性能を有する印刷版を得るに充分な程度に光ラジカル重合反応を終了させることができる。露光装置10によると、このように、感光層Pの露光によるラジカル重合反応が、酸素による影響を受けることがない。
また、露光が終了した後の所望の時間経過した段階で、真空排気を終了するとともに、カバーシート34を開放して感光層Pに酸素を供給することで、感光層Pの光ラジカル重合反応を所望の段階で終了させることも可能である。
上述の例における露光装置10では、保持部38は平板形状であり、この表面である保持面38aは平面状である。本発明における押さえ部材は、底面と密着保持表面との距離が、底面の一つの端辺からこれに対向する側の端辺に近づくにしたがって大きく、真空排気手段によって閉空間内が真空排気されることで、底面が大気圧によって透明基板の密着保持表面の側に押し上げられるものであればよい。本発明の印刷版原版露光装置における押さえ部材は、例えば、図7に示すように、カバーシート64の底面64aと、透明基板62の密着保持表面62aとの距離(間隔)をD、底面64aの一つの端辺から対向する側の端辺への距離をLとした際、D=a・L(aは任意の定数)で表せるように、底面64aの側断面が放物線状となっていてもよい。カバーシートをこのような形状とし、かつ弾力に富んだ材質とすることで、底面が平面形状である場合と比較し、より確実に、底面に配置された印刷版原版が、底面の一つの端辺からこれに対向する側の端辺に向かって密着される。本発明の印刷版原版露光装置における押さえ部材の形状は限定されない。
本発明の印刷版原版露光装置では、露光ユニットによる露光位置と、感光層の相対位置とを高精度に調整できれば、透明基板に位置合わせピンが設けられていなくとも構わない。ただし、露光ユニットによる露光位置(光ビーム照射位置)と、感光層の相対位置とを高精度に調整するためには、位置決めピンを設けることが好ましい。本発明の印刷版原版露光装置では、露光ユニットによる露光位置と感光層の相対位置の調整の方法は、印刷版原版に設けられた位置合わせ孔を位置合わせピンに嵌合させる方法に限定されない。例えば、透明基板に設けられた、上述の例と同様の位置合わせピンに印刷版原版の周縁部を当接させた状態で、透明基板の密着面に対する所定の位置に印刷版原版の感光層を密着させ、これによって露光ユニットによる露光位置と感光層の相対位置を高精度に調整してもよい。この場合、印刷版原版は位置合わせ孔を備えていなくともよい。
本発明の印刷版原版露光装置は、基本的に以上のようなものである。
以下、本発明に係る印刷版原版露光装置による露光に好適に適用可能な印刷版原版について説明する。
光ラジカル重合反応を利用した印刷版原版としては、光重合開始剤を選択することにより、UVから近赤外光に感光する印刷版原版が利用可能であり、現像方法としてもアルカリ現像、機上現像のいずれのタイプも可能である。
具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
・NIR(記録光波長760〜1200nm)機上現像タイプ印刷版原版
・NIR(記録光波長760〜1200nm)アルカリ現像タイプ印刷版原版
・UV(記録光波長250〜420nm)機上現像タイプ印刷版原版
・Visible(記録光波長400〜700nm)アルカリタイプ印刷版原版
これらの現像工程において、機上現像は、製版作業の簡素化,乾式化および無処理化、地球環境への配慮とデジタル化への適合化など種々の面で有効である。機上現像に用いられる機上現像タイプの印刷版原版の中でも、UV(記録光波長250〜420nm)機上現像タイプ印刷版原版は、露光後、印刷前に長時間明室環境下に放置されても不要画像の発生がなく、白灯安全性に優れているといった効果がある。本発明の露光装置10は、このようなUV(記録光波長250〜420nm)機上現像タイプ印刷版原版についても、低価格な装置(光源)で効率よく露光して潜像を記録することが可能である。
以下、本発明に係る印刷版原版露光装置による露光に好適に適用可能な印刷版原版について詳細に説明する。
(1)NIR(記録光波長760〜1200nm)機上現像タイプ平版印刷版原版(印刷版原版)
[平版印刷版原版]
<画像記録層>
本発明に用いる上記各平版印刷版原版は、支持体上に、(A)赤外線吸収剤と、(B)重合開始剤と、(C)重合性化合物と、(D)バインダーポリマーを含有し、赤外線の照射により記録可能な画像記録層を有する。
この平版印刷版原版においては、赤外線の照射により画像記録層の露光部が硬化して疎水性(親油性)領域を形成し、かつ、印刷開始時に未露光部が湿し水、インキまたは湿し水とインキとの乳化物によって支持体上から速やかに除去される。即ち、上記画像記録層は、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層である。以下、画像記録層の各構成成分について説明する。
<(A)赤外線吸収剤>
本発明に用い得る平版印刷版原版を、760〜1200nmの赤外線を発するレーザ光源により画像形成する場合には、通常、赤外線吸収剤を用いることが必須である。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有している。この際発生した熱により、後述する重合開始剤(ラジカル発生剤)が熱分解し、ラジカルを発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料または顔料である。
染料としては、市販の染料および例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、本発明の赤外線吸収色素の好ましい他の例としては、以下に例示するような特願平2001−6326号明細書、特開平2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
Figure 2006047370
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。さらに、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい一つの例として下記一般式(i)で示されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 2006047370
一般式(i)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、−NPh、X−L、または以下に示す基を表わす。ここで、Xは酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を示し、Lは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。Xaは後述するZ と同様に定義され、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表わす。
Figure 2006047370
およびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、RおよびRは、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、RとRとは互いに結合し、5員環または6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar、Arは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R、R、RおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Zaは、対アニオンを示す。ただし、一般式(i)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZaは必要ない。好ましいZaは、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(i)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]から[0019]に記載されたものを挙げることができる。
