JP2006038608A - 超音波検査装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被検査体の表面の曲率による超音波ビーム路程の誤差を補正し被検査体部位のきずの大きさを測定できる超音波検査装置を提供することである。
【解決手段】 被検査体11の表面上に所定の間隔を保って配置された2個の超音波探触子12a、12bの一方から被検査体11の表面直下を伝搬するSV波を送信し、他方で受信して超音波ビーム路程測定手段14で超音波ビーム路程を測定する。一方、補正演算手段18は曲面データ測定装置20で測定された曲面データに基づいて被検査体11の面形状による超音波ビーム路程を算出する。きず測定手段16は、被検査体11の面形状による超音波ビーム路程を加味して超音波ビーム路程を補正し、2個の超音波探触子12a、12b間の被検査体部位にきずがない場合の超音波ビーム路程とを比較し、きずの大きさを測定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被検査体の表面上に所定の間隔を保って2個の超音波探触子を配置し、一方の超音波探触子から送信された超音波を受信して2個の超音波探触子間の被検査体部位のきずの大きさを測定する超音波検査装置及び方法に関する。
一般に、プラント構成機器の健全性を評価するために、超音波探触子から超音波を送信し被検査体を伝搬した超音波を受信してきずの有無や大きさを測定する超音波検査が実施されている。例えば、蒸気配管や給排水配管は、被検査体である配管の外面に超音波探触子を設置し、超音波探触子から被検査体内部に超音波を送信して、被検査体内部の欠陥部位からの反射波を受信し、被検査体内部の欠陥を検出するようにしている。被検査体の表面きずに対する非破壊検査としては、浸透探傷検査や磁粉探傷検査など、きず指示長さを評価するものが多く、きず深さを評価する手法として超音波検査が秀でている。
被検査体の表面近傍のきずを評価する超音波検査としては、一般に、斜角探傷による1回反射法が用いられている。斜角探傷による1回反射法は、被検査体の表面に超音波探触子を設置し、その反対面で超音波を1回反射させる。このため、被検査体の幾何的な形状によっては検査が困難な場合がある。一方、被検査体の表面きずの深さを評価する手法として、表面波を用いた超音波探傷がある。
送信用探触子より斜角波または表面SH波を部材に入射し、亀裂により部材表面へ向かって反射する一対の二つのピークの反射波を受信し、二つのピークの反射波のビーム路程差に基づいて亀裂深さを求め、部材に発生した深さ数mmに達しない小さな亀裂も検出するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、屈折角が45°またぎ角が70°で超音波の送信を超音波の入射面に垂直な方向に振動するSV波送波子で行った場合、球状欠陥で反射されたSV波はそのままであり、面上欠陥で反射されたSV波は90°偏波されるので、送波子と受波子の偏波軸を相対的に変化させることにより、偏波現象に起因する検出性の変化を利用して欠陥性状の評価と種類の判別を行うようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−51909号公報 特開平11−352111号公報
しかし、特許文献1のものでは被検査体の表面近傍のきずの大きさの検出はできるが、表面SH波の反射波を用いているので、被検査体の表面が曲率を有する場合や凹凸がある場合には誤差を生じることがある。また、特許文献2のものでは欠陥性状の評価や種類の判別を行うことはできるが、きずの大きさを評価することは困難である。
ここで、表面波として表面SH波を用いた場合には、表面SH波は波の振動方向の特性が直進性に優れているので、入射角が90°に近い値であるときは平板の被検査体に対しては表面直下を伝搬する。しかし、曲率を有した被検査体に対しては直進性のために表面直下を伝搬することができないので、曲率を有した被検査体に対しては適用が難しい。一方、表面波として表面SV波を用いた場合には、表面SV波は、波の振動方向の特性から被検査体表面近傍を面の形状に沿って伝播するため、平板の被検査体だけでなく曲率を有した被検査体に対しても適用が可能である。
