JP2006029648A - 蒸気調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】水を用いた洗浄をせずに簡単な構成で蒸気発生装置内に発生するスケールを低減できる蒸気調理器を提供する。
【解決手段】蒸気による加熱が終了した後にポット内の水温が所定温度以下になったとき、または、蒸気による加熱が終了してから所定時間が経過したとき、蒸気発生装置内の水を排水するように表示部11Aに表示して使用者に報知することにより、使用者は必要あると判断したとき、キー入力部11Bを操作して、排水バルブ70を開いて蒸気発生装置内の水を排水するので、スケールが発生しない条件で蒸気発生装置内の水を排水できる。
【選択図】図4

Description

この発明は、蒸気調理器に関する。
従来、被加熱物を加熱するための蒸気を発生する蒸気発生装置を備えた蒸気調理器がある(例えば、特開平7−243649号公報(特許文献1)参照)。この加熱調理器は、調理後、蒸気発生装置内に冷却水を供給して冷却した後、蒸気発生装置内で熱湯となった水を排水することにより、蒸気発生装置内を洗浄している。しかしながら、上記蒸気調理器では、蒸気発生装置内を洗浄する水をタンクから供給するため、限られた水資源を有効に利用できないという問題がある。特に、タンク容量が大きくできない場合は、蒸気加熱に用いる水がすぐになくなり、問題は深刻である。
そこで、タンク内の水資源を有効に利用するために水による洗浄をせずに蒸気発生装置内の水を排水する蒸気調理器が考えられるが、蒸気発生装置内での蒸気発生に伴う濃縮により、蒸気発生装置内の水の不純物濃度が高くなっているため、排水すると蒸気発生装置内に不純物(水に含まれるカルシウムなど)が高温により凝固してスケールが生じやすいという問題がある。このスケールは、蒸気発生と排水を繰り返す毎に成長して大きくなり、蒸気発生の妨げとなる。なお、この蒸気調理器は、この発明を理解しやすくするために説明するものであって、公知技術ではなく、従来技術ではない。
特開7−243649号公報
そこで、この発明の目的は、水を用いた洗浄をせずに簡単な構成で蒸気発生装置内に発生するスケールを低減できる蒸気調理器を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明の蒸気調理器は、被加熱物を加熱するための蒸気を発生する蒸気発生装置と、上記蒸気発生装置内の水を排水する排水手段と、蒸気による加熱が終了した後に上記蒸気発生装置内の水温が所定温度以下になったとき、または、蒸気による加熱が終了してから所定時間が経過したとき、上記蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
上記構成の蒸気調理器によれば、蒸気による加熱が終了した後に上記蒸気発生装置内の水温が所定温度以下になったとき、蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知手段により報知する。上記報知手段の報知により、使用者は必要あると判断したとき、排水手段により蒸気発生装置内の水を排水する。この蒸気発生装置内の水の排水時に、蒸気発生装置内の水温が所定温度以下になっているので、上記所定温度をスケールの発生が抑えられる温度に設定することにより、蒸気発生装置内に発生するスケールを低減できる。また、蒸気による加熱が終了してから所定時間が経過して、蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知手段により報知する場合、蒸気発生装置内の水温がスケールが発生しない程度に十分に低くなっているように上記所定時間を設定することによって、蒸気発生装置内に発生するスケールを低減できる。このように、蒸気発生装置内の水温が所定温度以下という条件と加熱が終了してから所定時間が経過したという条件のうちのいずれか一方の条件を満足するときに使用者に排水を促す旨を報知するので、スケールが発生しない条件で蒸気発生装置内の水を排水できる。したがって、水を用いた洗浄をすることなしに簡単な構成で蒸気発生装置内に発生するスケールを確実に低減できる。
また、一実施形態の蒸気調理器は、上記報知手段が上記蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知したとき、上記蒸気発生装置内の水を排水するか否かを使用者により選択する排水選択手段を備えたことを特徴とする。
上記実施形態の蒸気調理器によれば、上記報知手段が蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知したとき、使用者は、必要に応じて蒸気発生装置内の水を排水するか否かを排水選択手段により選択する。例えば、調理が終了してしばらく使わないときは、排水選択手段により排水を選択して蒸気発生装置内の水を排水手段により排水する。また、続けて調理を行う場合などは、排水すると水の消費量が増えると共に時間も要するので、排水選択手段により排水しない方を選択する。したがって、上記報知手段が蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知したときに、排水するか否かを必要に応じて使用者が選択でき、使用状況に合わせた使い勝手を向上できる。
また、一実施形態の蒸気調理器は、所定の電源遮断条件を満たすときに蒸気調理器本体への電力供給を遮断する遮断手段と、上記報知手段が上記蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知してから第2の所定時間が経過したとき、上記所定の電源遮断条件を満たしたと判断して上記蒸気調理器本体への電力供給を上記遮断手段により遮断させる制御装置とを備えたことを特徴とする。ここで、「蒸気調理器本体」とは、蒸気調理器において電力供給されるもののうちの全部または省電力の要求を満たす部分を除く電力消費部のことである。
上記実施形態の蒸気調理器によれば、上記報知手段が蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知してから第2の所定時間が経過したとき、上記所定の電源遮断条件を満たしたと制御装置が判断して、蒸気調理器本体への電力供給を遮断手段により遮断する。上記報知手段の報知後の上記蒸気発生装置内の水を排水するか否かの選択待ちのときは、電源を遮断しないようにでき、第2の所定時間の経過後は、蒸気調理器本体への電力供給を遮断して待機電力を確実に低減できる。
また、一実施形態の蒸気調理器は、所定の電源遮断条件を満たすときに蒸気調理器本体への電力供給を遮断する遮断手段と、上記使用者が上記排水選択手段により排水を選択して上記排水手段により上記蒸気発生装置内の水を排水してから第3の所定時間が経過したとき、上記所定の電源遮断条件を満たしたと判断して上記蒸気調理器本体への電力供給を上記遮断手段により遮断させる制御装置とを備えたことを特徴とする。
上記実施形態の蒸気調理器によれば、上記報知手段が蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知した後、使用者が排水選択手段により排水を選択して排水手段により蒸気発生装置内の水を排水してから第3の所定時間が経過したとき、上記所定の電源遮断条件を満たしたと制御装置が判断して、蒸気調理器本体への電力供給を遮断手段により遮断する。上記報知手段の報知後の排水手段による排水中は、電源電圧を遮断しないようにでき、第3の所定時間の経過後は、蒸気調理器本体への電力供給を遮断して待機電力を確実に低減できる。
また、一実施形態の蒸気調理器は、所定の電源遮断条件を満たすときに蒸気調理器本体への電力供給を遮断する遮断手段と、上記報知手段が上記蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知してから第2の所定時間が経過したとき、または、上記使用者が上記排水選択手段により排水を選択して上記排水手段により上記蒸気発生装置内の水を排水してから第3の所定時間が経過したとき、上記所定の電源遮断条件を満たしたと判断して上記蒸気調理器本体への電力供給を上記遮断手段により遮断させる制御装置とを備えたことを特徴とする。
上記実施形態の蒸気調理器によれば、上記報知手段が蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知してから第2の所定時間が経過したとき、上記所定の電源遮断条件を満たしたと制御装置が判断して、蒸気調理器本体への電力供給を遮断手段により遮断する。上記報知手段の報知後の上記蒸気発生装置内の水を排水するか否かの選択待ちのときは、電源を遮断しないようにでき、第2の所定時間の経過後は、蒸気調理器本体への電力供給を遮断して待機電力を確実に低減できる。
または、上記報知手段が蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知した後、使用者が排水選択手段により排水を選択して排水手段により蒸気発生装置内の水を排水してから第3の所定時間が経過したとき、上記所定の電源遮断条件を満たしたと制御装置が判断して、蒸気調理器本体への電力供給を遮断手段により遮断する。上記報知手段の報知後の排水手段による排水中は、電源電圧を遮断しないようにでき、第3の所定時間の経過後は、蒸気調理器本体への電力供給を遮断して待機電力を確実に低減できる。
以上より明らかなように、この発明の蒸気調理器によれば、水を用いて洗浄することなしに簡単な構成で蒸気発生装置内に発生するスケールを低減できる蒸気調理器を実現することができる。
以下、この発明の蒸気調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の一形態の蒸気調理器1の外観斜視図であり、直方体形状の本体ケーシング10の正面に、下端側の辺を略中心に回動する扉12を設けている。上記扉12の右側に操作パネル11を設け、扉12の上部にハンドル13を設けると共に、扉12の略中央に耐熱ガラス製の窓14を設けている。
また、図2は上記蒸気調理器1の扉12を開いた状態の外観斜視図を示しており、上記本体ケーシング10内に直方体形状の加熱室20が設けられている。上記加熱室20は、扉12に面する正面側に開口部20aを有し、加熱室20の側面,底面および天面をステンレス鋼板で形成している。また、上記扉12は、加熱室20に面する側をステンレス鋼板で形成している。上記加熱室20の周囲および扉12の内側に断熱材(図示せず)を配置して、加熱室20内と外部とを断熱している。
また、上記加熱室20の底面に、ステンレス製の受皿21が置かれ、受皿21上に被加熱物を載置するためのステンレス鋼線製のラック24が置かれている。さらに、上記加熱室20の両側面に、長手方向が略水平の略長方形状の側面蒸気吹出口22(図2では一方のみを示す)を設けている。なお、扉12を開いた状態で、扉12の上面側は略水平となって、被加熱物を取り出すときに一旦扉12の上面に置くことができる。
上記本体ケーシング10の加熱室20の左側に、水タンク30を収納するための水タンク用収納部100を設けている。一方、本体ケーシング10の加熱室20の右側に、前面に略長方形の領域が突出した突部101を設け、上記突部101の加熱室20側かつ上側に複数の送風口102を設けている。
また、上記扉12が閉じた状態で、上記本体ケーシング10の突部101が嵌まる凹部103を扉12に設け、その凹部103の窓14側の側壁に、空気流入口の一例としての複数の冷却用スリット104を、本体ケーシング10の突部101の複数の送風口102に対向する位置に設けている。上記窓14は、空間を挟んだ2枚の耐熱ガラスで構成され、扉12の本体ケーシング10に面する側かつ窓14の外縁にパッキン105を取り付けている。
図3は上記蒸気調理器1の基本構成を示す概略構成図を示している。図3に示すように、上記蒸気調理器1は、加熱室20と、蒸気用の水を貯める水タンク30と、上記水タンク30から供給された水を蒸発させる蒸気発生装置40と、上記蒸気発生装置40からの蒸気を加熱する蒸気昇温装置50と、上記蒸気発生装置40や蒸気昇温装置50などを制御する制御装置80とを備える。
上記加熱室20内に置かれた受皿21上に格子状のラック24を載置し、そのラック24の略中央に被加熱物90が置かれる。
また、水タンク30の下側に設けられた接続部30aを、第1給水パイプ31の一端に設けられた漏斗形状の受入口31aに接続している。上記蒸気調理器1は、水タンク30が水タンク用収納部100(図2に示す)に装着されたことを検出するタンク装着検出スイッチSW3を備えている。
上記第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる第2給水パイプ32の他端にポンプ35の吸込側を接続し、そのポンプ35の吐出側に第3給水パイプ33の一端を接続している。また、上記第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる水位センサ用パイプ38の上端に水タンク用水位センサ36を配設している。さらに、上記第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる大気開放用パイプ37の上端を後述する排気ダクト65に接続している。
そして、上記第3給水パイプ33は、垂直に配置された部分から略水平に屈曲するL字形状をしており、第3給水パイプ33の他端に補助タンク39を接続している。上記補助タンク39の下端に第4給水パイプ34の一端を接続し、その第4給水パイプ34の他端を蒸気発生装置40の下端に接続している。また、蒸気発生装置40の第4給水パイプ34が接続された下端に、排水手段の一例としての排水バルブ70の一端を接続している。そして、排水バルブ70の他端に排水パイプ71の一端を接続し、排水パイプ71の他端に庫内排水口29を接続している。上記排水パイプ71は加熱室20内に2mm以上突き出た状態で庫内排水口29に接続している。さらに、上記ファンケーシング26の最下部に排水パイプ72の上端を接続し、排水パイプ72の下端を排水パイプ71に接続している。なお、上記補助タンク39の上部は、大気開放用パイプ37と排気ダクト65を介して大気に連通している。
上記水タンク30が接続されると、タンク装着検出スイッチSW3がオンし、水タンク30内の水は、水タンク30と同水位になるまで大気開放用パイプ37内に水が上昇する。上記水タンク用水位センサ36につながる水位センサ用パイプ38は先端が密閉されているため、水位は上がらないが、水タンク30の水位に応じて水位センサ用パイプ38の密閉された空間の圧力は大気圧から上昇する。この圧力変化を、水タンク用水位センサ36内の圧力検出素子(図示せず)により検出することにより、水タンク30内の水位が検出される。ポンプ35の静止中の水位測定では、大気開放用パイプ37は不要であるが、ポンプ35の吸引圧力が直接圧力検出素子に働いて水タンク30の水位検出の精度が低下するのを防止するため、開放端を有する大気開放用パイプ37を用いている。
また、上記蒸気発生装置40は、下側に第4給水パイプ34の他端が接続されたポット41と、上記ポット41内の底面近傍に配置されたヒータ部42と、上記ポット41内のヒータ部42の上側近傍に配置された水位センサ43と、上記ポット41の上側に取り付けられた蒸気吸引エジェクタ44と、上記ポット41内に配置された水温センサ48とを有している。そして、加熱室20の側面上部に設けられた吸込口25の外側にファンケーシング26を配置している。上記ファンケーシング26に配置された送風ファン28により、加熱室20内の蒸気は、吸込口25から吸い込まれる。吸い込まれた蒸気は、第1パイプ61を介して蒸気発生装置40の蒸気吸引エジェクタ44の入口側に送り込まれる。上記第1パイプ61は、一端がファンケーシング26に接続され、他端が蒸気吸引エジェクタ44のインナーノズル45の入口側に接続されている。
上記蒸気吸引エジェクタ44は、インナーノズル45の外側を包み込むアウターノズル46を備えており、インナーノズル45の吐出側がポット41の内部空間と連通している。そして、上記蒸気吸引エジェクタ44のアウターノズル46の吐出側を第2パイプ63の一端に接続し、その第2パイプ63の他端に蒸気昇温装置50を接続している。
上記ファンケーシング26,第1パイプ61,蒸気吸引エジェクタ44,第2パイプ63および蒸気昇温装置50で、循環経路60を形成している。また、上記加熱室20の側面の下側に設けられた放出口27に放出通路64の一端を接続し、放出通路64の他端を排気ダクト65の一端に接続している。上記排気ダクト65の他端に排気口66を設けている。上記放出通路64の排気ダクト65側にラジエータ69を外嵌して取り付けている。そして、上記循環経路60を形成する第1パイプ61との接続部を、排気通路67を介して排気ダクト65に接続している。上記排気通路67の第1パイプ61との接続側に、排気通路67を開閉するダンパ68を配置している。
また、上記蒸気昇温装置50は、加熱室20の天井側かつ略中央に、開口を下側にして配置された皿形ケース51と、上記皿形ケース51内に配置された第1蒸気加熱ヒータ52と、上記皿形ケース51内に配置された第2蒸気加熱ヒータ53とを有している。上記皿形ケース51の底面は、加熱室20の天井面に設けられた金属製の天井パネル54で形成されている。上記天井パネル54には、複数の天井蒸気吹出口55を形成している。また、上記天井パネル54は、上下両面が塗装などにより暗色に仕上げられている。なお、使用を重ねることにより暗色に変色する金属素材や暗色のセラミック成型品によって天井パネル54を形成してもよい。
さらに、上記蒸気昇温装置50は、加熱室20の左右両側に延びる蒸気供給通路23(図3では一方のみを示す)の一端が夫々接続されている。そして、上記蒸気供給通路23の他端は、加熱室20の両側面に沿って下方に延び、加熱室20の両側面かつ下側に設けられた側面蒸気吹出口22に接続されている。
図4は上記蒸気調理器1の制御装置80の構成を示している。図4に示すように、上記制御装置80には、送風ファン28と、第1蒸気加熱ヒータ52と、第2蒸気加熱ヒータ53と、ダンパ68と、排水バルブ70と、第1蒸気発生ヒータ42Aと、第2蒸気発生ヒータ42Bと、報知手段の一例としての表示部11Aと、排水選択手段の一例としてのキー入力部11Bと、水タンク用水位センサ36と、水位センサ43と、水温センサ48と、加熱室20(図3に示す)内の温度を検出する庫内温度センサ81と、加熱室20内の湿度を検出する湿度センサ(図示せず)と、ポンプ35が接続されている。上記表示部11Aとキー入力部11Bで操作パネル11(図1に示す)を構成している。さらに、上記制御装置80には、扉開閉検出スイッチSW2と、タンク装着検出スイッチSW3が接続されている。上記扉開閉検出スイッチSW2は、扉12が開いているときにオンし、扉12が閉じているときにオフする。また、上記タンク装着検出スイッチSW3は、図2に示すタンク30が水タンク用収納部100に装着されているときにオンし、装着されていないときにオフする。
上記制御装置80は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなり、水タンク用水位センサ36と水位センサ43と水温センサ48と庫内温度センサ81と湿度センサと扉開閉検出スイッチSW2およびタンク装着検出スイッチSW3からの検出信号に基づいて、送風ファン28,第1蒸気加熱ヒータ52,第2蒸気加熱ヒータ53,ダンパ68,排水バルブ70,第1蒸気発生ヒータ42A,第2蒸気発生ヒータ42B,表示部11A,キー入力部11Bおよびポンプ35を所定のプログラムに従って制御する。
また、図4に示すように、商用交流電源(図示せず)が接続されたコンセント110の一方の出力端子L1を上記制御装置80の一方の電源入力端子に接続している。上記コンセント110の他方の出力端子L2を扉連動スイッチSW1の共通端子Cに接続し、その扉連動スイッチSW1の一方の端子Aを加熱リレーRY1の一端に接続している(図4では扉12を閉じた状態)。このリレーRY1の他端に、第1蒸気発生ヒータ42A,第2蒸気発生ヒータ42B,第1蒸気加熱ヒータ52および第2蒸気加熱ヒータ53の夫々の一端を接続している。上記第1蒸気発生ヒータ42Aの他端をリレーRY3の一端に接続し、第2蒸気発生ヒータ42Bの他端をリレーRY4の一端に接続している。上記第1蒸気加熱ヒータ52の他端をリレーRY5の一端に接続し、第2蒸気加熱ヒータ53の他端をリレーRY6の一端に接続している。上記リレーRY3〜RY6の他端をコンセント110の一方の出力端子L1に接続している。また、上記水位センサ43は、自己加熱サーミスタであり、リレーRY7により通電のオンオフを制御している。
また、コンセント110の他方の出力端子L2を遮断手段の一例としての自己保持リレーRY2の一端に接続し、自己保持リレーRY2の他端を制御装置80の他方の電源入力端子に接続している。また、扉連動スイッチSW1の他方の端子Bを制御装置80の他方の電源入力端子に接続している。上記自己保持リレーRY2は、制御装置80からの制御信号によりオンオフ制御される。
また、上記制御装置80は、冷却待ち用の第1のタイマ80aと、排水表示後の電源遮断用の第2のタイマ80bと、加熱終了後の電源遮断用の第3のタイマ80cとを有している。
上記構成の蒸気調理器1において、扉12を開くと、扉連動スイッチSW1が端子B側に切り換わり、制御装置80の電源入力端子に交流電圧が印加されて電力が供給される。そして、電力供給された制御装置80は、自己保持リレーRY2をオンし、これにより扉12の開閉状態に関わらず制御装置80に電力が供給される。なお、扉12が閉じた状態でキー操作が所定時間ないときは、制御装置80が自己保持リレーRY2をオフにし、電力供給を遮断して待機電力をゼロにする。
次に、操作パネル11の操作により加熱調理の運転を開始する。そうすると、まず、制御装置80は、排水バルブ70を閉ざして、ダンパ68により排気通路67を閉じた状態でポンプ35の運転を開始する。上記ポンプ35により水タンク30から第1〜第4給水パイプ31〜34を介して蒸気発生装置40のポット41内に給水される。そして、上記ポット41内の水位が所定水位に達したことを水位センサ43が検出すると、ポンプ35を停止して給水を止める。
次に、蒸気発生ヒータ42を通電し、ポット41内に溜まった所定量の水を蒸気発生ヒータ42により加熱する。
次に、蒸気発生ヒータ42の通電と同時、または、ポット41内の水の温度が所定温度に達すると、送風ファン28をオンすると共に、蒸気昇温装置50の第1蒸気加熱ヒータ52を通電する。そうすると、送風ファン28は、加熱室20内の空気(蒸気を含む)を吸込口25から吸い込み、循環経路60に空気(蒸気を含む)を送り出す。上記送風ファン28に遠心ファンを用いているので、プロペラファンに比べて高圧を発生させることができる。さらに、送風ファン28に用いる遠心ファンを直流モータで高速回転させることによって、循環気流の流速を極めて速くすることができる。
次に、上記蒸気発生装置40のポット41内の水が沸騰すると、飽和蒸気が発生し、発生した飽和蒸気は、蒸気吸引エジェクタ44のところで循環経路60を通る循環気流に合流する。上記蒸気吸引エジェクタ44から出た蒸気は、第2パイプ63を介して高速で蒸気昇温装置50に流入する。
そして、上記蒸気昇温装置50に流入した蒸気は、第1蒸気加熱ヒータ52により加熱されて略300℃(調理内容により異なる)の過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の天井パネル54に設けられた複数の天井蒸気吹出口55から加熱室20内の下方に向かって噴出する。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気昇温装置50の左右両側に設けられた蒸気供給通路23を介して加熱室20の両側面の側面蒸気吹出口22から噴出する。
これにより、上記加熱室20の天井側から噴出した過熱蒸気が中央の被加熱物90側に向かって勢いよく供給されると共に、加熱室20の左右の側面側から噴出した過熱蒸気は、被加熱物90の下方から被加熱物90を包むように上昇しながら供給される。それによって、上記加熱室20内において、中央部では吹き下ろし、その外側では上昇するという形の対流が生じる。そして、対流する蒸気は、順次吸込口25に吸い込まれて、循環経路60を通って再び加熱室20内に戻るという循環を繰り返す。
このようにして上記加熱室20内で過熱蒸気の対流を形成することにより、加熱室20内の温度,湿度分布を均一に維持しつつ、蒸気昇温装置50からの過熱蒸気を天井蒸気吹出口55と側面吹出口22から噴出して、ラック24上に載置された被加熱物90に効率よく衝突させることが可能となる。そうして、過熱蒸気の衝突により被加熱物90を加熱する。このとき、上記被加熱物90の表面に接触した過熱蒸気は、被加熱物90の表面で結露するときに潜熱を放出することによっても被加熱物90を加熱する。これにより、過熱蒸気の大量の熱を確実にかつ速やかに被加熱物90全面に均等に与えることができる。したがって、むらがなく仕上がりよい加熱調理を実現することができる。
また、上記加熱調理の運転において、時間が経過すると、加熱室20内の蒸気量が増加し、量的に余剰となった分の蒸気は、放出口27から放出通路64,排気ダクト65を介して排気口66から外部に放出される。このとき、放出通路64に設けたラジエータ69により放出通路64を通過する蒸気を冷却して結露させることによって、外部に蒸気がそのまま放出されるのを抑制している。上記ラジエータ69により放出通路64内で結露した水は、放出通路64内を流れ落ちて受皿21に導かれ、調理により発生した水と共に調理終了後に処理する。
調理終了後、制御装置80により操作パネル11に調理終了のメッセージを表示し、さらに操作パネル11に設けられたブザー(図示せず)により合図の音を鳴らす。それにより、調理終了を知った使用者が扉12を開けると、制御装置80は、扉12が開いたことをセンサ(図示せず)により検知して、排気通路67のダンパ68を瞬時に開く。それにより、循環経路60の第1パイプ61が排気通路67を介して排気ダクト65に連通し、加熱室20内の蒸気は、送風ファン28により吸込口25,第1パイプ61,排気通路67および排気ダクト65を介して排気口66から排出される。このダンパ動作は、調理中に使用者が扉12を開いても同様である。したがって、使用者は、蒸気にさらされることなく、安全に被加熱物90を加熱室20内から取り出すことができる。
なお、蒸気による加熱中は、蒸気発生装置40のポット41内の水位が蒸発により所定値だけ下がると、ポンプ35を一定期間運転して水を補給し、再びポット41内の水位が所定値下がるとき、同様の動作を繰り返す。
図5は上記制御装置80の加熱処理終了後の動作を説明するフローチャートであり、制御装置80の加熱終了後の処理について図5を用いて以下に説明する。
まず、処理がスタートしてステップS1で加熱が終了すると、ステップS2に進み、終了した加熱が蒸気加熱か否かを判別する。そして、ステップS2で蒸気加熱であると判別すると、ステップS3に進み、第1のタイマ80aにより計時された冷却時間TCnを得る。この第1のタイマ80aは、加熱終了からの経過時間を計時する。
次に、ステップS4に進み、水温センサ48によりポット41内の水温TWnを測定する。
次に、ステップS5に進み、ステップS3で得られた冷却時間TCnが所定時間T1未満か否かを判別し、冷却時間TCnが所定時間T1未満であるときは、ステップS6に進む一方、冷却時間TCnが所定時間T1以上であるときは、ステップS7に進む。
そして、ステップS6で水温TWnが所定温度TW0を越えるか否かを判別して、水温TWnが所定温度TW0を越えるときは、ステップS3に戻る一方、水温TWnが所定温度TW0以下のときは、ステップS7に進む。
次に、ステップS7で表示部11Aにより排水表示を行い、蒸気発生装置40のポット41内の水を排水するように使用者に報知する。
次に、ステップS8に進み、第1のタイマ80bにより計時された時間TSnを得る。この第1のタイマ80bは、排水表示からの経過時間を計時する。
次に、ステップS9に進み、ステップS8で得られた時間TSnが所定時間T3未満か否かを判別して、時間TSnが所定時間T3未満のときは、ステップS10に進む一方、時間TSnが所定時間T3以上のときは、ステップS15に進み、自己保持リレーRY2をオフにして電源を遮断して、この処理を終了する。
また、ステップS10では、排水キャンセルか否かを判別して、排水キャンセルのときは、後述するステップS13に進む一方、排水キャンセルでないときは、ステップS11に進む。
次に、ステップS11でキー入力部11により排水キーが入力されたか否かを判別して、排水キーが入力されたときは、ステップS12に進み、排水処理を行い、ステップS13に進む。
一方、ステップS2で蒸気加熱でないと判別すると、ステップS13に進み、第3のタイマ80cにより計時された時間TKnを得る。この第3のタイマ80cは、蒸気を用いない加熱終了後の経過時間、および、排水処理後の経過時間を計時する。
次に、ステップS14に進み、ステップS13で得られた時間TKnが所定時間T2未満か否かを判別して、時間TKnが所定時間T2未満であるときは、ステップS13に戻る一方、時間TKnが所定時間T2以上のときは、ステップS15に進み、電源を遮断して、この処理を終了する。
このように、上記蒸気調理器1は、蒸気による加熱が終了した後にポット41内の水温が所定温度TWn以下(例えば40℃)になったとき、または、蒸気による加熱が終了してから所定時間T1が経過したとき、蒸気発生装置40内の水を排水するように表示部11Aに表示して使用者に報知することにより、使用者は必要あると判断したとき、排水バルブ70を開いて蒸気発生装置40内の水を排水するので、スケールが発生しない条件(水温40℃以下)で蒸気発生装置40内の水を排水できる。したがって、水を用いた洗浄をせずに簡単な構成で蒸気発生装置40内に発生するスケールを低減することができる。
また、上記表示部11Aにより蒸気発生装置40内の水を排水するように使用者に報知したとき、例えば、調理が終了してしばらく使わないときは、キー入力部11Bにより排水を選択して蒸気発生装置40内の水を排水バルブ70を開いて排水する。また、続けて調理を行う場合などは、排水すると水の消費量が増えると共に時間も要するので、キー入力部11Bにより排水しない方を選択する。したがって、上記蒸気発生装置40内の水を排水するように使用者に報知したときに、排水するか否かを必要に応じて使用者が選択でき、使用状況に合わせた使い勝手を向上できる。
また、上記蒸気発生装置40内の水を排水するように使用者に報知してから第2の所定時間T3が経過したとき、所定の電源遮断条件を満たしたと判断して自己保持リレーRY2をオフすることにより制御装置80への電力供給を遮断する。上記報知後の排水をするか否かの選択待ちのときは、電源を遮断しないようにでき、第2の所定時間T3の経過後は、電源をオフにして待機電力を確実に低減することができる。
また、上記蒸気発生装置40内の水を排水するように使用者に報知した後、使用者がキー入力部11Bにより排水を選択して蒸気発生装置40内の水を排水してから第3の所定時間T2が経過したとき、所定の電源遮断条件を満たしたと判断して、自己保持リレーRY2をオフすることにより蒸気調理器本体としての制御装置80への電力供給を遮断する。上記報知後の排水中は、電源電圧を遮断しないようにでき、第3の所定時間T2の経過後は、電源をオフにして待機電力を確実に低減することができる。
上記実施の形態では、循環経路60内に生じた結露水が排水経路(排水パイプ71,72)を介して加熱室20内に排水したが、排水タンクを別に設けて、その排水タンクに循環経路内に生じた結露水を排水経路を介して排水するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、蒸気発生装置40と蒸気昇温装置50とを備え、過熱蒸気により被加熱物を加熱調理する蒸気調理器について説明したが、この発明の蒸気調理器は、蒸気を発生する蒸気発生装置と、上記蒸気発生装置内の水を排水する排水手段とを備えたものであればよい。
