JP2006104176A - 固形製剤の製造方法 - Google Patents

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洋美 笠原
Yoshihei Tachibana
善平 橘
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Abstract

【課題】外観が良好で成分の変質もない微小な固形製剤を歩留まりよく製造する。
【解決手段】基板1上に薬剤を含有する高分子膜41を形成し、この高分子膜41をエッチングして複数の微小高分子膜に分割した後、それらの複数の微小高分子膜を基板1から剥離して固形製剤61を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、固形製剤の製造方法に係り、さらに詳しくは、服用後薬物が胃で分解を受けることなく、腸で最外層が分解された後腸壁に付着することにより薬物が持続的に吸収されるという性質を有する腸溶性固形製剤などの固形製剤を製造する方法に関する。
近年、高い薬理活性を有する薬剤が数多く開発されているが、バンコマイシンに代表されるペプチド系抗生物質やペニシリン系抗生物質などは、通常の投与法では吸収部位である腸に到達するまでの途上で分解され、あるいはバイオアベイラビリティが低下するため、大部分が利用されずに体内から排出される。
従来から、経口投与によるバイオアベイラビリティを向上するため、薬物含有層と難水溶性の層を積層した2層構造の製剤、あるいはさらに消化管壁への付着を図るための生体接着性物質の層を積層した製剤などが開発されている。そして、このような固形製剤の製造方法として、難水溶性ポリマーのフィルムに作成した窪みに、薬液、薬物粉末などを充填した後、腸溶性ポリマーのフィルムを貼り合わせてシールし、それを種々の口径(例えば約3mm)のパンチャーなどで打ち抜くことにより、微小な固形製剤を得る方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−338456公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、300μm以下の微小な径を有する製剤を製造しようとした場合、端面を精度良く加工することが難しく、外観が良好な製剤を得ることができないという問題があった。
また、微小な径を有する製剤を精度良く加工するには、レーザなどを照射して切断するなどの物理的手法やダイシングなどの機械的手法が考えられるが、光や熱の発生に伴って化学反応が生起する可能性があり、切断端面において各層を構成する成分が変質するおそれがあった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、300μm径以下の微小な製剤においても、外観が良好で成分の変質もない固形製剤を歩留まりよく製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の発明は固形製剤の製造方法であり、基板上に薬剤を含有する高分子膜を形成し、この高分子膜をエッチングして複数の微小高分子膜に分割した後、前記複数の微小高分子膜を前記基板から剥離することを特徴とする。
本発明の第2の発明は固形製剤の製造方法であり、(a)基板上に薬剤を含有する第1の高分子膜を形成する工程と、(b)前記第1の高分子膜をエッチングして複数の微小高分子膜に分割する工程と、(c)前記複数の微小高分子膜を個々に覆うように第2の高分子膜を被覆する工程と、(d)前記第2の高分子膜を前記第1の高分子膜の分割位置とほぼ同一位置で、少なくとも表面がセラミックからなる刃部を備えた切断工具により切断する工程と、(e)前記第2の高分子膜で被覆され切断された前記複数の微小高分子膜を前記基板から剥離する工程を具備することを特徴とする。
本発明によれば、微小で外観が良好なうえ成分の変質もない高品質の固形製剤を歩留まり良く製造することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固形製剤の製造方法の各工程を示す断面図である。
本実施形態においては、まず、図1(a)に示すように、必要に応じて離型剤(図示を省略。)が塗布されたシリコン、ガラスなどからなる基板1の上に、生体接着層またはアルカリ可溶層(図面の例では、生体接着層)2を形成した後、その上に薬剤層3を形成し、約3〜50μm厚さの2層の積層膜41を得る。
生体接着層2は、生体接着性物質を含む層であり、生体接着性物質を含む溶液を、スピンコータ、バーコータ、ダイコータなどの塗布装置を用いて塗布した後、例えば50〜80℃の温度で5〜10分間加熱・乾燥することにより形成される。なお、生体接着性物質とは、小腸粘膜に存在する消化酵素の活性を失活させるとともに、消化管(小腸)壁の吸収細胞に接着して、粘膜−細胞間における薬物分子の濃度勾配を長時間にわたって高く維持する作用を有する成分であり、例えば、アルギン酸ナトリウム、プルラン、ペクチン、トラガント、アラビアゴム、酸性多糖類またはその塩、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸またはその塩、アクリル酸共重合体またはその塩、カルボキシメチルセルロースおよびナトリウム塩などのセルロース誘導体などが挙げられる。