図5に示すように、きず無しL型試験片11aと、人工的に予めきず13を設けたきず有りL型試験片11bとを用意し、それぞれのL型試験片11a、11bの表面上に所定の間隔を保って2個の超音波探触子12a、12bを配置し、一方の超音波探触子12aからL型試験片11の表面直下を伝搬するSH波またはSV波を送信し、一方の超音波探触子12aから送信されたSH波またはSV波を他方の超音波探触子12bで受信して超音波ビーム路程を測定する試験を行った。
図6はSH波の場合の他方の超音波探触子11bの受信波形図であり、また、図7はSV波の場合の他方の超音波探触子11bの受信波形図である。図6において、SH波の場合には、きず13の有無により他方の超音波探触子11bの受信波形が異なっているので、きず13が存在することは分かるが、そのきず13の大きさは分からない。一方、図7に示すように、SV波の場合には、L型試験片11a、11bの表面近傍を面の形状に沿って伝播するとともに、きず13の形状にも沿って伝搬するため、きず13の大きさに比例して超音波ビーム路程が長くなっている。従って、SV波の場合には、測定した超音波ビーム路程ときず13のないきず無しL型試験片11aの超音波ビーム路程とを比較することによって、きず13の有無だけでなくその大きさも測定できる。図7では超音波ビーム路程ΔL分の大きさのきず13が存在することが分かる。
しかし、超音波が伝播する経路の被検査体の表面に不連続な凹凸が存在すると、その形状に沿って超音波が伝播するので、超音波ビーム路程が長くなり、きず13が存在するかように誤認識してしまうことがある。
本発明の目的は、被検査体の表面の曲率による超音波ビーム路程の誤差を補正し被検査体部位のきずの大きさを測定できる超音波検査装置及び方法を提供することである。
請求項1の発明に係わる超音波検査装置は、被検査体の表面上に所定の間隔を保って配置された2個の超音波探触子と、前記2個の超音波探触子の一方の超音波探触子から前記被検査体の表面直下を伝搬するSV波を送信し他方の超音波探触子で受信して超音波ビーム路程を測定する超音波ビーム路程測定手段と、前記2個の超音波探触子間における前記被検査体の面形状の曲面データを測定する曲面データ測定装置と、前記曲面データ測定装置で測定された曲面データに基づいて前記面形状による超音波ビーム路程を算出する補正演算手段と、前記補正演算手段で算出された前記面形状による超音波ビーム路程を加味して前記超音波ビーム路程測定手段で測定された超音波ビーム路程を補正し、補正された超音波ビーム路程と前記2個の超音波探触子間の被検査体部位にきずがない場合の超音波ビーム路程とを比較し前記2個の超音波探触子間の被検査体部位のきずの大きさを測定するきず測定手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係わる超音波検査方法は、被検査体の表面上に所定の間隔を保って2個の超音波探触子を配置し、前記2個の超音波探触子の一方の超音波探触子から前記被検査体の表面直下を伝搬するSV波を送信し、前記一方の超音波探触子から送信されたSV波を前記2個の超音波探触子の他方の超音波探触子で受信して超音波ビーム路程を測定し、測定した超音波ビーム路程と前記2個の超音波探触子間の被検査体部位にきずがない場合の超音波ビーム路程とを比較し前記2個の超音波探触子間の被検査体部位のきずの大きさを測定する超音波検査方法において、前記2個の超音波探触子間における前記被検査体の面形状の曲面データを測定し、測定した曲面データに基づいて前記被検査体の面形状による超音波ビーム路程を算出し前記きず測定手段で測定されたきずの大きさを補正して前記2個の超音波探触子間の被検査体部位のきずの大きさを測定することを特徴とする。
本発明によれば、2個の超音波探触子間における被検査体の面形状の曲面データを測定し、測定した被検査体の面形状の曲面データに基づいて、2個の超音波探触子間の被検査体部位にきずがない場合の超音波ビーム路程の誤差を補正して、2個の超音波探触子間の被検査体部位のきずの大きさを測定するので、きずの大きさの検査精度が向上する。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係わる超音波検査装置の構成図である。被検査体11の表面上に所定の間隔を保って2個の超音波探触子12a、12bが配置され、2個の超音波探触子12a、12bには、その間における被検査体11の面形状の曲面データを測定する曲面データ測定装置20が設けられている。