また、上記実施の形態では、電力供給を遮断する蒸気調理器本体の一例として制御装置80の電力供給を遮断したが、他に電力が供給される部分がある場合は、その部分も電力供給を遮断する蒸気調理器本体に含まれる。
図1はこの発明の第1実施形態の蒸気調理器の外観斜視図である。 図2は上記蒸気調理器の扉を開いた状態の外観斜視図である。 図3は上記蒸気調理器の構成を示す概略構成図である。 図4は上記蒸気調理器の制御装置の構成を示す図である。 図5は上記制御装置の加熱処理終了後の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1…蒸気調理装置
10…本体ケーシング
11…操作パネル
11A…表示部
11B…キー入力部
12…扉
13…ハンドル
14…窓
20…加熱室
21…受皿
22…側面蒸気吹出口
23…蒸気供給通路
24…ラック
25…吸込口
26…ファンケーシング
27…放出口
28…送風ファン
28a…ファン部
28b…モータ部
29…庫内排水口
30…水タンク
31…第1給水パイプ
32…第2給水パイプ
33…第3給水パイプ
34…第4給水パイプ
35…ポンプ
36…水タンク用水位センサ
39…補助タンク
40…蒸気発生装置
41…ポット
42…ヒータ部
43…水位センサ
44…蒸気吸引エジェクタ
48…水温センサ
50…蒸気昇温装置
51…皿形ケース
52…第1蒸気加熱ヒータ
53…第2蒸気加熱ヒータ
60…循環経路
61…第1パイプ
63…第2パイプ
64…放出通路
65…排気ダクト
66…排気口
67…排気通路
68…ダンパ
69…ラジエータ
70…排水バルブ
71,72…排水パイプ
80…制御装置
80a…第1のタイマ
80b…第2のタイマ
80c…第3のタイマ
81…庫内温度センサ
90…被加熱物
100…水タンク用収納部
101…突部
102…送風口
103…凹部
104…冷却用スリット
105…パッキン
110…コンセント
SW1…扉連動スイッチ
SW2…扉開閉検出スイッチ
SW3…タンク装着検出スイッチ

Claims (5)

  1. 被加熱物を加熱するための蒸気を発生する蒸気発生装置と、
    上記蒸気発生装置内の水を排水する排水手段と、
    蒸気による加熱が終了した後に上記蒸気発生装置内の水温が所定温度以下になったとき、または、蒸気による加熱が終了してから所定時間が経過したとき、上記蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知する報知手段とを備えたことを特徴とする蒸気調理器。
  2. 請求項1に記載の蒸気調理器において、
    上記報知手段が上記蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知したとき、上記蒸気発生装置内の水を排水するか否かを使用者により選択する排水選択手段を備えたことを特徴とする蒸気調理器。
  3. 請求項1または2に記載の蒸気調理器において、
    所定の電源遮断条件を満たすときに蒸気調理器本体への電力供給を遮断する遮断手段と、
    上記報知手段が上記蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知してから第2の所定時間が経過したとき、上記所定の電源遮断条件を満たしたと判断して上記蒸気調理器本体への電力供給を上記遮断手段により遮断させる制御装置とを備えたことを特徴とする蒸気調理器。
  4. 請求項2に記載の蒸気調理器において、
    所定の電源遮断条件を満たすときに蒸気調理器本体への電力供給を遮断する遮断手段と、
    上記使用者が上記排水選択手段により排水を選択して上記排水手段により上記蒸気発生装置内の水を排水してから第3の所定時間が経過したとき、上記所定の電源遮断条件を満たしたと判断して上記蒸気調理器本体への電力供給を上記遮断手段により遮断させる制御装置とを備えたことを特徴とする蒸気調理器。
  5. 請求項2に記載の蒸気調理器において、
    所定の電源遮断条件を満たすときに蒸気調理器本体への電力供給を遮断する遮断手段と、
    上記報知手段が上記蒸気発生装置内の水を排水するように使用者に報知してから第2の所定時間が経過したとき、または、上記使用者が上記排水選択手段により排水を選択して上記排水手段により上記蒸気発生装置内の水を排水してから第3の所定時間が経過したとき、上記所定の電源遮断条件を満たしたと判断して上記蒸気調理器本体への電力供給を上記遮断手段により遮断させる制御装置とを備えたことを特徴とする蒸気調理器。
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