アルカリ可溶層は、腸溶層であり、胃酸に対して安定なアルカリ可溶性のポリマーを含む溶液を、スピンコータ、バーコータ、ダイコータなどの塗布装置を用いて塗布した後、例えば50〜80℃の温度で5〜10分間加熱・乾燥することにより形成される。アルカリ可溶性のポリマーとしては、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボシキメチルエチルセルロース(CMEC)、メタクリル酸−アクリル酸エチルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸メチルエステル共重合体などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
薬剤層3は、水溶性高分子を主な基剤成分とし、薬剤を含有する層であり、水溶性高分子を基剤成分とし薬剤を含有する溶液を、スピンコータ、バーコータ、ダイコータなどの塗布装置を用いて塗布した後、例えば50〜80℃の温度で5〜10分間加熱・乾燥することにより形成される。水溶性高分子としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドなどが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上の混合物として使用される。また、薬剤としては、水溶性の難・低吸収性薬剤(アミノグリコシド系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、セフェム系抗生物質、ペプチド系抗生物質、アシクロビルなどの抗ウイルス薬、エピルビシンなどの制癌剤など)、インスリン、カルシトニン、各種のインターフェロン、成長ホルモン、バソプレシンおよびその誘導体など、各種の蛋白・ペプチド薬をはじめとしてあらゆる薬剤が挙げられる。
なお、生体接着層2や薬剤層3には、薬剤の吸収効果を高めるために、吸収促進剤を含有させることも可能である。吸収促進剤を併用した場合には、薬剤と吸収促進剤が常に限られた閉鎖空間内に共存するので、効果を最大限に引き出すことができる。吸収促進剤としては、ラブラゾールTMやカプリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
次いで、図1(b)に示すように、積層膜41の表面に、感光性レジストを塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光し、さらに、現像を行って、開口幅1〜300μm、開口ピッチ5〜300μmのメッシュ状の開口パターンを有するエッチングレジスト5を形成する。
次いで、図1(c)に示すように、エッチングレジスト5に被覆されていない部分の積層膜41を、例えば炭酸ナトリウム水溶液を用いたエッチングにより溶解した後、図2(d)に示すように、エッチングレジスト5を、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、水酸化ナトリウムなどを用いて溶解除去する。
この後、図1(e)に示すように、エッチングされずに残った積層膜41を基板1から剥離することにより、生体接着層2またはアルカリ可溶層と薬剤層3からなる2層構造の、直径または辺の長さが5〜300μmの円形乃至方形形状を有する微小な固形製剤61が得られる。この固形製剤61は、微小な径を有するうえ、外観も良好で、また、製造過程で構成成分が変質することもないため、高い品質を備えている。
このように、本発明の第1の実施形態によれば、直径または辺の長さが300μm以下で外観に優れるうえ、成分の変質もない高品質の固形製剤を容易に得ることができる。
なお、この実施形態においては、基板1上に、まず、薬剤層3を形成し、次いで、その上に生体接着層2またはアルカリ可溶層を形成するようにしてもよい。
また、この実施形態は、本発明を2層構造の固形製剤の製造に適用した例であるが、例えば、図2および図3に示すような、3層構造の固形製剤の製造にも適用することができ、同様の効果を得ることができる。
すなわち、図2に示す固形製剤62は、アルカリ可溶層7上に、生体接着層2および薬剤層3が順に積層された構造を有する。このような固形製剤62を製造するには、図1(a)に示す工程において、基板1上に、まず、アルカリ可溶層7を形成し、次いで、生体接着層2を形成した後、薬剤層3を形成するようにすればよい。また、これらの形成順を逆にし、基板1上に、薬剤層3、生体接着層2およびアルカリ可溶層7の順で形成してもよい。
図3に示す固形製剤63は、薬剤層3を生体接着層2またはアルカリ可溶層7で挟持したサンドイッチ構造を有する。このような固形製剤を製造するには、図1(a)に示す工程において、基板1上に、まず、生体接着層2またはアルカリ可溶層7を形成し、次いで、薬剤層3を形成した後、生体接着層2またはアルカリ可溶層7を再度、形成するようにすればよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る固形製剤の製造方法の各工程を示す部分断面図である。
