JP4287796B2 - 蒸気調理器 - Google Patents

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Description

この発明は、蒸気調理器に関する。
従来、蒸気を用いて食品などの被加熱物の加熱調理を行う蒸気調理器として、オーブン庫内に蒸気を送り込むものがある(例えば、特許文献1(特開平8−49854号公報)参照)。この蒸気調理器は、蒸気を発生させる蒸気発生装置と、その蒸気発生装置により発生させた蒸気を加熱することにより過熱蒸気を生成する蒸気過熱器とを備え、蒸気過熱器で生成された過熱蒸気をオーブン庫内に送り込んで食品を調理する。
ところが、上記蒸気調理器では、多くの水をポット内に入れた状態で加熱しなければならないため、蒸気発生装置による蒸気の発生に時間がかかり、蒸気の立ち上がりを早くできず、電子レンジなどに比べて調理時間が長くなるという問題がある。
そこで、本出願人は、蒸気の立ち上がりを早くして調理時間を短縮できる調理仕上がりの良好な蒸気調理器を提案している。この蒸気調理器では、加熱室内の蒸気を外部に排出するための排気通路を設けているが、排気通路内に調理による汚れが堆積し、蒸気による加熱調理中に排気通路内で結露した凝縮水が汚れと一緒に加熱室内に流れ出てくるという問題がある。なお、この蒸気調理器は、この発明を理解しやすくするために説明するものであって、公知技術ではなく、従来技術ではない。
特開平8−49854号公報
そこで、この発明の目的は、排気通路内に堆積した汚れを蒸気発生装置の排水と同時に洗い流すことができる蒸気調理器を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明の蒸気調理器は、被加熱物を加熱するための蒸気を発生する蒸気発生装置と、上記蒸気発生装置から供給される蒸気によって被加熱物を加熱するための加熱室と、上記加熱室に設けられた排気口に一端が接続され、他端が大気に開放された排気通路と、上記蒸気発生装置内の水を排水する排水手段と、上記蒸気発生装置内の水を上記排水手段を介して排出するための排水通路とを備え、上記蒸気発生装置内から排出された水が、上記排水通路と上記排気通路の一部を介して上記加熱室内に流れ込むように、上記排気通路の上記排気口よりも上流側に上記排水通路の下端を接続したことを特徴とする。
上記構成の蒸気調理器によれば、上記蒸気発生装置から加熱室に蒸気が供給されることによって被加熱物を加熱調理した後、例えば次ぎの加熱調理がすぐに行われないときは排水手段により蒸気発生装置内の水を排水する。このとき、上記排気通路の排気口よりも上流側に排水通路の下端を接続することにより、蒸気発生装置内から排水手段を介して排出された水は、排水通路と排気通路の一部を介して加熱室内に流れ込む。これにより、排気通路内に堆積した汚れを蒸気発生装置の排水と同時に洗い流すことができる。
また、一実施形態の蒸気調理器は、上記排水通路の下端よりも上流側の位置に一端が接続され、他端が上記排気通路の上記排水通路が接続された接続部よりも上流側に接続されたバイパス通路を備えたことを特徴とする。
上記実施形態の蒸気調理器によれば、上記蒸気発生装置内から排水手段を介して排出された水は、排水通路と排気通路の一部を介して加熱室内に流れ込むとき、排水の一部が上記バイパス通路に流れ込む。したがって、上記バイパス通路に流れ込んだ水は、排気通路の排水通路が接続された接続部よりも上流側から排気通路内に流れ込むので、排気通路内のより広い範囲の汚れを洗い流すことができる。
また、一実施形態の蒸気調理器は、上記排水通路において、上記蒸気発生装置から上記バイパス通路が接続された接続部までの流路の有効断面積が上記バイパス通路が接続された接続部から上記排気通路までの流路の有効断面積よりも大きいことを特徴とする。
上記実施形態の蒸気調理器によれば、上記排水通路において、蒸気発生装置からバイパス通路が接続された接続部までの流路の有効断面積をバイパス通路が接続された接続部から排気通路までの流路の有効断面積よりも大きくすることによって、蒸気発生装置内から排水手段を介して排出された水が、排水通路とバイパス通路を介して排気通路内に流れ込むとき、バイパス通路側の流量が多くなり、バイパス通路が接続された排気通路のより上流側から多くの水が排気通路内に流れ込む。したがって、排気通路内のより広い範囲の汚れを効果的に洗い流すことができる。
