JP2006032465A - 半導体ウェハの分割方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の半導体素子を有する半導体ウェハを分割することで、上記それぞれの半導体素子を個片に分割する半導体ウェハの分割方法において、上記それぞれの半導体素子に与えられるダメージを低下させるとともに、低コストでかつ効率的な分割を行う。
【解決手段】 複数の半導体素子が形成された第1の表面に保護シートが配置された半導体ウェハに対して、上記第1の表面と反対側の第2の表面に上記それぞれの半導体素子を個片に分割するための分割位置に合わせて分割用溝部を形成し、当該分割用溝部が形成された上記第2の表面に対してプラズマエッチングを施して、当該第2の表面全体及び上記分割用溝部の表面のエッチングを行い、上記分割用溝部が除去されることにより、上記それぞれの半導体素子を個片に分割する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複数の半導体素子を有する半導体ウェハを分割することで、上記それぞれの半導体素子を個片に分割する半導体ウェハの分割方法に関する。
従来、この種の半導体ウェハの分割処理、すなわち半導体素子製造プロセスにおけるダイシングとしては様々なものが知られている。例えば、ダイサーと呼ばれるダイヤモンド等を用いた円盤型回転刃(カッター)を用いて、半導体ウェハに形成されたそれぞれの半導体素子を分割位置に沿って機械的に切断することで、それぞれの半導体素子への分割を行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−173987号公報
近年、このような半導体素子が用いたれた電子回路を内蔵する電子機器の小型化が進んでおり、このような小型化に伴い電子回路自体の小型化が図られつつある。中でも、半導体素子を薄くする取り組み、すなわち半導体ウェハの薄化が活発に行われており、その厚みが例えば100μm以下の半導体ウェハが用いられるようになっている。
しかしながら、このように薄化された半導体素子は外力に対する強度が弱く、特にウェハ状態の半導体素子を切断して個片毎に分割する上述のような機械的なダイシングにおいては、それぞれの半導体素子が切断時にダメージを受けやすく、加工歩留まりの低下が避けられないという問題点がある。従って、このような薄化された半導体ウェハの分割処理に対するダメージレス化の要望が高まっている。
このようなダメージレスの分割処理として、分割線を画定するマスクが形成された半導体ウェハに対してプラズマエッチングを施すことにより、当該分割線に沿ってそれぞれの半導体素子の個片への分割を行うプラズマダイシングが提案されている。
このプラズマダイシングにおいては、半導体ウェハにおける素子形成面の反対側の面であるマスク配置面にマスク層を形成し、その後、それぞれの半導体素子の分割位置に合わせて上記マスク層の一部を除去することで上記半導体素子のマスク形成面を部分的に露出させて分割線を画定し、この状態にてプラズマエッチングを施すことにより、それぞれの半導体素子の個片への分割が行われる。この分割の後、上記マスク層の除去をアッシングにより行うことで、半導体ウェハの分割処理が行われる。
しかしながら、このようなプラズマダイシング用のマスクは、一般にフォトリソグラフを用いた光学的方法によって形成され、このようなフォトリソグラフによるマスク形成は、工程コストの高い複雑な処理工程が付加されることから、プラズマダイシング工程全体のコストが増大するとともに、当該工程を効率的に行うことができないという問題がある。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、複数の半導体素子を有する半導体ウェハを分割することで、上記それぞれの半導体素子を個片に分割する半導体ウェハの分割方法において、上記それぞれの半導体素子に与えられるダメージを低下させるとともに、低コストでかつ効率的な分割を行うことができる半導体ウェハの分割方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、複数の半導体素子が形成された第1の表面に保護シートが配置された半導体ウェハに対して、上記第1の表面と反対側の第2の表面に上記それぞれの半導体素子を個片に分割するための分割位置に合わせて分割用溝部を形成し、
