以下、この発明の蒸気調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の一形態の蒸気調理器1の外観斜視図であり、直方体形状の本体ケーシング10の正面に、下端側の辺を略中心に回動する扉12を設けている。扉12の右側に操作パネル11を設け、扉12の上部にハンドル13を設けると共に、扉12の略中央に耐熱ガラス製の窓14を設けている。
また、図2は蒸気調理器1の扉12を開いた状態の外観斜視図を示しており、本体ケーシング10内に直方体形状の加熱室20が設けられている。この加熱室20は、扉12に面する正面側に開口部20aを有し、加熱室20の側面,底面および天面をステンレス鋼板で形成している。また、扉12は、加熱室20に面する側をステンレス鋼板で形成している。そして、加熱室20の周囲および扉12の内側に断熱材(図示せず)を配置して、加熱室20内と外部とを断熱している。
また、加熱室20の底面に、ステンレス製の受皿21が置かれ、受皿21上に被加熱物を載置するためのステンレス鋼線製のラック24が置かれている。さらに、加熱室20の両側面に、長手方向が略水平の略長方形状の側面蒸気吹出口22(図2では一方のみを示す)を設けている。なお、扉12を開いた状態で、扉12の上面側は略水平となって、被加熱物を取り出すときに一旦扉12の上面に置くことができる。
また、本体ケーシング10の加熱室20の左側に、水タンク30を収納するための水タンク用収納部100を設けている。一方、本体ケーシング10の加熱室20の右側に、前面に略長方形の領域が突出した突部101を設け、突部101の加熱室20側かつ上側に複数の送風口102を設けている。
また、扉12が閉じた状態で、本体ケーシング10の突部101が嵌まる凹部103を扉12に設け、その凹部103の窓14側の側壁に、空気流入口の一例としての複数の冷却用スリット104を、本体ケーシング10の突部101の複数の送風口102に対向する位置に設けている。窓14は、空間を挟んだ2枚の耐熱ガラスで構成され、扉12の本体ケーシング10に面する側かつ窓14の外縁にパッキン105を取り付けている。
図3は上記蒸気調理器1の基本構成を示す概略構成図を示している。図3に示すように、蒸気調理器1は、加熱室20と、蒸気用の水を貯める水タンク30と、水タンク30から供給された水を蒸発させる蒸気発生装置40と、蒸気発生装置40からの蒸気を加熱する蒸気昇温装置50と、蒸気発生装置40や蒸気昇温装置50などを制御する制御装置80とを備える。また、加熱室20内に置かれた受皿21上に格子状のラック24を載置し、そのラック24の略中央に被加熱物90が置かれる。
また、水タンク30の下側に設けられた接続部30aを、第1給水パイプ31の一端に設けられた漏斗形状の受入口31aに接続している。第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる第2給水パイプ32の他端にポンプ35の吸込側を接続し、そのポンプ35の吐出側に第3給水パイプ33の一端を接続している。また、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる水位センサ用パイプ38の上端に水タンク用水位センサ36を配設している。さらに、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる大気開放用パイプ37の上端を後述する排気ダクト65に接続している。
そして、第3給水パイプ33は、垂直に配置された部分から略水平に屈曲するL字形状をしており、第3給水パイプ33の他端に補助タンク39を接続している。補助タンク39の下端に第4給水パイプ34の一端を接続し、その第4給水パイプ34の他端を蒸気発生装置40の下端に接続している。また、蒸気発生装置40の第4給水パイプ34が接続された下端に、排水バルブ70の一端を接続している。そして、排水バルブ70の他端に排水パイプ71の一端を接続し、排水パイプ71の他端に庫内排水口29を接続している。排水パイプ71は、加熱室20内に2mm以上突き出た状態で庫内排水口29に接続している。さらに、ファンケーシング26の最下部に排水パイプ72の上端を接続し、排水パイプ72の下端を排水パイプ71に接続している。なお、補助タンク39の上部は、大気開放用パイプ37と排気ダクト65を介して大気に連通している。
