JP2006036443A - 流通情報管理システム - Google Patents

流通情報管理システム Download PDF

Info

Publication number
JP2006036443A
JP2006036443A JP2004217897A JP2004217897A JP2006036443A JP 2006036443 A JP2006036443 A JP 2006036443A JP 2004217897 A JP2004217897 A JP 2004217897A JP 2004217897 A JP2004217897 A JP 2004217897A JP 2006036443 A JP2006036443 A JP 2006036443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dimensional code
information
distribution
light
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004217897A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Shibaoka
良昭 芝岡
Hiroshi Kawai
宏 河合
Fumito Kobayashi
文人 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyodo Printing Co Ltd
Original Assignee
Kyodo Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyodo Printing Co Ltd filed Critical Kyodo Printing Co Ltd
Priority to JP2004217897A priority Critical patent/JP2006036443A/ja
Publication of JP2006036443A publication Critical patent/JP2006036443A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】低コストで流通情報を正確に管理する流通情報管理システムを提供する。
【解決手段】各二次元コードリーダ12〜42は、流通対象物に貼付されたシール60〜80から二次元コード情報を取得し、各情報処理端末11〜41は、ユーザIDを取得し、二次元コードリーダから二次元コード情報を取得し、それらの情報を関連づけてデータベース50へ送信する手段とを有し、データベースは、各情報処理端末から取得した情報に基づいて、流通状態に関する情報を二次元コード情報を主キーとして記録する。発送側の流通拠点の情報処理端末11〜21は、二次元コード情報とともに送り先の情報をデータベースへ送信して、流通情報記録手段に記録させ、納入側の流通拠点の情報処理端末21〜41は、自装置に接続されている二次元コードリーダから取得した二次元コード情報を主キーとするレコードの送信要求を二次元コード情報とともにデータベースへ送信する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有体物の流通状態を管理するシステムに関し、特に、全ての物品の流通状態を管理できる流通情報管理システムに関する。
従来、物流業界においては、流通させる物品(以下、商品という)にICタグ(非接触IC)を貼付し、商品を出荷する際に出荷情報(製造年月日、製造場所、出荷先など)をICタグに書き込み、入荷先でその情報を読み取ることによって商品の流通過程を把握するシステムが提案されている。
このシステムは、工場において製造した商品にICタグを貼付し、出荷の際にICタグに書き込まれた情報を入荷時に読み取って流通情報を管理するシステムである。
従来のシステムの動作の流れについて説明する。製造工程の最終段において各商品にはICタグが貼付される。各商品は出荷の際にICタグが読み取られるとともに、ICタグに出荷情報が書き込まれる。ICタグに出荷情報が書き込まれた商品は、所定の出荷先である営業所へ配送される。営業所では、配送されてきた商品に貼付されているICタグに書き込まれている情報を読み取ることで配送元が確認される。
営業所から小売店へとさらに出荷する場合には、営業所においてICタグに出荷先の情報を書き加える。仲卸が複数存在する場合には、商品の入荷時にICタグに書き込まれている情報を確認し、出荷時に出荷情報を書き加えると動作が複数回繰り返される。
しかし上記方法では、各流通拠点に非接触ICのリーダ・ライタを設けなければならないが、書き込み機能を備えた装置は高価であるため、システムを構築するために多額の設備投資が必要となってしまう。
流通情報を管理することを目的とした従来技術としては、特許文献1に開示される「流通管理方法及びシステム」がある。特許文献1に開示される発明は、固有のID情報を記憶させたタグを製品に取り付け、流通の途中で読み取ったID情報をDBに登録して流通状態を管理するものである。
特許文献1に開示される発明は、流通拠点においてタグに情報を書き込む必要が無いため、各流通拠点にはタグの読取装置のみを設ければ良くシステム構築に要するコストは、上記従来構成よりも低く抑えられる。
特開2003−146437号公報
上記特許文献1に開示される発明においては、タグに記憶されているID情報が書き換えられてしまうと、流通状態を正確に把握できなくなってしまう。このため、タグとしては書き換え不可能に情報を記憶できる情報記憶媒体を用いる必要がある。
このような情報記録媒体としてはICが一般的であるが、ICタグは高価であるため、各商品に個別にタグを貼付する必要がある上記特許文献1のシステムでICタグを適用して物流情報を管理しようとすると、物流情報の管理コストが高騰してしまう。
このように、従来は、低コストで流通情報を正確に管理できる流通情報管理システムは提供されていなかった。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、低コストで流通情報を正確に管理できる流通情報管理システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、二次元コードリーダと接続された情報処理端末が少なくとも二つの流通拠点に配置され、各情報処理端末とデータベースとがネットワークを介して接続された流通情報管理システムであって、各二次元コードリーダは、流通対象物に貼付されたシールに形成されているユニークな二次元コードを読み取って二次元コード情報を取得する手段を有し、各情報処理端末は、自端末に接続されている二次元コードリーダから二次元コード情報を取得する手段と、該取得した二次元コード情報と自端末に固有の情報である端末IDとを関連づけてデータベースへ送信する手段とを有し、データベースは、各情報処理端末から取得した二次元コード情報及び端末IDに基づいて、流通対象物の流通状態に関する情報を二次元コード情報を主キーとして記録する流通情報記録手段を有し、流通対象物の発送側の流通拠点に設置された情報処理端末は、二次元コード情報とともに該流通対象物の送り先の情報をデータベースへ送信して、流通情報記録手段に記録させ、流通対象物の納入側の流通拠点に設置された情報処理端末は、自装置に接続されている二次元コードリーダから取得した二次元コード情報を主キーとするレコードの送信要求を該二次元コード情報とともにデータベースへ送信することを特徴とする流通情報管理システムを提供するものである。
本発明においては、各情報処理端末は、ユーザを特定する情報であるユーザIDを取得する手段をさらに有するとともに、二次元コード情報及びこれに関連づけられている端末IDにユーザIDをさらに関連づけてデータベースへ送信し、データベースは、流通対象物の流通状態に関する情報を、各情報処理端末から受信したユーザIDにも基づいて、二次元コード情報を主キーとして記録することが好ましい。
本発明の上記のいずれの構成においても、流通対象物の発送側の流通拠点に設置された情報処理端末は、2以上の流通対象物を関連づけてグループ化し、該グループ毎に送り先の情報をデータベースへ送信して、流通情報管理手段に記録させることが好ましい。これに加えて、ユニークな二次元コードが形成されているシールを、2以上の流通対象物を一体に梱包する梱包部材に貼付し、流通対象物に貼付されているシールに形成されている二次元コードに続いて、梱包部材に貼付されたシールに形成されている二次元コードを発送側の流通拠点に設置された情報処理端末に接続されている二次元コードリーダで読み取ることによって、2以上の流通対象物をグループ化することがより好ましい。
本発明によれば、低コストで流通情報を正確に管理できる流通情報管理システムを提供できる。
本発明の好適な実施の形態について説明する。図1に、本実施形態にかかる流通情報管理システムの構成を示す。この流通情報管理システムは、流通の各拠点に配置した情報処理端末11、21、31及び41のそれぞれとデータベース(DB)50とがネットワークを介して接続され、各情報処理端末に二次元コードリーダ12、22、32及び42がそれぞれ接続された構成である。
二次元コードリーダ12、22、32及び42は、製品に貼付されるシール60に形成されている二次元コードを光学的に読み取って、デジタルデータに変換する機能を有する。なお、二次元コードの偽造・変造を防止することを目的として、シールには通常の方法(単なる印刷)とは異なる方法で二次元コードを形成するが、各二次元コードリーダはこれを読み取ることができるものを適用する。なお、二次元コードが形成されるシールや二次元コードリーダの構成については後段で詳細に説明する。
情報処理端末11、21、31及び41は、二次元コードリーダ12、22、32及び42が二次元コードを読み取って得たデジタルデータを取得する。また、ネットワークを介してデータベース50と情報を送受信する機能を備えている。
データベース50には、各情報処理端末から取得したデータが蓄積される。また、蓄積しているデータを情報処理端末からの要求に応じて参照させる。なお、データベース50は、各情報処理端末の端末IDと設置位置との組合せを示す情報が予め登録されており、情報処理端末のいずれかから情報を受信した場合には、端末IDに基づいて送信元を特定できる。
なお、各情報処理端末には不図示の印刷装置が接続されており、データベース50の情報を更新した場合(各情報処理端末において入力された情報が新たに蓄積された時)には常にハードコピーが印刷装置から出力されるようになっている。
工場で製造した製品を営業所へ出荷し、そこからさらに各小売店へ分配する場合を例として、本実施形態にかかる物流情報管理システムの動作について説明する。
工場で製造された製品には、ユニークな二次元コードが表面に形成されたシール60が貼付される。
複数個の製品を組として包装する場合には、包装紙や袋などの包装部材に二次元コードが形成されたシール70を新たに貼付する。この二次元コードは製品に貼付するシール60に形成されている二次元コードとは異なる系統のものである。例えば、製品にA+8桁の数字の組合せからなる情報を示す二次元コードを割り当てる場合には、包装紙等にはB+8桁の数字の組合せからなる情報を示す二次元コードを割り当てる。そして、各製品に貼付したシール60の二次元コードを二次元コードリーダ12で読み取り、続いて包装紙等に貼付したシール70の二次元コードを読み取る。
情報処理端末11は、包装紙等に割り当てられるB+8桁の数字の情報を二次元コードリーダ12から取得した場合には、その直前に二次元コードリーダ12から取得した製品に関する情報を複数個関連づけてデータベース50に格納する。
例えば、製品を三個一組として包装する場合には、各製品に貼付されているシール60の二次元コードを二次元コードリーダ12で読み取り、続いて包装紙に貼付されているシール70の二次元コードを二次元コードリーダ12で読み取る。情報処理端末11には、A+8桁の数字からなる情報が3回続けて入力されたのち、B+8桁の数字からなる情報が入力される。情報処理端末11は、B+8桁の数字からなる情報が二次元コードリーダ12から入力されると、その直前に取得したA+8桁の数字からなる情報を三つ分関連づける。そして、これらの関連づけた情報と端末IDとを組としてデータベース50へと送信する。
情報処理端末11からの情報を受信したデータベース50は、受信した端末IDに基づいて、工場に設置されている情報処理端末11から受信したデータであることを確認した上で、製品三つ分の情報と包装紙の情報とを関連づけて登録する。
さらに大きな単位で仕分ける場合には、その仕分け単位ごとに系統が異なる二次元コードを割り当てて、上記同様にして管理する。例えば、三個一組としたパックを20パックまとめて段ボールに箱詰めする場合には、各パックに貼付されているシール70二次元コードを二次元コードリーダ12で読み取り、続いて段ボール箱に貼付されているシール80の二次元コードを二次元コードリーダ12で読み取る。ここで段ボール箱にはC+8桁の数字からなる情報が割り当てられるとすると、情報処理端末11には、B+8桁の数字からなる情報が20回続けて入力されたのち、C+8桁の数字からなる情報が入力される。情報処理端末11は、C+8桁の数字からなる情報が二次元コードリーダ12から入力されると、その直前に取得したB+8桁の数字からなる情報を20個分関連づけてデータベース50へと送信する。
以上のようにして製品の梱包状態に関する情報がデータベースに登録される。
製品などを出荷する際には、出荷担当者は、最も外側の包装部材に貼付されているシールの二次元コード(最も大きな仕分け単位に割り当てられた二次元コード)を二次元コードリーダ12で読み取り、続いて情報処理端末11を操作して出荷先に関する情報を入力する。情報処理端末11は、二次元コードリーダから取得した情報と出荷担当者の入力操作によって取得した情報と自端末の端末IDとを関連づけてデータベース50へと送信する。
情報処理端末11からの情報を受信したデータベース50は、受信した端末IDに基づいて、工場に設置されている情報処理端末11から受信したデータであることを確認した上で、二次元コードの情報によって特定されるレコードに出荷先に関する情報を追記する。
以上のようにして、データベース50に登録される製品の出荷先に関する情報のデータの構造を図2に示す。不図示の印刷装置において出力されるハードコピーはこれと同じものである。
営業所が製品を入荷する際には、入荷した製品の最も外側の包装部材に貼付されているシールの二次元コード(最も大きな仕分け単位に割り当てられた二次元コード)を二次元コードリーダ22で読み取ると、二次元コードのデジタルデータは情報処理端末21へと送られる。情報処理端末21は、二次元コードリーダ22から得た情報(例えば、C+8桁の数字)と自端末の端末IDとをデータベース50へ送信する。情報処理端末21からの情報を受信したデータベース50は、受信した端末IDに基づいて、製品などを受け取る立場にある流通拠点(営業所)に設置されている情報処理端末21から受信したデータであることを確認した上で、二次元コードの情報を受信した時刻をデータベース50に追記する。さらに、その二次元コードによって特定されるレコードの情報を情報処理端末21へ送信する。これにより、入荷した製品などに関する情報を情報処理端末21で参照することが可能となる。
