JP2006213590A - 極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体及びその製造方法 - Google Patents

極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ナノサイズのエレクトロニクス材料やオプトエレクトロニクス材料などとして有用な直径が制御された極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体及びその効率的、且つ大量・安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】直径が2.0nm未満の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体。好ましくは直径が0.6nm〜1nmの極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体。2種類の分解温度の異なる炭素源を使用し、それらの割合を変えることにより、単層カーボンナノチューブの直径を制御し、極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体を製造する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、直径が2.0nm未満、特に0.6nm〜1.0nmである極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体及びこの炭素繊維集合体を大量かつ安価に製造することができる製造方法に関する。
単層カーボンナノチューブを合成するための方法として大別してアーク放電法(特許文献1参照)、レーザー蒸発法(非特許文献1参照)、化学蒸着法(CVD法)(特許文献2参照)の3種類の手法が知られている。
これらの中でCVD法は、大量・安価に合成するための有効な方法であり、中でも触媒の前駆体若しくは粒径のきわめて小さい触媒を含む含炭素原料をスプレー等で霧状にして高温の電気炉に導入することによって合成する流動気相法(特許文献2参照)は、最も大量合成に適した方法の1つである。
従来のCVD法では金属微超粒子の直径によって生成される単層カーボンナノチューブの直径を2〜3nm程度に制御することが可能であることが知られている(非特許文献2参照)が、それ以下の直径の単層カーボンナノチューブの選択的な合成は非常に困難であり、中でも直径1.0nm以下の極細単層カーボンナノチューブを選択的に生成することはできなかった。
また、これまで極細単層カーボンナノチューブを生成する方法はレーザー蒸発法において触媒金属もしくは雰囲気温度を調整することによって行う方法が知られているが(特許文献3参照)、上記のようにレーザー蒸発法は大量合成方法として適していないという問題があった。
特開平7−197325号公報 特開2001−80913号公報 特開平10−273308号公報 「Science」誌,vol.273,1996年発行),p483 「Journal of Physical Chemistry B」誌,vol.106,2002(2002年2月16日発行),p2429
本発明は、ナノサイズのエレクトロニクス材料やオプトエレクトロニクス材料などとして有用な直径が制御された極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体及びその効率的、且つ大量・安価に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前期課題を解決すべく鋭意検討した結果、単層カーボンナノチューブの流動気相CVD法による製造方法において、炭素源となる原料の種類と割合を変えることで、単層カーボンナノチューブの直径を制御できることを知見し、本発明に到達した。
すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
1)直径が2.0nm未満の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体。
2)直径が0.6nm〜1nmの極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体。
3)極細単層カーボンナノチューブの含有量が全体の70%以上であることを特徴とする上記1)又は2)に記載の炭素繊維集合体。
4)単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の流動気相CVD法による製造方法において、分解温度の異なる2種類の炭素源を使用し、それらの割合を変えることにより、単層カーボンナノチューブの直径を制御することを特徴とする極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
5)単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の流動気相CVD法による製造方法において、反応器内に導入する第一の炭素源である炭化水素よりも、より低い温度で熱分解する炭化水素を第二の炭素源として反応器内に導入することにより、単層カーボンナノチューブの直径を制御することを特徴とする極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
6)第一の炭素源である炭化水素と触媒とを反応器内に導入することを特徴とする上記4)又は5)記載の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
7)第一の炭素源である炭化水素と共に、遷移金属原子を含有する触媒と硫黄原子を含有する硫黄化合物を反応容器内に導入することを特徴とする上記5)又は6)記載の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
8)第一の炭素源である炭化水素として、トルエン、ベンゼン、キシレン、デカリン、テトラリン及びヘキサンから選択した1成分以上の化合物を用いることを特徴とする上記5)〜7)のいずれかに記載の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