上記水タンク30が接続されると、水タンク30内の水は、水タンク30と同水位になるまで大気開放用パイプ37内に水が上昇する。水タンク用水位センサ36につながる水位センサ用パイプ38は先端が密閉されているため、水位は上がらないが、水タンク30の水位に応じて水位センサ用パイプ38の密閉された空間の圧力は大気圧から上昇する。この圧力変化を、水タンク用水位センサ36内の圧力検出素子(図示せず)により検出することにより、水タンク30内の水位が検出される。ポンプ35の静止中の水位測定では、大気開放用パイプ37は不要であるが、ポンプ35の吸引圧力が直接圧力検出素子に働いて水タンク30の水位検出の精度が低下するのを防止するため、開放端を有する大気開放用パイプ37を用いている。
また、蒸気発生装置40は、下側に第4給水パイプ34の他端が接続されたポット41と、ポット41内の底面近傍に配置されたヒータ部42と、ポット41内のヒータ部42の上側近傍に配置された水位センサ43と、ポット41の上側に取り付けられた蒸気吸引エジェクタ44とを有している。そして、加熱室20の側面上部に設けられた吸込口25の外側にファンケーシング26を配置している。ファンケーシング26に配置された送風ファン28により、加熱室20内の蒸気は、吸込口25から吸い込まれる。吸い込まれた蒸気は、第1パイプ61を介して蒸気発生装置40の蒸気吸引エジェクタ44の入口側に送り込まれる。この、第1パイプ61は、一端がファンケーシング26に接続され、他端が蒸気吸引エジェクタ44のインナーノズル45の入口側に接続されている。
また、蒸気吸引エジェクタ44は、インナーノズル45の外側を包み込むアウターノズル46を備えており、インナーノズル45の吐出側がポット41の内部空間と連通している。そして、蒸気吸引エジェクタ44のアウターノズル46の吐出側を第2パイプ63の一端に接続し、その第2パイプ63の他端に蒸気昇温装置50を接続している。
上記ファンケーシング26,第1パイプ61,蒸気吸引エジェクタ44,第2パイプ63および蒸気昇温装置50で、循環経路60を形成している。また、加熱室20の側面の下側に設けられた放出口27に放出通路64の一端を接続し、放出通路64の他端を排気ダクト65の一端に接続している。排気ダクト65の他端に排気口66を設けている。放出通路64の排気ダクト65側にラジエータ69を外嵌して取り付けている。そして、循環経路60を形成する第1パイプ61との接続部を、排気通路67を介して排気ダクト65に接続している。排気通路67の第1パイプ61との接続側に、排気通路67を開閉するダンパ68を配置している。
また、蒸気昇温装置50は、加熱室20の天井側かつ略中央に、開口を下側にして配置された皿形ケース51と、皿形ケース51内に配置された第1蒸気加熱ヒータ52と、皿形ケース51内に配置された第2蒸気加熱ヒータ53とを有している。皿形ケース51の底面は、加熱室20の天井面に設けられた金属製の天井パネル54で形成されている。天井パネル54には、複数の天井蒸気吹出口55を形成している。また、天井パネル54は、上下両面が塗装などにより暗色に仕上げられている。なお、使用を重ねることにより暗色に変色する金属素材や暗色のセラミック成型品によって天井パネル54を形成してもよい。
さらに、蒸気昇温装置50は、加熱室20の左右両側に延びる蒸気供給通路23(図3では一方のみを示す)の一端が夫々接続されている。そして、蒸気供給通路23の他端は、加熱室20の両側面に沿って下方に延び、加熱室20の両側面かつ下側に設けられた側面蒸気吹出口22に接続されている。
