JP2006032792A - 強誘電体膜の形成方法及び半導体記憶装置の製造方法 - Google Patents

強誘電体膜の形成方法及び半導体記憶装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高集積半導体記憶装置の実現に不可欠な微小体積においても、十分な分極特性を有する強誘電体膜の形成方法及びその強誘電体膜を容量絶縁膜とする半導体記憶装置の製造方法を提供する。
【解決手段】支持基板上に強誘電体材料膜を堆積する工程と、強誘電体材料膜に対して複数の加熱処理を行うことにより、強誘電体材料膜を焼結させる工程を備えた強誘電体膜の形成方法において、複数の加熱処理のうちの一つの加熱処理は、昇温工程Aと、第1の温度保持工程Bと、第1の温度保持工程Bの後で、かつ、第1の温度保持工程Bにおける温度よりも高い温度で前記基板を加熱する第2の温度保持工程Dと、降温工程Eとを含む。
【選択図】 図3

Description

本発明は、強誘電体膜の形成方法及び強誘電体膜を容量絶縁膜とする半導体記憶装置の製造方法に関する。
近年デジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを処理、保存する傾向が推進される中で電子機器が一段と高度化し、使用される半導体装置もその半導体素子の微細化が急速に進んできている。
それに伴ってダイナミックランダムアクセスメモリの高集積化を実現するために、従来の珪素酸化物または窒化物の代わりに高誘電体を容量絶縁膜として用いる技術が広く研究開発されている。
さらに従来にない低動作電圧かつ高速書き込み読み出し可能な不揮発性メモリの実用化を目指し、自発分極特性を有する強誘電体膜を用いた半導体記憶装置に関する研究開発が盛んに行われ、キロビットクラスの不揮発メモリが実用化されている。
現在、強誘電体不揮発メモリのさらなる高集積化の実現のため、容量素子の電極面積の小型化と強誘電体からなる容量絶縁膜の薄膜による容量素子の微細化に関する研究開発が特に盛んに行われている。
これらの高集積強誘電体不揮発メモリを実現するための最重要課題は、微細な容量素子を特性劣化なくCMOS集積回路に集積化できる手法を開発することである。
容量絶縁膜となる強誘電体の材料としては、チタンジルコン酸鉛(以下、PZTという)やタンタル酸ストロンチウムビスマス(以下、SBTという)やチタン酸ビスマスランタン(以下、BLTという)やチタン酸ビスマス等のペロブスカイト構造あるいは層状ペロブスカイト構造を有する金属酸化物が用いられている。特に、CMOS集積プロセスと整合性の良い低温焼結が可能な強誘電体としてチタン酸ビスマスやBLTが着目されている。
例えば、SBTからなる強誘電体膜を形成する方法の従来技術(特許文献1)を、図6を用いて以下に説明する。図6のS20〜S28の工程において、SBTの前駆体膜を基板上にスピン塗布し、前駆体膜中の有機成分を除去した後に、S29〜S31の工程において、RTP(Rapid Thermal Process)等によって前駆体膜を急速昇温加熱焼結して強誘電体膜を形成する工程が行われる。この焼結工程は、500〜600℃の温度で加熱する仮焼結と呼ばれる工程(S29)と、それに続く600〜800℃の温度で加熱する本焼結(S31)と呼ばれる工程を含み、この焼結工程によって、強誘電体膜中に強誘電体結晶粒が結晶成長される(特許文献1)。
特開平9−260612号公報
しかし、ペロブスカイト構造のAサイトに揮発性が高い元素であるBiが存在するような強誘電体材料であるBLTやチタン酸ビスマス等を容量絶縁膜として用いる場合、上記のような焼結を行う際に以下の課題が発生することを見出した。
