JP2006037729A - ウォータポンプ - Google Patents

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Yasuo Ozawa
保夫 小澤
Itsuro Hashiguchi
逸朗 橋口
Tetsuyuki Ogawa
哲之 小川
Takumi Hattori
巧 服部
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Abstract


【課題】 シャフト部が一体に形成されたプーリを有するウォータポンプにおいて、プーリの端部にある径方向に延びる壁部(端部壁)の変形を防止すると共に、シャフト部が径方向に移動すること、即ちシャフト部が振れることを防止すること。
【解決手段】 ベルト90が巻回される第1円筒部21の端部から径内方に延びる第1壁部22と、第1壁部22に連続して形成される有底円筒状のシャフト部25とからなるプーリ20を有するウォータポンプにおいて、プーリ20には、第1壁部22に固定される補強部材であるカバー30が設けられていること。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ウォータポンプに関するものである。特に、駆動力伝達部材が巻回される円筒部の端部から径内方に延びる壁部と、壁部に連続して形成されるシャフト部とからなるプーリを有するウォータポンプの構造に関する。
従来、ポンプ室を形成するポンプハウジングと、ポンプハウジングに収容されてポンプ作用を為すポンプインペラと、ポンプハウジングの外部に配置され、駆動源から動力を入力されて回転する略円筒状の入力回転体と、この入力回転体と一体に、かつ同軸に設けられ、入力回転体の回転をインペラに伝達する回転軸と、ポンプハウジングに一体に設けられ、回転軸の外周側を囲する円筒壁と、この円筒壁の外周面と入力回転体の内周面の間に介装され、入力回転体を円筒壁に回転自在に支持させる軸受と、円筒壁の内周面と回転軸の間に介装され、回転軸回りからの冷却水の漏出を防止する軸シールと、を備えたウォータポンプにおいて、入力回転体のうちの、動力が直接入力される動力入力部と、軸受に固定される軸受固定部とを夫々大径円筒壁と小径円筒壁によって構成し、その大径円筒壁と小径円筒壁を、径方向に延出する端部壁によって連結したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
このウォータポンプは、大径円筒部と小径円筒部を径方向に延出する端部壁により連結したことでプーリを大径化できるが、端部壁の強度が低くなり変形する虞がある。また、回転軸が径方向に移動し、軸シールのシール性能を低下させる虞がある。
また、シャフト部が一体に形成されたプーリと、シャフト部に固定されプーリと一体的に回転するインペラと、シャフト部が挿通された略円筒状の支承部を有するボデーと、支承部の外周とプーリの内周との間に配設され、プーリを回転可能に支承するベアリングと、シャフト部の外周面と支承部の内周面との間に画成された円筒状空間と、円筒状空間の一端側を封止するメカニカルシールと、円筒状空間の他端側に設けられ、メカニカルシールを経てインペラ側から漏れてきた水滴を、大気側へ排出するドレイン孔とを備えたウォータポンプにおいて、プーリにはドレイン孔と大気側とを通じる貫通孔が設けられ、貫通孔を覆う有底形状のカバーが固定されると共に、プーリは回転駆動力が伝達される伝達部と、伝達部とベアリングとの固定部とを連結する連結部から構成され、カバーは連結部に設けられた穴部に固定手段を介して固定されるものがある(例えば、特許文献2参照。)。
このウォータポンプにおいては、カバーは貫通孔を塞さぐものである。また、カバーは、連結部に設けられた穴部に固定手段を介して固定されており、連結部とシャフト部は、変形が起こる虞がある。
特開2004−116486号公報 特開2003−314491号公報
そこで本発明は、シャフト部が一体に形成されたプーリを有するウォータポンプにおいて、プーリの端部にある径方向に延びる壁部(端部壁)の変形を防止すると共に、シャフト部が径方向に移動すること、即ちシャフト部が振れることを防止することを技術的課題とする。
上記課題を解決するための第1の技術的手段は、駆動力伝達部材が巻回される円筒部の端部から径内方に延びる壁部と、該壁部に連続して形成される有底円筒状のシャフト部とを有するプーリと、前記シャフト部と一体的に回転するインペラと、前記シャフト部が挿通される略円筒状の支持部を有するボデーと、前記支持部の外周面と前記プーリとの間に配置され、前記プーリを回転可能に支持するベアリングと、前記シャフト部の外周面と前記支持部の内周面との間に形成された筒状空間の一端側を封止する軸シール部材と、を備えたウォータポンプにおいて、前記プーリには、前記壁部に固定される補強部材が設けられていることである。
