JP2006036657A - ダイフラクトースアンハイドライド含有皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】保湿機能が高く、べたつかず、かつ刺激緩和性を有するダイフラクトース アンハイドライドを含有する皮膚外用剤を使用したときに、なじんだ後に「きしむ」感触を改善する皮膚外用剤の提供。
【解決手段】ダイフラクトース アンハイドライド及び多価アルコールを含有する皮膚外用剤。

Description

本発明は医薬や化粧料などの皮膚外用剤に関する。
各種剤型の皮膚外用剤には、荒れ肌を改善するために保湿効果を持たせることが効果的であり、グルコース、ソルビトール、マルチトール等の糖類、糖アルコール類、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等の有機酸塩類、アミノ酸類等の保湿剤が使用されてきた。しかしながら、保湿効果を十分発揮させるために配合量を増やすと「べたつき」を生じるなど使用感が悪くなるため、保湿効果が高く、かつ使用感の良い保湿剤が提案されてきた。乾燥時の保湿能力が高いラフィノース(特許文献1:特開平11−322574号公報)、感触が良く、美肌効果の高い硫酸化トレハロース(特許文献2:特許第2711597号公報)、べたつきが少なく保湿性の高いトレハロース、油剤、天然エキスを含有する皮膚外用剤(特許文献3:特開2001−39848号公報)、塗布時にのびが良くてべたつき感がなく、保湿性の高いトレハロース、単糖、二糖を含有する化粧料(特許文献4:特開平9−77650号公報)が提案されている。しかしながら、糖類は保湿性に優れ、べたつきが少ないが、なじんだあとにきしみが生じる問題がある。
また、近年、環境の変化に伴い、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患者や、いわゆる敏感肌と感じる人が増加し、これらの人は皮膚が過敏になっているため、皮膚外用剤により発赤、かゆみといった刺激を感じることが多く、より低刺激な皮膚外用剤が求められる。
皮膚外用剤にはアルコール類、増粘剤、色素、香料、油脂、植物抽出物等、刺激性を有する成分が多く含まれる。そのための皮膚粘膜刺激緩和剤として、トレハロースモノ脂肪酸エステル(特許文献5:特開平10−45560号公報)等、アルコール刺激緩和剤として、フェニルエチル−α−グルコシド、フェニルエチル−β−グルコシドのようなグルコース誘導体(特許文献6:特開平8−283121号公報)等が提案されている。しかしながら、さらに機能の高い、刺激を緩和する効果に優れた成分が求められている。
特開平11−322574号公報 特許第2711597号公報 特開2001−39848号公報 特開平9−77650号公報 特開平10−45560号公報 特開平8−283121号公報
本発明は、保湿機能が高く、べたつかず、かつ刺激緩和性を有するダイフラクトース アンハイドライドを含有する皮膚外用剤を使用したときに、なじんだ後に「きしむ」感触を改善することをその課題とする。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
1.ダイフラクトース アンハイドライド及び多価アルコールを含有する皮膚外用剤。
2.ダイフラクトース アンハイドライド及びシリコーン油を含有する皮膚外用剤。
本発明により、保湿性が高く、べたつきが抑えられ、なじんだ後にきしまず、かつ刺激緩和作用に優れる皮膚外用剤を提供することができた。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明でいうダイフラクトース アンハイドライド(DFA)とは、2個のフラクトースの還元末端が、互いに一方の還元末端以外の水酸基に結合した環状二糖である。従来、カラメルなどに存在することが知られていたが、工業的には、イヌリンをイヌリン分解酵素、例えば、Arthrobacter sp.H65−7株が産生するイヌリンフラクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.93)により発酵させたり、レヴァンをArthrobacter nicotinovorans GS−9が産生するレヴァンフルクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.10)により発酵させたりすることにより製造することができる。二分子のフラクトースの結合様式の差異により、誘導体が5種類存在し、それぞれ、DFAI、DFAII、DFAIII、DFAIV、DFAV と称される。本発明でいうDFAとは、それら全てをいうが、本発明では、もっぱら、工業的生産の効率、精製してからの安定性などが優れているDFAIII(di-D-fructofuranose-1,2’: 2,3’ dianhydride)、DFAIV(di-D-fructofuranose-2,6’:6,2’dianhydride)が好ましく使用される。
膚外用剤全量に対し、0.001〜30質量%が好ましい。
本発明の多価アルコールとしてはグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン等を挙げることができる。多価アルコールの配合量は皮膚外用剤全量に対し、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がさらに好ましい。
本発明のシリコーン油としてはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン等が挙げられる。シリコーン油の配合量は皮膚外用剤全量に対し、0.1〜80質量%が好ましく、0.5〜50質量%がさらに好ましい。