また、特に好ましい他の例としてさらに、前記した特願平2001−6326号明細書、特開平2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。この範囲で、顔料分散物の画像記録層塗布液中での良好な安定性と画像記録層の良好な均一性が得られる。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、ネガ型平版印刷版原版を作成した際に、画像記録層の波長760nm〜1200nmの範囲における極大吸収波長での吸光度が、反射測定法で0.3〜1.2の範囲にあるように添加する。好ましくは、0.4〜1.1の範囲である。この範囲で、画像記録層の深さ方向での均一な重合反応が進行し、良好な画像部の膜強度と支持体に対する密着性が得られる。
画像記録層の吸光度は、画像記録層に添加する赤外線吸収剤の量と画像記録層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は、常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの画像記録層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
<(B)重合開始剤>
本発明に用いられる重合開始剤としては、光、熱あるいはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物を示す。ここで用い得る重合開始剤としては、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを使用することができ、本発明において好適に用い得るラジカルを発生する化合物は、熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進させる化合物を指す。本発明に用いられる熱ラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることができる。また、ラジカルを発生する化合物は、単独または2種以上を併用して用いることができる。
上記のラジカルを発生する化合物としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸塩化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、が挙げられる。
上記有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開53−133428号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号の各公報、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」に記載の化合物が挙げられる。中でも、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物およびS−トリアジン化合物が好適である。
より好適には、少なくとも一つのモノ、ジ、またはトリハロゲン置換メチル基が、s−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール環に結合したオキサジアゾール誘導体が挙げられる。具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンや下記化合物等が挙げられる。
上記カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチルー(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
上記アゾ系化合物としては例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を使用することができる。
上記有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
上記メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号、特開平5−83588号の各公報に記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
上記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号の明細書等に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
上記有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837号、特開2002−107916号の各公報、特許第2764769号明細書、特開2002−116539号公報、および、Kunz,Martin“Rad Tech'98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号、特開平6−175564号、特開平6−175561号の各公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号、特開平7−128785号、特開平7−140589号、特開平7−306527号、特開平7−292014号の各公報等に記載の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が挙げられる。
上記ジスルホン酸化合物としては、特開昭61−166544号公報、特開2003−328465号公報等記載される化合物が挙げられる。
上記オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653-1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156-162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)
202-232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、具体的には、下記の構造式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006047370
上記オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同第4,069,056号の明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩、欧州特許第370,693号、同第390,214号、同第233,567号、同第297,443号、同第297,442号、米国特許第4,933,377号、同第161,811号、同第410,201号、同第339,049号、同第4,760,013号、同第4,734,444号、同第2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同第3,604,580号、同第3,604,581号の明細書に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
