JP3952478B2 - ホウ素含有カーボンナノ構造物及びその製造方法 - Google Patents
ホウ素含有カーボンナノ構造物及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3952478B2 JP3952478B2 JP2005000871A JP2005000871A JP3952478B2 JP 3952478 B2 JP3952478 B2 JP 3952478B2 JP 2005000871 A JP2005000871 A JP 2005000871A JP 2005000871 A JP2005000871 A JP 2005000871A JP 3952478 B2 JP3952478 B2 JP 3952478B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- boron
- carbon
- carbon nanotubes
- raw material
- anode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Description
ところで、カーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物は、構成炭素原子の一部をホウ素原子に置換することにより、耐熱性、耐火性等の性能を向上させることができることが期待される。例えば、特許文献1には、予め用意した出発原料であるカーボンナノチューブにホウ素酸化物を反応させてホウ素を含むカーボンナノチューブを製造する方法が記載されている。
また、非特許文献1には、炭素棒にドリルで孔を開けて該孔にホウ素を含む粉末を導入して形成した陽極棒を用いて不活性雰囲気中にアーク放電を行うことを特徴とする、ホウ素含有カーボンナノチューブの合成法が記載されている。
他方、非特許文献1に記載の方法では得られる生成物に不純物が混在し易い。また、ホウ素の分布に偏りがみられ、特定の部位(典型的にはチューブ先端部)にのみ部位特異的にホウ素を含有するカーボンナノチューブが生成されるため、全体としてはホウ素含有率が比較的低いカーボンナノチューブしか得られなかった。
そこで本発明は、かかる従来の課題を解決すべく開発されたものであり、製造工程が簡易であるとともにホウ素を含むカーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物を効率よく製造することができる方法を提供することを目的とする。また、そのような方法により製造されるホウ素含有カーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物を提供することを他の目的とする。
ここで開示される一つの方法は、アーク放電法に基づいてホウ素を含有するカーボンナノ構造物を製造する方法であって、ホウ素成分を含む固体炭素質原料を用意し、該炭素質原料を少なくとも陽極として用いること、および、水素ガス雰囲気中において該炭素質原料の炭素及びホウ素からホウ素含有カーボンナノチューブその他のホウ素含有カーボンナノ構造物を合成することを包含する方法である。
本明細書において「カーボンナノ構造物」とは、ナノサイズの特異的な構造のカーボン構造体を示す用語であり、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノウォール等を包含する。例えば、「カーボンナノチューブ」とは、グラファイトシート(グラフェン)が、ナノメートルサイズ(典型的には1〜数十nm)の直径の円筒状に一層若しくは複数層巻かれたようなチューブ構造を有するカーボン構造体をいい、特別の形態(例えば長さや断面形状)に限定されない。いわゆる単層カーボンナノチューブ(single-walled carbon nanotube;SWNT)及び多層カーボンナノチューブ(multi-walled carbon nanotube;MWNT)のいずれの形態も包含する用語である。また、「カーボンナノファイバー(カーボンナノウィスカー)」とは、ナノメートルサイズ(典型的には10〜1000nm)の直径の繊維状構造を有するカーボン構造体をいい、特別の形態(例えば長さや断面形状)に限定されない。また、「カーボンナノウォール(カーボンナノフレーク)」とは、ナノメートルサイズの厚さ(典型的には1〜100nm)及び高さ(典型的には100〜1000nm)のウォール(壁)状カーボン薄片の集合をいい、典型的には襞(花びら)状構造物をいうが特別の形態(サイズや襞の間隔)に限定されない。
また、「ホウ素を含有するカーボンナノ構造物(例えばホウ素含有カーボンナノチューブ)」とは、構成要素として炭素(C)の他にホウ素(B)を含むものをいう。また、特に限定しない限り、カーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物のいずれの部分にホウ素を含むものでもよい。典型的には、カーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物を構成する骨格(ネットワーク)にホウ素原子が組み込まれたもの(例えば一部の炭素原子がホウ素原子に置換されたもの)をいうが、これに限られず、例えばカーボンナノチューブの空洞内及び/又は表面にホウ素(典型的にはホウ素単体)が吸着されているものが挙げられる。
