JP2006033809A - 複写制御機能付き複写機、スキャナ及びファクシミリ、並びに半導体装置内蔵紙及び半導体装置内蔵フィルム - Google Patents

複写制御機能付き複写機、スキャナ及びファクシミリ、並びに半導体装置内蔵紙及び半導体装置内蔵フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 書類等の複製を防止するに当たり、書類等にバーコード処理を施した場合であっても、バーコードそのものが改ざんされやすく、複製防止、偽造防止の機能を果たさなくなるおそれがある。また、複数枚数の書類の場合には、一枚一枚バーコードを読み取って複製可能性の有無を判断する必要があるため、処理能力が遅くなるという問題があった。
【解決手段】 本発明は、原稿を複写、再製、スキャン、又は伝送等するための機構を備えた機器であって、前記原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の複写、再製、スキャン又は伝送等の可否を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。これにより、原稿の複製の可否を素早く判断・制御することにより、不正コピー等の不正行為を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、原稿、書類、書籍、紙幣等の複製、伝送の有無を制御することができる複写機、スキャナ及びファクシミリ、並びに該複写機等によって、複写の可否を制御することができる半導体装置内蔵紙及び半導体装置内蔵フィルムに関する。
近年、あらゆる企業、家庭、店頭等において、書類、書籍等の複製や複写が、日常的に行われている。しかし、それらの書類、書籍等には、営業秘密や個人情報等の機密情報が含まれているものも極めて多く、特に経済活動、取引活動においては、その情報の管理体制の強化が強く求められている。しかし、そのような機密情報は、依然として、企業内、家庭内等において、複写機(以下「コピー機」ともいう。)やスキャナ等を用いて容易に複写することができ、機密情報の漏洩、流出、改ざん等の不正行為をもたらす要因となっていた。かかる問題点を解決すべく、偽造防止のためのバーコード処理を伴うコピー機等が知られている(特許文献1参照)。
特開2001−51460号公報
しかしながら、このバーコード処理を施した場合であっても、バーコードそのものが改ざんされやすく、書類等の複製防止、偽造防止の機能を果たさなくなるおそれがある。また、複数枚数の書類の場合には、一枚一枚バーコードを読み取って、複製の可能性の有無を判断する必要があるため、処理能力が遅くなるという問題があった。また、バーコードは、一般的な書類には付すことは想定できるとしても、紙幣や有価証券、あるいは、デザイン性を重視したカード類の商品等にまでバーコードを付すことは想定しがたい。しかし、将来的に、極めて高性能の複写機が市場に出回るようになると、紙幣、有価証券等をいとも簡単に複製できてしまうというおそれがある。
本発明は、このような状況に鑑みて成されたものであり、書籍、書類、紙幣等の複写、複製を防止することができる複写機を提供することを目的としている。さらに、この複写、複製行為は、機密情報の漏洩や、偽造商品の流出等の不正行為をもたらすいわば根源となるものである。したがって本発明は、このような不正な複写、複製行為を排除し、上記不正行為の発生を未然に防ぐことにより、健全な経済活動、取引活動の実現の一助となることを最終的な目的とする。
本発明は、原稿を複写、再製、スキャン、又は伝送等するための機構を備えた機器であって、前記原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の複写、再製、スキャン又は伝送等の可否を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
具体的には、本発明に係る複写制御機能付き複写機は、原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の複写の可否を制御する制御部と、前記原稿を複写するための光学系及びプリント機構を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る複写制御機能付き複写機は、原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の複写の可否を制御する制御部と、前記原稿を複写するための光学系、受光素子、画像処理部、レーザスキャナ、プリント機構を備えることを特徴とする。
ここで、複写機(コピー機)とは、原稿、書類、写真等を読み取り、それを別の媒体(紙類、フィルム等)に複写する機能を有する装置をいう。
また、本発明に係る複写機は、原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の複写の可否を制御する制御部を備えている。そして、前記リーダは、前記原稿に搭載された半導体装置又は複写物に搭載された半導体装置に対して情報を書き込む機能を兼ね備えていてもよい。
また、上記原稿としては、書類、新聞、雑誌、写真のみならず、書籍やOHPフィルムのようなもの、紙幣、有価証券等を幅広く含む。
また、本発明に係るスキャン制御機能付きスキャナは、原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿のスキャンの可否を制御する制御部と、前記原稿をスキャンするための光学系、受光素子及び画像処理部を備えることを特徴とする。
ここで、該リーダは、前記原稿に搭載された半導体装置に対して情報を書き込む機能を兼ね備えていてもよい。
また、本発明に係る読み取り制御(すなわち伝送制御)機能付きファクシミリは、原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の読み取りの可否を制御する制御部と、前記原稿を読み取るための光学系、受光素子及び画像処理部、並びに読み取られた情報を伝達するための通信制御部を備えることを特徴とする。
ここで、該リーダは、前記原稿に搭載された半導体装置に対して情報を書き込む機能を兼ね備えていてもよい。
また、本発明に係る半導体装置内蔵紙及び半導体装置内蔵フィルムは、上記複写制御機能付き複写機、上記スキャン制御機能付きスキャナ又は上記読み取り制御機能付きファクシミリによって、複写の可否を制御することができるものであることを特徴とする。
ここで、複写の可否を制御することができる場合としては、半導体装置内蔵紙及び半導体装置内蔵フィルムが、原稿として用いられる場合、複写物の媒体として用いられる場合のいずれをも含む。
また、ここでいう紙及びフィルムは、半導体装置を内蔵するものであれば、その材質は特に限定されない。半導体装置としては、例えばIDチップ、無線チップ、無線メモリ等が挙げられる。
また、上記原稿に搭載された半導体装置は、原稿の複写、スキャン、読み取り等の可否の識別やそれらに関する情報が記憶されるものである。半導体装置としては、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下「TFT」という。)のごとき薄膜能動素子を含んでいるのがよい。例えば、TFTを用いて半導体装置を作製する場合、TFTを被剥離基板に形成した後、被剥離基板を剥離し、素子分離を行うことにより、TFTからなる半導体装置を安価で大量生産できるという特徴がある。なお、ここで言う剥離方法には、エッチング等によって剥離層を除去する化学的剥離と、外部から衝撃(ストレス)を与えることによって剥離層を分離する物理的剥離とに大別されるが、これらに限定されない。
なお、本発明に用いられる半導体装置としては、従来のICチップと異なり、薄膜である構成も含まれる。例えば、従来のICチップは概ね60μm程度の厚さを有していたのでそれよりも薄いチップも半導体装置に含まれる。薄膜の半導体装置の場合、IDTチップ(Identification Thin Chip)等と呼ばれることもある。また、本発明に用いられる半導体装置は、後述するように、原則としてシリコンウエハを用いず、ガラス基板や石英基板等の絶縁基板を用い、また、IDチップをフレキシブル基板に転写することも可能であることから、IDGチップ(Identification Glass Chip)、IDFチップ(Identification Flexible Chip)、ソフトチップ(Soft Chip)等とも呼ばれる。
ここで、前記リーダから得られた情報とは、原稿の半導体装置に記憶された情報のみならず、原稿に半導体装置が付されている、又は付されていない、破壊等により機能しない場合にリーダと原稿の間において通信ができなかったことを示す情報であっても良い。
これにより、例えばリーダと原稿の通信ができなかった場合には、制御部により原稿の複写、スキャン、読み取り等を拒否することができる。なお、制御部により複写等を許可するようにしても良い。
本発明に係る複写制御機能付き複写機は、原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の複写の可否を制御する制御部と、前記原稿を複写するために少なくとも光学系及びプリント機構を備えているため、原稿の複写の可否を制御することができ、不正コピー、不要なコピーを防止することができる。
また、本発明に係るスキャン制御機能付きスキャナは、原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿のスキャンの可否を制御する制御部と、前記原稿をスキャンするための光学系、受光素子及び画像処理部を備えているため、原稿のスキャン、複写の可否を制御することができ、不正コピー、不要なコピーを防止することができる。
また、本発明に係る読み取り制御(すなわち伝送制御)機能付きファクシミリは、原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の読み取りの可否を制御する制御部と、前記原稿を読み取るための光学系、受光素子及び画像処理部、並びに読み取られた情報を伝達するための通信制御部を備えているため、原稿のスキャン、複写の可否を制御することができ、不正又は不要な情報の流出を防止することができる。
本発明に係る各機器は、上記作用効果を奏することにより、書籍、書類、紙幣等の原稿の不正な複写、複製、伝送等を未然に防止することができ、機密情報の漏洩や、偽造紙幣・商品の流出等の不正行為の根源を根こそぎ排除することができる。