被検査体の表面きずの測定にあたっては、一方の超音波探触子12aから被検査体11の表面直下を伝搬するSV波を送信し、他方の超音波探触子12bで被検査体11の表面直下を伝搬したSV波を受信する。超音波ビーム路程測定手段14は、被検査体11の表面直下を伝搬したSV波の超音波ビーム路程を測定するものであり、超音波ビーム路程測定手段14で測定された超音波ビーム路程は、記憶装置15に記憶されると共にきず測定手段16に入力される。また、必要に応じて出力装置17に出力される。
補正演算手段18は曲面データ測定装置20で測定された面形状による超音波ビーム路程を算出し、きず測定手段16に出力すると共に必要に応じて出力装置17に出力する。きず測定手段16は、補正演算手段18で算出された面形状による超音波ビーム路程を加味して超音波ビーム路程測定手段14で測定された超音波ビーム路程を補正する。そして、補正した超音波ビーム路程と2個の超音波探触子12a、12b間の被検査体部位にきずがない場合の超音波ビーム路程とを比較して2個の超音波探触子12a、12b間の被検査体部位のきずの大きさを測定する。なお、2個の超音波探触子12a、12b間の被検査体部位にきずがない場合の超音波ビーム路程は、予め記憶装置15に記憶されている。
図2は、本発明の実施の形態に係わる超音波検査装置での受信波形図である。図2(a)は被検査体が平面かつ被検査体にきずがない場合の受信波形図、図2(b)は被検査体が平面かつ被検査体にきずがある場合の受信波形図、図2(c)は被検査体の面形状に曲率を有する凹部がありかつ被検査体にきずがある場合の受信波形図である。
図2(a)に示すように、被検査体11が平面であり被検査体11にきずがない場合には、一方の超音波探触子12aからのSV波は被検査体11の表面直下を平面に沿って伝搬する。従って、他方の超音波探触子12bで受信されるSV波の受信波形は、一方の超音波探触子12aと他方の超音波探触子12bとの間の距離に対応する箇所に大きな波高値を有する受信波形となる。この場合の超音波ビーム路程をL1とすると、超音波ビーム路程L1は、2個の超音波探触子12a、12b間の被検査体部位にきずがない場合の超音波ビーム路程である。
一方、図2(b)に示すように、被検査体11が平面であり被検査体11にきず13がある場合には、一方の超音波探触子12aからのSV波は、被検査体11の表面直下を平面に沿って伝搬し、また、きず13に沿って伝搬する。従って、きず13の大きさによって超音波ビーム路程が変化し、その超音波ビーム路程はL2となり、きず13がない場合に比較して、きず13の大きさに比例したΔL1だけ長くなる。このことから、測定された超音波ビーム路程L2と2個の超音波探触子12a、12b間の被検査体部位にきず13がない場合の超音波ビーム路程L1とを比較し、その差分ΔL1がきず13の大きさであると評価できる。
また、図2(c)に示すように、被検査体の面形状に曲率を有する凹部19がありかつ被検査体11にきず13がある場合には、一方の超音波探触子12aからのSV波は、被検査体11の表面直下を平面に沿って伝搬し、きず13に沿って伝搬するとともに、凹部19の形状に沿って伝搬する。
従って、きず13の大きさ及び凹部19の面形状の曲率によって超音波ビーム路程が変化し、その超音波ビーム路程はL3となり、きず13がない場合に比較して、超音波ビーム路程L3は、きず13の大きさに比例したΔL1と凹部19の面形状の曲率によるΔL2とを加算した分(ΔL1+ΔL2)だけ長くなる。
このことから、測定された超音波ビーム路程L3と2個の超音波探触子12a、12b間の被検査体部位にきず13がない場合の超音波ビーム路程L1とを比較して、きず13の大きさを評価することができない。凹部19の面形状の曲率によるΔL2を除去する補正が必要となる。