なお、ここでいう「水素ガス雰囲気」は、ホウ素含有カーボンナノ構造物の合成に支障がないよう実質的に水素ガスにより雰囲気ガスが構成されておればよく、低率(例えば40mol%以下)に他のガス種を含むものであってもよい。
本発明者は、炭素質材料(例えばグラファイト材)としてホウ素成分が均一に分布(典型的にはホウ素成分が均一に分散)する炭素質材料を用いてカーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物を合成することによって、効率よくホウ素含有率の比較的高いカーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物が得られることを見出した。本製造方法によれば、原料としてホウ素成分が均一に分布する固体炭素質材料(典型的にはホウ素成分が均一に分散する固体材料)を用いることによって所望のホウ素含有カーボンナノチューブその他のホウ素含有カーボンナノ構造物が得られるので、カーボンナノ構造物にホウ素を含有させるための付加的な工程を必要とせず、製造工程も簡易である。
カーボンナノ構造物の原料としてホウ素成分が均一に分布(分散)する炭素質原料を用い、且つ、水素ガス雰囲気中においてカーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物を合成することによって、特に純度の高いホウ素含有カーボンナノチューブその他のホウ素含有カーボンナノ構造物を得ることができる。
ここで「アーク放電法」とは、炭素質原料にアーク電圧を印加して、アーク放電を生じさせ、炭素質原料を蒸発させることによってカーボンナノ構造物を合成する方法をいう。典型的には、所定の雰囲気ガスを導入した領域(典型的には減圧可能なケーシング内)に配置した少なくとも一対の電極間にアーク放電を起こすことにより、陽極から炭素及びホウ素を蒸発させて該領域内においてカーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物を合成する方法をいう。
ここで開示される製造方法では、上記炭素質原料を陽極として用いるアーク放電法によって、特に効率よく高純度のホウ素含有カーボンナノチューブその他のホウ素含有カーボンナノ構造物を得ることができる。
本発明によって提供される好ましいホウ素含有カーボンナノ構造物の一形態は、カーボンナノ構造物の全質量に占めるホウ素の含有率が3〜30質量%(特に好ましくは10〜30質量%)の範囲内である、
このようなホウ素含有率のカーボンナノ構造物(典型的には多層カーボンナノチューブ)は、ここで開示される製造方法に基づいて好適に得ることができる。高い含有率でホウ素を含むカーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物は、炭素のみから成るカーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物で従来得られていた所望の諸性能を保持しつつさらに耐熱性や耐火性等の性能を向上させ得る。このため、本発明のホウ素含有カーボンナノチューブその他のホウ素含有カーボンナノ構造物は、高温条件下に使用される材料として好適である。或いは、かかる該性質に基づく新規な用途が期待される。
また、ここで開示されるホウ素含有カーボンナノ構造物の好ましい一形態は、ウォール状のホウ素含有カーボン薄片の集合体である。ここで開示される製造方法に基づくと耐熱性の高いホウ素含有カーボンナノウォールが得られる。
炭素質原料には炭素成分及びホウ素成分の他、補助的な成分を含ませることができる。例えば、ニッケル、コバルト、鉄等の触媒として機能し得る金属成分を含有させることができる。
本発明の実施に好適な雰囲気ガスは水素ガスである。従って、混合ガスを用いる場合、水素ガスの含有割合が高く、例えば50mol%以上であることが好適である。実質的に水素ガスのみから成る雰囲気が本発明の実施に特に好ましいが、他のガス種を所定の割合で含んでいてもよい。例えば、不純物として40mol%又はそれ以下の不活性ガス或いは窒素ガスの存在を排除するものではない。例えば、60mol%以上、さらには80mol%、さらには90mol%以上、特に95mol%以上の純度を有する水素ガスが好適である。
一方、単層カーボンナノチューブを製造する場合、典型的には、蒸発した炭素及びホウ素から電極間の隙間でアーク熱によりカーボンナノチューブを形成させる。アーク放電法で得られたカーボンナノチューブは、その品質に優れるとともに、特に多層カーボンナノチューブを製造する場合に本製造方法を適用すると高収率を実現し得る。