本実施形態においては、まず、図4(a)に示すように、必要に応じて離型剤(図示を省略。)が塗布されたシリコン、ガラスなどからなる基板1の上に、アルカリ可溶層7を形成し、次いで、薬剤層3を形成した後、生体接着層2を形成し、さらにその上にバリヤ層8を形成し、約3〜50μm厚さの4層の積層膜42を得る。
アルカリ可溶層7、薬剤層3および生体接着層2は、第1の実施形態の場合と同様に形成される。また、バリヤ層8は、胃酸やその他の消化液にも安定な難水溶性ポリマーからなる層であり、難水溶性ポリマーを含む溶液を、スピンコータ、バーコータ、ダイコータなどの塗布装置を用いて塗布した後、例えば50〜80℃の温度で5〜10分間加熱・乾燥することにより形成される。難水溶性ポリマーとしては、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの難溶性セルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロース、セラック、パルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸などが挙げられる。
次いで、図4(b)に示すように、積層膜42の表面に、感光性レジストを塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光し、さらに、現像を行って、開口幅1〜300μm、開口ピッチ5〜300μmのメッシュ状の開口パターンを有するエッチングレジスト5を形成する。
次いで、図4(c)に示すように、エッチングレジスト5に被覆されていない部分の積層膜42を、エッチングにより溶解した後、図4(d)に示すように、エッチングレジスト5を、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、水酸化ナトリウムなどを用いて溶解除去する。
この後、図4(e)に示すように、エッチングされずに残った積層膜42を基板1から剥離することにより、アルカリ可溶層7上に、薬剤層3、生体接着層2およびバリヤ層8が順に積層された4層構造の、直径または辺の長さが5〜300μmの円形乃至方形形状を有する微小な固形製剤64が得られる。この固形製剤64は、微小な径を有するうえ、外観も良好で、また、製造過程で構成成分が変質することもないため、高い品質を備えている。
このように、本発明の第2の実施形態においても、直径または辺の長さが300μm以下で外観に優れるうえ、成分の変質もない高品質の固形製剤を容易に得ることができる。
なお、この実施形態においては、基板1上に、まず、バリヤ層8を形成し、その上に生体接着層2、薬剤層3およびアルカリ可溶層7を順に形成するようにしてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る固形製剤の製造方法の各工程を示す部分断面図である。
図5(a)〜(d)の工程は、図5(a)の工程で、基板1上に、まず、アルカリ可溶層7を形成した後、生体接着層2を形成し、さらに、その上に薬剤層3を形成し、約3〜50μm厚さの3層の積層膜43を得る以外は、第1の実施形態における図1(a)〜(d)の工程と同じであり、重複する説明を省略する。
本実施形態においては、次いで、図5(e)に示すように、エッチングされた3層の積層膜43の上に、胃酸やその他の消化液にも安定な難水溶性ポリマーを含む溶液をスピンコータ、バーコータ、ダイコータなどの塗布装置を用いて塗布した後、例えば50〜80℃の温度で5〜10分間加熱・乾燥して、バリヤ層8を形成する。難水溶性ポリマーを含む溶液は、積層膜43のエッチングされた部分にも入り込み、積層膜43全体を覆う連続するバリヤ層8が形成される。
続いて、図5(f)に示すように、切断工具、好ましくは少なくとも表面がセラミックからなる刃部を備えた切断工具9により、バリヤ層8をXY方向に、積層膜43のエッチング部分と同じ位置で切断する。
この後、図5(g)に示すように、切断されたバリヤ層8被覆の積層膜43を基板1から剥離することにより、アルカリ可溶層7上に、生体接着層2および薬剤層3が順に積層され、さらに、この積層体の側面および上面がバリヤ層8で覆われた固形製剤65が得られる。この固形製剤65は、微小な径を有するうえ、外観も良好で、また、製造過程で構成成分が変質することもないため、高い品質を備えている。ちなみに、この固形製剤65は、経口投与した場合に、腸に達して初めてアルカリ可溶層7が溶解し、生体接着層2のみが露出して腸壁に接着する構造となっているため、高い投薬効果を得ることができる。
このように、本発明の第3の実施形態においても、直径または辺の長さが300μm以下で外観に優れるうえ、成分の変質もない高品質の固形製剤を容易に得ることができる。
なお、この実施形態では、図5(a)の工程において、アルカリ可溶層7上に、生体接着層2および薬剤層3を順に形成しているが、アルカリ可溶層7上に、薬剤層3のみを形成してもよい。この場合、図6に示すような、アルカリ可溶層7上に薬剤層3が積層され、それらの側面と上面がバリヤ層8で覆われた固形製剤66が得られる。