そこで、本発明の実施の形態では、曲面データ測定装置20により被検査体11の面形状の曲面データを測定し、きず測定手段16では、凹部19の面形状による超音波ビーム路程ΔL2を演算し、測定された超音波ビーム路程L3から超音波ビーム路程ΔL2を減算して、被検査体部位にきずがない場合の超音波ビーム路程L1と比較し、きず13の大きさを評価する。
図3は、被検査体11の表面に一様なR形状の球状凹面がある場合の球状凹面による超音波ビーム路程Lの測定方法の説明図であり、図3(a)は1個の曲面データ測定装置20により測定する場合、図3(b)は2個の曲面データ測定装置20で測定する場合を示している。曲面データ測定装置20としては、例えば、光学的に変位を確認できるレーザー変位計を用い、その読値から算出された面形状による超音波伝播時間の遅れ分に基づき超音波ビーム路程の補正を行う。
図3(a)に示すように、いま、被検査体11の表面が中心点Oで半径Rとする球面のπ/3分の球状凹面であるとし、2個の超音波探触子12a、12bがその両端部の位置A、Bに配置されているとする。また、2個の超音波探触子12a、12b間の距離をT、その中点をCとし、中心点Oから中点Cまでの距離をXとする。そして、中点Cに曲面データ測定装置20を配置し、中心点Cにおける球状凹面底部Dまでの距離aを測定し、球状凹面に沿った距離Lの近似値を求める。
球状凹面に沿った距離Lは(1)式で求められ、また、球状凹面に沿った距離Lの近似値は、超音波探触子12a、12bの配置位置A、Bと球状凹面底部Dとのそれぞれの距離をbとし、これらの間を直線近似して下記(2)式から求める。
L=R・(π/3) …(1)
L≒2b=2{(T/2)+a1/2 …(2)
いま、球状凹面の半径Rが200mm、2個の超音波探触子12a、12b間の距離Tが200mm、曲面データ測定装置20で測定された球状凹面底部Dまでの距離aが26.795mmであったとする。この場合について、球状凹面に沿った距離Lの近似値2bについて評価する。
球状凹面に沿った距離Lは(1)式から209.44mmであり、距離Lの近似値2bは(2)式から207.06mmである。従って、実際の超音波ビーム路程と線形近似の超音波ビーム路程との差は、2.38mmとなり、実際の超音波ビーム路程を基準として、1.136%の誤差となる。このように、1個の曲面データ測定装置20を用いた場合の誤差は、1.14%程度である。
一方、2個の曲面データ測定装置20を用いた場合の誤差について検討する。図3(b)に示すように、いま、被検査体11の表面が中心点Oで半径Rとする球面のπ/3分の球状凹面であるとし、2個の超音波探触子12a、12bがその両端部の位置A、Bに配置されているとする。また、2個の超音波探触子12a、12b間の距離をT、その中点をCとし、中心点Oから中点Cまでの距離をXとする。そして、超音波探触子12a、12b間を3等分した3等分点D、Eにそれぞれ曲面データ測定装置20a、20bを配置する。中心点Oから3等分点D、Eまでの距離をYとし、XとYとがなす角をそれぞれφとし、3等分点D、Eにおける球状凹面部F、Gまでの距離aをそれぞれ測定し、球状凹面に沿った距離Lの近似値を求める。
球状凹面に沿った距離Lは(1)式で求められる。また、球状凹面に沿った距離Lの近似値は、超音波探触子12a、12bの配置位置A、Bと3等分点D、Eにおける球状凹面部F、Gとのそれぞれの距離をbとし、これらの間を直線近似して下記(3)式から求める。ちなみに、(3)式中のaは(4)式からも求められる。
L≒2・(T/6)+2b
=2・(T/6)+2{(T/3)+a1/2
…(3)
a=(R−Y)/cosφ …(4)
いま、球状凹面の半径Rが200mm、2個の超音波探触子12a、12b間の距離Tが200mm、曲面データ測定装置20a、20bで測定された3等分点D、Eにおける球状凹面部F、Gまでの距離aが24.05mmであったとする。この場合について、球状凹面に沿った距離Lの近似値{2・(T/6)+2b}について評価する。
球状凹面に沿った距離Lは(1)式から209.44mmである。また、距離Lの近似値{2・(T/6)+2b}は(3)式から208.41mmである。
従って、実際の超音波ビーム路程と線形近似の超音波ビーム路程との差は、1.03mmとなり、実際の超音波ビーム路程を基準として、0.49%の誤差となる。このように、2個の曲面データ測定装置20a、20bを用いた場合の誤差は、0.49%程度であり、超音波探触子12a、12bの検出限界である1mm程度の誤差であるため、実用上問題ないと判断できる。
このように、被検査体11の表面が一様なR形状の球状凹面である場合には、超音波探触子12a、12b間を等間隔に区分した1点以上の検出点で曲面データ測定装置20により凹面までの距離を計測しその計測値を用いて直線近似して超音波ビーム路程を補正することができる。
図4は、被検査体11の表面の一部に楕円状凹面がある場合の楕円状凹面による超音波ビーム路程Lの測定方法の説明図である。いま、2個の超音波探触子12a、12bの配置位置A、Bの間の被検査体11の表面の一部に、短径a及び長径bの半楕円状凹面があるとする。2個の超音波探触子12a、12b間の距離をT、その中点をOとし、中点Oに半楕円状凹面の中心が位置するようにし、被検査体11の平面位置をX軸にとりその垂直方向にY軸をとる。そして、中心Oから半楕円状凹面の底部方向への短径aの位置をA、中心Oから超音波探触子12a、12b方向への長径bの位置をそれぞれD、Eとする。また、中点Oから距離t1の位置に曲面データ測定装置20aを配置し、その両側にそれぞれ距離t2を保って曲面データ測定装置20b、20cを配置する。そして、各々の曲面データ測定装置20a、20b、20cにより、被検査体11の平面位置から半楕円状凹面までの距離y1、y2、y3を測定し、半楕円状凹面を有した被検査体11の表面に沿った超音波ビーム路程の近似値を求める。
2個の超音波探触子12a、12b間の被検査体11の表面に沿った距離Lは、楕円の周長π{2(a+b)}1/2より(5)式で求められる。
L=2・(T/2−b)+π{2(a+b)}1/2/2
=2・(T/2−b)+π{(a+b)/2}1/2 …(5)
半楕円状凹面を有した被検査体11の表面に沿った超音波ビーム路程の近似値を求めるにあたっては、各々の曲面データ測定装置20a、20b、20cにより半楕円状凹面までの距離y1、y2、y3を測定して、(5)式の未知数である楕円の短径a及び長径bを求め、(5)式に代入して超音波ビーム路程の近似値を求めることになる。
ここで、短径aをY軸に、長径bをX軸にとると、楕円の方程式は(6)式で示される。
(X/b)+(Y/a)=1 …(6)
そこで、X軸及びY軸で示される3点(t1,y1)、(t1+t2,y2)、(t1−t2,y3)の距離y1、y2、y3を各々の曲面データ測定装置20a、20b、20cにより測定し、(6)式に代入して、(7)式に示す3個の連立方程式を作成し、未知数t1、短径a及び長径bを求める。なお、t2は各々の曲面データ測定装置20a、20b、20cの配置間隔であるから既知である。
(t1/b)+(y1/a)=1
(t1+t2/b)+(y2/a)=1
(t1−t2/b)+(y3/a)=1 …(7)
この(7)式で求めた短径a及び長径bを(5)式に代入して超音波ビーム路程の近似値を求める。
いま、2個の超音波探触子12a、12b間の距離Tが200mm、各々の曲面データ測定装置20a、20b、20cの配置間隔t2が10mmであるとする。そして、未知数であるt1、短径a、長径bの真値がそれぞれ2mm、10mm、12mmであるとする。そうすると、2個の超音波探触子12a、12b間の被検査体11の表面に沿った距離Lは、(5)式より、210.7mmとなる。
一方、未知数であるt1、短径a、長径bを求めるために、各々の曲面データ測定装置20a、20b、20cにより測定したy1、y2、y3が、それぞれy1=9.86mm、y2=0mm、y3=7.45mmであったとする。
各々の曲面データ測定装置20a、20b、20cの配置間隔t2は前述したように10mmであることから、これらy1、y2、y3、t2を(7)式に代入して、t1、短径a、長径bを求めると、t1=1.99mm、a=10.1mm、b=11.9mmとなる。ここで求められたa、bを(5)式に代入して、超音波ビーム路程の近似値を求めると210.9mmとなる。