営業所に入荷した製品をさらに分配する場合には、製品の最も外側の包装部材に貼付されているシールの二次元コード(最も大きな仕分け単位に割り当てられた二次元コード)を二次元コードリーダ22で読み取るとともに、情報処理端末21において出荷先の情報を入力する。情報処理端末21は、二次元コードリーダ22から取得した情報と担当者の入力操作によって取得した情報と自端末の端末IDとを関連づけてデータベース50へと送信する。
情報処理端末21からの情報を受信したデータベース50は、受信した端末IDに基づいて、製品などを発送する立場にある流通拠点に設置されている情報処理端末21から受信したデータであることを確認した上で、二次元コードの情報によって特定されるレコードに出荷先に関する情報を追記する。
以上のようにして、製品の出荷先に関する情報がデータベースに登録される。
最終的な納入先(小売店Aや小売店B)では、製品などに貼付されている二次元コードを二次元コードリーダ32や42で読み取ることによって、製品がどのような流通経路を経て入荷したのかを特定できる。
なお、データベース50に情報登録されている情報を各情報処理端末を用いて更新する場合には、ユーザ認証を行うようにすると良い。ユーザ認証の方法としては、パスワード及びユーザIDの入力、IDカードの読み取り、バイオメトリックス認証などの公知の方法を適用可能であるため詳細な説明は省略する。
ユーザ認証を行うことにより、図2に示したように、データベース50内のデータを更新した人物を表す情報がデータベース50に記録される。
上記本実施形態にかかる流通情報管理システムでは、製品や包装部材に貼付するシールが偽造や変造可能であると、流通情報を正確に管理できなくなる可能性がある。よって、本実施形態にかかる流通情報管理システムには、偽造・変造ができないように二次元コードが表面に形成されたシールを製品などに貼付する必要がある。
以下、このような二次元コードシールの構成及び製造方法並びにこれを読み取るための二次元コードリーダについて説明する。
〔構成例1〕
図3は、本実施形態にかかる流通情報管理システムに用いる偽造防止粘着シールの第1の構成例の模式断面図である。上記のように偽造防止粘着シールは、製品などの物品を形成する面やこれを包装する部材(包装紙、箱など)に貼付される。
図3に示されているように、偽造防止粘着シールは、ホログラム樹脂層101と、再帰反射材層102と、接着剤層103とからなる。接着剤層103上には再帰反射材層102が積層されている。また、再帰反射材層102上には、再帰反射材層102の保護層としてホログラム樹脂層101が積層されている。
また、ホログラム樹脂層101表面には、CO2レーザにより二次元コードが刻印されている。二次元コードは、偽造防止粘着シールが貼付された製品の識別情報を表すものであるが、管理情報(ロットナンバー、製造日、製造地など)が含まれていてもよい。偽造防止粘着シール上の二次元コードを二次元コードリーダで読み取ることにより、偽造防止粘着シールが貼付された物品の製造、流通の管理が容易になる。
なお二次元コードは、スタック型二次元コードであってもよいし、マトリックス型二次元コードであってもよい。
ホログラム樹脂層101は透過性を有する熱可塑樹脂層であって、例えば、ポリエチレンテレフタレートを素材とする。また、ホログラム樹脂層101には、複数のホログラム像の干渉縞が多重記録されている。ホログラム樹脂層101に対して所定方向からの白色光が照射されると、2D及び3Dの複数のホログラム像が再生される。また、ホログラム樹脂層101に対して所定方向からのレーザ光が照射されると、記録物のフーリエ変換パターンにより形成された干渉縞による可視像が再生される。
また、ホログラム樹脂層101の上面には、二次元コードを形成する複数のドット104が形成されている。CO2レーザマーカは、ホログラム樹脂層101上にCO2レーザを照射することにより、ホログラム樹脂層101を形成する樹脂を昇華させ、ホログラム樹脂層101上に凹陥部(ドット104)を複数形成する。この複数のドット104により二次元コードが形成される。
再帰反射材層102は、所定方向から偽造防止粘着シールに照射された光を光源方向(光進入方向)に再帰反射させる。
図4に、再帰反射材層102の構造を示す。再帰反射材層102は、ガラスビーズ131と、反射層132と、基材133とから構成される。図4に示されているように、基材133上には反射層132が設けられ、反射層132上には、複数のガラスビーズ131が整列配置されている。
基材133は、金属、布、又は紙素材によりなるものであってもよいし、樹脂フィルムによりなるものであってもよい。
反射層132は、ガラスビーズ131を介して進入した入射光を再帰反射させ、その反射光に色彩を付与するものであり、従来のようなアルミニウム又はシルバーなどの反射性金属版/反射性金属蒸着面(層)であるとしてもよい。また、反射層132は、Li2CoTi38被覆雲母などの干渉物質からなるとしてもよい。この場合、反射層132は、干渉を利用して反射光に色彩を付与する。
ガラスビーズ131は透明な真円球であって、凸レンズとして作用するものである。例えば、ガラスビーズ131は、直径40〜90μm程度の微小球である。ガラスビーズ131は、反射層132上に均一に多数配置される。ガラスビーズ131に入射した光は、ガラスビーズ131の内部を通り屈折して反射層132上の一点に焦点を結ぶ。反射層132上の焦点から反射された光は、再度ガラスビーズ131の内部を通り屈折して光源方向に帰される。
接着剤層103は、感圧接着剤などからなる層であり、偽造防止粘着シールを物品を形成する平面に接着するために設けられている。
本例構成の偽造防止粘着シールの製造工程について説明する。
まず、白色光により再生映像を再生可能なレインボーホログラムとしての干渉縞と、赤色レーザ光によってのみ再生映像を再生可能なフーリエ変換ホログラムとしての干渉縞とが多重に記録された記録材料をマスターホログラムとして用い、マスターホログラムと同様の干渉縞を記録することによってマスターホログラムと同じ再生映像を再生し得るホログラムフィルムを作成する。このホログラムフィルムに二酸化チタンを蒸着して、ホログラム樹脂層101を作成する。
ホログラム樹脂層101は、白色光下では、再生光の照射方向を変えると異なる再生映像が1種類以上観察可能なホログラムであり、かつ赤色レーザを照射したときのみ特定の再生映像が観察し得るホログラム(フーリエ変換ホログラム)である。
次に、白色のアクリル繊維による布などを基材133とし、基材133上に、Li2CoTi38被覆雲母とアクリル樹脂溶液とを混合した透明着色スクリーン印刷用インクをスクリーン印刷して反射層132を形成する。形成された反射層132上に、例えば屈折率が1.9で200〜250メッシュのガラスビーズ131を均一に多数散布して、各ガラスビーズ131の半球以上が埋没しないように一重に付着乾燥させ、再帰反射材層102を製造する。再帰反射材層102は、通常光のもとで、緑〜青の外観色を呈し、直線光のもとで赤〜紫色の干渉色を呈するものである。
次に、それぞれ上述したように別々に製造されたホログラム樹脂層101と再帰反射材層102とを積層して偽造防止粘着シールを製造する。
まず、台紙上に接着剤を塗布して接着剤層103を設け、接着剤層103上に再帰反射材層102の基材133側を固定する。次に、接着剤層103上に固定された再帰反射材層102のガラスビーズ131上全面にシリコン樹脂溶液を塗布し、その樹脂が流れない程度に乾燥した時にホログラム樹脂層101を積層して固定する。
次に、CO2レーザマーカからCO2レーザをホログラム樹脂層101に照射してホログラム樹脂層101を昇華させてドット(凹陥部)形成を繰り返し、二次元コードを刻印する。また、ここで形成される凹陥部は、再帰反射材層102の深さまで達していないこととする。このようにして、本例構成の偽造防止粘着シールが完成する。
なお、ここで使用するCO2レーザマーカは、堀内電機製作所製の「12W CO2 レーザマーカ LSS−S050VAH」であってもよい。
CO2レーザマーカを用いて二次元コードを刻印する際の各条件値の例を以下に記載する。なお、ここでは、例として一辺4mmの正方形形状のデータマトリックス(英数字30文字程度)をマーキングしたときの各条件値を示す。
レーザ波長:10.6±0.1μm程度
レーザ出力:1.20〜1.44W程度
1ドットの照射時間:1.0〜1.4msec程度
マーキング範囲:一辺45mmの正方形
レンズからワークまでの距離:115mm
1ドット照射してから次の1ドットを照射するまでの待機時間:好ましくは1.0msec程度
1ドットのマーキング径:120μm程度
1ドットの最大深さ30μm程度
図5は、本構成例において、CO2レーザ照射により、二次元コード(データマトリックス)が形成された偽造防止粘着シールを示す図である。図5に示されているように、偽造防止粘着シールのホログラム樹脂層101上には、複数のドット104が形成されている。その複数のドット104により二次元コードが形成される。
図6は、偽造防止粘着シール上に二次元コードを形成するドット104を示す図である。図6の(a)は、ドットを真上から見た平面図であり、(b)は、(a)の平面図に対応するドット104の断面図である。
CO2レーザがホログラム樹脂層101に照射されると、ホログラム樹脂層101におけるレーザ照射部分が加熱されて気化し、凹陥部(ドット104)が形成される。その際、ホログラム樹脂層101表面において、凹陥部周囲が盛り上がり、凹陥部の周囲に沿って凸部141が環状に形成される。
また、レーザの照射部分の加熱及び気化により、凹陥部の表面には複数の気泡142が形成される。
このように、レーザ照射の際に、偽造防止粘着シール上にリング状の凸部141が形成されたことにより、ドット104の輪郭部分が明瞭となるため、ドット104部分と偽造防止粘着シール上のドット104以外の部分(ホログラム映像)とのコントラストが大きくなり、二次元コードを明瞭に刻印することが可能となる。
また、レーザ照射の際に、ドット104の表面に気泡142が複数形成されたことにより、ドット104表面が白色に反射するため、透明であるホログラム樹脂層101上のドット104以外の部分とのコントラストが大きくなり、明瞭な二次元コードを刻印することが可能となる。
以下、偽造防止粘着シール上の二次元コードの読み取りについて説明する。偽造防止粘着シール上に刻印された二次元コードを読み取る二次元コードリーダは、自装置に設けられている光源から対象となる物体に光を照射して、その反射光の強度を測定してコードを読み取る装置である。例えば、上記の二次元コードリーダとして、株式会社東研製の「THIR−3000LP ハンドヘルド一次元/二次元イメージリーダー」を用いることができる。
ホログラム樹脂層101上の二次元コードに光を照射すると、二次元コード刻印部の反射光強度は、二次元コードが刻印されていないホログラム樹脂層101の反射光に比べて大きく増加する。これは、二次元コード刻印部上に環状の凸部141及び気泡142が形成され、ホログラム樹脂層101表面に凹凸が生じることにより、二次元コード刻印部が白色に反射し、二次元コードリーダの受光素子側に到達する反射光の強度が増加することがその理由である。
このようにして、二次元コードリーダは、二次元コードの刻印部分からの反射光と二次元コードの非刻印部分からの反射光との強度の違いに基づいて、二次元コードを読み取る。
また、二次元コード刻印部以外の部分とのコントラストが不十分であるために読み取りが困難である二次元コードを読み取る場合、二次元コードリーダの利得(ゲイン)を調節することにより、その二次元コードを読み取ることが可能となる。
以上説明したように、上記構造では、インク印刷により偽造防止粘着シール上に二次元コードを形成する場合に比べて、二次元コードの耐久性を向上させることが可能となることに加え、ホログラム映像の美観を損なうことなく、意匠性に優れた二次元コードが刻印される。
また、図7に示されているように、読み取りの際、二次元コード非刻印部に照射された光は光源方向に再帰し、二次元コード刻印部に照射された光は白色乱反射を起こして受光部に到達するため、二次元コードを安定して読み取れる。
また、上記構造では、マーキング径が120μm程度のドットを微小面積上に複数刻印可能である。従って、二次元コードの偽造を困難にし、抑制することが可能となる。
このように、上記構造の偽造防止粘着シールは、ホログラムに加えて、耐久性、意匠性、及び偽造防止性に優れ、読み取り良好な二次元コードが刻印されているので、偽造防止粘着シールが貼付された物品の信頼性を保証することが可能である。
〔構成例2〕
図8は、本実施形態にかかる流通情報管理システムに適用する偽造防止粘着シールの第2の構成例を示す断面図である。第1の構成例では、再帰反射材層102を保護する樹脂層としてホログラム樹脂層101が積層されていたが、図8に示されているように、本構成例では、保護層として、ホログラム樹脂層101に加え、ホログラム樹脂層101を保護するためにホログラム樹脂層101上に透明保護層105がさらに積層されている。透明保護層105は、例えばポリエチレンテレフタレートを素材とするものである。
透明保護層105上にCO2レーザを照射することにより形成されるドットには、第1の構成例においてホログラム樹脂層101上に形成されたドットと同様に環状の凸部及び気泡が形成され、同様の効果を有するものであるとする。また、透明保護層105上のドットが形成されていない部分に光が照射されると、その入射光は透明保護層105を透過し、ホログラム樹脂層101を通って、再帰反射材層102に達するものとする。また、再帰反射材層102からの反射光は、透明保護層105を再度透過して光源方向に再帰する。
また、CO2レーザにより再帰反射材層102に到達するまでホログラム樹脂層101を昇華させて、ホログラム樹脂層101表面にドット104が形成されずに再帰反射材層102が露出すると、二次元コードリーダが、二次元コードを読み取り難くなってしまう場合がある。この場合、二次元コードリーダから二次元コード刻印部に照射された入射光は、直接露出した再帰反射材層102にも入射されて再帰反射するので、図9に示されるように凸部141と気泡142とが形成された凹陥部(白セル)内に、露出した再帰反射材層(黒点)が発生するため、セルとして認識できなくなる。従って、二次元コードリーダが、二次元コードを読み取り難くなってしまう。
このように、CO2レーザの強度制限などにより、ホログラム樹脂層101の厚さを超えた深さまで凹陥部が形成される場合、ホログラム樹脂層101上に所定の層厚の透明な透明保護層105を積層して、凹陥部形成の際に再帰反射材層102に達しない程度の層の厚さ(透明保護層105の厚さ+ホログラム樹脂層101の厚さ)を確保する。ここで、透明保護層105上からCO2レーザを照射して、透明保護層105及びホログラム樹脂層101に凹陥部を形成する。このことにより、CO2レーザを一定の強度以上で照射しなければならない場合などであっても、良好に読み取れる二次元コードを形成できる。
〔構成例3〕
図10は、本実施形態にかかる流通情報管理システムに適用する偽造防止粘着シールの第3の構成例を示す断面図である。第1の構成例では、再帰反射材層102を保護する樹脂層としてホログラム樹脂層1が積層されていたが、図10に示されているように、本構成例では、保護層として、再帰反射材層2上に、例えばポリエチレンテレフタレートからなる透明保護層105が積層されている。
透明保護層105上にCO2レーザを照射することにより形成されるドットは、第1の構成例においてホログラム樹脂層1上に形成されたドットと同様に環状の凸部及び気泡が形成され、同様の効果を有するものであるとする。また、透明保護層105上のドットが形成されていない部分に光が照射されると、その光は透明保護層105を透過して再帰反射材層102に達するものとする。また、再帰反射材層102からの反射光は、透明保護層105を再度透過して光源方向に再帰する。
