JP2006036640A - 薬剤含有積層体及びその製造方法 - Google Patents

薬剤含有積層体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 実質的に空隙を含まない積層体及びその工業的に有利な製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明積層体は、(1)スクリーン印刷により、基材上に保護層を形成する工程;(2)スクリーン印刷により、前記保護層の上に中空の不溶層を形成する工程;(3)前記中空部分に薬剤を充填する工程;(4)前記中空の不溶層及び前記薬剤の上に、さらに不溶層を形成する工程を含む方法;及び、(5)基材と保護層とを剥離する工程を含む方法により得られる。このようにして得られた本発明積層体は、(a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が、保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、薬剤含有積層体及びその製造方法に関する。
ペプチド製剤、タンパク質製剤等のバイオ医薬、抗生物質、抗ウイルス薬、制癌剤等は、経口投与ではバイオアベイラビリティが低いものがあるため、薬剤の吸収性を高める方策が求められてきた。この問題を解決する方法の一つとして、GI−MAPS(Gastrointestinal mucoadhesive patchsystem)製剤が開発されている(例えば、非特許文献1参照)。
この製剤は、基本的に全体の層構成が非対称であるがゆえに、流動層装置内で芯材料を流動させながら被覆材料を噴霧して被覆するパンコーティングでは、薬剤部分に対して対称的な形態になるように保護層及び吸収制御層で被覆した製剤を得ることはできない。
非対称製剤の製造方法としては、金型に粉体を順次充填して打錠するような薬剤成分が包括されないような方法が唯一知られている。しかしながら、この方法では、GI−MAPSのような薬剤部分が被覆された非対称な製剤を製造することができない。
近年、薬剤部分が被覆されており、かつ非対称な製剤の製造方法として、例えば、(1)不溶層をキャスト製膜し、微小凹凸を有する金型で窪みを形成した後、ディスペンサで薬剤を充填し、別途キャスト製膜した制御層を加熱シールで貼り合わせた後、金型又はレーザーでトリミングする方法;(2)窪みを形成した不溶層に薬剤を充填させた後、低温化で乾燥し、薬剤が凍結状態で、不溶層と同一溶媒で形成された不溶性膜をアプリケーターで伸展し、乾燥した後、上記方法でトリミングして形成する方法等が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記方法では、キャスト製膜、くぼみ形成、薬剤充填、キャスト製膜、貼り合せ、トリミング等の複数のプロセスを必要とする。そのため、上記方法は、生産プロセスが非効率になり、量産には適さない。
また、薬剤をくぼみに充填させる際に、薬剤があふれるのを防止するためにくぼみの容量より少なめに充填するため、得られる製剤は、薬剤と被膜との間に空隙が生ずるのが避けられない。このような空隙に含まれる空気は、製剤が体内に到達すると、体内の37℃前後の熱により膨張し、制御層間の破壊が生じ、標的部位に到達する前に薬剤がリーク、失活する問題がある。
このような観点から、工業的に有利なプロセスで、製剤中に実質的に空隙を含まない非対称製剤の製造方法が求められている。
特開2002−338456 ファルマシア,vol.37,No.5,2001年,pp397〜398
本発明は、製剤中に実質的に空隙を含まない薬剤含有積層体及び該積層体の工業的に有利な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の方法で積層体を製造することにより、所望の薬剤含有積層体が得られることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、下記1〜16に係る発明を提供する。
1.(a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が、保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填された薬剤含有積層体。
2.保護層が、胃溶層、腸溶層及び粘着層を含む上記1に記載の製剤。
3.(a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填された薬剤含有積層体の製造方法であって、
(1)スクリーン印刷により、基材上に保護層を形成する工程;
(2)スクリーン印刷により、前記保護層の上に、中空の不溶層を形成する工程;
(3)不溶層の中空部分に薬剤を充填する工程;
(4)前記不溶層及び前記中空部分に充填された薬剤の上に、さらに不溶層を形成する工程;及び
(5)基材と保護層とを剥離する工程
を含む、薬剤含有積層体の製造方法。
4.前記工程(1)において、胃溶層、腸溶層及び粘着層を順次積層することによって保護層を形成する上記3に記載の方法。
5.前記工程(3)において、スクリーン印刷により、ペースト状の薬剤を充填する上記3に記載の方法。
6.前記工程(4)において、不溶層の形成をスクリーン印刷により行う上記3に記載の方法。
7.前記工程(3)において、ディスペンサ又はインクジェットにより、液体状の薬剤を充填する上記3に記載の方法。
8.前記工程(4)において、液体状の薬剤を凍結させた後、スプレーコーティングにより、不溶層の形成を行う上記7に記載の方法。
9.(a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填された薬剤含有積層体の製造方法であって、
(1)スクリーン印刷により、基材上に胃溶層を形成し、胃溶層の上に腸溶層を形成する工程;
(2)スクリーン印刷により、前記腸溶層の上に、中空の不溶層を形成する工程;
(3)不溶層の中空部分の一部に、スクリーン印刷により、粘着層を形成する工程;
(4)粘着層が形成された前記中空部分の残部に薬剤を充填する工程;
(5)前記不溶層及び不溶層の中空部分に充填された薬剤の上に、さらに不溶層を形成する工程;及び
(6)基材と胃溶層とを剥離する工程
を含む、薬剤含有積層体の製造方法。
10.前記工程(4)において、スクリーン印刷により、ペースト状の薬剤を充填する上記9に記載の方法。
11.前記工程(5)において、スクリーン印刷により、不溶層の形成を行う上記9又は10に記載の方法。
12.前記工程(4)において、ディスペンサ又はインクジェットにより、液体状の薬剤を充填する上記9に記載の方法。
13.前記工程(4)において、液体状の薬剤を凍結させた後、スプレーコーティングにより、不溶層の形成を行う上記12に記載の方法。
14.(a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填された薬剤含有積層体の製造方法であって、
(1)スクリーン印刷によって、基材上に不溶層を形成する工程;
(2)スクリーン印刷によって、不溶層上にさらに中空の不溶層を形成する工程;
(3)不溶層の中空部分に、スクリーン印刷によって、薬剤を充填する工程;
(4)スクリーン印刷によって、不溶層及び不溶層の中空部分に充填された薬剤の上に保護層を形成する工程;及び
(5)基材と不溶層とを剥離する工程
を含む、薬剤含有積層体の製造方法。
15.前記工程(4)において、粘着層、腸溶層及び胃溶層を順次積層することによって保護層を形成する上記14に記載の方法。
16.(a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填された薬剤含有積層体の製造方法であって、
(1)スクリーン印刷によって、基材上に不溶層を形成する工程;
(2)スクリーン印刷によって、不溶層上にさらに中空の不溶層を形成する工程;
(3)不溶層の中空部分の一部に、スクリーン印刷によって、薬剤を充填する工程;
(4)薬剤が充填された前記中空部分の残部に粘着層を形成する工程;
(5)スクリーン印刷によって、不溶層及び不溶層の中空部分に形成された粘着層の上に腸溶層を形成し、腸溶層の上に胃溶層を形成する工程;及び
(6)基材と不溶層とを剥離する工程
を含む、薬剤含有積層体の製造方法。
(1)本発明積層体
本発明積層体は、(a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有する。本発明積層体は、製剤内部に実質的に空隙を有さない。本発明積層体は、薬剤を囲っている2つの被覆層(保護層及び不溶層)が互いに異なる性質(又は物質)である点で非対称である。薬剤は、保護層及び不溶層で囲まれた空間に充填されている。
実質的に空隙を有さないとは、積層体中に空隙を全く有さない場合だけでなく、空隙の体積が、積層体の全体積に対して5%程度以下、好ましくは2%程度以下の場合を含む。このように実質的に空隙を有さない積層体は、体内に投与されて37℃程度に温められた場合でも、層が剥離して薬剤がリークするようなことは起こりにくい。
本発明積層体は、特に経口投与に適している。経口投与された本発明積層体は、消化管粘膜、特に小腸の粘膜に付着して薬剤を放出することにより、当該薬剤の高いバイオアベイラビリティを得ることができる。
本発明積層体の大きさ、形状等は限定されず、任意の大きさ、形状を採用することができる。例えば、飲みやすさ等を考慮して、直径、長径又は一辺が50μm〜5mm程度、好ましくは1〜3mm程度の大きさの製剤を使用することができる。
以下、本発明積層体を構成する各成分又は層について詳述する。本発明においては、これらに限定されず、必要に応じて、他の層又は成分を使用することができる。
保護層
保護層は、積層体の外表面から順に、胃溶層、腸溶層及び粘着層を含み、経口投与された薬剤が腸まで到達してから薬物を放出できるようにする。保護層の厚さは、薬剤を到達させたい部分等に応じて適宜選択することができる。より具体的には、以下の各層で述べる厚さの合計とすればよい。
胃溶層
胃溶層は、胃、すなわち酸性条件下で溶解する層である。この層により、本発明積層体が口の中で唾液等により分解されるのを防ぐことができる。
胃溶層は、酸性条件下で溶解するが中性付近で溶解しないポリマー(胃溶性ポリマー)を主成分として形成される。このようなポリマーは、一般的な徐放性製剤で使用されるポリマーが使用でき、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5)、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、メチルセルロース等が挙げられる。これらの胃溶性ポリマーは、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