従って、実際の超音波ビーム路程(210.7mm)と近似値の超音波ビーム路程(210.9mm)との差は、0.2mmとなり、超音波探触子12a、12bの検出限界である1mm程度の誤差であるため、実用上問題ないと判断できる。
このように、被検査体11の表面の一部に凹部がある場合には、最も深い凹面を中心として、その中心に検出点を設定すると共に、その中心検出点に可能な限り接近させた両側に2点の検出点を設定し、その3点による計測値を楕円関数に代入し楕円の長径b及び短径aを求める。つまり、半楕円形状に近似して、超音波ビーム路程を補正することができる。
以上の説明では、曲面データ測定装置20としてレーザ変位計を用いたが、機械的に変位を確認できる機構のダイヤルゲージを用いるようにしてもよい。また、曲面データ測定装置20が配置される複数個の検出点の相対位置を変更できる機構を設け、これらの検出点位置を変更することにより、図3の場合の球状凹面の曲面データの測定と、図4の場合の楕円状凹面の曲面データの測定とを切り替えて測定できるようにしてもよい。
本発明の実施の形態によれば、SV波が伝播する経路に存在する凹凸を曲面データ測定装置20で測定し、超音波探傷結果である超音波ビーム路程を補正するので、被検査体11の凹凸による影響を取り除くことができ、表面きずの検査精度を向上することができる。
本発明の実施の形態に係わる超音波検査装置の構成図。 本発明の実施の形態に係わる超音波検査装置での受信波形図。 本発明の実施の形態における被検査体の表面に一様なR形状の球状凹面がある場合の球状凹面による超音波ビーム路程Lの測定方法の説明図。 本発明の実施の形態の形態における被検査体の表面の一部に楕円状凹面がある場合の楕円状凹面による超音波ビーム路程Lの測定方法の説明図。 SH波とSV波による受信波測定試験の際に使用したきず無しL型試験片ときず有り試験片の説明図。 図5に示した試験片を用いた場合のSH波の場合の受信波形図。 図5に示した試験片を用いた場合のSV波の場合の受信波形図。
符号の説明
11…被検査体、12…超音波探触子、13…きず、14…超音波ビーム路程測定手段、15…記憶装置、16…きず測定手段、17…出力装置、18…補正演算手段、19…凹部、20…曲面データ測定装置

Claims (2)

  1. 被検査体の表面上に所定の間隔を保って配置された2個の超音波探触子と、前記2個の超音波探触子の一方の超音波探触子から前記被検査体の表面直下を伝搬するSV波を送信し他方の超音波探触子で受信して超音波ビーム路程を測定する超音波ビーム路程測定手段と、前記2個の超音波探触子間における前記被検査体の面形状の曲面データを測定する曲面データ測定装置と、前記曲面データ測定装置で測定された曲面データに基づいて前記面形状による超音波ビーム路程を算出する補正演算手段と、前記補正演算手段で算出された前記面形状による超音波ビーム路程を加味して前記超音波ビーム路程測定手段で測定された超音波ビーム路程を補正し、補正された超音波ビーム路程と前記2個の超音波探触子間の被検査体部位にきずがない場合の超音波ビーム路程とを比較し前記2個の超音波探触子間の被検査体部位のきずの大きさを測定するきず測定手段とを備えたことを特徴とする超音波検査装置。
  2. 被検査体の表面上に所定の間隔を保って2個の超音波探触子を配置し、前記2個の超音波探触子の一方の超音波探触子から前記被検査体の表面直下を伝搬するSV波を送信し、前記一方の超音波探触子から送信されたSV波を前記2個の超音波探触子の他方の超音波探触子で受信して超音波ビーム路程を測定し、測定した超音波ビーム路程と前記2個の超音波探触子間の被検査体部位にきずがない場合の超音波ビーム路程とを比較し前記2個の超音波探触子間の被検査体部位のきずの大きさを測定する超音波検査方法において、前記2個の超音波探触子間における前記被検査体の面形状の曲面データを測定し、測定した曲面データに基づいて前記被検査体の面形状による超音波ビーム路程を算出し前記きず測定手段で測定されたきずの大きさを補正して前記2個の超音波探触子間の被検査体部位のきずの大きさを測定することを特徴とする超音波検査方法。
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