図4は蒸気調理器1の制御装置80の構成を示している。図4に示すように、制御装置80には、送風ファン28と、第1蒸気加熱ヒータ52と、第2蒸気加熱ヒータ53と、ダンパ68と、排水バルブ70と、第1蒸気発生ヒータ42Aと、第2蒸気発生ヒータ42Bと、表示部11Aと、キー入力部11Bと、水タンク用水位センサ36と、水位センサ43と、水温センサ48と、加熱室20(図3に示す)内の温度を検出する庫内温度センサ81と、加熱室20内の湿度を検出する湿度センサ(図示せず)と、ポンプ35が接続されている。上記表示部11Aとキー入力部11Bで操作パネル11(図1に示す)を構成している。さらに、制御装置80には、扉開閉検出スイッチSW1と、タンク装着検出スイッチSW2が接続されている。扉開閉検出スイッチSW1は、扉12が開いているときにオンし、扉12が閉じているときにオフする。また、タンク装着検出スイッチSW2は、図2に示すタンク30が水タンク用収納部100に装着されているときにオンし、装着されていないときにオフする。
図4に示す制御装置80は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなり、水タンク用水位センサ36と水位センサ43と水温センサ48と庫内温度センサ81と湿度センサと扉開閉検出スイッチSW1およびタンク装着検出スイッチSW2からの検出信号に基づいて、送風ファン28,第1蒸気加熱ヒータ52,第2蒸気加熱ヒータ53,ダンパ68,排水バルブ70,第1蒸気発生ヒータ42A,第2蒸気発生ヒータ42B,表示部11A,キー入力部11Bおよびポンプ35を所定のプログラムに従って制御する。
また、図4に示すように、商用交流電源(図示せず)が接続されたコンセント110の一方の出力端子L1を制御装置80の一方の電源入力端子に接続し、コンセント110の他方の出力端子L2を加熱用リレーRY1の一端に接続している。このリレーRY1の他端に、第1蒸気発生ヒータ42A,第2蒸気発生ヒータ42B,第1蒸気加熱ヒータ52および第2蒸気加熱ヒータ53の夫々の一端を接続している。さらに、第1蒸気発生ヒータ42Aの他端をリレーRY2の一端に接続し、第2蒸気発生ヒータ42Bの他端をリレーRY3の一端に接続している。また、第1蒸気加熱ヒータ52の他端をリレーRY4の一端に接続し、第2蒸気加熱ヒータ53の他端をリレーRY5の一端に接続している。上記リレーRY2〜RY5の他端をコンセント110の一方の出力端子L1に接続している。また、水位センサ43は、自己加熱サーミスタであり、リレーRY6により通電のオンオフを制御している。
また、制御装置80は、送風ファン28の回転数を制御するファン回転数制御部80aと、加熱調理開始時用のタイマ80bとを有している。
上記構成の蒸気調理器1において、操作パネル11中の電源スイッチ(図示せず)が押されて電源がオンし、操作パネル11の操作により蒸気による加熱調理の運転を開始する。この蒸気による加熱調理では、加熱調理開始から蒸気発生が加熱調理に十分な量になるまでに時間を要する。
図5(a)は蒸気による加熱調理開始時の蒸気発生装置40のポット41内の水の温度(℃)の変化を示し、図5(b)は蒸気発生装置40の蒸気発生量(g/m3)を示し、図5(c)は蒸気発生装置40のヒータ部42に投入される電力(W)の変化を示し、図5(d)は送風ファン28の回転数(rpm)の変化を示している。図5(a)〜図5(d)の横軸は加熱時間を表している。
まず、制御装置80は、排水バルブ70を閉ざして、ダンパ68により排気通路67を閉じた状態でポンプ35の運転を開始する。ポンプ35により水タンク30から第1〜第4給水パイプ31〜34を介して蒸気発生装置40のポット41内に給水される。そして、ポット41内の水位が所定水位に達したことを水位センサ43が検出すると、ポンプ35を停止して給水を止める。
次に、図5(c)に示すように、蒸気発生装置40のヒータ部42を通電して電力を投入し、ポット41内に溜まった所定量の水をヒータ部42により加熱する。
上記ヒータ部42の通電と同時に、図5(d)に示すように、送風ファン28をオンすると共に、蒸気昇温装置50の第1蒸気加熱ヒータ52を通電する。このとき、制御装置80のファン回転数制御部80aにより送風ファン28を所定回転数よりも低い回転数にする。そうして、送風ファン28により、加熱室20内の空気(蒸気を含む)を吸込口25から吸い込み、循環経路60に空気(蒸気を含む)を送り出す。
そして、図5(a)に示すように、蒸気発生装置40のポット41内の水の温度が徐々に上昇する。これに伴って図5(b)に示す蒸気発生量も徐々に増え始め、制御装置80のタイマ80bにより所定時間(例えば40秒〜60秒)が経過すると、制御装置80は、加熱調理のための蒸気発生条件を満たしたものと判断して、図5(d)に示すように、ファン回転数制御部80aにより送風ファン28の回転数を現在回転数から加熱調理に最適な所定回転数に上げる。この場合、タイマ80bにより計時される所定時間は、例えば1気圧,23℃の環境において加熱調理開始からポット41内の水の温度が100℃近く(例えば95℃)に達するまでの時間を予め測定して、その測定値に基づいて設定されている。また、蒸気発生装置40のヒータ部42に投入される電力は一定としている。この送風ファン28には遠心ファンを用いているので、プロペラファンに比べて高圧を発生させることができる。さらに、送風ファン28に用いる遠心ファンを直流モータで高速回転させることによって、循環気流の流速を極めて速くすることができる。
次に、蒸気発生装置40のポット41内の水が100℃となって沸騰すると、飽和蒸気が発生し、発生した飽和蒸気は、蒸気吸引エジェクタ44のところで循環経路60を通る循環気流に合流する。蒸気吸引エジェクタ44から出た蒸気は、第2パイプ63を介して高速で蒸気昇温装置50に流入する。
そして、蒸気昇温装置50に流入した蒸気は、第1蒸気加熱ヒータ52により加熱されて略300℃(調理内容により異なる)の過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の天井パネル54に設けられた複数の天井蒸気吹出口55から加熱室20内の下方に向かって噴出する。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気昇温装置50の左右両側に設けられた蒸気供給通路23を介して加熱室20の両側面の側面蒸気吹出口22から噴出する。
これにより、加熱室20の天井側から噴出した過熱蒸気が中央の被加熱物90側に向かって勢いよく供給されると共に、加熱室20の左右の側面側から噴出した過熱蒸気は、被加熱物90の下方から被加熱物90を包むように上昇しながら供給される。それによって、加熱室20内において、中央部では吹き下ろし、その外側では上昇するという形の対流が生じる。そして、対流する蒸気は、順次吸込口25に吸い込まれて、循環経路60を通って再び加熱室20内に戻るという循環を繰り返す。
このようにして加熱室20内で過熱蒸気の対流を形成することにより、加熱室20内の温度,湿度分布を均一に維持しつつ、蒸気昇温装置50からの過熱蒸気を天井蒸気吹出口55と側面吹出口22から噴出して、ラック24上に載置された被加熱物90に効率よく衝突させることが可能となる。そうして、過熱蒸気の衝突により被加熱物90を加熱する。このとき、被加熱物90の表面に接触した過熱蒸気は、被加熱物90の表面で結露するときに潜熱を放出することによっても被加熱物90を加熱する。これにより、過熱蒸気の大量の熱を確実にかつ速やかに被加熱物90全面に均等に与えることができる。したがって、むらがなく仕上がりよい加熱調理を実現することができる。
また、加熱調理の運転において、時間が経過すると、加熱室20内の蒸気量が増加し、量的に余剰となった分の蒸気は、放出口27から放出通路64,排気ダクト65を介して排気口66から外部に放出される。このとき、放出通路64に設けたラジエータ69により放出通路64を通過する蒸気を冷却して結露させることによって、外部に蒸気がそのまま放出されるのを抑制している。ラジエータ69により放出通路64内で結露した水は、放出通路64内を流れ落ちて受皿21に導かれ、調理により発生した水と共に調理終了後に処理する。
調理終了後、制御装置80により操作パネル11に調理終了のメッセージを表示し、さらに操作パネル11に設けられたブザー(図示せず)により合図の音を鳴らす。それにより、調理終了を知った使用者が扉12を開けると、制御装置80は、扉12が開いたことを扉開閉検出スイッチSW1(図4に示す)により検知して、排気通路67のダンパ68を瞬時に開く。それにより、循環経路60の第1パイプ61が排気通路67を介して排気ダクト65に連通し、加熱室20内の蒸気は、送風ファン28により吸込口25,第1パイプ61,排気通路67および排気ダクト65を介して排気口66から排出される。このダンパ動作は、調理中に使用者が扉12を開いても同様である。したがって、使用者は、蒸気にさらされることなく、安全に被加熱物90を加熱室20内から取り出すことができる。
上記蒸気調理器1では、蒸気による加熱調理の開始から加熱調理に十分な蒸気が得られるまでは、送風ファン28から循環経路60に送り込む風量を少なくして、含まれる蒸気量が少ない空気を大量に被加熱物に供給しないようにする。それによって、加熱調理に十分な蒸気が蒸気発生装置40から大量に発生して、加熱調理のための蒸気発生条件を満たすときは、被加熱物である食品の乾燥の問題がなくなるので、制御装置80により送風ファン28の回転数を所定回転数にして、加熱室20への蒸気供給を十分に行えるようにしている。また、蒸気による加熱調理の開始から加熱調理のための蒸気発生条件を満たすまでの間、蒸気発生装置40から発生する蒸気が少なくとも、ある程度、循環経路60に蒸気を循環させておくことによって、送風ファン28の回転数を所定回転数にしたときの蒸気供給の立ち上がりを早くすることができる。
このように、蒸気発生装置40から供給される蒸気による加熱調理の開始時に制御装置80によって送風ファン28の回転数を所定回転数よりも低くし、その後、加熱調理のための蒸気発生条件を満たしたと制御装置80が判断したときに送風ファン28の回転数を所定回転数に制御することによって、加熱調理の開始から蒸気が発生するまでの期間における被加熱物である食品の乾燥を防ぐことができ、仕上がりの良好な調理を実現することができる。
また、制御装置80は、タイマ80b用いて、蒸気による加熱調理の開始から所定時間経過したとき、加熱調理のための蒸気発生条件を満たしたものと判断することによって、蒸気による加熱調理開始時の処理の制御が簡略化することができる。
なお、上記実施形態では、制御装置80のタイマ80bにより蒸気による加熱調理の開始から所定時間が経過すると、制御装置80は、加熱調理のための蒸気発生条件を満たしたものと判断して、ファン回転数制御部80aにより送風ファン28を所定回転数にしたが、加熱調理のための蒸気発生条件はこれに限らず、ポット41内の水の温度を水温センサ48により検出し、ポット41内の水の温度が所定温度以上になると、制御装置80は、加熱調理のための蒸気発生条件を満たしたものとしてもよい。この場合、蒸気が十分に発生する水温になったことを確実に把握することが可能となり、加熱調理開始時の処理が的確に行うことができる。さらに、蒸気による加熱調理の開始から所定時間が経過したという条件と、ポット41内の水の温度が所定温度以上になるという条件の両方を用いて、いずれか一方の条件が満足したとき、加熱調理のための蒸気発生条件を蒸気発生条件を満たしたものとしてもよい。
また、送風ファン28は、蒸気発生装置40からの蒸気を加熱室20を介して循環させるための循環経路60に風を送るので、加熱調理の開始時から加熱調理のための蒸気発生条件を満たすまでの間の循環経路60内に流れる流体には慣性力が働いており、負荷が大きい急な回転数変化よりも、図5(d)の点線で示すように、送風ファン28の回転数を現在回転数から徐々に上げて所定回転数にすることにより、送風ファン28を安定かつ静かに運転することができる。
また、上記実施形態では、循環経路60内に生じた結露水が排水経路(排水パイプ71,72)を介して加熱室20内に排水したが、排水タンクを別に設けて、その排水タンクに循環経路内に生じた結露水を排水経路を介して排水するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、蒸気発生装置40と蒸気昇温装置50および循環経路60を備え、過熱蒸気を加熱室20に供給することにより被加熱物を加熱調理する蒸気調理器について説明したが、蒸気を発生する蒸気発生装置と、蒸気発生装置から供給される蒸気によって被加熱物を加熱するための加熱室と、蒸気発生装置からの蒸気を上記加熱室を介して循環させるための循環経路と、循環経路に風を送る送風ファンと、送風ファンの回転数を制御する制御装置とを備えた蒸気調理器であれば、この発明を適用することができる。