JP2006036660A - 難溶性薬物含有水性懸濁熱ゲル製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】界面活性剤及び多価の有機酸を含まない難溶性医薬品を含有する熱ゲル化水性注腸組成物を開発し、直腸投与において、薬液が肛門から漏出しない組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】難溶性薬物、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メチルセルロース及びアミノ酸を含有してなる可逆性熱ゲル化水性懸濁医薬組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は水性懸濁注腸組成物に関するものである。
哺乳動物の体温で半固形またはゲル化する水性医薬組成物がいくつか開示されている。米国特許第4,188,378号にはプルロニック〔商品名PLURONIC〕の水性組成物が熱によってゲル化し、プルロニックの濃度を調整することによって希望のゾルーゲル転移温度が得られる熱ゲル化水性組成物が、また米国特許第4,474,751号、第4,474,752号、第4,474,753号及び第4,478,822号には熱ゲル化水性医薬組成物を用いた薬剤放出系が開示されている。
本発明者らは、さきに、2w/v%水溶液の20℃における粘度が13〜12000mPa・sであるメチルセルロースにクエン酸さらにポリエチレングリコールを添加することでゲル化温度を人の体温付近(40℃以下)に低下させることに成功している(特許第2729859号)。この製剤の特徴として投与前は液体で投与しやすく、かつ、投与後、体温でゲル化し粘度が上昇するので、投与部位における薬物の滞留性が向上し、薬物のバイオアベイラベリティが向上するという利点を持つ。さらに、メチルセルロースとして2W/V%水溶液の20℃における粘度が12mPa・s以下であるものを用いて、投与時の粘度上昇を抑制し、より使いやすいものにした(特開2003−160473)。WO99/063968では難溶性薬物を界面活性剤(ポリソルベート及び/またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)とメチルセルロースを用いて溶解し、さらにクエン酸又はその塩を配合して難溶性薬物含有可逆性熱ゲル化水性製剤とする技術を開示している。
注腸製剤の場合、粘膜に対する刺激性及び障害性のより少ない製剤が望ましいので、界面活性剤を含まない製剤が好ましい。また、クエン酸のような多価の有機酸は血液の抗凝固作用を有する。出血性疾患の場合、病状を悪化させるおそれがあるので多価の有機酸を含まない製剤が好ましい。また、直腸に投与する場合、注入液に刺激感があると、防御反応により注入液が肛門から排出される。また、注入液が良好にゲル化しないと直腸内に保持されず、薬液が漏出する。このような事態は下着を汚し、不衛生であり、患者に不快感を与えるばかりでなく、薬物を正確に確実に投与できないので、期待する薬効が得られない。
特許第2729859号公報 特開2003−160473公報 WO99/063968公報
本発明は、上記現状に鑑み、界面活性剤及び多価の有機酸を含まない難溶性医薬品を含有する熱ゲル化水性注腸組成物を開発提供し、さらに直腸投与において、薬液が肛門から漏出しない水性注腸組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは界面活性剤及び多価の有機酸を含まない難溶性医薬品を含有する熱ゲル化注腸組成物で、直腸投与において、肛門から漏出しにくい組成物の開発を鋭意検討した。
近年、有用な薬効を発揮する医薬品の中には難溶性の薬物も多く、シロップ剤、点眼剤、点鼻剤、注射剤などの水性液剤として供給するためには、水性懸濁液剤を用いざるをい得ない場合も多くなってきた。そこで、発明者らは上記問題を解決するため、鋭意研究を重ね、難溶性薬物の水性懸濁液にメチルセルロースとアミノ酸を配合することにより、室温において液状で、体温付近の温度より低い温度でゲル化する組成物を見出し、さらに検討を重ね、直腸に注入しても肛門から漏出しにくい組成物を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は難溶性薬物、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メチルセルロース及びアミノ酸を含有してなる可逆性熱ゲル化水性懸濁医薬組成物に関する。
本発明の難溶性薬物含有可逆性熱ゲル化水性製剤は界面活性剤等の可溶化剤及びクエン酸を含まず、直腸投与において肛門から組成物の漏出が少ないので、優れた難溶性薬物含有可逆性熱ゲル化水性注腸剤として利用できる。
本発明に使用される結晶セルロース・カルメロースナトリウムは容易に微分散するように結晶セルロースとカルメロースナトリウムを混合したものである(医薬品添加物規格 2003)。適切な例は、アビセル(登録商標) RC-591、アビセル(登録商標)LC- 611である。結晶セルロース・カルメロースナトリウムの概要、規格、用途、使用量及び商品名などについては医薬品添加物辞典(日本医薬品添加物協会編集、薬事日報社発行)及び医薬品添加物規格(医薬品添加物規格 2003、薬事日報社発行)に詳細に記載されている。
本発明に使用される結晶セルロース・カルメロースナトリウムの濃度は0.8〜1.6%(w/v)である。
本発明に用いられるメチルセルロースは特に限定されず、いずれのメチルセルロースでも単独または混合して使用することができるが、2w/v%水溶液の20℃における粘度が3〜12000ミリパスカル・秒の範囲のものが好ましい。メトキシル基の含有率は水に対する溶解性の観点から26〜33%の範囲が好ましい。さらにメチルセルロースはその水溶液の粘度により区別され、例えば、市販品の品種には表示粘度4 , 15 , 25 , 100 , 400 , 1500 ,または 8000(数字は2w/v%水溶液の20℃粘度のミリパスカル・秒)のものがあり、容易に入手可能である。
特に表示粘度4のメチルセルロースは調製した注腸液が直腸内で良好にゲル化し、且つ、調製した注腸用製剤の粘度を小さくして使用しやすくするので好ましい。メチルセルロースの概要、規格、用途、使用量及び商品名などについては医薬品添加物辞典(日本医薬品添加物協会編集、薬事日報社発行)に詳細に記載されている。
本発明においてメチルセルロースの含有量は1〜6w/v%であることが好ましい。メチルセルロースの濃度が1 w/v%以上の場合、組成液を直腸に注入したとき肛門から薬液が漏出しなくするためにはグリシンの配合量を6w/v%以下にすることができるため、組成液の浸透圧が高くならないので好ましない。また、メチルセルロースの濃度が6w/v%以下の場合、室温における粘度が高くなく、調製液を製造することが容易になるために6w/v%以下で使用するのが好ましい。
本発明において、アミノ酸を配合することにより水性懸濁注腸液組成物のゲル化温度を体温付近の温度より低い温度に下げることができる。使用されるアミノ酸類はグリシン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、アラニン、セリン、プロリン、またはメチオニンである。これらのアミノ酸を単独または組み合わせて使用してもよい。特に良好な溶解性及びゲル化挙動を示すグリシンが好ましい。グリシンの添加量としては、0.3〜5w/v%であることが好ましい。グリシンの添加量が0.3w/v%より高い場合、組成液を直腸に注入したとき肛門から薬液が漏出しなくするためにはメチルセルロースの濃度を6w/v%以下に設定することができる。メチルセルロースの濃度が6w/v%以下の場合、調製液の室温における粘度が高くならず、製造が容易になるのでグリシンの濃度は0.3 w/v%以上で使用することが好ましい。また、グリシンの濃度が5 w/v%以下の場合、組成物の浸透圧が高くならないので好ましい。
本発明に使用される難溶性薬物は、日本薬局方にいう溶解性を示す用語の「やや溶けにくい」、「溶けにくい」、「極めて溶けにくい」および「ほとんど溶けない」のいずれの溶解性を示すものでもよく、最終処方の形態としたときに水性懸濁液剤として提供されるもの全てが含まれる。
本発明に使用される難溶性薬物の具体的な例としては、例えばステロイド性抗炎症剤、消炎鎮痛剤、解熱鎮痛剤、抗てんかん剤、化学療法剤、合成抗菌剤、抗ウィルス剤、ホルモン剤、血管新生抑制剤、免疫抑制剤、プロテアーゼ阻害剤、アルドース還元酵素阻害剤、または潰瘍性大腸炎治療剤などが挙げられる。ステロイド抗炎症剤としては、例えば酢酸コルチゾン、ベタメタゾン、プレドニゾロン、プロピオン酸フルチカゾン、デキサメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ロトプレドノール、フルオロメトロン、ジフルプレドナード、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノニド、アムシノニド、ハルシノニド、フルオシノロンアセトニド、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、または酪酸クロベタゾンなどが挙げられる。解熱鎮痛剤としては、例えばアセトアミノフェン、またはスルピリンなどが挙げられる。抗てんかん剤としては、例えばアセタゾラミド、カルバマゼピン、クロナゼパム、ジアゼパム、またはニトラゼパムなどが挙げられる。消炎鎮痛剤としては、例えばアルクロフェナク、アルミノプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、エピリゾール、オキサプロジン、ケトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ジフルニサル、ナプロキセン、ピロキシカム、フェンブフェン、フルフェナム酸、フルルビプロフェン、フロクタフェニン、ペンタゾシン、メチアジン酸、またはメフェナム酸、モフェゾラクなどが挙げられる。化学療法剤としては、例えばサラゾスルファピリジン、スルファジメトキシン、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルファメトピラジン、またはスルファモノメトキシンなどのサルファ剤、エノキシン、オフロキサシン、シノキサシン、スパルフロキサシン、チアンフェニコール、ナリジクス酸、トシル酸トスフロキサシン、ノルフロキサシン、ピペミド酸三水和物、ピロミド酸、フレロキサシン、またはレボフロキサシンなどの合成抗菌剤、アシクロビル、ガンシクロビル、ジダノシン、ジドブジン、またはビタラビンなどの抗ウィルス剤、イトラコナゾール、ケトコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、ミコナゾール、またはピマリシンなどの抗真菌剤が挙げられる。ホルモン剤としては、例えばインスリン亜鉛、プロピオン酸テストステロン、または安息香酸エストラジオールなどが挙げられる。血管新生抑制剤としては、例えばシクロスポリン、ラパマイシン、またはタクロリムスなどが挙げられる。プロテアーゼ阻害剤としては、例えば〔L−3−トランスーエトキシカルボニルオキシランー2−カルボニル〕―L−ロイシン(3−メチルブチル)アミド(E−64−d)などが挙げられる。アルドース還元酵素阻害剤としては、例えば5−(3−エトキシー4−ペンチルオキシフェニル)チアゾリジンー2、4−ジオンなどが挙げられる。潰瘍性大腸炎治療剤としてはメサラジンなどが挙げられる。
本発明に使用される難溶性薬物の濃度は使用する薬物の種類、用途、用法などにより異なるが、通常0.01〜10.0w/v%、好ましくは0.1〜5.0w/v%である。
本発明の水性懸濁注腸液剤を調製するにあたって、薬学的に許容し得る等張化剤、緩衝剤、保存剤及び防腐剤、pH調整剤などを必要に応じて、本発明を損なわない範囲で本発明の水性懸濁注腸液剤に添加することができる。等張化剤としてはキシリトール、マンニトール、またはブドウ糖等の糖類、プロピレングリコール、グリセリン、塩化ナトリウム、または塩化カリウムなどが挙げられる。緩衝化剤としては炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、グルタミン酸、またはε―アミノカプロン酸などが挙げられる。保存剤としては塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム及びまたはグルコン酸クロルへキシジンなどの逆性石鹸類、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、またはパラヒドロキシ安息香酸ブチル等のパラベン類、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール及びまたはベンジルアルコールなどのアルコール類、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム及びまたは安息香酸ナトリウムなどの有機酸及びその塩類が使用できる。pH調整剤としては塩酸、水酸化ナトリウム、またはリン酸などが挙げられる。その他の添加剤としてヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、またはポリアクリル酸ナトリウム等の増粘剤、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)及びそれらの薬学的に許容される塩、トコフェロール及びその誘導体、亜硫酸ナトリウムなどの安定化剤が挙げられる。
本発明の水性懸濁注腸液剤の製法としては特に限定されず、例えば、メチルセルロースを70℃以上の熱水に分散させた後、氷冷してメチルセルロースを溶解する。一方、結晶セルロース・カルメロースナトリウムを攪拌しながら水に徐々に加えて分散させ、次に主薬を加えて攪拌して分散させる。この分散液にグリシンと保存剤及び必要に応じて緩衝剤、等張化剤、安定化剤等を加えて攪拌して溶解した後、氷冷する。この液に上記の氷冷したメチルセルロース溶液を加えて、氷冷下で攪拌して均一にする。得られた溶液のpHを必要に応じてpH調整剤で調整し、滅菌精製水でメスアップし本発明の熱ゲル化製剤を調製する。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
試験例1 組成物のゲル化温度の測定
表1〜表9のような組成でブデソニドを含む水性懸濁注腸組成物を製造した。先ず、所定量のメチルセルロース(信越化学工業(株)製、メトローズ(登録商標)SM-4)を85℃に加熱した精製水70mlに加え、攪拌して分散させた。均一に分散したことを確認した後、ゆっくり攪拌しながら氷冷し、澄明な溶液にした。一方、200mlの精製水に所定量の結晶セルロース・カルメロースナトリウム(旭化成ケミカルズ(株)販売、アビセル(登録商標)RC-591NF)を攪拌しながら徐々に加えた後、高速攪拌器で攪拌して分散させた。次にブデソニド(シグマ社製)を加えて同様に攪拌して分散させた後、グリシン(和光純薬工業(株)製)と安息香酸ナトリウム(関東化学(株)製)を添加し、攪拌混合した後、高速攪拌器で60分以上攪拌して均質化させた。この懸濁液を10℃以下に冷却し、攪拌しながら上記の氷冷したメチルセルロース液を加え、少量の精製水でメチルセルロース溶液の容器を洗い、その洗液も加えて混合し、均一な懸濁液とした。さらに1NのHCl及びまたは1NのNaOHでpH6.5に調整した後、精製水を加えて300mlにして水性懸濁熱ゲル調製液を得た。
得られた調製物のゲル化温度を測定して、表1〜表9に示した。
ゲル化温度の測定
注腸組成物試料約10gを磁気棒と共に20mlの容器に充填し、容器を4℃の恒温槽に設置した。磁気棒と接触しないようにデジタル式温度計を試料に入れ、試料を一定速度で攪拌した。温度を1℃/分の速度で上昇させながら、磁気棒が完全に止まる時点の温度としてゲル化温度を測定した。
Miyazaki,S.,Nakanura,T,Takada,M. 1991. Thermosensitive sol-gel transition of pluronic F-127、 薬剤学51、36−43
表1〜表3には結晶セルロース・カルメロースナトリウムの濃度が0.8%の処方とゲル化温度を、表4〜表6には結晶セルロース・カルメロースナトリウムの濃度が1.2%の処方とゲル化温度を、表7〜表9には結晶セルロース・カルメロースナトリウムが1.6%の処方とゲル化温度を示した。
Figure 2006036660
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ゲル化温度を変動させる大きな要因はメチルセルロースの濃度とグリシンの濃度であり、結晶セルロース・カルメロースナトリウムは0.8〜1.6%の濃度範囲ではゲル化温度にほとんど影響しない。
グリシンの配合量を増加するとゲル化温度は徐々に低くなるが、浸透圧は増加する。配合量が6%以上になると浸透圧が高くなり、粘膜刺激等の問題で好ましくない。5%以下のグリシンの配合量で体温付近の温度より低い温度でゲル化する組成物が好ましい。また、メチルセルロースの配合濃度が7%以上になると、室温における調製液の粘度が高くなり、調整操作が困難になる。溶液の調製のしやすさからメチルセルロース濃度は6%以下が好ましい。
試験例2 肛門からの組成物の漏出試験
ラット用胃ゾンデ針を用いて注腸組成物3mlを約36時間絶食させた体重3.0〜3.6Kgの日本白色雄性家兎五羽の肛門に5cmの深さで注入し、ウサギを45°の傾斜で斜めに固定した。ウサギを30分間観察した後に、五羽のウサギにおいて注腸組成物が肛門から漏出していない場合、許容可能とし、五羽中一羽以上に漏出を認めた場合、漏出と判定した。
Figure 2006036660
表10の結果より、漏出しない組成物とするためのメチルセルロースの必要な配合量はグリシンの上限の配合量である5%の結果(処方C-1,C-4,C-8)から1%以上であった。また、グリシンの必要な配合量はメチルセルロースの上限の配合量6%の結果(処方C-28,C-29,C-30)から0.3%以上であった。
実施例1 メサラジン
メサラジン 10g、結晶セルロース・カルメロースナトリウム(旭化成ケミカルズ(株)販売、アビセル(登録商標)RC-591NF)12g、メチルセルロース(信越化学工業(株)製、メトロース(登録商標)SM-4)30g、グリシン 30g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物 1g、ピロ亜硫酸ナトリウム 0.5g、安息香酸ナトリウム 1g、氷酢酸 適量(pH4.8)、精製水、全量1000ml
80℃以上に加温した精製水約200mlにメチルセルロースを分散させた後、10℃以下に氷冷して溶かした。これとは別に、窒素雰囲気下で精製水約600mlに結晶セルロース・カルメロースナトリウムを攪拌しながら少しずつ加えた後、高速攪拌器で攪拌して分散させた。これにグリシン、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物と安息香酸ナトリウムを加えて攪拌溶解した後、氷酢酸を加えてpHを4.8に調製した。さらにピロ亜硫酸ナトリウムを加えて攪拌溶解した後、メサラジンを加えて60分以上攪拌して均質な懸濁液を得た。この懸濁液を10℃以下に冷却した後、攪拌しながら上記のメチルセルロース溶液(10℃以下)加えた。少量の精製水でメチルセルロース溶液の容器を洗い、その洗液も加えて攪拌し、均一な懸濁液とした後、精製水を加えて1000mlとし、メサラジンの水性懸濁熱ゲル化注腸液を調製した。
実施例2 ジクロフェナクナトリウム
ジクロフェナクナトリウム 17g、結晶セルロース・カルメロースナトリウム(旭化成ケミカルズ(株)販売、アビセル(登録商標)RC-591NF)12g、メチルセルロース(信越化学工業(株)製、メトロース(登録商標)SM-4)40g、グリシン 30g、安息香酸ナトリウム 1g、リン酸水素ニナトリウム・12水和物 1g、0.1N塩酸 適量(pH6.0)、精製水、全量1000ml
80℃以上に加温した精製水約200mlにメチルセルロースを分散させた後、10℃以下に氷冷して溶かした。これとは別に、精製水約600mlに結晶セルロース・カルメロースナトリウムを攪拌しながら少しずつ加えた後、高速攪拌器で攪拌して分散させた。これにグリシンと安息香酸ナトリウムを加えて攪拌溶解した後、0.1N塩酸を加えてpHを6.0に調製した。さらに、ジクロフェナクナトリウムを加えて60分以上攪拌して均質な懸濁液を得た。この懸濁液を10℃以下に冷却した後、攪拌しながら上記のメチルセルロース溶液(10℃以下)加えた。
少量の精製水でメチルセルロース溶液の容器を洗い、その洗液も加えて攪拌し、均一な懸濁液とした後、精製水を加えて1000mlとし、ジクロフェナクナトリウムの水性懸濁熱ゲル化注腸液を調製した。
実施例3 ジアゼパム
ジアゼパム 5g、結晶セルロース・カルメロースナトリウム(旭化成ケミカルズ(株)販売、アビセル(登録商標)RC-591NF)12g、メチルセルロース(信越化学工業(株)製、メトロース(登録商標)SM-4)40g、グリシン 40g、安息香酸ナトリウム 1g、リン酸水素ニナトリウム・12水和物 1g、0.1N塩酸 適量(pH6.5)、精製水、全量1000ml
実施例2と同様にジアゼパムの水性懸濁熱ゲル化注腸液を調製した。

Claims (8)

  1. 難溶性薬物、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メチルセルロースとアミノ酸及び/又はその薬学的に許容される塩を含有することを特徴とする熱ゲル化製剤。
  2. 結晶セルロース・カルメロースナトリウムが0.8〜1.6w/v%の濃度範囲にある請求項1に記載の製剤。
  3. メチルセルロースが1〜6w/v%の濃度範囲にある請求項1〜2に記載の製剤。
  4. メチルセルロースが2w/v%水溶液の20℃における粘度が3.2〜4.8mPa・sである請求項1〜3に記載の製剤。
  5. アミノ酸がグリシンである請求項1〜4に記載の製剤。
  6. グリシンが0.3〜5w/v%の濃度範囲にある請求項1〜5記載の製剤。
  7. 難溶性薬物がステロイド抗炎症剤、消炎鎮痛剤、解熱鎮痛剤、抗てんかん剤、化学療法剤、合成抗菌剤、抗ウィルス剤、ホルモン剤、血管新生抑制剤、免疫抑制剤、プロテアーゼ阻害剤、アルドース還元酵素阻害剤、潰瘍性大腸炎治療剤から選択される少なくとも一種である請求項1〜6のいずれかに記載の製剤。
  8. 投与剤形が注腸剤である請求項1〜7のいずれかに記載の製剤。
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