MOD(Metal Organic Decomposition)法やMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等により、BLTやチタン酸ビスマス等の強誘電体材料からなる強誘電体材料膜を基板上に堆積した後、ランプ加熱炉を用いたRTP法で強誘電体材料膜に対して、前述の仮焼結と本焼結からなる急速昇温加熱焼結を行うことで、強誘電体材料膜中に結晶粒を結晶成長する場合、焼結時において、該強誘電体材料膜を構成するBiが該強誘電体材料膜から抜け出し、得られる強誘電体膜の組成比がストイキオメトリからずれ、所望の強誘電体膜を得ることができないことが判った。これは、Biの蒸気圧が非常に高いことによるものである。これは、Biに限られず、揮発性の高い構成元素を有する強誘電体に共通する課題である。従って、焼結時の温度を低温にすることで、Bi抜けを抑制することは可能であるが、結晶粒の結晶成長が不十分となる。また、分極率の小さいc軸方向への結晶粒の配向性が高くなる。
一般に強誘電体は等方な結晶構造を持つのではなく、大きい自発分極値の分極方向と、小さい自発分極値の分極方向あるいは分極を発生しない非極性方向からなる非対称な結晶構造を持つ。図7にBLTの単位結晶格子の模式図を示す。BLTは、図7に示すように、酸化ビスマス層81と擬似ペロブスカイト層82とがc軸方向に交互に積層した構造を有している。酸化ビスマス層81は酸素84とBi83から構成され、擬似ペロブスカイト層82は、酸素84とAサイト元素85とBサイト元素86から構成され、Aサイトには、LaあるいはBiが入り、BサイトにはTiが入る。BLTは、a軸とb軸方向を含むab面内に自発分極の大きい方向を持ち、c軸方向には小さな自発分極を持つ。不揮発メモリとしてデータを保持するためには、BLTの分極の大きいab面を対向電極に印加された電場方向と略平行に配置しなければならない。これは、BLTに限られず、結晶軸に異方性を有する結晶構造を有する強誘電体に共通する課題である。
しかし、従来の容量絶縁膜の製造方法で容量素子を形成すると、前述のようにc軸配向しやすく、不揮発メモリとして必要な保持電荷量を確保できる強誘電体膜を形成することが出来ない。
以上の課題は、高集積な半導体記憶装置を実現するために、容量素子を微細化する場合において、大きな問題となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みて、高集積半導体記憶装置の実現に不可欠な微小体積においても、十分な分極特性を有する強誘電体膜の形成方法及びその強誘電体膜を容量絶縁膜とする半導体記憶装置の製造方法を提供する。
前記従来の課題を解決するために、発明者らは、強誘電体材料の急速昇温加熱焼結の際の温度プロファイルに着目し、Bi抜けによる組成ズレを防ぐ温度プロファイルとすることで、低温焼結が実現でき、またそれによりc軸配向も抑制できることを見出した。
本発明の強誘電体膜の形成方法は、支持基板上に強誘電体材料膜を堆積する工程と、前記強誘電体材料膜に対して複数の加熱処理を行うことにより、前記強誘電体材料膜を焼結させる工程を備えた強誘電体膜の形成方法において、前記複数の加熱処理のうちの一つの加熱処理Pは、昇温工程と、第1の温度保持工程と、第1の温度保持工程の後で、かつ、前記第1の温度保持工程における温度よりも高い温度で前記基板を加熱する第2の温度保持工程と、降温工程とを含むことを特徴とする。
本発明の半導体記憶装置の製造方法は、支持基板上に下部電極を形成する工程と、前記下部電極の上に、本発明の強誘電体膜の形成方法により強誘電体膜からなる容量絶縁膜を形成する工程と、前記容量絶縁膜の上に、上部電極を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の強誘電体膜の形成方法によれば、十分な分極特性を有する強誘電体膜を形成することができる。すなわち、第1の温度保持工程において強誘電体材料膜中のBi等の揮発性の高い元素の抜けを防ぐ温度で強誘電体材料膜の仮焼結を行うことができ、第2の温度保持工程においてc軸配向が抑制された状態で強誘電体結晶粒の核生成を行うことができるため、強誘電体膜の組成ズレとc軸配向の抑制を同時に実現することができる。その結果、十分な分極特性を有する強誘電体膜を形成することができる。
また、本発明の半導体記憶装置の製造方法によれば、十分な分極特性を有する強誘電体膜を容量絶縁膜とする容量素子を実現できることから、容量素子の微細化が図れ、高集積な半導体記憶装置を実現できる。すなわち、強誘電体膜の組成ズレとc軸配向の抑制が同時に実現された、十分な分極特性を有する強誘電体膜を容量絶縁膜とする容量素子を実現できることから、容量素子の微細化が図れ、高集積な半導体記憶装置を実現できる。
