JP2006031948A - 有機電解液および有機電解液電池 - Google Patents

有機電解液および有機電解液電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2006031948A
JP2006031948A JP2004204331A JP2004204331A JP2006031948A JP 2006031948 A JP2006031948 A JP 2006031948A JP 2004204331 A JP2004204331 A JP 2004204331A JP 2004204331 A JP2004204331 A JP 2004204331A JP 2006031948 A JP2006031948 A JP 2006031948A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
organic electrolyte
mass
parts
negative electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004204331A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4518547B2 (ja
Inventor
Kaneyasu Chiyou
金保 趙
Shigeo Aoyama
青山  茂夫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP2004204331A priority Critical patent/JP4518547B2/ja
Publication of JP2006031948A publication Critical patent/JP2006031948A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4518547B2 publication Critical patent/JP4518547B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】 二次電池に用いた場合に、充放電サイクルの増加時における電池の容量低下、熱安定性の低下および膨れの発生を抑制可能な有機電解液と、該有機電解液を用いてなる有機電解液電池を提供する。
【解決手段】 有機電解液電池に用いられる有機電解液に、少なくとも、下記一般式(1)または(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物、ビニレンカーボネート、酸、非水性有機溶媒および電解質塩を含有させることで、上記課題を解決する。
【化1】


[式(1)中、Rはエチレン、プロピレンまたはイソプロピレンを表し、式(2)中、RおよびRは水素原子、メチル基またはエチル基を表し、RとRとの炭素数の合計が2以下である。]

Description

本発明は、有機電解液と、該有機電解液を有する有機電解液電池に関するものである。なお、本明細書は、本発明の有機電解液の主要な用途である有機電解液二次電池との関係を中心に記載するが、本発明の有機電解液は、その用途が有機電解液二次電池に限定される訳ではなく、有機電解液一次電池にも適用できる。すなわち、本発明の有機電解液電池は、二次電池のみならず、一次電池も包含するものである。
近年、携帯電話やPDA(携帯情報端末)などの携帯機器の加速度的な普及に伴い、その電源として、高エネルギー密度を有するリチウム電池やリチウムイオン二次電池の需要が急速に拡大している。これらの電池は、現在、上記の如き携帯機器用の標準電池としてのポジションを確立しており、更なる発展に対しても、大きな期待が寄せられている。
リチウム電池やリチウムイオン二次電池は、電解液の溶媒として有機溶媒を用いた有機電解液を有する有機電解液電池である。この有機電解液の溶媒としては、これまで、エチレンカーボネートなどの環状エステルと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステルとが混合して用いられてきた。
ところが、上記のような鎖状エステルを主溶媒とする有機電解液を用いた電池(二次電池)は、充放電サイクルの増加に伴って容量低下や膨れが起こりやすい。この現象は、主に電気化学的還元性の高い負極が、有機電解液中の溶媒や電解質塩と反応することによるものである。そこで、こうした問題を解決するために、近年、充放電サイクル時における有機電解液成分と負極との反応による該成分の分解を抑制するための手法が種々提案されている(例えば、特許文献1〜7など)。
これら特許文献1〜7に開示の技術は、有機電解液中にビニレンカーボネートなどの炭酸エステル系の添加剤や、トリチオカーボネート類などのイオウ化合物系の添加剤を添加させ、有機電解液成分の分解を抑制するものである。その機構は、例えば、特許文献5では、炭酸エステル系添加剤やイオウ化合物系添加剤が、皮膜形成などすることによる、としている。
特開平4−206471号公報 特開平10−334944号公報 特開2000−340259号公報 特開2001−135351号公報 特開2001−297790号公報 特開2002−237285号公報 特開2002−270233号公報
上記特許文献1〜7に開示されているように、有機電解液に特定の添加剤を用いることで、添加剤を用いていない場合と比較して、負極上での有機電解液成分の分解反応を抑制することが可能であるが、本発明者らの検討によると、これらの技術では、該添加剤や該添加剤の分解物による副反応が生じやすいという問題があることが判明した。例えば、エチレントリチオカーボネートなどのイオウ化合物を用いると、電池のサイクル特性は改善されるが、該イオウ化合物の分解物の副反応により、電池の電位低下や自己放電が大きくなる。また、ビニレンカーボネートなどの炭酸エステルを用いると、多量のガスが発生して電池の膨れが生じる。さらに、これらの添加物の利用による効果は必ずしも十分ではなく、特に異常加熱時において、充電状態の負極との反応性が高いため、電池の熱安定性が低下する問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、二次電池に用いた場合に、充放電サイクルの増加時における電池の容量低下、熱安定性の低下および膨れの発生を抑制可能な有機電解液と、該有機電解液を用いた有機電解液電池を提供することを課題とする。