当該分割用溝部が形成された上記第2の表面に対してプラズマエッチングを施して、当該第2の表面全体及び上記分割用溝部の表面のエッチングを行い、上記分割用溝部が除去されることにより、上記それぞれの半導体素子を個片に分割することを特徴とする半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記分割用溝部は、その深さ寸法が、最終的に個片に分割される上記それぞれの半導体素子の厚さ寸法以上となるように形成される第1態様に記載の半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記分割用溝部の形成によって当該分割用溝部の近傍に生じたダメージ層を、上記プラズマエッチングの実施により除去する第1態様又は第2態様に記載の半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記半導体ウェハの上記第2の表面に対して研磨処理を行って、当該半導体ウェハの薄型化を行った後、上記分割用溝部の形成を行い、
上記研磨処理によって上記第2の表面近傍に生じたダメージ層を、上記プラズマエッチングにより除去する第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記半導体ウェハの上記第2の表面に形成される上記分割用溝部は、ダイサーにより形成される第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の上記第1態様によれば、プラズマエッチングを用いた従来の半導体ウェハの分割方法のように、上記半導体ウェハにおいてエッチングを施すべき分割線を画定するためのマスク層を形成することなく、第2の表面において分割位置に合わせて分割用溝部を形成した後、上記半導体ウェハの上記第2の表面に対してプラズマエッチングを施すことで、当該第2の表面全体及び上記分割用溝部の表面のエッチングを行い、上記分割用溝部を除去することで、それぞれの半導体素子の個片への分割を可能としているため、上記マスク層の形成、当該マスク層における上記分割線の形成、及びプラズマエッチング後の上記マスク層の除去というそれぞれの工程を不要とすることができる。
特に、従来の半導体ウェハの分割方法において必要とされているマスク層の形成工程は、その工程コストが高く、かつ、複雑な処理が要求されるようなものであるため、このような工程を不要とすることで、低コストでかつ効率的な半導体ウェハの分割方法を提供することができる。
本発明の上記第2態様によれば、上記半導体ウェハの上記第2の表面に形成される上記分割用溝部が、その深さ寸法が、最終的に個片に分割される上記それぞれの半導体素子の厚さ寸法以上となるように形成されることで、上記プラズマエッチングを施すことで、上記それぞれの半導体素子の厚さ寸法を得ることを可能としながら、上記分割用溝部の除去を行うことができ、マスク層の形成を伴わない(すなわち、マスクレスの)プラズマエッチングによる上記それぞれの半導体素子への分割を具体的に実現することができる。
本発明の上記第3態様によれば、上記分割用溝部の形成に際に、当該分割用溝部の表面近傍には応力等の残留によりダメージ層が形成されることとなるが、上記プラズマエッチングが上記分割用溝部の表面に対しても施され、最終的に上記分割用溝部自体が除去されることにより、当該形成されたダメージ層の除去を分割処理と同時的に行うことができる。従って、上記ダメージ層の除去のために特別な処理を施す必要もなく、効率的な半導体ウェハの分割方法を実現することができる。
本発明の上記第4態様によれば、上記半導体ウェハの上記第2の表面に対して、当該半導体ウェハの薄化のための研磨処理が行われているような場合には、当該研磨処理により上記第2の表面の近傍にはダメージ層が形成されることとなるが、上記第2の表面全体にプラズマエッチングが施されることにより、このような上記ダメージ層の除去を分割処理と同時的に行うことができる。従って、上記研磨処理以降に、上記ダメージ層を除去するためだけの工程を設ける必要がなく、上記プラズマエッチングの実施とともに行うことができ、効率的な半導体ウェハの分割方法を実現することができる。
本発明の上記第5態様によれば、上記分割用溝部の形成が、従来の機械的な分割方法において用いられている装置であるダイサーを用いて行うことで、工程全体のコストを抑えることが可能となる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の一の実施形態にかかる半導体ウェハの分割方法を行う半導体ウェハ分割装置の一例であるプラズマ処理装置101の構成を模式的に示す模式構成図を図1に示す。このプラズマ処理装置101は、複数の半導体素子が形成された半導体ウェハに対して、プラズマエッチングを施すことにより、それぞれの半導体素子の個片への分割処理(プラズマダイシング処理)を行う装置である。まず、このプラズマ処理装置101の概略構成について図1を用いて以下に説明する。
図1に示すように、プラズマ処理装置101は、半導体ウェハ1に対してプラズマ処理を行うための密閉された空間である処理室12をその内部に形成する真空チャンバ11を備えている。この真空チャンバ11の内部には、下部電極13と上部電極14とが互いに対向して平行に配置されている。また、下部電極13の図示上面には、略円盤状の半導体ウェハ1を載置可能な載置面13aが形成されており、この載置面13aには、半導体ウェハ1が絶縁リング18によりその周囲全体が囲まれた状態にて載置されるようになっている。このような絶縁リング18は、異常放電の防止や下部電極13をプラズマから保護する機能を有している。また、この載置面13aは、真空吸引又は静電吸引によって当該載置された半導体ウェハ1を解除可能に吸引保持する機能を有している。
また、上部電極14には、この上部電極14と下部電極13との間に形成された空間(放電空間)内にプラズマ発生用ガスを供給するための通路であるガス供給孔14aが上部電極14の内部を貫通するように形成されている。また、上部電極14において、真空チャンバ11の外部に連通するように形成されたガス供給孔14aの一端は、真空チャンバ11の外部に備えられたプラズマ発生用ガス供給部17と接続されており、プラズマ発生用ガス供給部17より例えばフッ素系のプラズマ発生用ガスをガス供給孔14aを通して処理室12内の供給することが可能となっている。なお、プラズマ発生用ガス供給部17とガス供給孔14aの上記一端との間のガス供給用通路の途中には、当該供給されるガス流量を所望の流量に調整するガス流量調整部の一例である流量調整バルブ16が備えられている。さらに、上部電極14の図示下面には多孔質プレート15が装備されており、ガス供給孔14aを通じて供給されたプラズマ発生用ガスが、この多孔質プレート15を介して、下部電極13の載置面13aに載置された半導体ウェハ1に対して均一に吹き付けるように、処理室12内に供給することが可能となっている。
また、プラズマ処理装置101には、処理室12内を排気することで、処理室12内を所望の圧力に減圧する(すなわち真空化する)真空排気装置の一例である排気ポンプ19が備えられている。また、下部電極13には高周波電源部20が電気的に接続されており、高周波電源部20により下部電極13に高周波電圧を印加することが可能となっている。
このような構成のプラズマ処理装置101においては、下部電極13の載置面13aに半導体ウェハ1を載置して真空チャンバ11を密閉した後、排気ポンプ19により処理室12内を排気して真空化するとともに、プラズマ発生用ガス供給部17より所定の量のプラズマ発生用ガスを処理室12内に供給した状態で、高周波電源部20を駆動して下部電極13に高周波電圧を印加することにより、上部電極14と下部電極13との間の放電空間にフッ素系のプラズマを発生させることができる。このように発生されたプラズマを半導体ウェハ1の表面に対して照射することにより、当該照射された表面をエッチング(すなわち、プラズマエッチング)することができる。なお、プラズマ処理装置101においては、下部電極13の内部に冷媒を循環させることで、下部電極13の載置面13aを通して載置されている半導体ウェハ1を冷却する冷却ユニット21が備えられている。このように冷却ユニット21が備えられていることにより、プラズマ処理の際に発生した熱により半導体ウェハ1が所定温度以上に昇温することを防止することが可能となっている。
次に、このような構成のプラズマ処理装置101を用いて行われる半導体ウェハ1の分割処理を含むそれぞれの半導体素子の一連の製造工程について、以下に説明する。当該説明にあたって、この半導体素子の製造工程の手順を示すフローチャートを図2に示し、さらにこの製造工程の手順を説明するための模式説明図を図3(A)〜(D)及び図4(A)〜(D)に示す。
まず、図2のフローチャートのステップS1において、図3(A)に示すように半導体ウェハ1における第1の表面である回路形成面1aに対して、成膜、露光、エッチング等の処理を施すことにより、半導体素子となる複数の回路形成部2の形成を行う(半導体素子形成工程)。さらに、それぞれの回路形成部2には、回路形成面1aから露出するように導電性材料により複数の外部接続用電極3が形成される。このようにそれぞれの回路形成部2及び外部接続用電極3が形成された半導体ウェハ1は、その形成状態に不良箇所がないかどうかを判断するために、それぞれの回路形成部2及び外部接続用電極3の形成状態の検査が行われる(半導体素子検査工程、ステップS2)。なお、このような検査において不良であると判断された半導体素子に対しては、半導体ウェハ1におけるその位置情報を記憶すること等により、その後半導体素子として使用されることがないような必要な処置が採られる。
また、上記検査工程が完了した半導体ウェハ1が、その後行われるそれぞれの処理の際に回路形成面1aが損傷を受けることがないように、回路形成面1aに保護シート4が粘着剤を介して剥離可能に貼着される。なお、この保護シート4は、回路形成面1aの全面を覆いかつ半導体ウェハ1の端部から外側にはみ出すことがないように半導体ウェハ1の外形形状と略同じ形状に整形したものが用いられる。このような形状の保護シート4が用いられることにより、その後の処理、例えばプラズマ処理において、半導体ウェハ1からはみ出した保護シート4がプラズマによって焼損するというダメージの発生を防止することができる。
次に、図2のステップS3において、半導体ウェハ1の厚みの薄化を行う研磨工程が行われる。具体的には、図3(C)に示すように、半導体ウェハ1の回路形成面1aを図示下側として、保護シート4を介して半導体ウェハ1を研磨装置の保持テーブル32上に載置するとともに、その載置位置を保持させる。この状態において、半導体ウェハ1の回路形成面1aの反対側の表面である被処理面1b(第2の表面)に対して、研削ホイール31を用いて研磨が行われる。研削ホイール31の図示下面には研削用砥石が固着されており、この砥石を半導体ウェハ1の被処理面1bに接触させながらその表面沿いに回転させることで、被処理面1bの研削が行われる。このような研磨処理により、半導体ウェハ1は100μm以下程度の厚み、例えば、本実施形態では厚みが50μmとなるように薄化が行われる。
次に、このように薄化が行われた半導体ウェハ1の被処理面1bに、それぞれの半導体素子の分割位置に合わせて分割用溝部1cを形成する(溝形成工程(ハーフカットダイシング)、ステップS4)。具体的には、図3(D)に示すように、保護シート4を介して半導体ウェハ1をダイサーの保持テーブル42上に載置するとともにその載置位置を保持させて、半導体ウェハ1の被処理面1bに対して、円盤型回転刃41を用いて分割用溝部1cを形成する。半導体ウェハ1においては、それぞれの回路形成部2が格子状に配列されており、それぞれの回路形成部2、すなわちそれぞれの半導体素子を個別に分割できるようにその分割位置が格子状に定められている。円盤型回転刃41を回転駆動させながら、半導体ウェハ1の被処理面1bに円盤型回転刃41を接触させて上記分割位置に沿って直線的に移動させることで、当該分割位置に沿って格子状の分割用溝部1cを形成することができる。なお、このような円盤型回転刃41としては、いわゆるダイサーを用いることができる。
ここで、このように形成された分割用溝部1cの拡大断面図を図5に示す。図5に示すように、分割用溝部1cはその底面が回路形成面1aに到達しないようにその深さ寸法Dが決定されて形成されている(すなわち、ハーフカットが行われている)。このように形成することで、この分割用溝部1cの形成によりそれぞれの半導体素子が個片に分割されてしまうことが防止されている。ここで、「分割用溝部」とは、半導体ウェハ1の被処理面1bに形成された凹部であって、その底面が回路形成面1aに到達していないもののことをいう。すなわち、このような凹部の底面が回路形成面1aに到達(すなわち貫通)しているようなものは、本明細書においては分割用溝部1cとは言わない。
また、このような分割用溝部1cの深さ寸法Dは、最終的に形成されるそれぞれの半導体素子の厚さ寸法以上となるように決定される。本実施形態においては、薄化された半導体ウェハ1の厚さ寸法50μmに対して、分割用溝部1cの深さ寸法Dが25μmとされており、最終的に形成される半導体素子の厚さ寸法が25μmとなっている。また、この場合、分割用溝部1cの底面と回路形成面1aとの間の距離寸法は、分割用溝部1cとしてその形状が保持できる最小限の距離寸法を考慮して、例えば5〜25μmの範囲で決定することができる。また、研磨工程(ステップS3)及び溝形成工程(ステップS4)のような機械的加工が施されることにより、図5に示すように半導体ウェハ1の被処理面1bと分割用溝部1cの内表面の近傍には、付加された応力が残留するダメージ層1fが形成されることとなる。
このように分割用溝部1cの底面と回路形成面1aとの間の距離寸法の下限が5μmとして規定していることに対する第1の理由は、上記ハーフカットダイシングの後の半導体ウェハ1の強度を確保するためであり、第2の理由は、保護シート4がプラズマに曝される時間を少なくするためである。半導体ウェハ1の被処理面1bに形成されたダメージ層1fを除去するためには、被処理面1bをその表面より少なくとも5μmの厚さ除去する必要がある。しかしながら、分割用溝部1cの底面と回路形成面1aとの間の距離寸法が5μm未満であれば、被処理面1bに形成されたダメージ層1fが除去される前に分割用溝部1cが除去されてしまうこととなり、被処理面1bのダメージ層1fを完全に除去するまで、分割用溝部1cが形成されていた部分に相当する保護シート4が高温のプラズマにさらされることとなる。そのため、被処理面1bのダメージ層1fの除去完了前に、分割用溝部1cが除去されないようにすることで、このような問題の発生を未然に防止可能とし、分割用溝部1cの底面と回路形成面1aとの間の距離寸法の下限を5μm以上として規定している。
次に、このように分割用溝部1cが形成された半導体ウェハ1に対して、プラズマエッチングを行う(プラズマエッチング工程、ステップS5)。本発明においては、半導体ウェハ1の表面にマスク層を形成することなく、このプラズマエッチングが行われる。
具体的には、図1に示すプラズマ処理装置101において、下部電極13の載置面13aに、分割用溝部1cが形成された被処理面1bを上面として、保護シート4を介して半導体ウェハ1を載置する。その後、真空チャンバ11を密閉し、排気ポンプ19を駆動して処理室12内を真空化するとともに、プラズマ発生用ガス供給部17より流量調整バルブ16にて調整された流量のガスを、ガス供給孔14a及び多孔質プレート15を通して処理室12内に供給する。このような状態にて高周波電源部20により下部電極13に高周波電圧を印加することで、上部電極14と下部電極13との間の放電空間にプラズマを発生させることができる。
図4(A)に示すように、当該放電空間にて発生されたプラズマ51は、下部電極13の載置面13aに載置された状態の半導体ウェハ1の被処理面1bの全体とそれぞれの分割用溝部1cの内表面に対して照射される。このようにプラズマが照射されることで、被処理面1bの全体と分割用溝部1cの内表面のそれぞれに対してエッチングが施されることとなる。
半導体ウェハ1の被処理面1bの全体に対してプラズマエッチングが施されることにより、半導体ウェハ1の厚みが薄化され、それとともに、それぞれの分割用溝部1cの内表面に対してプラズマエッチングが施されることにより、それぞれの分割用溝部1cが除去される。このようにそれぞれの分割用溝部1cが除去されることで、図4(B)に示すように、半導体ウェハ1は、上記分割位置に沿ってそれぞれの半導体素子1dの個片に分割されることとなる。ここで「分割用溝部1cが除去される」とは、分割用溝部1cの底面に対してエッチングが施されることで当該底面が回路形成面1aに近づけられ、最終的に当該底面が回路形成面1aと合致されることで当該底面が消滅状態とされることをいう。すなわち、分割用溝部1cが除去されることで、半導体ウェハ1において分割位置に沿って、被処理面1bと回路形成面1aとが貫通された状態とされることとなる。
ここで個片に分割された状態の半導体素子1dにおける上記分割位置付近の部分拡大断面図を図6に示す。図6に示すように、プラズマエッチングが施されることにより、被処理面1bとともに分割用溝部1cの内表面もエッチングされることとなるが、従来のプラズマエッチングのように被処理面1bにマスク層が配置されていないため、分割用溝部1cの入り口端部の形成される角部(エッジ部)も同様にエッチングが施されることとなり、その結果、当該角部が除去されて、半導体素子1dの被処理面1b側の端部には、湾曲凸面部の一例であるR(アール)部1eが形成されることとなる。また、図7に示すプラズマエッチング後のそれぞれの半導体素子1dの平面図(上面図)に示すように、大略方形状のそれぞれの半導体素子1dにおける四隅部分に位置される角部に対してもこのようなエッジ除去が行われR部1eが形成されることとなる。なお、分割用溝部1cに対するプラズマエッチングにより、半導体ウェハ1の厚み方向を主としてエッチングが行われるが、そのエッチング特性により半導体ウェハ1の表面沿いの方向にも僅かにエッチングが行われることとなる。このようなエッチング特性は、それぞれのR部1eの形成に寄与することとなるが、分割用溝部1cの幅寸法が当該エッチングにより拡大されることを考慮して、予め分割用溝部1cの幅寸法を決定しておくことが望ましい。
また、半導体ウェハ1の被処理面1bとそれぞれの分割用溝部1cの内表面に対して、プラズマエッチングが施されることで、それぞれの半導体素子1dへの分割処理が行われるとともに、上記機械的加工により生じたダメージ層1fを除去することができる。
プラズマ処理装置101においてこのようなプラズマエッチングが完了すると、高周波電源部20による高周波電圧の印加、プラズマ発生用ガス供給部17よりのガスの供給、及び排気ポンプ19の駆動が停止され、その後、真空チャンバ11が開放されて、半導体ウェハ1が取り出される。
プラズマ処理装置101から取り出された半導体ウェハ1に対して、図4(C)に示すように、被処理面1bに粘着シート(ダイボンディングシート)6を貼り付ける(ダイボンディングシート貼付け工程、ステップS6)。それとともに、図4(D)に示すように、半導体ウェハ1の回路形成面1aを保護していた保護シート4が剥離される。ここでこの粘着シート6は、半導体ウェハ1よりも大きなサイズを有しており、さらにその周囲に図示しないウェハリング(治具)によって固定されており、このウェハリングを把持することで半導体ウェハ1のハンドリングを行うことが可能となっている。以上で半導体素子の製造工程が完了する。
このように粘着シート6に貼着された状態のそれぞれの半導体素子1dの回路形成面1aを、例えば吸着ノズルにて吸着保持し、その状態で吸着ノズルを上昇させることで、吸着保持された半導体素子1dを粘着シート6から剥離して取り出すことができる。
上述の半導体素子の製造工程においては、半導体ウェハ1の薄化を行う研磨工程(ステップS3)を行った後に、分割用溝部1cの形成を行う溝形成工程(ステップS4)をそのまま行うような場合について説明したが、本実施形態はこのような場合についてのみ限定されるものではない。このような場合に代えて、図8のフローチャートに示すように、研磨工程(ステップS3)の後に、この研磨工程により半導体ウェハ1の被処理面1bに生じたダメージ層1fの除去を行うダメージ層除去工程(ステップS31)が行われるような場合であってもよい。その後、このようにダメージ層1fの除去が行われた被処理面1bに対して、溝形成工程(ステップS4)が行われる。
研磨工程により形成されたダメージ層1fを残したまま溝形成工程が行われるような場合にあっては、その衝撃により被処理面1bに形成されたダメージ層1fが拡大(最悪の場合は破壊)する恐れがある。従って、上述のように研磨工程の後にダメージ層除去工程を行うことで、このような問題の発生を未然に防止することができる。このようなダメージ層除去工程の要否は、求められる生産性や品質や信頼性を考慮して決定することができ、例えば、生産性を優先するような場合にあっては上記ダメージ層除去工程を行うことなく溝形成工程を実施し、一方、品質や信頼性を優先する場合には上記ダメージ層除去工程を行った後で溝形成工程を実施するという形態を採ることができる。
上記実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
まず、薄化された半導体ウェハ1に対してプラズマエッチングを施すことでそれぞれの半導体素子1dの個片への分割を行うプラズマダイシングにおいて、従来のプラズマダイシングのようにエッチングを施すべき分割線を画定するためのマスク層を形成することなく、被処理面1bにおいて分割位置に合わせた分割用溝部1cを形成した後、被処理面1bと分割用溝部1cの内表面に対してプラズマエッチングを施して、分割用溝部1cを除去することでそれぞれの半導体素子1dの個片への分割を可能としているため、上記マスク層の形成、当該マスク層における分割線の形成、及びプラズマエッチング後のマスク層の除去というそれぞれの工程を不要とすることができる。
特に、このようなマスク層の形成工程は、その工程コストが高く、かつ、複雑な処理が要求されるという特徴を有しているため、このような工程を不要することができることにより、半導体ウェハの分割処理を低コストでかつ効率的に行うことができる。
また、半導体ウェハ1の被処理面1bに分割位置に合わせて分割用溝部1cを機械的加工により形成することで、それぞれの分割用溝部1cの内表面近傍にダメージ層1fが形成されることとなるが、このようなダメージ層1fは、半導体ウェハ1の分割のためのプラズマエッチングにより除去することができるため、新たにダメージ層1fの除去を行うための工程を施す必要もない。
さらに、半導体ウェハ1の薄化のための研磨工程により、半導体ウェハ1の被処理面1bの近傍に生じたダメージ層1fについても、上記プラズマエッチングにより除去することができる。従って、半導体ウェハ1の分割処理(プラズマダイシング処理)とダメージ層の除去処理とを1つの工程にて同時的に行うことができ、半導体ウェハの分割処理及び半導体素子の製造をより効率的に行うことができる。
また、半導体ウェハ1の被処理面1bにおいて、分割位置に合わせて分割用溝部1cを形成する際に、円盤型回転刃41として、従来のダイシング工程において用いられているダイサーを用いることにより、新たな装置を開発することなく分割用溝部1cの形成を行うことができ、低コストにてそれぞれの分割用溝部の形成を行うことができる。
さらに、このようにマスク層を形成することなく、半導体ウェハ1に対してプラズマエッチングを施すことにより、それぞれの分割用溝部1cの入口端部の角部やそれぞれの半導体素子1dの被処理面1bにおける四隅部分の角部からエッジ部分を除去してR部1eを形成することができる。特に、このように薄化された半導体素子1dにおいては、その抗折強度が低いため、破損し易いという特徴を有するが、それぞれの半導体素子1dの角部にR部1eが形成されることで、半導体素子1dの構造的な強度を向上させることができ、抗折強度を高めることができる。また、このようなR部1eの形成は、プラズマダイシング処理とともに行われるため、半導体ウェハ1の分割処理の効率を低下させることもない。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明の一の実施形態にかかるプラズマ処理装置の構成を示す模式構成図である。 上記実施形態の半導体素子の分割が行われる半導体素子の製造工程の手順を示すフローチャートである。 図2の半導体素子の製造工程を説明するための模式説明図であって、(A)は半導体ウェハに回路形成部及び外部接続用電極が形成された状態の図であり、(B)は半導体ウェハの回路形成面に保護シートが貼着された状態の図であり、(C)は半導体ウェハの薄化のための研磨工程が行われている状態の図であり、(D)は半導体ウェハの被処理面に分割用溝部が形成されている状態の図である。 図3に続いて図2の半導体素子の製造工程を説明するための模式説明図であって、(A)はプラズマエッチングが施されている状態の図であり、(B)は(A)のプラズマエッチングによりそれぞれの半導体素子の個片に分割された状態の図であり、(C)は半導体ウェハの被処理面に粘着シートが貼着されている状態の図であり、(D)は保護シートが剥離された状態の図である。 半導体ウェハに形成された分割用溝部の部分拡大断面図である。 分割されたそれぞれの半導体素子における分割位置近傍の部分拡大断面図である。 プラズマエッチングによりR部が形成された状態の半導体素子の模式平面図である。 上記実施形態の変形例にかかる半導体素子の製造工程を示すプローチャートである。
符号の説明
1 半導体ウェハ
1a 回路形成面
1b 被処理面
1c 分割用溝部
1d 半導体素子
1e R部
2 回路形成部
3 外部接続用電極
4 保護シート
6 粘着シート
11 真空チャンバ
12 処理室
13 下部電極
14 上部電極
17 プラズマ発生用ガス供給部
19 排気ポンプ
20 高周波電源部
101 プラズマ処理装置

Claims (5)

  1. 複数の半導体素子が形成された第1の表面に保護シートが配置された半導体ウェハに対して、上記第1の表面と反対側の第2の表面に上記それぞれの半導体素子を個片に分割するための分割位置に合わせて分割用溝部を形成し、
    当該分割用溝部が形成された上記第2の表面に対してプラズマエッチングを施して、当該第2の表面全体及び上記分割用溝部の表面のエッチングを行い、上記分割用溝部が除去されることにより、上記それぞれの半導体素子を個片に分割することを特徴とする半導体ウェハの分割方法。
  2. 上記分割用溝部は、その深さ寸法が、最終的に個片に分割される上記それぞれの半導体素子の厚さ寸法以上となるように形成される請求項1に記載の半導体ウェハの分割方法。
  3. 上記分割用溝部の形成によって当該分割用溝部の近傍に生じたダメージ層を、上記プラズマエッチングの実施により除去する請求項1又は2に記載の半導体ウェハの分割方法。
  4. 上記半導体ウェハの上記第2の表面に対して研磨処理を行って、当該半導体ウェハの薄型化を行った後、上記分割用溝部の形成を行い、
    上記研磨処理によって上記第2の表面近傍に生じたダメージ層を、上記プラズマエッチングにより除去する請求項1から3のいずれか1つに記載の半導体ウェハの分割方法。
  5. 上記半導体ウェハの上記第2の表面に形成される上記分割用溝部は、ダイサーにより形成される請求項1から4のいずれか1つに記載の半導体ウェハの分割方法。
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