また、供給する電流値は、特に限定されず、アーク放電法において従来公知の範囲に設定することができる。典型的には、陽極の直径に依存し、例えば直径約6mmのホウ素含有グラファイト電極では、30〜70A、特に50±5Aに設定し得る。電圧は所望の炭素及びホウ素蒸発速度に応じて適宜選択されるが、典型的には20〜40V程度である。アーク放電時間は、電極の長さ、製造装置(典型的には一対の電極を配置する減圧可能なチャンバー)の容量、及びカーボンナノチューブ製造量、等によって適宜変更され、特に限定されない。例えば、10秒〜60分間、好ましくは30秒〜30分間、特に好ましくは1分〜20分間である。また、直流であっても交流であってもよい。多層カーボンナノチューブを製造する場合、堆積物のできやすい直流が特に好ましい。
また、ここで開示される方法では、得られるカーボンナノチューブの純度は比較的高い(特に上記ソフトコア部分)。従って、好ましくは、精製や洗浄等の後処理を行うことなくカーボンナノチューブ(又はカーボンナノチューブその他のカーボンナノ構造物を含有する生成物)を種々の用途に用いることができる。
例えば多層カーボンナノチューブを陰極上に堆積させる場合、得られた堆積物を例えば500℃又はそれ以上に加熱することにより、不純物(例えば結晶性カーボン粒子)を除去することができる。
一方、単層カーボンナノチューブを電極間で形成させる場合(即ち反応チャンバー内空間で生成する場合)、不純物、例えばアモルファスカーボンや触媒金属等を従来公知のいずれかの手段によって除去することができる。例えば、還流条件下に過酸化水素水によって処理する方法が挙げられる。過酸化水素水にカーボンナノチューブを分散させる手段としては、攪拌棒による攪拌、ミキサー、又は超音波分散等が挙げられるがこれらに限定されない。また、無機酸を添加することによって精製することができる。無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、亜硝酸等を特に制限なく用いることができる。塩酸の使用が好ましい。かかる無機酸による精製処理の終了後、精製カーボンナノチューブ(単層カーボンナノチューブ)を無機酸中から回収する。回収手段としては、特に限定されないが、暫く静置した後に沈殿物として分画濾過してもよいし、或いは遠心分離によって回収してもよい。
<実施例>
多層カーボンナノチューブを具体的に製造する方法を説明する。まず、使用した多層カーボンナノチューブ製造装置についての一例を図面を参照して説明する。
(1)カーボンナノチューブ製造装置;
図1にアーク放電法に基づく多層カーボンナノチューブ製造装置1の一構成例を示す。この装置1は、大まかにいって、反応容器3と、一対の電極13,15と、ガス供給手段7とから構成されている。
一対の電極13,15のうち、陽極13は、太い棒状(例えば直径0.5〜2cm)に形成されたものであり、反応容器3内においてその中心軸が略垂直方向となるように配置されている。一方、図示されるように、陽極13と180°対置した位置(即ち陽極13の直下)に配置される陰極15は、表面が平面であるターンテーブル状に形成されている。陽極13と陰極15の隙間のサイズは特に限定されないが、例えば、アーク放電によるカーボンナノチューブ発生効率が高い0.3〜10mm、特に1〜2mm程度が好適である。
陽極13及び陰極15には、陽極13と陰極15の間にアーク放電を発生し得る電圧を印加可能な直流電源23が接続されている。
或いは、高純度水素ガスに限られず、他のガスボンベを備え、目的に応じて他のガスを所定の割合で供給することもできる。使用可能なガスとしては、例えば、他の不活性ガス、即ち、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、又はキセノンガス、或いは窒素ガスが挙げられる。
次に、このような製造装置1を用いて、ホウ素含有多層カーボンナノチューブを合成した。まず、上述したような陽極13及び陰極15を用意し、所定間隔に設定して反応容器3内の所定の位置に配置した。なお、陽極13としては、ホウ素を均一に分散して含む市販のグラファイト棒(ホウ素含有率:13.8質量%)を用いた。該グラファイト棒の密度は18.4g/cm3であった。また、陰極15としては、グラファイト製ターンテーブルを用いた。
而して、容器3に設けられた排出部11のバルブ44を開け、当該排出口45に接続する真空ポンプ49を作動させて、反応容器3内を排気・減圧した。容器3内の圧力が減圧され、13×10−3〜1.3×10−3Pa程度の高真空になったら、バルブ44を閉め、その後、ガス供給手段7により水素ガスを導入した。そして、水素ガス圧を約4000〜9500Pa(30〜70Torr程度)に調整した。
得られた堆積物60の中心に存在したソフトコア部分をピンセットで取り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。図3にその写真を示す。図3から明らかなように、得られた多層カーボンナノチューブには、比較的長いチューブが観察された。チューブの全長が0.1mm以上(0.1〜0.2mm)であるカーボンナノチューブも存在することが確認された。また、不純物であるナノサイズの粒子は、該チューブの周囲に少ししか観察されず、従来の製造方法と比較して格段に減少していた。このSEM観察によって、得られた多層カーボンナノチューブの純度が高いことが認められた。