また、一実施形態の蒸気調理器は、上記排水通路は、上記蒸気発生装置の下端から上記排水手段を介して下方に延びる第1通路と、上記第1通路の下端に一端が接続され、U字形状に湾曲して他端が上方に延びる第2通路と、上記第2通路の他端から斜め下方に湾曲して延び、下端が上記排気通路に接続された第3通路と、上記第2通路のU字形状の下側に一端が接続され、上記第3通路が接続された接続部よりも下側で他端が上記排気通路に接続された第4通路とを有し、上記第4通路は、上記第2通路のU字形状の下側から上記排気通路の接続部に向かって徐々に低くなっていることを特徴とする。
上記実施形態の蒸気調理器によれば、上記蒸気発生装置内から排水手段を介して排出された水は、蒸気発生装置の下端から下方に延びる第1通路を介してU字形状に湾曲した第2通路と第4通路に分かれて流れ込む。そうして、第2通路に流れ込んだ水は、その勢いで第2通路のU字形状に沿って曲がり上方に上った後、第2通路の他端から斜め下方に湾曲して延びる第3通路から排気通路内に流れ込むと共に、第4通路に流れ込んだ水は、排気通路の第3通路が接続された接続部よりも下流側から排気通路内に流れ込む。そして、蒸気発生装置内の水が少なくなり第1通路を流れ落ちる勢いが弱まって、U字形状に湾曲した第2通路の底部に溜まった水も、第4通路を介して排気通路に流れ込み、U字形状に湾曲した第2通路の底部に水が滞留しない。このように、上記第3通路に流れ込んだ水は、排気通路の第4通路が接続された接続部よりも上流側から排気通路内に流れ込むので、排気通路内のより広い範囲の汚れを洗い流すことができる。
また、一実施形態の蒸気調理器は、上記第2通路のうちの上記第4通路の一端が接続された接続部よりも下流側と上記第3通路の有効断面積が、上記第4通路の有効断面積よりも大きいことを特徴とする。
上記実施形態の蒸気調理器によれば、上記第2通路のうちの第4通路の一端が接続された接続部よりも下流側および第3通路における有効断面積を、第4通路における有効断面積よりも大きくすることによって、蒸気発生装置内から排水手段を介して排出された水が、第3通路と第4通路を介して排気通路内に流れ込むとき、第3通路側の流量が多くなり、第3通路が接続されたより上流側から多くの水が排気通路内に流れ込む。したがって、排気通路内のより広い範囲の汚れを効果的に洗い流すことができる。
以上より明らかなように、この発明の蒸気調理器によれば、排気通路内に堆積した汚れを蒸気発生装置の排水と同時に洗い流すことができる蒸気調理器を実現できる。
以下、この発明の蒸気調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施形態の蒸気調理器1の外観斜視図であり、直方体形状の本体ケーシング10の正面に、下端側の辺を略中心に回動する扉12を設けている。扉12の右側に操作パネル11を設け、扉12の上部にハンドル13を設けると共に、扉12の略中央に耐熱ガラス製の窓14を設けている。
また、図2は蒸気調理器1の扉12を開いた状態の外観斜視図を示しており、本体ケーシング10内に直方体形状の加熱室20が設けられている。加熱室20は、扉12に面する正面側に開口部20aを有し、加熱室20の側面,底面および天面をステンレス鋼板で形成している。また、扉12は、加熱室20に面する側をステンレス鋼板で形成している。加熱室20の周囲および扉12の内側に断熱材(図示せず)を配置して、加熱室20内と外部とを断熱している。
また、加熱室20の底面に、ステンレス製の受皿21が置かれ、受皿21上に被加熱物を載置するためのステンレス鋼線製のラック24が置かれている。さらに、加熱室20の両側面に、長手方向が略水平の略長方形状の側面蒸気吹出口22(図2では一方のみを示す)を設けている。なお、扉12を開いた状態で、扉12の上面側は略水平となって、被加熱物を取り出すときに一旦扉12の上面に置くことができる。
また、本体ケーシング10の加熱室20の左側に、水タンク30を収納するための水タンク用収納部100を設けている。一方、本体ケーシング10の加熱室20の右側に、前面に略長方形の領域が突出した突部101を設け、突部101の加熱室20側かつ上側に複数の送風口102を設けている。