特に、反応性、安定性の面から、上記オキシムエステル化合物あるいはジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、イオン性のラジカル重合開始剤として機能する。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI−I)〜(RI−III)で表わされるオニウム塩である。
Figure 2006047370
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表わし、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミト゛基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z11 は1価の陰イオンを表わし、具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオンおよびスルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21およびAr22は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表わし、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z21 は1価の陰イオンを表わす。具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32およびR33は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を表わす。好ましくは反応性、安定性の面から、アリール基であることが望ましい。好ましい置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z31 は1価の陰イオンを表わす。具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましく、特に、特開2001−343742号記載のカルボン酸イオン、さらに好ましいものとして特開2002−148790号記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
Figure 2006047370
Figure 2006047370
Figure 2006047370
Figure 2006047370
これらの重合開始剤は、画像記録層を構成する全固形分に対し、0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%の割合で添加することができる。この範囲で、良好な感度と印刷時の非画像部の良好な汚れ難さが得られる。これらの重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの重合開始剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設け、そこへ添加してもよい。
Figure 2006047370
Figure 2006047370
Figure 2006047370
Figure 2006047370
Figure 2006047370
<(C)重合性化合物>
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号の各公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(III)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (III)
(ただし、RおよびRは、HまたはCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号の各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号の各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号の各公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、画像記録層中の他の成分(例えば、バインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させ得ることがある。また、基板や後述する保護層等の密着性を向上せしめる目的で、特定の構造を選択することもあり得る。
付加重合性化合物は、画像記録層中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは25〜75質量%の範囲内で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。その他、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗りといった層構成・塗布方法も実施し得る。
<(D)バインダーポリマー>
本発明に用いることができるバインダーポリマーは、従来公知のもを制限なく使用でき、皮膜性を有するポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していてもよい。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレン等が挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CHCR=CR、−(CHO)CHCR=CR、−(CHCHO)CHCR=CR、−(CHNH−CO−O−CHCR=CR、−(CH−O−CO−CR=CRおよび−(CHCHO)−X(式中、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表わし、RとRまたはRとは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表わす。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表わす。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CHCH=CH(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CHCHO−CHCH=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCH−NHCOO−CHCH=CHおよび−CHCHO−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表わす。)を挙げることができる。
アミド残基の具体例としては、−CHCH=CH、−CHCH−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表わす。)、−CHCH−OCO−CH=CHが挙げられる。
架橋性を有するバインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接にまたは重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。または、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、バインダーポリマー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲内で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