胃溶層の厚さは、特には限定されず、使用目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、10〜100μm程度、好ましくは20〜50μm程度とすればよい。
腸溶層
腸溶層は、胃内のような酸性条件下では溶解せずに、腸内のような中性付近の条件下で溶解する層である。この層により、本発明積層体が胃で分解されるのを防ぎ、薬剤が分解を受けずに腸まで到達することができる。
腸溶層は、酸性条件下では分解されずに中性条件下で溶解されるポリマー(腸溶性ポリマー)を主成分として形成される。このようなポリマーとしては、一般的な徐放性製剤で使用されるポリマーを使用でき、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名HPMCP)、メタアクリル酸−メチルメタアクリレートコポリマー(商品名オイドラギットL100)、メタアクリル酸−エチルアクリレートコポリマー(商品名オイドラギットL30D−55、L100−55)等が挙げられる。これらの腸溶性ポリマーは、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
腸溶層の厚さは、特には限定されず、使用目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、10〜100μm程度、好ましくは20〜50μm程度とすればよい。
粘着層
粘着層は、本発明積層体が消化管壁、特に腸管壁(小腸)に付着するための層である。この層により、腸まで到達した本発明積層体が腸管壁に付着し、積層体中の薬物を確実に体内に供給することができる。また、薬物をある程度の時間安定して供給するために、本発明においては、薬物を徐放できる性質を兼ね備えた粘着層を使用するのがより好ましい。
粘着層は、消化管壁に粘着する性質を有するポリマーを主成分として形成される。そのようなポリマーとしては、一般的なDDS製剤において使用されるポリマーを使用することができ、例えば、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、カルボキシポリメチレン(例えば、スクロース又はペンタエリトリトールのアリルエーテルと架橋結合したアクリル酸から製造されたカルボキシポリメチレンであり、「CARBOPOL 934P」及び「CARBOPOL 974P」という商標名でB.F.Goodrich Chemical Company,Cleveland,Ohioから販売されているカルバマー型ポリマーである。また、カルバマーポリマーは、米国特許第2,909,462号及びNational Formulary XVIIの1911ページ,CAS登録番号9003-01-4に総説として記載されている。)、架橋ポリビニルピロリドン(例えば、Polyplasdone XL又はKollidon CLの登録商標名として既知である)、N−ビニルピロリドンポリマー等が使用できる(← 適宜、修正、追加等をお願い致します。)。これらのポリマーは、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
腸溶層の厚さは、特には限定されず、使用目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、10〜100μm程度、好ましくは20〜50μm程度とすればよい。
薬剤
本発明積層体に含まれる薬剤としては、何ら限定されず、治療目的等に応じて適宜選択することができる。本発明の薬剤は、薬物のみからなっていてもよいし、薬物と添加剤との混合物であってもよい。薬物及び添加剤は、それぞれ1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
添加剤としては、一般の製剤に使用される添加剤を使用することができ、例えば、ラブラゾール(登録商標、グリセロールエステル及びマクロゴールエステルの混合エステル)、カプリン酸ナトリウム等の吸収促進剤、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の増粘剤等を使用することができる。
本発明積層体は、薬物を腸まで到達させるDDS製剤として好適に使用されるので、薬物としては、通常の経口投与ではバイオアベイラビリティーの低い薬物、難溶性薬物、低吸収性薬物等を使用するのがより好ましい。このような薬剤としては、G−CSF(顆粒球増殖因子)、エリスロポエチン、インスリンのようなタンパク質製剤又はペプチド製剤;アミノグリコシド系抗生物質;ペニシリン系抗生物質;バンコマイシン系抗生物質;アシクロビル等の抗ウイルス薬、エピルビシン等の制癌剤等が挙げられる。
薬剤の量、薬剤が積層体中に占める体積等は特には限定されず、使用目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、薬剤部分の大きさを、内径、長径又は一辺を10μm〜4mm程度、好ましくは10μm〜2mm程度とすることができる。厚さは10〜100μm程度、好ましくは20〜50μm程度とすることができる。
不溶層
不溶層とは、体内において水分や酵素等により分解されない層である。この層により、腸管壁に接触していない部分の溶解を防ぐことができ、薬物の安定供給をより確実にすることができる。