また、透明保護層105は、CO2レーザ照射により生じる凹陥部が再帰反射材層102に達しない程度に十分な厚さを有しているものとする。
このように、透明保護層105を再帰反射材層102上に積層した場合でも、ホログラム樹脂層101を再帰反射材層102上に積層した場合と同様に、読み取り良好な二次元コードを形成することが可能となる。
〔構成例4〕
上記第1の構成例では、ホログラム樹脂層上に複数のドットが形成され、その複数のドットによりコードマークが形成されていた。
これに対し、本構成例では、ホログラム樹脂層上に、互いに平行で一定の深さの複数の溝部からなる単位セルがCO2レーザにより形成され、その複数の単位セルの集合によりコードマークが形成される。
なお、特記しない限り、本構成例における偽造防止粘着シールは、上記第1の構成例と同様であるとする。
図11の(a)は、本例構成の偽造防止粘着シールに刻印されたコードマークを示す正面図であり、(b)は、(a)に示されるコードマークを形成する単位セルを示す正面図である。
また、図12は、本例構成の偽造防止粘着シールの断面図であって、図11の(b)の点線Aの部分の断面を示す。
以下、図11および図12を用いて、本例構成の偽造防止粘着シールについて説明する。
図12に示されているように、本例構成の偽造防止粘着シールは、ホログラム樹脂層101と、再帰反射材層102と、接着剤層103とからなる。接着剤層103上には再帰反射材層102が積層されている。また、再帰反射材層102上には、再帰反射材層102の保護層としてホログラム樹脂層101が積層されている。
また、図11の(b)及び図12に示されているように、各単位セル106では、ホログラム樹脂層101表面に、再帰反射材層102に達しない深さで、互いに平行な2本の線状の溝部107が所定間隔で形成されている。
また、CO2レーザ照射による溝部107形成時に、ホログラム樹脂層101表面において、溝部107周囲が盛り上がり、溝部107の周囲に沿って凸部171が形成される。このとき、ドット104形成時と同様に、溝部107の主に内壁に気泡172が発生する。
また、図11の(a)に示されているように、ホログラム樹脂層101表面では、複数の単位セル106がマトリクス状に配置されて、2次元コードが形成されている。
なお、線状の溝部107が形成されている方向に連結した2以上の単位セル106では、その溝部107も、また連結されているものとする。
ここで、本実施例における偽造防止粘着シールの製造方法について説明する。
まず、第1の構成例と同様に、図4に示されているように台紙上に接着剤を塗布して接着剤層103を設け、接着剤層103上に再帰反射材層102の基材133側を固定する。次に、接着剤層103上に固定された再帰反射材層102のガラスビーズ131上全面に樹脂溶液を塗布し、その樹脂が流れない程度に乾燥した時にホログラム樹脂層101を積層して固定する。
次に、CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を一定方向に移動させながら、CO2レーザをホログラム樹脂層501に照射させてホログラム樹脂層501を昇華させて溝部507を形成する。さらに、この移動方向に平行な方向にCO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を移動させながらレーザの照射を繰り返して、互いに平行な溝部107をホログラム樹脂層101上に形成し、二次元コードを刻印する。また、ここで形成される溝部107は、再帰反射材層102の深さまで達していないこととする。このようにして、本実施形態における偽造防止粘着シールが完成する。
図13は、本例構成の偽造防止粘着シールに刻印されたコードマークを形成する単位セル106をより詳細に示した図である。
図13に示されているように、正方形状の単位セルにおいて、形成される2つの溝部107の外周に沿ってそれぞれ形成される各凸部171間における平坦部173の距離は15〜35μm、好ましくは約25μmである。また、単位セル106外周の境界を形成する線分のうち、溝部107の形成方向(万線の方向)に平行な線分と、その線分に近接する溝部107の外周に沿って形成された凸部171との距離は7.5〜17.5μm、好ましくは約12.5μmである。このことにより、偽造防止粘着シール上に形成される複数の溝部107の外周に沿って形成される凸部171間の距離は15〜35μmとなる。
なお、本構成例では、単位セル106の形状を1辺0.3mmの正方形としたが、その1辺の長さは上記の値に限定されないものとする。
以下、偽造防止粘着シール上の二次元コードの読み取りについて説明する。本構成例においても、上記第1の構成例と同様に、偽造防止粘着シール上に刻印された二次元コードを二次元コードリーダによって読み取る。二次元コードリーダは、自装置に設けられている光源から対象となる物体に光を照射して、その反射光の強度を測定して二次元コードを読み取る。
図12に示されているように、二次元コードリーダは、溝部107形成時のCO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方の移動方向(溝部107により構成される万線の長手方向)に略垂直で、かつ照射面(ホログラム樹脂層101側)に対して所定角度をなす方向から読み取り用の光を照射する。
読取装置の光源からの光が溝部107へ照射されると、溝部107の内壁でその照射光による乱反射が生じ、溝部107とホログラム樹脂層101との境界近傍が白色に発光し、読取装置の受光素子側に到達する反射光の強度が増加する。
この結果、二次元コードリーダの受光素子により検出される溝部107からの反射光の強度は、ホログラム樹脂層101の他の部分からの反射光の強度に比べて高い値となる。
このことから、二次元コードリーダは、二次元コードの刻印部分(溝部107形成部分)と二次元コードの非刻印部分とからのそれぞれの反射光の強度の違いに基づいて、二次元コードを読み取る。
図14は、本例構成の偽造防止粘着シールとの比較例を示す図である。図14には、単位セル106上に形成される二つの溝部107の間隔をゼロとした場合の偽造防止粘着シールの断面が示されている。すなわち、図14に示される偽造防止粘着シールでは、二つの溝部107が連結されて一つの溝部107が形成されている。
二次元コードリーダが、図14に示される偽造防止粘着シール上の二次元コードを読み取る場合、断面で見ると、二次元コードリーダからの照射光による発光部分は2箇所となり、図12に示される本構成例の偽造防止粘着シールに比べて、その発光面積が小さくなるため二次元コードの認識が困難となる。
また、マーク形状がドット104である場合、単位セル内の二次元コードの面積をある程度まで拡大しようとすると、ホログラム樹脂層101をある程度の深さまで昇華させる必要があり、ドット104が再帰反射材層102にまで達してしまう可能性があった。
仮に再帰反射材層102に達しない程度に二次元コードを形成できても、ドット104中心部には気泡142が形成されにくいので、その中心部の反射率が低いものとなり、二次元コードの読み取りが困難になってしまう可能性があった。
これに対し、二次元コードを複数のライン(溝部107)で形成した場合、マークが再帰反射材層102に達することなく、容易にホログラム樹脂層101上に一定以上の面積で二次元コードを刻印することができる。また、この場合、二次元コードを形成する複数の溝部107の幅を所定の幅以下とすることにより、ドット104で形成した場合よりも多くの気泡172が二次元コード上に形成される。従って、二次元コードを複数の溝部107で形成することにより、ドット104で形成した場合に比べて高い反射率を確保でき、安定して二次元コードを読み取れる。
なお、本構成例では、一つの単位セルに二つの溝部107が形成されていたが、一つの単位セルに万線状の溝部107が3以上形成されているとしてもよい。
以上説明したように、本例構成によれば、偽造防止粘着シール上の二次元コードを二次元コードリーダにより読み取る場合、二次元コードリーダからの読み取り用の照射光が溝部107にて乱反射して白色に発光し、その反射光の強度が増加する。
このことにより、安定して二次元コードを読み取れる。
また、本例構成によれば、CO2レーザマーカを用いて、ホログラム樹脂層101を貫通しない程度の弱いレーザ出力レベルで単位セル106相当の大きさのマークを容易に形成することが可能となり、再帰反射材層2表面が露出すると、二次元コードを読み取り難くとなってしまう問題を解決することができる。
〔構成例5〕
上記第4の構成例では、ホログラム樹脂層上に、互いに平行で一定の深さの複数の溝部からなる単位セルがCO2レーザにより形成され、その複数の単位セルの集合によりコードマークが形成されていた。
本構成例では、その複数の溝部上に、さらに上記第1の構成例と同様な凹陥部(ドット)を形成する。
なお、特記しない限り、本構成例における偽造防止粘着シールは、第4の構成例と同様であるとする。
図15の(a)は、本例構成の偽造防止粘着シールに刻印されたコードマークを示す正面図であり、(b)は、(a)に示されるコードマークを形成する単位セルを示す正面図である。
また、図16は、本例構成の偽造防止粘着シールの断面図であって、図15の(b)の点線Cの部分の断面を示す。
また、図17は、本例構成の偽造防止粘着シールの断面図であって、図15の(b)の点線Dの部分の断面を示す。
以下、図15乃至図17を用いて、本構成例の偽造防止粘着シールについて説明する。
図16及び図17に示されているように、本例構成の偽造防止粘着シールは、ホログラム樹脂層101と、再帰反射材層102と、接着剤層103とからなる。接着剤層103上には再帰反射材層102が積層されている。また、再帰反射材層102上には、再帰反射材層102の保護層としてホログラム樹脂層101が積層されている。
また、図15の(b)、図16及び図17に示されているように、各単位セル106では、ホログラム樹脂層101表面に、再帰反射材層102に達しない深さで、互いに平行な2本の線状の溝部107が所定間隔で形成されている。
また、図15の(a)に示されているように、ホログラム樹脂層101表面では、複数の単位セル106がマトリクス状に配置されて、二次元コードが形成されている。
なお、線状の溝部107が形成されている方向に連結した2以上の単位セル106では、その溝部107もまた連結されているものとする。
さらに本構成例では、図15などに示されているように、各単位セル106の中央部に一つの凹陥部(ドット104)が形成されている。図15などに示されているように、ドット104は、2本両方の溝部107上に形成されているとしてもよい。
なお、単位セル106における各長さは第4の構成例と同様であるとする。
ここで、本例構成の偽造防止粘着シールの製造方法について説明する。
まず、第4の構成例と同様に、台紙上に接着剤を塗布して接着剤層103を設け、接着剤層103上に再帰反射材層102の基材133側を固定する。次に、接着剤層103上に固定された再帰反射材層102のガラスビーズ131上全面に樹脂溶液を塗布し、その樹脂が流れない程度に乾燥した時にホログラム樹脂層101を積層して固定する。
次に、第4の構成例と同様に、CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を一定方向に移動させながら、CO2レーザをホログラム樹脂層101に照射させてホログラム樹脂層101を昇華させて溝部107を形成する。さらに、この移動方向に平行な方向にCO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を移動させながらレーザの照射を繰り返して、互いに平行な溝部107をホログラム樹脂層101上に形成し、コードマークを刻印する。また、ここで形成される溝部107は、再帰反射材層102の深さまで達していないこととする。
次に、CO2レーザマーカにより、溝部107から構成されるコードマーク上にCO2レーザを照射し、ドット104を形成する。なお、ここで形成されるドット104は、再帰反射材層102の深さまで達していないこととする。
ドット104は、上述したように、各単位セル106の中央部に一つの割合でホログラム樹脂層101上に形成されるとよい。
このようにして、万線状の複数の溝部107に複数のドット104を重ねた二次元コードが形成され、本構成例の偽造防止粘着シールが完成する。
以下、本例構成の偽造防止粘着シール上のコードマークの読み取りについて説明する。本構成例においても、第4の構成例と同様に、偽造防止粘着シール上に刻印された二次元コードを二次元コードリーダによって読み取る。二次元コードリーダは、自装置に設けられている光源から対象となる物体に光を照射して、その反射光の強度を測定してコードを読み取る。
図15の(b)における点線Bの断面は、図12に示されるような第4の構成例の偽造防止粘着シールの断面と同様となる。従って、複数の溝部107により構成される万線方向に略垂直で、かつ照射面(ホログラム樹脂層101側)に対して所定角度をなす方向から、読取装置により読み取り用の光が溝部107へ照射されると、溝部107の内壁でその照射光による乱反射が生じ、溝部107とホログラム樹脂層101との境界近傍が白色に発光し、二次元コードリーダの受光素子側に到達する反射光の強度が増加する。
この結果、二次元コードリーダの受光素子により検出される溝部107からの反射光の強度は、ホログラム樹脂層101の他の部分からの反射光の強度に比べて高い値となる。
このことから、二次元コードリーダは、二次元コードの刻印部分(溝部107形成部分)と二次元コードの非刻印部分とからのそれぞれの反射光の強度の違いに基づいて、二次元コードを読み取ることができる。
また、図16に示されているように、溝部107が形成された部分のホログラム樹脂層101がさらに昇華され、ドット104が形成されている。
また、図17に示されているように、二次元コードリーダにより読み取り用の光が溝部107へ照射されると、ドット104の凹陥部の内壁でその照射光による乱反射が生じ、ドット104の凹陥部が白色に発光し、二次元コードリーダの受光素子側に到達する反射光の強度が増加する。
この結果、二次元コードリーダの受光素子により検出されるドット104からの反射光の強度は、ホログラム樹脂層101の他の部分からの反射光の強度に比べて高い値となる。
このことから、二次元コードリーダは、二次元コードの刻印部分(ドット104形成部分)と二次元コードの非刻印部分とからのそれぞれの反射光の強度の違いに基づいて、コードマークを容易に読み取ることができる。
以上説明したように、本例構成では、照射光の反射光の強度を測定して偽造防止粘着シール上の二次元コードを読み取る場合、その照射光が、複数の溝部107により構成される万線方向に略垂直でかつ照射面(ホログラム樹脂層101側)に対して所定角度をなす方向成分の光を含んでいない場合であっても、ドット104にて乱反射が生じ、二次元コードからの反射光の強度が増加するため、二次元コードの良好な読み取りを実現することが可能となる。
以上、実施例1乃至5において、コードマークを刻印するレーザとしてCO2レーザを使用したが、これは、他のレーザ(例えばYAGレーザ)を偽造防止粘着シールに照射した場合、レーザ光がホログラム樹脂層1およびポリエチレンテレフタレート層(透明保護層5)を透過してしまい、コードマークを刻印することができないという理由によるものである。
〔構成例6〕