また、画像記録層未露光部の機上現像性の観点から、バインダーポリマーは、インキおよび/または湿し水に対する溶解性または分散性が高いことが好ましい。
インキに対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親油的な方が好ましく、湿し水に対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親水的な方が好ましい。このため、本発明においては、親油的なバインダーポリマーと親水的なバインダーポリマーを併用することも有効である。
親水的なバインダーポリマーとしては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60質量%以上、好ましくは80質量%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
バインダーポリマーは、従来公知の方法により合成することができる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
バインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物を用いることができる。
バインダーポリマーの含有量は、画像記録層の全固形分に対して、10〜90質量%であるのが好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。この範囲内で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
また、重合性化合物とバインダーポリマーは、質量比で0.5/1〜4/1となる量で用いるのが好ましい。
本発明においては、上記の画像記録層構成成分(A)〜(D)および後述のその他の構成成分を画像記録層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型画像記録層である。もう一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全てまたは一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層に含有させるマイクロカプセル型画像記録層である。さらに。マイクロカプセル型画像記録層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型画像記録層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。より良好な機上現像性を得るためには、画像記録層は、マイクロカプセル型画像記録層であることが好ましい。
上記の画像記録層構成成分(A)〜(D)をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法が適用できる。例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号の各公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同第4087376号、同第4089802号の各明細書にみられる尿素―ホルムアルデヒド系または尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号の各公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号、同第967074号の各明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、およびこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレアおよびポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、上記(D)バインダーポリマー導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入しても良い。
上記のマイクロカプセルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
<その他の画像記録層成分>
本発明の画像記録層には、さらに、界面活性剤、着色剤、焼き出し剤、重合禁止剤、高級脂肪酸誘導体、可塑剤、無機微粒子、低分子親水性化合物などの添加剤を、必要に応じて含有させることができる。以下、それらについて説明する。
<界面活性剤>
本発明において、画像記録層には、印刷開始時の機上現像性を促進させるため、および、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
さらに好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号および同60−168144号の公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
<着色剤>
本発明では、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合が好ましい。
<焼き出し剤>
本発明の画像記録層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p',p"−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
上記の他に、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとして挙げられる。具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチルー7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。
酸またはラジカルによって変色する染料の好適な添加量は、それぞれ、画像記録層固形分に対して0.01〜15質量%の割合である。
<重合禁止剤>
本発明の画像記録層には、画像記録層の製造中または保存中において(C)ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
<高級脂肪酸誘導体等>
本発明の画像記録層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
<可塑剤>
本発明の画像記録層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
<無機微粒子>
本発明の画像記録層は、画像部の硬化皮膜強度向上および非画像部の機上現像性向上のために、無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。
無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲内であると、画像記録層中に安定に分散して、画像記録層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
<低分子親水性化合物>
本発明の画像記録層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩等が上げられる。
<画像記録層の形成>