不溶層としては、体内で溶解されないポリマーを主成分として形成することができる。その中でも他の層との密着性が高いものがより好ましい。そのようなポリマーとしては、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートフタレート、エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセテートフタレート等が挙げられる。これらの不溶性ポリマーは、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
不溶層の厚さは、特には限定されず、使用目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、10〜100μm程度、好ましくは20〜50μm程度とすればよい。
本発明積層体の一例を図1及び図3に示す。図2及び図4は、それぞれ、図1及び図3で示される本発明積層体のA−A線断面図又はB−B線断面図である。図1及び図2で示される本発明積層体は、薬剤4が不溶層5及び粘着層3により密封されている。図2及び図4で示される本発明積層体は、薬剤4及び粘着層3が不溶層5及び腸溶層2により密封されている。
(2)本発明積層体の製造方法
以下、本発明積層体の製造方法について詳述する。
本発明の方法では、印刷技術の一つであるスクリーン印刷の技術を利用して積層体を製造することを特徴とする。スクリーン印刷とは、版に孔をあけ、その孔を通してインキを転写する印刷方法である。
本発明において、スクリーン印刷に使用する道具、設備等については所望の積層体が製造できれば限定されず、一般的に印刷業界等で使用される道具、設備等を使用することができる。例えば、版としては、スクリーン版又はステンシル版を使用することができる。塗膜(本発明積層体の構成成分又は層)の高い均一性が得られる点で、スクリーン版を用いることがより好ましい。一方、粘度が非常に高く、スクリーンメッシュへのインキの充填・抜けが十分でない場合には、ステンシル版を用いるのがより好ましい。
また、得られる膜厚(層)は版の厚さに依存する。従って、本発明においては、所望の層の厚さを有する版を使用すればよい。例えば、固形分25%のインキで30μmの塗膜を得たい場合、厚みは120μm程度のスクリーン版を使用するのが好ましい。
スクリーン印刷は、(1)高粘度材料、ペースト、スラリー、粉末材料等幅広い種類のインキを使用することができ、インキの自由度が高い;(2)非常に薄い膜から200μm程度のような厚いパターン(膜)まで自由に形成することができる;(3)曲面や凹面にも印刷が可能であるので、基材の自由度が高い;(4)基材とパターンを形成した層との間、層と層との間の密着性が高い;(5)パターンニングの自由度が高い;(6)設備負荷が少ない等の利点がある。
スクリーン印刷を利用して得られた本発明積層体は、各層間の密着性が強いので、体内投与時にも層間剥離を起こさず、また、実質的に空隙を有さない。さらに、製造工程が複雑ではないので、製造コストを低く抑えることができる。
以下、本発明積層体の具体的な製造方法について述べる。
(イ)第一方法
本発明積層体は、(1)スクリーン印刷により、基材上に保護層を形成する工程、好ましくは、胃溶層、腸溶層及び粘着層を順次積層する工程;(2)スクリーン印刷により、前記保護層(好ましくは粘着層)の上に、中空の不溶層を形成する工程;(3)不溶層の中空部分に薬剤を充填する工程;(4)前記不溶層及び前記中空部分に充填された薬剤の上に、さらに不溶層を形成する工程;及び(5)基材と胃溶層(保護層)とを剥離する工程を経て製造される。この方法で得られる本発明積層体の断面は図2に示すようになっている。
本発明積層体の第一の製造方法について、図5を用いて詳述する。
(1)まず、スクリーン印刷により、基材7上に保護層6、好ましくは、胃溶層1、腸溶層2及び粘着層3を順次積層する(図5a)。
基材の材質としては限定されないが、パターニング可能な密着性を有し、機械的な作用で積層体が剥離できるフィルム又はシートが好ましい。このような材料としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、シリコーンゴム等が挙げられる。基材の濡れ性を向上させるために、コロナ放電、大気圧プラズマのような前処理をすることも可能である。積層体を作製した後に、これらの基材をローラーで撓ませたり、基材がゴム材料の場合には、治具で伸ばしたりすることによって、積層体を基材から脱落させることができる。
胃溶層、腸溶層及び粘着層を得るための各組成物は、上記の各成分を溶媒に溶解することにより得ることができる。溶媒としては、ポリマーを溶解させることができるものであれば限定されず、生体毒性を有する成分が残存しないものが好ましい。例えば、アルコール系、ハロゲン化炭化水素系の溶媒を使用することができる。その中でも、エタノール、アミルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、塩化メチレン等を使用するのが好ましい。このような溶媒は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
上記溶媒中に溶解する胃溶性ポリマー、腸溶性ポリマー及び粘着性ポリマーの濃度は限定されず、所望の積層体の形態等に応じて適宜選択することができる。例えば、これらポリマー濃度は、通常1〜40重量%程度、好ましくは5〜20重量%程度とすればよい。また、上記各成分をスクリーン印刷を行いやすい粘度(例えば、10〜数百ポイズ程度)とするために、必要に応じて、各組成物に、可塑剤、フィラー等の添加剤を添加することができる。