第6の構成例として、低反射基材層の一方の面に低反射基材層よりも照射光の反射率の高い高反射基材層(鱗片顔料含有樹脂層又はホログラム層など)を設け、他方の面に接着剤を塗布して粘着層を設け、さらに、高反射基材層側にレーザを照射して、低反射基材層に達するまで高反射基材層を昇華させることにより貫通孔が生成された貫通単位セルと、低反射基材層に達しない程度に高反射基材層を昇華させることにより非貫通孔が生成された非貫通単位セルとを設けた構成について説明する。
図18は、本構成例における偽造防止粘着シールの正面図である。
また、図19は、本構成例における偽造防止粘着シールの断面図であって、図18の点線Aの断面を示す。
図19に示されているように、偽造防止粘着シールは、鱗片顔料含有樹脂層201と、低反射基材層202と、粘着層203とからなる。粘着層203上には低反射基材層202が積層されている。また、低反射基材層202上には、鱗片顔料含有樹脂層201が積層されている。
鱗片顔料含有樹脂層201は、鱗片顔料を含有する樹脂からなる層であって、光輝性を有する。その鱗片顔料としては、例えば各種雲母、セリサイト(絹雲母)、タルク、カオリン、ムライトなどの天然鉱物や合成雲母などの鱗片状の合成化合物が用いられる。
低反射基材層202は、鱗片顔料含有樹脂層201よりも著しく反射濃度の低い基材からなる層である。例えば、低反射基材層202は、黒色の紙又は樹脂からなる。
粘着層203は、感圧接着剤などからなり、偽造防止の対象の物品に偽造防止粘着シールを接着するための層である。
図18に示されているように、鱗片顔料含有樹脂層201表面には、貫通単位セル210と、非貫通単位セル220とが形成されている。
貫通単位セル210は、所定面積の鱗片顔料含有樹脂層201表面が低反射基材層202に達するまで掘削されて二次元コードが刻印されて形成される。
また、非貫通単位セル220は、所定面積の鱗片顔料含有樹脂層1表面が低反射基材層2に達しない程度に掘削されて二次元コードが刻印されて形成される。
なお、図18に示される例では、1つの貫通単位セル210の周囲に八つの非貫通単位セル220が設けられているが、各単位セルの数及び偽造防止粘着シール上の各単位セルの配置位置は、図18の例に限定されないものとする。
貫通単位セル210及び非貫通単位セル220に刻印された二次元コードは、偽造防止粘着シールが貼付された製品の識別情報を表すものであるが、管理情報(ロットナンバー、製造日、製造地など)が含まれていてもよい。偽造防止粘着シール上の二次元コードを二次元コードリーダで読み取ることにより、偽造防止粘着シールが貼付された物品の製造、流通の管理が容易になる。
なお、上記の二次元コードは、スタック型二次元コードであってもよいし、マトリックス型二次元コードであってもよい。
上記のように、偽造防止粘着シールは、黒色紙などの低反射基材層202上に鱗片顔料含有樹脂層201を積層して作成される。従って、再帰反射基材などを用いた場合に比べて安価に偽造防止粘着シールを生成することが可能となる。
図20は、本構成例おける偽造防止粘着シールを構成する貫通単位セル210をより詳細に示した正面図である。
また、図21は、本構成例における偽造防止粘着シールを構成する貫通単位セル210の断面図であって、図20の点線Bの断面を示すものである。
図21に示されているように、貫通単位セル210は、鱗片顔料含有樹脂層201と、低反射基材層202と、粘着層203とからなる。粘着層203上には低反射基材層202が積層されている。また、低反射基材層2上には、鱗片顔料含有樹脂層1が積層されている。
CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を一定方向に移動させながら、鱗片顔料含有樹脂層201上にCO2レーザを照射して、低反射基材層202に達する深さまで鱗片顔料含有樹脂層201を昇華させることにより、ライン状(溝形状)に貫通孔204が形成される。さらに、その一定方向に平行にCO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を移動させながら、鱗片顔料含有樹脂層201上へCO2レーザを照射して貫通孔4形成を繰り返して二次元コードを刻印することにより、偽造防止粘着シールに貫通単位セル210が形成される。
以下、貫通単位セル210上の二次元コードの読み取りについて説明する。この偽造防止粘着シール上に刻印された二次元コードを読み取る二次元コードリーダは、自装置に設けられている光源から対象となる物体に光を照射して、その反射光を受光し、その受光した反射光の強度を測定してコードを読み取る装置である。
二次元コードリーダは、自装置が保持する光源が発する光を鱗片顔料含有樹脂層201表面に照射し、その反射光の光強度を測定する。そして、二次元コードリーダは、その測定された反射光の光強度差に基づいて、偽造防止粘着シール上の画像(二次元コード)を読み取る。
本構成例における貫通単位セル210では、高輝度の鱗片顔料含有樹脂層201と、鱗片顔料含有樹脂層201を貫通するようにマーキングすることにより低反射基材層202表面が露出した貫通孔204表面との間に大きなコントラスト(反射光の光強度差)が生じ、二次元コードリーダによる読取精度を向上させることが可能となる。
二次元コードリーダは、鱗片顔料含有樹脂層1表面に対して垂直方向又は非垂直方向から、貫通単位セル210に読み取り用の光を照射すると、低反射基材層202表面が露出した貫通孔204では鱗片顔料含有樹脂層201表面に比べて照射光の吸収率が高いため、貫通孔204からの反射光の光強度は鱗片顔料含有樹脂層201表面からの反射光の光強度よりも低い値となり、両反射光の光強度差から偽造防止粘着シール上の画像が読み取られる。
図22は、貫通単位セル210の読取画像を示す図である。図22に示されるように、鱗片顔料含有樹脂層201表面に対して垂直方向からであるか非垂直方向からであるかに関わらず、二次元コードリーダが鱗片顔料含有樹脂層201へ読み取り用の光を照射すれば、貫通孔204の集合により形成される貫通単位セル210上の二次元コードを読み取ることができる。
図23は、本構成例における偽造防止粘着シールを構成する非貫通単位セル220をより詳細に示した正面図である。
また、図24は、本構成例における偽造防止粘着シールを構成する非貫通単位セル220の断面図であって、図23の点線Cの断面を示すものである。
図24に示されているように、偽造防止粘着シールは、鱗片顔料含有樹脂層201と、低反射基材層202と、粘着層203とからなる。粘着層203上には低反射基材層202が積層されている。また、低反射基材層202上には、鱗片顔料含有樹脂層201積層されている。
また、CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を一定方向に移動させながら、鱗片顔料含有樹脂層201上にCO2レーザを照射させて、低反射基材層202に達しない程度に鱗片顔料含有樹脂層201を昇華させることにより、ライン状(溝形状)の非貫通孔205を形成する。さらに、その一定方向に平行にCO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を移動させながら、鱗片顔料含有樹脂層201上へCO2レーザを照射して非貫通孔205形成を繰り返すことにより、非貫通単位セル220上に二次元コードを形成する。
非貫通孔205は、例えば鱗片顔料含有樹脂層201の積層方向の厚さの1/2程度の深さである。複数の非貫通孔205の集合により二次元コードが形成される。
このように、非貫通単位セル220は、二次元コードを形成するライン状の孔が鱗片顔料含有樹脂層201を貫通していない点で貫通単位セル210とは異なる。なお、他の部分については、非貫通単位セル220は、貫通単位セル210と同様である。
以下、非貫通単位セル220上の二次元コードの読み取りについて説明する。二次元コードリーダは、自装置に設けられている光源から対象となる物体に光を照射して、その反射光を受光し、その受光した反射光の強度を測定することによって偽造防止粘着シール上の二次元コードを読み取る。
図24に示されるように、二次元コードリーダは、照射面(非貫通単位セル220の鱗片顔料含有樹脂層201側の面)に対して垂直方向から光を照射して、その反射光の光強度を測定する場合、貫通単位セル210における貫通孔204と同様に、反射光の光強度差から非貫通孔205を二次元コードとして読み取ることができる。
図25は、本構成例において、読取装置が照射面に対して垂直方向から読み取り用の光を照射して、その反射光の強度差から読み取った非貫通単位セル220上の画像を示す図である。
図25に示されるように、読取装置が照射面に対して垂直方向から読み取り用の光を照射すると、非貫通単位セル220上の非貫通孔205から形成される二次元コードを読み取ることができる。
一方、二次元コードリーダが、非貫通孔205形成時のCO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方の移動方向(非貫通孔205のライン形状が形成されている方向に平行な方向)に略垂直で、かつ照射面(鱗片顔料含有樹脂層201側)に対して所定角度をなす方向から光を照射して、その反射光の光強度を測定する場合、非貫通孔205に入射した光は非貫通孔205の内壁で乱反射を起こし、非貫通孔205が白色に発光する。この場合、二次元コードリーダが受光する反射光の強度と、鱗片顔料含有樹脂層201表面からの反射光の強度との差が小さくなる。
図26は、本構成例において、二次元コードリーダが線形成方向に平行な方向と略垂直で、かつ照射面に対して所定角度をなす方向から読み取り用の光を照射して、その反射光の強度差から読み取った非貫通単位セル220上の画像を示す図である。
図26に示されるように、鱗片顔料含有樹脂層201と貫通孔205との反射光の光強度差が小さくなるため、二次元コードリーダは非貫通孔205を二次元コードとして読み取らない。
なお、上記の照射面となす所定の角度は、20°〜40°、好ましくは30±2.5°である。
このように、照射面に対して所定の角度から読み取り用の光を照射した場合においてのみ認識が可能な二次元コードを偽造防止粘着シール上にマーキングし、その偽造防止粘着シールを物品の表面に貼付などすることにより、偽造防止粘着シールの複製を著しく困難なものとし、物品の偽造を防止することが可能となる。
以下、本構成例での偽造防止粘着シールの製造工程について説明する。
まず、透明樹脂に鱗片顔料を練り込んで、20〜100μmの厚さに圧延処理し、シート化して鱗片顔料含有樹脂層1を作成する。このとき、鱗片顔料は、鱗片顔料含有樹脂層201全体に対して10〜50%、好ましくは20〜30%の体積比で混入させるとよい。
次に、低反射基材層202の一方の面上に、光輝性を有する鱗片顔料を含有する鱗片顔料含有樹脂層201を貼り合わせ、低反射基材層202上に鱗片顔料含有樹脂層201を積層する。
次に、低反射基材層202の他方の面に接着剤を塗布して粘着層203を設ける。
次に、CO2レーザマーカからCO2レーザを鱗片顔料含有樹脂層201に照射し、CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を一定方向に移動させて、低反射基材層202に達する深さまで鱗片顔料含有樹脂層201を昇華させ、ライン状の貫通孔204を形成する。この貫通孔204形成部分では、低反射基材層202表面が露出する。
CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を、所定面積内において上記の一定方向と平行な方向へ移動させながらレーザ照射を繰り返し、互いに平行なライン状の貫通孔204を鱗片顔料含有樹脂層201上に複数形成して二次元コードを刻印することにより、貫通単位セル210が形成される。上記工程を繰り返して、貫通単位セル210を必要な数だけ偽造防止粘着シール上に形成する。
次に、CO2レーザマーカからCO2レーザを鱗片顔料含有樹脂層201に照射し、CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を一定方向に移動させて、低反射基材層202に達しない深さまで鱗片顔料含有樹脂層201を昇華させ、ライン状の非貫通孔205を形成する。
CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を、所定面積内において上記の一定方向と平行な方向へ移動させながらレーザ照射を繰り返し、互いに平行なライン状の非貫通孔205を鱗片顔料含有樹脂層201上に複数形成して二次元コードを刻印することにより、非貫通単位セル220を形成する。上記工程を繰り返して、非貫通単位セル220を必要な数だけ偽造防止粘着シール上に形成する。
このようにして、偽造防止粘着シールが完成する。
なお、貫通単位セル210を形成する工程と非貫通単位セル220を形成する工程とは、その順序が入れ替わってもよい。
また、ここで使用するCO2レーザマーカは、例えば、堀内電機製作所製の「12W CO2レーザマーカ LSS−S050VAH」である。
以下、二次元コードリーダが、照射面(鱗片顔料含有樹脂層1の上面)に対して垂直に光を照射し、その反射光により二次元コードを読み取る場合について説明する。
図22に示されるように、二次元コードリーダは、照射面に対して垂直方向から読み取り用の光を照射した場合、反射光の光強度差から貫通単位セル210の貫通孔204を二次元コードとして読み取ることができる。
また、図25に示されるように、二次元コードリーダは、照射面に対して垂直方向から読み取り用の光を照射した場合、反射光の光強度差から非貫通単位セル220の非貫通孔205を二次元コードとして読み取ることができる。
図27は、本構成例において、二次元コードリーダが照射面に対して垂直方向から読み取り用の光を照射した場合における偽造防止粘着シール上の読み取り画像を示す図である。
上述したことから、図27に示されるように、二次元コードリーダは、照射面に対して垂直方向から読み取り用の光を照射した場合、貫通単位セル210及び非貫通単位セル220の両方の二次元コードを読み取る。
以下、二次元コードリーダが、線形成方向に平行な方向に略垂直で、かつ照射面(鱗片顔料含有樹脂層201の上面)に対して所定角度をなす方向から光を照射し、その反射光により二次元コードを読み取る場合について説明する。
図22に示されるように、二次元コードリーダは、線形成方向に平行な方向に略垂直で、かつ照射面(鱗片顔料含有樹脂層201の上面)に対して所定角度をなす方向(照射面に対して非垂直方向)から読み取り用の光を照射した場合、反射光の光強度差から貫通単位セル210の貫通孔204を二次元コードとして読み取ることができる。
一方、二次元コードリーダは、線形成方向に平行な方向に略垂直で、かつ照射面(鱗片顔料含有樹脂層201の上面)に対して所定角度をなす方向から読み取り用の光を照射した場合、その照射光が非貫通孔205の内壁で乱反射し、非貫通孔205が白色に発光する。このことから、非貫通孔5からの反射光の強度が増加し、鱗片顔料含有樹脂層201との反射強度の差が小さくなるため、図26に示されるように、二次元コードリーダは非貫通孔205の画像を二次元コードとして読み取らない。
図28は、本構成例において、二次元コードリーダが線形成方向に平行な方向に略垂直で、かつ照射面に対して所定角度をなす方向から読み取り用の光を照射した場合における偽造防止粘着シール上の読み取り画像を示す図である。
上述したことから、図28に示されるように、二次元コードリーダは、線形成方向に平行な方向に略垂直で、かつ照射面に対して所定角度をなす方向から読み取り用の光を照射した場合、非貫通単位セル20上の二次元コードを読み取らずに、貫通単位セル210上の二次元コードのみを読み取る。
なお、上記の所定角度は20°から40°、好ましくは30°±2.5°である。
