JP2006029906A - 妨害排除能力試験装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】妨害排除能力試験装置1において,電波無響室7と,高周波信号を発生する信号発生器と,放射アンテナ5と,複数の増幅器と,前記電波無響室の一端に供試機器2を載置するためのターンテーブル3とを備え,前記放射アンテナ5は第1のパラボラ反射鏡と該第1のパラボラ反射鏡の焦点位置の近傍に備えた1以上の一次放射器とから成るパラボラアンテナと円形導波管とからなり,前記パラボラアンテナと前記円形導波管8を,前記パラボラアンテナから放射される電磁波の放射軸線と前記円形導波管の軸線が略一致するように配置し,各一次放射器から放射した球面波を第1のパラボラ反射鏡で平面波に変換し前記円形導波管に導波し,導波した平面波を前記供試機器2に放射する
【選択図】 図1
Description
そして,アンテナから放射された電磁波の直接波のみを供試機器の置かれる規定された試験平面に浴びさせるように構成されている。(例えば,特許文献1参照)。
また,電波暗室内に試供体を配置し,同じ電波暗室内に固定したバイコニカルアンテナや対数周期アンテナから,水平もしくは垂直偏波の電磁波を前記供試体に印加する放射電磁界試験法や,TEMセルおよびGTEMセルなどを用いるTEM導波路法などがある。
また,回転電磁界を前記供試体に印加する方法がある。(例えば,特許文献2参照)。
そこで発明者らはこの問題を解決するため上記試験電波の電界強度を上げることを試みたが,600V/mの電界強度が必要であり,これを上記提案の技術のように1台の増幅器・アンテナで実現する場合,高耐電圧のアンテナが必要になるばかりでなく,高耐電圧・高出力の電力増幅装置が必要であり,電磁波発生装置が物理的に大型化すると共に,妨害排除能力試験装置も大型化するという問題があった。また,コストが高くなるというという問題があった。
他の目的は,耐電力が低くて安価なアイソレータやサーキュレータを利用できるようにし,安価な妨害排除能力試験装置を提供することである。
他の目的は,電界を乱すようなサイドローブを除去した安定な電磁界を供試機器に放射して精度のよい妨害排除能力を測定できる妨害排除能力試験装置を提供することである。
他の目的は,電磁波の放射効率を高めることで低消費電力を実現できる妨害排除能力試験装置を提供することである。
伝搬路を自由空間から導波管モードにすることにより通過損失の低減が図れ,従来の耐電圧の低いアンテナや,従来の低出力の電力増幅装置が使用できる低コストな妨害排除能力試験装置を提供することができる。また,耐電力が低くて安価なアイソレータやサーキュレータを利用できるようにし,安価な妨害排除能力試験装置を提供することができる。また,パラボラ反射鏡の共用が図れ,アンテナ装置として小型化が可能である妨害排除能力試験装置を提供することができる。
電界を乱すようなサイドローブを除去した安定な電磁界を供試機器に放射して精度のよい妨害排除能力を測定できる妨害排除能力試験装置を提供することができる。また,前記パラボラアンテナと前記導波管の高次モードによる結合を防止でき広い周波数帯域に渡って安定した妨害排除能力を測定できる妨害排除能力試験装置を提供することができる。
電磁波の放射効率を高めることで低消費電力を実現できる妨害排除能力試験装置を提供することができる。
1は妨害排除能力試験装置であり電波無響室7の内部には,全面に電波吸収体が貼り付けてあり,該電波無響室内に放射された電磁波および,供試機器等により反射した電磁波は電波吸収体に吸収され熱エネルギーに変換される。
放射アンテナ5は,第1のパラボラ反射鏡51,該第1のパラボラ反射鏡51の焦点位置に一次放射器54を固定するための取付金具55および腕金53が備えられている。一次放射器54が1つの場合,取付金具55はなくてもよい。一次放射器54を複数個使用する場合は,各一次放射器54は前記該第1のパラボラ反射鏡51の焦点位置の近傍に設置すると良い。また,放射アンテナ5は,アンテナ支持金具52を備えており,前記アンテナ支柱4に設置できるようになっている。また,アンテナ支持金具52は放射アンテナの放射軸線を微調整できる機構を備えている。
また,サーキュレータ14は,放射アンテナ5から放射した電磁波が供試機器の金属部分で反射して前記放射アンテナで受信され,その受信電力によって,前記電力増幅装置13に印加され,前記電力増幅装置13が誤作動もしくは故障するのを未然に防止するためのものである。
まず,受信電界強度が600(V/m)を(dBμ/m)の単位に変換すると,
受信電界強度 A=20×Log(600×1E6)
ここで,aEbはa×10のb乗を表すものとする。
したがって,
A=175.56(dBμ/m)
となる。
次に,電界強度(dBμ/m)を電圧(dBμ)に変換する。
電圧 Et=E+G+Le−(Lf×L)−6
ここで,Et=受信機入力信号電圧(dBμ)
E=電界強度(dBμ/m)
G=アンテナ利得(dBi) ただし,0dBiとする。
Le=アンテナの実効長(dB)
=20×Log(λ/π)
λ=波長(m)
Lf=単位長あたりのケーブル損失(dB/m)
L=ケーブル長(m) ただし,0mとする。
開放値から終端値への換算のため6dB補正
したがって,
λ=3E8/1.8E9
=0.23(m)
Le=20×Log(0.23/3.14)
=−22.7(dB)
Et=175.56−22.7−6
=146.86(dBμ)
となる。
次に,電圧(dBμ)を電力(dBm)に換算する。
電力 Pi=Et−20×Log(√0.001×√50×1E6)
ここで,Pi=受信レベル(dBm)
Et=受信機入力信号電圧(dBμ)
したがって,
Pi=146.86−20×5.35
=39.86(dBm)
となる。
円形導波管の損失Γ2が1dB,円形導波管の他方の端面から試験平面までの損失
Γ3を5dBとすると,一次放射器1台の場合の供給電力Pは上式より,
P=Pi+Γ1+Γ2+Γ3
=39.86+5+1+5
=50.86 (dBm)
=122(W)
となる。
一方,自由空間に放射する従来の方法で,600V/mの電界強度を得るには
下記に示すとおり,送受信点間の距離が1mの場合,供給電力は28(KW)必要に
なる。
自由空間に放射する場合の供給電力Pfは次式により求められる。
Pf=Pi+Γ0
ここで,Γ0=送受信点間の距離が1mの場合の自由空間伝搬損失(dB)
=34.7(dB)
したがって,
Pf=39.86+34.7
=74.56 (dBm)
=28576(W)
となる。
したがって,本発明を適用することにより,200分の1程度の供給電力で所要の性能を得ることができるという効果を奏する。
Pn=P/(n×効率ηA×効率ηB)
ここで,n=3,ηA=75%,ηB=80%とすると
Pn=122/(3×0.75×0.8)
=67.8 (W)
試験平面において600V/mより低い電界強度でよい場合には,図5に示すように円形導波管80の長さを導波管8の長さよりも短くすることができる。このように構成することにより,電波無響室7の空間を有効に利用できるし作業性が向上し作業能率が上がる。
図6において,円形導波管8の端面から供試機器に至る伝播経路の間に電磁波64を前記供試機器に収束するための第2のパラボラ反射鏡9を備えている。円形導波管から放射された電磁波は第2のパラボラ反射鏡で反射され,第2のパラボラ反射鏡の焦点位置に置かれた供試機器2に照射するのでさらに小さな電力で強い電界を照射できる。
図7において,放射アンテナ5に代わって,カセグレン型のパラボラ反射鏡を使用している。
次に,動作について説明する。一次放射器54−1・54−2・・54−nから放射された電磁波は,第3のパラボラ反射鏡151および,第1のパラボラ反射鏡152で反射され平面波となってパラボラ反射鏡の放射軸線60に沿って供試機器2に放射される。このとき,各一次放射器54から放射された電磁波(65−1・65−2)の放射電磁界成分が空間で合成され円形導波管を介して前記供試機器2に照射される。
円形導波間に導波された電磁波は,円形導波管の他方の端面から供試機器に電磁波63が照射される。そして,供試機器2が載置されているターンテーブル3の試験平面(本実施例ではφ30cm)に均一な電磁界を発生させる。
たとえば,本実施例では放射アンテナ及び電力増幅装置を12台使用したが,これより多くても,小さくてもよい。また,本実施例では試験周波数として1〜1.5GHzを使用したがこれに限定されるものではなく,VHF帯〜SHF帯であれば使用できる。この場合,試験周波数に応じて適切なアンテナ(八木・宇田式アンテナ,ヘリカルアンテナ,電磁ホーン)を使用すればよい。
Claims (3)
- 妨害排除能力試験装置において,
電波無響室と,
高周波信号を発生する信号発生器と,
放射アンテナと,
1以上の増幅器と,
前記電波無響室の一端に供試機器を載置するためのターンテーブルとを備え,
前記放射アンテナは第1のパラボラ反射鏡と該第1のパラボラ反射鏡の焦点位置の近傍に備えた1以上の一次放射器とから成るパラボラアンテナと導波管とからなり,
前記パラボラアンテナと前記導波管を,前記パラボラアンテナから放射される電磁波の放射軸線と前記導波管の軸線が略一致するように配置し,各一次放射器から放射した球面波を第1のパラボラ反射鏡で平面波に変換し前記導波管に導波し,導波した平面波を前記供試機器に放射することを特徴とした妨害排除能力試験装置。
- 前記第1のパラボラ反射鏡の開口面と前記導波管の端面間には前記パラボラアンテナのサイドローブが前記導波管に導波されないように空間を設けたことを特徴とした請求項1に記載の妨害排除能力試験装置。
- 前記導波管の放射側の端部に第2のパラボラ反射鏡を備え,
前記第2のパラボラ反射鏡の焦点位置に被測定物を設置すると共に,
前記導波管を伝送してきた平面波を第2のパラボラ反射鏡の焦点位置に収束して供試機器に放射することを特徴とした請求項1または請求項2に記載の妨害排除能力試験装置。
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