本発明の強誘電体膜の形成方法において、前記降温工程は、前記第2の温度保持工程に続いて行われることが望ましい。このようにすると、c軸配向の抑制の効果が高くなる。
本発明の強誘電体膜の形成方法において、前記降温工程の後に前記一つの加熱処理とは異なる加熱処理を行う工程を含み、前記異なる加熱処理は、昇温工程と、前記第2の温度保持工程における最高温度よりも高い温度で前記基板を加熱する温度保持工程と、降温工程とを含むことが望ましい。このようにすると、第2の温度保持工程における最高温度を、本焼結である異なる加熱処理における保持温度よりも低くすることで、結晶粒を十分に大きくすることが可能となる。特に、第2の温度保持工程における最高温度を650℃以下とするとよい。前記第2の温度保持工程における好ましい最高温度は550℃〜650℃の範囲である。
本発明の強誘電体膜の形成方法において、前記第2の温度保持工程における最高温度への昇温速度は、平均30℃/秒であることが望ましい。このようにすると、第2の温度保持工程における最高温度への昇温の際における強誘電体材料膜中のBi等の揮発性の高い元素の抜けを効果的に防止することができる。
本発明の強誘電体膜の形成方法において、前記第2の温度保持工程における最高温度に保持する時間は、前記加熱工程において、同一温度に保持する時間のうちで最も短いことが望ましい。このようにすると、第2の温度保持工程における最高温度に保持している間における強誘電体材料膜中のBi等の揮発性の高い元素の抜けを効果的に防止することができ、かつ、c軸配向の抑制の効果が高くなる。特に、前記第2の温度保持工程における最高温度に保持する時間を2秒以下することが好ましい。さらに前記第2の温度保持工程における最高温度に保持する好ましい保持時間は0.5〜1秒の範囲である。
本発明の強誘電体膜の形成方法において、前記降温工程は、前記基板の温度の低下とともに低下していく降温速度で前記基板の温度を降温する工程を含むことが望ましい。このようにすると、降温工程においてのc軸配向の抑制の効果が高くなる。あるいは、結晶粒を十分に大きくすることが可能となる。特に、降温速度を、基板の温度が500℃以上の場合において5℃/秒以上とし、500℃未満の場合において5℃/秒未満とすることが好ましい。さらに好ましくは、前記基板の温度が500℃以上の場合において7〜15℃/秒の範囲であり、500℃未満の場合においては1〜3℃/秒の範囲である。
本発明の強誘電体膜の形成方法において、前記昇温工程は、10℃/秒以下の昇温速度で前記基板の温度を昇温する工程を含むことが望ましい。このようにすると、昇温工程においての強誘電体材料膜中のBi等の揮発性の高い元素の抜けを効果的に防止することができ、かつ、c軸配向の抑制の効果が高くなる。さらに好ましい
本発明の強誘電体膜の形成方法において、前記強誘電体膜は、Bi4-x+yxTi312(但し、Aは、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びVからなる群から選ばれた元素であり、x及びyは、0≦x≦2及び0<y≦(4−x)×0.1を満たす。)の一般式で表わされる強誘電体材料であることが望ましい。このようにすると、ペロブスカイト構造のAサイトに揮発性の高いBiが存在するような強誘電体材料を用いて強誘電体膜を形成する際に、強誘電体膜の組成ズレとc軸配向の抑制を同時に実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、ここで、強誘電体材料膜とは、焼結の工程を経る前の段階における強誘電体を構成する元素を含む膜であり、例えば、MOD法で堆積された強誘電体の前駆体膜や、MOCVD法やスパッタ法で堆積された、その後の熱処理工程の前段階における膜を含むものである。また、仮焼結の工程を経た強誘電体材料膜のことを強誘電体膜ということもある。
(実施形態)
以下、本発明の一実施形態にかかる強誘電体膜の形成方法及びその強誘電体膜を容量絶縁膜とする半導体記憶装置の製造方法について図1〜図5を参照しながら説明する。
