JP2006032130A - チューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法 - Google Patents

チューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006032130A
JP2006032130A JP2004209582A JP2004209582A JP2006032130A JP 2006032130 A JP2006032130 A JP 2006032130A JP 2004209582 A JP2004209582 A JP 2004209582A JP 2004209582 A JP2004209582 A JP 2004209582A JP 2006032130 A JP2006032130 A JP 2006032130A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst electrode
layer
hollow material
precursor layer
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004209582A
Other languages
English (en)
Inventor
Harumichi Nakanishi
治通 中西
Naruaki Murata
成亮 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004209582A priority Critical patent/JP2006032130A/ja
Publication of JP2006032130A publication Critical patent/JP2006032130A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Abstract

【課題】 発電反応により発生した電力を効率よく集電できるチューブ型燃料電池用膜電極複合体を、精度良く効率的に製造できる方法を提供する。
【解決手段】 チューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法において、内側金属製中空材2上に、触媒電極層形成用塗工液を塗布して内側触媒電極前駆体層を形成する工程と、上記内側触媒電極前駆体層上に、溶融硝子8を塗布して電解質多孔質前駆体層を形成する工程と、上記内側金属製中空材上に上記各層が形成された積層体を焼成し、酸処理9を行うことにより、電解質多孔質層とする工程と、上記焼成酸処理工程後の積層体上に、触媒電極層形成用塗工液7を塗布して外側触媒電極前駆体層を形成する工程と、上記外側触媒電極前駆体層上に、外側金属製中空材を形成する工程と、上記内側および外側触媒電極前駆体層内に白金を析出させることにより、それらを触媒電極層とする白金析出工程と、を少なくとも有することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、チューブ型の燃料電池に用いられる膜電極複合体の製造方法に関する。
従来の平板構造の固体高分子電解質型燃料電池(以下、単に燃料電池と称する場合がある。)の最小発電単位である単位セルは、一般に固体電解質膜の両側に触媒電極層が接合されている膜電極複合体を有し、この膜電極複合体の両側にはガス拡散層が配されている。さらに、その外側にはガス流路を備えたセパレータが配されており、ガス拡散層を介して膜電極複合体の触媒電極層へと供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスを通流させるとともに、発電により得られた電流を外部に伝える働きをしている。
しかしながら、現在このような従来の平板構造の燃料電池においては、単位セルの構成要素である固体電解質膜、触媒電極層、ガス拡散層、セパレータの厚さや耐久性等設計限界に近づきつつある。例えば、単位体積当たりの発電反応面積を大きくするためには、固体電解質膜の厚さを薄くする必要があるが、現在汎用されているナフィオン(商品名:Nafion、デュポン株式会社製)の膜は厚さが一定以下になるとガス透過性が大きくなりすぎ、セル内でガスのクロスリークが生じて発電電圧が低下する等の問題がある。このようなことから、現在以上に単位体積当たりの出力密度を向上することは構造上困難である。
そこで、中空糸等を用い、その内面および外面に電解質膜や触媒電極層等を積層したチューブ状の膜電極複合体を用いて燃料電池を構成することにより出力密度を高める研究が行なわれている。しかしながら、中空糸内側面上に膜を精度よく形成することは容易ではない。また、チューブ状に形成された膜電極複合体において発生した電力の集電は困難であり、効率的に集電できる方法が求められている。
特許文献1には、多孔質有機高分子化合物からなる中空糸を用い、上記中空糸上にカソード触媒層、固体高分子電解質層、アノード触媒層が形成された固体高分子型燃料電池、およびその製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献1には、固体高分子電解質層を形成する際に中空糸の一部をマスキングすることでカソード電流を集電する部分には固体高分子電解質溶液が塗布されないように処理する旨が記載されており、このような方法では効率的な集電は困難であることが考えられる。また、固体高分子電解質層にはナフィオン(商品名:Nafion、デュポン株式会社製)が用いられているため、高温での使用に耐え得るものではない。
特開2002−289220号公報 特開2002−124273号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、発電反応により発生した電力を効率よく集電できるチューブ型燃料電池用膜電極複合体を、精度良く効率的に製造することができるチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、内側金属製中空材上に内側触媒電極層、電解質多孔質層、外側触媒電極層、外側金属製中空材がこの順に形成されたチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法において、上記内側金属製中空材上に、触媒電極層形成用塗工液を塗布して内側触媒電極前駆体層を形成する内側触媒電極前駆体層形成工程と、上記内側触媒電極前駆体層上に、溶融硝子を塗布して電解質多孔質前駆体層を形成する電解質多孔質前駆体層形成工程と、上記内側金属製中空材上に上記各層が形成された積層体を焼成し、酸処理を行うことにより、上記電解質多孔質前駆体層を電解質多孔質層とする焼成酸処理工程と、上記焼成酸処理工程後の積層体上に、触媒電極層形成用塗工液を塗布して外側触媒電極前駆体層を形成する外側触媒電極前駆体層形成工程と、上記外側触媒電極前駆体層上に、外側金属製中空材を形成する外側金属製中空材形成工程と、上記内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層内に白金を析出させることにより、上記内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層を内側触媒電極層および外側触媒電極層とする白金析出工程と、を少なくとも有することを特徴とするチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法を提供する。
本発明のチューブ型燃料電池用膜電極複合体(以下、単に膜電極複合体と称する場合がある。)の製造方法により製造される膜電極複合体には金属製中空材が用いられており、その金属製中空材が集電体として働くため、発電反応により発生した電力を効率よく集電することができる。本発明においては、内側金属製中空材上に上記各層を形成することにより、上述したような集電効率の良好な膜電極複合体を精度良く効率的に製造することができる。
上記発明においては上記内側金属製中空材が連続中空材であり、上記外側金属製中空材形成工程において、上記連続中空材を上記外側金属製中空材と同じ長さに切断することが好ましい。連続中空材を用いて連続的に膜電極複合体を製造し、それを切断することにより、均一な構成を有する膜電極複合体をより効率的に製造することができる。
本発明のチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法は、発電反応により発生した電力の集電効率が良好な膜電極複合体を、精度良く効率的に製造することが可能であるといった効果を奏する。
以下、本発明のチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法について詳細に説明する。
本発明のチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法は、内側金属製中空材上に内側触媒電極層、電解質多孔質層、外側触媒電極層、外側金属製中空材がこの順に形成されたチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法において、上記内側金属製中空材上に、触媒電極層形成用塗工液を塗布して内側触媒電極前駆体層を形成する内側触媒電極前駆体層形成工程と、上記内側触媒電極前駆体層上に、溶融硝子を塗布して電解質多孔質前駆体層を形成する電解質多孔質前駆体層形成工程と、上記内側金属製中空材上に上記各層が形成された積層体を焼成し、酸処理を行うことにより、上記電解質多孔質前駆体層を電解質多孔質層とする焼成酸処理工程と、上記焼成酸処理工程後の積層体上に、触媒電極層形成用塗工液を塗布して外側触媒電極前駆体層を形成する外側触媒電極前駆体層形成工程と、上記外側触媒電極前駆体層上に、外側金属製中空材を形成する外側金属製中空材形成工程と、上記内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層内に白金を析出させることにより、上記内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層を内側触媒電極層および外側触媒電極層とする白金析出工程と、を少なくとも有することを特徴とするものである。
本発明においては、導電性の高い金属製中空材を触媒電極層や電解質多孔質層を形成するための基材として、および、発電反応により発生した電力を集電する集電体としてもちいる。そのため、本発明の製造方法により製造された膜電極複合体においては、効率的な集電が可能である。従来のチューブ型の膜電極複合体においては、金属やカーボンなどの導電性の高い層を中空管の内側に形成することが困難であるため集電を効率的に行うことができなかったが、本発明の製造方法を用いることにより、集電体をチューブの内側面上に有する膜電極複合体の効率的な製造が可能になる。
また、本発明の製造方法は、チューブ形状の内側面上に層を形成する工程を伴うことがなく、チューブ形状の内側金属製中空材の外側面上に順次層を形成するものであるので、各層を均一の厚さで形成することが可能である。
まず、本発明の膜電極複合体の製造方法により製造された膜電極複合体の構造について図を用いて説明する。
図1は、本発明の膜電極複合体の製造方法により製造された膜電極複合体の一例を示す概略構造図である。図1に示すように、本発明の製造方法により製造された膜電極複合体1は、チューブ形状の最内面に内側金属製中空材2が設けられており、その外側面上に内側触媒電極層3、電解質多孔質層4、外側触媒電極層5、および外側金属製中空材6が形成されている構造を有する。
次に、本発明の膜電極複合体の製造方法について、図を用いて説明する。
図2は、本発明の膜電極複合体の製造方法の、連続中空材を用いた場合の一例を示す概略工程図である。図2に示すように、内側金属製中空材2の外側面上に触媒電極層形成用塗工液7を塗布して内側触媒電極前駆体層を形成し(内側触媒電極前駆体層形成工程)、その上に溶融硝子8を塗布して電解質多孔質前駆体層を形成する(電解質多孔質前駆体層形成工程)。上記2つの層が形成された積層体を焼成酸処理炉9において焼成し、酸処理を行うことにより上記電解質多孔質前駆体層を電解質多孔質層とする(焼成酸処理工程)。
上記焼成酸処理工程後の積層体上に触媒電極層形成用塗工液7を塗布して外側触媒電極前駆体層を形成し(外側触媒電極前駆体層形成工程)、さらにその上に外側金属製中空材6を被覆する(外側金属製中空材形成工程)。この例においては、内側金属製中空材2に連続中空材を用いているので、上記外側金属製中空材形成工程において、連続中空材2を外側金属製中空材6と同じ長さに切断する。なお、図示はしていないが、切断後の積層体の内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層内に、その後の白金析出工程において白金を析出させることにより、上記内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層は、内側触媒電極層および外側触媒電極層とされ、膜電極複合体が完成する。
以下、このような本発明の膜電極複合体の製造方法について、工程ごとに説明する。
1.内側触媒電極前駆体層形成工程
本発明においては、内側触媒電極前駆体層等の膜電極複合体を構成する各層を形成するための基材として内側金属製中空材を用いる。このように、チューブ形状を有する膜電極複合体の再内面に導電性の高い金属製の中空材を用いることにより、上記内側金属製中空材に基材として、および集電体としての2つの役割を担わせることができ、膜電極複合体の構造および製造工程を簡略化することができる。
上述したような内側金属製中空材の形状は、中心部は燃料ガスや酸化剤ガスなどの気体がチューブの軸方向に通過できるような中空形状であり、かつ壁面部には、上記気体が内側金属製中空材の内側から外側へ、チューブの径方向に通過できるような空隙を有する形状であることが好ましい。このような形状の例としては、管の壁面部に、その壁面を貫通する孔を多数有する形状や、バネ形状のもの等を挙げることができる。
上記内側金属製中空材を形成する材料の材質としては、導電性を有する金属であれば特に限定されるものではないが、ステンレス鋼、チタン、白金、金、パラジウム等を用いることができる。中でもチタンがより好適に用いられる。
また、本発明においては、上記内側金属製中空材が連続中空材であることが好ましい。連続中空材を用いて本発明における一連の製造工程を連続的に行ない、最終的に後述する外側金属製中空材と同じ長さに切断することにより、膜電極複合体の製造をより効率的に行うことができる。
本工程においては、上述したような内側金属製中空材上に触媒電極層形成用塗工液を塗布することにより内側触媒電極前駆体層を形成する。本発明においては、後述する白金析出工程において内側触媒電極前駆体層内に白金を析出させることができるので、本工程において用いられる触媒電極層形成用塗工液には触媒が含有されている必要はなく、触媒の担体であるカーボンブラックやカーボンナノチューブ等のカーボン粉末が含有されていればよく、必要に応じてその他の添加物を添加することができる。
触媒電極層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、触媒の担体を分散させることができ、内側金属中空材内に浸透して腐食させることがない溶媒であれば特に限定されるものではない。用いることができる溶媒の例としては、アルコール、水、グリコール、脂肪酸エステル、塩化メチレン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
上述したような触媒電極層形成用塗工液を上記内側金属製中空材上に塗布する厚さ、つまり内側触媒電極前駆体層の厚さは特に限定されるものではないが、1〜100μmの範囲内、中でも3〜10μmの範囲内であることが好ましい。また、上記触媒電極層形成用塗工液を塗布する方法は、上記触媒電極層形成用塗工液を上記内側金属製中空材上に上記範囲内の厚さで均一に塗布できる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、スプレー法、キャスティング法、ディッピング法、静電塗装等の塗布方法を挙げることができる。
2.電解質多孔質前駆体層形成工程
本工程においては、上記内側触媒電極前駆体層上に溶融硝子を塗布して電解質多孔質前駆体層を形成する。本工程において形成された電解質多孔質前駆体層は、後述する焼成酸処理工程において焼成および酸処理されることにより、膜電極複合体における電解質多孔質層としての機能が付加される。
上記電解質多孔質前駆体層は、ケイ素酸化物を主成分とし、B−NaO等を含有する硝子を1300〜1500℃の範囲内、中でも1380〜1450℃の範囲内の温度において溶融し、それを内側触媒電極前駆体層上に塗布することにより形成することができる。その際の電解質多孔質前駆体層の厚さは、特に限定されるものではないが、1〜100μmの範囲内、中でも5〜10μmの範囲内であることが好ましい。
3.焼成酸処理工程
本工程においては、上記電解質多孔質前駆体層形成工程において形成された電解質多孔質前駆体層を焼成して多孔質化し、酸処理を行ってプロトン伝導基を付加することにより、上記電解質多孔質前駆体層を電解質多孔質層とする。このようなプロトン伝導基を有する多孔質硝子の膜を電解質膜として用いることには以下のような利点がある。
第一に、従来電解質膜として用いられてきたナフィオン(商品名:Nafion、デュポン株式会社製)等は耐熱性があまりないため、燃料電池の運転温度は80℃程度であったが、本発明に用いられる多孔質硝子は耐熱性が良好であるため、より高い温度において燃料電池を運転することができる。このことは、より広い温度範囲における燃料電池の運転を可能にする。また、従来の燃料電池の廃熱は、熱として利用するには温度が不十分な場合が多かったが、多孔質硝子の電解質膜を用いた燃料電池は100℃以上の温度で運転することができる。そのため、高い温度の廃熱を取り出すことができるので廃熱を熱源として有効利用することができ、燃料電池システム全体の効率を大幅に向上することができる。
第二に、多孔質硝子の電解質膜は材料自身の保水性が高いため、いったん水を吸着した後には、周囲の湿度が低下してもプロトン伝導性の低下が見られない。従来の電解質膜のプロトン伝導性を維持するためには精度よく加湿する必要があったが、多孔質硝子の電解質膜を用いた場合は従来のような加湿装置は必要なくなるため、燃料電池システム内の装置を簡略化することができ、コストの削減を計ることができる。
第三に、従来の電解質膜においては、高加湿状態における膨潤による電解質膜の寸法変化が問題となっていたが、多孔質硝子はその細孔に水分が含有されるため膨潤による寸法変化は生じない。そのため多孔質硝子の電解質膜においては、上記寸法変化に起因する破損等の不具合はなく、電解質膜の耐久性を向上することができる。
上述したような多孔質層は、上記電解質多孔質前駆体層を500〜700℃の範囲内、中でも550〜650℃の範囲内の温度において焼成することにより分相処理を行い、ケイ素酸化物に富む相と、B−NaOに富む相との2相に分相させ、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸によりB−NaOに富む相を溶出することにより形成することができる。
上記分相処理により形成される細孔の径の大きさは、分相処理における温度等の条件を調整することにより制御することができる。多孔質硝子の細孔の径が小さいほうが、より低湿度において水分子を吸着し、吸着した水分子の脱離も遅い。そのため、小さい細孔を有する多孔質硝子はより広い湿度範囲において高いプロトン電導性を維持できる。このような観点から本発明においては、細孔の径が0.001〜0.1μmの範囲内、中でも0.004〜0.005μmの範囲内であることが好ましい。
本工程においては、上記分相処理により多孔質化された電解質多孔質前駆体層に、さらに表面改質法等によりプロトン伝導基を付加する。これは、上記多孔質化された電解質多孔質前駆体層の表面のシラノール基と、官能基としてチオール基を有する有機ケイ素化合物のシランカップリング反応を利用してチオール基を導入し、それを酸化することによりチオール基からスルホン酸基への官能基変換を行うものである。
4.外側触媒電極前駆体層形成工程
本工程においては、上記焼成酸処理工程後の積層体上に、触媒電極層形成用塗工液を塗布して外側触媒電極前駆体層を形成する。この際に用いられる触媒電極層形成用塗工液や、その塗布方法等については、上記「1.内側触媒電極前駆体層形成工程」における触媒電極層形成用塗工液に関する記載と同様であるので、ここでの説明は省略する。
5.外側金属製中空材形成工程
本工程においては、外側金属製中空材内に、上記外側触媒電極前駆体層が形成された積層体を挿入することにより上記外側触媒電極前駆体層上に外側金属製中空材を形成する。上記内側金属製中空材として連続中空材を用いた場合は、所望の長さの外側金属製中空材内に、上記外側触媒電極前駆体層が形成された積層体を挿入し、該積層体を上記外側金属製中空材と同じ長さに切断する。
上述したような外側金属製中空材の形状は、中心部は上記積層体を外側金属製中空材内部に挿入できるような中空形状であり、かつ壁面部には、燃料ガスや酸化剤ガス等の気体が外側金属製中空材の内側から外側へ、チューブの径方向に通過できるような空隙を有する形状であることが好ましい。このような形状の例としては、管の壁面部に、その壁面を貫通する孔を多数有する形状や、バネ形状のものを挙げることができる。
上記積層体を外側金属製中空材内に挿入する方法としては、外側金属製中空材に管状のものを用いる場合は、外側金属製中空材を加熱等により膨張させ、上記積層体を挿入し、冷却する方法等を挙げることができる。また、外側金属製中空材にバネ形状のものを用いる場合は、バネを拡げた状態で上記積層体を挿入し、バネの拡がりを元に戻す方法等を挙げることができる。上記外側金属製中空材を形成する材料の材質としては、導電性を有する金属であれば特に限定されるものではないが、上記内側金属製中空材と同様の材料等を用いることができる。
6.白金析出工程
本工程においては、上記内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層内に白金を析出させることにより、上記内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層を内側触媒電極層および外側触媒電極層とする。
上記外側金属製中空材形成工程により得られた、触媒が担持されていないこと以外は膜電極複合体と同様の構造を有する積層体に白金イオン水溶液(〔Pt(NH〕Cl:0.01mol/l)を含浸し、電圧をかけることにより、内側および外側触媒電極前駆体層内のプロトンが移動した箇所のみに白金を析出させることができる。このような方法により担体に白金を担持することにより、白金を必要な箇所のみに析出させることができ、発電反応に寄与しない白金の量を最低限に抑制することができるので、コスト増加の一因となっている高価な白金の使用量を大幅に削減することができる。
7.その他
本発明においては、内側金属製中空材上に内側触媒電極前駆体層を形成する際、および/または、外側触媒電極前駆体層上に外側金属製中空材を形成する際の前処理として、金属製中空材の壁面の開口部を閉塞する空間閉塞材を塗布してもよい。これは、燃料ガスや空気などの気体が通過する、内側および外側の金属製中空材の壁面の開口部が触媒電極層形成用塗工液により閉塞されることを防止するものである。つまり、上記空間閉塞材は、内側触媒電極前駆体層が形成される前の内側金属製中空材上、および、または、外側金属製中空材が形成される前の外側触媒電極前駆体層上に塗布され、その後に塗布される触媒電極層形成用塗工液が上記開口部に入り込むことを抑制する。このような空間閉塞材は、後に加熱等により除去できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、離型材として一般的に用いられるケイ素酸化物等を用いることができる。
8.チューブ型燃料電池用膜電極複合体
次に、本発明のチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法により製造された、チューブ型燃料電池用膜電極複合体について説明する。
本発明の製造方法により製造された膜電極複合体は、図1に例示するように、内側金属製中空材2上に内側触媒電極層3、電解質多孔質層4、外側触媒電極層5、外側金属製中空材6がこの順に形成されたものである。本発明の膜電極複合体1の製造方法により製造された膜電極複合体1は、各層がチューブ形状の内側金属製中空材2の外側面上に順次形成するものであるので、本発明の方法により製造された膜電極複合体1の寸法精度は良好であり、均一な厚さの層により構成されている。
また、本発明においては、触媒電極層や電解質多孔質層を形成するための基材として導電性の高い内側金属製中空材を用いているため、その基材は同時に、発電反応により発生した電力を集電する集電体としても機能する。そのため、本発明の製造方法により製造された膜電極複合体においては、効率的な集電が可能である。
さらに、本発明においては、多孔質硝子にプロトン伝導基を付加した電解質多孔質層を電解質膜として用いている。多孔質硝子を用いた電解質多孔質層は、耐熱性、耐膨潤性、保水性等に優れているため、従来のものに比べてより広い範囲の温度において燃料電池を運転することが可能であり、耐久性も高く、精度の高い湿度制御を要することがない等電解質膜としての優れた機能を有する。
加えて、本発明における内側触媒電極層および外側触媒電極層は、内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層に電圧をかけることにより、プロトンが移動した箇所にのみに白金を析出させたものである。そのため、必要な箇所にのみ白金が担持されており、コスト増加の一因となる高価な白金の使用量が大幅に削減されている。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の膜電極複合体の製造方法により製造された膜電極複合体の一例を示す概略構成図である。 本発明の膜電極複合体の製造方法の一例を示す概略工程図である。
符号の説明
1 … 膜電極複合体
2 … 内側金属製中空材
3 … 内側触媒電極層
4 … 電解質多孔質層
5 … 外側触媒電極層
6 … 外側金属製中空材

Claims (2)

  1. 内側金属製中空材上に内側触媒電極層、電解質多孔質層、外側触媒電極層、外側金属製中空材がこの順に形成されたチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法において、
    前記内側金属製中空材上に、触媒電極層形成用塗工液を塗布して内側触媒電極前駆体層を形成する内側触媒電極前駆体層形成工程と、
    前記内側触媒電極前駆体層上に、溶融硝子を塗布して電解質多孔質前駆体層を形成する電解質多孔質前駆体層形成工程と、
    前記内側金属製中空材上に前記各層が形成された積層体を焼成し、酸処理を行うことにより、前記電解質多孔質前駆体層を電解質多孔質層とする焼成酸処理工程と、
    前記焼成酸処理工程後の積層体上に、触媒電極層形成用塗工液を塗布して外側触媒電極前駆体層を形成する外側触媒電極前駆体層形成工程と、
    前記外側触媒電極前駆体層上に、外側金属製中空材を形成する外側金属製中空材形成工程と、
    前記内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層内に白金を析出させることにより、前記内側触媒電極前駆体層および外側触媒電極前駆体層を内側触媒電極層および外側触媒電極層とする白金析出工程と、
    を少なくとも有することを特徴とするチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法。
  2. 前記内側金属製中空材が連続中空材であり、前記外側金属製中空材形成工程において、前記連続中空材を前記外側金属製中空材と同じ長さに切断することを特徴とする請求項1に記載のチューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法。
JP2004209582A 2004-07-16 2004-07-16 チューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法 Pending JP2006032130A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004209582A JP2006032130A (ja) 2004-07-16 2004-07-16 チューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004209582A JP2006032130A (ja) 2004-07-16 2004-07-16 チューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006032130A true JP2006032130A (ja) 2006-02-02

Family

ID=35898224

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004209582A Pending JP2006032130A (ja) 2004-07-16 2004-07-16 チューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006032130A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010274213A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Sumitomo Electric Ind Ltd ガス除害装置
CN101577327B (zh) * 2009-06-12 2011-09-21 天津力神电池股份有限公司 一种极片涂布方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010274213A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Sumitomo Electric Ind Ltd ガス除害装置
CN101577327B (zh) * 2009-06-12 2011-09-21 天津力神电池股份有限公司 一种极片涂布方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1148822C (zh) 具有纤维加强隔膜的表面复型燃料电池
US8821968B2 (en) Process for making layer-structured catalysts at the electrode/electrolyte interface of a fuel cell
JP3940946B2 (ja) 燃料電池用セル体およびその製造方法
JP2005518075A5 (ja)
TW200406077A (en) Fuel cell assembly and method of making the same
US8283084B2 (en) Hollow-shaped membrane electrode assembly for fuel cell and hollow-type fuel cell
JP4824916B2 (ja) 電流コレクタ支持型燃料電池
JP2006032130A (ja) チューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法
JP2005174846A (ja) 燃料電池ブロック及びその製造方法
US20030021890A1 (en) Process for making a fuel cell with cylindrical geometry
JP4929720B2 (ja) 燃料電池
US20130171539A1 (en) Tubular solid oxide fuel cell module and method of manufacturing the same
Zhang et al. Similarities and Differences between Gas Diffusion Layers Used in Proton Exchange Membrane Fuel Cell and Water Electrolysis for Material and Mass Transport
JP4687406B2 (ja) 燃料電池
JP4720185B2 (ja) 断熱管付きチューブ型燃料電池用膜電極複合体
JP4984518B2 (ja) 燃料電池の製造方法
JP4563084B2 (ja) チューブ型燃料電池用膜電極複合体の製造方法
KR101606161B1 (ko) 관형 금속 지지체 기반의 고체산화물 연료전지 제조 방법
JP4649886B2 (ja) チューブ型燃料電池用膜電極複合体、およびその製造方法
JP4674452B2 (ja) チューブ型燃料電池用膜電極複合体
JP3934970B2 (ja) 燃料電池セル及びセルスタック並びに燃料電池
JP5178004B2 (ja) 燃料電池セル及びセルスタック並びに燃料電池
JP4934967B2 (ja) 燃料電池用膜電極複合体
JP2005353489A (ja) チューブ型燃料電池用膜電極複合体
JPH05174837A (ja) 固体電解質型燃料電池の燃料電極用材料および燃料電極