また、上記各機器によって、複写の可否を制御することができる紙又はフィルムに内蔵される半導体装置として、TFTのごとき薄膜能動素子からなる薄膜集積回路部を用いた場合には、該半導体装置を低コストで大量に生産することができるため、半導体装置内蔵紙又は半導体装置内蔵フィルムは、原稿あるいはコピー用紙として経済的に利用することができる。
すなわち、該薄膜集積回路部は、TFTを被剥離基板に形成した後、被剥離基板を剥離し、素子分離を行う等の方法により製造することができるため、結果的に半導体装置を安価で大量生産することができる。具体的には、従来のシリコン基板上に形成されたICチップのように、裏面研磨(バックグラインド)を行う必要がなく、工程を大幅に簡略化でき、かつ製造コストを大幅に削減することができる。また、被剥離基板として、シリコン基板よりも安価なガラス基板、石英基板、太陽電池級シリコン基板(太陽電池グレードシリコン基板)等を用いることができ、さらに、被剥離基板を再利用することもできるため、大幅にコスト低減を図ることができる。また、シリコンウエハで作製されたICのように、クラックや研磨痕の原因となる裏面処理を行う必要がなく、また、素子の厚さのばらつきも、ICを構成する各膜の成膜時におけるばらつきに依存することになるので、大きくても数百nm程度であり、バックグラインド処理による数〜数十μmのばらつきと比べて飛躍的に小さく抑えることができる。
また、薄膜能動素子から構成されるため、原稿又はコピー用紙である紙、フィルム等に容易に漉き込む又は埋め込むことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更することができる。例えば、本実施形態及び本実施例並びに実施時における技術常識の各々を適宜組み合わせて本発明を実施することができる。したがって、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1) 本発明に係る複写機について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、本発明に係る複写機の斜視図、図2は、本発明に係るアナログ複写機及びデジタル複写機の構成を示すブロック図、図3、図4は、それぞれ本発明に係るアナログ及びデジタル複写機における、複写の有無の制御、複写の流れを示すフロー図である。
図1、図2に示すように、複写機1の内部には、原稿3に内蔵された半導体装置4の情報を読み取るためのリーダ/ライタ2(以下「R/W」ということがある。)が内蔵されている。R/W2は、コピー機構の制御を行うための制御部6に接続されている。
制御部6は、CPU及びメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリ等からなる。)を少なくとも備え(図3、図4参照)、R/W2が獲得した半導体装置4の情報に基づいて、原稿3の複写の可否を判別、複写を制御する機能を有する。必要に応じて、制御部6には、データベース21が接続されていても良い(図3、図4参照)。なお、制御部6及びデータベース21は、複写機1の内部又は原稿3を覆うためのカバー5に設けられていても良いし、有線又は無線のネットワークにより、外部に接続されていても良い。
また、制御部6は、少なくとも、原稿3に光を照射する光源ユニット19に接続され、原稿3への光照射の有無を制御することにより、結果的に、原稿3の複写の有無を制御する(図3、図4参照)。
なお、原稿3は、半導体装置4を内蔵したものであれば、紙類の原稿(半導体装置内蔵紙等)に限定されるものではない。例えば、写真や、OHPシート等の特殊なフィルム、紙幣、有価証券等であってもよい。
また、半導体装置4は、非接触型であることが特徴であり、コイル状又はループ状に巻かれたアンテナを有している。このアンテナの巻き数を制御することにより、受信する周波数の高さを選ぶことができる。例えば、周波数を高め波長を短くすることによりアンテナの巻き数を小さくできる。
また、R/W2は、光学系又はプリント機構と同じスペースに設けられている構成(図3(A)参照)に限らず、図1(B)のように、複写機1の原稿3を覆うためのカバー5の内部に設けられていてもよい。それ以外にも、原稿3に内蔵された半導体装置4と通信可能な箇所であれば、その設置箇所に制限はない。また、必要に応じて、複数箇所にR/W2を設けても良い。
ここで、R/W2と半導体装置4との通信方式としては、代表的には、誘導起電力を利用した電磁誘導型(通信距離は約1m以下)、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用した電磁結合型又は静電気による誘導作用を利用した静電結合方式(通信距離は、いずれも数mm〜数十mm程度)、マイクロ波(2.45GHz)によりデータの送受信を行うマイクロ波型(通信距離は数2m程度)、近赤外線により、光による空間電送を利用してIDラベルとの更新を行う光通信型(通信距離は数十cm程度)を用いる。
R/W2と半導体装置4との通信方式としては、特に制限はないが、原稿3に内蔵される半導体装置4の位置は、原稿3として用いられる半導体装置内蔵紙等の製造方法によっては、必ずしも一定ではないため、R/W2から発せられる電磁波等が、原稿3全体に行き渡るように、設計するのが望ましい。
また、通常、複写やファックスを送信する場合には、原稿を一枚づつ複写等する場合に限らず、複数枚の原稿を複写する場合も多い。かかる場合において、複数枚の原稿中に、複写製が禁止されている原稿が少なくとも一枚含まれている場合には、複写等を禁止することができるように、R/W2から発せられる電磁波等の到達距離を設定するのがよい。また、当該複写等が禁止される原稿が、何枚目に存在するのかを知らせる機能を有していても良い。
また、R/W2は、半導体装置4の情報を読み取る機能を有するものであるから、少なくとも読み取り機能を有していれば足りる。ただし、R/W2は、半導体装置4の情報を読み取るだけでなく、新たに原稿3に搭載された半導体装置に何らかの情報を付与したい場合もあるため、書き込み機能をも有していることが望ましい。
例えば、原稿3の性質上、複写に回数制限が設けられている場合(例えば、一回限りの複写が許容されている場合)等においては、一回目の複写の際に、以後の複写を禁止するような情報を半導体装置4に書き込むことができる。また、特に回数制限が設けられていない場合においても、任意に以後の複写を禁止したい場合には、使用者が随時、以後の複写を禁止するような情報を半導体装置4に書き込むことができる(図15参照)。
また、複写の結果新たに生じた複写物にも、半導体装置が内蔵されている場合には、該半導体装置にR/W2から情報を入力することにより、複写物の更なる複写を適宜禁止することができる(図15参照)。
つまり、R/W2に書き込み機能を有せしめることにより、被複写物である原稿3に搭載された半導体装置に対しても、新たに生じた複写物に対しても、あらゆる情報を付加することができる。
このように、R/W2は、本発明に係る複写機1においては、最低限、読み取り機能(受信機能)を有していれば足りるが、書き込み機能(発信機能)を有していることは、本発明に係る複写機1の用途、利便性を向上させるために有意である。なお、本明細書において、以後「R/W2」というときは、読み取り機能及び書き込み機能を兼ね備えている場合のみならず、読み取り機能のみを備えている場合も含むものとする。
この際、上記データベース21には、半導体装置4の情報と対比される複写の可否を決定づける情報のみならず、以後の複写を規制するような情報等(すなわち、新たに書き込まれる情報)を蓄積しておいても良い。
ここで、複写機1は、原稿、本の一部等の原稿3の複写を取るものであり、拡大や縮小も可能で、紙の大きさも可変である。また、乾式でも湿式でもよい。また、カラーコピーが可能であっても良い。原稿3の内容が転写されるコピー用紙14は通常、普通紙(コピー用紙)であるが、OHPシート等の特殊なフィルムにも印刷できるものであってもよく、その種類、材質、サイズ等に制限はない。また、大量の用紙をストックする用紙ホルダと、一時的に特別な用紙を挿入するための手差しトレーを備えているものが一般的である。さらに、ネットワークに接続され、コピー・ファックス・スキャナーなどの各種機能が統合された複合機であっても、少なくとも複写機としての機構が含まれている機器であれば、本発明に係る複写機に該当する。
複写機の種類としては、銀塩式(拡散転写式、色素転写式、安定化式)、ジアゾ式、サーモグラフィ式、デュアルスペクトラム式、電子写真式(ゼログラフィ、乾式エレクトロファックス、湿式エレクトロファックス)等がある。
また、複写機としては、アナログ複写機、デジタル複写機のいずれであっても良い。
アナログ複写機の場合、図2を用いてその構成を簡単に説明すると、原稿3を光源18によってスキャンするための光源ユニット19(光源18及び第1のミラー7を少なくとも含む。以下同じ。)、光学系(光源ユニット19、第2及び第3のミラー8、9、結像レンズ10を少なくとも含む。以下同じ。)、プリント機構(帯電器12、感光ドラム11、現像器13、定着器15を少なくとも含む。以下同じ。)、コピー用紙14を供給する用紙供給部20、操作部17を少なくとも含む構成を有している。操作部17は、R/W2又は制御部6と接続されている。なお、ミラーの数は、上記に限定されない。
さらに、本発明に係る複写機1は、上記構成に加え、上述したR/W2、制御部6を少なくとも備えていることが、特徴である。
ここで、原稿3の照明用光源(ランプ)としては、蛍光ランプ、ハロゲンランプ等が用いられる。そして、原稿3を照明用光源(図示せず)を用いてスリット状に照明するとともに第1のミラー7を走査し、反射光16を第2、第3のミラー8、9と結像レンズ10を介して、感光体である感光ドラム11に結像させる。
感光ドラム11は、画像形成を行う機器の心臓部ともいえる部分で、金属性のシリンダー表面に光導電性の薄膜が形成された構成を有する。この光導電性薄膜において明暗時に生じる電気抵抗の差を利用して、原稿の露光像に見合った画像を形成する。感光ドラムの光導電性薄膜としては、Se、CdS、a−Si、OPC(有機半導体)等を有する薄膜を用いる。
ここで、上述した複写機の方式のうち、ゼログラフィ方式における複写プロセスについて、図2を参照して説明する。
まず、感光ドラム11を帯電させ感光性を与える。帯電は暗所で行われ、高電圧源に接続された帯電器12(例えば、コロナ放電発生装置)によりイオンを発生させ、感光ドラム11の光導電層に電荷を均一に与える。
次に、感光ドラム11を露光して静電潜像を形成する。一般的には、投影露光により帯電した感光ドラム11に露光し、光導電層の光導電性により部分的に放電させることで、静電潜像を形成する。光が照射された部分の電荷は減少し、光の当たらない部分では電荷が残る。こうして静電潜像が形成される。露光光源としては、アナログ複写機の場合、主にハロゲンランプが使われる。
次に、静電潜像を、現像器13によりトナーで現像する。現像は、感光ドラム11の静電潜像にトナーが電気的に吸引されることにより行われる。通常、トナーは、静電潜像と逆極性に帯電されて吸着しやすく、トナーを感光体に物理的に接触させ吸着しやすいものを用いる。
次に、感光ドラム11上に現像されたトナーの像をコピー用紙14に転写する。転写は電気的に行われ、トナーを吸着させた感光体にコピー用紙14を重ね、潜像と同極性の電荷を紙に帯電させた後、コピー用紙14を感光ドラムから引きはがす。こうしてトナーがコピー用紙14に吸着され、転写される。
次に、転写器26により転写された像に熱を加え定着する。転写後のトナーの像を加熱し、トナーの外周部の樹脂を溶かしコピー用紙14に融着させトナーの像が定着する。加熱方法としてはハロゲンヒータを使ったオーブン方式やヒートローラ方式、フラッシュランプ方式などがある。
転写後、次のコピーに備え感光ドラム11をクリーニングする。感光ドラム11に残ったトナーは次のコピーを行う際に画像品質を低下させる原因となるからである。具体的には、転写後、残ったトナーを取り除きやすいように、冷陰極蛍光ランプやフィラメントランプ、発光ダイオード(LED)を用いて感光体の除電を行った後に、物理的にブラシなどでトナーを取り除く。
引き続き、デジタル複写機の場合について説明する。図2(B)は、デジタル複写機の断面構造を、図4は、その構成のブロック図を示したものである。デジタル複写機は、大まかには、図2(B)に示すように、スキャナ部とプリント部で構成される。スキャナ部は、光学系(光源ユニット19、ミラー7〜9、結像レンズ10)に加え、受光素子22、画像処理部23を少なくとも備えている。受光素子22及び画像処理部23は、原稿3からの反射光16を、電気信号24に変換する役割を果たす。
ここで、スキャナ部における原稿3の読み取りについて説明する。原稿3である半導体装置内蔵紙等の原稿の画像を光源18で照明し、その反射(透過)光を光学系を通して受光素子22でライン状に読み取り、光電変換が行われ、搬送系で原稿と光源ユニット19の相対位置を少しずつずらし、次の読み取りを行い、これを繰り返して読み取った画像情報は、画像処理部23において、各種の画像信号処理が施され、デジタル情報としてコンピュータ等へ出力される。受光素子22としては、代表的には、CCD(電荷結合素子)のような、リニアイメージセンサ(ライン状にセンサ素子を並べたデバイス)を用いる。なお、画像信号処理としては、シェーディング補正、Y補正、濃度補正、MTF補正、ノイズ補正、色補正等がある。
なお、スキャナ部において、製版用のドラムスキャナやカメラタイプのスキャナを用いてもよい。ドラムスキャナではイメージセンサに単独の素子を使い、主走査も副走査も機械的に行うため、分解能はデバイスの分解能によらず非常に高い分解能が達成できる。また、カメラタイプのスキャナではデジタルカメラと同様に二次元センサを用いる。
デジタル複写機におけるプリント部には、レーザとゼログラフィ方式を組み合わせたレーザビームプリンタが多く用いられる。その場合のプリント部の構成は、図2(B)、図4に示すように、少なくともレーザスキャナ25、プリント機構(帯電器12、感光ドラム11、現像器13、定着器15)、用紙供給部20からなる。レーザスキャナ25は、受光素子22及び画像処理部23によって変換された電気信号24を、レーザ光に変換する役割を果たす。
ここで、レーザビームプリンタについて簡単に説明する。基本的にはゼログラフィ方式のアナログ複写機と同様な構造であるが、画像を感光ドラム上に形成するにあたり、スキャナ部からのデジタル信号をもとに小さな点で画像を再現する点が異なる。画像信号で半導体レーザを電気的に直接変調し、レーザは点滅を繰り返す。半導体レーザから出た光を、コリメータレンズを通して、多面体反射鏡(ポリゴンミラー)とFθレンズで副走査を行い、感光ドラムを回転させることで主走査を行い静電潜像を感光ドラム上に再現する。以後の処理は、ゼログラフィ方式のアナログ複写機と同じである。なお、点の間隔の細かさ(dpi)は画像のきめの細かさにつながり、細かいほど文字や画像が鮮明になる。
レーザビームプリンタにおける感光ドラム11の光導電層は、用いられるレーザの波長により異なる。例えば、He−Cd(440nm)ではSeが、He−Ne(632.8nm)ではSe−Te、a−Si、又はCdSがそれぞれ主として用いられる。また、GaAlAs(780nm)の半導体レーザでは、Seの他、a−Si、又はOPC等が主として用いられる。
なお、本発明に係る複写機は、カラーコピーが可能であっても良い。この場合、光源ユニット19から光を原稿3に当てるが、カラーコピーではフィルタで色をRGBに分解し、それを信号化する。分解された色の信号はコンピュータによって処理され、コンピュータはYMC(黄色、マゼンダ、シアン。色の三原色。)とBk(黒)に信号を変換する。そして、乾式のようにトナーをコピー用紙14に写していくが、カラーコピーではコンピュータからの信号で場所によって異なる色のトナーを載せていく。最後に、熱を通してトナーを用紙に固定する。
以上により、原稿3のコピーの有無を制御し、コピー可である場合には、上記要領によりコピーを行うことができる。なお、本発明に係る複写機1は、R/W2、制御部6及び複写に必要な機構を備えるものであれば、上記構成に限定されるものではない。
本発明に係る複写機1は、上記構成を備えることにより、原稿の複写の可否を素早く判断・制御することができ、不正コピー、不要なコピーを防止することができる。また、バーコードによって複写の可能性の有無を判断する場合に比べて、処理能力を早くすることができる。
(実施の形態2) 本発明に係るスキャナについて、図5を参照して説明する。図5(A)は、本発明に係るスキャナの斜視図、図5(B)は、本発明に係るスキャナの構成を示すブロック図である。
図5(A)に示すように、スキャナ30の内部には、原稿3に内蔵された半導体装置4の情報を読み取るためのR/W2が設けられている。そして、スキャナ30の内部には、図5(B)に示すようなスキャナ部33(光学系(光源ユニット19、ミラー7〜9、結像レンズ10)、受光素子22、画像処理部23を少なくとも備えている。)が設けられており、R/W2と、スキャナ部33のうち少なくとも光源ユニット19とは、制御部6を介して接続されている。これにより、原稿3への光照射の有無を制御することができ、結果的に、原稿3のスキャン(読み取り)の有無の制御が可能となる。なお、ミラーの数は上記に限定されない。
また、スキャナ30には、操作部32、及びコンピュータ等の他の機器と接続するための端子34が設けられている。操作部32は、R/W2又は制御部6と接続されている。
R/W2は、スキャナ30の内部、すなわち、スキャナ部33と同じスペースに設けられていても良いし、原稿3を覆うカバー31に設けられていても良い。それ以外にも、原稿3に内蔵された半導体装置4と通信可能な箇所であれば、その設置箇所に制限はない。また、必要に応じて、複数箇所にR/W2を設けても良い。
制御部6は、CPU及びメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリ等からなる。)を少なくとも備え、R/W2が獲得した半導体装置4の情報に基づいて、原稿3のスキャンの可否を判別し、スキャン動作を制御する機能を有する。
必要に応じて、制御部6には、データベースが接続されていても良い。この際、上記データベースには、半導体装置4の情報と対比される複写の可否を決定づける情報のみならず、以後の複写を規制するような情報等(すなわち、新たに書き込まれる情報)を蓄積しておいても良い。
なお、制御部6及びデータベースは、スキャナ30の内部又は原稿3を覆うためのカバー31に設けられていても良いし、有線又は無線のネットワークにより、外部に接続されていても良い。
なお、原稿3は、半導体装置4を内蔵したものであれば、紙類の原稿(半導体装置内蔵紙等)に限定されるものではない。例えば、写真や、OHPシート等の特殊なフィルムであってもよい。
また、R/W2及び半導体装置4の構成、並びにR/W2と半導体装置4との間の通信方式は、いずれも実施の形態1と同様のものを採用することができる。
ここで、スキャナ30は、R/W2及び制御部6を備え、かつ、紙や写真等から画像上の画素の位置情報と分光反射(透過)率に相当する情報をデジタルデータに変換し、コンピュータ等に出力する機能を有していれば、いかなる構成であっても良い。
本発明に係るスキャナ30は、上記構成を備えることにより、原稿の複写の可否を素早く判断・制御することができ、不正コピー、不要なコピーを防止することができる。また、バーコードによって複写可能性の有無を判断する場合に比べて、処理能力を早くすることができる。
(実施の形態3) 本発明に係るファクシミリ(伝達機器)について、図6を参照して説明する。図6(A)は、本発明に係るファクシミリの斜視図、図6(B)は、本発明に係るファクシミリの構成を示すブロック図である。
図6(A)に示すように、ファクシミリ36の内部には、原稿3に内蔵された半導体装置4の情報を読み取るためのR/W2が設けられている。そして、ファクシミリ36の内部には、図6(B)に示すようなスキャナ部(光学系(光源ユニット19、ミラー7、結像レンズ10)、受光素子22、画像処理部23を少なくとも備えている。)が設けられており、R/W2と、スキャナ部のうち少なくとも光源ユニット19とは、制御部6を介して接続されている。これにより、原稿3への光照射の有無を制御することができ、結果的に、原稿3のスキャン及び原稿3の情報の伝送の有無の制御が可能となる。なお、ミラーの数は上記に限定されない。
また、ファクシミリ36には、操作部38が設けられている。操作部38は、R/W2又は制御部6と接続されている。
R/W2は、ファクシミリ36の内部、すなわち、スキャナ部と同じスペースに設けられていても良いし、原稿3を載せるトレー39に設けられていても良い(図6参照)。それ以外にも、原稿3に内蔵された半導体装置4と通信可能な箇所であれば、その設置箇所に制限はない。また、必要に応じて、複数箇所にR/W2を設けても良い。
制御部6は、CPU及びメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリ等からなる。)を少なくとも備え、R/W2が獲得した半導体装置4の情報に基づいて、原稿3のスキャンの可否を判別し、スキャン動作を制御する機能を有する。
必要に応じて、制御部6には、データベースが接続されていても良い。この際、上記データベースには、半導体装置4の情報と対比される複写の可否を決定づける情報のみならず、以後の複写を規制するような情報等(すなわち、新たに書き込まれる情報)を蓄積しておいても良い。
なお、制御部6及びデータベースは、ファクシミリ36の内部又はトレー39に設けられていても良いし、有線又は無線のネットワークにより、外部に接続されていても良い。
なお、原稿3は、代表的には、半導体装置4を内蔵した紙類の原稿(半導体装置内蔵紙等)である。
また、R/W2及び半導体装置4の構成、並びにR/W2と半導体装置4との間の通信方式は、いずれも実施の形態1と同様のものを採用することができる。
ここで、ファクシミリ36は、R/W2及び制御部6を備え、かつ、原稿3から画像上の画素の位置情報と分光反射(透過)率に相当する情報をデジタルデータに変換し、通信制御部に出力する機能、及び通信制御部が受信した情報を出力するプリント部を有していれば、いかなる構成であっても良い。ここで、通信制御部は、伝送ライン(例えば、電話線)と接続されており、出力する情報又は入力された情報の送受信を行う。
なお、本発明に係るファクシミリは、文書・写真・図版等の原稿3の情報を電気信号に変え、電波や電話線を用いて遠方へ送り、別の原稿に再現する機能を有するものであれば、上記構成に限定されない。
なお、本実施の形態においては、原稿3をスキャンする際の走査方式として、いわゆる円筒走査方式を採用した。これは、原稿3を回転するローラ37に巻き付け、原稿3を送りつつ、光源ユニット19を回転方向と垂直な方向(図6の奥行き方向)へ移動させることにより、スキャンを行うものである。ただし、この円筒走査方式に限定されるものではなく、原稿3を平面状態に保ちながらスキャンを行う、いわゆる平面走査方式を採用しても良い。
なお、ファクシミリを利用する場合、不注意により、特定人に一旦送ったはずの原稿を再度送ってしまう場合がある。このような場合、本発明に係るファクシミリに搭載されたR/W2から、原稿3に内蔵された半導体装置4に対して、送信日時、送信宛先等の情報を入力することにより、再度当該原稿を送る際に、注意を促すことができる。
本発明に係るファクシミリ36は、上記構成を備えることにより、原稿の複写の可否を素早く判断・制御することができ、不正又は不要な情報の流出を防止することができる。また、バーコードによって複写可能性の有無を判断する場合に比べて、処理能力を早くすることができる。
(実施の形態4) 本実施の形態では、図14を参照して、本発明における原稿3に内蔵されたIDチップ100とR/W2間における通信原理の一例について説明する。
図14は、IDチップ100とR/W2のブロック図である。400は入力用アンテナであり、401は出力用アンテナである。また402は入力用インターフェースであり、403は出力用インターフェースである。なお各種アンテナの数は、図14に示した数に限定されない。また、アンテナの形状も、コイル状に限定されない。入力用アンテナ400によって、R/W2の出力用インターフェース417、出力用アンテナ418を介して受信した電磁波412は、入力用インターフェース402において復調されたり直流化されたりした後、バスライン409を介して、CPU404、コプロセッサ405、ROM406、RAM407、不揮発性メモリ408等の各種回路に供給される。
ここで、コプロセッサ405とは、IDチップ100の全ての処理を制御するにあたりメインとなるCPU404の働きを助ける副プロセッサの役割を担っている。通常、暗号処理専用の演算装置として機能する。また、不揮発性メモリ408としては、情報を複数回書き換えることができるEPROM、EEPROM、UV−EPROM、フラッシュメモリ、強誘電体メモリ等を用いるのがよい。
なお、上記メモリは、その機能、性質により、プログラムメモリ(プログラムが格納されている領域)、作業メモリ(プログラム実行の過程で一時的にデータを保存しておく領域)、データメモリ(原稿3に搭載されたIDチップ100固有の情報のほか、プログラムが扱う固定的なデータを格納する領域)に分別される。通常、プログラムメモリとしてはROMを、作業メモリとしてはRAMを用いる。また、RAMは、R/W2との間の通信時のバッファとしても機能する。また、信号として入力されたデータを定められたアドレスに記憶するためには、通常EEPROMが用いられる。
次に、メモリ内に記憶されたIDチップ100固有の情報が、上記各種回路において信号に置換され、さらに、出力用インターフェース403において変調され、出力用アンテナ401によってR/W2に送られる。ここで、入力用インターフェース402は、整流回路420と、復調回路421とが設けられている。入力用アンテナ400から入力された交流の電源電圧は、整流回路420において整流化され、直流の電源電圧として上記各種回路に供給される。また、入力用アンテナ400から入力された交流の各種信号は、復調回路421において復調される。そして復調されることで波形整形された各種信号は、各種回路に供給される。
また、出力用インターフェース403は、変調回路423と、アンプ424とが設けられている。各種回路から出力用インターフェース403に入力された各種信号は、変調回路423において変調され、アンプ424において増幅または緩衝増幅された後、出力用アンテナ401からR/W2のような端末装置に送られる。R/W2の入力用アンテナ425は、IDチップ100から発信された信号を受信し、入力用インターフェース426で、復調された後、制御部6に送られ、データ処理が行われることにより、原稿3に搭載されたIDチップ100固有の情報を認識することができる。
なお、上記制御部6は、原稿3に搭載されたIDチップ100に関する情報を処理する機能を有するソフトを備えているが、勿論、ハードで情報処理を行ってもよい。
なお、図14に示す各種回路は一形態を示したに過ぎず、IDチップ100や、R/W2に搭載される各種回路は上記回路に限定されない。なお、図14では、非接触型としてアンテナを用いた例を示したが、非接触型の場合にはこれに限定されず、発光素子や光等を用いて光でデータの送受信を行うようにしても良い。
また、図14では、整流回路420、復調回路421、変調回路423などのアナログ回路を含む入力用インターフェース402及び出力用インターフェース403、CPU404、各種メモリ等を、一の薄膜集積回路410で形成したが、本構成は一例であり、本発明はこの構成に限定されない。例えば、整流回路420、復調回路421、変調回路423などのアナログ回路を含む入力用インターフェース402及び出力用インターフェース403を、IDチップ100に形成し、CPU404、各種メモリ等を、TFTによって形成される薄膜集積回路で形成することができる。
本実施例では、図7〜図11、図13(B)を参照して、本発明における原稿3として、代表的に用いられるIDチップ内蔵紙の具体的な作製方法について説明する。ここでは、簡単のため、内蔵されるIDチップにおけるn型TFTとp型TFTを用いたCPUとメモリ部分の断面構造を示すことによって、その作製方法について説明する。
まず、基板40上に、剥離層41を形成する(図7(A))。ここでは、ガラス基板(例えば、コーニング社製1737基板)上に、50nmの膜厚のa−Si膜(非晶質シリコン膜)をスパッタ法により形成した。なお、基板としては、ガラス基板の他にも、石英基板、アルミナなど絶縁物質で形成される基板、シリコンウエハ基板、熱酸化シリコン基板、SIMOX基板、後工程の処理温度に耐え得る耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。
また、剥離層としては、非晶質シリコンの他に、多結晶シリコン、単結晶シリコン、SAS(セミアモルファスシリコンともいう。)、微結晶シリコン(マイクロクリスタルシリコンともいう。)等、シリコンを主成分とする層を用いることができる。これらの剥離層は、スパッタ法の他にも、CVD法等によって形成しても良い。また、剥離層の膜厚は、50〜54nmとするのが望ましい。SASに関しては、30〜50nmとしてもよい。
次に、剥離層41上に、保護膜42(下地膜、下地絶縁膜と呼ぶこともある。)を形成する(図7(A))。ここでは、膜厚100nmのSiON膜の上に、膜厚50nmのSiNO膜、膜厚100nmのSiON膜が積層される3層構造としたが、材質、膜厚、積層数は、これに限定されるものではない。例えば、下層のSiON膜に代えて、膜厚0.5〜3μmのシロキサン等の耐熱性樹脂をスピンコート法、スリットコーター法、液滴吐出法などによって形成しても良い。また、窒化珪素膜(SiN、Si34等)を用いてもよい。また、それぞれの膜厚は、0.05〜3μmとするのが望ましく、その範囲から自由に選択することができる。
ここで、酸化珪素膜は、SiH4とO2、TEOS(テトラエトキシシラン)とO2等の混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の方法によって形成することができる。また、窒化珪素膜は、代表的には、SiH4とNH3の混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。また、SiON膜又はSiNO膜は、代表的には、SiH4とN2Oの混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。
なお、剥離層41及び後述する島状半導体膜43として、a−Si等の珪素を主成分とする材料を用いる場合には、それらに接する保護膜42としては、密着性確保の点から、SiOxNyを用いてもよい。
次に、保護膜42上に、薄膜集積回路部のCPUやメモリを構成するTFTを形成する。なお、TFT以外にも、有機TFT、薄膜ダイオード等の薄膜能動素子を形成することもできる。
TFTの作製方法として、まず、保護膜42上に、島状半導体膜43を形成する(図7(B))。島状半導体膜43は、アモルファス半導体、結晶性半導体、又はセミアモルファス半導体で形成する。いずれも、シリコン、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)等を主成分とする半導体膜を用いることができる。
ここでは、70nmの膜厚のアモルファスシリコンを形成し、さらにその表面をニッケルを含む溶液で処理した。さらに、500〜750℃の熱結晶化工程によって結晶質シリコン半導体膜を得、レーザ結晶化を行って結晶性の改善を施した。また、成膜方法としては、プラズマCVD法、スパッタ法、LPCVD法などを用いても良い。結晶化方法としては、レーザ結晶化法、熱結晶化法、他の触媒(Fe,Ru,Rh,Pd,Pd,Os,Ir,Pt,Cu,Au等)を用いた熱結晶化、あるいはそれらを交互に複数回行っても良い。
また、非晶質構造を有する半導体膜の結晶化処理としては、連続発振のレーザを用いても良く、結晶化に際し大粒径の結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい(この場合の結晶化をCWLCという。)。代表的には、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適用すればよい。連続発振のレーザを用いる場合には、出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換する。また、共振器の中にYVO4結晶又はGdVO4結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、被処理体に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相対的に半導体膜を移動させて照射すればよい。
また、パルス発振のレーザを用いる場合、通常、数十Hz〜数百Hzの周波数帯を用いるが、それよりも著しく高い10MHz以上の発振周波数を有するパルス発振レーザを用いてもよい。パルス発振でレーザ光を半導体膜に照射してから半導体膜が完全に固化するまでの時間は数十nsec〜数百nsecと言われているため、上記高周波数帯を用いることで、半導体膜がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できる。よって、従来のパルス発振のレーザを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるので、走査方向に沿って連続的に成長した結晶粒を有する半導体膜が形成される。具体的には、含まれる結晶粒の走査方向における幅が10〜30μm、走査方向に対して垂直な方向における幅が1〜5μm程度の結晶粒の集合を形成することができる。該走査方向に沿って長く延びた単結晶の結晶粒を形成することで、少なくともTFTのチャネル方向には結晶粒界のほとんど存在しない半導体膜の形成が可能となる。
なお、保護膜42の一部に耐熱性有機樹脂であるシロキサンを用いた場合には、上記結晶化の際に、半導体膜中から熱が漏れることを防止することができ、効率よく結晶化を行うことができる。
上記の方法によって結晶性シリコン半導体膜を得る。なお、結晶は、ソース、チャネル、ドレイン方向にそろっていることが望ましい。また、結晶層の厚さは、20〜200nm(代表的には40〜170nm、さらに好ましくは、50〜150nm)となるようにするのがよい。その後、半導体膜上に酸化膜を介して、金属触媒をゲッタリングするためのアモルファスシリコン膜を成膜し、500〜750℃の熱処理によってゲッタリング処理を行った。さらに、TFT素子としての閾値を制御するために、結晶性シリコン半導体膜に対し、1013/cm2単位程度のドーズ量のホウ素イオンを注入した。その後、レジストをマスクとしてエッチングを行うことにより、島状半導体膜43を形成した。
なお、結晶性半導体膜を形成するにあたっては、ジシラン(Si26)とフッ化ゲルマニウム(GeF4)の原料ガスとして、LPCVD(減圧CVD)法によって、多結晶半導体膜を直接形成することによっても、結晶性半導体膜を得ることができる。ガス流量比は、Si26/GeF4=20/0.9、成膜温度は400〜500℃、キャリアガスとしてHe又はArを用いたが、これに限定されるものではない。
なお、TFT内の特にチャネル領域には、1×1019〜1×1022cm-3、好ましくは1×1019〜5×1020cm-3の水素又はハロゲンが添加されているのがよい。SASに関しては、1×1019〜2×1021cm-3とするのが望ましい。いずれにしても、ICチップに用いられる単結晶に含まれる水素又はハロゲンの含有量よりも多く含有させておくことが望ましい。これにより、TFT部に局部クラックが生じても、水素又はハロゲンによってターミネート(終端)されうる。
なお、SAS(セミアモルファス半導体)等を用いた場合には、半導体膜の結晶化工程(高温加熱処理工程)を省略することも可能であり、この場合には、チップをフレキシブル基板上に直接形成することも可能である。また、本発明においては、原則としてシリコンウエハは用いないが、フレキシブル基板等へ転写する前の被剥離基板として、用いることは可能である。
次に、島状半導体膜43上にゲート絶縁膜44を形成する(図7(B))。ゲート絶縁膜はプラズマCVD法又はスパッタリング法などの薄膜形成法を用い、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化窒化珪素を含む膜を、単層で、又は積層させて形成することが好ましい。積層する場合には、例えば、基板側から酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜の3層構造とするのがよい。
次に、ゲート電極46を形成する(図7(C))。ここでは、SiとW(タングステン)をスパッタ法により積層形成した後に、レジスト45をマスクとしてエッチングを行うことにより、ゲート電極46を形成した。勿論、ゲート電極46の材料、構造、作製方法は、これに限定されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、n型不純物がドーピングされた又はされていないSiとNiSi(ニッケルシリサイド)との積層構造や、TaN(窒化タンタル)とW(タングステン)の積層構造としてもよい。また、種々の導電材料を用いて単層で形成しても良い。
また、レジストマスクの代わりに、SiOx等のマスクを用いてもよい。この場合、SiOx、SiON等のマスク(ハードマスクと呼ばれる。)を、パターニング形成工程が加わるが、エッチング時におけるマスクの膜減りがレジストよりも少ないため、所望の幅のゲート電極層を形成することができる。また、レジスト45を用いずに、液滴吐出法を用いて選択的にゲート電極46を形成しても良い。
導電材料としては、導電膜の機能に応じて種々の材料を選択することができる。また、ゲート電極とアンテナとを同時に形成する場合には、それらの機能を考慮して材料を選択すればよい。
なお、ゲート電極をエッチング形成する際のエッチングガスとしては、CF4、Cl2、O2の混合ガスやCl2ガスを用いたが、これに限定されるものではない。
次に、p型TFT54、56となる部分をレジスト47で覆い、ゲート電極をマスクとして、n型TFT53、55の島状半導体膜中に、n型を付与する不純物元素48(代表的にはP(リン)又はAs(砒素))を低濃度にドープする(第1のドーピング工程、図7(D))。第1のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1013〜6×1013/cm2、加速電圧:50〜70keVとしたが、これに限定されるものではない。この第1のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜44を介してスルードープがなされ、一対の低濃度不純物領域49が形成される。なお、第1のドーピング工程は、p型TFT領域をレジストで覆わずに、全面に行っても良い。
次に、レジスト47をアッシング等により除去した後、n型TFT領域を覆うレジスト50を新たに形成し、ゲート電極をマスクとして、p型TFT54、56の島状半導体膜中に、p型を付与する不純物元素51(代表的にはB(ホウ素))を高濃度にドープする(第2のドーピング工程、図7(E))。第2のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1016〜3×1016/cm2、加速電圧:20〜40keVとして行う。この第2のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜44を介してスルードープがなされ、一対のp型の高濃度不純物領域52が形成される。
次に、レジスト50をアッシング等により除去した後、基板表面に、絶縁膜59を形成した(図8(F))。ここでは、膜厚100nmのSiO2膜をプラズマCVD法によって形成した。その後、絶縁膜59、ゲート絶縁膜44をエッチング除去し、サイドウォール(側壁)60を自己整合的(セルフアライン)に形成した(図8(G))。エッチングガスとしては、CHF3とHeの混合ガスを用いた。
なお、サイドウォール60を形成する工程は、これらに限定されるものではない。例えば、絶縁膜59を形成した後、基板全面をレジストで覆い、エッチバック法により、レジスト、絶縁膜59、ゲート絶縁膜44をエッチング除去し、サイドウォール60を自己整合的に形成してもよい。また、絶縁膜59が、その成膜方法の特徴上、基板の両面に形成されてしまう場合には、該レジストをマスクとして裏面処理を行い、基板裏面に成膜された絶縁膜を除去した後に、エッチバック処理を行っても良い。
また、絶縁膜59は、二層又はそれ以上の積層構造としてもよい。例えば、膜厚100nmのSiON(酸窒化珪素)膜と、膜厚200nmのLTO膜(Low Temperature Oxide、低温酸化膜)の2層構造とした。ここでは、SiON膜は、プラズマCVD法で形成し、LTO膜としは、SiO2膜を減圧CVD法で形成する。また、サイドウォール60の形状は、図8に示した形状に限定されない。例えば、L字状又はL字状と円弧状を組み合わせた形状としても良い。
上記サイドウォールは、後に高濃度のn型不純物をドーピングし、サイドウォール60の下部に低濃度不純物領域又はノンドープのオフセット領域を形成する際のマスクとして機能するものであるが、上述したサイドウォールのいずれの形成方法においても、形成したい低濃度不純物領域又はオフセット領域の幅によって、エッチバックの条件および絶縁膜59の膜厚を適宜変更すればよい。
次に、p型TFT領域を覆うレジスト61を新たに形成し、ゲート電極46及びサイドウォール60をマスクとして、n型を付与する不純物元素62(代表的にはP又はAs)を高濃度にドープする(第3のドーピング工程、図8(H))。第3のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1013〜5×1015/cm2、加速電圧:60〜100keVとして行う。この第3のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜44を介してスルードープがなされ、一対のn型の高濃度不純物領域63が形成される。
なお、レジスト61をアッシング等により除去した後、不純物領域の熱活性化を行っても良い。例えば、50nmのSiON膜を成膜した後、550℃、4時間、窒素雰囲気下において、加熱処理を行えばよい。また、水素を含むSiNx膜を、100nmの膜厚に形成した後、410℃、1時間、窒素雰囲気下において、加熱処理を行うことにより、結晶性半導体膜の欠陥を改善することができる。これは、例えば、結晶性シリコン中に存在するダングリングボンドを終端させるものであり、水素化処理工程などと呼ばれる。さらに、この後、TFTを保護するキャップ絶縁膜として、膜厚600nmのSiON膜を形成してもよい。なお、水素化処理工程は、該SiON膜形成後に行っても良い。この場合、SiNxの上にSiON膜は連続成膜することができる。このように、TFT上には、SiON、SiNx、SiONの3層の絶縁膜が形成されることになるが、その構造や材料はこれらに限定されるものではない。また、これらの絶縁膜は、TFTを保護する機能をも有しているため、できるだけ形成しておくのが望ましい。
次に、TFT上に、層間膜64を形成する(図8(I))。層間膜64としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミドや、シロキサン等の耐熱性有機樹脂を用いることができる。形成方法としては、その材料に応じて、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を採用することができる。また、無機材料を用いてもよく、その際には、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ膜等を用いることができる。なお、これらの絶縁膜を積層させて、層間膜64を形成しても良い。
さらに、層間膜64上に、保護膜65を形成しても良い。保護膜65としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)或いは窒化炭素(CN)等の炭素を有する膜、又は、酸化珪素膜、窒化珪素膜或いは窒化酸化珪素膜等を用いることができる。形成方法としては、プラズマCVD法や、大気圧プラズマ等を用いることができる。あるいは、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン等の感光性又は非感光性の有機材料や、シロキサン等の耐熱性有機樹脂を用いてもよい。
なお、層間膜64又は保護膜65と、後に形成される配線を構成する導電材料等との熱膨張率の差から生じる応力によって、これらの膜の膜剥がれや割れが生じるのを防ぐために、層間膜64又は保護膜65中にフィラーを混入させておいても良い。
次に、レジストを形成した後、エッチングによりコンタクトホールを開孔し、TFT同士を接続する配線66及びアンテナと接続される接続配線67を形成する(図8(I))。コンタクトホール開孔時のエッチングに用いられるガスは、CHF3とHeの混合ガスを用いたが、これに限定されるものではない。
配線66又は接続配線67は、基板側からTiの上に、TiN、Al−Si、Ti、TiNを積層させた5層構造とし、スパッタ法によって形成した後、パターニング形成するのがよい。なお、Al層において、Siを混入させることにより、配線パターニング時のレジストベークにおけるヒロックの発生を防止することができる。また、Siの代わりに、0.5%程度のCuを混入させても良い。また、TiやTiNでAl−Si層をサンドイッチすることにより、耐ヒロック性がさらに向上する。なお、パターニング時には、SiON等からなる上記ハードマスクを用いるのが望ましい。なお、配線の材料や、形成方法はこれらに限定されるものではなく、前述したゲート電極に用いられる材料を採用しても良い。
あるいは、配線66又は接続配線67として、アルミニウム及びニッケルを含む合金を用いるのが望ましい。また、この合金に、さらに炭素、コバルト、鉄、珪素等を含有させても良い。これらの含有率は、例えば、炭素を0.1〜3.0原子%、ニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも一種以上の元素を0.5〜7.0原子%、珪素を0.5〜2.0原子%とするのがよい。この材料は、抵抗値が3.0〜5.0Ωcmと低いのが、特徴の一つである。
ここで、特に接続配線67としてAlを用いた場合、アンテナの材質(例えばITO)によっては腐食が発生してしまうという問題がある。ただし、このような場合であっても、Al(又はAl−Si合金)をTi又はTiNで挟んだ積層構造をすることにより、ITOとの良好なコンタクトを獲得することができる。例えば、Tiの上に、Al、Tiを積層する積層構造とすればよい。これに対し、上記Al−C合金又はAl−C−Ni合金等は、その酸化還元電位がITO等の透明導電膜のそれと非常に近似しているため、積層構造としなくとも(Ti又はTiN等で挟持しなくとも)アンテナとの直接接するコンタクトが可能である。なお、これらの合金に対し、レジストマスクを用いてエッチングを行う際には、ウエットエッチングによって行うのがよい。この場合、エッチャントとしては、リン酸等を用いることができる。
配線66又は接続配線67の形成方法としては、スパッタリング法によって全面成膜した後、レジストマスクを用いてパターニングを行ってもよいし、液滴吐出法によってノズルから選択的に形成しても良い。なお、ここでいう液滴吐出法には、インクジェット法のみならず、オフセット印刷法やスクリーン印刷等も含まれる。配線とアンテナは、同時に形成しても良いし、一方を先に形成した後に、他方が乗り上げるように形成しても良い。
なお、本実施例では、CPU57、メモリ58等を構成するTFT領域と、アンテナ接続部68とを別々に形成する場合について示したが、TFT領域とアンテナと一体形成する場合にも、本実施例を適用できる。
以上の工程を経て、TFTからなる薄膜集積回路部が完成する。なお、本実施例では、トップゲート構造としたが、ボトムゲート構造(逆スタガ構造)としてもよい。なお、TFTのような薄膜能動素子部(アクティブエレメント)の存在しない領域には、下地絶縁膜材料、層間絶縁膜材料、配線材料が主として設けられているが、該領域は、薄膜集積回路部全体の50%以上、好ましくは70〜95%を占めていることが望ましい。これにより、完成品であるIDチップ100を曲げやすくし、取り扱いが容易となる。この場合、TFT部を含むアクティブエレメントの島状半導体領域(アイランド)は、薄膜集積回路部全体の1〜30%、好ましくは、5〜15%を占めているのがよい。
また、図8(I)に示すように、薄膜集積回路部におけるTFTの半導体層から下部の保護膜までの距離(tunder)と、半導体層から上部の層間膜(保護膜が形成されている場合には該保護膜)までの距離(tover)が、等しく又は概略等しくなるように、上下の保護膜又は層間膜の厚さを調整するのが望ましい。このようにして、半導体層を薄膜集積回路部の中央に配置せしめることで、半導体層への応力を緩和することができ、クラックの発生を防止することができる。
また、本実施例で作製したTFTのS値(サブスレッシュホールド値)は、0.35V/dec以下(好ましくは、0.07〜0.25V/dec)、移動度は、10cm2/V・sec以上を有している。また、リングオシレータレベルで、1MHz以上、好ましくは10MHz以上の特性(3〜5Vにおいて)を有している、又は、ゲートあたりの周波数特性を100kHz以上、好ましくは1MHz以上(3〜5Vにおいて)有している。
基板40上に、複数の薄膜集積回路部を形成したら(図9(J))、次に、ダイシングによって溝70を形成し、複数の薄膜集積回路部を個々のIDチップ毎に分離し、薄膜集積回路部69とする(図9(K))。この際、ダイシング装置(ダイサー;dicer)を用いるブレードダイシング法を用いるのが一般的である。ブレード(blade)とは、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだ砥石で、その幅は約30〜50μmであり、このブレードを高速回転させることにより、薄膜集積回路部69を個々のIDチップ毎に分離する。また、ダイシングに必要なエリアをストリートと呼ぶが、このストリートの幅は、素子への損傷を考慮し、80〜150μmとしておくのが望ましい。
なお、ダイシングの他にも、スクライビング又はマスクを利用したエッチング等によって行うことができる。スクライビングの場合には、ダイヤモンドスクライビング法とレーザスクライビング法等がある。レーザスクライビング法を採用する場合には、レーザ共振器から、パルス発振のパワーが200〜300Wの線状レーザ、例えばNd:YAGレーザであって、発振波長1064nmの基本波又は発振波長532nmの第2高調波等を用いることができる。
また、エッチングの場合には、露光、現像工程によりマスクパターンを形成し、ドライエッチングにより素子分離を行うことができる。ドライエッチングにおいては、大気圧プラズマ法を用いてもよい。ドライエッチング用ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4もしくはCCl4などを代表とする塩素を有するガス、CF4、SF6、NF3、CHF3などを代表とするフッ素を有するガス、あるいはO2を用いたが、これらに限定されるものではない。なお、該エッチングは、大気圧プラズマを利用して行うこともできる。この際、エッチングガスとしては、CF4とO2の混合ガスを用いるのがよい。また、ガス種の異なるエッチングを複数回行うことによって溝70を形成しても良い。勿論、ウエットエッチングによって、溝70を形成しても良い。
なお、溝70を形成する場合、その深さは、少なくとも剥離層の表面が露出する程度とすればよく、基板40が繰り返し利用できるように、基板に傷が付かないように上記ダイシング等を適宜制御するのが望ましい。
次に、突起部71を有するジグ(支持基板)72を、接着剤73を介して、個々の薄膜集積回路部69に取り付ける(図9(L))。ここで、ジグ(治具)とは、剥離層を除去した後に薄膜集積回路部69がバラバラに分離しないように、一時的に薄膜集積回路部69を固定する役割を有する。ジグ72の形状としては、図9(L)のように、後にフッ化ハロゲンを含む気体又は液体の導入を容易にするために、突起部71を設けた櫛状の構造とするのが望ましいが、平坦なジグを用いても構わない。また、さらに好ましくは、後にフッ化ハロゲンを含む気体又は液体の導入を容易にするための、開口部74を設けておいても良い。
ジグ72としては、フッ化ハロゲンによって冒されない酸化珪素を主成分とするガラス基板、石英基板、ステンレス(SUS)基板等を用いることができるが、フッ化ハロゲンによって冒されない材料であれば、これらに限定されるものではない。
ここで、接着剤73としては、剥離が容易なものを用いる。望ましくは、剥離した後、再接着が可能な接着剤を用いるのがよい。
次に、溝70にフッ化ハロゲンガス75を導入することにより、剥離層41であるa−Si膜をエッチング除去した(図10(M))。ここでは、減圧CVD装置を用い、ガス:ClF3(三フッ化塩素)、温度:350℃、流量:300sccm、気圧:8×102Pa(6Torr)、時間:3hの条件で行ったが、この条件に限定されるものではない。また、ClF3ガスに窒素を混ぜたガスを用いてもよい。両者の流量比は適宜設定することができる。なお、ClF3以外にも、BrF3、ClF2等のガスを用いてもよい。
ここで、ClF3等のフッ化ハロゲンは、珪素を選択的にエッチングするという特性がある反面、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸窒化珪素(SiOxNy又はSiNxOy)はほとんどエッチングされない。したがって、時間の経過ととも剥離層41はエッチングされ、最終的に基板40を剥離することができる(図10(N))。一方、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素等や、耐熱性樹脂からなる下地膜である保護膜や、層間膜、保護膜はほとんどエッチングされないため、薄膜集積回路への損傷を防止することができる。なお、剥離した基板40は勿論再利用することができ、従来のようにシリコンウエハを研磨する場合に比べて、大幅なコスト削減に繋がる。
次に、UV光照射を行うことにより、接着剤73の粘着力を低下又は喪失させ、ジグ72と、薄膜集積回路部69とを分離するなお、ジグ72は、コスト削減のため、再利用するのが望ましい。
個々の薄膜集積回路部69を形成した後、例えば、図11に示すコーティングを行う。
図11は、本発明におけるIDチップ100の製造ラインを示した模式図及び完成品の拡大図を示したものである。まず、図11(A)に示すように、IDチップ100のインレット基体81(図11(B)参照)となる材料を基体供給手段76から供給する。インレット基体81は、単層構造でも積層構造でもよい。
インレット基体81には、予めアンテナ82が形成されている。アンテナ82の導電材料としては、代表的には、Ag、Au、Al、Cu、Zn、Sn、Ni、Cr、Fe、Co若しくはTi、ITO、ITSO又はそれらを含む合金を用いることができる。なお、アンテナ82は、展性、延性に富む金属材料を有するように形成し、更に好ましくは膜厚を厚くして変形による応力に耐えるようにするのが望ましい。なお、アンテナ82を形成した後、さらに保護膜で覆っても良い。
アンテナ82の形成方法としては、スパッタ法によって全面成膜した後、レジストマスクを用いてパターニングを行ってもよいし、液滴吐出法によってノズルから選択的に形成しても良い。なお、ここでいう液滴吐出法には、インクジェット法のみならず、オフセット印刷法やスクリーン印刷等も含まれる。
次に、インレット基体81の所望の位置に、貼付手段77によって薄膜集積回路部69を貼り付ける。この際、適宜、接着方法として、異方性導電膜(ACF;Anisotoropic Conductive Film)や、超音波接着法、UV接着法等を用いる。インレット基体81が帯状に連なっているときは、基体分離手段78によって、インレット基体を個々のIDチップ毎に分離する。そして、ラミネート加工装置79によって、個々のインレット基体81の周囲をラミネート加工する。この際、予め薄膜集積回路部69の周囲を充填層83で覆っておくのがよい。充填層には、フィラーを混入させておいても良い。また、ラミネート樹脂層85中に、予めフィラーを充填させておいてもよい。なお、充填層は適宜省略することができる。
かくして、IDチップ100が完成する。なお、帯状の基体の所望の位置に薄膜集積回路部69を形成し、ラミネート加工を行った後に、個々のIDチップ毎に分離しても良い。ラミネート加工されたIDチップ100は、回収手段80によって回収される。
なお、薄膜集積回路部69のコーティング手段は、ラミネート法に限定されるものではない。また、コーティング材料も、紙、樹脂など、あらゆる材料を適宜採用することができる。例えば、プラスチックのように、可撓性を有する、すなわちフレキシブルな樹脂材料を用いると、IDチップ100の取り扱いが容易になる。
図11(B)は、本実施例によって作製されたIDチップ100の完成品の断面拡大図である。インレット基体81には、アンテナ82と、アンテナ82に接続された薄膜集積回路部69が形成されており、充填層83を介して、ラミネート樹脂層85に覆われている。アンテナ82と薄膜集積回路部69とは、直接接続しても良いし、間に導電体からなる接続パッド部を形成しても良い。
なお、ラミネート加工時の加熱処理等において、薄膜集積回路部69やアンテナ82を保護するために、充填層83は、シロキサンのような耐熱性有機樹脂を用いるのが望ましい。また、別途保護膜を形成しておいてもよい。保護膜としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)或いは窒化炭素(CN)等の炭素を有する膜、又は窒化珪素膜或いは窒化酸化珪素膜等を用いることができるが、これに限定されるものではない。形成方法としては、プラズマCVD法や、大気圧プラズマ等を用いることができる。
本実施例においては、基板を剥離する方法として、複数の薄膜集積回路部69が形成された基板にストレスを与え、基板を物理的に剥離する方法を採用しても良い。この場合には、剥離層として、W、SiO2、WO3等を用いることができる。ストレスを与えるには、ダイヤモンドペン等で衝撃を与えればよい。
あるいは、剥離方法として、ClF3等によって剥離層41を途中までエッチングして、最終的には物理的剥離によって分離することも可能である。物理的剥離方法としては、上記方法の他、接着剤を付したラミネート樹脂層等に転写し、さらに、他のラミネート樹脂層によって薄膜集積回路部69を覆い、ラミネート加工による封止を行っても良い。
なお、本実施例においては、薄膜集積回路部69を形成した後、アンテナ82が予め形成されたインレット基体81に薄膜集積回路部69を貼り付け、アンテナ82と接続させたが、薄膜集積回路部69を作製する際に、アンテナ82を作り込むこともできる。この場合、接続配線67に、直接アンテナ82を形成しても良いし、接続配線67とアンテナ82を同一材料で、一体に形成することもできる。
そして、この場合には、インレット基体81を特に用意する必要はなく、完成した薄膜集積回路部69の周囲を直にラミネート樹脂層85等によってコーティングすることができ、IDチップ100の構造、作製工程ともに大幅に簡略化することができる。
また、ラミネート樹脂層85を形成せずに、上記保護膜によってコーティングしてもよい。また、このコーティング用の保護膜は、薄膜集積回路部69作製時において、アンテナを形成した後に形成することができる。
上記方法によって形成されたIDチップ100は、紙に漉き込まれたり、フィルムの樹脂に混入させたりすることによって、紙、フィルム等の媒体に内蔵される。あるいは、IDチップ100を紙やフィルム等の媒体で挟持させても良い。
かくして、IDチップ内蔵紙が完成する。本発明にかかるIDチップ内蔵紙101の外観を図13(B)に示す。IDチップ内蔵紙101には、個々の記録情報が、印字又は手書き等によって付されるわけであるが、該記録情報の複写等の可否を制御するためにIDチップに付される情報は、印字前又は印字後にリーダ/ライタ機器によって記録される。
本情報は、IDチップ内蔵紙101完成後に、直ちに、リーダ/ライタ機器によって記録させても良い。この場合には、当該IDチップ内蔵紙101は、その情報を書き換えない限り、複写等が可能又は不可能であるいずれかの特性を有するIDチップ内蔵紙101として機能する。
なお、書籍等の場合においては、IDチップ100を書籍等のカバーに内蔵させてもよい。
なお、本実施例は、他の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
本実施例では、図12を参照して、実施例1において、フッ化ハロゲンガスによって薄膜集積回路部69の分離を行った後に、薄膜集積回路部69に接着されたジグ72を取り外さずに、直接、IDチップを構成するインレット基体81に、薄膜集積回路部69を転写、配設する方法について説明する。
まず、実施例1の要領で、複数の薄膜集積回路部69を形成し、接着剤73を介してジグ72を取り付ける。ジグ72としては、図12(A)に示すように、突起部71を有するものを用いた。接着剤73としては、ここでは、UV光94の照射によって粘着力が低下又は喪失する材料を用いる。ここでは、日東電工社製UV照射剥離テープを用いた。また、薄膜集積回路部69への損傷を防ぐために、有機材料又は無機材料からなる保護膜90を設けている。そして、ClF3等のフッ化ハロゲンによるエッチングにより、素子分離を行う。
次に、ジグ72に複数の薄膜集積回路部69が接着された状態で搬送し、IDチップのインレット基体81が配置されたステージ91とのアライメントを行う。この際、図12(A)に示すように、ジグ72やステージ91に設けられたアライメント用のマーカー93を利用することができる。インレット基体81のうち薄膜集積回路部69が形成される部分には、予め接着剤92が形成されており、ジグ72の位置を制御することにより、所望の素子をインレット基体81の所望の箇所に貼り付ける(図12(A))。これと同時に、薄膜集積回路部69と、インレット基体81に形成されたアンテナ82とが電気的に接続される。
次に、インレット基体81に貼り付けたい薄膜集積回路部69に対して、マスクを介して、あるいはマスクを介さずに直接、UV光94を選択的に照射し、接着剤73の粘着力を低下又は喪失させることにより、ジグ72と薄膜集積回路部69とを分離する(図12(B))。これにより、所望の薄膜集積回路部69をインレット基体81の所望の箇所に形成することができる(図12(C))。なお、ここでは、インレット基体81の内側にアンテナ82が形成された場合を示したが、予め薄膜集積回路部69にアンテナを形成しておいても良い。
本実施例に示した発明を用いることにより、ClF3等のフッ化ハロゲンによるエッチングにより素子分離を行った際、素子がバラバラに分離することなく、所望の薄膜集積回路部69を所望の箇所に形成することができる。
なお、本実施例は、他の実施形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
本実施例では、図13を参照して、他のIDチップ内蔵紙101等の作製方法について説明する。本実施例に係る方法は、IDチップ100を作製し、実施例1の要領に従い、薄膜集積回路部69の分離を行った後に、UV光を照射することにより、直接、紙やフィルムの内蔵箇所に、IDチップ100を配設するというものである。ここで、IDチップとしては、アンテナが予め形成された薄膜集積回路部からなるものを用いてもよい。また、必要に応じて図13(A)のように、周囲に保護膜を形成してもよい。
図13における各番号は、実施例2に対応する。また、96は、紙、フィルム等の原料となる物質(以下、単に「原料」という。)である。
接着剤73としては、ここでは、UV光94の照射によって粘着力が低下又は喪失する材料を用いる。ここでは、UV照射剥離テープ(日東電工社製)を用いた。アンテナが形成された薄膜集積回路部69を分離した後、ジグ72に複数の薄膜集積回路部69が接着された状態で搬送する。
次に、原料96に配設すべき薄膜集積回路部69に対して、マスクを介して、あるいはマスクを介さずに直接、UV光94を選択的に照射し、接着剤73の粘着力を低下又は喪失させることにより、ジグ72とIDチップ100とを分離する。これにより、所望のIDチップ100を原料96の所望の箇所に形成する(落下させる)ことができる。
同時に落下させるIDチップ100の数は、図示したものに限定されず、UV光94の照射領域を調整することにより、一定間隔あるいはランダムに単数又は複数個づつ落下させることができる。
IDチップ100を原料96中に配設した後、原料96を固化させる等の手段により、IDチップ内蔵紙101又はIDチップ内蔵フィルム102等の媒体が完成する。IDチップ内蔵紙101の外観を図13(B)に、IDチップ内蔵フィルム102の外観を図13(C)に示す。
本実施例に示した発明を用いることにより、ClF3等のフッ化ハロゲンによるエッチングにより素子分離を行った際、素子がバラバラに分離することなく、所望のIDチップ100を、IDチップ内蔵紙101等の所望の箇所に形成することができる。
なお、本実施例は、他の実施形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
本発明に係る複写機等は、図書館等の公共施設において、書籍等の著作物の複写を管理するのに利便性を有する。
例えば、いわゆる禁帯出の書籍等に本発明によって作製された半導体装置4を内蔵させておき、該半導体装置には、複写を禁止する旨の情報を入力しておく。そして、本発明に係る複写機等を用いて複写しようとする場合には、該複写機等に内蔵されたR/W2にから、半導体装置4の情報を読み取り、確実に複写を禁止することができる。
また、禁帯出の対象外の書籍等においても、それが複写された回数を半導体装置4に書き込むことにより、書籍等の公衆による利用頻度(複写回数)等を把握することができる(図15参照)。
また、レンタルビデオショップ等において、会員証を作成する際に、免許証、学生証等の身分証明書の提示、複写を求められることがある。かかる状況において、本発明に係る複写機を用いれば、該身分証明書が複写されたとしても、その複写物に半導体装置が内蔵されていれば、複写機に内蔵されたR/Wから、以後の複写を禁止する旨の情報を入力することができ(図15参照)、個人情報の適切な保護を図ることができる。
上述したように、本発明に係る複写機、スキャナ、ファクシミリ及びそれらによって、複写の可否を制御することができる半導体装置内蔵紙、半導体装置内蔵フィルムは、日常生活や経済活動のあらゆる状況において利用することができ、本発明の利用範囲は極めて多岐に渡る。
本発明に係る複写機の斜視図 本発明に係る複写機の構成を示すブロック図 本発明に係るアナログ複写機の動作を示すフロー図 本発明に係るデジタル複写機の動作を示すフロー図 本発明に係るスキャナの斜視図及びその構成を示すブロック図 本発明に係るファクシミリの斜視図及びその構成を示すブロック図 本発明における原稿等に内蔵されるIDチップの作製工程図 本発明における原稿等に内蔵されるIDチップの作製工程図 本発明における原稿等に内蔵されるIDチップの作製工程図(素子分離工程) 本発明における原稿等に内蔵されるIDチップの作製工程図(素子分離工程) 本発明における原稿等に内蔵されるIDチップの作製工程図(封止工程) 薄膜集積回路部をインレット基体に貼り付ける方法を示す図 IDチップを原稿等の原料に配設する方法を示す図 IDチップとR/Wの通信原理を説明する図 本発明に係る複写機の動作を示すフロー図(半導体装置への書き込み)
符号の説明
1:複写機
2:リーダ/ライタ(R/W)
3:原稿
4:半導体装置
5:カバー
6:制御部
7:ミラー
8:ミラー
9:ミラー
10:結像レンズ
11:感光ドラム
12:帯電器
13:現像器
14:コピー用紙
15:定着器
16:反射光
17:操作部
18:光源
19:光源ユニット
20:用紙供給部
21:データベース
22:受光素子
23:画像処理部
24:電気信号
25:レーザスキャナ
26:転写器
30:スキャナ
31:カバー
32:操作部
33:スキャナ部
34:端子
36:ファクシミリ
37:ローラ
38:操作部
39:トレー
40:基板
41:剥離層
42:保護膜
43:島状半導体膜
44:ゲート絶縁膜
45:レジスト
46:ゲート電極
47:レジスト
48:不純物元素
49:低濃度不純物領域
50:レジスト
51:不純物元素
52:高濃度不純物領域
53:n型TFT
54:p型TFT
55:n型TFT
56:p型TFT
57:CPU
58:メモリ
59:絶縁膜
60:サイドウォール(側壁)
61:レジスト
62:不純物元素
63:高濃度不純物領域
64:層間膜
65:保護膜
66:配線
67:接続配線
68:アンテナ接続部
69:薄膜集積回路部
70:溝
71:突起部
72:ジグ(支持基板)
73:接着剤
74:開口部
75:フッ化ハロゲンガス
76:基体供給手段
77:貼付手段
78:基体分離手段
79:ラミネート加工装置
80:回収手段
81:インレット基体
82:アンテナ
83:充填層
85:ラミネート樹脂層
90:保護膜
91:ステージ
92:接着剤
93:マーカー
94:UV光
96:原料
100:IDチップ
101:IDチップ内蔵紙
102:IDチップ内蔵フィルム
400:入力用アンテナ
401:出力用アンテナ
402:入力用インターフェース
403:出力用インターフェース
404:CPU
405:コプロセッサ
406:ROM
407:RAM
408:不揮発性メモリ
409:バスライン
410:薄膜集積回路
412:電磁波
417:出力用インターフェース
418:出力用アンテナ
420:整流回路
421:復調回路
423:変調回路
424:アンプ
425:入力用アンテナ
426:入力用インターフェース

Claims (11)

  1. 原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、
    前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の複写の可否を制御する制御部と、
    前記原稿を複写するための光学系及びプリント機構を備えることを特徴とする複写制御機能付き複写機。
  2. 原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、
    前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の複写の可否を制御する制御部と、
    前記原稿を複写するための光学系、受光素子、画像処理部、レーザスキャナ、プリント機構を備えることを特徴とする複写制御機能付き複写機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記リーダは、前記原稿に搭載された半導体装置又は複写物に搭載された半導体装置に対して情報を書き込む機能を兼ね備えていることを特徴とする複写制御機能付き複写機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複写制御機能付き複写機によって、複写の可否を制御することができる半導体装置内蔵紙。
  5. 請求項4において、前記半導体装置は、薄膜トランジスタからなる薄膜集積回路部を含むことを特徴とする半導体装置内蔵紙。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複写制御機能付き複写機によって、複写の可否を制御することができる半導体装置内蔵フィルム。
  7. 請求項6において、前記半導体装置は、薄膜トランジスタからなる薄膜集積回路部を含むことを特徴とする半導体装置内蔵フィルム。
  8. 原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、
    前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿のスキャンの可否を制御する制御部と、
    前記原稿をスキャンするための光学系、受光素子及び画像処理部を備えることを特徴とするスキャン制御機能付きスキャナ。
  9. 請求項8において、
    前記リーダは、前記原稿に搭載された半導体装置に対して情報を書き込む機能を兼ね備えていることを特徴とするスキャン制御機能付きスキャナ。
  10. 原稿に搭載された半導体装置と通信可能なリーダと、
    前記リーダから得られた情報に基づいて、前記原稿の読み取りの可否を制御する制御部と、
    前記原稿を読み取るための光学系、受光素子及び画像処理部、並びに読み取られた情報を伝達するための通信制御部を備えることを特徴とする読み取り制御機能付きファクシミリ。
  11. 請求項10において、
    前記リーダは、前記原稿に搭載された半導体装置に対して情報を書き込む機能を兼ね備えていることを特徴とする読み取り制御機能付きファクシミリ。
JP2005168743A 2004-06-14 2005-06-08 複写制御機能付き複写機、スキャナ及びファクシミリ、並びに半導体装置内蔵紙及び半導体装置内蔵フィルム Withdrawn JP2006033809A (ja)

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