JP2014195232A - アンテナ装置 - Google Patents

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一史 西澤
Ikuhiko Urata
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Abstract

【課題】裏面に地導体板を有した誘電体基板に形成された複数の素子アンテナからなるアレーアンテナ装置において、簡易構成にてアンテナ正面方向でのRCSをアンテナ動作帯域内外の複数帯域(あるいは広帯域)にて低減する。
【解決手段】裏面に地導体板11を有した誘電体基板2に素子アンテナ3が配列されてなるアレーアンテナ部の周囲に、素子アンテナ3の配列されていない地導体板11の外周部分を配置して、外周部分をアレーアンテナ部のアンテナ開口面に対して動作帯域外での所望距離を有する段差を設け、かつ、アレーアンテナ部内の一部の素子アンテナ後段に、受信波の振幅位相制御手段を設けた再放射波専用モジュール13を装荷したアレーアンテナ装置を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ動作帯域外のレーダ反射断面積を低減させるアンテナ装置に関するものである。
RCS(Radar Cross Section;レーダ反射断面積)とは、搭載用レーダにて目標物体を探知する際の反射能力を表わす指標である(非特許文献1参照)。レーダ用アンテナは、探知距離性能を高めるために、目標物体の到来方向に概略正対して設置することが多い。一般にレーダ用アンテナとして、鏡面アンテナやアレーアンテナ(例えばパッチアンテナアレーのような平面アンテナ)が使われている。
ところで、アンテナは到来電磁波を電気回路の電力に能率よく変換するという受信機能を有する(非特許文献2参照)。この受信状態では、到来電磁波の一部は散乱してRCSに寄与するが、残りはアンテナから受信され、電気回路側に伝達される。このため、電気回路側との整合が取れたアンテナでは、同面積を持つ導体板よりもアンテナ動作帯域でのRCS値は低減される特長を持つ。
相手方レーダの動作帯域が、自身のアンテナ動作帯域と異なる場合、受信機能によるRCS低減は期待できず、概略導体板と同じRCS値をもつこととなる。レーダ用アンテナにおいて、特にアンテナ動作帯域外での自身のRCS値低減対策が必要である。なお、対策を施す際、アンテナ動作帯域内での低RCS化性能も維持することが求められる。
従来、動作帯域外でのアンテナの低RCS化としては、特許文献1にて、パッチアンテナの地導体板を周波数選択板にて構成し、アンテナ動作帯域外での電波が地導体板での反射をなくすアレーアンテナが開示されている。
特開2011−217269号公報(図1)
コロナ社、アンテナ・電波伝播、P.40
コロナ社、アンテナ・電波伝播、P.1
一般に、レーダ用アンテナでのアンテナ動作帯域は狭いことが多いため、後述するように、ほとんどの帯域でパッチアンテナアレーは反射板とみえて、特にアンテナ正面方向にて高RCS値を示す。よって、相手方レーダの動作帯域がより広帯域である場合や、帯域がずれている場合には相手方レーダに発見され易いという課題があった。
また、アンテナ動作帯域内においても、後述のように、アレーアンテナに設けた周波数選択板の通過特性によってはアンテナ性能に悪影響を及ぼす可能性もある。例えば、周波数選択板が完全には地導体板として働かないがために、レーダ用アンテナのインピーダンス整合が取り難いこともありえる。さらに、放射効率の劣化も考えられる。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、アンテナ動作帯域外においてレーダ用アンテナ装置のレーダ反射断面積を低減することを目的とする。
この発明に係るアンテナ装置は、裏面に地導体板を有した誘電体基板に形成された複数の素子アンテナと、前記誘電体基板の裏面側に配置され、前記素子アンテナの後段に給電線で接続された給電モジュールと、を備えるアンテナ装置であって、前記誘電体基板の外周外側に顎上に突出し、前記地導体板に対して前記素子アンテナが配列されるアンテナ平面の法線方向に所定の高さの段差を有して前記地導体板とつながるように配置されるフレーム部と、前記素子アンテナの後段に受信波の振幅及び位相調整を施して再放射させる再放射モジュールとを備える。
本発明によれば、アンテナ開口面上での地導体板外側周囲領域(アンテナ素子が配置されていない領域であり、以後、フレーム部と呼ぶ)からの反射波を利用して、動作帯域外におけるレーダ用アンテナ装置全体のレーダ反射断面積を低減することができる。
また、搭載機種への設置制限に適した構造のアンテナ形状とすることができる。
このとき、一部のアンテナでの受信波を振幅、位相制御した後に再放射されることで、動作帯域内において前記フレーム部の影響を抑圧し、アンテナ自身の受信機能によるRCS低減効果を維持できる。
本発明に係る実施の形態1によるパッチアンテナアレーの構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態1による再放射専用モジュールの基本構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態1によるパッチアンテナアレーの反射波成分を示す模式図である。(a)はアンテナ動作帯域外、(b)はアンテナ動作帯域内を示す。 本発明に係る実施の形態1によるパッチアンテナアレーRCS計算値の一例である。 従来のパッチアンテナアレーの構成を示す図である。
まず、図を用いて、動作帯域外での低RCS化を実現する従来のアンテナ装置の構成とその課題について説明する。つぎに、本発明に係るアレーアンテナ装置について、実施の形態において説明する。
ここでは、動作帯域外での低RCS化を実現する従来のアンテナ装置の課題を説明するため、パッチアンテナからなる素子アンテナを複数個平面に配列したアレーアンテナ装置(以後、パッチアンテナアレーと称す)を例に取り上げて説明する。パッチアンテナアレーはアンテナ開口面の構造が簡素であるという特徴を有している。
図5は、従来のパッチアンテナアレーの概略構成を示す図である。図において、パッチアンテナアレーは、周波数選択板1、誘電体基板2、パッチ放射導体3、パッチアンテナの給電線4、各素子に接続されたモジュール5、モジュール5の集合体としたモジュール部6、給電回路部7、および周波数選択板1の裏面に設けられた電波吸収体から構成される。また、9はアンテナ動作帯域外での到来電磁波、10はアンテナ動作帯域内での到来電磁波の進行方向をそれぞれ表す矢印である。周波数選択板1単体では、動作帯域内において地導体板として到来電磁波10を反射する働きをする。一方、動作帯域外では到来電磁波9を通過する働きをする。従って、動作帯域内において、各パッチアンテナは、誘電体基板2、誘電体基板2の裏面に形成された周波数選択板1、誘電体基板2の表面に形成された複数のパッチ放射導体3、及び各パッチ放射導体3に接続された給電線4から構成されている。各パッチアンテナの給電線4は、その後段でモジュール5(モジュール部6)を介して給電回路部7とそれぞれ接続されている。
ここで、従来のパッチアンテナアレーの動作について説明する。アンテナは送信系と受信系の関係が可逆であるため、ここでは受信系の場合を例に説明する。動作帯域内の場合、到来電磁波10は周波数選択板1が地導体板として働くため、各パッチアンテナに受信され、給電線4を介してモジュール5に伝達される(図中の点線矢印)。モジュール5では低雑音増幅器や移相器等が格納されており、受信信号の振幅、位相が所望の励振開口分布となるように調整される。調整された受信信号は給電回路部7に伝わり、調整位相にて合成され、所望の受信信号として出力される。なお、レーダ用アンテナでのアンテナ動作帯域は狭いことが多い。
つぎに、動作帯域内におけるパッチアンテナアレーのRCS値(アンテナ正面方向)について説明する。送信時はアンテナ自ら放射しているのでRCS低減対策には当てはまらず、説明を省略する。受信時は、到来電磁波10の一部がアンテナに受信される。すなわち、アンテナ自身の働きでRCSは低減する。
一方、アンテナ動作帯域外では、到来電磁波9からは周波数選択板1が地導体板として見えないために、パッチアンテナとして動作しない。このため、上記のような受信機能は難しく、到来電磁波9はほぼ全て周波数選択板1を通過し、電波吸収体8に到達する。この電波吸収体8は到来電磁波9を減衰させて、後段のモジュール部6や給電回路部7への漏洩を防ぐために設けられている。しかしながら、電波吸収体8にて完全に電波を吸収することは困難であり、図5に示すようにモジュール部6や給電回路部7への漏洩が生じ、誤動作や特性劣化に繋がる恐れがある。一例では、漏洩波レベルによってはモジュール5内に搭載されている増幅器の発振を引き起こしかねない。
吸収性能を高めるには電波吸収体8の厚みを増す必要があるが、そうした場合は体積、重量、材料費共に増加するため、搭載用レーダとしては望ましくない。なお、特許文献1では、電波吸収体8の裏面に地導体板を設ける方法も記されているが、その場合、後段への漏洩は防げるが、逆に周波数選択板1を通過して到来方向に反射することも考えられる。場合によってはRCS増加に繋がる課題もあった。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態1によるアレーアンテナの概略構成を示す図であり、(a)はアンテナ開口上方より見た図、(b)は断面線AA’の断面図である。図1において、実施の形態1によるアレーアンテナ装置は、誘電体基板2、複数のパッチ放射導体3、パッチアンテナの複数の給電線4、送受信用のモジュール5、給電回路部7、地導体板11、金属や複合材料等の導電性部材からなるフレーム部12、及びアンテナ開口内一部の素子に装荷されている再放射専用モジュール13から構成され、パッチアンテナアレーを形成している。モジュール5と専用モジュール13の配置部分をまとめてモジュール部6とする。また、地導体板1の一部、誘電体基板2の一部、パッチ放射導体3及び給電線4は、各パッチアンテナ14を構成している。パッチアンテナ14は複数配列されて、アレーアンテナ部を構成する。
パッチ放射導体3は、誘電体基板2の平面状の表面(図1(b)の上面)に形成され、誘電体基板2の表面に2次元的に複数配列されている。地導体板11は、パッチ放射導体3から誘電体基板2を間に挟んで所定(一定)の距離だけ離れて、誘電体基板2の裏面(図1(b)の下面)に形成されている。各給電線4は、誘電体基板2及び地導体板11を貫通する同軸線や導波管で構成され、その一端部が各パッチ放射導体3にそれぞれ接続されている。給電線4の信号線(図示せず)は地導体板11に非接続となっている。また、各給電線4の他端部は各モジュール5に接続されている。また、一部のパッチアンテナ14は再放射専用モジュール13に接続されている。モジュール部6は、給電回路部7と接続されている。すなわち、パッチアンテナ14の給電線4は、その後段でモジュール部6を介して給電回路部7と接続されている。
フレーム部12は、アンテナ開口面領域の地導体板11に対して、パッチ放射導体3の配列されるアンテナ平面の法線方向に、図1(b)下方に距離hの段差を有して配置される。フレーム部12は、地導体板11の外周端から図1(b)下方に距離hだけずらして伸長され、筒形状に形成されるとともに、当該筒形状の部分から外側に突出した外周部分に鍔状の突出部(フランジ)を形成している。フレーム部12が地導体板11の設置位置から段差hを有して突出部を配置できるように、モジュール部6内に位置する各モジュールの筐体や固定部材等の外形がフレーム部12の形状に則して形成されている。なお、フレーム部12の前面(図1(b)の上面側)はパッチ放射導体が存在しないアンテナ開口端をなしている。
再放射専用モジュール13の基本構成を図2に示す。図2において、専用モジュール13は、前記パッチアンテナ14に相当するアンテナ15に接続するものとし、サーキュレータ16、低雑音増幅器17、移相器18にて構成される。専用モジュール13が装荷されているパッチアンテナ14は、例えば、低サイドローブ化を実現する開口振幅テーパ分布を素子間引きにより行う場合の間引き素子に振り分ける。この他には、非周期的に間引いた素子や最外周素子を選択しても良く、もともと配列されているアレーアンテナ部のパッチアンテナ14を妨げる必要がない。これら選択された素子は動作帯域内において送受信機能は持たない。
次に実施の形態1によるアレーアンテナ装置の動作について説明する。