9)第二の炭素源である炭化水素として、エチレン又はアセチレンを用いることを特徴とする上記5)〜8)のいずれかに記載の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
10)極細単層カーボンナノチューブが、直径が2.0nm未満であることを特徴とする上記5)〜9)のいずれかに記載の炭素繊維集合体の製造方法。
11)極細単層カーボンナノチューブが、直径が0.6nm〜1.0nmであることを特徴とする上記5)〜9)のいずれかに記載の炭素繊維集合体の製造方法。
12)極細単層カーボンナノチューブの含有量が全体の70%以上であることを特徴とする上記10)又は11)に記載の炭素繊維集合体の製造方法。
本発明に係る炭素繊維集合体は、直径が2.0nm未満、特に0.6nm〜1.0nmの極細単層カーボンナノチューブからなるので、半導体としては特性の均質化、光学材料としては発光効率の向上といった顕著な作用効果を奏するものであり、炭素繊維集合体を容易に得ることができるという著しい効果を有する。
また、本発明に係る炭素繊維集合体の製造方法は、流動気相CVD法における炭素源となる原料の種類とその割合を単に変えることで、単層カーボンナノチューブの直径を極細に制御することができ、直径が制御された単層カーボンナノチューブとして、直径が2.0nm未満、特に0.6nm〜1.0nmである極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体を容易に得ることができるという多大な効果を有する。
本発明に係る炭素繊維集合体は、直径が2.0nm未満好ましくは直径が0.6nm〜1nmの極細単層カーボンナノチューブからなる。そして、この極細単層カーボンナノチューブ含有量は当該炭素繊維集合体全体の70%以上、好ましくは80%以上であることが望ましい。また、炭素繊維集合体の直径は、通常2.0nm〜5.0nmである。
この炭素繊維集合体は、これを構成する単層カーボンナノチューブの直径が従来のものと異なり、極めて極細であることから、無機の半導体材料において現在広く用いられているシリコンなどと同程度のバンドギャップを有しており、また光学材料として用いることが可能な程度の発光効率で蛍光を発するといった特性を有する。したがって、この特性を利用することにより、エレクトロニクス材料やオプトエレクトロニクス材料として利用することができる。
このような炭素繊維集合体は、単層カーボンナノチューブの流動気相CVD法による製造方法において、炭素源となる原料の種類とその割合を変えることで、製造することができる。
具体的には、流動気相CVD法において、第一の炭素源を反応器内に導入し、これよりも、より低い温度で熱分解する炭化水素を第二の炭素源として反応器内に導入し、かつ両者の流量を制御することにより、その直径が従来のものと著しく異なり極細の単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体を得ることができる。
第一の炭素源として使用する炭化水素は、特に制約されないが、後記する触媒や反応促進剤を溶解させるものが好ましい。このような炭化水素としては、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、長鎖脂肪族炭化水素などが挙げられる。
特に、トルエン、ベンゼン、キシレン、ナフタレン、アントラセン、デカリン、テトラリン、シクロヘキサン、ヘキサン等を挙げることができる。中でもベンゼン、トルエンが好ましく用いられる。
前記第二炭素源として使用する炭化水素も、特に制限されないが、第一の炭素源である炭化水素よりもより低い温度で熱分解するものであることが必要である。
このような炭化水素としては、エチレン、プロピレン、アセチレンなどの不飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。具体的には、トルエンを第一の炭素源とした場合には、第二の炭素源としてエチレンやアセチレン等を使用することができる。エチレンを用いる場合には生成する極細単層カーボンナノチューブの品質が高いという利点、アセチレンの場合には反応温度を下げられ、たとえば800°Cでも反応が進行するといった利点があり、どちらも好ましい。
第一炭素源と第二炭素源の使用割合は、それぞれの炭素源の種類や反応温度、合成したい単層カーボンナノチューブの直径などの条件によって定められるが、通常、含まれる炭素の重量比でエチレンの場合には第一炭素源:第二炭素源=1:2、アセチレンの場合には第一炭素源:第二炭素源=5:1程度である。
本発明の製造方法では、触媒を使用することが好ましい。使用する触媒は金属の種類やその形態の違いに特に制限されるものではないが、遷移金属化合物又は遷移金属超微粒子が好ましく用いられる。
前記遷移金属化合物は、反応管内で分解することにより、触媒としての遷移金属粒子を発生することができ、反応管内における800〜1200°Cの温度に維持された反応領域に、気体の状態で供給されるのが好ましく、所定の反応温度にまで昇温される前に、完全に気化することができるものが好適である。
前記遷移金属原子としては、鉄、ニッケル、コバルト、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン等を挙げることができ、中でもより好ましいのは鉄、ニッケル、コバルトである。
前記遷移金属化合物としては、例えば、有機遷移金属化合物、無機遷移金属化合物等を挙げることができる。前記有機遷移金属化合物としては、フェロセン、ニッケロセン、コバルトセン、鉄カルボニル、アセチルアセトナート鉄、オレイン酸鉄等を挙げることができ、より好ましくはフェロセンである。前記無機遷移金属化合物としては塩化鉄等を挙げることができる。
本発明の製造方法においては、更に硫黄化合物を添加することが好ましい。この硫黄化合物は触媒である遷移金属と相互作用して、単層カーボンナノチューブの生成を促進する作用を有する。このような硫黄化合物としては、有機硫黄化合物、無機硫黄化合物を挙げることができる。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、チアナフテン、ベンゾチオフェン、チオフェン等の含硫黄複素環式化合物を挙げることができ、前記無機硫黄化合物としては、例えば、硫化水素等を挙げることができる。
以下、本発明の特徴を、図に沿って具体的に説明する。なお、以下の説明は、本願発明の理解を容易にするためのものであり、これらの具体例に制限されるものではない。すなわち、本願発明の技術思想に基づく変形、実施態様、他の例は、本願発明に含まれるものである。