本発明は、有機電解液電池に用いられる有機電解液に、少なくとも、下記一般式(1)または(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物、ビニレンカーボネート、酸、非水性有機溶媒および電解質塩を含有させることで、上記課題を解決したものである。

[式(1)中、Rはエチレン、プロピレンまたはイソプロピレンを表し、式(2)中、RおよびRは水素原子、メチル基またはエチル基を表し、RとRとの炭素数の合計が2以下である。]
上記有機電解液においては、上記一般式(1)または(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物の含有量は、全溶媒100質量部に対して、0.2〜3質量部であることが、上記ビニレンカーボネートの含有量は0.2〜3質量部であることが、上記酸の含有量は、0.005〜0.2質量部であることが、それぞれ推奨される。
また、本発明には、上記の有機電解液、正極、負極、およびセパレータを有する有機電解液電池も包含される。
本発明によれば、充放電サイクルの増加に伴う容量低下や膨れ、さらには異常加熱時における熱安定性に優れた高性能の有機電解液電池を提供することができる。
本発明者らは、有機電解液電池の充放電サイクルの増加に伴う容量低下や膨れ、さらには異常加熱時における熱安定性を高めるべく鋭意検討を重ねた結果、有機電解液の添加剤として、上記一般式(1)または(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物と、ビニレンカーボネートと、酸を併用することで、負極表面にイオン伝導性を有する緻密な被膜を形成することが可能であること、および該被膜は上記トリチオカーボネート系化合物の分解物との親和性が低く、該分解物の負極での反応を抑制する保護層として機能し得ること、さらに、ビニレンカーボネートや酸の使用量を抑えて、ガス発生量を低減できること、を見出し、本発明を完成させた。以下、本発明を詳細に説明する。
上記一般式(1)または上記一般式(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物は、負極表面でイオン伝導性を有する高度に緻密な被膜を形成する。例えば、負極活物質として最も好ましい炭素材料を例に挙げて説明すると、該炭素材料が有機電解液中の上記トリチオカーボネート系化合物と先に一部反応し、負極表面に薄い良質の被膜を形成する。この反応がある程度進行すると、上記被膜は負極と有機電解液溶媒との反応を防止する保護層(プロテクト層)として機能するようになる。
上記一般式(1)で示されるトリチオカーボネート系化合物としては、エチレントリチオカーボネート、プロピレントリチオカーボネート、1−メチルエチレントリチオカーボネートが挙げられる。これらの中でも、エチレントリチオカーボネートが特に好ましい。
上記一般式(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物としては、例えば、ビニレントリチオカーボネート、1−メチルビニレントリチオカーボネート、1,2−ジメチルビニレントリチオカーボネート、1−エチルビニレントリチオカーボネートなどが例示できる。これらの中でも、ビニレントリチオカーボネートが特に好ましい。
なお、上記一般式(2)において、RとRとの炭素数の合計が2を超える化合物を有する有機電解液では、高性能電池に適用し難くなるため、好ましくない。RとRとの炭素数の合計が2を超える場合には、例えば、負極表面に良好な保護膜を形成し難くなる。
上記一般式(1)または(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物の有機電解液中での含有量は、負極を構成する活物質の性質やその表面積などに関係する。通常は、全溶媒100質量部に対して0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であって、3質量部以下、より好ましくは2質量以下、さらに好ましくは1.5質量部以下であることが望ましい。有機電解液中の上記トリチオカーボネート系化合物の含有量が少なすぎると、負極の全表面に被膜が形成できないか、形成される被膜の厚みが薄くなり、負極表面での溶媒の電気化学的な還元の抑制効果が不十分となることがある。他方、上記トリチオカーボネート系化合物の含有量が多すぎると、負極表面に形成される被膜の厚みが厚くなって、Liの移動を阻害し、電池の内部抵抗が増大してレート特性が低下することがあり、また、トリチオカーボネート系化合物の分解物量が多くなりやすく、電池の特性に悪影響を及ぼすことがあるため、高性能電池の有機電解液として適用し難くなる。さらに、上記一般式(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物の場合には、その含有量が多すぎると、該トリチオカーボネート系化合物自身が有機電解液中で重合してポリマーとなるため、有機電解液の粘度が増大したり、負極表面で被膜形成に寄与するトリチオカーボネート系化合物の割合が、却って低下することがある。
有機電解液が含有するビニレンカーボネートも負極表面でイオン伝導性を有する高度に緻密な被膜を形成する。この被膜は、イオウ化合物との親和性が低いため、上記トリチオカーボネート系化合物の分解物(イオウ化合物)の負極での反応を抑制できる。また、負極表面での有機電解液の溶媒の分解の抑制にも寄与し得る。
有機電解液中のビニレンカーボネート含有量も、負極を構成する活物質の性質やその表面積などに関係する。通常は、全溶媒100質量部に対して0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であって、3質量部以下、より好ましくは2質量部以下であることが望ましい。有機電解液中のビニレンカーボネートの含有量が少なすぎると、イオウ化合物(トリチオカーボネート系化合物の分解物)や溶媒の負極表面での電気化学的な還元の抑制効果が不十分となることがある。また、ビニレンカーボネートの含有量が多すぎると負極でのガス発生量が多くなるといった問題が生じることがある。
本発明の有機電解液の有する酸は、有機電解液内でリチウム塩を形成する。上記の各被膜がこのリチウム塩を取り込むことで、有機電解液溶媒の還元分解をより高度に抑制できるようになる。また、リチウム塩を含有する被膜は、熱安定性が高くなるため、高温での有機電解液溶媒との反応性が低い。よって、異常加熱時における発熱を抑えることもできる。
上記酸としては、各種の無機酸および有機酸を用い得る。例えば、炭酸ガス、燐酸、ギ酸、酢酸、コハク酸などが例示できる。中でも、ギ酸および酢酸が特に好ましい。有機電解液中の酸の含有量は、全溶媒100質量部に対して0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であって、0.2質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下であることが望ましい。有機電解液中の酸の含有量が多すぎると、電池の初期充放電時の付加逆容量が大きくなることから、初期の放電容量が小さくなることがある。
上記有機電解液に用いる溶媒としては、誘電率が20以上の高誘電率の有機溶媒が好適である。高誘電率の有機溶媒としては、例えば、エーテル類やエステル類(カーボネート類など)などが挙げられる。上記有機電解液では、特に誘電率が30以上のエステル類を用いることが好ましい。誘電率が30以上のエステル類としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、イオウ系エステル(エチレングリコールサルファイトなど)などが挙げられる。中でも環状エステルが好ましく、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネートが特に推奨される。なお、上記の誘電率は、二重円筒管電流測定法(周波数:10kHz、室温)で測定して得られる値である。
また、上記溶媒には、低粘度の極性有機溶媒を用いることもできる。例えば、粘度が1.0cps以下の鎖状エステルが好適である。このような鎖状エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状アルキルエステルなどが挙げられる。
上記の各種溶媒以外にも、プロピオン酸メチルなどの鎖状アルキルエステル、リン酸トリメチルなどの鎖状リン酸トリエステル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、テトラグリム、ニトリル系溶媒(3−メトキシプロピオニトリルなど)なども用いることができる。
さらに、フッ素系の溶媒も用いることができる。フッ素系の溶媒としては、例えば、H(CF)OCH、COCH、H(CF)OCHCH、H(CF)OCHCF、H(CF)CHO(CF)Hなど、または、CFCHFCFOCH、CFCHFCFOCHCHなどの直鎖構造の(パーフロロアルキル)アルキルエーテル、あるいは、イソ(パーフロロアルキル)アルキルエーテル、すなわち、2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルメチルエーテル、2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルエチルエーテル、2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルプロピルエーテル、3−トリフロロオクタフロロブチルメチルエーテル、3−トリフロロオクタフロロブチルエチルエーテル、3−トリフロロオクタフロロブチルプロピルエーテル、4−トリフロロデカフロロペンチルメチルエーテル、4−トリフロロデカフロロペンチルエチルエーテル、4−トリフロロデカフロロペンチルプロピルエーテル、5−トリフロロドデカフロロヘキシルメチルエーテル、5−トリフロロドデカフロロヘキシルエチルエーテル、5−トリフロロドデカフロロヘキシルプロピルエーテル、6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルメチルエーテル、6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルエチルエーテル、6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルプロピルエーテル、7−トリフロロヘキサデカフロロオクチルメチルエーテル、7−トリフロロヘキサデカフロロオクチルエチルエーテル、7−トリフロロヘキサデカフロロヘキシルオクチルエーテルなどが挙げられる。さらに、以上の化合物と直鎖構造の(パーフロロアルキル)アルキルエーテルを混合して用いることもできる。
上記有機電解液に係る電解質塩としては、リチウムの過塩素酸塩、有機ホウ素リチウム塩、トリフロロメタンスルホン酸塩に代表される含フッ素化合物の塩、イミド塩などが好適に用いられる。このような電解質塩の具体例としては、LiClO、LiPF 、LiBF 、LiAsF、LiSbF 、LiCFSO、LiCSO 、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO 、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO(Rfはフルオロアルキル基を表す)などが挙げられ、これらの1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも、電池の充放電特性が良好となる点で、LiPFやLiBFが好ましい。こうした含フッ素有機リチウム塩はアニオン性が大きく、かつイオン解離しやすいので上記溶媒に溶解しやすいからである。
有機電解液中の電解質塩の濃度は、特に限定されるものではないが、例えば、0.5mol/l以上、より好ましくは0.8mol/l以上であって、1.7mol/l以下、より好ましくは1.2mol/l以下であることが望ましい。
上記有機電解液には、電池の性能を向上することができる各種の添加剤を添加してもよい。例えば、C=C不飽和結合を有する化合物を有機電解液中に添加すると、サイクル特性の低下を抑制できる場合がある。このような不飽和結合を有する化合物としては、例えば、C11(シクロヘキシルベンゼン)などの芳香族化合物;H(CFCHOOCCH=CH、F(CFCHCHOOCCH=CHなどのフッ素化された脂肪族化合物;フッ素含有芳香族化合物;などが挙げられる。
また、本発明の有機電解液は、公知のゲル化剤(ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、フッ化ビニリデン−パーフルオロプロピレン共重合体などのポリマーなど)を用いてゲル状態や固体状態として用いてもよい。
本発明の有機電解液の調製に当たり、溶媒や電解質塩、トリチオカーボネート系化合物、ビニレンカーボネート、酸などの配合順序は特に重要ではなく、調製された有機電解液において、上記トリチオカーボネート系化合物、ビニレンカーボネート、酸、溶媒および電解質塩が含有されていればよい。
本発明の有機電解液電池は、上記本発明の有機電解液を含有するものであり、一次電池と二次電池が含まれる。以下、本発明の有機電解液を有する有機電解液二次電池の好適な構成を説明する。正極に用いる正極活物質としては、例えば、リチウムイオンを脱挿入可能な酸化物または硫化物が挙げられる。具体的には、リチウムコバルト酸化物(LiCoOなど)、リチウムマンガン酸化物(LiMnなど)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)など、リチウムマンガン・ニッケル複合酸化物、リチウムチタン酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物;二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物;などが挙げられる。特にLiCoO、LiMn、LiNiOや、リチウムマンガン・ニッケル酸化物などの充放電の開路電圧がLi基準で4V以上を示すリチウム複合酸化物を正極活物質として用いる場合には、高エネルギー密度のリチウム二次電池が得られることから好ましい。
正極としては、例えば、上記の正極活物質に導電助剤や結着剤などを適宜配合してなる正極合剤を、アルミニウム箔などの集電材料を芯材として、加圧成形などにより帯状などの成形体に仕上げたものが用いられる。導電助剤および結着剤としては、従来公知のものが適用可能である。例えば、導電助剤としては、カーボンブラック、鱗片状黒鉛、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、繊維状炭素などが挙げられる。また、結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンラバーなどが例示できる。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金に代表されるリチウム合金、その他リチウムイオンを脱挿入(ドープ・脱ドープ)できる材料が挙げられる。リチウムイオンを脱挿入できる材料としては、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素材料;スズまたはケイ素を含有する酸化物;などが挙げられる。すなわち、本発明の電池に係る負極活物質としては、リチウムイオンを電気化学的に出し入れ可能で、有機電解液の含有成分と一部反応して負極表面に被膜を形成可能な材料であればよく、例えば、上記炭素材料、上記リチウム合金、上記酸化物などが好ましく、炭素材料が特に好ましい。
負極に用いられる炭素材料としては、下記特性を有するものが特に推奨される。その(002)面の層間距離d002は、0.35nm以下、より好ましくは0.345nm以下、さらに好ましくは0.34nm以下であることが望ましい。また、c軸方向の結晶子の大きさLcは、3nm以上、より好ましくは8nm以上、さらに好ましくは25nm以上であることが望ましい。さらに、その平均粒径は8〜15μm、特に10〜13μmが好ましく、純度は99.9%以上であることが望ましい。
負極の作製方法は、用いる負極活物質の種類によって次の2方法に大別される。例えば、上記負極活物質に金属(リチウム金属)や合金(リチウム合金)を用いる場合には、金網、エキスパンドメタル、パンチングメタルなどの金属多孔体からなる負極集電体に、負極活物質の金属や合金を圧着して負極を作製する方法が採用される。また、負極活物質として炭素材料などを用いる場合には、該負極活物質に、必要に応じて正極の場合と同様の結着剤などを加え、混合して負極合剤を調製する。この負極合剤を溶剤に分散させてペーストにし(結着剤は予め溶剤に溶解または分散させておいてから負極活物質などと混合してもよい)、得られた負極合剤含有ペーストを銅箔やニッケル箔などからなる負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経て負極が作製される。なお、負極作製方法は、これらに限定される訳ではなく、他の方法を採用しても構わない。
セパレータとしては、例えば、厚さが10〜50μmで、開孔率が30〜70%の微多孔性ポリエチレンフィルム、微多孔性ポリプロピレンフィルム、微多孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルムなどが好適に使用される。
例えば、電池を作製するに当たり、正極、負極およびセパレータで構成される電極積層体として、巻回電極体を作製し、これを用いてもよい。巻回電極体としては、シート状の正極とシート状の負極とをセパレータを介して渦巻状に巻回することで作製されるものが挙げられる。また、このようにして円形または楕円形に巻回された巻回電極体を、押しつぶすなどして長円形の巻回電極体としてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実験1[上記一般式(1)で示されるトリチオカーボネート系化合物を有する有機電解液を用いた有機電解液二次電池の特性評価]
実験1−1
<有機電解液の調製>
ジメチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、およびエチレンカーボネート(EC)を表1に示す組成(体積比)で混合して混合溶媒とした。これらの混合溶媒:100質量部に対して2質量部のエチレントリチオカーボネート(ETC)またはプロピレンチオカーボネート(PTC)、1質量部のビニレンカーボネート(VC)、および0.05質量部の酢酸を添加して混合し、LiPFを1.0mol/l溶解させて有機電解液を調製した。
<正極の作製>
LiCoO:92質量部に、鱗片状黒鉛(導電助剤):5質量部を加えて混合し、この混合物にポリフッ化ビニリデン:3質量部をN−メチルピロリドンに溶解させた溶液を加えて混合してスラリーにした。この正極合剤スラリーを、70メッシュの網を通過させて粗大物を取り除いた後、厚さ:20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗付して乾燥した。その後、ロールプレス機により圧縮成形して総厚を165μmにした後、切断し、リード体を溶接して、帯状の正極を作製した。
<負極の作製>
負極活物質に、以下の方法により合成された人造黒鉛を用いた。コークス粉末:100質量部、タールピッチ:40質量部、炭化ケイ素:14質量部およびコールタール:20質量部を、200℃で混合した後粉砕し、窒素雰囲気中で1000℃で熱処理し、さらに3000℃で黒鉛化させて人造黒鉛とした。得られた人造黒鉛のBET比表面積は4.0m/gで、X線回折法によって測定される(002)面の面間隔d002は0.3361nm、c軸方向の結晶子サイズLcは48nm、全細孔容積は1×10−3/kgであった。この人造黒鉛、スチレンブタジエンラバー(結着剤)、およびカルボキシメチルセルロース(増粘剤)を用い、それらを98:1:1(質量比)で混合し、適量の水を加えて、負極合剤含有ぺーストを調製した。得られた負極合剤含有ぺーストを厚さ:10μmの銅箔からなる負極集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成した後、カレンダーロールで圧縮成形して総厚を145μmとし、その後切断し、リード体を溶接して、帯状の負極を作製した。
<電池の作製>
集電体の両面に正極合剤を塗布して得た帯状正極を、厚さ:25μmの微孔性ポリオレフィンフィルムからなるセパレータを介して上記帯状負極に重ね、渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の電極積層体とした。この電極積層体に絶縁テープを取り付け、外寸が5mm×30mm×48mmの角形の電池ケース〔厚み(奥行き)5mm、幅30mm、高さ48mmの角形の電池ケース〕内に挿入し、リード体の溶接と封口用蓋板の電池ケースの開口端部へのレーザー溶接を行い、封口用蓋板に設けた電解液注入口から上記有機電解液を電池ケース内に注入し、該有機電解液がセパレータなどに充分に浸透した後、電解液注入口を封止して密閉状態にした。その後、予備充電、エイジングを行い、図1に示すような構造で図2に示すような外観を有する角形の有機電解液二次電池を作製した。
ここで図1および2に示す電池について説明すると、正極1と負極2は上記のようにセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の電極積層体6として、角形の電池ケース4に上記有機電解液と共に収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製に当たって使用した集電体としての金属箔や有機電解液などは図示していない。
電池ケース4はアルミニウム製で電池の外装材となるものであり、この電池ケース4は正極端子を兼ねている。そして、電池ケース4の底部にはポリテトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体5が配置され、上記正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状巻回構造の電極積層体6からは正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、電池ケース4の開口部を封口するアルミニウム製の蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この蓋板9は上記電池ケース4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、電池ケース4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって電池ケース4と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、電池ケース4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は上記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は上記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図2では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極積層体の内周側の部分は断面にしていない。
また、比較のため、表1に示すように、トリチオカーボネート系化合物、VC、酢酸を含有していない有機電解液も同様に調製し、該有機電解液を用いた以外は上記と同じ手法で有機電解液二次電池を作製した。
<有機電解液二次電池の評価>
上記のようにして作製した各電池の特性を、以下の各手法により評価した。結果を表2に示す。
[初期充放電率]
電池を、36mAで15分間、続いて144mAで電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、更に4.2Vの定電圧で、充電開始からの全充電時間が6.5時間に達するまで充電した。このときの全ての充電容量を初期充電容量とした。初期充電容量は、充電開始時から充電終了時までの電流および電圧を、東洋System社製「TOSCAT−3000」で測定し、この装置で計算して求めた。その後、電池を144mAで3.0Vまで放電させ、その放電容量を初期放電容量とした。初期充放電率は、下式により求めた。
初期充放電率(%)=100×初期放電容量(mAh)/初期充電容量(mAh)
[電池容量]
電池を1CmA(720mA)で4.2Vになるまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で2.5時間充電して(この状態を満充電状態という)から、1CmAで3Vまで放電して放電容量を測定した。この放電容量は、下記サイクル特性の1サイクル目での放電容量に相当する。
[サイクル特性]
電池を1CmAで4.2Vになるまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で2.5時間充電してから、1CmAで3Vまで放電するサイクルを繰り返した。400サイクル後の放電容量を測定し、その放電容量の初期放電容量に対する値を算出して、電池の容量維持率とし、この値によりサイクル特性の良否を評価した。
表1および表2に示すように、トリチオカーボネート系化合物、ビニレンカーボネートおよび酢酸を含有する有機電解液を用いた電池(実験No.1−1〜1−6)では、例えば、トリチオカーボネート系化合物を含有しておらず、ビニレンカーボネートを含有している有機電解液を用いた電池(実験No.1−7、1−10)と比較すると、ほぼ同等の初期充放電率を備えつつ、非常に良好なサイクル特性を有している。また、ビニレンカーボネート、トリチオカーボネート系化合物とも含有していない有機電解液を用いた電池(実験No.1−8、1−9)では、初期充放電率およびサイクル特性が劣っている。
実験1−2(有機電解液中のETC含有量の、電池特性への影響評価)
ETCの含有量を表3に示すように変化させた他は、実験No.1−1と同じ組成の有機電解液を調製し、これらの有機電解液を用いて実験1−1と同様にして角形の有機電解液二次電池を作製した。これらの電池について、実験1−1と同様にしてサイクル特性を評価した。結果を表3に併記する。
表3に示すように、有機電解液中のETC含有量が、全溶媒100質量部に対して0.2質量部を下回ると、電池のサイクル特性が劣っている。なお、表3に示す各電池について、実験1−1と同様にして初期放電容量を測定したところ、ETCが3質量部を超えると、初期放電容量が低下する傾向にあった。
実験1−3(有機電解液中のVC含有量の、電池特性への影響評価)
VCの含有量を表4に示すように変化させた他は、実験No.1−1と同じ組成の有機電解液を調製し、これらの有機電解液を用いて実験1−1と同様にして角形の有機電解液二次電池を作製した。これらの電池について、実験1−1と同様にして初期放電容量を測定すると共に、下記の貯蔵試験も行った。結果を表4に併記する。
[貯蔵試験]
電池を1CmAで4.2Vになるまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で2.5時間充電してから、防爆型の恒温槽中(60℃)で20日間の貯蔵を行った。貯蔵後、室温まで冷却し、電池の電圧を測定してから、1CmAで3.0Vまで放電し、自己放電後の残存容量を求めた。
表4に示すように、VCの含有量が、全溶媒100質量部に対して0.2質量部を下回る場合には、初期放電容量や貯蔵試験における残存容量が低くなっていた。また、VCの含有量が3質量部を超えるものでは、VCの含有量が3質量部以下のものに比べて、上記貯蔵試験における60℃、20日間の貯蔵後に、電池に若干の膨れが見られた。
実験1−4(有機電解液中の酢酸含有量の、電池特性への影響評価)
酢酸の含有量を表5に示すように変化させた他は、実験No.1−1と同じ組成の有機電解液を調製し、これらの有機電解液を用いて実験1−1と同様にして角形の有機電解液二次電池を作製した。これらの電池について、下記の加熱試験を行った。結果を表5に併記する。
[加熱試験]
オーブン中に、720mAの電流で2.5時間、4.2Vの定電流定電圧充電をした電池を設置し、5℃/分の速度で150℃まで昇温して、90分間保持し、電池表面の温度を測定した。この試験において、電池表面温度が設定温度より15℃以上高く、すなわち165℃以上であったものを「不良」とし、それ以外を「合格」とした。試験点数(電池数)は3とし、3つとも不合格であったものを「×」、3つとも合格であったものを「◎」、それ以外(すなわち、1つおよび2つが合格であったもの)を「○」とした。
表5に示すように、加熱試験の結果から、有機電解液に酢酸を添加することで、電池の熱安定性が向上している。なお、表5に示す各電池について、実験1−1と同様に初期放電容量を測定したところ、酸の量が全溶媒100質量部に対して0.2質量部を超えると、初期放電容量が低下する傾向にあることが分かった。これは、負極表面での被膜形成に必要な電気量が大きくなったこと、および形成された被膜が負極のリチウム挿入反応を阻害することで充電電気量が減少したことによるものと考えられる。
実験2[上記一般式(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物を有する有機電解液を用いた有機電解液二次電池の特性評価]
実験2−1
ジメチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、およびエチレンカーボネート(EC)を表6に示す組成(体積比)で混合して混合溶媒とした。これらの混合溶媒:100質量部に対して1質量部のビニレントリチオカーボネート(VTC)、1質量部のビニレンカーボネート(VC)、および0.05質量部の酢酸を添加して混合し、LiPFを1.0mol/l溶解させて有機電解液を調製した。
<電池の作製>
表6に示す組成の有機電解液を用い、実験1−1と同様にして角形の有機電解液二次電池を作製した。また、比較のため、表6に示すように、VTC、VCを含有しない有機電解液も同様に調製し、該有機電解液を用いた以外は上記と同じ手法で有機電解液二次電池を作製した。
<電池の評価>
上記のようにして得られた各電池の特性を、実験1−1と同様にして評価した。結果を表7に示す。
表6および表7に示すように、VTC、VCおよび酢酸を含有する有機電解液を用いた電池(実験No.2−1〜2−5)では、例えば、VTCを含有しておらず、VCは含有している有機電解液を用いた電池(実験No.2−6)と比較すると、初期充放電率をほぼ維持しつつ、非常に良好なサイクル特性を有している。また、VTCおよびVCを含有していない有機電解液を用いた電池(実験No.2−7、2−8)では、初期充放電率およびサイクル特性が劣っている。
実験2−2(有機電解液中のVTC含有量の、電池特性への影響評価)
VTCの含有量を表8に示すように変化させた他は、実験No.2−1と同じ組成の有機電解液を調製し、これらの有機電解液を用いて実験2−1と同様にして角形の有機電解液二次電池を作製した。これらの電池について、実験1−2と同様の評価も行った。結果を表8に併記する。
表8に示すように、有機電解液中のVTC含有量が、全溶媒100質量部に対して0.2質量部を下回る場合には、電池のサイクル特性が劣っている。なお、表3に示す各電池について、実験1−1と同様にして初期放電容量を測定したところ、VTCが3質量部を超えると、初期放電容量が低下する傾向にあった。
実験2−3(有機電解液中のVC含有量の、電池特性への影響評価)
VCの含有量を表9に示すように変化させた他は、実験No.2−1と同じ組成の有機電解液を調製し、これらの有機電解液を用いて実験2−1と同様にして角形の有機電解液二次電池を作製した。これらの電池について、実験1−3と同様の評価を行った。結果を表9に併記する。
表9に示すように、VCの含有量が、全溶媒100質量部に対して0.2質量部を下回る場合には、初期放電容量や貯蔵試験における残存容量が低くなっていた。また、VCの含有量が3質量部を超えるものでは、VCの含有量が3質量部以下のものに比べて、上記貯蔵試験における60℃、20日間の貯蔵後に、電池に若干の膨れが見られた。
実験2−4(有機電解液中の酢酸含有量の、電池特性への影響評価)
酢酸の含有量を表10に示すように変化させた他は、実験No.2−1と同じ組成の有機電解液を調製し、これらの有機電解液を用いて実験2−1と同様にして角形の有機電解液二次電池を作製した。これらの電池について、実験1−4と同様の評価を行った。結果を表10に併記する。
表10に示すように、加熱試験の結果から、有機電解液に酢酸を添加することで、電池の熱安定性が向上している。なお、表10に示す各電池について、実験1−1と同様に初期放電容量を測定したところ、酸の量が全溶媒100質量部に対して0.2質量部を超えると、初期放電容量が低下する傾向にあることが分かった。これは、負極表面での被膜形成に必要な電気量が大きくなったこと、および形成された被膜が負極のリチウム挿入反応を阻害することで充電電気量が減少したことによるものと考えられる。
実施例で作製した有機電解液二次電池の構造を示す模式図であり、(a)はその平面、(b)はその部分縦断面図である。 図1に示す有機電解液二次電池の斜視図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池ケース
5 絶縁体
6 電極積層体
7 正極リード体
8 負極リード体
9 蓋板
10 絶縁パッキング
11 端子
12 絶縁体
13 リード板

Claims (5)

  1. 少なくとも、下記一般式(1)または(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物、ビニレンカーボネート、酸、非水性有機溶媒および電解質塩を含有することを特徴とする有機電解液。


    [式(1)中、Rはエチレン、プロピレンまたはイソプロピレンを表し、式(2)中、RおよびRは水素原子、メチル基またはエチル基を表し、RとRとの炭素数の合計が2以下である。]
  2. 上記一般式(1)または(2)で示されるトリチオカーボネート系化合物の含有量は、全溶媒100質量部に対して0.2〜3質量部である請求項1に記載の有機電解液。
  3. 上記ビニレンカーボネートの含有量は、全溶媒100質量部に対して0.2〜3質量部である請求項1または2に記載の有機電解液。
  4. 上記酸の含有量は、全溶媒100質量部に対して0.005〜0.2質量部である請求項1〜3のいずれかに記載の有機電解液。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の有機電解液、正極、負極およびセパレータを有することを特徴とする有機電解液電池。
JP2004204331A 2004-07-12 2004-07-12 有機電解液および有機電解液電池 Expired - Fee Related JP4518547B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004204331A JP4518547B2 (ja) 2004-07-12 2004-07-12 有機電解液および有機電解液電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004204331A JP4518547B2 (ja) 2004-07-12 2004-07-12 有機電解液および有機電解液電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006031948A true JP2006031948A (ja) 2006-02-02
JP4518547B2 JP4518547B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=35898067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004204331A Expired - Fee Related JP4518547B2 (ja) 2004-07-12 2004-07-12 有機電解液および有機電解液電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4518547B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009302021A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Sony Corp 非水電解質組成物及びそれを用いた非水電解液二次電池
JP2011192610A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Hitachi Ltd リチウムイオン電池
EP2928005A1 (en) * 2014-04-02 2015-10-07 Panax Etec Co., Ltd. Electrolyte for long cycle life secondary battery and secondary battery containing the same

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04206471A (ja) * 1990-11-30 1992-07-28 Ricoh Co Ltd 非水系電解液及びそれを含む電池
JP2001135351A (ja) * 1999-10-12 2001-05-18 Samsung Sdi Co Ltd リチウム二次電池用電解液
JP2003086243A (ja) * 2001-09-06 2003-03-20 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解液二次電池の製造方法および非水電解液二次電池

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04206471A (ja) * 1990-11-30 1992-07-28 Ricoh Co Ltd 非水系電解液及びそれを含む電池
JP2001135351A (ja) * 1999-10-12 2001-05-18 Samsung Sdi Co Ltd リチウム二次電池用電解液
JP2003086243A (ja) * 2001-09-06 2003-03-20 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解液二次電池の製造方法および非水電解液二次電池

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009302021A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Sony Corp 非水電解質組成物及びそれを用いた非水電解液二次電池
JP2011192610A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Hitachi Ltd リチウムイオン電池
EP2928005A1 (en) * 2014-04-02 2015-10-07 Panax Etec Co., Ltd. Electrolyte for long cycle life secondary battery and secondary battery containing the same
JP2015198088A (ja) * 2014-04-02 2015-11-09 パナックス エテック カンパニー リミテッド 長寿命の二次電池用非水系電解液およびそれを含む二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP4518547B2 (ja) 2010-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5095090B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP4780833B2 (ja) 非水電解液および非水電解液二次電池
JP6396153B2 (ja) リチウム二次電池
US7682746B2 (en) Negative electrode for non-aqueous secondary battery
US20070141471A1 (en) Lithium ion secondary cell
JP2001023687A (ja) 非水電解質電池
JP4812067B2 (ja) 有機電解液およびそれを用いた有機電解液電池
JP2006140115A (ja) 非水電解液二次電池
JP5279045B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2007173014A (ja) 非水電解質二次電池
JP7115724B2 (ja) 電池用非水電解液及びリチウム二次電池
WO2016068033A1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP5335218B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP6191602B2 (ja) リチウムイオン二次電池
TWI622199B (zh) Lithium secondary battery
JP4578933B2 (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JP7168158B2 (ja) 電池用非水電解液及びリチウム二次電池
JP5474224B2 (ja) 非水電解液二次電池のシステム
JP4518547B2 (ja) 有機電解液および有機電解液電池
JP2000243439A (ja) 非水二次電池
JP2000123869A (ja) 非水二次電池
JP2003007303A (ja) 非水電解質電池
JP4793835B2 (ja) 非水二次電池
JP2020077575A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2019160615A (ja) リチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100517

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100517

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees