JP2006035799A - インモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルム - Google Patents

インモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルム Download PDF

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Abstract

【課題】インモールド成形用に最適な転写フイルムであって、しかも本発明の転写フイルムを被転写物にインモールド成形転写して得られる成形品表面上に形成される転写部分に、マット調アルミニウム光沢の装飾を施すことができるとともに、非導電性をも付与できるインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムを提供する。
【解決手段】プラスチックフイルムの片面に、離型アンカー層、離型層、保護層、アルミニウム光沢層、接着層が順次形成されている転写フイルムにおいて、アルミニウム光沢層が、樹脂に板状アルミニウム薄膜を混入してなる高輝度メタリック層を少なくとも含み、かつ高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率が15〜30重量%であることを特徴とするインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、非導電性能が必要なテレビ、ビデオデッキ、オーディオ製品等の弱電商品の筐体表面に、マット調アルミニウム光沢、すなわち、鏡面状でなくいわゆるマット調の外観と、真空蒸着等により形成されたアルミニウム薄膜層又はアルミニウム箔が呈するアルミニウム光沢の特徴であるところの黒味がかったシルバー色の金属光沢との両方を兼ね備えた、非常に趣きのある独特の金属光沢を有する装飾を施すために使用するインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムに関する。
詳細には、本発明はインモールド成形用に最適な転写フイルムであって、しかも本発明の転写フイルムを被転写物にインモールド成形転写した後、得られた成形品表面上に形成される転写部分に、マット調アルミニウム光沢の装飾を施すことができるとともに、該成形品を電子レンジに入れて、600W(定格電圧100V)の定格高周波出力を60秒間かけても、スパーク等の発生により、転写部分の外観が変化することがない程度の非導電性をも付与できるインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムに関する。
従来から、転写により被転写物に金属光沢を付与する目的で、プラスチックフイルムの片面に離型層、保護層、金属薄膜層、及び接着層が順次積層された構成の金属光沢転写フイルムが一般に使用されている。
上記金属薄膜層は、金属箔と同様、鏡面状となっているため、該金属薄膜層が呈する金属光沢は、当然鏡面光沢となる。
また、上記金属薄膜層は、使用する金属の種類によって、金属光沢の色調が異なるものとなり、例えば銅薄膜層は銅箔と同様の色調の銅色、金薄膜層は金箔と同様の色調のゴールド色(金色)、その他銀薄膜層、アルミニウム薄膜層等はいわゆるシルバー色の金属光沢をそれぞれ呈する。
上記銀薄膜層、アルミニウム薄膜層等は、一般的には上記の通りいわゆるシルバー色の金属光沢を呈するものと認識されているが、正確には、例えば銀薄膜層は銀箔と同様の色調のシルバー色(銀色)を呈し、またアルミニウム薄膜層は、銀薄膜層のシルバー色よりも黒味がかったシルバー色の金属光沢、いわゆるアルミニウム光沢を呈するように、通常使用する金属の金属箔と同様の色調の金属光沢を呈するものとなり、これらの金属光沢の色調の違いは、意匠性を重視する業界及び商品においては、明確に区別され、その使い分けがなされているのが現状である。
そして、中でも金属薄膜層として真空蒸着法等により形成されたアルミニウム薄膜層を使用したアルミニウム光沢転写フイルムは、アルミニウム薄膜層の有する独特の美麗なアルミニウム光沢と安価な生産コスト等の理由から汎用されている。
該アルミニウム光沢転写フイルムは、前記の通り黒味がかったシルバー色の金属光沢、いわゆるアルミニウム光沢を当然有しているとともに、該光沢は鏡面光沢であるので、その結果金属光沢は、けばけばしいものとなっていた。
さらに、該転写フイルムを被転写物に転写した後に得られる成形品表面上に形成される転写部分には、アルミニウム薄膜層上に離型層及び保護層が形成されているものの、離型層及び保護層はともに薄膜であるため導電性であり、従って該転写フイルムは非導電性を付与できるものではなかった。
また、上記アルミニウム光沢転写フイルムのアルミニウム薄膜層の代わりに、樹脂中にアルミニウム粉やアルミニウムペーストを混入してなるメタリック層が形成されたメタリック転写フイルムが知られている。
特許文献1には、離型性を有する基材と接着層との間に、熱硬化型塗料中にアルミニウムパウダー(アルミニウム粉)やアルミニウムペーストを混入した塗料により形成されたメタリック層を介在させた耐熱性メタリック転写箔が記載されている(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に記載の耐熱性メタリック転写箔に代表されるメタリック転写フイルムは、非導電性を有していたが、金属光沢を付与するために使用するアルミニウム粉やアルミニウムペーストが、球状や球状に近い形状、不定形の立体形状、あるいは平面部分の表面が平滑でなく凹凸のある鱗片状等の形状であるため、光を乱反射する割合が高く、従って該転写フイルムを被転写物に転写した転写部分の外観はマット調であったが、金属光沢は白っぽい金属光沢を呈し、アルミニウム光沢の特徴であるところの、独特の黒味がかったシルバー色の金属光沢は有しておらず、マット調アルミニウム光沢とはならなかった。
さらに、前記アルミニウム光沢転写フイルム、及び特許文献1に記載の耐熱性メタリック転写箔は何れも、被転写物にインモールド成形転写した場合、基材であるプラスチックフイルムと被転写物とが剥離し難く、プラスチックフイルムの剥離不良による外観不良が発生したり、場合によってはプラスチックフイルムの破れが発生することがあり、生産効率が悪かった。
インモールド成形転写時の加工条件が緩い場合(樹脂の温度が低い場合、射出圧力が低い場合等)や被転写物の形状が平面状や緩やかな曲面状の場合には上記欠点の発生は比較的少なかったが、インモールド成形転写時の加工条件が比較的厳しい場合(樹脂の温度が高い場合、射出圧力が高い場合等)や、被転写物の形状が急な曲面状や複雑な形状の場合には、上記欠点は特に顕著であった。
特開昭63−1585号公報
本発明は、上記全ての欠点を除去したものであり、インモールド成形転写時の加工条件が緩い場合(樹脂の温度が低い場合、射出圧力が低い場合等)や被転写物の形状が平面状や緩やかな曲面状の場合はもちろん、インモールド成形転写時の加工条件が比較的厳しい場合(樹脂の温度が高い場合、射出圧力が高い場合等)や、被転写物の形状が急な曲面状や複雑な形状の場合でも、何ら問題なくインモールド成形転写でき、インモールド成形用に最適な転写フイルムであって、しかも本発明の転写フイルムを被転写物にインモールド成形転写して得られる成形品表面上に形成される転写部分に、マット調アルミニウム光沢の装飾を施すことができるとともに、該成形品を電子レンジに入れて、600W(定格電圧100V)の定格高周波出力を60秒間かけても、スパーク等の発生により、転写部分の外観が変化することがない程度の非導電性をも付与できるインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムを提供するものである。
そして、本発明の転写フイルムを使用して得た上記成形品を、電子レンジに入れて、600W(定格電圧100V)の定格高周波出力を60秒間かけても、スパーク等の発生により、転写部分の外観が変化することがない程度の非導電性を有していれば、非導電性能が必要なテレビ、ビデオデッキ、オーディオ製品等の弱電商品の筐体にも充分に使用できるものである。
(1)本発明は、プラスチックフイルムの片面に、離型アンカー層、離型層、保護層、アルミニウム光沢層、接着層が順次形成されている転写フイルムにおいて、アルミニウム光沢層が、樹脂に板状アルミニウム薄膜を混入してなる高輝度メタリック層を少なくとも含み、かつ高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率が15〜30重量%であることを特徴とするインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムである。
(2)本発明は、アルミニウム光沢層が、樹脂に板状アルミニウム薄膜を混入してなる高輝度メタリック層、及び樹脂にアルミニウム粉を混入してなる輝度補助メタリック層の2層から形成されているものであり、高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率が10〜25重量%であり、かつ輝度補助メタリック層中のアルミニウム粉の含有率が30〜45重量%である上記(1)に記載のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムである。
(3)本発明は、アルミニウム光沢層が、保護層に近い方から順に、樹脂に板状アルミニウム薄膜を混入してなる高輝度メタリック層、樹脂にアルミニウム粉を混入してなる輝度補助メタリック層が形成されているものであり、高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率が10〜25重量%であり、かつ輝度補助メタリック層中のアルミニウム粉の含有率が30〜45重量%である上記(2)に記載のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムである。
(4)本発明は、アルミニウム光沢層の片面又は両面に装飾層が形成されている上記(1)〜(3)何れかに記載のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムである。
本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムは、アルミニウム光沢層を、樹脂に板状アルミニウム薄膜を混入してなる高輝度メタリック層の1層構成、又は高輝度メタリック層と、樹脂にアルミニウム粉を混入してなる輝度補助メタリック層との2層構成とすることで、該転写フイルムを被転写物に転写して得られる成形品を電子レンジに入れて、600W(定格電圧100V)の定格高周波出力を60秒間かけても、スパーク等の発生により、転写部分の外観が変化することがない程度の非導電性と、マット調アルミニウム光沢、すなわち鏡面状でなくいわゆるマット調の外観とアルミニウム光沢の特徴であるところの黒味がかったシルバー色の金属光沢とを有する非常に趣きのある独特の金属光沢との、両方を兼ね備えたものとなる。
特に、アルミニウム光沢層を高輝度メタリック層及び輝度補助メタリック層の2層構成にした場合には、上記したように、優れた非導電性とマット調アルミニウム光沢の両方を兼ね備えたものとなることはもちろん、該転写フイルムの製造コストを低くでき、その結果様々な用途に使用することができるようになる。
本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムは、プラスチックフイルムと離型層との間に離型アンカー層が形成されているので、被転写物にインモールド成形転写した場合、プラスチックフイルムの剥離不良や破れが発生することがないので生産効率が向上し、できあがった成形品も良好な外観となる。
インモールド成形転写時の加工条件が緩い場合(樹脂の温度が低い場合、射出圧力が低い場合等)や被転写物の形状が平面状や緩やかな曲面状の場合はもちろん、インモールド成形転写時の加工条件が比較的厳しい場合(樹脂の温度が高い場合、射出圧力が高い場合等)や、被転写物の形状が急な曲面状や複雑な形状の場合でも、何ら問題なくインモールド成形転写できる。
本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムに使用するプラスチックフイルムは、プラスチックフイルム上に、後で述べる離型アンカー層、離型層、保護層、必要により装飾層、アルミニウム光沢層、必要により装飾層、接着層を順次形成し、該転写フイルムを被転写物の表面に転写した後は、離型アンカー層と共に被転写物から剥離されるものである。
本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムに使用するプラスチックフイルムは、従来転写フイルムに使用されているプラスチックフイルムであれば特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリエチレンナフタレートフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリアミドフイルム、ポリブチルアクリレートフイルム等が使用でき、中でも、耐熱性や強度等の点からポリエチレンテレフタレートフイルムが好ましい。
また、意匠性の向上を目的に、プラスチックフイルムの離型アンカー層側に、ヘアライン加工、エンボス加工、マット加工等の凹凸加工を施してもよく、こうすることで、本発明の転写フイルムを被転写物に転写した後に得られる成形品の転写部分表面が凹凸状となり、できあがった成形品をより意匠性に優れたものとすることができる。
プラスチックフイルムの厚さは、38〜100μmが好ましく、より好ましくは38〜75μmである。
厚さが38μmより薄いと、アルミニウム光沢非導電性転写フイルムのインモールド成形転写時に、該転写フイルムにしわ、カール、破れ等が発生するので好ましくない。
厚さが100μmより厚いと、インモールド成形転写時の熱の伝導が悪くなり、転写適性の悪化や作業性の低下を招くと共に、不経済であるので好ましくない。
従って、プラスチックフイルムの厚さは、インモールド成形転写適性等の問題から38〜100μmが好ましく、38〜75μmであればより万全である。
本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムのプラスチックフイルム上に形成される離型アンカー層は、インモールド成形転写後には後で述べる離型層との界面で剥離してプラスチックフイルム側に残るものであり、プラスチックフイルムと離型層との剥離性能すなわち離型性を向上し、インモールド成形転写時にプラスチックフイルムの剥離不良や破れの発生を防止する目的で設けられる。
離型アンカー層を設けることにより、インモールド成形転写時の加工条件が緩い場合や被転写物の形状が平面状や緩やかな曲面状の場合はもちろん、インモールド成形転写時の加工条件が比較的厳しい場合や、被転写物の形状が急な曲面状や複雑な形状の場合でも、何ら問題なくインモールド成形転写できるものである。
そして、プラスチックフイルムの剥離不良や破れの発生を防止するためには、離型アンカー層と離型層とのT型剥離強度が1〜100g/15mmの範囲であるのが好ましく、5〜30g/15mmの範囲であればさらに好ましい。
T型剥離強度が100g/15mmを超えるとインモールド成形転写時にプラスチックフイルムの剥離不良や破れの発生を防止することができないので好ましくない。
T型剥離強度が1g/15mm未満であると離型性が良すぎて、所謂箔散りが発生するので好ましくない。
従って、T型剥離強度が1〜100g/15mmの範囲であれば、特にインモールド成形転写時にプラスチックフイルムの剥離不良や破れの発生を防止することができるので、本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムを使用して得る成形品の外観も良好であり、歩留まりも向上する。
離型アンカー層に使用される樹脂は、インモールド成形転写時にプラスチックフイルムの剥離不良や破れの発生を防止できる程度の剥離強度、すなわち離型アンカー層と離型層とのT型剥離強度が1〜100g/15mmの範囲であることを満足する樹脂であれば特に制限はなく、メラミン系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂やワックス等が使用できるが、特にメラミン系樹脂が好ましい。
離型アンカー層の厚さは、0.01〜2μmが好ましく、0.1〜0.5μmが特に好ましい。
離型アンカー層の厚さが、0.01μmより薄いと離型性が低下してインモールド成形転写時にプラスチックフイルムの剥離不良や破れの発生を防止することができないので好ましくない。また、このときT型剥離強度も100g/15mmを超える。
離型アンカー層の厚さが、2μmより厚いと離型性が良すぎて、所謂箔散りが発生すると共に、経済性の点からも好ましくない。
従って、離型アンカー層の厚さは、離型性や経済性の点から、0.01〜2μmが好ましく、0.1〜0.5μmであれば万全である。
離型アンカー層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、バーコート法、ダイコート法等従来公知の方法が使用できる。
本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムに形成される離型層は、離型アンカー層と保護層との間にあって、保護層と密着しかつ離型アンカー層との界面で剥離する離型性を有し、アルミニウム光沢非導電性転写フイルムを被転写物に転写してプラスチックフイルム及び離型アンカー層を一体として剥離した後は、得られた成形品の転写部分の最表層に形成されるものである。
そして、保護層やアルミニウム光沢層を傷等から保護すると共に、非導電性を向上させる役割も果たす。
離型層に使用される樹脂は、保護層と密着しかつプラスチックフイルムとの界面で剥離する離型性を有するものであれば特に制限はなく、アクリル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、ワックス等が使用できるが、離型性の点からアクリル系樹脂がより好ましい。
離型層の厚さは、0.1〜2.5μmが好ましく、0.7〜2μmがより好ましい。
厚さが0.1μmより薄いと、離型性が低下するとともに、保護層やアルミニウム光沢層を傷等から保護し難くなるので好ましくない。
厚さが2.5μmより厚いと、より非導電性は向上するが、離型層に塗りムラが生じるので好ましくなく、また不経済でコスト高となり、場合によっては離型性が良すぎていわゆる箔散りが発生すると共に、転写フイルムを被転写物に転写後、いわゆるバリが発生して作業性が低下するので好ましくない。
従って、離型層の厚さは、離型性や箔散り等の点から0.1〜2.5μmが好ましく、0.7〜2μmであればより万全である。
離型層は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等の従来公知の方法で形成できる。
本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムに形成される保護層は、離型層とアルミニウム光沢層との間にあって、離型層、アルミニウム光沢層、及び後で述べる装飾層と密着し、アルミニウム光沢非導電性転写フイルムを被転写物に転写した後は、離型層と共にアルミニウム光沢層を傷等から保護し、さらに非導電性を向上させる役割をも果たすものである。
また、意匠性の向上を目的に、保護層中に染料や顔料等を混入して、保護層を、着色した保護層としてもよく、さらには、離型層とアルミニウム光沢層間に、保護層とは別に、樹脂に染料や顔料等を混入して薄膜とした、いわゆる着色層を形成してもよい。
このようにした場合には、本発明の転写フイルムを被転写物に転写した後に、転写部分が着色されたマット調アルミニウム光沢となるのである。
保護層に使用する樹脂は、離型層、アルミニウム光沢層、及び装飾層と密着し、また必要により着色剤が混入できるものであれば特に制限はなく、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、硝化綿等の単独又は2種以上の混合樹脂が使用できる。
保護層の厚さは、0.7〜2μmが好ましい。
厚さが0.7μmより薄いと、保護層上に、高輝度メタリック層又は後で述べる装飾層である印刷層の形成のための高輝度メタリック塗料又は印刷インキをコーティングする際に、高輝度メタリック塗料又は印刷インキに含まれる溶剤によって、保護層が侵されて高輝度メタリック層の保護や非導電性に影響を与える場合があるので好ましくなく、特に保護層が着色した保護層である場合には、さらに着色むらにもなりやすいので好ましくない。
厚さが2μmより厚いと、いわゆる箔散りが生じ易く、インモールド成形転写時の作業性が低下するので好ましくない。
従って、保護層の厚さは、非導電性、着色むら、箔散り等の点から0.7〜2μmが好ましい。
保護層は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等の従来公知の方法で形成できる。
本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムに形成されるアルミニウム光沢層は、樹脂に板状アルミニウム薄膜を混入してなる高輝度メタリック層を少なくとも含み、かつ高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率が15〜30重量%であるものであり、被転写物に該転写フイルムを転写した後の転写部分に、マット調アルミニウム光沢及び非導電性を付与するものである。
前記した通り、マット調アルミニウム光沢とは、鏡面状でなくいわゆるマット調の外観と、アルミニウム光沢の特徴であるところの黒味がかったシルバー色の金属光沢の両方を有する、非常に趣きのある独特の金属光沢をいう。
また、アルミニウム光沢層を高輝度メタリック層と後で述べる輝度補助メタリック層とを積層したものとすることでも、転写部分にマット調アルミニウム光沢及び非導電性を付与することができ、その場合の高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率は10〜25重量%であり、かつ輝度補助メタリック層中のアルミニウム粉の含有率は30〜45重量%である。
また、アルミニウム光沢層は、転写フイルムの全面に形成されていても、部分的に形成されていてもよい。
高輝度メタリック層の厚さは、0.4〜1.8μmが好ましく、0.7〜1.5μmがより好ましい。
高輝度メタリック層の厚さは、後で述べる高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率、輝度補助メタリック層の有無、輝度補助メタリック層の厚さ等により、適宜決定すればよい。
厚さが0.4μmより薄いと、アルミニウム光沢層が高輝度メタリック層1層のみで形成されている場合に、マット調アルミニウム光沢が現出し難くなるので好ましくない。
また、高輝度メタリック層上に輝度補助メタリック層を形成する場合に、輝度補助メタリック層の形成時に使用する塗料に含まれる溶剤によって、高輝度メタリック層が侵されて光沢むらになりやすいので好ましくない。
厚さが1.8μmより厚いと、いわゆる箔散りが生じやすく、転写時の作業性が低下するので好ましくない。
従って、高輝度メタリック層の厚さは、マット調アルミニウム光沢、光沢むら、箔散りの点から0.4〜1.8μmが好ましく、0.7〜1.5μmであればより万全である。
高輝度メタリック層は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の従来公知の方法で形成できる。
高輝度メタリック層に使用する樹脂は、保護層、輝度補助メタリック層、装飾層、及び接着層と密着し、板状アルミニウム薄膜を均一に分散混入できるものであれば制限はなく、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、硝化綿等の単独又は2種以上の混合樹脂が使用できる。