図1に、本発明の単層カーボンナノチューブ製造装置の概略図を示す。本装置は電気炉1、反応管2、スプレーノズル3、第一キャリアガス流量計4、第ニキャリアガス流量計5、マイクロフィーダー6、回収フィルター7、第二炭素源流量計8、ガス混合器9、整流板10で構成されている。
この製造装置よって、たとえば、直径が2.0nm未満の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体を製造するには、遷移金属原子を含有する触媒と、硫黄原子を含有する硫黄化合物と、第一の炭素源である炭化水素と、第二の炭素源である炭化水素と、キャリアガスとを混合して得られるこれらの原料混合物を、800〜1200°Cの温度に維持された反応管2の反応領域に、マイクロフィーダー6、スプレーノズル3を経て、供給すればよい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例は、本願発明の理解を容易にするためのものであり、これらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本願発明の技術思想に基づく変形、実施態様、他の例は、本願発明に含まれるものである。
(実施例1)
図1に示すように、縦型の単層カーボンナノチューブ製造装置を使用した。本装置は4kWの電気炉1、内径5.0cm、外径5.5cmの石英製反応管2、スプレーノズル3、第一キャリアガス流量計4、第二キャリアガス流量計5、マイクロフィーダー6、回収フィルター7、第二炭素源流量計8、ガス混合器9、整流板10で構成されている。
マイクロフィーダー6には、第一炭素源となるトルエン:有機金属化合物であるフェロセン:有機硫黄化合物であるチオフェンを、それぞれの混合比が、重量比で100:4:2になるように原料液を調合して貯留し、スプレーノズル3からスプレーする。他方、第二炭素源としてエチレンを使用し、これを第二炭素流量計8、ガス混合器9を介して流量制御し、反応工程に供給する。
キャリアガスとして流量7L/minの水素を使用し、1200°Cに加熱された電気炉中の反応管2に、上記原料液を65μL/minの流速で60分間スプレーすることによって流動気相CVD合成を行った。第二炭素源流量は、100sccmに制御し、生成物は回収フィルター7で捕集した。この生成物を試料1とする。この試料1の収量は45.6mgであった。
実施例1で製造した試料1のラマン分光測定(日本分光社製、NRS−2100)を実施した。Science vol.275、1997年 p.187−191記載のラマン分光法によるピーク位置と直径の関係により、単層カーボンナノチューブの直径を見積もることができる。この手法により、試料1では、図2に示すように269cm−1のピークのみが観測された。
これは単層カーボンナノチューブの直径が、ほぼ0.92nmであることに対応する。すなわち、本実施例1により、直径が2.0nm未満である本発明の条件、特に0.6nm以上1.0nm以下である条件を満たしており、優れた極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体を得ることができた。
また、試料1を透過電子顕微鏡(日本電子社製、JEM1010)で観察した。この透過電子顕微鏡写真を図3に示す。これによっても、単層カーボンナノチューブが生成していることが確認できた。
さらに、単層カーボンナノチューブの90%以上が直径0.6nm以上1.0nm未満である炭素繊維集合体が得られることを確認することができた。
(実施例2)
第二炭素源流量を35sccmにした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。これによって得られた生成物を試料2とする。
収量は45.9mgであり、実施例2と同様にして単層カーボンナノチューブの直径分布を見積もったところ、図2に示すように183cm−1のピークが観測された。これは、直径が1.4nmであることに対応する。
この実施例2の場合、単層カーボンナノチューブの製造が、直径が実施例1に比べ大きくなっていることが分かる。これは、第二炭素源流量を下げることによって、単層カーボンナノチューブの径を大きくすることができる、すなわち径をコントロールすることができることを意味している。
(比較例1)
第二炭素源流量を用いない以外は、実施例1と同様にして実験を行った。これによって得られた生成物を試料3とする。実施例1と同様にしてラマン分光測定によって分析したところ、190cm−1以下の領域に幅広いピークがみられ直径分布が広範囲にばらついていることがわかった。
実施例1と同様にして、単層カーボンナノチューブの直径分布を透過型電子顕微鏡で見積もったところ、直径分布にばらつきがあり、平均直径は3nmになっていた。第二炭素源流量を用いない場合、単層カーボンナノチューブの径が粗大化し、またばらつきが大きくなり、安定した単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体が得られないことが分かった。
(実施例3)
触媒を鉄の超微粒子にした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。これによって得られた生成物を試料4とする。試料4の生成物について実施例1と同様にして、単層カーボンナノチューブの直径分布を見積もったところ、試料1と同様に269cm−1のピークのみが観測された。これは、直径0.92nmに対応するものである。
この実施例3の場合も、直径が2.0nm未満である本発明の条件、特に0.6nm以上1.0nm以下である条件を満たしており、優れた極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体を得ることができた。
また、上記実施例1と同様に透過型電子顕微鏡で観察したところ、ほぼすべての単層カーボンナノチューブが直径0.6nm以上1.0nm未満であることを確認できた。
(実施例4)
第二炭素源にアセチレンを用い、第二炭素源流量を5sccm、反応温度を900°Cに制御した以外は、実施例1と同様にして実験を行った。これによって得られた生成物を試料5とする。試料5の生成物について実施例1と同様にして、単層カーボンナノチューブの直径分布を見積もったところ、試料1と同様に主に269cm−1のピークのみが観測された。これは、直径0.92nmに対応するものである。
この実施例4の場合も、直径が2.0nm未満である本発明の条件、特に0.6nm以上1.0nm以下である条件を満たしており、優れた極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体を得ることができた。
また、上記実施例1と同様に透過型電子顕微鏡で観察したところ、ほぼすべての単層カーボンナノチューブが直径0.6nm以上1.0nm未満であることを確認できた。
上記実施例から、本発明の単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の流動気相CVD法による製造方法おいては、炭素源として反応器内に導入する炭化水素を含有する有機溶媒よりも、より低い温度で熱分解する炭化水素を第二の炭素源とするのが有効であることが判る。
また、この第二の炭素源の流量を増加させることにより、単層カーボンナノチューブの径を小さくできることが確認された。また、この第二の炭素源として、アセチレンを用いると、反応温度を著しく低下させることができ、より緩和な条件下で、単層カーボンナノチューブを得ることができるこが判明した。
また、上述した実施例以外の第一の炭素源、第二の炭素源、更には含硫黄複素環式化合物を用いても、所望とする極細単層カーボンナノチューブが得られることも確認されている。
本発明に係る炭素繊維集合体は、直径が2.0nm未満、特に0.6nm〜1.0nmの極細単層カーボンナノチューブからなるので、半導体としては特性の均質化、光学材料としては発光効率の向上といった顕著な作用効果を奏するものである。
また、本発明に係る炭素繊維集合体の製造方法は、流動気相CVD法における炭素源となる原料の種類とその割合を単に変えることで、単層カーボンナノチューブの直径を極細に制御することができ、直径が制御された単層カーボンナノチューブとして、直径が2.0nm未満、特に0.6nm〜1.0nmである極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体を容易に得ることができるという多大な効果を有する。
このようにして得られた極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体は、ナノサイズのエレクトロニクス材料やオプトエレクトロニクス材料などに有用である。
実施例1で使用した単層カーボンナノチューブ製造装置の概略図である。 実施例1、2、比較例1で測定した試料1〜3のラマン分光測定の結果である。 実施例1で得られた単層カーボンナノチューブ試料1の透過型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1、電気炉
2、石英反応管
3 スプレーノズル
4、5、キャリアガス流量計
6 マイクロフィーダー(第一炭素源と触媒の溶液)
7 回収フィルター
8 第二炭素源流量計
9 ガス混合器
10 整流板

Claims (12)

  1. 直径が2.0nm未満の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体。
  2. 直径が0.6nm〜1nmの極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体。
  3. 極細単層カーボンナノチューブの含有量が全体の70%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素繊維集合体。
  4. 単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の流動気相CVD法による製造方法において、分解温度の異なる2種類の炭素源を使用し、それらの割合を変えることにより、単層カーボンナノチューブの直径を制御することを特徴とする極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
  5. 単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の流動気相CVD法による製造方法において、反応器内に導入する第一の炭素源である炭化水素よりも、より低い温度で熱分解する炭化水素を第二の炭素源として反応器内に導入することにより、単層カーボンナノチューブの直径を制御することを特徴とする極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
  6. 第一の炭素源である炭化水素と触媒とを反応器内に導入することを特徴とする請求項4又は5記載の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
  7. 第一の炭素源である炭化水素と共に、遷移金属原子を含有する触媒と硫黄原子を含有する硫黄化合物を反応容器内に導入することを特徴とする請求項5又は6記載の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
  8. 第一の炭素源である炭化水素として、トルエン、ベンゼン、キシレン、デカリン、テトラリン及びヘキサンから選択した1成分以上の化合物を用いることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
  9. 第二の炭素源である炭化水素として、エチレン又はアセチレンを用いることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の極細単層カーボンナノチューブからなる炭素繊維集合体の製造方法。
  10. 極細単層カーボンナノチューブが、直径が2.0nm未満であることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の炭素繊維集合体の製造方法。
  11. 極細単層カーボンナノチューブが、直径が0.6nm〜1.0nmであることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の炭素繊維集合体の製造方法。
  12. 極細単層カーボンナノチューブの含有量が全体の70%以上であることを特徴とする請求項10又は11に記載の炭素繊維集合体の製造方法。

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