なお、以上説明した第1乃至第3の実施の形態においては、フォトエッチング法によってエッチングレジスト5を形成しているが、印刷法や転写法などの他の方法を用いることも可能である。また、ステンレス鋼などからなるスリット状の開口パターンを有するエッチングマスクを使用してもよい。この場合、エッチングマスクのスリット状開口パターンの方向を変えて、エッチング工程を2回行うか、または、2枚のエッチングマスクをスリット状開口パターンの方向を変えて重ね合せてエッチングするようにすればよく、上記と同様のエッチングパターン形成が可能となる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、これらの実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例1
シリコーン系離型剤(ジメチルポリシロキサン)が塗布されたシリコン基板の上に、バーコータを用いて、生体接着性物質であるアルギン酸ナトリウムの水溶液(濃度3重量%)を塗布した後、25℃で1晩乾燥させた。乾燥後の膜厚は3μmであった。
次いで、得られた乾燥膜の上に、カルシトニンとポリエチレングリコール2000の混合水溶液(濃度10重量%)をバーコータを用いて塗布した後、低温下に2晩放置することにより乾燥させた。乾燥後の2層積層膜の膜厚は5μmであった。
こうして得られた2層積層膜の表面に、感光性レジストとしてジアゾナフトキノンノボラック樹脂を塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光し、さらに、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行い、開口幅5μm、開口ピッチ30μmのメッシュ状の開口パターンを有するエッチングレジストを形成した。次いで、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてエッチングした後、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いてエッチングレジストを除去した。
その後、エッチングされずに残った積層膜をシリコン基板から剥離したところ、約30μm角で、厚さが6μmの2層構造の固形製剤が得られた。得られた固形製剤は、外観が良好であった。
実施例2
シリコーン系離型剤(ジメチルポリシロキサン)が塗布されたシリコン基板の上に、バーコータを用いて、アルカリ可溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのトルエン‐エチルアルコール(80:20)混合溶液(濃度11重量%)を塗布した後、25℃で30分間加熱乾燥させた。乾燥後の膜厚は5μmであった。
次いで、得られた乾燥膜の上に、カルシトニンとポリエチレングリコール2000の混合水溶液(濃度10重量%)をバーコータを用いて塗布した後、低温下に2晩放置することにより乾燥させた。乾燥後の2層積層膜の膜厚は7μmであった。
こうして得られた2層積層膜の表面に、感光性レジストとしてジアゾナフトキノンノボラック樹脂を塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光し、さらに、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行い、開口幅5μm、開口ピッチ30μmのメッシュ状の開口パターンを有するエッチングレジストを形成した。次いで、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてエッチングした後、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いてエッチングレジストを除去した。
その後、エッチングされずに残った積層膜をシリコン基板から剥離したところ、約30μm角で、厚さが7μmの2層構造の固形製剤が得られた。得られた固形製剤は、外観が良好であった。
実施例3
シリコーン系離型剤(ジメチルポリシロキサン)が塗布されたシリコン基板の上に、バーコータを用いて、アルカリ可溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのトルエン‐エタノール(80:20)混合溶液(濃度11重量%)を塗布した後、25℃で30分間加熱乾燥させた。乾燥後の膜厚は5μmであった。
次いで、得られた乾燥膜の上に、インスリンとポリエチレングリコール2000の混合水溶液(濃度10重量%)をバーコータを用いて塗布した後、低温下に1晩放置して乾燥させた。乾燥後の2層積層膜の膜厚は7μmであった。
さらに、この2層積層膜上に、バーコータを用いて、アルカリ可溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのトルエン‐エタノール(80:20)混合溶液(濃度11重量%)を再度塗布し、25℃で30分間加熱乾燥させた。乾燥後の3層積層膜の膜厚は12μmであった。
こうして得られた2層積層膜の表面に、感光性レジストとしてジアゾナフトキノンノボラック樹脂を塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光し、さらに、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行い、開口幅5μm、開口ピッチ30μmのメッシュ状の開口パターンを有するエッチングレジストを形成した。次いで、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてエッチングした後、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いてエッチングレジストを除去した。