また、扉12が閉じた状態で、本体ケーシング10の突部101が嵌まる凹部103を扉12に設け、その凹部103の窓14側の側壁に、空気流入口の一例としての複数の冷却用スリット104を、本体ケーシング10の突部101の複数の送風口102に対向する位置に設けている。窓14は、空間を挟んだ2枚の耐熱ガラスで構成され、扉12の本体ケーシング10に面する側かつ窓14の外縁にパッキン105を取り付けている。
図3は蒸気調理器1の基本構成を示す概略構成図を示している。図3に示すように、蒸気調理器1は、加熱室20と、蒸気用の水を貯める水タンク30と、水タンク30から供給された水を蒸発させる蒸気発生装置40と、蒸気発生装置40からの蒸気を加熱する蒸気昇温装置50と、蒸気発生装置40や蒸気昇温装置50などを制御する制御装置80とを備える。
加熱室20内に置かれた受皿21上に格子状のラック24を載置し、そのラック24の略中央に被加熱物90が置かれる。
また、水タンク30の下側に設けられた接続部30aを、第1給水パイプ31の一端に設けられた漏斗形状の受入口31aに接続している。第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる第2給水パイプ32の他端にポンプ35の吸込側を接続し、そのポンプ35の吐出側に第3給水パイプ33の一端を接続している。また、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる水位センサ用パイプ38の上端に水タンク用水位センサ36を配設している。さらに、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる大気開放用パイプ37の上端を後述する排気ダクト65に接続している。
そして、第3給水パイプ33は、垂直に配置された部分から略水平に屈曲するL字形状をしており、第3給水パイプ33の他端に空気抜き用の空間を有する分岐接続部39を接続している。分岐接続部39の下端に第4給水パイプ34の一端を接続し、その第4給水パイプ34の他端を蒸気発生装置40の下端に接続している。第3給水パイプ33と第4給水パイプ34で給水通路を構成している。なお、分岐接続部39の空間は、大気開放用パイプ37と排気ダクト65を介して大気に連通している。
また、蒸気発生装置40の下端に一端が接続された排水通路の一例としての排水パイプ71の下端を、排気通路64の排気口27の上流側に接続している。そして、排水パイプ71の蒸気発生装置40近傍に第4給水パイプ34の下端を接続し、その接続部の下側の排水パイプ71の位置に排水手段の一例としての排水バルブ70を配設している。
上記水タンク30が接続されると、水タンク30内の水は、水タンク30と同水位になるまで大気開放用パイプ37内に水が上昇する。水タンク用水位センサ36につながる水位センサ用パイプ38は先端が密閉されているため、水位は上がらないが、水タンク30の水位に応じて水位センサ用パイプ38の密閉された空間の圧力は大気圧から上昇する。この圧力変化を、水タンク用水位センサ36内の圧力検出素子(図示せず)により検出することにより、水タンク30内の水位が検出される。ポンプ35の静止中の水位測定では、大気開放用パイプ37は不要であるが、ポンプ35の吸引圧力が直接圧力検出素子に働いて水タンク30の水位検出の精度が低下するのを防止するため、開放端を有する大気開放用パイプ37を用いている。
また、蒸気発生装置40は、下側に第4給水パイプ34の他端が接続されたポット41と、ポット41内の底面近傍に配置されたヒータ部42と、ポット41内のヒータ部42の上側近傍に配置された水位センサ43と、ポット41の上側に取り付けられた蒸気吸引エジェクタ44とを有している。そして、加熱室20の側面上部に設けられた吸込口25の外側にファンケーシング26を配置している。ファンケーシング26に配置された送風ファン28により、加熱室20内の蒸気は、吸込口25から吸い込まれる。吸い込まれた蒸気は、第1パイプ61を介して蒸気発生装置40の蒸気吸引エジェクタ44の入口側に送り込まれる。第1パイプ61は、一端がファンケーシング26に接続され、他端が蒸気吸引エジェクタ44のインナーノズル45の入口側に接続されている。
また、蒸気吸引エジェクタ44は、インナーノズル45の外側を包み込むアウターノズル46を備えており、インナーノズル45の吐出側がポット41の内部空間と連通している。そして、蒸気吸引エジェクタ44のアウターノズル46の吐出側を第2パイプ63の一端に接続し、その第2パイプ63の他端に蒸気昇温装置50を接続している。
上記ファンケーシング26,第1パイプ61,蒸気吸引エジェクタ44,第2パイプ63および蒸気昇温装置50で、循環経路60を形成している。また、加熱室20の側面の下側に設けられた排気口27に排気通路64の一端を接続し、排気通路64の他端を排気ダクト65の一端に接続している。排気ダクト65の他端に排気口66を設けている。排気通路64の排気ダクト65側にラジエータ69を外嵌して取り付けている。そして、循環経路60を形成する第1パイプ61との接続部を、放出通路67を介して排気ダクト65に接続している。放出通路67の第1パイプ61との接続側に、放出通路67を開閉するダンパ68を配置している。
また、蒸気昇温装置50は、加熱室20の天井側かつ略中央に、開口を下側にして配置された皿形ケース51と、皿形ケース51内に配置された第1蒸気加熱ヒータ52と、皿形ケース51内に配置された第2蒸気加熱ヒータ53とを有している。皿形ケース51の底面は、加熱室20の天井面に設けられた金属製の天井パネル54で形成されている。天井パネル54には、複数の天井蒸気吹出口55を形成している。また、天井パネル54は、上下両面が塗装などにより暗色に仕上げられている。なお、使用を重ねることにより暗色に変色する金属素材や暗色のセラミック成型品によって天井パネル54を形成してもよい。
さらに、蒸気昇温装置50は、加熱室20の左右両側に延びる蒸気供給通路23(図3では一方のみを示す)の一端が夫々接続されている。そして、蒸気供給通路23の他端は、加熱室20の両側面に沿って下方に延び、加熱室20の両側面かつ下側に設けられた側面蒸気吹出口22に接続されている。
制御装置80には、送風ファン28と、第1蒸気加熱ヒータ52と、第2蒸気加熱ヒータ53と、ダンパ68と、排水バルブ70と、蒸気発生ヒータ42と、操作パネル11(図1に示す)と、水タンク用水位センサ36と、水位センサ43と、加熱室20内の温度を検出する温度センサ(図示せず)と、加熱室20内の湿度を検出する湿度センサ(図示せず)と、ポンプ35が接続されている。
制御装置80は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなり、水タンク用水位センサ36,水位センサ43,温度センサおよび湿度センサからの検出信号に基づいて、送風ファン28,第1蒸気加熱ヒータ52,第2蒸気加熱ヒータ53,ダンパ68,排水バルブ70,蒸気発生ヒータ42,操作パネル11およびポンプ35を所定のプログラムに従って制御する。
上記構成の蒸気調理器1において、操作パネル11中の電源スイッチ(図示せず)が押されて電源がオンし、操作パネル11の操作により加熱調理の運転を開始する。そうすると、まず、制御装置80は、排水バルブ70を閉ざして、ダンパ68により放出通路67を閉じた状態でポンプ35の運転を開始する。ポンプ35により水タンク30から第1〜第4給水パイプ31〜34を介して蒸気発生装置40のポット41内に給水される。そして、ポット41内の水位が所定水位に達したことを水位センサ43が検出すると、ポンプ35を停止して給水を止める。
次に、蒸気発生ヒータ42を通電し、ポット41内に溜まった所定量の水を蒸気発生ヒータ42により加熱する。
次に、蒸気発生ヒータ42の通電と同時、または、ポット41内の水の温度が所定温度に達すると、送風ファン28をオンすると共に、蒸気昇温装置50の第1蒸気加熱ヒータ52を通電する。そうすると、送風ファン28は、加熱室20内の空気(蒸気を含む)を吸込口25から吸い込み、循環経路60に空気(蒸気を含む)を送り出す。送風ファン28に遠心ファンを用いているので、プロペラファンに比べて高圧を発生させることができる。さらに、送風ファン28に用いる遠心ファンを直流モータで高速回転させることによって、循環気流の流速を極めて速くすることができる。
次に、蒸気発生装置40のポット41内の水が沸騰すると、飽和蒸気が発生し、発生した飽和蒸気は、蒸気吸引エジェクタ44のところで循環経路60を通る循環気流に合流する。蒸気吸引エジェクタ44から出た蒸気は、第2パイプ63を介して高速で蒸気昇温装置50に流入する。
そして、蒸気昇温装置50に流入した蒸気は、第1蒸気加熱ヒータ52により加熱されて略300℃(調理内容により異なる)の過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の天井パネル54に設けられた複数の天井蒸気吹出口55から加熱室20内の下方に向かって噴出する。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気昇温装置50の左右両側に設けられた蒸気供給通路23を介して加熱室20の両側面の側面蒸気吹出口22から噴出する。
これにより、加熱室20の天井側から噴出した過熱蒸気が中央の被加熱物90側に向かって勢いよく供給されると共に、加熱室20の左右の側面側から噴出した過熱蒸気は、被加熱物90の下方から被加熱物90を包むように上昇しながら供給される。それによって、加熱室20内において、中央部では吹き下ろし、その外側では上昇するという形の対流が生じる。そして、対流する蒸気は、順次吸込口25に吸い込まれて、循環経路60を通って再び加熱室20内に戻るという循環を繰り返す。
このようにして加熱室20内で過熱蒸気の対流を形成することにより、加熱室20内の温度,湿度分布を均一に維持しつつ、蒸気昇温装置50からの過熱蒸気を天井蒸気吹出口55と側面吹出口22から噴出して、ラック24上に載置された被加熱物90に効率よく衝突させることが可能となる。そうして、過熱蒸気の衝突により被加熱物90を加熱する。このとき、被加熱物90の表面に接触した過熱蒸気は、被加熱物90の表面で結露するときに潜熱を放出することによっても被加熱物90を加熱する。これにより、過熱蒸気の大量の熱を確実にかつ速やかに被加熱物90全面に均等に与えることができる。したがって、むらがなく仕上がりよい加熱調理を実現することができる。
また、上記加熱調理の運転において、時間が経過すると、加熱室20内の蒸気量が増加し、量的に余剰となった分の蒸気は、排気口27から排気通路64,排気ダクト65を介して排気口66から外部に放出される。このとき、排気通路64に設けたラジエータ69により排気通路64を通過する蒸気を冷却して結露させることによって、外部に蒸気がそのまま放出されるのを抑制している。ラジエータ69により排気通路64内で結露した水は、排気通路64内を流れ落ちて受皿21に導かれ、調理により発生した水と共に調理終了後に処理する。
調理終了後、制御装置80により操作パネル11に調理終了のメッセージを表示し、さらに操作パネル11に設けられたブザー(図示せず)により合図の音を鳴らす。それにより、調理終了を知った使用者が扉12を開けると、制御装置80は、扉12が開いたことをセンサ(図示せず)により検知して、放出通路67のダンパ68を瞬時に開く。それにより、循環経路60の第1パイプ61が放出通路67を介して排気ダクト65に連通し、加熱室20内の蒸気は、送風ファン28により吸込口25,第1パイプ61, 放出通路67および排気ダクト65を介して排気口66から排出される。このダンパ動作は、調理中に使用者が扉12を開いても同様である。したがって、使用者は、蒸気にさらされることなく、安全に被加熱物90を加熱室20内から取り出すことができる。
図4(a)は上記蒸気調理器の排水構造を示す模式図であり、図4(a)に示すように、水タンク30から第2給水パイプ32,ポンプ35,第3給水パイプ33および第4給水パイプ34を介して蒸気発生装置40のポット41内に下側から水が供給される(排水バルブ70は閉状態)。第3給水パイプ33および第4給水パイプ34は、T形連結パイプ(図示せず)の両端に夫々接続され、T形連結パイプに分岐パイプ73の一端を接続している。分岐パイプ73の他端を排気ダクト65に接続し、排気ダクト65の下端に、排気口27を有する排気通路64の上端を接続している。
排水バルブ70を開いて蒸気発生装置40のポット41内の水を排水するとき、排気通路64の排気口27よりも上流側に排水パイプ71の下端を接続することにより、蒸気発生装置40のポット41内から排水バルブ70を介して排出された水は、排水パイプ71と排気通路64の一部(排水パイプ71との接続部から下流の通路)を介して加熱室20(図3に示す)内に流れ込む。これにより、排気通路64内に堆積した汚れを蒸気発生装置40のポット41の排水と同時に洗い流すことができる。
また、図4(b)は他の排水構造を示す模式図であり、図4(a)に示す排水構造と同一の構成部は、同一参照番号を付して説明を省略する。図4(b)に示すように、蒸気発生装置40の下端に一端が接続された排水通路の一例としての排水パイプ74の下端を、排気通路64の排気口27の上流側に接続している。排水パイプ74の下端近傍は、排気通路64側に向かって徐々に径が小さくなって絞り部74aを設けている。そして、排水パイプ74の蒸気発生装置40近傍に第4給水パイプ34の下端を接続し、その下側の排水パイプ74に排水手段の一例としての排水バルブ70を配設している。また、排気通路64に接続された排水パイプ74の下端よりも上流側(絞り部74aよりも上流側)の位置に、バイパス通路75の一端を接続し、そのバイパス通路75の他端を排気通路64の排水パイプ74が接続された接続部よりも上流側に接続している。
蒸気発生装置40のポット41内から排出された水は、排水パイプ74と排気通路64の一部を介して加熱室20内に流れ込むとき、排水の一部がバイパス通路75に流れ込む。したがって、バイパス通路75に流れ込んだ水は、排気通路64の排水パイプ74が接続された接続部よりも上側から排気通路64内に流れ込むので、排気通路64内のより広い範囲の汚れを洗い流すことができる。
また、排水パイプ74において、ポット41からバイパス通路75が接続された接続部までの流路の有効断面積をバイパス通路75が接続された接続部から排気通路64までの流路の有効断面積よりも大きくすることによって、蒸気発生装置40のポット41内から排出された水が、排水パイプ74とバイパス通路75を介して排気通路64内に流れ込むとき、バイパス通路75側の流量が多くなり、排気通路64の排水パイプ74が接続された接続部より上流側で接続されたバイパス通路75から多くの水が排気通路64内に流れ込む。したがって、排気通路64内のより広い範囲の汚れを効果的に洗い流すことができる。
また、図4(c)は他のもう一つの排水構造を示す模式図であり、図4(c)に示す排水構造と同一の構成部は、同一参照番号を付して説明を省略する。図4(c)に示すように、蒸気発生装置40の下端に上端が接続された第1通路76aは、下方に延び、排水バルブ70が配設されている。第1通路76aの下端に一端が接続された第2通路76bは、U字形状に湾曲して他端が上方に延びる。第2通路76bの他端から斜め下方に湾曲して延びる第3通路76cの下端を排気通路64に接続している。そして、第2通路76bのU字形状の下側に第4通路76dの一端を接続し、その第4通路76dの他端を、排気通路64の第3通路76cが接続された接続部よりも下流側に接続している。第1通路76aと第2通路76bと第3通路76cおよび第4通路76dで排水通路の一例としての排水パイプ76を構成している。第4通路76dを、第1通路76a,第2通路76bおよび第3通路76cよりも小径にして、第2通路76bのうちの第4通路76dの一端が接続された接続部よりも下流側と第3通路76cの有効断面積が、第4通路76dの有効断面積よりも大きくなるようにしている。
蒸気発生装置40のポット41内から排水バルブ70を介して排出された水は、第1通路76aを介してU字形状に湾曲した第2通路76bと第4通路76dに分かれて流れ込む。そうして、第2通路76bに流れ込んだ水は、その勢いで第2通路76bのU字形状に沿って曲がり上方に上った後、第2通路76bの他端から斜め下方に湾曲して延びる第3通路76cから排気通路64に流れ込むと共に、第4通路76dに流れ込んだ水は、排気通路64の第3通路76cが接続された接続部よりも下流側に流れ込む。そして、ポット41内が少なくなって第1通路76aを流れ落ちる勢いが弱まると、U字形状に湾曲した第2通路76bの底部に溜まった水も、第4通路76dを介して排気通路64に流れ込み、第2通路76bの底部に水が滞留しない。このように、第3通路76cに流れ込んだ水は、排気通路64の第4通路76dが接続された接続部よりも上流側から排気通路64内に流れ込むので、排気通路64内のより広い範囲の汚れを洗い流すことができる。
また、第2通路76bのうちの第4通路76dの一端が接続された接続部よりも下流側と第3通路76cの有効断面積を、第4通路76dの有効断面積よりも大きくすることによって、蒸気発生装置40のポット41内から排水バルブ70を介して排出された水が、第3通路と第4通路を介して排気通路64内に流れ込むとき、第3通路側の流量が多くなり、第3通路が接続されたより上流側から多くの水が排気通路64内に流れ込む。したがって、排気通路64内のより広い範囲の汚れを効果的に洗い流すことができる。