可塑剤としては、一般的に印刷のインキに使用されているものが使用でき、その中でも生体に毒性を示さないものがより好ましい。例えば、クエン酸トリエチル、フタル酸ジアリール、トリアセチン等を用いることができる。可塑剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。可塑剤の濃度は限定されず、所望の積層体の形態等によって適宜選択することができ、通常0.05〜10重量%程度、好ましくは0.1〜10重量%程度とすればよい。
フィラーとしても、一般的に印刷のインキに使用されているものが使用でき、その中でも生体に毒性を示さないものがより好ましい。このようなフィラーとしては、例えば、酸化チタン、コロイダルシリカ、微結晶セルロース等が挙げられる。フィラーは、それぞれ1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。フィラーの濃度は限定されず、所望の積層体の形態等によって適宜選択することができ、通常5〜80重量%程度、好ましくは30〜60重量%程度とすればよい。
可塑剤とフィラーの両方を添加する場合にも、濃度は限定されず、適宜選択することができる。
本発明の第一方法では、まず、基材上にパターニングしたい形状の版を設置し、インクとして胃溶層を形成するための組成物を用いて、スクリーン印刷により、基材上に胃溶層を形成する。胃溶層の形状、厚さ等は限定されず、所望の製剤の形状、大きさ等に応じて適宜選択することができる。
次いで、基材上に形成された胃溶層を乾燥させる。乾燥させる温度は限定されず、溶媒の種類、ポリマーの種類等に応じて適宜選択することができる。溶媒を揮発させるがポリマーが変性しない温度がよく、例えば、40〜100℃程度、好ましくは50〜70℃程度とすればよい。なお、ポリマーの耐熱性が低い場合には、乾燥時間を延長させたり送風したりすることにより乾燥させればよい。
乾燥の程度は限定されないが、体内悪影響を及ぼす溶媒であれば、その溶媒が残らないように完全に乾燥させることが望ましい。また、体内に悪影響を及ぼさない溶媒であれば、製剤を形成するにあたって、影響を及ぼさない程度に乾燥させればよい。
次に、胃溶層を形成させた方法と同様に、胃溶層上に腸溶層を形成する。腸溶層のサイズは胃溶層の大きさと同じでよい。腸溶層の厚さは限定されず、適宜選択することができる。腸溶層を形成した後は、胃溶層を乾燥させたのと同様に乾燥させることができる。
さらに、胃溶層を形成させた方法と同様に、腸溶層上に粘着層を形成する。粘着層のサイズは腸溶層の大きさと同じにすることができる。粘着層の厚さは限定されず、適宜選択することができる。腸溶層を形成した後は、胃溶層を乾燥させたのと同様に乾燥させることができる。
(2)次に、前記粘着層3の上に、スクリーン印刷により中空の不溶層5を形成する(図5b)。この中空の不溶層の形、厚さ、中空部分の形、大きさ等は限定されず、中空部分に充填する薬剤の量等に応じて適宜選択することができる。中空の不溶層も、上記胃溶層等と同様に乾燥させることができる。
(3)上記不溶層の中空部分に薬剤4を充填する(図5c)。充填する薬剤の量は限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。本発明積層体に含まれる薬剤が固形状か又は液体状かによって、本発明積層体の好ましい製造方法が異なる。
(A)本発明積層体に含まれる薬剤が固形状の場合、スクリーン印刷により、ペースト状にした薬剤を上記中空部分に充填し、これを乾燥させる。
スクリーン印刷に適した薬剤の形態は、ペースト状である。このため、薬物が粉末である場合は、これを適当な溶剤(例えば、水)及び増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)と混合し、スクリーン印刷に適したペーストの形態にすることにより、スクリーン印刷による充填が可能になる。また、薬物が液体である場合も、上記と同様に、適当な溶剤(例えば、水)及び増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)と混合し、スクリーン印刷に適した粘度のペーストの形態にすることにより、スクリーン印刷による充填が可能になる。
ペーストの粘度は、通常10〜数百ポイズ程度、好ましくは50〜100ポイズ程度である。
スクリーン印刷により充填した後のペースト状薬剤の乾燥は、充填した薬剤の耐熱性等に応じて、加熱により行うこともできるし、長時間の乾燥又は送風により行うこともできる。
(B)薬剤が液体状の場合は、例えば、ディスペンサ、インクジェット等により充填を行うのが好ましい。ディスペンサ、インクジェット等の種類等については限定されず、市販のものを使用することができる。
(4)薬剤を充填した後、上記不溶層5及び上記不溶層5の中空部分に充填された薬剤4の上に、さらに不溶層を形成する(図5d)。この不溶層の厚さは限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。また、この段階で使用する不溶層の構成成分は、前記中空の不溶層の構成成分と同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
(A)充填した薬剤が固形状の場合、この不溶層を形成は、胃溶層等の他の層と同様に、スクリーン印刷により行うことができる。
(B)また、充填した薬剤が液体状の場合、充填した液状の薬剤を凍結した後で、例えば、版に形成されたマスクを通してスプレーコーティングすることにより、不溶層を形成することができる。スプレーコーティングは、薬剤が凍結された状態を保持できる条件下で行うのが好ましい。
スプレーコーティングを行うための装置は限定されず、適宜選択することができる。例えば、10〜30μmの微小液滴での供与が可能な市販の精密スプレーコーターを用いることが好ましい。また、このような機械を使用する場合には、不溶層を形成するコーティング液は、例えば、固形分1〜10%程度のものを使用するのが好ましい。
スプレーコーティングに使用する溶媒としては、低温でも揮発しやすい溶媒が好ましく、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等を使用することができる。
(5)最後に、基材7と胃溶層1とを剥離することにより、本発明製剤を得ることができる(図5e)。基材と胃溶層とを剥離させる方法は限定されず、適宜選択することができる。例えば、手で本発明積層体を基材からはがす方法、基材を撓ませて本発明積層体を基材からはがす方法、基材を治具で延ばして本発明積層体を基材からはがす方法等を採用することができる。
本発明では、基材を胃溶層から容易に剥離できるようにするために、基材と胃溶層との間に離型層を形成しておいてもよい。
(ロ)第二方法
本発明の第二方法は、粘着層が不溶層で覆われており、製剤の表面に露出していない積層体の製造方法である。この方法で得られる本発明積層体の断面は、図4に示すようになっている。
本発明積層体の第二の製造方法について、図6を用いて説明する。
この第二方法では、上記第一方法と同様にして、基材7上に胃溶層1と腸溶層2とを形成した後に、粘着層3を形成する前に、第一方法と同様にして中空の不溶層5を形成する(図6a)。不溶層5の中空部分の一部に粘着層3を形成し、さらにこの粘着層の上に残っている中空部分に薬剤4を充填する(図6b及び図6c)。粘着層の形成及び薬剤の充填は、上記第一方法と同様に行うことができる。
次に、不溶層及び不溶層の中空部分に充填された薬剤の上に、さらに不溶層5を第一方法と同様の方法で形成する(図6d)。
なお、各層の乾燥等は第一の方法と同様にして行うことができる。
最後に、第一の方法と同様にして、基材7と胃溶層1とを剥離させることにより、本発明積層体を得ることができる(図6e)。
第二方法で得られる本発明積層体は、粘着層が積層体の外表面に露出していないので、粘着層を損なうことなく本発明積層体を所望の場所までより確実に到達させることができる。
(ハ)第三方法
本発明の積層体を製造する第三の方法は、上記第一及び第二の方法とは逆に、不溶層から形成していく方法である。この方法で得られる本発明積層体の構造は、第一方法で得られる本発明積層体のそれと同じである。
本発明積層体の第三の製造方法について、図7を用いて説明する。
第三方法においては、(1)前記第一の方法と同様に、スクリーン印刷により、基材7上に不溶層5を形成し(図7a)、(2)さらにその上に、中空の不溶層を形成する(図7b)。これらの工程毎に不溶層を乾燥させてもよいし、中空の不溶層を形成した後に一度に乾燥させてもよい。乾燥も第一方法と同様に行うことができる。
次に、(3)この不溶層の中空部分に、第一の方法と同様に薬剤4を充填する(図7c)。ここで使用する薬剤は、充填後に多くの工程を要することから、凍結した薬剤が解凍されるおそれがあるので、固形状の薬剤が好ましい。ここでの薬剤の充填は、固形状の薬剤をペースト状に調整しておき、スクリーン印刷により行うことができる。
さらに、(4)第一の方法と同様に、スクリーン印刷により、不溶層及び不溶層の中空部分に充填された薬剤の上に、保護層6、好ましくは、粘着層3、腸溶層2及び胃溶層1を順次積層する(図7d)。これらの保護層の大きさは、最初に形成した不溶層と同じぐらいでよい。
なお、各層の乾燥等は第一の方法と同様にして行うことができる。
最後に、基材7と不溶層5とを剥離させることにより、本発明製剤を得ることができる(図7e)。
基材と不溶層とを剥離させる方法は限定されず、適宜選択することができる。例えば、手で本発明積層体を基材からはがす方法、基材を撓ませて本発明積層体を基材からはがす方法、基材を治具で延ばして本発明積層体を基材からはがす方法等を採用することができる。
(ニ)第四方法
本発明の第四方法は、粘着層が不溶層で覆われており、製剤の表面に露出していない積層体の製造方法であり、本発明の第二方法とは異なる方法である。第四方法で得られる積層体の構造は、第二方法で得られる積層体のそれと同一である。
本発明積層体の第四の製造方法について、図8を用いて説明する。
本発明積層体を形成する第四の方法では、第三の方法と同様に、基材7の上にスクリーン印刷により不溶層5を形成し(図8a)、その上に中空の不溶層を形成する(図8b)。次に、この不溶層の中空部分の一部に、スクリーン印刷により薬剤4を充填し、さらにその上に粘着層3を形成する(図8c)。ここで使用する薬剤は、上記第三の方法と同様に固形状のものが好ましい。
その後、不溶層5及び不溶層の中空部分に形成された粘着層3の上から、第一の方法と同様にスクリーン印刷の技術を用いて、腸溶層2及び胃溶層1を順次形成していく(図8d)。
なお、各層の乾燥等は第一の方法と同様にして行うことができる。
最後に、(5)第三の方法と同様にして、基材7と不溶層5とを剥離させることにより、本発明製剤を得ることができる(図8e)。
本発明の積層体は、スクリーン印刷を利用して製造されるので、製造工程において空隙を生じ難く、また、各層間の密着力が強い。従って、積層体が投与された後に、体内において積層体中の空隙の空気が膨張することにより層が剥離して薬剤がもれたりすることがないので、薬剤が腸まで到達し、薬剤を安定して供給することができる。すなわち、本発明の積層体によれば、高いバイオアベイラビリティを得ることができる。
本発明の方法によれば、スクリーン印刷を利用することにより、パターン精度、膜厚精度の厳密な制御が可能である。本発明の方法では、サイズの制御が容易になるので、様々な形状、大きさの薬剤を作ることができる。本発明の方法は、製造工程が簡易であるため、コストを抑制でき、大量生産にも適している。
以下に実施例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
実施例1
材料
各層を形成するための材料としては、以下のものを用いた。
(1)基材;厚み1mmのシリコーンゴムシート(信越化学工業社製)
(2)胃溶層形成用インキ;ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業社製)の25%アミルアルコール溶液
(3)腸溶層形成用インキ;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(信越化学工業社製)の25%塩化メチレン溶液
(4)粘着層形成用インキ;カルボキシビニルポリマー(商品名;カーボポール940、ノバゲン社製)25%塩化メチレン溶液
(5)不溶層形成用インキ;エチルセルロース(信越化学工業社製)の25%塩化メチレン溶液
(6)薬剤;セフジニル(セファロスポリン系抗生物質、藤沢薬品)の含有量が薬剤1ml当たり5mgとなるように、またラブラゾール(ガセフォセ社製)の薬剤中の濃度が10重量%となるように、セフジニル及びラブラゾールに水及びカルボキシルメチルセルロースを加え、粘度10ポイズのペースト状薬剤を調製した。
スクリーン印刷に用いる版としては、メッシュ120μm−メッシュ間隔200μm、レジスト厚が200μmの版を用いた。
版のパターンとしては、胃溶層、腸溶層、粘着層及び不溶層を形成する場合には、円形(直径3mm)のパターンを有する版(版1)、薬剤を充填する場合には、円形(直径2mm)のパターンを有する版(版2)、中空の不溶性層を形成する場合には、内径2mm、外形3mmのドーナツ形状のパターンを有する版(版3)を用いた。
スクリーン印刷機としては、SERIA SSP−650(東海商事社製)を使用した。薬液を充填するための機械としては、マイクロディスペンサ(武蔵エンジニアリング社製)を用いた。
積層体の製造
スクリーン印刷機に、版1を設置し、基材を設置した。その後、胃溶層形成用インキを印刷し、これを60℃で5分乾燥した。次に、胃溶層の上に、腸溶層形成用インキを印刷し、これを60℃で5分乾燥した。さらに、腸溶層の上に、粘着層形成用インキを印刷し、これを60℃で5分乾燥した。
その後、スクリーン印刷機に版3を設置し、粘着層の上に不溶層形成用インキを二度印刷し、60℃で5分乾燥した。次に、スクリーン印刷機に版2を設置し、ディスペンサで、1パターン当たり1μlのペースト状薬剤を孔部のドクター掻きとり方向手前に滴下し、ドーナツ形状に形成された不溶層の空白部に薬剤が充填されるように、スクリーン印刷して、60℃で5分乾燥し、薬剤を固形化した。
さらに、スクリーン印刷機に版1を設置し、薬剤が被覆されるように不溶層形成用インキを印刷し、60℃で5分乾燥した後、治具を用いて基材を剥離し、本発明の積層体を得た。
実施例2
材料
基材、胃溶層形成用インキ、腸溶層形成用インキ及び粘着層形成用インキは、実施例1と同じ物を使用した。スプレーコーティング用不溶性ポリマーは、1%エチルセルロースのエタノール溶液を使用した。薬剤は、インスリンのラブラゾール水溶液(インスリン100IU/ml、ラブラゾール濃度10重量%)を使用した。
スクリーン印刷に用いる版としては、メッシュ120μm−メッシュ間隔200μm、レジスト厚が200μmの版を用い、スプレーコーティングには、メタルステンシル版を使用した。版のパターンとしては、胃溶層、腸溶層、粘着層及び不溶層を形成する場合には、底部が直径3mmの円形パターンを有する版(版1)、薬剤を充填する場合には、直径2mmの円形のパターンを有する版(版2)、中空の不溶層を形成する場合には、内径2mm、外形3mmのドーナツ形状のパターンを有する版(版3)、スプレーコーティングを行う際には、直径3mmの円形のパターンを有するメタルステンシル版(版4)を使用した。
スクリーン印刷には、SERIA SSP−650(東海商事社製)を用い、スプレーコーターには、3DC(ナノテック社製)を用いた。
積層体の製造
スクリーン印刷機に、版1及び基材を設置した。胃溶層形成用インキを印刷した後、60℃で5分乾燥した。その上から腸溶層形成用インキを印刷した後、60℃で5分乾燥した。さらにその上から粘着層形成用インキ印刷した後、60℃で5分乾燥した。次いで、スクリーン印刷機に版3を設置し、不溶層形成用インキを二度印刷した後、60℃で5分乾燥した。
スクリーン印刷機に版2を設置し、ディスペンサで、1パターン当たり0.3μlの薬剤液を上記不溶層の中空部分に滴下し、−10℃で1時間凍結させた。
その後、スプレーコーターのチャンバーを−3℃に保持し、基材にメタルステンシルマスク設置し、不溶性ポリマーをスプレーコーティングした。これを60℃で5分乾燥した後、治具を用いて基材を剥離し、本発明の積層体を得た。
本発明製剤の一例を示す平面図である。 本発明積層体の一例を示す断面図である。 本発明積層体の一例を示す平面図である。 本発明積層体の一例を示す断面図である。 本発明積層体の製造方法の一例を示す模式図である。 本発明積層体の製造方法の一例を示す模式図である。 本発明積層体の製造方法の一例を示す模式図である。 本発明積層体の製造方法の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 胃溶層
2 腸溶層
3 粘着層
4 薬剤
5 不溶層
6 保護層
7 基材

Claims (16)

  1. (a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が、保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填された薬剤含有積層体。
  2. 保護層が、胃溶層、腸溶層及び粘着層を含む請求項1に記載の製剤。
  3. (a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填された薬剤含有積層体の製造方法であって、
    (1)スクリーン印刷により、基材上に保護層を形成する工程;
    (2)スクリーン印刷により、前記保護層の上に、中空の不溶層を形成する工程;
    (3)不溶層の中空部分に薬剤を充填する工程;
    (4)前記不溶層及び前記中空部分に充填された薬剤の上に、さらに不溶層を形成する工程;及び
    (5)基材と保護層とを剥離する工程
    を含む、薬剤含有積層体の製造方法。
  4. 前記工程(1)において、胃溶層、腸溶層及び粘着層を順次積層することによって保護層を形成する請求項3に記載の方法。
  5. 前記工程(3)において、スクリーン印刷により、ペースト状の薬剤を充填する請求項3に記載の方法。
  6. 前記工程(4)において、不溶層の形成をスクリーン印刷により行う請求項3に記載の方法。
  7. 前記工程(3)において、ディスペンサ又はインクジェットにより、液体状の薬剤を充填する請求項3に記載の方法。
  8. 前記工程(4)において、液体状の薬剤を凍結させた後、スプレーコーティングにより、不溶層の形成を行う請求項7に記載の方法。
  9. (a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填された薬剤含有積層体の製造方法であって、
    (1)スクリーン印刷により、基材上に胃溶層を形成し、胃溶層の上に腸溶層を形成する工程;
    (2)スクリーン印刷により、前記腸溶層の上に、中空の不溶層を形成する工程;
    (3)不溶層の中空部分の一部に、スクリーン印刷により、粘着層を形成する工程;
    (4)粘着層が形成された前記中空部分の残部に薬剤を充填する工程;
    (5)前記不溶層及び不溶層の中空部分に充填された薬剤の上に、さらに不溶層を形成する工程;及び
    (6)基材と胃溶層とを剥離する工程
    を含む、薬剤含有積層体の製造方法。
  10. 前記工程(4)において、スクリーン印刷により、ペースト状の薬剤を充填する請求項9に記載の方法。
  11. 前記工程(5)において、スクリーン印刷により、不溶層の形成を行う請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記工程(4)において、ディスペンサ又はインクジェットにより、液体状の薬剤を充填する請求項9に記載の方法。
  13. 前記工程(4)において、液体状の薬剤を凍結させた後、スプレーコーティングにより、不溶層の形成を行う請求項12に記載の方法。
  14. (a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填された薬剤含有積層体の製造方法であって、
    (1)スクリーン印刷によって、基材上に不溶層を形成する工程;
    (2)スクリーン印刷によって、不溶層上にさらに中空の不溶層を形成する工程;
    (3)不溶層の中空部分に、スクリーン印刷によって、薬剤を充填する工程;
    (4)スクリーン印刷によって、不溶層及び不溶層の中空部分に充填された薬剤の上に保護層を形成する工程;及び
    (5)基材と不溶層とを剥離する工程
    を含む、薬剤含有積層体の製造方法。
  15. 前記工程(4)において、粘着層、腸溶層及び胃溶層を順次積層することによって保護層を形成する請求項14に記載の方法。
  16. (a)保護層、(b)薬剤及び(c)不溶層を有し、薬剤が保護層及び不溶層で囲まれた空間に実質的に空隙を有さないように充填された薬剤含有積層体の製造方法であって、
    (1)スクリーン印刷によって、基材上に不溶層を形成する工程;
    (2)スクリーン印刷によって、不溶層上にさらに中空の不溶層を形成する工程;
    (3)不溶層の中空部分の一部に、スクリーン印刷によって、薬剤を充填する工程;
    (4)薬剤が充填された前記中空部分の残部に粘着層を形成する工程;
    (5)スクリーン印刷によって、不溶層及び不溶層の中空部分に形成された粘着層の上に腸溶層を形成し、腸溶層の上に胃溶層を形成する工程;及び
    (6)基材と不溶層とを剥離する工程
    を含む、薬剤含有積層体の製造方法。
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