高輝度メタリック層に使用する板状アルミニウム薄膜は、アルミニウム単体の薄膜であるアルミニウム薄膜はもちろん、マット調アルミニウム光沢を維持できる範囲で、該アルミニウム薄膜の片面又は両面を透明樹脂層やアルミニウム以外の金属薄膜で積層したもの、あるいはアルミニウム薄膜の片面又は両面を該透明樹脂層と金属薄膜を適宜組み合わせて積層したもの等を適宜の大きさにカットして板状としたものなどが使用できる。
板状アルミニウム薄膜は、その面方向の表面で光を反射する。
そして、高輝度メタリック層の面方向と板状アルミニウム薄膜の面方向とを平行にすることで、すなわち、高輝度メタリック層の面方向と板状アルミニウム薄膜の面方向を同一方向にすることで、高輝度メタリック層の一面に板状アルミニウム薄膜が並んだ状態となるのである。
その結果、板状アルミニウム薄膜が光を正反射する割合が高くなり、乱反射する割合が低くなるので、単なるマット調の白っぽいシルバー色の金属光沢ではなく、マット調の外観と、アルミニウム光沢の特徴であるところの黒味がかったシルバー色の金属光沢との両方を兼ね備えた、非常に趣きのある独特の金属光沢であるところのマット調アルミニウム光沢を現出することができるのである。
そして、上記のように、光の乱反射を抑え、正反射する割合を高くするためには、板状アルミニウム薄膜の形状は、長方形、正方形、円、楕円等の平面形状を有し、しかも厚さが極薄で、かつ平面部分の表面が平滑(フラット)なものである必要がある。
板状アルミニウム薄膜の平面形状は、光を正反射する割合を高くできるという目的を達成できるものであれば足り、上記の長方形や正方形に限られず、不定形のものでももちろん構わない。
従って、光を正反射し難い形状である球状、ラグビーボール状等の球状に近い形状、針状等の形状はもちろん、いわゆる鱗片状であっても、その平面部分の表面が平滑でなく凹凸のあるものや、鱗片状のアルミニウム薄膜全体が凹凸となっているもの等は含まれない。
よって、板状アルミニウム薄膜の形状は、後で述べる輝度補助メタリック層に使用するアルミニウム粉が、球状や球状に近い形状、あるいは平面部分の表面が平滑でなく凹凸のある鱗片状であるのとは全く異なる。
そして、板状アルミニウム薄膜を使用し、かつ高輝度メタリック層の厚さを上記の範囲とすることで、高輝度メタリック層形成時の各種コーティング工程で、高輝度メタリック層の一面に板状アルミニウム薄膜が並んだ状態を容易に再現できるのである。
そして、板状アルミニウム薄膜の大きさは、高輝度メタリック層形成時の各種コーティング工程で、高輝度メタリック層の一面に板状アルミニウム薄膜が並んだ状態を容易に再現できる大きさであればよく、大体、厚さが0.01〜0.3μm、好ましくは0.01〜0.07μm、より好ましくは0.01〜0.03μm、長径(板状アルミニウム薄膜の最長の長さ)が5〜20μm、短径(板状アルミニウム薄膜の最短の長さ)が3〜20μm程度が好ましい。
高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率は、15〜30重量%が好ましい。
含有率が15重量%より低いと、非導電性は得られるものの、マット調アルミニウム光沢が現出しにくいので好ましくなく、また含有率が30重量%より高いとマット調アルミニウム光沢は得られるものの、非導電性が得られないので好ましくない。
従って、非導電性及びマット調アルミニウム光沢の両方を兼ね備えるためには、含有率は15〜30重量%にしておくことが好ましい。
また高輝度メタリック層と輝度補助メタリック層を積層する場合には、該含有率は、10〜25重量%が好ましく、15〜20重量%であればより好ましい。
含有率が10重量%より低いと、非導電性は得られるものの、マット調アルミニウム光沢が現出しにくいので好ましくなく、また含有率が25重量%より高いと、非導電性が得られ難くなるとともに、鏡面光沢が現出し、マット調アルミニウム光沢となり難いので好ましくない。
本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムに形成される輝度補助メタリック層は、樹脂にアルミニウム粉を混入してなるもので、高輝度メタリック層上に形成され、高輝度メタリック層のマット調アルミニウム光沢の現出を補助する役割を果たすものである。
前記したように、アルミニウム光沢層は、高輝度メタリック層の1層だけでも、アルミニウム光沢非導電性転写フイルムを非導電性及びマット調アルミニウム光沢の両方を兼ね備えたものとすることはできるが、高輝度メタリック層中に混入する板状アルミニウム薄膜が高価であるため、高輝度メタリック層だけで非導電性及びマット調アルミニウム光沢の両方を兼ね備えたものとすると、アルミニウム光沢非導電性転写フイルムの製造コストが高くなり、限定された用途にしか使用できない場合がある。
このような場合に、アルミニウム光沢層を、高輝度メタリック層と輝度補助メタリック層との積層にすることで、アルミニウム光沢非導電性転写フイルムが非導電性及びマット調アルミニウム光沢の両方を兼ね備えたまま、製造コストを低くでき、その結果様々な用途に使用することができるようになる。
前記した通り、アルミニウム光沢層は、転写フイルムの全面に形成されていても、部分的に形成されていてもよいので、アルミニウム光沢層を高輝度メタリック層と輝度補助メタリック層の2層にするときには、転写フイルム上に、高輝度メタリック層と輝度補助メタリック層が共に全面に形成されている場合、高輝度メタリック層と輝度補助メタリック層が共に部分的に形成されている場合、高輝度メタリック層と輝度補助メタリック層の一方が全面に、他方が部分的に形成されている場合の何れの場合でも構わない。
さらに輝度補助メタリック層は、高輝度メタリック層が形成されている部分と全く同じ部分に形成して、高輝度メタリック層と輝度補助メタリック層が積層されている部分のみを設けてもよく、高輝度メタリック層と輝度補助メタリック層を形成する部分をずらすことにより、高輝度メタリック層と輝度補助メタリック層が積層されている部分とともに、高輝度メタリック層又は輝度補助メタリック層のみが形成されている部分を設けてももちろん構わない。
輝度補助メタリック層に使用する樹脂は、高輝度メタリック層、装飾層、及び接着層と密着し、アルミニウム粉を均一に分散混入できるものであれば特に制限はなく、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、硝化綿等の単独又は2種以上の混合樹脂が使用できる。
輝度補助メタリック層の厚さは、0.4〜1.8μmが好ましく、0.7〜1.5μmがより好ましい。
厚さが0.4μmより薄いと、マット調アルミニウム光沢の現出を補助する役割を果たし難くなるので好ましくない。
また、接着層又は装飾層である印刷層形成時に使用する接着剤塗料又は印刷インキに含まれる溶剤によって、輝度補助メタリック層が侵されて光沢むらになり易いので好ましくない。
厚さが1.8μmより厚いと、いわゆる箔散りが生じやすく、転写時の作業性が低下するので好ましくない。
従って、輝度補助メタリック層の厚さは、光沢むらや箔散りの点から0.4〜1.8μmが好ましく、0.7〜1.5μmであればより万全である。
輝度補助メタリック層は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の従来公知の方法で形成できる。
輝度補助メタリック層中に混入されるアルミニウム粉は、従来から使用されてきた一般的なアルミニウム粉が使用でき、例えば球状や球状に近い形状、不定形の立体形状のアルミニウム粉、あるいは平面部分の表面が平滑でなく凹凸のある鱗片状のアルミニウム粉や、鱗片状のアルミニウム粉の全体が凹凸となっているアルミニウム粉が使用できる。
中でも、平面部分の表面が平滑でなく凹凸のある鱗片状のアルミニウム粉や、鱗片状のアルミニウム粉の全体が凹凸となっているアルミニウム粉であり、平均粒径が5〜30μmで、かつ厚さが0.08〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmのものが好ましい。
アルミニウム粉の平均粒径が、30μmより大きいと高輝度メタリック層の凹凸が目立ち、輝度補助メタリック層としての役割を果たし難い。
また、5μmより小さいと、充分に輝度補助メタリック層としての役割を果たすが、高価で不経済である。
輝度補助メタリック層中のアルミニウム粉の含有率は、30〜45重量%が好ましく、35〜40重量%であればより好ましい。
30重量%を下回ると高輝度メタリック層のマット調アルミニウム光沢の現出を補助する役割にならず、45重量%を超えると非導電性が低下するので好ましくない。
従って、アルミニウム粉の含有率は、マット調アルミニウム光沢現出の補助及び非導電性の点から30〜45重量%が好ましく、35〜40重量%であればより万全である。
本発明のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムに形成される接着層は、アルミニウム光沢層上に形成され、該転写フイルムを被転写物に転写した後は、転写部分と被転写物とを密着するものである。
接着層に使用する樹脂は、アルミニウム光沢層及び装飾層と被転写物との密着力が良好なものであれば特に制限はなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂等の単独又は2種以上の混合樹脂が使用できる。
接着層の厚さは、1〜3μmが好ましい。
1μmより薄いとアルミニウム光沢層と被転写物との密着力が低下し易く、3μmより厚いと、いわゆる箔散りが生じ易く、インモールド転写時の作業性が低下するので好ましくない。
従って、接着層の厚さは、密着力や箔散りの点から1〜3μmが好ましい。
接着層の樹脂の種類及び厚さは、被転写物の種類により適宜決定すればよい。
また、本発明のアルミニウム光沢非導電性転写フイルムの意匠性の向上を目的に、アルミニウム光沢層の片面又は両面に、装飾層を形成してもよい。
装飾層は、非導電性を付与するという本発明の目的を達成するために、非導電性である必要がある。
そして上記装飾層は、アルミニウム光沢層と接着層間に形成する場合には、転写フイルムの全面に形成しても、部分的に形成しても構わないが、保護層とアルミニウム光沢層間に形成する場合には、転写後の成形品にマット調アルミニウム光沢を付与する必要から、アルミニウム光沢層を全て覆い隠すことがないように全面ではなく部分的に形成する必要がある。
装飾層は、樹脂に顔料等を混入した、いわゆる印刷インキ等の塗料からなる印刷層であってもよく、また非導電性の金属薄膜層であってもよい。
印刷層は、印刷インキ等を文字、図形、模様等の図柄を印刷することで意匠性を向上するものである。
上記印刷層に使用する樹脂は、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル/ビニル系樹脂等、従来印刷層に使用されている各種印刷インキが使用できる。
印刷層の形成方法は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等従来公知の方法が使用できる。
また、上記非導電性の金属薄膜層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等、従来公知の方法により、少なくともアルミニウム光沢層の形成されていない部分に形成することで、アルミニウム光沢層の有するマット調アルミニウム光沢とは異なる金属光沢を付与して意匠性を向上するものである。
上記非導電性の金属薄膜層としては、例えばSn、Pb、Zn、Biよりなる群から選ばれた一種又は二種以上の金属からなり、島のサイズが200Å〜1μmで、島の間隔が100Å〜5000Åの島状構造であり、絶縁破壊電圧が1000V以上の非導電性を有する薄膜層が例示できる。
装飾層の種類、色、図柄、形成位置等については、所望の成形品に合わせて適宜決定すればよい。
本発明のアルミニウム光沢非導電性転写フイルムは、インモールド成形用の転写フイルムとして最適なるものであるが、インモールド成形転写以外の転写法、例えば刻印転写法、ラバー転写法等の従来の転写法を使用して、被転写物に転写して成形品を製造することはもちろん可能であり、このような使用法による場合も本発明の効果を発揮できる。
また、本発明のアルミニウム光沢非導電性転写フイルムの構成は上記の通りであり、該転写フイルムを被転写物に転写して得られた成形品を、成形品表面から視認する場合を前提に説明したが、例えば透明な被転写物に転写して得た成形品の転写部分を成形品の裏側(被転写面側)から視認するような用途の場合(いわゆるバック転写した場合)には、当然のことながら、本発明の転写フイルムのアルミニウム光沢層の構成は、保護層側から順に輝度補助メタリック層、及び高輝度メタリック層が形成された構成のものとなる。
この様に、転写部分を視認する面が成形品の裏側であるような用途に使用するため、アルミニウム光沢層の構成、すなわち高輝度メタリック層と輝度補助メタリック層の位置関係が必然的に逆転する転写フイルムも、本発明の効果を発揮する以上、もちろん本発明に含まれる。
ここで、本発明に係るアルミニウム光沢非導電性転写フイルムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るアルミニウム光沢非導電性転写フイルムの一例を示す一部拡大断面図であり、プラスチックフイルム1の片面に、離型アンカー層2、離型層3、保護層4、アルミニウム光沢層6である高輝度メタリック層6a、接着層7が順次形成されている。
図2は、本発明に係るアルミニウム光沢非導電性転写フイルムの他の一例を示す一部拡大断面図であり、プラスチックフイルム1の片面に、離型アンカー層2、離型層3、保護層4、装飾層5、アルミニウム光沢層6である高輝度メタリック層6a及び輝度補助メタリック層6b、接着層7が順次形成されており、装飾層5のみが部分的に形成されている。
[実施例1]
長尺で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフイルム上に、メラミン系樹脂をグラビアコート法にてコーティングして厚さ0.5μmの離型アンカー層を形成し、次にアクリル系樹脂をグラビアコート法にてコーティングして厚さ1.4μmの離型層を形成し、さらに離型層上に、アクリル系樹脂をグラビアコート法にてコーティングして厚さ0.8μmの保護層を形成した。
次に保護層上に、アクリル系樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂78重量部に板状アルミニウム薄膜(厚さ0.01〜0.03μm、長径10〜12μm、短径5〜7μm)22重量部を混入してなる厚さ1.4μmの高輝度メタリック層を、グラビア印刷法にて形成した(高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率:22重量%)。
さらに高輝度メタリック層上に、アクリル系樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂をリバースコート法にてコーティングして厚さ1.8μmの接着層を形成し、本発明のアルミニウム光沢非導電性転写フイルムを得た。
尚、上記各層は全て、転写フイルムの全面に形成した。
[実施例2]
保護層上に、アクリル系樹脂を使用して所望の図柄の印刷層を形成したこと、及び印刷層上に実施例1の高輝度メタリック層に替えて、アクリル系樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂82重量部に板状アルミニウム薄膜(厚さ0.01〜0.03μm、長径10〜12μm、短径5〜7μm)18重量部を混入してなる厚さ1.4μmの高輝度メタリック層をグラビア印刷法にて形成し(高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率:18重量%)、さらに、高輝度メタリック層上にアクリル系樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂64重量部に平均粒径10μmのアルミニウム粉36重量部を混入してなる厚さ1.4μmの輝度補助メタリック層をグラビア印刷法にて形成した(輝度補助メタリック層中のアルミニウム粉の含有率:36重量%)こと以外は、実施例1と同様にして本発明のアルミニウム光沢非導電性転写フイルムを得た。
尚、所望の図柄を得るために部分的に形成した印刷層以外の上記各層は、転写フイルムの全面に形成した。
[比較例1]
印刷層、及び高輝度メタリック層を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、非導電性転写フイルムを得た。
[比較例2]
実施例1の高輝度メタリック層に替えて、厚さ50nmのアルミニウム薄膜層を真空蒸着法にて形成した以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム光沢転写フイルムを得た。
[比較例3]
離型アンカー層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、非導電性転写フイルムを得た。
[比較例4]
離型アンカー層を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、非導電性転写フイルムを得た。
[比較例5]
離型アンカー層を形成しなかったこと以外は、比較例1と同様にして、非導電性転写フイルムを得た。
[比較例6]
離型アンカー層を形成しなかったこと以外は、比較例2と同様にして、アルミニウム光沢転写フイルムを得た。
実施例1、2で得た本発明のアルミニウム光沢非導電性転写フイルム、及び比較例1〜6で得た非導電性転写フイルム又はアルミニウム光沢転写フイルムについて、以下の試験を行ない性能を比較した。
1.インモールド成形転写試験
(評価試料)実施例1、2で得た本発明のアルミニウム光沢非導電性転写フイルム、及び比較例1〜6で得た非導電性転写フイルム又はアルミニウム光沢転写フイルムを使用して、射出成形機にてABS樹脂にインモールド成型転写して、曲面部分(抱き込み角90°)と平面部分を有するテレビ用外装部品をそれぞれ10個ずつ作製して評価試料とした。
(評価方法)転写時のポリエチレンテレフタレートフイルムの剥離不良や破れの有無を、評価試料の平面部分及び曲面部分について、それぞれ目視で比較して、ポリエチレンテレフタレートフイルムの剥離不良や破れの発生がなく、きれいに転写できたものの個数を数えた。
(評価結果)表1
2.非導電性試験
(評価試料)上記インモールド成型転写試験で作製した、実施例1、2、及び比較例1、2に係るテレビ用外装部品をそれぞれ1つ準備して、評価試料とした。
尚、比較例3〜6に係るテレビ用外装部品については、インモールド成型転写時の剥離不良や破れの発生が原因で、きれいに転写できず、非導電性試験が行なえる状態ではなかったため試験しなかった。
(評価方法)評価試料を電子レンジに入れて、600W(定格電圧100V)の定格高周波出力を60秒間かけて、転写部分の外観が変化しなかったものを○、スパーク等の発生により、転写部分の外観が変化したものを×とした。
(評価結果)表1
3.アルミニウム光沢試験
(評価試料)上記インモールド成型転写試験で作製した、実施例1、2、及び比較例1、2に係るテレビ用外装部品をそれぞれ1つ準備して、評価試料とした。
尚、比較例3〜6に係るテレビ用外装部品については、インモールド成型転写時の剥離不良や破れの発生が原因で、きれいに転写できず、アルミニウム光沢試験が行なえる状態ではなかったため試験しなかった。
(評価方法)評価試料の転写部分(実施例2に係る評価試料については印刷層が形成されていない部分)の金属光沢を目視にて観察し、マット調アルミニウム光沢(鏡面状でなくマット調の外観と、アルミニウム光沢の有する独特の黒味がかったシルバー色の金属光沢の両方を有しているもの)を呈するものを○、アルミニウム光沢(アルミニウム薄膜層が有するアルミニウム光沢と同様の金属光沢、すなわち鏡面光沢で、かつ独特の黒味がかったシルバー色の金属光沢)を呈するもの、又はマット調の外観ではあるがアルミニウム光沢の有する独特の黒味がかったシルバー色の金属光沢がなく、白っぽい色調の金属光沢を呈するものを×とした。
(評価結果)表1
Figure 2006035799
実施例1、2の本発明のアルミニウム光沢非導電性転写フイルムは、インモールド成型転写時に、ポリエチレンテレフタレートフイルムの剥離不良や破れの発生もなく、きれいに転写でき、インモールド成形用転写フイルムに最適であることがわかる。
さらに、実施例1、2の本発明のアルミニウム光沢非導電性転写フイルムを使用して、インモールド成型転写して得たテレビ用外装部品は、何れもマット調アルミニウム光沢を有するとともに、非導電性にも優れており、実施例1、2の本発明のアルミニウム光沢非導電性転写フイルムが、非導電性とマット調アルミニウム光沢の両方を兼ね備えたものであることがわかる。
比較例1、2の非導電性転写フイルム又はアルミニウム光沢転写フイルムは、非導電性とマット調アルミニウム光沢の両方を兼ね備えたものではないことがわかる。
さらに、比較例3〜6の非導電性転写フイルム又はアルミニウム光沢転写フイルムは、離型アンカー層が形成されていないので、何れもインモールド成形転写には全く使用できるものではなかった。
本発明に係るインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムの一例を示す一部拡大断面図である。 本発明に係るインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルムの一例を示す一部拡大断面図である。
符号の説明
1 プラスチックフイルム
2 離型アンカー層
3 離型層
4 保護層
5 装飾層
6 アルミニウム光沢層
6a 高輝度メタリック層
6b 輝度補助メタリック層
7 接着層

Claims (4)

  1. プラスチックフイルムの片面に、離型アンカー層、離型層、保護層、アルミニウム光沢層、接着層が順次形成されている転写フイルムにおいて、アルミニウム光沢層が、樹脂に板状アルミニウム薄膜を混入してなる高輝度メタリック層を少なくとも含み、かつ高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率が15〜30重量%であることを特徴とするインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルム。
  2. アルミニウム光沢層が、樹脂に板状アルミニウム薄膜を混入してなる高輝度メタリック層、及び樹脂にアルミニウム粉を混入してなる輝度補助メタリック層の2層から形成されているものであり、高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率が10〜25重量%であり、かつ輝度補助メタリック層中のアルミニウム粉の含有率が30〜45重量%である請求項1に記載のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルム。
  3. アルミニウム光沢層が、保護層に近い方から順に、樹脂に板状アルミニウム薄膜を混入してなる高輝度メタリック層、樹脂にアルミニウム粉を混入してなる輝度補助メタリック層が形成されているものであり、高輝度メタリック層中の板状アルミニウム薄膜の含有率が10〜25重量%であり、かつ輝度補助メタリック層中のアルミニウム粉の含有率が30〜45重量%である請求項2に記載のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルム。
  4. アルミニウム光沢層の片面又は両面に装飾層が形成されている請求項1〜3何れかに記載のインモールド成形用アルミニウム光沢非導電性転写フイルム。
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