上記のようにして得られた多層カーボンナノチューブのラマンスペクトルを観察した。ラマンスペクトルは、ラマン分光測定装置、即ちJobin Yvon株式会社製のRAMANOR T64000によって、測定した。高波数側の結果(チャート)を図4に示す。なお、縦軸は強度(Intensity、arbitrary units)を示し、横軸はラマンシフト(Raman shift、cm−1)を示す。
図4から明らかなように、得られたカーボンナノチューブの高波数側のラマンスペクトルは、1360cm−1付近、及び1594cm−1付近にブロードなピークが観察された。炭素から成るカーボンナノチューブのピークが1340cm−1(Dバンド)及び1580cm−1(Gバンド)付近に観察されることと比較して、いずれのピークもやや高波数側にシフトしていることが判る。これは、カーボンナノチューブ中の炭素原子がホウ素原子で置換されたためと推測される。
得られたカーボンナノチューブに対して、赤外線を2時間500℃で照射した。その後、カーボンナノチューブを走査型電子顕微鏡で同様に観察したところ、カーボンナノチューブは切断されたり、破壊されたり、又は傷つけられることなく、同様な形態を保持しつつ残留していた。一方、従来の方法で得られた(即ち、陽極としてホウ素を含まないグラファイト棒を用いて製造した)カーボンナノチューブに対して、赤外線を1時間500℃で照射したところ、著しい損傷・消失が認められた。本実施例の多層カーボンナノチューブは、ホウ素を含むことによって耐熱性(耐酸化性)が向上したものと推測される。
TGA(熱重量測定)によって、重量減少率(%)を測定した。測定機器としては、(株)島津製作所製の「DTG−60」を用いた。試料としては0.466mgのカーボンナノチューブを用いた。測定条件としては、10℃/分の加熱温度で1050℃まで昇温し、雰囲気ガスは空気で、ガスの流量は50ml/分とした。
この結果を図5に示す。図5において、縦軸は重量変化(mg)、横軸は温度(℃)を示す。図5から明らかなように、718.61℃までほぼ重量変化が認められなかった。従って、本実施例で得られたカーボンナノチューブは耐熱性に優れていることが判った。
得られたカーボンナノチューブについて、エネルギー分散型X線分析装置による元素分析を行なった。測定は、(株)堀場製作所製の「EMAX5770W」を用いて行った。その結果、質量濃度(質量%)は、ホウ素が約18質量%、炭素が約78質量%、及び酸素が約4質量%であった。また、原子数濃度(atm%)は、ホウ素が20atm%、炭素が77atm%、及び酸素が3atm%であった。なお、微量に含まれる酸素はカーボンナノチューブ表面に吸着又は付着しているものと考えられる。従って、炭素質原料(陽極)として13.8質量%のホウ素を含むグラファイト棒を用いることによって、グラファイト棒におけるホウ素含有量と同等若しくはそれよりも高い含有率(18質量%)のホウ素含有カーボンナノチューブを得ることができることが判った。
また、得られた堆積物60の主として外側に分布するハードシェル部分をピンセットで取り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。この部分には、長さが0.1mm(典型的には0.1〜0.2mm)を超えるチューブ状又はファイバー状のカーボンナノ構造物が存在していた。従って、上記製造方法によって、0.1mm以上の長さのホウ素含有カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノファイバーが得られることが確認された。また、ハードシェルの外側の領域(典型的には陰極15の表面にフラットに堆積している部分)を採取してSEMで観察したところ、図8に示すように、ウォール状薄片の集合体である襞状外形のカーボンナノ構造物が存在していた。従って、上記製造方法によって、ホウ素含有カーボンナノウォールが得られることが確認された。
陽極として、ホウ素含有率が27.4質量%である市販のホウ素含有グラファイト棒を用いたことを除いて、上記(2)多層カーボンナノチューブ製造例Iと同様にしてホウ素含有多層カーボンナノチューブを合成した。なお、該グラファイト棒の密度は、1.88g/cm3であった。得られたカーボンナノチューブを走査型電子顕微鏡で観察した。その写真を図6に示す。
図6から明らかなように、多数の長いチューブ(例えば全長0.1〜0.2mm)が観察された。また、不純物であるナノサイズの粒子は、該チューブの周囲に少ししか観察されず、従来の製造方法と比較して減少していた。このSEM観察によって、得られた多層カーボンナノチューブの純度が高いことが認められた。
一方、上記(2)の製造例Iにおいて得られたカーボンナノチューブの写真(図3)と比較すると、ナノ粒子の量は増加していることが判った。従って、陽極として用いるグラファイト棒中のホウ素の含有率は10〜20質量%の範囲内であることがより好ましい。