本発明の画像記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散、または溶かして塗布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の画像記録層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
また、塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/mが好ましい。この範囲で、良好な感度と画像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
<支持体>
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、または、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立っては、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、さらに、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸またはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/mであるのが好ましく、1.5〜4.0g/mであるのがより好ましい。この範囲内で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでもよいが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号や特開2001−322365号の公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、および親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。
<封孔処理>
本発明で用いられる支持体の陽極酸化皮膜の封孔処理としては、従来公知の何れも方法も行うことができる。例えば、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。以下にそれぞれ説明する。
<無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理>
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理に用いられる無機フッ素化合物としては、金属フッ化物が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン酸アンモニウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄、フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウムが挙げられる。中でも、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。
水溶液中の無機フッ素化合物の濃度は、陽極酸化皮膜のマイクロポアの封孔を十分に行う点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.05質量%以上であるのがより好ましく、また、耐汚れ性の点で、1質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液は、さらに、リン酸塩化合物を含有するのが好ましい。リン酸塩化合物を含有すると、陽極酸化皮膜の表面の親水性が向上するため、機上現像性および耐汚れ性を向上させることができる。
リン酸塩化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属のリン酸塩が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リンタングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の組み合わせは、特に限定されないが、水溶液が、無機フッ素化合物として、少なくともフッ化ジルコン酸ナトリウムを含有し、リン酸塩化合物として、少なくともリン酸二水素ナトリウムを含有するのが好ましい。
水溶液中のリン酸塩化合物の濃度は、機上現像性および耐汚れ性の向上の点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ましく、また、溶解性の点で、20質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましい。
水溶液中の各化合物の割合は、特に限定されないが、無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の質量比が、1/200〜10/1であるのが好ましく、1/30〜2/1であるのがより好ましい。
また、水溶液の温度は、20℃以上であるのが好ましく、40℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるのがより好ましい。
また、水溶液は、pH1以上であるのが好ましく、pH2以上であるのがより好ましく、また、pH11以下であるのが好ましく、pH5以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理の方法は、特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。これらは単独で1回または複数回用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、浸せき法が好ましい。浸せき法を用いて処理する場合、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
<水蒸気による封孔処理>
水蒸気による封孔処理は、例えば、加圧または常圧の水蒸気を連続的にまたは非連続的に、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げられる。
水蒸気の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、105℃以下であるのが好ましい。
水蒸気の圧力は、(大気圧−50mmAq)から(大気圧+300mmAq)までの範囲(1.008×10〜1.043×10Pa)であるのが好ましい。
また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
<熱水による封孔処理>
水蒸気による封孔処理は、例えば、陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム板を熱水に浸せきさせる方法が挙げられる。
熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)または有機塩を含有していてもよい。
熱水の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましい。
また、熱水に浸せきさせる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
<親水化処理>
親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸せき処理し、または電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
本発明の支持体としてポリエステルフィルムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にすることが望ましい。親水層としては、特開2001−199175号公報に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択される少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層や、特開2002−79772号公報に記載の、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスを有する親水層や、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネートまたはアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスを有する親水層、あるいは、金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜からなる親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
また、本発明の支持体としてポリエステルフィルム等を用いる場合には、支持体の親水性層側または反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けるのが好ましい。帯電防止層を支持体と親水性層との間に設けた場合には、親水性層との密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、特開2002−79772号公報に記載の、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層等が使用できる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲内で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
<バックコート層>
支持体に表面処理を施した後または下塗層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
<下塗層>
本発明の平版印刷方法に用いられる本発明の平版印刷版原版においては、必要に応じて、画像記録層と支持体との間に下塗層を設けることができる。下塗層が断熱層として機能することにより、赤外線レーザによる露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。また、未露光部においては、画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、機上現像性が向上する。
下塗層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、エチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
下塗層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/mであるのが好ましく、3〜30mg/mであるのがより好ましい。
(2)NIR(記録光波長760〜1200nm)アルカリ現像タイプ平版印刷版原版(印刷版原版)
このNIRアルカリ現像タイプ平版印刷版は、前述したNIR機上現像タイプ平版印刷版と基本的には同じであるが、使用するバインダーポリマーが異なる。バインダーポリマーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましく、水または弱アルカリ水に可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。特にこれらの中で、ベンジル基またはアリル基と、カルボキシ基とを側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度および現像性のバランスに優れており、好適である。
(3)UV(記録光波長250〜420nm)機上現像タイプ平版印刷版原版(印刷版原版)
UV機上現像タイプ平版印刷版は、前述したNIR機上現像タイプ平版印刷版に使用している赤外線吸収剤が無い場合と基本的には同じであるが、UV機上現像タイプ平版印刷版の場合は重合開始剤として特に反応性、安定性の面から、トリアジン系開始剤、有機ハロゲン化合物、オキシムエステル化合物、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩がより好ましい。
さらに、これらのトリアジン系開始剤、有機ハロゲン化合物、オキシムエステル化合物、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、およびスルホニウム塩系の重合開始剤は、増感剤と組み合わせて用いることが好ましい。増感剤と組み合わせて用いることにより、光重合速度を増大させることができる。
このような増感剤の具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9、10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルp−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンズアントロンなどを挙げることができる。
さらに、本発明における好ましい増感剤としては、特公昭51−48516号公報中に記載されている一般式(I)で表わされる化合物があげられる。
Figure 2006047370
式中、R14はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基など)、または置換アルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基など)を表わす。R15はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基など)、またはアリール基(例えば、フェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、チエニル基など)を表わす。
は通常シアニン色素で用いられる窒素を含む複素環核を形成するのに必要な非金属原子群、例えばベンゾチアゾール類(ベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾールなど)、ナフトチアゾール類(α−ナフトチアゾール、β−ナフトチアゾールなど)、ベンゾセレナゾール類(ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、6−メトキシベンゾセレナゾールなど)、ナフトセレナゾール類(α−ナフトセレナゾール、β−ナフトセレナゾールなど)、ベンゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾールなど)、ナフトオキサゾール類(α−ナフトオキサゾール、β−ナフトオキサゾールなど)を表わす。
一般式(I)で表わされる化合物の具体例としては、これらZ、R14およびR15を組み合わせた化学構造を有するものであり、多くのものが公知物質として存在する。したがって、これらの公知のものから適宜選択して使用することができる。さらに、本発明における好ましい増感剤としては、特公平5−47095号公報、特開2000−147763号公報に記載のメロシアニン色素、また、下記一般式(II)で示されるケトクマリン系化合物も挙げることができる。
Figure 2006047370

ここでR16はメチル基、エチル基等のアルキル基を表わす。
増感剤としては、また、特開2000−147763号公報に記載のメロシアニン系色素も使用できる。具体的には、下記化合物を挙げることができる。
Figure 2006047370

(4)Visible(記録光波長400〜700nm)アルカリ現像タイプ平版印刷版原版(印刷版原版)
Visibleアルカリ現像タイプ平版印刷版は、前述したNIRアルカリ現像タイプ平版印刷版に使用している赤外線吸収剤が無い場合と基本的には同じであるが、使用する重合開始剤が異なる。
重合開始剤としては、使用する光源の波長により、種々の重合開始剤または2種以上の重合開始剤の併用系(光開始系)を適宜選択して用いることができ、例えば、特開2001−22079号公報の[0021]〜[0023]に記載されている開始系が好ましい。
本発明に係る印刷版原版露光装置では、以上のような各種印刷版原版を、露光に好適に適用可能な印刷版原版として用いることができる。
本発明の印刷版原版露光装置は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明の印刷版原版露光装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の印刷版原版露光装置の一例の構成の概略を説明する図で、印刷版原版露光装置の構成の概略を示す模式的斜視図である。 本発明の印刷版原版露光装置の一例の構成の概略を説明する図で、印刷版原版露光装置の構成の概略を示す模式的側断面図である。 (a)および(b)は、本発明の印刷版原版露光装置の密着保持ユニットの構成の概略を示す図である。 (a)〜(d)は、本発明の印刷版原版露光装置の搬送・配置ユニットによる印刷版原版Pの搬送・配置動作について説明する図である。 (a)〜(d)は、本発明の印刷版原版露光装置の密着保持ユニットにおける印刷版原版Pの感光層の密着の様相について説明する図である。 本発明の印刷版原版露光装置における押さえ部材の形状の他の例について説明する図である。 (a)〜(c)は、印刷版の作成方法を実施する従来の印刷版原版露光装置の一例について説明する図である。
符号の説明
10、100 露光装置
12 基台
14 印刷版カセット
16 支持基板
20 搬送・配置ユニット
23 カバーシート昇降手段
24 アーム24
25 昇降・出入手段
26 アーム搬送手段26
30 密着保持ユニット
31 張出部
32 透明基板
33 位置決めピン
34 カバーシート
35 底板
36 排気管
38 保持部
39 折畳部
40 排気用真空ポンプ
29 カバーシート昇降手段
41 排気口
44 端辺
52 副走査搬送ガイド
54 露光基台
56 主走査搬送ガイド
57 露光ヘッド
102 半円形ドラム
104 印刷版原版
106 透明シート
108 吸引孔
110 吸引口
112 周辺部分
114 中央部分

Claims (10)

  1. 板状の支持体の表面にラジカル光重合によって潜像が記録される感光層を有し、感光層表面に酸素遮断層を有さない印刷版原版を露光する印刷版原版露光装置であって、
    前記印刷版原版の感光層表面に密着可能な、前記印刷版原版よりサイズの大きい透明基板と、
    前記印刷版原版をその支持体側で保持し、その一端側から他端側に向かって傾斜する底面部、前記底面部の一端側で直結され、前記透明基板の全周縁部と密着する密着縁部および前記底面部の一端側を除いて前記底面部と前記密着縁部との間に設けられる屈曲可能な側壁部を備える押さえ部材と、
    前記透明基板の全周縁部と前記押さえ部材の前記密着縁部とを密着させ、前記透明基板の表面と前記押さえ部材の前記底面部および前記側壁部とで形成される閉空間を真空に向かって真空排気する真空排気手段と、
    前記印刷版原版の前記感光層表面に密着した前記透明基板を通して、前記感光層に画像情報に応じて変調された光ビームを照射する光ビーム照射手段と、
    前記印刷版原版の前記感光層を2次元的に走査露光するために、前記光ビーム照射手段と前記透明基板に密着された前記印刷版原版とを相対的に移動する移動手段とを有し、
    前記押さえ部材の前記側壁部は、前記他端側で高く、前記他端側から前記一端側に向かって徐々に低くなり、
    前記押さえ部材の前記密着縁部を前記透明基板の全周縁部に密着させ、前記透明基板の表面と前記押さえ部材の前記底面部および前記側壁部とで形成される前記閉空間を前記真空排気手段によって真空排気して、前記側壁部を徐々に屈曲させつつ、前記底面部に保持された前記印刷版原版の前記感光層を前記一端側から徐々に前記透明基板表面に密着させていき、前記透明基板の表面に前記印刷版原版の前記感光層の全面を略完全に密着させ、前記印刷版原版の前記感光層から酸素を遮断することを特徴とする印刷版原版露光装置。
  2. 前記透明基板は、前記押さえ部材の前記底面部の前記他端側に前記真空排気手段に接続される排気口を備え、前記真空排気手段は、前記排気口より前記閉空間内を真空排気する請求項1に記載の印刷版原版露光装置。
  3. 前記透明基板は、前記押さえ部材の前記底面部の前記一端側に前記印刷版原版の位置決めのための位置決めピンを備え、前記印刷版原版の所定位置に設けられた位置決め孔を前記位置決めピンに係合させることにより、前記透明基板に対する前記印刷版原版の位置を所定位置に設定する請求項1または2に記載の印刷版原版露光装置。
  4. 前記押さえ部材は、前記透明基板の前記位置決めピンに対応する、前記底面部の所定の位置に、前記位置決めピンに係合する凹部を備え、前記押さえ部材の前記凹部を前記位置決めピンに係合することにより、前記透明基板に対する前記押さえ部材の前記底面部の位置を所定位置に設定する請求項3に記載の印刷版原版露光装置。
  5. 前記押さえ部材の前記密着縁部と前記透明基板の全周縁部とを密着させて形成された前記閉空間の真空排気を前記真空排気手段によって開始する時点において、前記押さえ部材の前記側壁部は、前記透明基板の表面と前記押さえ部材の前記底面部との間が前記底面部の前記一端側から前記他端側に近づくに従って放物線状に離隔するような形状を有する請求項1〜4のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
  6. 前記押さえ部材の前記底面部は、前記印刷版原版を保持する保持部と、前記他端側において前記保持部と前記側壁部との間に設けられる折畳部とを有し、
    前記折畳部は、前記底面部の前記保持部に保持された前記印刷版原版の前記感光層を前記一端側から徐々に前記透明基板表面に密着させていく時に、前記他端側の前記側壁部の屈曲に応じて折り畳まれる請求項1〜5のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
  7. 前記透明基板は、ガラス基板である請求項1〜6のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
  8. さらに、前記押さえ部材を、前記透明基板の表面に当接、または前記当接表面から離隔させる当接・離隔手段を有する請求項1〜7のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
  9. さらに、前記押さえ部材の前記底面部に前記印刷版原版を配置する、印刷版原版配置手段を有する請求項1〜8のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
  10. 前記印刷版原版の前記感光層は、重合性化合物およびバインダーポリマーを含有し、波長250nm〜420nmの範囲に感光性があり、印刷インキおよび/または浸し水により除去可能である請求項1〜9のいずれかに記載の印刷版原版露光装置。
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