アンテナは送信系と受信系の関係が可逆であるため、ここでは受信系の場合を例に説明する。動作帯域内の場合、到来電磁波10は周波数選択板1が地導体板として働くため、各パッチアンテナに受信され、給電線4を介してモジュール5に伝達される(図中の点線矢印)。モジュール5では低雑音増幅器や移相器等が格納されており、受信信号の振幅、位相が所望の励振開口分布となるように調整される。調整された受信信号は給電回路部7に伝わり、調整位相にて合成され、所望の受信信号として外部受信機(図示せず)へ出力される。
次に、本実施の形態1によるアレーアンテナ装置のRCS値(アンテナ正面方向)について説明する。図3は実施の形態1によるパッチアンテナアレーの反射波成分を示す模式図である。まず、アンテナ動作帯域外の場合を説明する。図3(a)において、21はアレーアンテナ部への入射波、22はアレーアンテナ部からの反射波、23はフレーム部への入射波、24はフレーム部からの反射波を表す。
パッチアンテナアレー全体のRCSは、一般的なパッチアンテナアレー(従来例のパッチアンテナアレー部分も含まれる)と同じでパッチアンテナ14が複数配置されたアレーアンテナ部、及びアレーアンテナ部の周囲に位置するフレーム部12からの反射波成分の重ね合わせとして形成される。
このアンテナ動作帯域外でのアレーアンテナ部でのRCS値は、入射波21とほぼ同一振幅(図では矢印を同じ太さで表記)の反射波22の素子数分加算で得られる。なお、パッチアンテナ14はアンテナとしての動作を行わない(地導体板と同じ)ので、モジュール5が装荷されているパッチアンテナ14と専用モジュール13が装荷されているパッチアンテナ14における両反射波も同じ振幅となる。しかしながら、実際、地導体板とパッチアンテナ面とは構造が異なることから、反射位相に関しては地導体板とパッチアンテナ面で異なる。なお、図では両者共に反射波22として表記している。
一方、フレーム部12は、地導体板11に対して距離がhの段差を含めて構成されている。従って、フレーム部12からの反射波24は、アンテナ開口面に対して段差hの2倍に相当する位相遅れpを伴って反射する。例えば、アンテナ動作帯域外のある周波数における波長がλoのとき、po=(2π/λo)・2h[rad]の位相遅れとなる。この距離hがλo/4の奇数倍の場合、アンテナ開口面からの反射波22に対して相対的に位相遅れpoがλo/2の奇数倍となって、反射波22と反射波24とは逆相の関係となるため、その両者は相殺され、パッチアンテナアレー全体のRCSは低減される。反射波22と反射波24の両者の反射量(振幅)が仮に等しい場合(アレーアンテナ部とフレーム部12との面積が同等)には、理想的にはRCSが0になる。
さて、前記での位相遅れpoの説明では、理解しやすくするためにアンテナ開口面とフレーム部12からの反射位相が段差hの効果を除いた場合に等しいとしていた。しかしながら、実際は両者の反射位相は異なるため、段差hは概略λo/4となる。
なお、図1(a)のアンテナ開口面において、アレーアンテナ部とフレーム部12との面積が同等となることを想定している。このため、図3において、フレーム部12への入射波23は各パッチアンテナ14への入射波21よりも振幅を大きくしている。なお、図では矢印を太く表記している。
アンテナ後段のモジュール部の筐体や固定部材等が、通常、最外周のパッチ放射導体の配置位置よりも周囲に広がるため、フレーム部は必然的に存在する。本実施の形態1では、このフレーム部12からの反射波を逆手に取り有効に利用して、動作帯域外におけるRCSを低減することができる。
つぎに、アンテナ動作帯域内におけるアレーアンテナ装置のRCS値(アンテナ正面方向)について説明する。図3(b)において、25はアレーアンテナ部への入射波、26は通常の送受信モジュール5を装荷したパッチアンテナ14の複数配置にて構成されるアレーアンテナ部からの反射波、27は再放射専用モジュール13装荷のパッチアンテナ14にて構成されるアレーアンテナ部からの反射波、28はフレーム部への入射波、29はフレーム部からの反射波を表す。
パッチアンテナアレー全体のRCSは、通常の送受信モジュール5を装荷したパッチアンテナ14と専用モジュール13装荷のパッチアンテナ14とで構成されたアレーアンテナ部からの反射波26と反射波27、及びアレーアンテナ部の周囲に位置するフレーム部12からの反射波29の重ね合わせとして形成される。
ここで、送受信モジュール5を装荷したパッチアンテナ14で構成されるアレーアンテナ部でのRCS値は、アンテナ開口面で反射する成分と、一度パッチアンテナ14で受信された電磁波がアンテナ後段で反射して再放射する成分(受信波の大半は、アンテナが整合された状態のため、送受信モジュール5の入力側に設置されているサーキュレータやスイッチなどを介してダミー終端にて吸収される)との、重ね合わせで形作られ、その合成成分はアンテナ開口面からの反射波26として捉えることができる。また、この場合、再放射する成分はその再放射の前にアンテナ内部損失により低減され、アンテナ開口面で反射する成分との位相関係によっては打ち消しが生じて、反射波成分26は入射波25よりも振幅は小さいと考える。なお、図では矢印を細く表記している。
フレーム部12は、地導体板11に対して距離がhの段差を含めて構成されている。従って、フレーム部12からの反射波29は、アンテナ開口面に対して段差hの2倍に相当する前述の位相遅れpo(=(2π/λo)・2h[rad])を伴って反射する。このpoはλo/2の奇数倍であるが、アンテナ動作帯域内では反射波26と反射波29とは逆相の関係とはならず、相殺されない。反射波26は前述の通り振幅が小さいため、反射波26の素子数分合成量と反射波29との振幅は概略、反射波29のみが顕著となり、この両者だけではパッチアンテナアレー全体としてはRCSの低減を図れない。なお、フレーム部12への入射波28とフレーム部12からの反射波29とは振幅は等しい。なお、図では矢印を同じ幅で表記している。
そこで、再放射専用モジュール13を装荷したパッチアンテナ14の設置が重要となる。この専用モジュール13装荷パッチアンテナ14で構成されるアレーアンテナ部でのRCS値は、アンテナ開口面で反射する成分と、一度パッチアンテナ14で受信された電磁波がアンテナ後段の専用モジュール13に伝搬し、振幅、位相調整されて再放射する成分との、重ね合わせで形作られ、その合成成分はアンテナ開口面からの反射波27として捉えることができる。この場合、再放射する成分は、受信波としてアンテナ15から専用モジュール13に伝搬され、専用モジュール13内でサーキュレータ16を介して低雑音増幅器17にて振幅が増幅され、移相器18にて反射波29に対して逆相の関係で再放射されるように位相制御され、再びサーキュレータ16を介してアンテナ15から再放射される。振幅増幅については、アンテナ15の内部損失、給電損失、及び専用モジュール13内の伝送損失を含めて、再放射波の振幅(専用モジュール13を装荷するアンテナ素子数倍)がフレーム部12からの反射波29の振幅に相当するように増幅量を決める。このため、入射波25に対して反射波27の振幅は大きい(図では矢印を太く表記)。以上より、アンテナ動作帯域内でのパッチアンテナアレー全体のRCSはフレーム部12からの反射波29とアレーアンテナ部からの反射波26および反射波27との重畳により低減される(概略、反射波27の振幅≒反射波29の振幅となる)。
なお、フレーム部12が設けられていない場合、専用モジュール13を装荷しない一般的なパッチアンテナアレーでも動作帯域内でのRCSを小さくすることができる。しかしながら、アンテナ後段のモジュール部の筐体や固定部材等が、通常、最外周のパッチ放射導体の配置位置よりも周囲に広がるため、フレーム部は必然的に存在する。本実施の形態1では、このフレーム部12からの反射波成分を逆手に取り動作帯域外では有効に利用して、RCSを低減すると共に、動作帯域内では再放射専用モジュール13装荷のパッチアンテナ14を複数配置し、それらからの振幅位相制御済みの再放射波による相殺効果でRCSを低減できる。
図4は、実施の形態1によるパッチアンテナアレーのRCS値の一例を示す図である。図中の点線は一般的なパッチアンテナアレー(以後、一般例と記載する)におけるアンテナ正面でのRCS周波数特性の軌跡、実線は本実施の形態1におけるアンテナ正面でのRCS周波数特性の軌跡である。本実施の形態1において、一般例に対してアンテナ動作帯域内外でのRCS低減が図れている。
また、アンテナ開口面の設置制限がある場合であっても、段差を有したフレーム部12とすることで、アンテナ開口面積を可能な限り大きく取って、動作帯域外で低RCSを実現しつつ、動作帯域内では専用モジュール装荷アンテナ素子からの再放射の効果で低RCSを維持(あるいは低減)でき、加えて探知距離性能も確保できる。
フレーム部12は複数の段差を有しても良い。その際、各段差の距離hは、アンテナ動作帯域外の低RCS化を図りたい周波数の概略波長の1/4の奇数倍を満たす必要がある。また、段差を有したフレーム部をアンテナ開口面の後段側に設置した構造としているが、場合によっては段差近傍の素子アンテナ(パッチアンテナ14)の特性が劣化しない範囲で、アンテナ開口面の前方側に段差を設けても良い。
さて、専用モジュール13は、前述の図2に示す構成に加えて、サーキュレータ16の代わりにスイッチとしても差し支えない。また、サーキュレータ16より後段の回路が発振を生じないように、低雑音増幅器17を可変増幅器に、あるいは低雑音増幅器17とサーキュレータ15の間に抵抗器やパッド(固定抵抗)などのアッテネータを接続して増幅量を調整できる手段を設ける改善もできる。
移相器18での設定位相値は、製品出荷前のRCS試験段階において、以下の手順で得られる。まず、RCS測定系にて、素子電界ベクトル回転法(REV法)を実施して、各移相器18の現状の位相値を求める。次にこの位相値に対してRCS最大となる位相値を求め、各専用モジュールにて設定する。最大RCS状態から180度オフセットした値が求める位相設定値となる。この際、前記振幅調整は成されているとする。
専用モジュール13を装荷するパッチアンテナ14の個数は、専用モジュール13内の振幅増幅能力(低雑音増幅器17とアッテネータの組み合わせ)に因る。例えば、モジュール内発振を引き起こさない振幅増幅能力が高ければ専用モジュール数は少なくできる。
アレーアンテナ装置として、パッチアンテナアレーを例に取り上げて説明してきたが、アンテナ方式としてはパッチアンテナ14に限らず、パッチ放射導体3の代わりに、ダイポールアンテナ、スロットアンテナ等、他方式の素子アンテナを用いて構成したアレーアンテナ装置を適用しても差し支えない。
以上説明した通り、実施の形態1によるアレーアンテナ装置は、複数の素子アンテナと、上記それぞれの素子アンテナから離れて配置された地導体板11と、上記地導体板11から段差を有して、当該地導体板11の外周より外側に突出して配置された構造部材としての導電性の突出部(フレーム部12)と、を備え、且つ、アレーアンテナ装置内の一部の素子アンテナには、サーキュレータ16、低雑音増幅器17、移相器18とで基本構成を成す再放射専用モジュールを装荷したことを特徴とする。
上記各素子アンテナは誘電体基板2の表面に配置されたパッチ放射導体3から形成され、上記地導体板11は当該誘電体基板2の裏面に配置されて形成される。また、この段差はアンテナ動作帯域外の所望周波数にて概略1/4波長の奇数倍の高さに設定すると良く、また、階段状に複数段形成しても良い。加えて、専用モジュール13内の低雑音増幅器17と移相器18にて再放射波の振幅位相を調整できる。
かくして、地導体板11を有したアレーアンテナにおいて、複数の素子アンテナの配列されたアレーアンテナ部の領域と、素子アンテナの配列されていない地導体板の外周部分とに区分けし、外周部分をアレーアンテナ部の領域に対して所望距離(可能であれば、アレーアンテナ部と同等の面積を実現できる)だけずらして段差を設ける。また、アレーアンテナ部のアンテナ開口面から伸長した地導体板部分にアンテナ動作帯域外における所望距離の段差を設けてフレーム部12を構成することにより、アレーアンテナ部からの反射波成分とフレーム部12からの反射波成分との相対位相量を、逆相の関係にして相殺することで、動作帯域外でのRCSを低減することができる。レドーム内部構造によるアンテナ開口面の設置制限がある場合にも、アンテナ開口面積及び利得の確保と段差を有したフレーム部設置とを、同時に実現できるという点で、構造上の利点がある。加えて、アレーアンテナ装置内の一部の素子アンテナには、サーキュレータ16、低雑音増幅器17、移相器18とで基本構成を成す再放射専用モジュールを装荷し、前記一部の素子アンテナでの受信波に対して、低雑音増幅器17と移相器18にて所望振幅、所望位相と調整した後に、再放射させることにより、その他素子アンテナで構成されるアレーアンテナ部やフレーム部からの反射波との相殺効果でアンテナ動作帯域内でのRCSを低減できる。
このように本実施の形態1によるアレーアンテナ装置は、レーダ用アレーアンテナ装置として構造上必要となるアンテナ開口面上での地導体板周囲のフレーム部からの反射波成分を利用して、アレーアンテナ装置全体のアンテナ動作帯域外におけるレーダ反射断面積を低減することができる。また、搭載機種への設置制限に適した構造のフレーム形状とすることができる。加えて、一部の素子アンテナに再放射専用モジュールを装荷し、振幅位相調整された再放射波を利用することで、アンテナ動作帯域内におけるRCS低減効果を維持(あるいはさらに改善)できる。このアレーアンテナ装置は、例えば航空機搭載レーダ用アレーアンテナとして、機軸方向での広帯域、あるいは複数帯域での低RCS化及び探知距離に応じた所望利得を実現した高機能アンテナを得ることが可能となる。
1 周波数選択板、2 誘電体基板、3 パッチ放射導体、4 給電機構、5 各素子のモジュール、6 モジュール部、7 給電回路部、8 電波吸収体、9 動作帯域外の到来電磁波、10 動作帯域内の到来電磁波、11 地導体板、12 フレーム部、13 再放射専用モジュール、14 パッチアンテナ、15 アンテナ、16 サーキュレータ、17 低雑音増幅器、18 移相器、21 アレーアンテナ部への入射波、22 アレーアンテナ部からの反射波、23 フレーム部への入射波、24 フレーム部からの反射波、25 アレーアンテナ部への入射波、26 アレーアンテナ部からの反射波、27 アレーアンテナ部一部からの反射波、28 フレーム部への入射波、29 フレーム部からの反射波。

Claims (8)

  1. 裏面に地導体板を有した誘電体基板に形成された複数の素子アンテナと、前記誘電体基板の裏面側に配置され、前記素子アンテナの後段に給電線で接続された給電モジュールと、を備えるアンテナ装置であって、
    前記誘電体基板の外周外側に顎上に突出し、前記地導体板に対して前記素子アンテナが配列されるアンテナ平面の法線方向に所定の高さの段差を有して前記地導体板とつながるように配置されるフレーム部と、
    前記素子アンテナの後段に受信波の振幅及び位相調整を施して再放射させる再放射モジュールと、
    を備えることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記段差の高さは、アンテナの動作帯域外の波長の概略1/4波長の整数倍の距離であることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記段差は、階段状に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のアンテナ装置。
  4. 前記誘電体基板の面積は前記フレーム部の面積と概略等しいことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のアンテナ装置。
  5. 前記再放射モジュールは、送受信機能を共用可能とするサーキュレータと、受信波の振幅調整用の低雑音増幅器と、位相調整用の移相器とを備えることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のアンテナ装置。
  6. 前記再放射モジュールは、可変アッテネータあるいは固定抵抗を有して増幅量が調整可能であることを特徴とする請求項5記載のアンテナ装置。
  7. 前記再放射モジュールと接続する素子アンテナは、低サイドローブ化のために前記誘電体基板内で間引かれた素子アンテナであることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のアンテナ装置。
  8. 前記再放射モジュールと接続する前記素子アンテナは、前記誘電体基板に形成された複数の素子アンテナの最外周に配置された素子アンテナであることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のアンテナ装置。
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