〔構成例7〕
第7の構成例として、低反射基材層の一方の面に低反射基材層よりも照射光の反射率の高い鱗片顔料含有樹脂層を設け、他方の面に接着剤を塗布して粘着層を設け、鱗片顔料含有樹脂層側にレーザを照射して、低反射基材層に達しない程度に鱗片顔料含有樹脂層を昇華させて模様状の溝部を形成し、さらに、溝部にレーザを照射して、低反射基材層に達するまで鱗片顔料含有樹脂層を昇華させて貫通孔を生成して、二次元コードをマーキングした構成について説明する。ここでいう模様状の溝部とはレーザで描くことができる任意の形状(万線、文字またロゴ等)からなる図形のことをいう。
図29は、本構成例の偽造防止粘着シールの正面図である。
また、図30は、本構成例の偽造防止粘着シールの断面図であって、図29の点線Aの断面を示すものである。
図30に示されているように、偽造防止粘着シールは、鱗片顔料含有樹脂層301と、低反射基材層302と、粘着層303とからなる。粘着層303上には低反射基材層302が積層されている。また、低反射基材層302上には、鱗片顔料含有樹脂層301が積層されている。
鱗片顔料含有樹脂層301は、鱗片顔料を含有する樹脂からなる層であって、光輝性を有する。その鱗片顔料としては、例えば各種雲母、セリサイト(絹雲母)、タルク、カオリン、ムライトなどの天然鉱物や合成雲母などの鱗片状の合成化合物が用いられるとしてもよい。
低反射基材層302は、鱗片顔料含有樹脂層301よりも反射濃度の低い基材からなる層である。例えば、低反射基材層302は、黒色の紙又は樹脂からなる。
粘着層303は、感圧接着剤などからなり、偽造防止の対象の物品に偽造防止粘着シールを接着するための層である。
また、鱗片顔料含有樹脂層301をCO2レーザによって低反射基材層302に達しない深さまで掘削することにより、万線状の溝部304が所定間隔で形成されている。また、溝部304と鱗片顔料含有樹脂層301表面との境界である内壁がすり鉢状に形成された縁部分306は、CO2レーザ光照射による溝部304形成時に、そのレーザ熱により低反射基材層302の色と近い反射濃度の色(例えば茶色)に変色している。
さらに、図29及び図30に示されているように、万線状の溝部304上には、低反射基材層302に達する深さまで鱗片顔料含有樹脂層301がCO2レーザによって掘削されたことにより、貫通孔305が形成されている。なお、貫通孔305の幅は、万線状の溝部304の幅よりも小さいものとする。万線状の溝部304それぞれに設けられた貫通孔305の集合により、偽造防止粘着シールに二次元コードが形成される。
二次元コードには、偽造防止粘着シールが貼付された製品の識別情報を表すものであるが、管理情報(ロットナンバー、製造日、製造地など)が含まれるとしてもよい。偽造防止粘着シール上の二次元コードを二次元コードリーダで読み取ることにより、偽造防止粘着シールが貼付された物品の製造、流通の管理が容易になる。
なお、二次元コードは、スタック型二次元コードであってもよいし、マトリックス型二次元コードであってもよい。
以下、本構成例の偽造防止粘着シールの製造工程について図31を用いて説明する。
まず、透明樹脂に鱗片顔料を練り込んで、20〜100μmの厚さに圧延処理し、シート化して鱗片顔料含有樹脂層301を作成する。このとき、鱗片顔料は、鱗片顔料含有樹脂層301全体に対して10〜50%、好ましくは20〜30%の体積比で混入させるとよい。
次に、低反射基材層302の一方の面上に光輝性を有する鱗片顔料を含有する鱗片顔料含有樹脂層301を貼り合わせ、低反射基材層302上に鱗片顔料含有樹脂層301を積層する。
次に、低反射基材層302の他方の面に接着剤を塗布して粘着層303を設ける。
図32は、本構成例における鱗片顔料含有樹脂層301上に溝部304を形成する工程を説明するための偽造防止粘着シールの正面図である。また、図33は、本構成例における万線状の溝部4形成後の偽造防止粘着シールの正面図である。
図32に示されているように、CO2レーザマーカからCO2レーザを鱗片顔料含有樹脂層301に照射し、鱗片顔料含有樹脂層301を昇華させる。このとき、CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を所定方向に移動させながらCO2レーザを鱗片顔料含有樹脂層301上に照射させ、この動作を繰り返して、図33に示されるような所定間隔の万線状の溝部304を形成する。鱗片顔料含有樹脂層301の昇華の際、溝部304における内壁がすり鉢状に形成された縁部分306は、レーザ照射時に発生した熱により低反射基材層302の反射濃度近傍の値の色に変色する。
ここで、鱗片顔料含有樹脂層301の厚さを100μmとした場合、好ましくは溝部304の最深部の深さは20μm、溝部304の幅は110μmである。
図34は、本構成例における万線状の溝部304形成後の偽造防止粘着シールの断面図であって、図33の点線Bにおける断面を示す。
図34に示されるように、溝部304は、CO2レーザ照射により低反射基材層302に達しない深さまで鱗片顔料含有樹脂層301が掘削されて形成される。
次に、溝部304にCO2レーザを照射し、低反射基材層302に達する深さまで鱗片顔料含有樹脂層301を昇華させて、貫通孔305を形成する。
CO2レーザマーカは、この貫通孔305形成を繰り返し、二次元コードを刻印する。
ここで、鱗片顔料含有樹脂層301の厚さを100μmとした場合、好ましくは、貫通孔305の、溝部304の最深部からの深さは80μm、貫通孔305の内径は110μm以下である。
このようにして、図29及び図30に示されるような偽造防止粘着シールが完成する。
なお、ここで使用するCO2レーザマーカは、堀内電機製作所製の「12W CO2レーザマーカ LSS−S050VAH」であってもよい。
以下、偽造防止粘着シール上の二次元コードの読み取りについて説明する。偽造防止粘着シール上に刻印された二次元コードを読み取る二次元コードリーダは、自装置に設けられている光源から対象となる物体に光を照射して、その反射光を受光し、その受光した反射光の強度を測定してコードを読み取る装置である。
人間が実際に肉眼で偽造防止粘着シール上の二次元コードを観察する場合、図29に示されるように、偽造防止粘着シールを目視する際、例えば茶色に変色した縁部分6が強調され、かつ溝部304の幅は極めて狭いので、各溝部304は1本の線のように認識される。また、貫通孔305は、その1本の線状に認識される溝部304上に、溝部304の縁部分306の色に近い色で形成されるため、二次元コードを形成する貫通孔305は変色した縁部分306により目視が困難となる。
このようにして、二次元コードを形成する貫通孔305の存在自体を気付かせることなく、単に万線状の模様があるとしか認識できないので、偽造防止粘着シールの偽造を防止することが可能となる。すなわち、偽造防止粘着シールに偽造防止のための処理が施されていること自体を第三者に対して隠蔽することが可能となる。
図35は、本構成例において、二次元コードリーダが照射面に対して垂直に光を照射した場合の偽造防止粘着シールの断面図である。
また、図36は、本構成例において、二次元コードリーダが照射面に対して垂直に光を照射した場合の読取画像を示す図である。
以下、二次元コードリーダが、照射面(鱗片顔料含有樹脂層301の上面)に対して垂直に光を照射し、その反射光により二次元コードを読み取る場合について説明する。
図35に示されているように、二次元コードリーダは、照射面に対して垂直に光を照射した場合、光輝性を有する鱗片顔料含有樹脂層301の上面に比べて、黒色の貫通孔305(低反射基材層302)及び縁部分306では、光が吸収されるためにその反射光の強度は小さなものとなる。
また、溝部304の縁部分306がすり鉢状であるため、二次元コードリーダから縁部分306へ照射された光は、二次元コードリーダ方向へ反射しない。このことにより、読取装置の受光部分で受光される縁部分6からの反射光の光量は少なくなり、その結果、縁部分306からの反射光の強度がより小さくなる。
一方、二次元コードリーダから、溝部304が形成されていない鱗片顔料含有樹脂層301表面へ照射された光は、二次元コードリーダ方向へ反射される。このことにより、溝部304が形成されていない鱗片顔料含有樹脂層301表面からの反射光の強度は、縁部分306からの反射光と比べて著しく高い値となる。
このようにして、二次元コードリーダは、この反射光の強度差に基づいて偽造防止粘着シール上の画像を読み取る。
照射面に対して垂直に光を照射した場合の二次元コードリーダによる偽造防止粘着シール上の読取画像は図36のようになる。この場合、二次元コードリーダは、図36に示されるように、肉眼で観察した場合と同様に、偽造防止粘着シール上の反射光の強度が低い画像(黒色に近い画像)として、貫通孔305とともに、溝部304の縁部分306も読み取ってしまうため、貫通孔305の集合により形成される二次元コードを認識することが困難となる。
図37は、本構成例において、二次元コードリーダが照射面に対して斜め方向から光を照射した場合の偽造防止粘着シールの断面図である。
以下、図37を用いて、二次元コードリーダが、照射面(鱗片顔料含有樹脂層1の上面)に対して斜め方向から光を照射し、その反射光により二次元コードリーダを読み取る場合について説明する。
ここで、「照射面に対して斜め方向」とは、複数の溝部6
により形成される万線に略垂直な方向で、かつ偽造防止粘着シールの鱗片顔料含有樹脂層301側の面(照射面)に対して所定角度をなす方向(垂直方向を除く)を意味する。
二次元コードリーダは、複数の溝部306により形成される万線に垂直な方向で、かつ照射面に対して所定角度をなす方向から照射面へ読み取り用の光を照射すると、その照射光が鱗片顔料含有樹脂層301の溝部304の内壁で乱反射し、溝部304が白色に発光する。このことから、溝部304の縁部分306からの反射光の強度が増加するため、二次元コードリーダは、偽造防止粘着シール上の反射光の強度が低い画像(黒色に近い画像)として、貫通孔305の部分だけを読み取ることとなる。
また、図38は、本構成例において、二次元コードリーダが照射面に対して斜め方向から光を照射した場合の読取画像を示す図である。
図38に示されているように、二次元コードリーダは、照射光の乱反射により反射光の強度が増した溝部304の縁部分306を読み取らずに、貫通孔305により形成された二次元コード刻印部分のみを読み取る。
このようにして、二次元コードリーダは、複数の溝部306により形成される万線に略垂直な方向で、かつ偽造防止粘着シールの照射面と所定角度をなす方向から照射光を照射面上に照射し、その反射光の強度を検出した場合においてのみ、貫通孔305により形成される二次元コードを容易に読み取ることができる。
従って、偽造防止粘着シールに刻印された二次元コードを形成する貫通孔305の存在自体を気付かせることなく、単に万線状の模様があるとしか認識できないので、偽造防止粘着シールの偽造を防止することが可能となる。また、二次元コードリーダを用いて斜め方向から照射光を照射して二次元コードの有無を確認することにより、偽造防止粘着シールが貼付された物品の真贋判定を容易に行うことが可能となる。
なお、鱗片顔料含有樹脂層301の厚さを100μm、溝部304の最深部の深さを20μm、溝部304の幅を110μm、貫通孔305の、溝部304の最深部からの深さを80μm、貫通孔5の内径を110μmとし、二次元コードリーダが溝部304の縁部分306の画像を除いた二次元コード刻印部分のみを読み取る場合、読み取り用の照射光を、偽造防止粘着シールの照射面に対して20°から40°、好ましくは30°±2.5°をなす方向から照射し、その反射光の強度を検出すればよい。
〔構成例8〕
図39は、第8の構成例の偽造防止粘着シールの正面図である。
また、図40は、第8の構成例の偽造防止粘着シールの断面図であって、図39の点線Cにおける断面である。
なお、本構成例において、第7の構成例と同符号が付されているものについては上記同様であるものとし、特記しない限り第7の構成例と同様の構成を有しているものとする。
図40に示されているように、本実施例における偽造防止粘着シールは、低反射基材層302と、粘着層303と、ホログラム層307とからなる。粘着層303上には低反射基材層302が積層されている。また、低反射基材層302上には、ホログラム層307が積層されている。
ホログラム層307は透過性を有する熱可塑樹脂層であって、例えば、ポリエチレンテレフタレートを素材とする。また、ホログラム層307には、複数のホログラム像の干渉縞が多重記録されている。ホログラム層307に対して所定方向からの白色光が照射されると、2D及び3Dの複数のホログラム像が再生される。また、ホログラム層307に対して所定方向からのレーザ光が照射されると、記録物のフーリエ変換パターンにより形成された干渉縞による可視像が再生される。
図39に示されているように、ホログラム層307は、模様状に型取られて低反射基材層302上に積層されている。なお、ホログラム層307は、万線、図形、文字またはロゴなどを型取ったものであってもよい。
低反射基材層302は、ホログラム層307よりも反射濃度の低い基材からなる層である。例えば、低反射基材層302は、黒色の紙又は樹脂からなる。
粘着層303は、例えば感圧接着剤などからなり、偽造防止の対象の物品に偽造防止粘着シールを接着するための層である。
さらに、図39及び図40に示されているように、ホログラム層307表面には、CO2レーザにより低反射基材層302に達する深さまで掘削されたことにより、貫通孔305が形成されている。ホログラム層307上に設けられた貫通孔305の集合により、偽造防止粘着シールに二次元コードが形成される。
以下、本構成例の偽造防止粘着シールの製造工程について図40を用いて説明する。
まず、白色光により再生映像を再生可能なレインボーホログラムとしての干渉縞と、赤色レーザ光によってのみ再生映像を再生可能なフーリエ変換ホログラムとしての干渉縞とが多重に記録された記録材料をマスターホログラムとして用い、マスターホログラムと同様の干渉縞を記録することによってマスターホログラムと同じ再生映像を再生し得るホログラムフィルムを作成する。このホログラムフィルムに二酸化チタンを蒸着して、ホログラム層7を作成する。
ホログラム層307は、白色光下では、再生光の照射方向を変えると異なる再生映像が一種類以上観察可能なホログラムであり、かつ赤色レーザを照射したときのみ特定の再生映像が観察し得るホログラム(フーリエ変換ホログラム)である。
次に、ホログラム層307をロゴなどの所定の形に型取る。この所定の形に型取られたホログラム層307を、低反射基材層302の一方の面上に貼り合わせ、低反射基材層302上にホログラム層307を積層する。
次に、ホログラム層307表面にCO2レーザを照射し、低反射基材層302に達する深さまでホログラム層307を昇華させて、貫通孔305を形成する。
CO2レーザマーカは、この貫通孔5形成を繰り返し、二次元コードを刻印する。
次に、低反射基材層302の他方の面に接着剤を塗布して粘着層303を設ける。
このようにして、本構成例における偽造防止粘着シールが完成する。
以下、偽造防止粘着シール上の二次元コードの読み取りについて説明する。
二次元コードリーダは、ホログラム層7表面に読み取り用の光を照射し、ホログラム層307表面からの反射光の強度と貫通孔305(低反射基材層302表面)からの反射光の強度との間の差に基づいて、貫通孔305により形成された偽造防止粘着シール上の二次元コードを読み取る。二次元コードリーダは、上記第7の構成例と同様のものを使用するものとする。
