JP2006036575A - 単層カーボンナノチューブ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本カーボンナノチューブ製造方法は、アーク放電法に基づく製造方法であって、単層カーボンナノチューブを生成する雰囲気ガスとして、ネオン及び水素を含み、そのうちのネオンの含有割合が35〜65モル%である混合ガスを使用する。好ましくは、アーク放電の発生に使用する陽極が、鉄触媒を含有する。得られた単層カーボンナノチューブ集合体に含まれる単層カーボンナノチューブは、80質量%以上が1nm未満の直径である。好ましくは、前記単層カーボンナノチューブは、直径分布のピークが0.7〜0.9nmの範囲内にある。
【選択図】 図24
Description
これらの製造方法で得られるカーボンナノチューブ含有生成物(以下、「カーボンナノチューブ集合体」という。)では、その中に含まれるカーボンナノチューブの構造が多様であり、典型的には直径の異なるカーボンナノチューブが複数種類混在している。
ところで、カーボンナノチューブの性質は、構造の違いによって、異なっていることが知られている。例えば、カーボンナノチューブは、その直径の大小(換言すれば、サイズの大小)によって、金属的な性質であったり、半導体的な性質であったりする。従って、カーボンナノチューブのサイズ(直径)に応じて用途が全く異なり得る。このため、得られるカーボンナノチューブ集合体中に含まれるカーボンナノチューブは、できるだけ性状の等しいもので占められることが好ましく、このため、生成されるカーボンナノチューブの直径を制御して製造する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1〜3及び非特許文献1参照)。
そこで本発明は、かかる従来の課題を解決すべく開発されたものであり、直径の小さな(例えば、1nm未満の)単層カーボンナノチューブを高い割合で含むカーボンナノチューブ集合体を製造する方法、即ち、直径の小さな(例えば、1nm未満の)単層カーボンナノチューブを選択的に製造する方法を提供することを目的とする。
そして、ここで開示される一つの方法は、前記単層カーボンナノチューブを生成するためのアーク放電を行う領域に導入する雰囲気ガスとして、ネオン(Ne)及び水素(H2)を含む混合ガスを使用する。好ましくは、その混合ガスのうちのネオン(Ne)の含有割合は35〜65モル%であることを特徴とする。
また、ここで開示される他の方法では、上記ネオン/水素ガスに代えて、単層カーボンナノチューブを生成するためのアーク放電を行う領域に導入する雰囲気ガスとして、窒素(N2)及び水素(H2)を含む混合ガスを使用する。好ましくは、その混合ガスのうちの窒素(N2)の含有割合は60モル%を超えて80モル%未満であることを特徴とする。
また、「単層カーボンナノチューブ」とは、グラファイトシートが、ナノメートルサイズ(数nm)の直径の円筒状に一層巻かれたようなチューブ構造を有するカーボン構造体をいい、特別の形態(例えば、長さや断面形状)に限定されない。
他の好ましい態様において、前記雰囲気ガス圧を1×104〜5×104Paの範囲内に調整する。雰囲気ガス圧をこの範囲内に制御することによって、ここで開示されるアーク放電法によって効率よく高い割合で、直径の小さな(例えば、1nm未満の)単層カーボンナノチューブを得ることができる。
ここで、「単層カーボンナノチューブの直径」は、特に限定することを意図していないが、典型的にはラマン分析法によって測定し得る。即ち、ラマンスペクトルの低波数側のピークは単層カーボンナノチューブに特有なピークで、ラジアルブリージングモード(RBM;Radial breathing mode)と呼ばれ、ナノチューブの直径が軸対称的に伸縮する振動モードに対応するため、そのシフト量はおおまかにナノチューブの直径に反比例する。例えば、267cm−1付近に認められるピークは、直径が約0.8nmの単層カーボンナノチューブに該当し、一方、185cm−1付近に認められるピークは、直径が約1.3nmの単層カーボンナノチューブに該当する。従って、かかるラマンスペクトル解析によって、カーボンナノチューブ集合体に含まれるカーボンナノチューブの直径分布を知ることができる。
また、「単層カーボンナノチューブの集合体」とは、複数の単層カーボンナノチューブを含む集合物(構造物)をいい、その容積は限定されない。
このような組成の雰囲気ガスを用いることにより、直径の小さな(即ち、約1nm未満の)単層カーボンナノチューブを選択的に高い割合で得ることができる。上記組成の雰囲気ガスのうち、ネオンと水素との混合ガスがより高い選択性を示すとともにカーボンナノチューブ自体の収率が高いために好ましい。
アーク放電を印加する電極は、耐熱性導電材料から構成される。通常少なくとも陽極には、カーボンを蒸発可能なように、炭素質材料を含む。特に炭素質材料としてはグラファイトが好ましい。好ましくは、単層カーボンナノチューブを効率よく製造可能なように、少なくとも陽極には単層カーボンナノチューブ合成用触媒材料を含む。触媒としては、アーク放電法で単層カーボンナノチューブを製造するために従来公知のいずれの触媒を用いてもよい。好ましくは鉄触媒(即ち、鉄成分を含む)である。鉄触媒を陽極に用いることにより、直径の小さな単層カーボンナノチューブを効率よく選択的に製造することができる。陽極中における鉄の含有率は、特に限定しないが、例えば、0.5〜5モル%、好ましくは0.5〜2モル%、より好ましくは0.8〜1.5モル%である。
具体的には、アーク放電法によって、以下のように単層カーボンナノチューブを含む炭素質生成物を得ることができる。即ち、上記のような所定の組成の雰囲気ガスを導入した領域中で、触媒金属を含む陽極(典型的には棒状)と陰極(典型的には棒状)との間に電圧を印加し、電流を供給する。この結果発生したアーク放電によるアーク熱で、陽極からカーボンが蒸発する。蒸発したカーボンは、電極間の隙間でアーク熱と触媒を用いた場合には触媒作用により単層カーボンナノチューブを含む生成物を形成する。アーク放電法で得られたカーボンナノチューブは、収率が高いとともに、その品質に優れる。
また、集合体に含まれる単層カーボンナノチューブの直径分布のピークが、典型的には約0.7〜0.9nmの範囲内、好ましくは約0.8nm(例えば、0.78〜0.83nm程度)に制御されている。若しくは、集合体に含まれる単層カーボンナノチューブの平均直径が、典型的には約1nm未満、好ましくは約0.95nm以下、特に約0.9nm以下である。
このように小さな直径を高い割合で含有する単層カーボンナノチューブの集合体は、安定した電気的な性質を有する。このため、種々の電子部品等に好適に用いることができる。
また、無機酸を添加することによって精製することができる。無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、亜硝酸等を特に制限なく用いることができる。塩酸の使用が好ましい。
さらに、回収物に対し、酸化又は溶解された不純物を洗浄するために、洗浄液によって洗浄することが好ましい。洗浄液としては、不純物の少ない水又はアルコール、例えばエタノールが好ましい。また、洗浄効果を向上するために、超音波をかけて洗浄することが好適である。この洗浄工程は、一回であってもよく、或いは複数繰り返して行われる。得られた単層カーボンナノチューブの集合体は、例えば、吸引濾過等の手段によって回収することができる。
<実施例>
カーボンナノチューブを具体的に製造する方法を説明する。まず、使用した単層カーボンナノチューブの製造装置についてその一例を図面を参照して説明する。
(1)製造装置
図1に単層カーボンナノチューブ製造装置1の一構成例を示す。この装置1は、大まかに言って、反応容器3と、一対の電極13,15と、ガス供給手段7と、から構成される。
一対の電極13,15は、陽極13及び陰極15がいずれも棒状に形成されている。陽極13は、反応容器3内においてその中心軸を略垂直方向に配置されている。一方、陰極15は、陽極13に対して斜め(略20〜50°、特に30°)の角度をもって、その一端16が陽極13の一端14に対して向かい合う位置に配置されている。陽極13と陰極15の隙間のサイズは特に限定されないが、例えば、アーク放電による単層カーボンナノチューブ発生効率が高い0.1〜10mm、特に0.5〜5mm程度が好適である。尚、図1では、陽極13と陰極15とが鋭角で配置されているが、陽極13と陰極15との一端が互いに向かい合っていればよい。従って、陽極13と陰極15とが互いに水平方向に、或いは垂直方向に向かい合って配置されていてもよい。陽極13及び陰極15には、陽極13と陰極15の間にアーク放電を発生し得る電圧を印加可能な直流電源23が接続されている。尚、ここでは電源を直流としているが、交流電源とすることもできる。
次に、このような製造装置1を用いて、単層カーボンナノチューブ集合体を合成した。まず、上述したような陽極13及び陰極15を用意し、所定間隔に設定して反応容器3内の図示しない電極保持部に配置した。尚、陽極13としては、鉄触媒を1モル%含むグラファイト棒を用いた。そして、容器3に設けられた排出部11のバルブ44を開け、当該排出口45に接続する真空ポンプ49を作動させて、反応容器3内を排気・減圧した。容器3内の圧力が減圧され、13〜1.3×10−3Pa程度の高真空になったら、バルブ44を閉め、その後、ガス供給手段7により雰囲気ガスを導入した。雰囲気ガスとしてネオンガス及び水素ガスを導入した。即ち、真空ポンプ49とガス供給手段7により、反応容器3内におけるネオンガスの分圧を約1.0×104Pa(80Torr)、及び水素ガスの分圧を約1.6×104Pa(120Torr)に調整した。この結果、雰囲気ガスの組成は、ネオンガス:水素ガス=4:6であった。
そして、陽極13と陰極15間に電圧を印加し、直流電源23から電流(50A)を供給した。この結果発生したアーク放電によるアーク熱で、陽極13からカーボンを蒸発させた。電圧は、30〜40V程度に設定した。また、印加された電圧から、アーク放電状態を制御機構53で演算し、アーク放電で蒸発したカーボンの消耗に応じて制御信号を入出力回路55からモータ21及びソレノイド22に出力し、陽極13の移動、陰極15の回転を行った。
本装置1を作動して単層カーボンナノチューブを所定量堆積させた後、得られた単層カーボンナノチューブの集合体60は、反応容器3前面に開閉可能に設けられた図示しない蓋部を開き、例えばピンセット等で容器3内から剥離して取り出した(サンプルNo.1とする。)。本装置1によると、単層カーボンナノチューブの集合体60は、反応容器3全面に広く均一に分散しているため、ピンセットでも容易に取り出すことができる。
尚、本実施例で得られた単層カーボンナノチューブ集合体(サンプルNo.1)は、上記の通り、未精製のものであるが、以下のようにして精製することができる。即ち、上記のようにして得られた単層カーボンナノチューブ集合体60には、単層カーボンナノチューブとともに、触媒、例えば鉄粉末及び不純物炭素が含まれている。このため、次に、これら触媒及び不純物炭素を低減する、即ち、単層カーボンナノチューブの精製処理を行うことができる。精製処理手順を以下に示す。
まず、単層カーボンナノチューブ集合体200mgとエタノール50mlを100mlビーカーの中に入れて、30分間超音波にかける。次いで、これを吸引濾過して流体を除去し、単層カーボンナノチューブ集合体を回収する。そして、これを2つに分け、そのうちの一方を環流用パイプを備えたフラスコに入れ、濃度30%の市販の過酸化水素水150mlを逐次加えながら、加熱還流処理を行う。その120分経過後に、加熱を止め、還流処理を終了させる。そして、冷却後、上澄み液を排出させる。同様に、残りについても、還流処理を行う。
得られた還流処理液を遠心分離機(11000rpm)にかけ、遠心分離処理を行い、沈殿物を回収する。この沈殿物に塩酸(濃度:約36%)100mlを加え、超音波にかける。12時間放置後、静かに上澄み液を捨て、単層カーボンナノチューブを含む画分を回収する。次いで、回収画分に蒸留水を加え、超音波にかける。放置後、上澄み液を捨て、エタノールを加え、超音波にかける。その後、吸引濾過することにより、精製した単層カーボンナノチューブ集合体を得ることができる。
上記のようにして得られた未精製単層カーボンナノチューブ集合体サンプルNo.1のラマンスペクトルを観察した。ラマンスペクトルは、ラマン分光測定装置、即ち、Jobin Yvon株式会社製のRAMANOR T64000によって、測定した。高波数側の結果(チャート)を図2に、及び低波数側の結果(チャート)を図3に示す。尚、縦軸は強度(Intensity、arbitrary units)を示し、横軸はラマンシフト(Raman shift、cm−1)を示す。図2から明らかなように、得られたカーボンナノチューブの高波数側のラマンスペクトルは、1593cm−1付近にシャープなピークが観察され、他方、1340cm−1付近には弱いピークしか観察されなかった。従って、得られたカーボンナノチューブは、高い純度で、かつ高い結晶性を示すことが判る。
また、図3から明らかなように、得られたカーボンナノチューブの低波数側のラマンスペクトルは、267cm−1付近に大きなピークが観察された。このピークは、直径が約0.8nmの単層カーボンナノチューブに対応する。尚、約185cm−1付近にあらわれるピークは、直径約1.3nmのカーボンナノチューブに対応するが、本サンプルにおいては、かかる部位に目立ったピークは認められなかった。従って、本サンプルにおいて、直径が約0.8nmの単層カーボンナノチューブが選択的に高率に含まれていることが判る。より詳細に、これら直径の単層カーボンナノチューブの混在割合をバックグラウンドを差し引いたピーク面積比によって求めた。この結果、約0.8nmの直径の単層カーボンナノチューブと、約1.3nmの直径の単層カーボンナノチューブとの比(0.8nmカーボンナノチューブ:1.3nmカーボンナノチューブ)は、およそ9.2:0.8であった。従って、サンプルNo.1に含まれるカーボンナノチューブの平均直径は、約0.84nmであることが確認された。
種々の組成比におけるネオン及び水素の混合雰囲気ガス下において、前記(2)に示した単層カーボンナノチューブ集合体の合成プロセスを行い、単層カーボンナノチューブ集合体を合成した。即ち、雰囲気ガスを水素のみとして、上記プロセスを実行し、カーボンナノチューブ集合体を得た(サンプルNo.2)。また、雰囲気ガスをネオン:水素=1:9(モル比)の混合ガスとして、上記プロセスを実行し、カーボンナノチューブ集合体を得た(サンプルNo.3)。以下、同様にして、サンプルNo.4は、雰囲気ガスをネオン:水素=2:8(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体であり、サンプルNo.5は、雰囲気ガスをネオン:水素=3:7(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体であり、サンプルNo.6は、雰囲気ガスをネオン:水素=5:5(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体であり、サンプルNo.7は、雰囲気ガスをネオン:水素=6:4(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体であり、サンプルNo.8は、雰囲気ガスをネオン:水素=7:3(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体であり、サンプルNo.9は、雰囲気ガスをネオン:水素=8:2(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体であり、サンプルNo.10は、雰囲気ガスをネオン:水素=9:1(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体であり、そして、サンプルNo.11は、雰囲気ガスをネオンのみとしたときのカーボンナノチューブ集合体である。
単層カーボンナノチューブ集合体サンプルNo.2〜11のラマンスペクトルを前記(4)で説明したのと同様の手順で観察した。結果(チャート)を図4〜図23に示す。即ち、図4〜図13は、各サンプルの高波数側のラマンスペクトルである。図4は、サンプルNo.2、図5は、サンプルNo.3、図6は、サンプルNo.4、図7は、サンプルNo.5、図8は、サンプルNo.6、図9は、サンプルNo.7、図10は、サンプルNo.8、図11は、サンプルNo.9、図12は、サンプルNo.10、図13は、サンプルNo.11に対応する。図4〜図13から明らかなように、得られたカーボンナノチューブの高波数側のラマンスペクトルは、いずれも1593cm−1付近にシャープなピークが観察され、1340cm−1付近には弱いピークしか観察されなかった。従って、得られたカーボンナノチューブは、高い純度で、かつ高い結晶性を示すことが判る。
他方、図14〜図23は、各サンプルの低波数側のラマンスペクトルである。図14は、サンプルNo.2、図15は、サンプルNo.3、図16は、サンプルNo.4、図17は、サンプルNo.5、図18は、サンプルNo.6、図19は、サンプルNo.7、図20は、サンプルNo.8、図21は、サンプルNo.9、図22は、サンプルNo.10、図23は、サンプルNo.11に対応する。図14〜図23から明らかなように、サンプルNo.2〜10については、得られた単層カーボンナノチューブの低波数側のラマンスペクトルは、267cm−1付近に大きなピークが観察された。
次に、この結果から、得られた単層カーボンナノチューブ集合体の平均直径を求めた。結果を表1に示す。
種々の組成比における窒素及び水素の混合雰囲気ガス下において、前記(2)に示した単層カーボンナノチューブ集合体の合成プロセスを行い、単層カーボンナノチューブ集合体を合成した。即ち、雰囲気ガスを窒素:水素=4:6(モル比)の混合ガスとして、上記プロセスを実行し、カーボンナノチューブ集合体を得た(サンプルNo.12)。また、雰囲気ガスを窒素:水素=5:5(モル比)の混合ガスとして、上記プロセスを実行し、カーボンナノチューブ集合体を得た(サンプルNo.13)。以下、同様にして、サンプルNo.14は、雰囲気ガスを窒素:水素=6:4(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体であり、サンプルNo.15は、雰囲気ガスを窒素:水素=7:3(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体であり、サンプルNo.16は、雰囲気ガスを窒素:水素=8:2(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体であり、そして、サンプルNo.17は、雰囲気ガスを窒素:水素=9:1(モル比)の混合ガスとしたときのカーボンナノチューブ集合体である。
単層カーボンナノチューブ集合体サンプルNo.12〜17のラマンスペクトルを前記(4)で説明したのと同様の手順で観察した。結果(チャート)を図25〜図36に示す。即ち、図25〜図30は、各サンプルの高波数側のラマンスペクトルである。図25は、サンプルNo.12、図26は、サンプルNo.13、図27は、サンプルNo.14、図28は、サンプルNo.15、図29は、サンプルNo.16、図30は、サンプルNo.17に対応する。図25〜図30から明らかなように、得られたカーボンナノチューブの高波数側のラマンスペクトルは、いずれも1593cm−1付近にシャープなピークが観察され、1340cm−1付近には弱いピークしか観察されなかった。従って、得られたカーボンナノチューブは、高い純度で、かつ高い結晶性を示すことが判る。
他方、図31〜図36は、各サンプルの低波数側のラマンスペクトルである。図31は、サンプルNo.12、図32は、サンプルNo.13、図33は、サンプルNo.14、図34は、サンプルNo.15、図35は、サンプルNo.16、図36は、サンプルNo.17に対応する。図31〜図36から明らかなように、サンプルNo.12〜17については、得られた単層カーボンナノチューブの低波数側のラマンスペクトルは、267cm−1付近にピークが観察された。
3……反応容器
7……ガス供給手段
11…排出部
13…陽極
15…陰極
31…ガス供給口
49…真空ポンプ
Claims (6)
- アーク放電法に基づいて単層カーボンナノチューブを製造する方法であって、
前記単層カーボンナノチューブを生成するためのアーク放電を行う領域に導入する雰囲気ガスとして、ネオン及び水素を含み、そのうちのネオンの含有割合が35〜65モル%である混合ガスを使用する、製造方法。 - アーク放電法に基づいて単層カーボンナノチューブを製造する方法であって、
前記単層カーボンナノチューブを生成するためのアーク放電を行う領域に導入する雰囲気ガスとして、窒素及び水素を含み、そのうちの窒素の含有割合が60モル%を超えて80モル%未満である混合ガスを使用する、製造方法。 - アーク放電の発生に使用する陽極が、鉄触媒を含有する、請求項1又は2記載の製造方法。
- 前記アーク放電を行う領域に導入した雰囲気ガス圧を1×104〜5×104Paの範囲内に調整する、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の製造方法。
- アーク放電法に基づいて得られたカーボンナノチューブの集合体であって、
前記集合体を構成するカーボンナノチューブの80質量%以上が1nm未満の直径の単層カーボンナノチューブである、カーボンナノチューブ集合体。 - 前記集合体を構成する単層カーボンナノチューブの直径分布のピークが0.7〜0.9nmの範囲内にある、請求項5記載のカーボンナノチューブ集合体。
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