その後、エッチングされずに残った積層膜をシリコン基板から剥離したところ、約30μm角で、厚さが12μmの3層構造の固形製剤が得られた。得られた固形製剤は、外観が良好であった。
実施例4
シリコーン系離型剤(ジメチルポリシロキサン)が塗布されたシリコン基板の上に、バーコータを用いて、生体接着性物質であるアルギン酸ナトリウムの水溶液(濃度10重量%)を塗布した後、室温で1晩乾燥させた。乾燥後の膜厚は3μmであった。
次いで、得られた乾燥膜の上に、カルシトニンとポリエチレングリコール2000の混合水溶液(濃度10重量%)をバーコータを用いて塗布した後、低温下に2晩放置することにより乾燥させた。乾燥後の2層積層膜の膜厚は7μmであった。
さらに、この2層積層膜上に、バーコータを用いて、生体接着性物質であるアルギン酸ナトリウムの水溶液(濃度10重量%)を再度塗布し、室温で1晩乾燥させた。乾燥後の3層積層膜の膜厚は8μmであった。
こうして得られた3層積層膜の表面に、感光性レジストとしてジアゾナフトキノンノボラック樹脂を塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光し、さらに、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行い、開口幅5μm、開口ピッチ30μmのメッシュ状の開口パターンを有するエッチングレジストを形成した。次いで、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてエッチングした後、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いてエッチングレジストを除去した。
その後、エッチングされずに残った積層膜をシリコン基板から剥離したところ、約30μm角で、厚さが8μmの3層構造の固形製剤が得られた。得られた固形製剤は、外観が良好であった。
実施例5
シリコーン系離型剤(ジメチルポリシロキサン)が塗布されたシリコン基板の上に、バーコータを用いて、アルカリ可溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのトルエン‐エチルアルコール(80:20)混合溶液(濃度11重量%)を塗布した後、25℃で30分間加熱乾燥させた。乾燥後の膜厚は5μmであった。
次いで、得られた乾燥膜の上に、生体接着性物質であるアルギン酸ナトリウムの水溶液(濃度3重量%)をバーコータを用いて塗布した後、25℃で1晩乾燥させた。乾燥後の2層積層膜の膜厚は8μmであった。
さらに、この2層積層膜上に、バーコータを用いて、インスリンとポリエチレングリコール2000の混合水溶液(濃度10重量%)を塗布した後、低温下に1晩放置して乾燥させた。乾燥後の3層積層膜の膜厚は10μmであった。
この3層積層膜上に、バリヤ層となるエチルセルロースの酢酸エチル−エチルアルコール(90:10)混合溶液(濃度20重量%)をバーコータを用いて塗布した後、25℃で30分間加熱乾燥させた。乾燥後の4層積層膜の膜厚は16μmであった。
こうして得られた4層積層膜の表面に、感光性レジストとしてウレタンアクリレートを塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光し、さらに、酢酸エチル−エチルアルコール(90:10)混合溶液を用いて現像を行い、開口幅5μm、開口ピッチ30μmのメッシュ状の開口パターンを有するエッチングレジストを形成するとともに、その下層のバリヤ層をエッチングした。次いで、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてエッチングした後、2重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてエッチングレジストを除去した。
その後、エッチングされずに残った積層膜をシリコン基板から剥離したところ、約30μm角で、厚さが16μmの4層構造の固形製剤が得られた。得られた固形製剤は、外観が良好であった。
実施例6
シリコーン系離型剤(ジメチルポリシロキサン)が塗布されたシリコン基板の上に、バーコータを用いて、アルカリ可溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのトルエン‐エチルアルコール(80:20)混合溶液(濃度11重量%)を塗布した後、25℃で30分間加熱乾燥させた。乾燥後の膜厚は5μmであった。
次いで、得られた乾燥膜の上に、生体接着性物質であるアルギン酸ナトリウムの水溶液(濃度10重量%)をバーコータを用いて塗布した後、25℃で1晩乾燥させた。乾燥後の2層積層膜の膜厚は8μmであった。
さらに、この2層積層膜上に、バーコータを用いて、インスリンとポリエチレングリコール2000の混合水溶液(濃度10重量%)を塗布した後、低温下に1晩放置して乾燥させた。乾燥後の3層積層膜の膜厚は10μmであった。