以下、図40に示されるように、二次元コードリーダが、ホログラム層307表面に対して垂直方向から照射した読み取り用の光の反射光の強度を検出して偽造防止粘着シール上の二次元コードを読み取る場合について説明する。
図41は、読取装置がホログラム層307表面に対して垂直方向から読み取った偽造防止粘着シール上の画像を示す図である。なお、図41の画像は、図39の点線Dで囲まれた領域を読み取ったものである。
図41に示されているように、読取装置がホログラム層307に対して垂直方向から読み取り用の光を照射すると、光が照射されたホログラムの回折格子における明度の明暗が繰り返されて、ホログラム層307に記録されたホログラム像308(図41では実線で示された「kp」の文字パターン)が再生されるので、貫通孔305で形成された二次元コードの読み取りが困難になってしまう可能性がある。
次に、図40に示されるように、二次元コードリーダが、ホログラム層307表面に対して斜め方向から照射した読み取り用の光の反射光の強度を検出して偽造防止粘着シール上の二次元コードを読み取る場合について説明する。
なお、「斜め方向」とは、ホログラム層307表面に対して非垂直方向であって、ホログラム層307に対して所定の角度をなす方向を意味するものとする。
図42は、二次元コードリーダがホログラム層307表面に対して斜め方向から読み取った偽造防止粘着シール上の画像を示す図である。なお、図42の画像は、図39の点線Dで囲まれた領域を読み取ったものである。
図42に示されているように、二次元コードリーダが、ホログラム層307表面に対して斜め方向から読み取り用の光を照射して偽造防止粘着シール上の画像を読み取ると、ホログラム層307に記録されたホログラム像308(図42では点線で示された「kp」の文字パターン)が不鮮明となるので、ホログラム層307上の貫通孔305で形成された二次元コードのみを明確に読み取ることが可能となる。
このように、二次元コードリーダからの読み取り用の光が照射される方向によって、ホログラム層307に記録されたホログラム像308は、明確になったり、不鮮明になったりする。ホログラム像308が不鮮明に読み取られるような方向から、二次元コードリーダが読み取り用の光を照射することにより、貫通孔305により形成された偽造防止粘着シール上の二次元コードのみを鮮明に読み取ることが可能となる。
以上説明したように、本例構成によれば、ホログラム層307表面に対して所定の方向から読み取り用の光を照射しなければ、二次元コードを形成する貫通孔305の画像を鮮明に読み取れないため、偽造防止粘着シールの偽造を防止することが可能となる。
さらに、この偽造防止粘着シールを物品に貼付することにより、物品の偽造を防止するとともに、二次元コードリーダを用いて斜め方向から照射光を照射して二次元コードの有無を確認することにより、真贋判定を容易に行うことが可能となる。
〔構成例9〕
図43は、偽造防止粘着シールの第9の構成例の模式断面図である。偽造防止粘着シールは、所定の製品などの物品を形成する面に貼付される。
図43に示されているように、偽造防止粘着シールは、透明樹脂層501と基材層502と接着剤層508とが積層されて構成される。
透明樹脂層501表面には、二次元コード503がCO2レーザにより刻印されている。また、基材層502表面には、二次元コード504がインクなどにより印刷又は印字されている。
二次元コード503、504は、製品の識別情報を表すものであるが、管理情報(ロットナンバー、製造日、製造地など)が含まれていてもよい。
なお、基材層502の、透明樹脂層501が積層している面と反対側の面に接着剤を塗布して接着剤層508を形成し、偽造防止粘着シールを製品などに貼付する。偽造防止粘着シール上の二次元コード503、504を二次元コードリーダで読み取ることにより、偽造防止粘着シールが貼付された物品の製造、流通の管理が容易になる。
なお、二次元コード503、504は、スタック型二次元コードであってもよいし、マトリックス型二次元コードであってもよい。
透明樹脂層501は光透過性を有する熱可塑樹脂層であって、例えば、ポリエチレンテレフタレートを素材とする。
また、透明樹脂層501の上面には、二次元コード503を形成する複数のドットが形成されている。CO2レーザマーカは、透明樹脂層501上にCO2レーザを照射することにより、透明樹脂層501を形成する樹脂を昇華させ、透明樹脂層501上に凹陥部(ドット)を複数形成する。この複数のドットにより二次元コード503が形成される。
基材層502は、例えばインクジェットプリンタ又はオフセット印刷などにより印刷又は印字可能な材質の層である。また、基材層502における透明樹脂層501との接合面は、光透過性を有しておらず、基材層502は好適には樹脂又は紙などによる基材からなる層である。
まず、基材層502上にインクジェットプリンタ又はオフセット印刷機などにより二次元コード504を印刷又は印字する。このとき好適には、基材層502において二次元コード504が形成される面とインクとの間に一定以上の光反射率差が存在するように基材層2の材料及びインクが選択される。
このことにより、二次元コードリーダが基材層502に光を照射して二次元コード504を読み取るとき、読み取りの成功率を向上させることができる。
次に、基材層502における二次元コード504の形成面上に透明樹脂を塗布して透明樹脂層501を形成する。
なお、ここで他の方法としては、別々に製造された透明樹脂層501と基材層502とを積層するとしてもよい。
次に、CO2レーザマーカからCO2レーザを透明樹脂層501表面に照射して透明樹脂層501を昇華させてドット(凹陥部)形成を繰り返し、二次元コード503を刻印する。また、ここで形成される凹陥部は、基材層502の深さまで達していないこととする。このようにして、本例構造の偽造防止粘着シールが完成する。
好適には、透明樹脂層501における二次元コード503形成面と基材層502における二次元コード504形成面とが平行となるように、透明樹脂層501と基材層502とが積層されて偽造防止粘着シールが形成される。
なお、ここで使用するCO2レーザマーカの一例としては、堀内電機製作所製の「12W CO2レーザマーカ LSS−S050VAH」があげられる。
CO2レーザマーカを用いて二次元コード503を刻印する際の各条件値の例を以下に記載する。なお、ここでは、例として一辺4mmの正方形形状のデータマトリックス(英数字30文字程度)をマーキングしたときの各条件値を示す。
レーザ波長:10.6±0.1μm程度
レーザ出力:1.20〜1.44W程度
1ドットの照射時間:1.0〜1.4msec程度
マーキング範囲:一辺45mmの正方形
レンズからワークまでの距離:115mm
1ドット照射してから次の1ドットを照射するまでの待機時間:好ましくは1.0msec程度
1ドットのマーキング径:120μm程度
1ドットの最大深さ30μm程度
図44は、本構成例において、CO2レーザ照射と印刷又は印字とにより、二次元コード503、504が形成された偽造防止粘着シールを示す図である。
図44に示されているように、偽造防止粘着シールの透明樹脂層501上には、CO2レーザ照射により複数のドット(白抜きのドット)が形成されている。その複数のドットにより二次元コード503が形成される。
また、基材層502上には、印刷又は印字により複数のドット(黒塗りのドット)が形成されている。その複数のドットにより二次元コード504が形成される。二次元コード504は、透明樹脂層501上からも視認することができる。
また、二次元コード形成面に対して垂直方向から見て、二次元コード503、504が重なって形成されている部分は、図44において斜線のドットで示されている。
図45は、本構成例における透明樹脂層501上の二次元コード503を形成するドットを示す図である。図45の(a)は、ドットを真上から見た平面図であり、(b)は、(a)の平面図に対応するドットの断面図である。
図6に示した第1の構成例と同様に、CO2レーザが透明樹脂層501に照射されると、透明樹脂層501におけるレーザ照射部分が加熱されて気化し、凹陥部(ドット)が形成される。その際、透明樹脂層501表面において、凹陥部周囲が盛り上がり、凹陥部の周囲に沿って凸部541が環状に形成される。
また、レーザの照射部分の加熱及び気化により、凹陥部の表面に沿って複数の気泡542が形成される。
このように、レーザ照射の際に、偽造防止粘着シール上にリング状の凸部541が形成されたことにより、ドットの輪郭部分が明瞭となるため、ドット部分と、偽造防止粘着シール上のドット以外の部分とのコントラストが大きくなり、二次元コード503を明瞭に刻印することが可能となる。
また、レーザ照射の際にドットの表面に気泡542が複数形成されることにより、光照射時にドット表面が白色に反射するため、透明である透明樹脂層501上のドット以外の部分とのコントラストが大きくなり、明瞭な二次元コードを刻印することが可能となる。
以下、二次元コードリーダによる偽造防止粘着シールの二次元コード503、504の読み取り動作について説明する。二次元コードリーダは、自装置に設けられている光源から対象となる物体に光を照射して、その反射光の強度を測定して二次元コードを読み取る装置である。例えば、上記の二次元コードリーダとして、株式会社東研製の「THIR−3000LP ハンドヘルド一次元/二次元イメージリーダー」を用いることができる。
図46は、本構成例の偽造防止粘着シールを示す図である。
図46に示されているように、二次元コードリーダ510は、読取部511と、光源512a、512bとを有する。二次元コードリーダ510は、読取部511により受光された偽造防止粘着シールからの反射光のうち、光強度が所定値よりも低いものを二次元コードとして読み取る。
読取部511は、例えばCCD(Charge Coupled Device)などの受光素子により構成される。読取部511は、自身に垂直に入射する光を受光する。
光源512a、512bは、二次元コード読み取り用の光を、基材層502の二次元コード504形成面に垂直に照射する。なお、二次元コードリーダ510に設けられる光源の個数は、図により限定されないものとする。
図47は、本構成例の二次元コード504の読み取り方法を示す図である。
光源512a、512bが偽造防止粘着シールの二次元コード503形成面に垂直に光を照射すると、透明樹脂層501の二次元コード503形成面における凸部541及び気泡542が生成されていない領域を照射光が透過し、基材層502の二次元コード504形成面に到達する。
基材層502の二次元コード504形成面に到達した照射光は、そのまま正反射し、再度透明樹脂層501を透過して二次元コードリーダ510の読取部511に入射する。
読取部511は、入射した反射光の光強度差に基づいて、基材層502上の二次元コード504を読み取る。
一方、光源512a、512bからの照射光が、透明樹脂層501の二次元コード503形成面における凸部541及び気泡542形成領域に照射されると、その照射光は凸部541及び気泡542部分で乱反射する。その結果、凸部541及び気泡542部分(二次元コード503)は白色に発光する。二次元コードリーダ510は、所定値以上の光強度の光が反射した領域を二次元コード刻印部として認識しないため、二次元コード503を読み取らない。
図48は、二次元コードリーダ510により読み取られた本構成例の二次元コード504を示す図である。
偽造防止粘着シールに形成されている二次元コードが図44のようなものであった場合、二次元コードリーダ510は、図48のように二次元コード503を読み取らず、二次元コード504のみを読み取る。
このようにして、二次元コードリーダ510は、二次元コード504形成面に対して垂直に光を照射し、その反射光の光強度が所定値よりも低い領域を二次元コード刻印部として読み取る。従って、二次元コードリーダ510は、光照射方向から見て偽造防止粘着シールの同一領域に形成された二次元コード503、504のうち二次元コード504のみを読み取ることが可能となる。
図49は、本構成例の偽造防止粘着シールを示す図である。
図49に示されているように、二次元コードリーダ520は、読取部521と、光源522a、522bとを有する。二次元コードリーダ520は、読取部521により受光された偽造防止粘着シールからの反射光のうち、光強度が所定値よりも高いものを二次元コードとして読み取る。
読取部521は、例えばCCDなどの受光素子により構成される。読取部521は、自身に垂直に入射する光を受光する。
光源522a、522bは、二次元コード読み取り用の光を、基材層502の二次元コード503形成面に対して非垂直方向から照射する。なお、二次元コードリーダ520に設けられる光源の個数は、図により限定されないものとする。
図50は、本構成例の偽造防止粘着シールの二次元コードを読み取る方法を示す図である。
光源522a、522bが偽造防止粘着シールの二次元コード503形成面に光を照射すると、透明樹脂層501の二次元コード503形成面における凸部541及び気泡542が生成されていない領域を照射光が透過し、基材層502の二次元コード504形成面に到達する。
基材層502の二次元コード504形成面に対して非垂直方向から到達した照射光は、そのまま正反射し、再度透明樹脂層501を透過して、読取部521の読取可能領域外に抜ける。
読取部521は、基材層502の二次元コード504形成面からの反射光を受光しないため、二次元コード504を読み取らない。
一方、光源522a、522bからの照射光が、透明樹脂層501の二次元コード503、504形成面に対して非垂直に、凸部541及び気泡542形成領域に照射されると、その照射光は凸部541及び気泡542部分で乱反射し、その照射光は二次元コード503形成面に対して垂直方向に反射され、その反射光が読取部521へ入射する。その結果、二次元コードリーダ520は、所定値以上の光強度の光が反射した領域を二次元コード刻印部として認識するため、二次元コード503を読み取ることができる。
図51は、読み取られた二次元コード503の一例を示す図である。
偽造防止粘着シールに形成されている二次元コードが図44のようなものであった場合、二次元コードリーダ510は、図51のように二次元コード504を読み取らず、二次元コード503のみを読み取る。
このようにして、二次元コードリーダ520は、二次元コード503、504形成面に対して非垂直に光を照射し、その反射光の光強度が所定値よりも高い領域を二次元コードとして読み取る。従って、二次元コードリーダ520は、光照射方向から見て偽造防止粘着シールの同一領域に形成された二次元コード503、504のうち二次元コード503のみを読み取ることが可能となる。
また、読取部521と光源522a、522bとの相対的な設置位置、二次元コードリーダ520と二次元コード523、524の形成面との間の距離、及び光源522a、522bから二次元コード503、504形成面への光照射角度は、二次元コードリーダ520は、二次元コード504形成面に対して非垂直に光を照射した場合、二次元コード504形成面からの反射光が読取部521へ入射しないように適宜調整されるとしてよい。
なお、好適には、光源522a、522bは、透明樹脂層501の二次元コード503形成面及び基材層502の二次元コード504形成面に対して20°〜40°の方向から光を照射する。このことにより、二次元コードリーダ520は、二次元コード504を読み取ることなく、二次元コード503を読み取ることができる。
以上説明した本構成例では、二次元コード503、504をそれぞれ別の二次元コードリーダ520、510で読み取っていたが、光源の照射角度の調節が可能な1つの二次元コードリーダで二次元コード503、504を読み取るとしてもよい。また、この二次元コードリーダは二次元コードとして読み取る反射光の光強度も設定可能であるとする(例えば所定値以上/以下を二次元コードとして読み取るなど)。
以上説明したように、本例の構成においては、偽造防止粘着シールには、同一領域内に二次元コード503、504が重ねて形成されている。二次元コードリーダの光照射角度、及び二次元コードとして読み取る際の光強度の設定を変更することにより、異なる層上に形成されている二次元コード503、504を分離して読み取ることができる。
従って、微小領域に大量の情報(従来の2倍の情報量)を書き込むことが可能である。
また、本例の構成では、二次元コード503、504を合わせて1つの内容を示すような情報とすることで、偽造防止粘着シールに書き込まれた情報の不正読み取りを抑制することが可能となる。
また、本例の構成では、肉眼で確認できる二次元コード(二次元コード503、504が重なって形成される二次元コード)と二次元コードリーダ520、510により読み取られる二次元コード503、504とは、その形状が異なっているため、二次元コードの複製が困難となる。
〔構成例10〕
第9の構成例では、透明樹脂層501上の二次元コード503は、マトリクス状に配置された複数のドットにより形成されていた。
これに対し、本構成例では、透明樹脂層501上に、互いに平行で一定の深さの複数の溝部からなる単位セルがCO2レーザにより形成され、その複数の単位セルの集合により二次元コードが形成された構成について説明する。
なお、特記しない限り、本構成における偽造防止粘着シールは、第9の構成例と同様であるとする。
図52の(a)は、本構成例の偽造防止粘着シールに刻印された二次元コードを示す正面図であり、(b)は、(a)に示される二次元コードを形成する単位セルを示す正面図である。
また、図53は、本構成例の偽造防止粘着シールの断面図であって、図52の(b)の点線Aの部分の断面を示す。
図53に示されているように、偽造防止粘着シールは、透明樹脂層501と基材層502と接着剤層508とが積層されて構成される。
また、図52の(b)及び図53に示されているように、各単位セル506では、透明樹脂層501表面に、基材層502に達しない深さで、互いに平行な2本の線状の溝部が所定間隔で形成されている。本構成例では、その溝部により透明樹脂層501上に二次元コード507が形成されている。
また、CO2レーザ照射による溝部形成時に、透明樹脂層501表面において、溝部周囲が盛り上がり、溝部の周囲に沿って凸部571が形成される。このとき、ドット形成時と同様に、溝部の主に内壁に気泡572が発生する。
また、図52の(a)に示されているように、透明樹脂層1表面では、複数の単位セル506がマトリクス状に配置されて、二次元コードが形成されている。
なお、線状の溝部が形成されている方向に連結した2以上の単位セル506では、その溝部もまた連結されているものとする。
ここで、本構成例の偽造防止粘着シールの製造方法について説明する。
まず、第10の構成例と同様に、基材層2上にインクジェットプリンタ又はオフセット印刷機などにより二次元コード504を印刷又は印字する。このとき好適には、基材層502において二次元コード504が形成される面とインクとの間に一定以上の光反射率差が存在するように基材層502の材料及びインクが選択される。
次に、基材層502における二次元コード504形成面上に透明樹脂を塗布して透明樹脂層501を形成する。
なお、ここで他の方法としては、別々に製造された透明樹脂層501と基材層502とを積層するとしてもよい。
次に、CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を一定方向に移動させながら、CO2レーザを透明樹脂層501に照射させて透明樹脂層501を昇華させて溝部(二次元コード507)を形成する。さらに、この移動方向に平行な方向にCO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を移動させながらレーザの照射を繰り返して、互いに平行な溝部を透明樹脂層501上に形成し、二次元コード507を刻印する。また、ここで形成される溝部は、基材層502の深さまで達していないこととする。このようにして、本構成例の偽造防止粘着シールが完成する。
図54は、本構成例の偽造防止粘着シールに刻印された二次元コードを形成する単位セル506をより詳細に示した図である。
図54に示されているように、正方形状の単位セルにおいて、形成される2つの溝部507の外周に沿ってそれぞれ形成される各凸部571間における平坦部573の距離は15〜35μm、好ましくは約25μmである。また、単位セル506外周の境界を形成する線分のうち、溝部の形成方向(万線の方向)に平行な線分と、その線分に近接する溝部507の外周に沿って形成された凸部571との距離は7.5〜17.5μm、好ましくは約12.5μmである。このことにより、偽造防止粘着シール上に形成される複数の溝部571の外周に沿って形成される凸部571間の距離は15〜35μmとなる。
なお、本構成例では、単位セル506の形状を1辺0.3mmの正方形としたが、その1辺の長さは上記の値に限定されないものとする。
以下、偽造防止粘着シール上の二次元コードの読み取りについて説明する。本構成例においても、第9の構成例と同様に、二次元コードリーダ510、520により偽造防止粘着シール上に刻印された二次元コードが読み取られるものとする。
図55は、本構成例での二次元コード504の読み取り方法を示す図である。
光源512a、512bが偽造防止粘着シートの二次元コード507形成面に光を照射すると、透明樹脂層501の二次元コード507形成面における凸部571及び気泡572が生成されていない領域を照射光が透過し、基材層502の二次元コード504形成面に到達する。
基材層502の二次元コード504形成面に到達した照射光は、そのまま正反射し、再度透明樹脂層501を透過して二次元コードリーダ510の読取部511に入射する。
読取部511は、入射した反射光の光強度差に基づいて、基材層502上の二次元コード504を読み取る。
一方、光源512a、512bからの照射光が、透明樹脂層501の二次元コード507形成面における凸部571及び気泡572形成領域に照射されると、その照射光は凸部571及び気泡572部分で乱反射する。その結果、凸部571及び気泡572部分(二次元コード507)は白色に発光する。二次元コードリーダ510は、所定値以上の光強度の光が反射した領域を二次元コードとして認識しないため、二次元コード507を読み取らない。
このようにして、二次元コードリーダ510は、二次元コード504形成面に対して垂直に光を照射し、その反射光の光強度が所定値よりも低い領域を二次元コードとして読み取る。従って、二次元コードリーダ510は、光照射方向から見て偽造防止粘着シールの同一領域に形成された二次元コード504、507のうち二次元コード504のみを読み取ることが可能となる。
図56は、本構成例での二次元コード507の読み取り方法を示す図である。
光源522a、522bが偽造防止粘着シールの二次元コード507形成面に光を照射すると、透明樹脂層501の二次元コード507形成面における凸部571及び気泡572が生成されていない領域を照射光が透過し、基材層502の二次元コード504形成面に到達する。
基材層502の二次元コード504形成面に対して非垂直方向から到達した照射光は、そのまま正反射し、再度透明樹脂層501を透過して、読取部521の読取可能領域外に抜ける。
読取部521は、基材層502の二次元コード504形成面からの反射光を受光しないため、二次元コード504を読み取らない。
一方、光源522a、522bからの照射光が、透明樹脂層501の二次元コード507形成面に対して非垂直に、凸部571及び気泡572形成領域に照射されると、その照射光は凸部571及び気泡572部分で乱反射し、その反射光が読取部521へ入射する。その結果、二次元コードリーダ520は、所定値以上の光強度の光が反射した領域を二次元コードとして認識するため、二次元コード507を読み取ることができる。
このようにして、二次元コードリーダ520は、二次元コード507形成面に対して非垂直に光を照射し、その反射光の光強度が所定値よりも高い領域を二次元コードとして読み取る。従って、二次元コードリーダ520は、光照射方向から見て偽造防止粘着シールの同一領域に形成された二次元コード504、507のうち二次元コード507のみを読み取ることが可能となる。
また、読取部521と光源522a、522bとの相対的な設置位置、二次元コードリーダ520と二次元コード504、507の形成面との間の距離、及び光源522a、522bから二次元コード504、507形成面への光照射角度は、二次元コード504形成面からの反射光が読取部521へ入射しないように適宜調整されるとしてよい。
なお、好適には、光源522a、522bは、透明樹脂層501の二次元コード507形成面及び基材層502の二次元コード504形成面に対して20°〜40°の方向から光を照射する。このことにより、二次元コードリーダ520は、二次元コード504を読み取ることなく、二次元コード507を読み取ることができる。
なお、本構成例では、一つの単位セルに二つの溝部507が形成されていたが、一つの単位セルに万線状の溝部507が3以上形成されていてもよい。
以上説明したように、本例の構成では、透明樹脂層501上の二次元コード507が、所定間隔をとった互いに平行な万線状の溝部により形成されている。また、偽造防止粘着シールには、二次元コード507と同一領域内に重ねられて、二次元コード504が形成されている。二次元コードリーダの光照射角度、二次元コードとして読み取る際の光強度の設定を変更することにより、異なる層上に形成されている二次元コード504、507を分離して読み取ることができる。
従って、微小領域に大量の情報(従来の2倍の情報量)を書き込むことが可能な偽造防止粘着シールを提供することができる。
また、本例の構成では、二次元コード504、507を合わせて1つの内容を示すような情報とすることで、偽造防止粘着シールに書き込まれた情報の不正読み取りを抑制することが可能となる。
また、本例の構成では、肉眼で確認できる二次元コード(二次元コード504、507が重なって形成される二次元コード)と、二次元コードリーダ520、510により読み取られる二次元コード504、507とは、その形状が異なっているため、二次元コードの複製が困難となる。
従って、二次元コードが形成された部材(クレジットカード、社員証、製品管理用シールなど)の偽造を抑制することが可能となる。
また、本例の構成では、CO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールの少なくとも一方を一定方向に移動させながら、CO2レーザを透明樹脂層501に照射させて透明樹脂層501を昇華させて溝状の溝部を形成する。さらに、この移動方向に平行な方向にCO2レーザビーム及び偽造防止粘着シールを移動させながらレーザの照射を繰り返して、互いに平行な溝部を透明樹脂層501上に形成し、二次元コード507を刻印する。
この場合、二次元コード7を形成する複数の溝部の幅を所定の長さ以下とすることにより、多くの気泡572が二次元コード507上に形成される。従って、二次元コード507を複数の溝部で形成することにより、高い反射率を確保でき、安定した二次元コード読み取りを実現することが可能となる。
なお、第9及び第10の構成例において、二次元コードを刻印するレーザとしてCO2レーザを使用したが、これは、他のレーザ(例えばYAGレーザ)を偽造防止粘着シールに照射した場合、レーザ光が透明樹脂層1を透過してしまい、二次元コードを刻印することができないという理由によるものである。
上記各構成の偽造防止粘着シールを用いることにより、偽造・変造が不可能な二次元コードとして、ユニークなIDを製品や包装部材に貼付できる。
これにより、流通情報の管理を低コストで確実に行える。
本発明の好適な実施の形態にかかる流通情報管理システムの構成を示す図である。 データベースに蓄積されるデータの構造例を示す図である。 第1の構成例の偽造防止粘着シールの模式断面図である。 第1の構成例の偽造防止弁着シールの再帰反射材層を示す図である。 CO2レーザ照射により、コードマークが形成された偽造防止粘着シールを示す図である。 (a)は、第1の構成例の偽造防止粘着シール上のコードマークを形成するドットを真上から見た平面図であり、(b)は、(a)の平面図に対応するドットの断面図である。 二次元コードリーダによって第1の構成例の偽造防止粘着シール上のコードマーク読み取る状態を示す図である。 第2の構成例の偽造防止粘着シールを示す断面図である。 第2の構成例の偽造防止粘着シール上に形成された白セルおよび黒点を示す図である。 第3の構成例の偽造防止粘着シールを示す断面図である。 (a)は、第4の構成例の偽造防止粘着シールに刻印されたコードマークを示す正面図であり、(b)は、(a)に示されるコードマークを形成する単位セルを示す正面図である。 第4の構成例の偽造防止粘着シールの断面図であって、図11の(b)の点線Aの部分の断面を示す。 第4の構成例の偽造防止粘着シールに刻印されたコードマークを形成する単位セルをより詳細に示した図である。 第4の構成例の偽造防止粘着シールの比較例を示す図である。 (a)は、第5の構成例の偽造防止粘着シールに刻印されたコードマークを示す正面図であり、(b)は、(a)に示されるコードマークを形成する単位セルを示す正面図である。 第5の構成例の偽造防止粘着シールの断面図であって、図15の(b)の点線Cの部分の断面を示す。 第5の構成例の偽造防止粘着シールの断面図であって、図15の(b)の点線Dの部分の断面を示す。 第6の構成例の偽造防止粘着シールの正面図である。 第6の構成例の偽造防止粘着シールの断面図である。 第6の構成例の偽造防止粘着シールを構成する貫通単位セルをより詳細に示した正面図である。 第6の構成例の偽造防止粘着シールを構成する貫通単位セルの断面図である。 二次元コードリーダによる貫通単位セルの読取画像を示す図である。 第6の構成例の偽造防止粘着シートを構成する非貫通単位セルをより詳細に示した正面図である。 第6の構成例の偽造防止粘着シートを構成する非貫通単位セルの断面図である。 二次元コードリーダが照射面に対して垂直方向から読み取り用の光を照射して、その反射光の強度差から読み取った非貫通単位セル20上の画像を示す図である。 二次元コードリーダが線形成方向に平行な方向に略垂直で、かつ照射面に対して所定角度をなす方向から読み取り用の光を照射して、その反射光の強度差から読み取った非貫通単位セル上の画像を示す図である。 二次元コードリーダが照射面に対して垂直方向から読み取り用の光を照射した場合における偽造防止粘着シール上の読み取り画像を示す図である。 二次元コードリーダが線形成方向に平行な方向に略垂直で、かつ照射面に対して所定角度をなす方向から読み取り用の光を照射した場合における偽造防止粘着シール上の読み取り画像を示す図である。 第7の構成例の偽造防止粘着シールの正面図である。 第7の構成例の偽造防止粘着シールの断面図であって 第7の構成例の偽造防止粘着シールを形成する際に各層を積層する工程を説明するための偽造防止粘着シールの断面図である。 第7の構成例の偽造防止粘着シールを形成する際に鱗片顔料含有樹脂層上に溝部を形成する工程を説明するための偽造防止粘着シールの正面図である。 万線状の溝部形成後の偽造防止粘着シールの正面図である。 万線状の溝部形成後の偽造防止粘着シールの断面図である。 二次元コードリーダが照射面に対して垂直に光を照射した場合の偽造防止粘着シールの断面図である。 二次元コードリーダが照射面に対して垂直に光を照射した場合の読取画像を示す図である。 二次元コードリーダが照射面に対して斜め方向から光を照射した場合の偽造防止部材の断面図である。 二次元コードリーダが照射面に対して斜め方向から光を照射した場合の読取画像を示す図である。 第8の構成例の偽造防止粘着シールの正面図である。 第8の構成例の偽造防止粘着シールの断面図である。 二次元コードリーダがホログラム層表面に対して垂直方向から読み取った偽造防止粘着シール上の画像を示す図である。 二次元コードリーダがホログラム層表面に対して斜め方向から読み取った偽造防止粘着シール上の画像を示す図である。 第9の構成例の偽造防止粘着シールの模式断面図である。 CO2レーザ照射、ならびに印刷/印字により、コードマークが形成された偽造防止粘着シールを示す図である。 第9の構成例の偽造防止粘着シールの透明樹脂層上のコードマークを形成するドットを示す図であって、(a)は、ドットを真上から見た平面図であり、(b)は、(a)の平面図に対応するドットの断面図である。 第9の構成例の偽造防止粘着シールおよび二次元コードリーダを示す図である。 二次元コードリーダによる基材層上のコードマークの読み取り方法を示す図である。 二次元コードリーダにより読み取られた基材層上のコードマークの一例を示す図である。 第9の構成例の偽造防止粘着シールおよび二次元コードリーダを示す図である。 二次元コードリーダによる透明樹脂層上のコードマークの読み取り方法を示す図である。 二次元コードリーダにより読み取られた透明樹脂層上のコードマークの一例を示す図である。 (a)は、第10の構成例の偽造防止粘着シールの透明樹脂層上に刻印されたコードマークを示す正面図であり、(b)は、(a)に示されるコードマークを形成する単位セルを示す正面図である。 第10の構成例の偽造防止粘着シールの断面図であって、図10の(b)の点線部分の断面を示す。 第10の構成例の偽造防止粘着シールに刻印されたコードマークを形成する単位セルをより詳細に示した図である。 二次元コードリーダによる基材層上のコードマークの読み取り方法を示す図である。 二次元コードリーダによる透明樹脂層上のコードマークの読み取り方法を示す図である。
符号の説明
11、21、31、41 情報処理端末
12、22、32、42 二次元コードリーダ
50 データベース(DB)
60、70、80 シール
101 ホログラム樹脂層
102 再帰反射材層
103 接着剤層
104 ドット
105 透明保護層
106 縁部分
107、304 溝部
131 ガラスビーズ
132 反射層
133 基材
171、541、571 凸部
172、542、571 気泡
201、301 鱗片顔料含有樹脂層
202、302 低反射基材層
203、303 粘着層
204、305 貫通孔
205 非貫通孔
206、307 ホログラム層
210 貫通単位セル
220 非貫通単位セル
308 ホログラム像
406、506 単位セル
473、573 平坦部
501 透明樹脂層
502 基材層
503、504、507 二次元コード
511、521 読取部
512a、512b、522a、522b 光源

Claims (4)

  1. 二次元コードリーダと接続された情報処理端末が少なくとも二つの流通拠点に配置され、前記各情報処理端末とデータベースとがネットワークを介して接続された流通情報管理システムであって、
    前記各二次元コードリーダは、流通対象物に貼付されたシールに形成されているユニークな二次元コードを読み取って二次元コード情報を取得する手段を有し、
    前記各情報処理端末は、自端末に接続されている前記二次元コードリーダから前記二次元コード情報を取得する手段と、該取得した二次元コード情報と自端末に固有の情報である端末IDとを関連づけて前記データベースへ送信する手段とを有し、
    前記データベースは、前記各情報処理端末から取得した二次元コード情報及び前記端末IDに基づいて、前記流通対象物の流通状態に関する情報を前記二次元コード情報を主キーとして記録する流通情報記録手段を有し、
    前記流通対象物の発送側の流通拠点に設置された情報処理端末は、前記二次元コード情報とともに該流通対象物の送り先の情報を前記データベースへ送信して、前記流通情報記録手段に記録させ、
    前記流通対象物の納入側の流通拠点に設置された情報処理端末は、自装置に接続されている前記二次元コードリーダから取得した前記二次元コード情報を主キーとするレコードの送信要求を該二次元コード情報とともに前記データベースへ送信することを特徴とする流通情報管理システム。
  2. 前記各情報処理端末は、ユーザを特定する情報であるユーザIDを取得する手段をさらに有するとともに、前記二次元コード情報及びこれに関連づけられている端末IDに前記ユーザIDをさらに関連づけて前記データベースへ送信し、
    前記データベースは、前記流通対象物の流通状態に関する情報を、前記各情報処理端末から受信した前記ユーザIDにも基づいて、前記二次元コード情報を主キーとして記録することを特徴とする請求項1記載の流通情報管理システム。
  3. 前記流通対象物の発送側の流通拠点に設置された情報処理端末は、2以上の流通対象物を関連づけてグループ化し、該グループ毎に送り先の情報を前記データベースへ送信して、前記流通情報管理手段に記録させることを特徴とする請求項1又は2記載の流通情報管理システム。
  4. ユニークな二次元コードが形成されているシールを、2以上の流通対象物を一体に梱包する梱包部材に貼付し、前記流通対象物に貼付されているシールに形成されている二次元コードに続いて、前記梱包部材に貼付されたシールに形成されている二次元コードを前記発送側の流通拠点に設置された情報処理端末に接続されている二次元コードリーダで読み取ることによって、前記2以上の流通対象物をグループ化することを特徴とする請求項3記載の流通情報管理システム。
JP2004217897A 2004-07-26 2004-07-26 流通情報管理システム Pending JP2006036443A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004217897A JP2006036443A (ja) 2004-07-26 2004-07-26 流通情報管理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004217897A JP2006036443A (ja) 2004-07-26 2004-07-26 流通情報管理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006036443A true JP2006036443A (ja) 2006-02-09

Family

ID=35901849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004217897A Pending JP2006036443A (ja) 2004-07-26 2004-07-26 流通情報管理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006036443A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013235412A (ja) * 2012-05-09 2013-11-21 Mitsubishi Electric Corp 個体識別装置及び個体識別システム
WO2017002605A1 (ja) * 2015-06-30 2017-01-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 被管理個体および刻印方法
WO2017002604A1 (ja) * 2015-06-30 2017-01-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 被管理個体および刻印方法
JP2020144517A (ja) * 2019-03-05 2020-09-10 株式会社日立パワーソリューションズ 流通管理方法
CN113962242A (zh) * 2021-11-11 2022-01-21 重庆赛迪奇智人工智能科技有限公司 二维码号牌识别方法及装置、电子设备、存储介质
CN116468060A (zh) * 2023-04-23 2023-07-21 创新奇智(上海)科技有限公司 一种dpm码处理方法、装置、存储介质及设备

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002167047A (ja) * 2000-12-04 2002-06-11 E-Life Co Ltd ネットワークを用いた在庫管理方法及びその在庫管理システム
JP2002192867A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Dainippon Printing Co Ltd 光学コード付きシート、およびこれを製造するのに用いる光学コード付きフィルム
JP2003146437A (ja) * 2001-11-07 2003-05-21 Hitachi Ltd 流通管理方法及びシステム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002167047A (ja) * 2000-12-04 2002-06-11 E-Life Co Ltd ネットワークを用いた在庫管理方法及びその在庫管理システム
JP2002192867A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Dainippon Printing Co Ltd 光学コード付きシート、およびこれを製造するのに用いる光学コード付きフィルム
JP2003146437A (ja) * 2001-11-07 2003-05-21 Hitachi Ltd 流通管理方法及びシステム

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013235412A (ja) * 2012-05-09 2013-11-21 Mitsubishi Electric Corp 個体識別装置及び個体識別システム
WO2017002605A1 (ja) * 2015-06-30 2017-01-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 被管理個体および刻印方法
WO2017002604A1 (ja) * 2015-06-30 2017-01-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 被管理個体および刻印方法
CN107710231A (zh) * 2015-06-30 2018-02-16 日立汽车系统株式会社 被管理个体以及刻印方法
JPWO2017002604A1 (ja) * 2015-06-30 2018-03-01 日立オートモティブシステムズ株式会社 被管理個体および刻印方法
JPWO2017002605A1 (ja) * 2015-06-30 2018-04-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 被管理個体および刻印方法
US10489697B2 (en) 2015-06-30 2019-11-26 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Article and engraving method
US10489696B2 (en) 2015-06-30 2019-11-26 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Article and code engraving method
JP2020144517A (ja) * 2019-03-05 2020-09-10 株式会社日立パワーソリューションズ 流通管理方法
CN113962242A (zh) * 2021-11-11 2022-01-21 重庆赛迪奇智人工智能科技有限公司 二维码号牌识别方法及装置、电子设备、存储介质
CN116468060A (zh) * 2023-04-23 2023-07-21 创新奇智(上海)科技有限公司 一种dpm码处理方法、装置、存储介质及设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010527809A (ja) 真贋を検出するためのフィルム・エレメントおよびその製造方法
EP0194042A2 (en) Embossed articles
JP6380100B2 (ja) ホログラム転写箔、画像表示体の作製方法、画像表示体及び個人認証媒体
US8469282B2 (en) Optically readable identification security tag or stamp
US7885481B2 (en) Authenticity proving optical structure, authenticating proof recording medium and authenticity certifying method
WO2018093122A1 (ko) 웹 인증 홀로그램 라벨 및 이의 제조방법
JP2011514548A (ja) セキュリティエレメント
WO2004063978A1 (ja) 情報を刻印した積層材料、それを貼付した物品、及び情報コードの観察方法
JP4435312B2 (ja) 不正防止シール
JP2006036443A (ja) 流通情報管理システム
CN116194293A (zh) 层叠体、卡、卡的制造方法、卡的制作方法、卡用信息记录片以及使用了该卡用信息记录片的卡
EP3210794B1 (en) Multi-layered polymeric article, such as an identification document
US11741327B2 (en) Optical assembly and method of producing optical assembly
JP4517439B2 (ja) 情報記録媒体の製造方法
WO2022260047A1 (ja) 3次元表示体、認証体、および形成方法
JP3111527B2 (ja) コードマーク表示体
KR102278913B1 (ko) 보안 인쇄물
CN211108866U (zh) 防伪铆钉以及设置有防伪铆钉的包装物
JP2001039005A (ja) 偽造防止策が施された有価証券印刷物
US20220250405A1 (en) Security insert with tactile varnish arrangement for an identity document, and method of making such a security insert
CN110539964A (zh) 防伪铆钉以及设置有防伪铆钉的包装物
JP2005202896A (ja) 偽造防止部材およびコードマーク読取システム
JP2004252415A (ja) 偽造防止粘着シール及びその製造方法
JP2005115643A (ja) 偽造防止部材、コードマーク読取システムおよび偽造防止部材の製造方法
JP2020194069A (ja) 認証媒体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101214