なお、本実施形態では、本実施形態にかかる強誘電体膜を強誘電体キャパシタ(容量素子)の容量絶縁膜に用いる場合について説明しているが、本実施形態に係る強誘電体膜は、強誘電体キャパシタ以外にも、MFS(Metal-Ferroelectric-Semiconductor)型トランジスタ、MFIS(Metal-Ferroelectric-Insulator-Semiconductor)型トランジスタ又はMFMIS(Metal-Ferroelectric-Metal-Insulator-Semiconductor)型トランジスタ等の半導体記憶装置の容量絶縁膜として用いることもできる。
(1)半導体記憶装置の製造方法
図1は、本実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法を説明するための要部工程断面図である。まず、図1Aに示すように、半導体基板11の表面部に素子分離領域12を形成した後、半導体基板11の上にゲート絶縁膜13を介してゲート電極14を形成する。次に、ゲート電極14をマスクとして低濃度の不純物をイオン注入した後、ゲート電極14の上面及び側面にゲート保護絶縁膜15を形成し、その後、ゲート電極14及びゲート保護絶縁膜15をマスクとして高濃度の不純物をイオン注入して、メモリセルトランジスタである電界効果型トランジスタ17のソース領域又はドレイン領域となるLDD構造を有する不純物拡散層16を形成する。次に、電界効果型トランジスタ17を覆うように、半導体基板11の上に全面に亘ってシリコン酸化膜からなる絶縁膜18(膜厚は約600nm)を堆積し、該絶縁膜18にドライエッチングによりコンタクトホール(直径は約0.24μm)を形成する。次に、CVD法により絶縁膜18の上に全面に亘って、タングステン又はポリシリコン膜からなる導電膜を堆積した後、該導電膜における絶縁膜18の上に存在する部分をエッチバック又はCMP法により除去することにより、電界効果型トランジスタ17のソース領域又はドレイン領域となる不純物拡散層16のうちの一方と接続するコンタクトプラグ19を形成する。
次に、図1Bに示すように、スパッタリング法により、絶縁膜18の上に全面に亘って、下から順次堆積されたチタン膜、窒化チタン膜、イリジウム、酸化イリジウム膜及び白金膜からなる積層膜(合計の膜厚は約200nm)を形成した後、該積層膜をドライエッチングによりパターニングすることにより、図2に示すように、コンタクトプラグ9と接続された下部電極20を形成する。
次に、図1Cに示すように、MOD法、MOCVD法又はスパッタリング法により、下部電極20及び絶縁膜18の上に全面に亘って、ビスマス層状ペロブスカイト構造を有するBLTからなり100nm以下(本実施形態では75nm)の膜厚を有する強誘電体膜を形成した後、該強誘電体膜をパターニングすることにより、下部電極20の上に跨り且つ下部電極108の外側に延びる容量絶縁膜21を形成する。強誘電体膜の形成方法については、後述で詳細に説明する。
次に、図1Dに示すように、容量絶縁膜21の上に全面に亘って、下から順次堆積された白金膜及びチタン膜からなる積層膜又は白金膜及び窒化チタン膜からなる積層膜を形成した後、該積層膜をドライエッチングによりパターニングすることにより、上部電極22を形成する。
これにより、下部電極20、容量絶縁膜21及び上部電極22から構成される容量素子23を形成する。
この後、図示していないが、下部電極20、上部電極22に接続される配線等を形成し、半導体記憶装置を完成させる。
(2)強誘電体膜の形成方法
次に、容量絶縁膜21となる本実施形態にかかる強誘電体膜の形成方法を、図2を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態にかかる強誘電体膜の形成方法を説明するための工程図である。
まず、ステップS11において、MOD法、MOCVD法又はスパッタリング法により、下部電極20及び絶縁膜18の上に全面に亘って、ビスマス層状ペロブスカイト構造を有するBLTからなり100nm以下の膜厚を有する強誘電体材料膜を堆積する。
次に、ステップS12において、RTP法により、基板11に対していわゆる仮焼結である第1の加熱処理を行う。第1の加熱処理は、550℃で1分の温度保持を行う第1の温度保持工程と、それに続く600℃で1秒の温度保持を行う第2の温度保持工程を含む温度プロファイルにより行う。この温度プロファイルについては、後述で詳細に説明する。
次に、ステップS13において、該強誘電体材料膜(容量絶縁膜)の上に全面に亘って、下から順次堆積された白金膜及びチタン膜からなる積層膜又は白金膜及び窒化チタン膜からなる積層膜を形成した後、該積層膜をドライエッチングによりパターニングすることにより、上部電極22を形成する。
次に、ステップS14において、RTP法により、基板11に対していわゆる本焼結である第2の加熱処理を行う。第2の加熱処理では、約700℃の温度保持を1分間行う。
以上により、該強誘電体材料膜中に強誘電体結晶粒を結晶成長させることができ、容量絶縁膜21となる強誘電体膜が形成できる。
なお、ステップS13の上部電極22の形成は、ステップS14である第2の加熱処理の後に行ってもよい。
ここで、上記第1の加熱処理が、第1の温度保持工程と、第1の温度保持工程の後で、かつ、前記第1の温度保持工程における温度よりも高い温度で前記基板を加熱する第2の温度保持工程を含むことで、第1の温度保持工程において強誘電体材料膜中の揮発性の高いBiの抜けを防ぐ温度で強誘電体材料膜の仮焼結を行うことができ、第2の温度保持工程においてc軸配向が抑制された状態で強誘電体結晶粒の核生成を行うことができるため、強誘電体膜の組成ズレとc軸配向の抑制を同時に実現することができる。その結果、十分な分極特性を有する強誘電体膜を形成することができる。また、このような強誘電体膜を容量素子の容量絶縁膜とすることで、容量素子の微細化が図れ、高集積な半導体記憶装置を実現できる。
(3)温度プロファイル
次に、前記第1の加熱処理について、図3を参照しながら詳しく説明する。
図3は、前記第1の加熱処理の温度プロファイルであり、横軸は時間であり、縦軸は基板温度である。
図3Aは、本実施形態にかかる強誘電体膜の形成方法における温度プロファイル(本発明)であり、図3Bは、比較のための温度プロファイル(比較例)である。
図3Aに示す温度プロファイルは、昇温工程Aと、第1の温度保持工程Bと、第2の温度保持工程Dと、降温工程Eからなり、第1の温度保持工程と第2の温度保持工程の間に昇温工程Cが設けられている。昇温工程Aにおいて、昇温速度は5℃/秒であり、第1の温度保持工程Bでの保持温度及び保持時間は550℃及び1分であり、第2の温度保持工程Dでの保持温度及び保持時間は600℃及び1秒であり、降温工程Eにおいて、降温速度を、基板の温度が500℃以上の場合において5℃/秒以上とし、500℃未満の場合において5℃/秒以下とし、昇温工程Cにおいて、昇温速度は平均30℃/秒としている。
一方、図3Bに示す温度プロファイルは、昇温工程A´と、温度保持工程B´と降温工程C´からなる。昇温工程A´において、昇温速度は5℃/秒であり、温度保持工程B´での保持温度及び保持時間は550℃及び1分である。
以下、図4及び図5を用いて、本発明の実施形態にかかる強誘電体膜の形成方法の効果について説明する。
図4A及びBは、それぞれ、図3A及びBの温度プロファイルにより形成した強誘電体膜の分極特性を示すヒステリシスループを測定した結果である。横軸は印加電圧(V)であり、縦軸は分極率(μmC/cm2)である。なお、測定は、3通りの最大印加電圧(1.8V、3V及び5V)で行い、重ねてプロットしている。
また、図5A及びBは、それぞれ、図3A及びBの温度プロファイルにより形成した強誘電体膜のX線回折プロファイルを測定した結果である。
比較例である図4Bでは、強誘電体膜の分極特性を示す分極率2Prは、最大印加電圧を1.8Vとした場合、15.5μmC/cm2であるのに対して、本発明である図4Aでは、20.5μmC/cm2と非常に大きな分極率が実現できていることがわかる。ここで、2Prは、図4A及びBにおいて、分極特性を示すヒステリシス曲線と縦軸との正の交点を+Pr、負の交点を−Prとした場合、2Pr=+Pr−(−Pr)で与えられる。
また、比較例である図5Bでは、c軸配向成分である(004)面、(006)面及び(008)面からのX線回折ピーク強度が、分極が大きい配向成分である(117)面からのX線回折ピーク強度と同程度であるのに対して、本発明である図5Aでは、c軸配向成分である(004)面、(006)面及び(008)面からのX線回折ピーク強度が分極が大きい配向成分である(117)面からのX線回折ピーク強度と比較して抑制されていることが判る。
この結果から、本発明にかかる強誘電体膜の形成方法を用いることで、強誘電体材料膜からのBi抜けが抑制され、組成ズレが抑制され、かつ、c軸配向の抑制が実現でき、十分な分極特性を有する強誘電体膜を形成することができることが判る。
図3Aの温度プロファイルにおいて、昇温工程Aでは、昇温速度を5℃/秒としているが、10℃/秒以下とすることで、昇温工程Aにおいての強誘電体材料膜中のBiの抜けを効果的に防止することができ、かつ、c軸配向の抑制の効果が高くなる。
また、第2の温度保持工程Dでの保持温度を600℃としたが、第2の温度保持工程Dでの最高温度を、前記第2の加熱処理での保持温度よりも低い温度とすることで、第2の温度保持工程Dにおける最高温度への昇温の際における強誘電体材料膜中のBiの抜けを効果的に防止することができる。前記第2の加熱処理での保持温度を700℃とした場合には、650℃以下とすればよい。また、第2の温度保持工程Dでの保持時間を2秒低下とすることで、第2の温度保持工程Dにおける最高温度に保持している間における強誘電体材料膜中のBi等の揮発性の高い元素の抜けを効果的に防止することができ、かつ、結晶粒を十分に大きくすることが可能となる。第2の温度保持工程Dでの保持時間については、これに限られるものではなく、最低限、第1の温度保持工程Bの保持時間よりも短くすることで、ある程度の効果は得られる。
また、降温工程Eにおいて、降温速度を、基板の温度が500℃以上の場合において5℃/秒以上とし、500℃未満の場合において5℃/秒以下とすることで、降温工程Eにおいてのc軸配向の抑制の効果が高くなる。降温工程Eでの降温速度については、これに限られるものではなく、最低限、基板の温度の低下とともに低下していく降温速度とすることで、ある程度の効果は得られる。
また、昇温工程Cにおいて、昇温速度を平均30℃/秒とすることで、第2の温度保持工程Dにおける最高温度への昇温の際における強誘電体材料膜中のBiの抜けを効果的に防止することができる。
また、第2の温度保持工程Dに続いて、降温工程Eを設けることで、c軸配向の抑制の効果が高くなる。あるいは、結晶粒を十分に大きくすることが可能となる。
なお、本実施形態において、容量絶縁膜21を構成する強誘電体材料として、BLTを用いているが、Bi4-x+yxTi312(Aは、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びVからなる群から選ばれた元素であり、前記一般式におけるx及びyは、0≦x≦2及び0<y≦(4−x)×0.1を満たす)の一般式で表わされる強誘電体材料としてもよい。この場合も、AサイトのBiが抜けるのを抑制することができる。また、容量絶縁膜21を構成する強誘電体材料としては、Biを含む強誘電体材料に限られず、揮発性の高い元素を構成元素とする強誘電体材料であれば、同様の効果が得られる。更に、結晶軸に異方性を有する結晶構造を有する強誘電体材料であれば、自発分極の小さい結晶軸へ配向することを抑制できる効果が得られる。
また、本実施形態では、容量素子23の形状は平面形状としたが、基板に対して垂直な断面において、凹形状あるいは凸形状を有する立体構造を有する容量素子としてもよい。
本発明に係る強誘電体膜の形成方法及び半導体記憶装置の製造方法は、強誘電体キャパシタを利用したメモリ等に有用である。
本発明の一実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の一実施形態に係る強誘電体膜の形成方法を示す工程フローである。 Aは本発明の一実施形態に係る強誘電体膜の形成方法における温度プロファイルであり、Bは比較のための温度プロファイルである。 Aは本発明の一実施形態に係る強誘電体膜の形成方法によって形成した強誘電体膜(本発明)について測定したヒステリシスループであり、Bは比較のために形成した強誘電体膜(比較例)について測定したヒステリシスループである。 Aは本発明の一実施形態に係る強誘電体膜の形成方法によって形成した強誘電体膜(本発明)について測定したX線回折プロファイルであり、Bは比較のために形成した強誘電体膜(比較例)について測定したX線回折プロファイルである。 従来技術に係る強誘電体膜の形成方法を示す工程フローである。 BLTの結晶格子構造図である。
符号の説明
11 半導体基板
12 素子分離領域
13 ゲート絶縁膜
14 ゲート電極
15 ゲート保護絶縁膜
16 不純物拡散層
17 メモリセルトランジスタである電界効果型トランジスタ
18 絶縁膜
19 コンタクトプラグ
20 下部電極
21 容量絶縁膜
22 上部電極
23 容量素子
81 酸化ビスマス層
82 擬似ペロブスカイト層
83 Bi
84 酸素
85 Aサイト元素
86 Bサイト元素

Claims (12)

  1. 支持基板上に強誘電体材料膜を堆積する工程と、前記強誘電体材料膜に対して複数の加熱処理を行うことにより、前記強誘電体材料膜を焼結させる工程を備えた強誘電体膜の形成方法において、
    前記複数の加熱処理のうちの一つの加熱処理Pは、昇温工程と、第1の温度保持工程と、第1の温度保持工程の後で、かつ、前記第1の温度保持工程における温度よりも高い温度で前記基板を加熱する第2の温度保持工程と、降温工程とを含むことを特徴とする強誘電体膜の形成方法。
  2. 前記降温工程は、前記第2の温度保持工程に続いて行う請求項1に記載の強誘電体膜の形成方法。
  3. 前記降温工程の後に前記一つの加熱処理Pとは異なる加熱処理を行う工程を含み、
    前記異なる加熱処理は、昇温工程と、前記第2の温度保持工程における最高温度よりも高い温度で前記基板を加熱する温度保持工程と、降温工程とを含む請求項1に記載の強誘電体膜の形成方法。
  4. 前記第2の温度保持工程における最高温度は、650℃以下である請求項3に記載の強誘電体膜の形成方法。
  5. 前記第2の温度保持工程における最高温度への昇温速度は、平均30℃/秒である請求項1に記載の強誘電体膜の形成方法。
  6. 前記第2の温度保持工程における最高温度に保持する時間は、前記加熱工程において、同一温度に保持する時間のうちで最も短い請求項1に記載の強誘電体膜の形成方法。
  7. 前記第2の温度保持工程における最高温度に保持する時間は、2秒以下である請求項2に記載の強誘電体膜の形成方法。
  8. 前記降温工程は、前記基板の温度の低下とともに低下していく降温速度で前記基板の温度を降温する工程を含む請求項1に記載の強誘電体膜の形成方法。
  9. 前記降温速度は、前記基板の温度が500℃以上の場合において5℃/秒以上であり、500℃未満の場合において5℃/秒以下である請求項8に記載の強誘電体膜の形成方法。
  10. 前記昇温工程は、10℃/秒以下の昇温速度で前記基板の温度を昇温する工程を含む請求項1に記載の強誘電体膜の形成方法。
  11. 前記強誘電体膜は、Bi4-x+yxTi312(但し、Aは、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びVからなる群から選ばれた元素であり、x及びyは、0≦x≦2及び0<y≦(4−x)×0.1を満たす。)の一般式で表わされる強誘電体材料である請求項1〜10のいずれかに記載の強誘電体膜の形成方法。
  12. 支持基板上に下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極の上に、請求項1〜11のいずれかに記載の強誘電体膜の形成方法により強誘電体膜からなる容量絶縁膜を形成する工程と、
    前記容量絶縁膜の上に、上部電極を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
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