本発明の皮膚外用剤は皮膚外用医薬品、皮膚外用医薬部外品、化粧料を含む。皮膚外用医薬品としては、抗炎症外用剤、抗ニキビ外用剤、殺菌外用剤等を挙げることができる。皮膚外用医薬部外品としては美白用医薬部外品、肌荒れ改善用医薬部外品、ニキビ用医薬部外品等を挙げることができる。本発明の化粧料としてはローション、乳液、スキンクリーム、ハンドクリーム、ボディミルク、サンスクリーン剤、リキッドファンデーション、ヘアコンディショナー等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤には、その用途、使用目的、剤形などに応じて、植物油のような油脂類、高級脂肪酸、高級アルコール、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、防腐剤、糖類、金属イオン封鎖剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香料、pH調整剤等を含有させることができる。ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
油脂類としては、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、トリオクタン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等があげられる。
高級脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等があげられる。
高級アルコールとして、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等があげられる。
アニオン界面活性剤として、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩等があげられる。
カチオン界面活性剤として、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等があげられる。
両性界面活性剤として、例えば、アルキルベタイン、アミドベタイン等のベタイン系界面活性剤等があげられる。
非イオン界面活性剤として、例えば、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体があげられる。
防腐剤として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等をあげることができる。
金属イオン封鎖剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩をあげることができる。
べたつきを抑えたり、色を付けたりするために、粉末成分として、例えば、タルク、カオリン、雲母、シリカ、ゼオライト、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末、無機白色顔料、無機赤色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ等のパール顔料、赤色201号、赤色202号等のタール色素をあげることができる。
紫外線吸収剤として、例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等をあげることができる。
紫外線遮断剤として、例えば、酸化チタン、タルク、カルミン、ベントナイト、カオリン、酸化亜鉛等をあげることができる。
保湿剤として、例えば、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン等があげられる。
薬効成分として、例えば、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等の水溶性アスコルビン酸類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類をあげることができる。
そのほかに、プラセンタエキス、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ぶなの木エキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等をあげることができる。
さらに、相乗効果を得るために、カミツレエキス、パセリエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス等の各種抽出物をあげることができる。
[官能評価試験例1]
DFAIIIにグリセリン、1,3-ブチレングリコールを配合したときの、なじんだ後のきしみの改善効果を官能評価により評価した。また、DFAIIIの保湿効果を評価した。
なお、きしみとは指を肌上で肌に対して水平方向に接触移動させたときに指止まりを感じることを表わす。
表1の組成の化粧水を調製し、なじんだ後のきしみを30代の女性7名に評価させた。表中の数値は質量%を示す。また、保湿感を20代から30代の女性6名に評価させた。結果を表2〜4に示す。
表2は実施例1を比較例1と比べてなじんだ後のきしみを示す。表3は実施例2を比較例1と比べてなじんだ後のきしみを示す。表4は実施例1と比較例2を比べてどちらが保湿感を強く感じたかを示す。
グリセリン、1,3-ブチレングリコール等の多価アルコールを配合することによって、DFAIIIに由来する、なじんだ後のきしみを改善できることが分かった。
DFAIIIを化粧水に配合することにより、顕著に保湿感が向上することが分かった。
[官能評価試験例2]
DFAIIIにジメチルポリシロキサンを配合したときの、なじんだ後のきしみの改善効果を官能評価により評価した。また、DFAIIIの保湿効果を評価した。
表5の組成のクリームを調製し、なじんだ後のきしみを30代女性7名に評価させた。また、保湿感を20代から30代の女性6名に評価させた。結果を表6、7に示す。
表6は実施例3を比較例3と比べてなじんだ後のきしみを示す。表7は実施例3と比較例4を比べてどちらが保湿感を強く感じたかを示す。

ジメチルポリシロキサンを配合することによって、DFAIIIに由来する、なじんだ後のきしみを改善できることが分かった。
DFAIIIをクリームに配合することにより、顕著に保湿感が向上することが分かった。
[参考実験例1]
(in vitro保湿性試験)
サンプル調製
各10質量%のDFAIII、キシリトール、D−マンニトール、トレハロース水溶液を調整した。

測定方法
5gのサンプルをポリエチレン製容器に入れ、温度23℃、湿度30%の条件で3日間放置し、サンプル重量を測定した。各サンプルにつき10検体測定し、平均した。

保湿性評価
サンプル中の保湿剤量(0.5g)に対する、3日目に残存している水分量(3日目のサンプル重量から保湿剤量(0.5g)を差し引いた)の百分率を次式により求めた。
(3日目のサンプル重量 − 0.5g)/0.5g × 100(%)
結果を表8に示す。
本試験において、DFAIIIの保湿性(保水力)はキシリトール、トレハロース、D−マンニトールと比べて明らかに優れている。
[参考実験例2]
(in vivo保湿性試験)
サンプル調製
各10質量%のDFAIII、キシリトール、D−マンニトール、トレハロース水溶液を調整した。

測定装置
皮膚角層水分量測定装置 SKICON−200EX

測定方法
前腕内側部を水道水で洗浄し、タオルで拭き取り、15分間静置した。サンプル塗布前に被験部位(2cm×2cm)の角層水分量を測定する。次いで、各被験部位に各サンプルを40μl滴下し、塗り広げてなじませる。その後、1時間後、2時間後に角層水分量を測定した。測定は、各被験部位について5回行い、最大値と最小値を除く3測定値を平均した。

測定環境
温度24〜25℃、湿度42〜52%

角層水分量の変化率の算出
角層水分量の変化率を次式により求めた。
角層水分量の変化率=サンプル塗布後の角層水分量/サンプル塗布前の角層水分量×100(%)
測定結果を表9に示す。
サンプル無塗布の場合であっても、1時間後90%、2時間後82%と角層水分量が低下する傾向にあったが、DFAIII水溶液を塗布することにより1時間後109%、2時間後92%と高い水分量を維持することができた。一方、トレハロース、キシリトール、D−マンニトール水溶液を塗布した場合には、無塗布の場合よりも乾燥した。
DFAIIIの保湿性はトレハロース、キシリトール、D−マンニトールと比べて明らかに優れている。
[参考実験例3]
(刺激緩和作用評価)刺激緩和作用の試験では刺激の指標として界面活性剤を用いた。
グリセリン、フルクトース、DFAIIIについて、界面活性剤による刺激緩和作用を、以下の方法により評価した。培養ヒト表皮角化細胞に0.005%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液と単独で作用させたものを基準刺激とした。各濃度の糖類を添加した0.005%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を作用させ、各剤による刺激緩和作用をMTT還元法により細胞生存量を測定し、比較して求めた。MTT還元法とは、MTT[3-(4,5-dimethylthiazol -2-yl)-2,5-diphenyl tetrazolium bromide]がミトコンドリア内のコハク酸脱水素酵素などにより青色の産物に還元されるが、この生成物を溶解し呈色させたあとでこの吸光度を測定し、生細胞量の指標とする方法である。刺激緩和率を次式より求め評価した。
刺激緩和率(%)=(A−A0)/(A1−A0)×100
ただし、A1は処理前の細胞生存量、A0はラウリル硫酸ナトリウム水溶液作用時の細胞生存量、Aは植物抽出物を添加したラウリル硫酸ナトリウム水溶液作用1時間後の細胞生存量である。植物抽出物の添加濃度(%)と刺激緩和率(%)の関係を表10に示す。
表10に示したように、グリセリンには刺激緩和作用が殆ど認められない。糖類の1種であるフルクトースでは添加量1.25%、2.5%でやや刺激緩和作用が認められるが、添加量5%で刺激緩和作用が認められない。これに対して、DFAIIIは濃度依存的に、顕著に刺激緩和作用を示した。
以上の記載のように、ダイフラクトース アンハイドライドが皮膚、毛髪、粘膜等への刺激を大幅に緩和する作用を有することは明らかであり、刺激緩和剤としてまた、これを含有する低刺激組成物として有用である。
[処方例1]
下記の処方により、ローションを製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)グリセリン 9.5
(2)1,3-ブチレングリコール 4.5
(3)DFAIII 1.5
(4)エタノール 5.0
(5)カルボキシビニルポリマー 0.02
(6)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(7)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
(8)クエン酸 0.05
(9)クエン酸ナトリウム 0.1
(10)水酸化カリウム 0.01
(11)イオン交換水 残余