上記実施の形態では、蒸気発生装置40と蒸気昇温装置50と被加熱物を加熱するための加熱室20とを備え、過熱蒸気により被加熱物を加熱調理する蒸気調理器について説明したが、この発明の蒸気調理器は、蒸気を発生する蒸気発生装置と、被加熱物を加熱するための加熱室と、上記加熱室に設けられた排気口に一端が接続され、他端が大気に開放された排気通路と、上記蒸気発生装置内の水を排水する排水手段と、上記蒸気発生装置内の水を排出するための排水通路とを備えたものであればよい。
図1はこの発明の第1実施形態の蒸気調理器の外観斜視図である。 図2は上記蒸気調理器の扉を開いた状態の外観斜視図である。 図3は上記蒸気調理器の構成を示す概略構成図である。 図4(a)は上記蒸気調理器の排水構造を示す模式図であり、図4(b)は他の排水構造を示す模式図である。図4(c)は他のもう一つの排水構造を示す模式図である。
符号の説明
1…蒸気調理装置
10…本体ケーシング
11…操作パネル
12…扉
13…ハンドル
14…窓
20…加熱室
21…受皿
22…側面蒸気吹出口
23…蒸気供給通路
24…ラック
25…吸込口
26…ファンケーシング
27…排気口
28…送風ファン
28a…ファン部
28b…モータ部
30…水タンク
31…第1給水パイプ
32…第2給水パイプ
33…第3給水パイプ
34…第4給水パイプ
35…ポンプ
36…水タンク用水位センサ
39…分岐接続部
40…蒸気発生装置
41…ポット
42…ヒータ部
43…水位センサ
44…蒸気吸引エジェクタ
50…蒸気昇温装置
51…皿形ケース
52…第1蒸気加熱ヒータ
53…第2蒸気加熱ヒータ
60…循環経路
61…第1パイプ
63…第2パイプ
64…排気通路
65…排気ダクト
66…排気口
67…放出通路
68…ダンパ
69…ラジエータ
70…排水バルブ
71,74,76…排水パイプ
73…分岐パイプ
75…バイパス通路
76…排水パイプ
76a…第1通路
76b…第2通路
76c…第3通路
76d…第4通路
80…制御装置
90…被加熱物
100…水タンク用収納部
101…突部
102…送風口
103…凹部
104…冷却用スリット
105…パッキン

Claims (5)

  1. 被加熱物を加熱するための蒸気を発生する蒸気発生装置と、
    上記蒸気発生装置から供給される蒸気によって被加熱物を加熱するための加熱室と、
    上記加熱室に設けられた排気口に一端が接続され、他端が大気に開放された排気通路と、
    上記蒸気発生装置内の水を排水する排水手段と、
    上記蒸気発生装置内の水を上記排水手段を介して排出するための排水通路とを備え、
    上記蒸気発生装置内から排出された水が、上記排水通路と上記排気通路の一部を介して上記加熱室内に流れ込むように、上記排気通路の上記排気口よりも上流側に上記排水通路の下端を接続したことを特徴とする蒸気調理器。
  2. 請求項1に記載の蒸気調理器において、
    上記排水通路の下端よりも上流側の位置に一端が接続され、他端が上記排気通路の上記排水通路が接続された接続部よりも上流側に接続されたバイパス通路を備えたことを特徴とする蒸気調理器。
  3. 請求項2に記載の蒸気調理器において、
    上記排水通路において、上記蒸気発生装置から上記バイパス通路が接続された接続部までの流路の有効断面積が上記バイパス通路が接続された接続部から上記排気通路までの流路の有効断面積よりも大きいことを特徴とする蒸気調理器。
  4. 請求項1に記載の蒸気調理器において、
    上記排水通路は、上記蒸気発生装置の下端から上記排水手段を介して下方に延びる第1通路と、上記第1通路の下端に一端が接続され、U字形状に湾曲して他端が上方に延びる第2通路と、上記第2通路の他端から斜め下方に湾曲して延び、下端が上記排気通路に接続された第3通路と、上記第2通路のU字形状の下側に一端が接続され、他端が上記排気通路の上記第3通路が接続された接続部よりも下流側に接続された第4通路とを有し、
    上記第4通路は、上記第2通路のU字形状の下側から上記排気通路の接続部に向かって徐々に低くなっていることを特徴とする蒸気調理器。
  5. 請求項4に記載の蒸気調理器において、
    上記第2通路のうちの上記第4通路の一端が接続された接続部よりも下流側と上記第3通路の有効断面積が、上記第4通路の有効断面積よりも大きいことを特徴とする蒸気調理器。
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