また、陽極として、図7に示すようなホウ素含有炭素棒75を用いてもよい。このホウ素含有炭素棒75は、炭素(例えばグラファイト)からなる円筒体77の中心貫通孔に、ホウ素成分として、例えばホウ素(B)、酸化ホウ素(B2O3)及び/又は窒化ホウ素(BN)(これらは例えばAldrich Co.から入手可能)を含む円柱体79が挿嵌されて構成されている。
3 反応容器
7 ガス供給手段
11 排出部
13 陽極(炭素質原料)
15 陰極
31 ガス供給口
49 真空ポンプ
71 炭素ロッド体
73 ホウ素含有粒子
75 炭素棒
77 炭素円筒体
79 ホウ素含有円柱体
Claims (4)
- アーク放電法に基づいてホウ素を含有するカーボンナノ構造物を製造する方法であって、
ホウ素成分を含む固体炭素質原料を用意し、該炭素質原料を少なくとも陽極として用いること、および
水素ガス雰囲気中において該炭素質原料の炭素及びホウ素からホウ素含有カーボンナノ構造物を合成すること、
を包含する、製造方法。 - 前記炭素質原料としてホウ素成分が均一に分布する固体炭素質原料を用意する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記炭素質原料全体に占めるホウ素の含有率は1〜25質量%の範囲内である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記炭素質原料は密度が1.80g/cm 3 を超える固体である、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005000871A JP3952478B2 (ja) | 2005-01-05 | 2005-01-05 | ホウ素含有カーボンナノ構造物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005000871A JP3952478B2 (ja) | 2005-01-05 | 2005-01-05 | ホウ素含有カーボンナノ構造物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006188384A JP2006188384A (ja) | 2006-07-20 |
JP3952478B2 true JP3952478B2 (ja) | 2007-08-01 |
Family
ID=36795932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005000871A Expired - Fee Related JP3952478B2 (ja) | 2005-01-05 | 2005-01-05 | ホウ素含有カーボンナノ構造物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3952478B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2144845A2 (en) * | 2007-03-07 | 2010-01-20 | Carbolex, INC. | Boron-doped single-walled nanotubes (swcnt) |
JP4903604B2 (ja) * | 2007-03-09 | 2012-03-28 | Jfeエンジニアリング株式会社 | カーボンナノチューブの製造装置および方法 |
JP5911051B2 (ja) * | 2010-11-16 | 2016-04-27 | アルプス電気株式会社 | ホウ素含有カーボン材料の製造方法 |
JP2013159533A (ja) * | 2012-02-07 | 2013-08-19 | Ihi Corp | カーボンナノウォールの剥離方法及びカーボンナノウォールの回収方法 |
CN111285354A (zh) * | 2020-02-19 | 2020-06-16 | 东华大学 | 一种硼掺杂碳纳米管及其制备和应用 |
-
2005
- 2005-01-05 JP JP2005000871A patent/JP3952478B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006188384A (ja) | 2006-07-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Pan et al. | Oriented silicon carbide nanowires: synthesis and field emission properties | |
Liu et al. | Preparation of short carbon nanotubes by mechanical ball milling and their hydrogen adsorption behavior | |
JP3355442B2 (ja) | アモルファスナノスケールカーボンチューブおよびその製造方法 | |
Mathur et al. | Co-synthesis, purification and characterization of single-and multi-walled carbon nanotubes using the electric arc method | |