こうして得られた3層積層膜の表面に、感光性レジストとしてジアゾナフトキノンノボラック樹脂を塗布し、フォトマスクを用いて紫外線露光し、さらに、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行い、開口幅5μm、開口ピッチ30μmのメッシュ状の開口パターンを有するエッチングレジストを形成した。次いで、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてエッチングした後、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いてエッチングレジストを除去した。
その後、エッチングされずに残った積層膜をシリコン基板から剥離したところ、約30μm角で、厚さが10μmの3層構造の固形製剤が得られた。得られた固形製剤は、外観が良好であった。
実施例7
シリコーン系離型剤(ジメチルポリシロキサン)が塗布されたシリコン基板の上に、実施例5と同様にして、乾燥後の膜厚が10μmの3層積層膜を形成し、さらに、エッチングレジストの形成、エッチング、エッチングレジストの除去の各工程を順に行った。
次いで、エッチング処理を行った3層積層膜上に、エチルセルロースの酢酸エチル−エチルアルコール(90:10)混合溶液(濃度20重量%)をバーコータを用いて塗布した後、25℃で30分間加熱乾燥させた。乾燥後の膜厚は16μmであった。
こうして形成したバリヤ層を、刃角55°の両刃形状の刃先を有し、肉厚が3μmのセラミック製(ZrO:95重量部‐Al5重量部,Y:3mol%)の刃を32μmピッチで装着したプレートカッターを用いて、XY方向に、3層積層膜のエッチング部分と同じ位置で切断した。
その後、切断処理した積層膜をシリコン基板から剥離したところ、約32μm角で、厚さが16μmの固形製剤が得られた。得られた固形製剤は、外観が良好であった。
本発明の固形製剤の製造方法の第1の実施形態を説明する断面図である。 第1の実施形態の変形例により製造される固形製剤を示す断面図である。 第1の実施形態の変形例により製造される固形製剤を示す断面図である。 本発明の固形製剤の製造方法の第2の実施形態を説明する断面図である。 本発明の固形製剤の製造方法の第3の実施形態を説明する断面図である。 第3の実施形態の変形例により製造される固形製剤を示す断面図である。
符号の説明
1…基板、2…生体接着層、3…薬剤層、5…エッチングレジスト、7…アルカリ可溶層、8…バリヤ層、9…切断工具、41〜43…積層膜、61〜66…固形製剤

Claims (9)

  1. 基板上に薬剤を含有する高分子膜を形成し、この高分子膜をエッチングして複数の微小高分子膜に分割した後、前記複数の微小高分子膜を前記基板から剥離することを特徴とする固形製剤の製造方法。
  2. 前記微小高分子膜は、直径または辺の長さが5〜300μmの円形乃至方形状を有することを特徴とする請求項1記載の固形製剤の製造方法。
  3. 前記エッチングは、スリット状の開口パターンを有するエッチングマスクを用いて行うことを特徴とする請求項1または2記載の固形製剤の製造方法。
  4. 前記エッチングは、高分子膜表面に形成したメッシュ状の開口パターンを有するエッチングレジストをマスクにして行うことを特徴とする請求項1または2記載の固形製剤の製造方法。
  5. 開口パターンの開口幅が1〜300μmであることを特徴とする請求項3または4記載の固形製剤の製造方法。
  6. 前記高分子膜は、厚さが3〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の固形製剤の製造方法。
  7. 前記高分子膜は、複数の層を有する高分子膜であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の固形製剤の製造方法。
  8. 前記高分子膜は、薬剤を含有する第1の層と、生体接着層およびアルカリ可溶層から選ばれる第2の層を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の固形製剤の製造方法。
  9. (a)基板上に薬剤を含有する第1の高分子膜を形成する工程と、
    (b)前記第1の高分子膜をエッチングして複数の微小高分子膜に分割する工程と、
    (c)前記複数の微小高分子膜を個々に覆うように第2の高分子膜を被覆する工程と、
    (d)前記第2の高分子膜を前記第1の高分子膜の分割位置とほぼ同一位置で、少なくとも表面がセラミックからなる刃部を備えた切断工具により切断する工程と、
    (e)前記第2の高分子膜で被覆され切断された前記複数の微小高分子膜を前記基板から剥離する工程
    を具備することを特徴とする固形製剤の製造方法。
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JP2006199660A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Kyocera Chemical Corp 固形製剤及びその製造方法

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