請求項1に記載の発明によれば、プーリには、壁部に固定される補強部材が設けられていることにより、円筒部に加わる駆動力伝達部材からの荷重を、壁部を介して受けると共に、補強部材を介し分担することができる。このため、壁部の変形を防止できる。
上記課題を解決するための第2の技術的手段は、前記補強部材は、筒部と底部からなる有底筒部と、前記底部から一端側に延びる中空突部と、前記筒部の一端から径外方に延びる延出部とから構成され、前記中空突部を前記シャフト部の開口部に圧入固定し、前記延出部と前記壁部とを一体的に固定することである。
請求項2に記載の発明によれば、補強部材は、筒部と底部からなる有底筒部と、底部から一端側に延びる中空突部と、筒部の一端から径外方に延びる延出部とから構成され、中空突部をシャフト部の開口部に圧入固定し、延出部と壁部とを一体的に固定することにより、円筒部に加わる駆動力伝達部材からの荷重を、壁部を介して受けると共に、補強部材の延出部と有底筒部と中空突部とを介し分担することができる。このため、壁部の変形を防止できると共に、シャフト部の径方向の移動を防止することができる。更に、これにより、軸シール部材のシール性能の向上及びベアリング寿命の向上を図ることができる。
上記課題を解決するための第3の技術的手段は、前記延出部は、前記壁部に平行に延出していることである。
請求項3に記載の発明によれば、延出部は、壁部に平行に延出していることにより、延出部と壁部との接触部分を大きくすることができ、壁部に加わる駆動力伝達部材からの荷重を、延出部の全体を介して補強部材で分担することができる。
上記課題を解決するための第4の技術的手段は、前記延出部の外周端は、前記円筒部の内周面に当接していることである。
請求項4に記載の発明によれば、延出部の外周端は、円筒部の内周面に当接していることにより、円筒部に加わる駆動力伝達部材からの荷重を、延出部の外周端により分担することができる。
上記課題を解決するための第5の技術的手段は、前記延出部の外周端から他端側に延びる外筒部を形成し、該外筒部の外周面と前記円筒部の内周面は当接することである。
請求項5に記載の発明によれば、延出部の外周端から他端側に延びる外筒部を形成し、外筒部の外周面と円筒部の内周面は当接することにより、外筒部の外周面と円筒部の内周面との接触部分を大きくすることができ、壁部に加わる駆動力伝達部材からの荷重を、外筒部を介して補強部材により分担することができる。
上記課題を解決するための第6の技術的手段は、前記底部には、前記ベアリング組付用の組付孔が形成されると共に、前記底部には周方向に係合孔が形成され、該係合孔に係合部を介して蓋部材が係合され固定されていることである。
請求項6に記載の発明によれば、底部には、ベアリング組付用の組付孔が形成されると共に、底部には周方向に係合孔が形成され、係合孔に係合部を介して蓋部材が係合され固定されていることにより、組付孔を通して外部からの異物の侵入及び蒸気状冷却水のメカニカルシールから外部への漏出を防止することができる。
請求項1の発明によれば、プーリには、壁部に固定される補強部材が設けられていることにより、円筒部に加わる駆動力伝達部材からの荷重を、壁部を介して受けると共に、補強部材を介し分担することができる。このため、壁部の変形を防止できる。
請求項2の発明によれば、補強部材は、筒部と底部からなる有底筒部と、底部から一端側に延びる中空突部と、筒部の一端から径外方に延びる延出部とから構成され、中空突部をシャフト部の開口部に圧入固定し、延出部と壁部とを一体的に固定することにより、円筒部に加わる駆動力伝達部材からの荷重を、壁部を介して受けると共に、補強部材の延出部と有底筒部と中空突部とを介し分担することができる。このため、壁部の変形を防止できると共に、シャフト部の径方向の移動を防止することができる。更に、これにより、軸シール部材のシール性能の向上及びベアリング寿命の向上を図ることができる。
図1に示すように、ウォータポンプ10は、エンジンのブロックやチェーンケース等のブロック部材1に設けられた水室1aを覆うようにシール部材2を介してボルト3によりブロック部材1に固定される。水室1aは、エンジンの冷却経路を構成する。ウォータポンプ10は、ベルト(駆動力伝達部材)90が巻回されるプーリ20と、プーリ20のシャフト部25と一体的に回転するインペラ60と、水室1aを形成するボデー11と、プーリ20とボデー11との間に配置されプーリ20を回転可能に支持するベアリング80と、シャフト部25とボデー11との間に配置され水室1aと外部とを密閉するメカニカルシール(軸シール部材)70と、から構成されている。
ボデー11は、水室1aを覆う平板状の基部11aの中央付近に、円筒状の大径円筒部11bとそれよりも小径の小径円筒部11cとからなる支持部が、図示左方向に突出して形成されている。
プーリ20は、第1円筒部(円筒部)21と、第1円筒部21の軸方向一端から径内方に延びる第1壁部(壁部)22と、第1壁部22に連続して形成され第1円筒部21の軸方向他端側に延びる第2円筒部23と、第2円筒部23の軸方向他端から径内方に延びる第2壁部24と、第2壁部24に連続して形成される有底円筒状のシャフト部25とを有する。第1円筒部21の外周面には、ベルト90が巻回されている。第1円筒部21は、張設面として機能し、図示しないクランク軸からの回転動力がベルト90を介して伝達され、ベルト90の張力による荷重が加わる。第2壁部24の中央には、第1開口部(開口部)25aを有して有底円筒状のシャフト部25が連続して形成されている。これによりベルト張設面としての第1円筒部21から入力された回転動力はシャフト部25に伝達される。本実施形態では、プーリ20は、メッキ等の耐蝕処理が施された鉄板をプレス成形して一体的に成形されている。
シャフト部25の一端はインペラ60に一体的に結合されている。これにより、第1円筒部21から入力された回転動力は、インペラ60を回転させる。シャフト部25の外周面と大径円筒部11bの内周面との間には、メカニカルシール70が配置されている。これにより、ブロック部材1と基部11aとにより形成される水室1aと、小径円筒部11cとシャフト部25の外周とで形成される筒状空間Sとは水密的に区画される。
第2円筒部23の内周面とボデー11の小径円筒部11cの外周面との間には、ベアリング80が配置される。具体的には、プーリ20の第2円筒部23の内周面にベアリング80の外輪が圧入されて固定され、ボデー10の小径円筒部11cの外周面にベアリング80の内輪が圧入されて固定されている。これにより、プーリ20は、ボデー10に対して回転可能に支持されている。
補強部材であるカバー30は、円筒部(筒部)33と底部32からなる有底筒部と、底部32に第2開口部31aを有して、底部32の一端側(図示右方向)に延びる有底円筒状の中空突部31と、円筒部33の一端から径外方に延びる延出部34とを有している。延出部34は、第1壁部22と平行に延出している。中空突部31が、シャフト部25の第1開口部25aに圧入されて固定され、延出部34は第2壁部24に固定されている。つまり、第1開口部25aは、中空突部31により閉塞されている。第1壁部22と延出部34には、それぞれ第1孔22a、第2孔34aが設けられている。各孔には、固定部材40が挿通され、固定部材40の両端がかしめられて、プーリ20とカバー30とが径方向、周方向に移動不能となるように固定されている。本実施形態では、固定部材40により固定されているが、たとえば溶接などのような接合方法で固定されて、プーリ20とカバー30とが径方向、周方向に移動不能となるように固定されていてもよい。また、本実施形態では、延出部34は、図2に示すように5方向に放射状に延びているが全周に渡って延ばしてもよいし、5方向以下(例えば3方向)でもよい。尚、カバー30は、メッキ等の耐蝕処理された鉄板をプレス成形し形成されている。
カバー30には、プーリ20の第2壁部24に設けられた孔24aに対向する位置に組付孔32aが設けられている。この組付孔32a及び孔24aは、プーリ20とボデー10との間にベアリング80を圧入し組付する際に用いられる。また、カバー30の底部32には、周方向に係合孔35が形成され、係合孔35には、プレート(蓋部材)50が係合部50aを係合して固定されている。プレート50は、組付孔32a及び中空突部31の第2開口部31aを閉塞する。本実施形態では、プレート50は、ゴムで形成され、カバー30に設けられた係合孔35に、プレート50に一体に形成された抜け止めを有する突起(係合部)を挿入して固定されている。この係合孔35は、組付孔32aとは周方向、径方向で対向しない(重ならない)位置に配置されることが望ましい。
次に本第1の実施形態の作用について説明する。
プーリ20の第1円筒部21に巻回されたベルト90を介して、図示しないエンジンのクランク軸から伝達される回転動力によりプーリ20が回転する。プーリ20の回転に伴って、プーリ20と一体成形されたシャフト部25も同一方向に回転する。そして、シャフト部25と一体となったインペラ60が、ブロック部材1とボデー11とにより形成された水室1a内で回転する。
このような状態で、クランク軸から伝達される回転動力及び第1円筒部21に加わるベルト90の張力は、第1壁部22、第2円筒部23及び第2壁部24を経由して、シャフト部25に加わる。この時、円筒部21、23及び壁部22、24の変形や、シャフト部25の径方向の移動により、プーリ20の強度を低下させたりメカニカルシール70のシール性能を低下させる虞がある。しかしながら、本実施形態では、クランク軸から伝達される回転動力及び第1円筒部21に加わるベルト90の張力は、補強部材であるカバー30により分担することができる。このため、第1円筒部21、第1壁部22、第2円筒部23及び第2壁部24の変形を防止できると共に、第2壁部24に第1開口部25aを有し、連続して形成されるシャフト部25の径方向の移動、即ち径方向の振れを防止できる。更に、これにより、プーリ20の強度向上、メカニカルシール70のシール性能の向上及びベアリング80の寿命の向上を図ることができる。
次に、本発明に従ったウォータポンプの第2の実施形態を図面に基づき説明する。
第2の実施形態のウォータポンプは、図3に示すように、延出部34の外周から他端側に延びる外筒部34aを形成し、外筒部34aの外周面と第1円筒部21の内周面が当接していること以外は、第1の実施形態と同じであるため、説明は省略する。
この実施形態によれば、延出部34の外周から他端側に延びる外筒部34aを形成し、外筒部34aの外周面と第1円筒部21の内周面は当接することにより、外筒部34aの外周面と第1円筒部21の内周面との接触部分を大きくすることができ、第1壁部22に加わる駆動力伝達部材からの荷重を、外筒部34aを介してカバー30で分担することができる。このため、円筒部21,23及び壁部22、24の変形を防止することができる。
尚、本実施形態においては、延出部34の外周から他端側に延びる外筒部34aを設け、第1円筒部21の内周面を外筒部34aの外周面とを当接したが、外筒部34aを設けず延出部34の外周端を第1円筒部21の内周面と当接させて、第1円筒部21に加わるベルト90からの荷重を、延出部34の外周端を介して受けるようにしてもよい。
本発明の第1の実施形態における、ウォータポンプ1の断面図である。 本発明の第1の実施形態における、ウォータポンプ1の正面図である。 本発明の第2の実施形態における、ウォータポンプ1の断面図である。
符号の説明
10・・・ウォータポンプ
11・・・ボデー
11b・・・大径円筒部(支持部)
11c・・・小径円筒部(支持部)
20・・・プーリ
21・・・第1円筒部(円筒部)
22・・・第1壁部(壁部)
25・・・シャフト部
25a・・・第1開口部(開口部)
30・・・カバー(補強部材)
31・・・中空突部
32・・・底部
32a・・・組付孔
33・・・円筒部(筒部)
34・・・延出部
34a・・・外筒部
34b・・・外周端
35・・・係合孔
50・・・プレート(蓋部材)
60・・・インペラ
70・・・メカニカルシール(軸シール部材)
80・・・ベアリング
90・・・ベルト(駆動力伝達部材)
S・・・筒状空間

Claims (6)

  1. 駆動力伝達部材が巻回される円筒部の端部から径内方に延びる壁部と、該壁部に連続して形成される有底円筒状のシャフト部とを有するプーリと、
    前記シャフト部と一体的に回転するインペラと、
    前記シャフト部が挿通される略円筒状の支持部を有するボデーと、
    前記支持部の外周面と前記プーリとの間に配置され、前記プーリを回転可能に支持するベアリングと、
    前記シャフト部の外周面と前記支持部の内周面との間に形成された筒状空間の一端側を封止する軸シール部材と、を備えたウォータポンプにおいて、
    前記プーリには、前記壁部に固定される補強部材が設けられていることを特徴とするウォータポンプ。
  2. 前記補強部材は、筒部と底部からなる有底筒部と、前記底部から一端側に延びる中空突部と、前記筒部の一端から径外方に延びる延出部とから構成され、前記中空突部を前記シャフト部の開口部に圧入固定し、前記延出部と前記壁部とを一体的に固定することを特徴とする請求項1に記載のウォータポンプ。
  3. 前記延出部は、前記壁部に平行に延出していることを特徴とする請求項2に記載のウォータポンプ。
  4. 前記延出部の外周端は、前記円筒部の内周面に当接していることを特徴とする請求項3に記載のウォータポンプ。
  5. 前記延出部の外周端から他端側に延びる外筒部を形成し、該外筒部の外周面と前記円筒部の内周面は当接することを特徴とする請求項4に記載のウォータポンプ。
  6. 前記底部には、前記ベアリング組付用の組付孔が形成されると共に、前記底部には周方向に係合孔が形成され、該係合孔に係合部を介して蓋部材が係合され固定されていることを特徴とする請求項2乃至5に記載のウォータポンプ。
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