[製法]室温下で、上記成分(11)に(1)〜(10)の成分を加え攪拌溶解し、均一に溶解してローションを得た。
[使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、皮膚への刺激がない。
[処方例2]
下記の処方により、乳液を製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)スクワラン 6.0
(2)ホホバ油 3.0
(3)POE(20)セチルエーテル 0.5
(4)POE(50)硬化ヒマシ油 1.0
(5)ステアリン酸 2.0
(6)ベヘニルアルコール 3.0
(7)パラオキシ安息香酸エチル 0.15
(8)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1
(9)1,3−ブチレングリコール 7.0
(10)濃グリセリン 2.5
(11)DFAIII 3.0
(12)カルボキシメチルデキストランナトリウム 1.0
(13)カルボキシビニルポリマー 0.07
(14)L−アスパラギン酸 0.1
(15)水酸化カリウム 0.04
(16)精製水 残余

[製法]油相成分(1)〜(8)と水相成分(9)〜(16)をそれぞれ78〜85℃に加熱し完全に溶解する。油相成分を水相成分に加えて、乳化機で乳化する。得られた乳化物を冷却し、乳液とした。
[使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、皮膚への刺激がない。
処方例3
下記の処方により、クリームを製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)精製水残余
(2)ジプロピレングリコール 10.0
(3)カルボキシビニルポリマー 0.12
(4)グリセリン 3.0
(5)ベタイン 3.0
(6)DFAIII 3.0
(7)ホホバ油 8.5
(8)スクワラン 10.0
(9)ジメチルポリシロキサン(50cs) 2.0
(10)新油型モノステアリン酸グリセリン 3.0
(11)モノステアリン酸ソルビタン 1.5
(12)モノステアリン酸ポリオキシエチレン 1.0
ソルビタン(20E.O.)
(13)パセリエキス 0.1
(14)水酸化カリウム 0.05
[製法]水相成分(1)〜(6)と油相成分(7)〜(12)をそれぞれ加熱溶解し、油相成分を水相成分に混合し、乳化機にて乳化する。冷却後、成分(13)、(14)を混合してクリームを得た。
[使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、肌への刺激がない。
[処方例4]
下記の処方により、サンスクリーンを製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)微粒子酸化チタン 5.0
(2)シリカ・酸化セリウム複合粒子 5.0
(3)微粒子酸化亜鉛 3.0
(4)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプン 5.0
エステルアルミニウム
(5)無水ケイ酸 3.0
(6)ポリグリセリン脂肪酸エステル 3.0
(7)ジメチルポリシロキサン(50cs) 10.0
(8)塩化ナトリウム 1.0
(9)1,3−ブチレングリコール 5.0
(10)DFAIII 2.0
(11)精製水 残量

[製法]成分(6)、(7)を均一に混合し、さらに成分(1)〜(5)を添加して均一に混合する。これに、成分(8)〜(11)を均一に混合したものを添加し、乳化混合してサンスクリーンを得た。
[使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、皮膚への刺激がない。

Claims (2)

  1. ダイフラクトース アンハイドライド及び多価アルコールを含有する皮膚外用剤。
  2. ダイフラクトース アンハイドライド及びシリコーン油を含有する皮膚外用剤。
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