Wu et al. | Large-scale synthesis of high-quality graphene sheets by an improved alternating current arc-discharge method | |
Tarasov et al. | Synthesis of carbon nanostructures by arc evaporation of graphite rods with Co–Ni and YNi2 catalysts | |
Zhao et al. | Study on purification and tip-opening of CNTs fabricated by CVD | |
Lyu et al. | Synthesis and characterization of high-quality double-walled carbon nanotubes by catalytic decomposition of alcohol | |
Pillai et al. | Purification of multi-walled carbon nanotubes | |
JP4738611B2 (ja) | カーボンナノチューブの精製方法 | |
JP2006273622A (ja) | 2層カーボンナノチューブ含有組成物 | |
Saravanan et al. | Techno-economics of carbon nanotubes produced by open air arc discharge method | |
JP3952478B2 (ja) | ホウ素含有カーボンナノ構造物及びその製造方法 | |
Bhagabati et al. | Synthesis/preparation of carbon materials | |
WO2005085132A2 (en) | Amplification of carbon nanotubes via seeded-growth methods | |
Zhi et al. | Boron carbonitride nanotubes | |
Yuca et al. | Thermal and electrical properties of carbon nanotubes purified by acid digestion | |
JP3952476B2 (ja) | 単層カーボンナノチューブ及びその製造方法 | |
Chang et al. | A metal dusting process for preparing nano-sized carbon materials and the effects of acid post-treatment on their hydrogen storage performance | |
Srivastava et al. | Effect of hydrogen plasma treatment on the growth and microstructures of multiwalled carbon nanotubes | |
JP2007015914A (ja) | カーボンナノチューブの製造方法 | |
Liu et al. | Facile synthesis of pure boron nanotubes and nanofibers | |
Dimitrov et al. | Production, purification, characterization, and application of CNTs | |
Chang et al. | Effects of post-treatments on microstructure and hydrogen storage performance of the carbon nano-tubes prepared via a metal dusting process | |
Shrestha et al. | Simple Wet Chemical Route for Decoration of Multi-walled Carbon Nanotubes with Nickel Nanoparticles |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070201 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070319 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070412 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070420 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160511 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |